JP3738272B2 - Propylene-based resin composition and automotive interior member using the same - Google Patents

Propylene-based resin composition and automotive interior member using the same Download PDF

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた自動車用内装部材に関する。さらに詳しくは、本発明はウエルド外観が良好で、かつ低光沢性を有し、無塗装化が可能でコストダウンを図ることができる上、耐衝撃性に優れ、例えばシボ面での低光沢性や良好な外観が求められる自動車用内装部材などの成形材料として好適なプロピレン系樹脂組成物、及びこれを射出成形してなる自動車用内装部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の内装部品においては、製品のコストダウンを目的とした無塗装化の進展に伴い、良好な外観性能を有するとともに、光の反射を抑制し、かつ落着き感を付与するなどの効果がある低光沢性に優れる内装部品の要求が急速に高まっている。また、同時に安全対策、材料の低コスト化の要求レベルも厳しくなり、耐衝撃性に優れた安価な材料が求められている。
自動車の内装部品の材料としては、安価な汎用樹脂であるプロピレン系樹脂が多用されており、そしてこのプロピレン系樹脂の耐衝撃性(常温アイゾット衝撃強度)を向上させるには、スチレン系エラストマーが効果的であることが知られている。しかしながら、このスチレン系エラストマーは高価である上、得られた成形材料は光沢度が高いなどの問題がある。
【0003】
また、耐低温衝撃性に優れた成形材料として、例えば結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体に、メタロセン系触媒を用いて得られたエチレン−α−オレフィン共重合体を配合した樹脂組成物(特開平7−145272号公報,特開平7−145298号公報)、プロピレン系樹脂に、ブテン−1単位含有量の比較的多いエチレン−ブテン−1共重合体(実質上メタロセン系触媒により得られたもの)を配合した樹脂組成物(特開平6−192506号公報,特開平7−18151号公報)、プロピレン系樹脂に、オクテン−1含有量の比較的多いエチレン−オクテン−1共重合体(実質上メタロセン系触媒により得られたもの)を配合した樹脂組成物(国際特許公開94−6859号)などが開示されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物では、耐低温衝撃性は良好であるものの、低光沢性の成形品を製造しにくいという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、ウエルド外観が良好で、かつ低光沢性を有し、無塗装化が可能でコストダウンを図ることができ、しかも耐衝撃性に優れ、自動車用内装部材などの成形材料として好適なプロピレン系樹脂組成物及びこれを用いた自動車用内装部材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低光沢性を有し、かつ耐衝撃性に優れる成形品を与えるプロピレン系樹脂組成物について鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を有するプロピレン系樹脂に、特定の耐衝撃性付与剤と場合によりタルクを所定の割合で配合した樹脂組成物により、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(A)(1)(イ)23℃パラキシレン不溶分70〜98重量%と(ロ)23℃パラキシレン可溶分30〜2重量%とからなり、かつ(2)(イ)成分が、溶融粘弾性測定から得られる角周波数ωが100 /secでの緩和時間τが0.01〜0.35秒であって、溶融粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率(G')が2×102 Paとなるような角周波数をω1 、2×104 Paとなるような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数(PDI)が1〜18であり、(3)(ロ)成分の極限粘度〔η〕(135℃,デカリン中)が2.0〜10デシリットル/gであり、さらに、(4)エチレン単位含有量が1〜20重量%であるプロピレン系樹脂50〜99重量%と、(B)密度0.850〜0.875g/cm3 及びメルトインデックス0.01〜25g/10分を有するエチレン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体1〜15重量%と、(C)タルク0〜35重量%とからなるプロピレン系樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、上記プロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる自動車用内装部材をも提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂組成物において、(A)成分として用いられるプロピレン系樹脂は、以下に示す性状を有する。
まず、23℃パラキシレンにより分別した場合、(イ)不溶分量が70〜98重量%で、(ロ)可溶分量が30〜2重量%である。不溶分量が70重量%未満では成形品の剛性,シボ面での低光沢性,ウエルド外観が不充分で、フローマークや色ムラが発生しやすく、98重量%を超えると耐衝撃性が低下し、またウエルド外観,シボ面での低光沢性が不充分となる傾向がみられる。外観,剛性,耐衝撃性及びシボ面での低光沢性などのバランスの面から、この不溶分の好ましい含有量は75〜93重量%の範囲であり、特に80〜88重量%の範囲が好適である。
なお、この23℃パラキシレンによる分別は、以下に示す方法により実施される。すなわち、試料を130℃のパラキシレンに完全溶解後、23℃に冷却した際の溶解部分と非溶解部分に分別する。
【0007】
本発明においては、上記(イ)成分は、溶融粘弾性測定から得られる角周波数ωが100 /secでの緩和時間τが0.01〜0.35秒である。この緩和時間τが0.35秒を超えると得られる成形品はウエルド外観が不良となり、かつシボ面での低光沢性が不充分である上、フローマークや色ムラが発生しやすくなる。外観及びシボ面での低光沢性などの面から、好ましい緩和時間τは0.02〜0.30秒であり、特に0.02〜0.25秒が好適である。なお、この緩和時間τはレオメトリックス社製システム4〔回転型レオメーター,コーンプレート(25mmφ),コーンアングル:0.1ラジアン〕を用い、温度175℃において角周波数ω=100 /secで正弦的な剪断歪みを加え、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G''とから、関係式=G’/ωG''を用いて算出した値である。
【0008】
また、この(イ)成分は、溶融粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率(G’)が2×102 Paとなるような角周波数をω1 、2×104 Paとなるような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数(PDI)が1〜18である。このPDIが18を超えると得られる成形品はウエルド外観が不良となり、かつシボ面での低光沢性が不充分である上、色ムラが発生しやすくなる、外観及び低光沢性などの面から、好ましい分子量分布指数(PDI)は2〜16であり、特に2〜14が好適である。なお、このPDIは、測定機器としてレオメトリックス社製システム4〔回転型レオメーター,コーンプレート(25mmφ),コーンアングル:0.1ラジアン〕を用い、測定条件:175℃,歪30%で測定を行い求めた。
【0009】
次に、上記(ロ)成分の極限粘度〔η〕(135℃、デカリン中)が2.0〜10デシリットル/gである。この〔η〕が2.0デシリットル/g未満では得られる成形品はウエルド外観が悪く、かつシボ面での低光沢性が不充分である。また、〔η〕が10デシリットル/gを超えるとフローマークが発生するなど成形性が低下するとともに、耐衝撃性が悪くなる。ウエルド外観,シボ面での低光沢性,成形性及び耐衝撃性などの面から、好ましい〔η〕は2.2〜9.0デシリットル/gであり、特に2.4〜8.0デシリットル/gが好適である。
【0010】
さらに、この(A)成分のプロピレン系樹脂は、エチレン単位を1〜20重量%の割合で含有することを要する。この含有量が1重量%未満では得られる成形品はウエルド外観が不良で、かつシボ面での低光沢性及び耐衝撃性が不充分であり、20重量%を超えるとウエルド外観,シボ面での低光沢性及び剛性が不充分となり、かつフローマークが発生するなど成形性が低下する。ウエルド外観,シボ面での低光沢性,成形性,耐衝撃性及び剛性などのバランスの面から、このエチレン単位の好ましい含有量は5〜17重量%の範囲であり、特に8〜15重量%の範囲が好適である。
【0011】
また、この(A)成分のプロピレン系樹脂は、温度230℃,荷重2.16kgfの条件で測定したメルトインデックス(MI)が1〜100g/10分の範囲にあるものが好ましい。このMIが1g/10分未満では流動性が低くて成形性が悪く、また100g/10分を超えると成形品の機械物性が低下する。成形性及び機械物性のバランスの面から、より好ましいMIは5〜70g/10分、特に好ましくは10〜40g/10分の範囲である。なお、このMIはJIS K−7210に準拠して求めた値である。特に、MIが8g/10分より大きなプロピレン系樹脂とMIが5g/10分未満のプロピレン系樹脂との混合物であって、MIが5g/10分未満のプロピレン系樹脂を5〜30重量%の割合で含有するものが、耐衝撃性の良好なものが得られる点から好ましい。MIが5g/10分未満のプロピレン系樹脂の含有量が30重量%を超えるとフローマークが発生するなど、成形性が低下する傾向がみられる。
【0012】
上記(A)成分のプロピレン系樹脂の製造方法については、前記要件を満たすプロピレン系樹脂が得られる方法であればよく、特に制限されず、様々な方法が挙げられる。例えば、別々に重合して得られた各成分をブレンドする方法、あるいは、次に示すように、(a)(i)マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用いられる(ii)結晶性ポリオレフィンから構成される固体成分と、(b)有機アルミニウム化合物と、通常用いられる(c)電子供与性化合物とからなる触媒系の存在下、多段重合を行い、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する方法などがある。
次に、多段重合法によるプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法について説明する。
【0013】
この多段重合に用いられる触媒系において、前記(a)固体成分は、(i)成分のマグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(ii)成分の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該(i)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであって、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接触させることによって調製することができる。なおこの場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれる。
該マグネシウム化合物としては、例えば、マグネシウムジクロリドなどのマグネシウムジハライド,酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,ハイドロタルサイト,マグネシウムのカルボン酸塩,ジエトキシマグネシウムなどのジアルコキシマグネシウム,ジアリーロキシマグネシウム,アルコキシマグネシウムハライド,アリーロキシマグネシウムハライド,エチルブチルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウム,アルキルマグネシウムハライドあるいは有機マグネシウム化合物と電子供与体,ハロシラン,アルコキシシラン,シラノール及びアルミニウム化合物等などの反応物などを挙げることができるが、これらの中でマグネシウムジハライド,ジアルコキシマグネシウム,ジアルキルマグネシウム,アルキルマグネシウムハライドが好適である。またこれらのマグネシウム化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
また、マグネシウム化合物として、金属マグネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用いることもできる。この際用いられる金属マグネシウムは特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例えば、顆粒状,リボン状,粉末状などのものを用いることができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に制限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生成されていないものが好ましい。
さらに、アルコールとしては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エタノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒成分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成されるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm以下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少ないほど有利である。
【0015】
ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのものでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類については特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のものでよく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、エタノール)中の溶液の形で用いることができる。
アルコールの使用量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100モル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アルコール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネシウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合は、金属マグネシウムとの反応が円滑に行われなくなるおそれがある。
【0016】
ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子として0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕することなく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生成ポリマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択することにより、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコントロールすることが可能である。
【0017】
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められなくなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマグネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例えばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したのち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法などが挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投入しておき、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法である。
【0018】
このようにした場合、水素ガスの一時的な大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望ましい。また、反応槽も小型化することが可能となる。さらには、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされるアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまでもない。さらには、変法として、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したのち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を繰り返すということも可能である。
このようにして得たマグネシウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。いずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物は、粉砕あるいは粒度分布を揃えるための分級操作をすることなく次工程に用いることができる。
【0019】
また、該チタン化合物としては、例えば、テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキシチタンなどのテトラアルコキシチタンやテトラアリーロキシチタン、四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エトキシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムトリクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エトキシチタニウムトリブロミドなどのトリハロゲン化アルコキシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエトキシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジクロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジエトキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアルコキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,トリエトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げられるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
そして、電子供与体としては、後で(c)成分の電子供与性化合物として例示するものを用いることができる。
該(i)固体触媒成分の調製は、公知の方法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−135102号公報,特開昭55−135103号公報,特開昭56−18606号公報,特開昭56−166205号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57−190004号公報,特開昭57−300407号公報,特開昭58−47003号公報)で行うことができる。
【0021】
このようにして調製された(i)固体触媒成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。
また、(a)固体成分の調製において必要に応じて用いられる(ii)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられる。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(i)固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて用いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存在下に、プロピレンを予備重合させる方法(予備重合法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(i)固体触媒成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させる方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得ることができる。
【0022】
前記(1)の予備重合法においては、アルミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましくは0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選ばれる。
(a)固体成分における、(i)固体触媒成分と(ii)結晶性ポリオレフィンとの割合については、(i)成分に対する(ii)成分の重量比が通常、0.03〜200、好ましくは0.10〜50の範囲になるように選ばれる。
次に、(b)成分として用いられ有機アルミニウム化合物としては、一般式(I)
AlR1 p 3-p ・・・(I)
〔式中、R1 は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3の数を示す。〕
で表される化合物を挙げることができる。例えば、トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム,ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライド,エチルアルミニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハライドなどを好適に使用することができる。これらのアルミニウム化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
さらに、該触媒には、通常(c)成分として電子供与性化合物が用いられる。この電子供与性化合物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを含有する化合物であり、基本的にはプロピレンの重合において、規則性の向上性能を有するものが考えられる。
このような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケイ素化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,ケトン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,アルデヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げることができる。
【0024】
例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメトキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,ジイソプロピルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラフェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソアミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエチルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレート,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフタレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレート,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフタレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテレフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテレフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエチルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレート,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレフタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチルプロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタレート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフタレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブチルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフタレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エステル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シクロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ビバリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサンカルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メチル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラクトン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアルデヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルアルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセチルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルクロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘキサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘキサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,ベンジルカルボニルクロリド,シクロヘキサンカルボニルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイルジクロリド,シクロヘキサンジカルボニルジクロリド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチルベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロイルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメチルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエーテル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミドなどの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメチルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニトリルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)などのアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物などが挙げられる。
【0025】
これらの中で有機ケイ素化合物、エステル類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメトキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロピルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ−n−ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなどの芳香族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メトキシ安息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適である。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
触媒系の各成分の使用量については、(a)固体成分はチタン原子に換算して反応容積1リットル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲になるような量が用いられる。また、(b)有機アルミニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜3000、好ましくは40〜800になるような量が用いられ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分になるおそれがある。
以上、チーグラー系の固体触媒を用いる場合について、詳しく述べたが、触媒としては近年注目されているメタロセン系の触媒を用いることもできる。
(A)成分として用いるプロピレン系樹脂は、各種の方法で得ることができるが、例えば前記した触媒系の存在下、多段重合によって製造することができる。多段重合における重合順序、及び重合段数は任意に選ぶことができる。例えば、最初の重合(第一段重合)は結晶性プロピレン系重合体が得られるようにプロピレンの単独重合又は共重合(2重量%以下のエチレンや他のオレフィンを含有する)を行い、第二段以降でエチレンとプロピレンとのランダム共重合やエチレンとプロピレンと他のα−オレフィンやポリエンとのランダム共重合を行うことができる。ここで、他のα−オレフィンとしては、例えばブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン−1などの直鎖状α−オレフィン、3−メチルブテン−1;4−メチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィンが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリエンとしては、例えばジシクロペンタジエン,トリシクロペンタジエンなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する場合、その重合条件としては、前記したように、(イ)成分の緩和時間τが0.01〜0.35秒、好ましくは0.02〜0.30秒、より好ましくは0.02〜0.25秒に、かつ分子量分布指数(PDI)が1〜18、好ましくは2〜16、より好ましくは2〜14となるように、また、(ロ)成分の極限粘度〔η〕が2.0〜10デシリットル/g、好ましくは2.2〜9.0デシリットル/g、より好ましくは2.4〜8.0デシリットル/gとなるように選択すればよい。
【0028】
気相重合により重合を行う場合、プロピレンの単独重合段階については、重合圧力は通常1〜200kg/cm2 G、好ましくは1〜100kg/cm2 G、重合温度は通常40〜100℃、好ましくは50〜90℃の範囲で適宜選ばれる。また、エチレン−プロピレン共重合段階やエチレン−プロピレン−他のα−オレフィンやポリエン共重合段階については、重合圧力は通常1〜150kg/cm2 G、好ましくは1〜100kg/cm2 G、重合温度は通常30〜100℃、好ましくは30〜80℃の範囲で適宜選ばれる。いずれの段階においても、重合体の分子量調節は、公知の手段、例えば、重合器中の水素濃度を調節することにより行うことができる。重合時間は5分〜10時間程度で適宜選ばれる。
【0029】
重合に際しては、触媒系を構成する各成分、すなわち、(a)〜(c)成分を所定の割合で混合し、接触させたのち、ただちにモノマーを導入し、重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟成させたのち、モノマーを導入してもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給することができる。特に、結晶性のポリプロピレンの重合段階において、重合の均一性を確保し、得られる重合体の均一性、すなわち分子量分布が広くならないような触媒、重合条件を選択することが好ましい。
重合後の後処理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるモノマーなどを除くために、窒素気流などを通過させてもよい。また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加することもできる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペレット化することもできる。
本発明の樹脂組成物においては、この(A)成分のプロピレン系樹脂は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
本発明の樹脂組成物においては、(B)成分として、エチレン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体が用いられる。このエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.850〜0.875g/cm3 の範囲である。この密度が0.850g/cm3 未満では成形品の剛性が不充分となり、0.875g/cm3 を超えると耐衝撃性の改良効果が充分に発揮されない。剛性及び耐衝撃性などの面から、特に好ましい密度は0.855〜0.870g/cm3 の範囲である。また、メルトインデックスル(MI)は0.01〜25g/10分の範囲である。このMIが0.01g/10分未満では耐衝撃性の改良効果が充分に発揮されず、またフローマークが発生するおそれがあり、25g/10分を超えるとシボ面での低光沢性及び耐衝撃性が不充分となるおそれがある。耐衝撃性,低光沢性及び成形性などの面から、好ましいMIは0.01〜6g/10分の範囲であり、特に0.01〜1g/10分の範囲が好適である。なお、このMIは、温度190℃,荷重2.16kgfの条件で測定した値である。
この共重合体のコモノマーとして用いられる炭素数4〜18のα−オレフィンとしては、例えばブテン−1;ペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1;ノネン−1;デセン−1;ドデセン−1などの直鎖状α−オレフィン、3−メチルブテン−1;4−メチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィンが挙げられるが、これらの中で、特に炭素数4〜10の直鎖状α−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、少量のジエン成分、例えばジシクロペンタジエン;エチリデンノルボルネン;1,4−ヘキサジエン;1,9−デカジエン;ビニルノルボルネンなどを併用してもよい。
【0031】
この(B)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィン単位の含有量は、密度が上記範囲になるように選べばよく特に制限はないが、通常は20〜70重量%の範囲である。また、このエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法については、上記の性状を有するエチレン−α−オレフィン共重合体が得られる方法であればよく特に制限はないが、本発明の目的が効果的に達成される点から、メタロセン系触媒を用いる方法が有利である。このメタロセン系触媒としては、例えばシングルサイト触媒(SSC)や幾何拘束型触媒(CGC)などがある。これらのメタロセン系触媒の具体例としては、特開平6−192506号公報,同7−145298号公報,同7−18151号公報,同7−145272号公報,国際公開WO94/06859号公報に記載されている触媒があり、さらには特開平5−43618号公報,同5−51414号公報,国際公開WO96/04317号公報,同93/13140号公報,同91/04255号公報,同91/04257号公報に記載されている触媒を挙げることができる。より具体的には、シクロペンタジエニル基,モノ(ジ,トリ,テトラ,ペンタ)メチルシクロペンタジエニル基やインデニル基を有する遷移金属錯体からなる触媒などがある。これらのメタロセン系触媒は、通常アルキルアルミノキサン、あるいは硼素化合物のようなイオン性化合物などが併用される。
この(B)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる(B)成分のエチレン−α−オレフィン共重合としては、たとえば、ダウ・ケミカル日本(株)から販売されているENGAGE〔ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー商標〕POEsがあり、これらの中から選択して用いることができる。
【0032】
本発明の樹脂組成物においては、(C)成分として、タルクが用いられる。このタルクの大きさとしては、得られる成形品の剛性、耐衝撃性、耐傷付き白化性、ウエルド外観、光沢ムラなどの物性等の点から、平均粒径1〜8μmで、平均アスペクト比が4以上のものが好適である。特に加工粉砕法によって得られたものが、物性、剛性などの点でとりわけ好ましい。
本発明の樹脂組成物における各成分の含有割合は、(A)成分のプロピレン系樹脂が50〜99重量%、(B)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体が1〜15重量%、及び(C)成分のタルクが0〜35重量%の範囲である。(A)成分の含有量が50重量%未満ではウエルド外観やシボ面での低光沢性が不充分であり、またフローマークが発生するなど、成形性が悪く、99重量%を超えると耐衝撃性が低下する。また、(B)成分の含有量が1重量%未満では耐衝撃性の改良効果が充分に発揮されず、15重量%を超えるとウエルド外観,シボ面での低光沢性及び剛性が低下し、又はフローマークが発生するなど、成形性が不充分となる。さらに、(C)成分の含有量が35重量%を超えるとウエルド外観,耐衝撃性,耐傷付白化性が低下し、かつフローマークが発生するなど、成形性が不充分となる。ウエルド外観,シボ面での低光沢性,成形性,耐衝撃性及び剛性などのバランスの面から、各成分の好ましい含有量は、(A)成分が58〜99重量%,(B)成分が1〜12重量%,(C)成分が0〜30重量%の範囲であり、特に、(A)成分が65〜98重量%,(B)成分が2〜10重量%,(C)成分が0〜25重量%の範囲が好適である。
【0033】
本発明の樹脂組成物においては、所望により、顔料,核剤,耐候剤,酸化防止剤,帯電防止剤,難燃剤,分散剤などの公知の添加剤を配合することができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の調製方法については特に制限はなく、例えば前記(A)成分,(B)成分及び必要に応じて用いられる(C)成分や他の添加成分を、一軸押出機,二軸押出機,バンバリーミキサー,ニーダ,ロールなどを用いて溶融混練する方法等を採用できる。
本発明の自動車用内装部材は、このようにして得られたプロピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形法(射出圧縮成形法,ガス注入射出成形法を含む)で成形することにより、得ることができる。ここで自動車用内装部材としては、インストルメントパネル,ドアトリム,コンソールボックスなどである。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、成形品の物性は以下に示す方法により求めた。
(1)アイゾット衝撃強度
テストピース成形品について、JIS K7110に準拠して求めた。
(2)シボ面での光沢度
テストピース成形品について、JIS K7105に準拠して求めた。
また、プロピレン系樹脂の性状は、明細書本文に記載した方法に従って測定した。
【0035】
(1)マグネシウム化合物の調製
内容積12リットルの撹拌機付きのガラス製反応器を窒素ガスで充分に置換したのち、エタノール約4,860g,ヨウ素32g及び金属マグネシウム320gを投入し、撹拌しながら還流条件下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧下で乾燥させることにより、マグネシウム化合物(固体生成物)を得た。
(2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで充分に置換した内容積5リットルのガラス製三つ口フラスコに、上記(1)で得られたマグネシウム化合物(粉砕していないもの)160g,精製ヘプタン800ミリリットル,四塩化珪素24ミリリットル及びフタル酸ジエチル23ミリリットルを加えた。系内を90℃に保ち、撹拌しながら四塩化チタン770ミリリットルを投入して110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン1,220ミリリットルを加え、110℃で2時間反応させたのち、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
(3)重合前処理
内容積500リットルの撹拌翼付き反応槽に、n−ヘプタン230リットルを投入し、さらに、前記(2)で得られた固体触媒成分25kgを加え、次いで、この固体触媒成分中のTi1モルに対し、トリエチルアルミニウムを0.6モル及びシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.4モルの割合で加えたのち、プロピレンをプロピレン分圧で0.3kg/cm2 Gになるまで導入し、20℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分をn−ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給し24時間撹拌した。
(4)プロピレンブロック共重合体(PP−1)の製造
まず、前段として内容積200リットルの撹拌翼付き重合槽(ホモ重合槽)に、上記(3)の処理済の固体触媒成分をTi原子に換算して3ミリモル/hrで、トリエチルアルミニウムを0.50モル/hrで、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを50ミリモル/hrでそれぞれ供給し、重合温度80℃、プロピレン圧力28kg/cm2 Gで反応させた。この際、所定の分子量になるように水素ガスを供給した。
次に、ホモ重合槽から連続的にパウダーを抜き出し、類似のランダム共重合槽へ移送した。このランダム共重合槽では後段として、重合温度55℃においてプロピレン及びエチレンを供給し、圧力15kg/cm2 Gでランダム共重合を実施した。この時、所定のエチレン含量になるように、プロピレンとエチレンの供給比を調整した。ランダム共重合槽から連続的に抜き出したパウダーを造粒し、プロピレンブロック共重合体(PP−1)を得た。なお、前段重合で得られたホモ重合体パウダーのMIは20g/10分であった。
(5)プロピレンブロック共重合体(PP−2)の製造
上記(4)のPP−1の製造において、前段の重合温度を85℃,後段の重合温度を70℃とし、水素の供給量を変えたこと以外は、上記PP−1の製造に準じて実施して、プロピレンブロック共重合体(PP−2)を得た。
【0036】
実施例1〜5及び比較例1〜5
第1表に示す性状と量のプロピレン系樹脂(単品又はブレンド物)、第1表に示す種類と量の耐衝撃性付与剤、タルク(日本ミストロン社製,商品名:85OJS,平均粒径4.4μm:レーザー式粒度分析計で測定〔島津製作所SALD2000A〕)23重量部、分散剤としてのステアリン酸マグネシウム0.2重量部及びダークグレー顔料(大日精化社製,商品名:PP−DHH7343)1.3重量部を配合し、二軸混練機で混練して成形材料を調製したのち、射出成形機により樹脂温度220℃で成形して、テストピース(140×140×3mmの内装用シボ付板)を作成し、物性を評価した。結果を第1表に示す。
【0037】
【表1】

Figure 0003738272
【0038】
【表2】
Figure 0003738272
【0039】
【表3】
Figure 0003738272
【0040】
(注)
PP−1:MI 13g/10分
PP−2:MI 3g/10分
J785H:出光石油化学(株)製,商品名:出光ポリプロJ785H,MI:11g/10分
J465H:出光石油化学(株)製,商品名:出光ポリプロJ465H,MI:3.6g/10分
EG8180:エチレン−オクテン−1共重合体,ダウ・ケミカル日本(株)製,商品名:ENGAGE EG8180,オクテン−1単位26重量%,MI:0.5g/10分,密度0.863g/cm3
EG8100:エチレン−オクテン−1共重合体,ダウ・ケミカル日本(株)製,商品名:ENGAGE EG8180,オクテン−1単位24重量%,MI:1.0g/10分,密度0.870g/cm3
EG8200:エチレン−オクテン−1共重合体,ダウ・ケミカル日本(株)製,商品名:ENGAGE EG8200,オクテン−1単位24重量%,MI:5.0g/10分,密度0.870g/cm3
SM8400:エチレン−オクテン−1共重合体,ダウ・ケミカル日本(株)製,商品名:ENGAGE SM8400,オクテン−1単位24重量%,MI:30g/10分,密度0.870g/cm3
PF1140:エチレン−オクテン−1共重合体,ダウ・ケミカル日本(株)製,商品名:AFFINITY PF1140,オクテン−1単位14.5重量%,MI:1.6g/10分,密度0.895g/cm3
1018G:出光石油化学(株)製,商品名:モアマックス1018G,オクテン−1単位9重量%,MI:8g/10分,密度0.910g/cm3
EP−02P:エチレン−プロピレンゴム,日本合成ゴム(株)製,商品名:EP−02P,プロピレン単位26重量%,MI:1.6g/10分,密度0.86g/cm3
【0041】
【発明の効果】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、ウエルド外観などの外観性能が良好で、かつ低光沢性を有し、艶消し塗装の省略化が可能でコストダウンを図ることができ、しかも耐衝撃性に優れており、自動車用内装部材の成形材料として好適である。
本発明の樹脂組成物から得られた自動車用内装部材は、光沢ムラ,低光沢性,ウエルド外観などの外観性に優れ、無塗装化が可能であり、かつ剛性,耐衝撃性,耐傷付き白化性などが良好であって、例えばシボ付きインストルメントパネルなどの自動車用内装部材として好適に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a propylene-based resin composition and an automobile interior member using the same. More specifically, the present invention has a good weld appearance and low gloss, can be made unpainted and can reduce costs, and has excellent impact resistance, for example, low gloss on a textured surface. The present invention relates to a propylene-based resin composition suitable as a molding material for automobile interior members and the like that require a good appearance, and an automotive interior member formed by injection molding the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in automobile interior parts, with the progress of non-painting for the purpose of reducing the cost of products, there are effects such as having good appearance performance, suppressing light reflection and giving a feeling of calmness. There is a rapidly increasing demand for interior parts that are excellent in low gloss. At the same time, the required level of safety measures and cost reduction of materials has become stricter, and there is a demand for inexpensive materials with excellent impact resistance.
Propylene-based resins, which are inexpensive general-purpose resins, are frequently used as materials for automotive interior parts, and styrene-based elastomers are effective in improving the impact resistance (room temperature Izod impact strength) of these propylene-based resins. Is known to be. However, this styrenic elastomer is expensive and the obtained molding material has problems such as high gloss.
[0003]
In addition, as a molding material having excellent low temperature impact resistance, for example, a resin composition (specialized compound) in which an ethylene-α-olefin copolymer obtained using a metallocene catalyst is blended with a crystalline propylene-ethylene block copolymer. Kaihei 7-145272 and JP-A-7-145298), an ethylene-butene-1 copolymer having a relatively high butene-1 unit content in a propylene resin (substantially obtained by a metallocene catalyst) ), A propylene-based resin and an ethylene-octene-1 copolymer (substantially having a relatively high octene-1 content) (see Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 6-192506 and 7-18151). A resin composition (International Patent Publication No. 94-6859) containing a metallocene catalyst) is disclosed.
However, although these resin compositions have good low temperature impact resistance, there is a drawback that it is difficult to produce a molded product having low gloss.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Under such circumstances, the present invention has a good weld appearance, low gloss, can be made unpainted, can reduce costs, has excellent impact resistance, and is an automotive interior member. It is an object of the present invention to provide a propylene-based resin composition suitable as a molding material and the like and an automobile interior member using the same.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research on a propylene-based resin composition that gives a molded article having low glossiness and excellent impact resistance, the present inventors have obtained a specific impact resistance to a propylene-based resin having a specific property. It has been found that the above object can be achieved by a resin composition in which a property-imparting agent and optionally talc are blended in a predetermined ratio. The present invention has been completed based on such findings.
That is, the present invention comprises (A) (1) (a) 70 ° C to 98% by weight of a 23 ° C paraxylene insoluble component and (b) 30 to 2% by weight of a 23 ° C paraxylene soluble component, and (2) (B) The component has an angular frequency ω of 10 obtained from melt viscoelasticity measurement.0The relaxation time τ at / sec is 0.01 to 0.35 seconds, and the storage elastic modulus (G ′) obtained from the melt viscoelasticity measurement is 2 × 102The angular frequency such that Pa is ω12 × 10FourThe angular frequency such that Pa is ω2When ω2/ 10ω1And (3) the intrinsic viscosity [η] (135 ° C. in decalin) of the component is 2.0 to 10 deciliter / g, (4) 50 to 99% by weight of a propylene resin having an ethylene unit content of 1 to 20% by weight, and (B) a density of 0.850 to 0.875 g / cm.ThreeAnd 1 to 15% by weight of an ethylene-carbon number α-olefin copolymer having a melt index of 0.01 to 25 g / 10 min and (C) 0 to 35% by weight of talc. It provides things. The present invention also provides an automobile interior member formed by injection molding the propylene resin composition.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the resin composition of the present invention, the propylene-based resin used as the component (A) has the following properties.
First, when fractionated by 23 ° C. paraxylene, (a) the insoluble content is 70 to 98% by weight, and (b) the soluble content is 30 to 2% by weight. If the insoluble content is less than 70% by weight, the molded product has insufficient rigidity, low gloss on the textured surface, and a poor weld appearance. Flow marks and color unevenness are likely to occur, and if it exceeds 98% by weight, impact resistance decreases. Also, there is a tendency that the weld appearance and low gloss on the textured surface are insufficient. From the viewpoint of balance such as appearance, rigidity, impact resistance and low gloss on the textured surface, the preferable content of this insoluble matter is in the range of 75 to 93% by weight, and particularly in the range of 80 to 88% by weight. It is.
The fractionation with 23 ° C. paraxylene is carried out by the method shown below. That is, the sample is completely dissolved in para-xylene at 130 ° C. and then separated into a dissolved portion and an undissolved portion when cooled to 23 ° C.
[0007]
In the present invention, the component (A) has an angular frequency ω of 10 obtained from melt viscoelasticity measurement.0The relaxation time τ at / sec is 0.01 to 0.35 seconds. When the relaxation time τ exceeds 0.35 seconds, the resulting molded product has a poor weld appearance and insufficient low gloss on the textured surface, and easily causes flow marks and color unevenness. The preferable relaxation time τ is 0.02 to 0.30 seconds, particularly 0.02 to 0.25 seconds, from the viewpoint of appearance and low gloss on the textured surface. The relaxation time τ is calculated by using a system 4 (rotary rheometer, cone plate (25 mmφ), cone angle: 0.1 radians) manufactured by Rheometrics, and an angular frequency ω = 10 at a temperature of 175 ° C.0This is a value calculated using a relational expression = G ′ / ωG ″ from a storage elastic modulus G ′ and a loss elastic modulus G ″ by applying a sinusoidal shear strain at / sec.
[0008]
In addition, this component (A) has a storage elastic modulus (G ′) obtained from melt viscoelasticity measurement of 2 × 10.2The angular frequency such that Pa is ω12 × 10FourThe angular frequency such that Pa is ω2When ω2/ 10ω1The molecular weight distribution index (PDI) represented by 1-18. When the PDI exceeds 18, the resulting molded product has a poor weld appearance and insufficient low gloss on the textured surface, and color unevenness is likely to occur. From the aspects of appearance and low gloss, etc. The preferred molecular weight distribution index (PDI) is 2 to 16, with 2 to 14 being particularly preferred. In addition, this PDI is measured under a measurement condition of 175 ° C. and a strain of 30% using a system 4 manufactured by Rheometrics (rotary rheometer, cone plate (25 mmφ), cone angle: 0.1 radians) as a measuring instrument. Sought after.
[0009]
Next, the intrinsic viscosity [η] (135 ° C. in decalin) of the component (b) is 2.0 to 10 deciliter / g. If this [η] is less than 2.0 deciliter / g, the resulting molded article has a poor weld appearance and insufficient low gloss on the textured surface. On the other hand, when [η] exceeds 10 deciliters / g, flowability is generated and moldability is deteriorated and impact resistance is deteriorated. From the viewpoint of weld appearance, low gloss on the textured surface, moldability and impact resistance, [η] is preferably 2.2 to 9.0 deciliter / g, particularly 2.4 to 8.0 deciliter / g. g is preferred.
[0010]
Furthermore, the propylene-based resin as the component (A) needs to contain an ethylene unit at a ratio of 1 to 20% by weight. If the content is less than 1% by weight, the resulting molded product has a poor weld appearance and insufficient gloss and impact resistance on the textured surface. The low glossiness and rigidity of the film become insufficient, and the formability deteriorates due to the occurrence of flow marks. In view of the balance of weld appearance, low gloss on the textured surface, moldability, impact resistance, rigidity, etc., the preferred ethylene unit content is in the range of 5 to 17% by weight, especially 8 to 15% by weight. The range of is preferable.
[0011]
The propylene-based resin as the component (A) preferably has a melt index (MI) in the range of 1 to 100 g / 10 min measured under conditions of a temperature of 230 ° C. and a load of 2.16 kgf. If the MI is less than 1 g / 10 minutes, the fluidity is low and the moldability is poor, and if it exceeds 100 g / 10 minutes, the mechanical properties of the molded product are deteriorated. From the viewpoint of the balance between moldability and mechanical properties, more preferred MI is 5 to 70 g / 10 min, particularly preferably 10 to 40 g / 10 min. This MI is a value obtained in accordance with JIS K-7210. In particular, it is a mixture of a propylene-based resin having an MI of greater than 8 g / 10 minutes and a propylene-based resin having an MI of less than 5 g / 10 minutes, wherein the propylene-based resin having an MI of less than 5 g / 10 minutes is 5 to 30% by weight. What is contained in a proportion is preferable from the viewpoint of obtaining a material having good impact resistance. When the content of the propylene-based resin having an MI of less than 5 g / 10 minutes exceeds 30% by weight, there is a tendency that the moldability is deteriorated such that a flow mark is generated.
[0012]
About the manufacturing method of the propylene-type resin of the said (A) component, what is necessary is just a method by which the propylene-type resin which satisfy | fills the said requirements is obtained, it does not restrict | limit, Various methods are mentioned. For example, a method of blending components obtained by polymerization separately, or, as shown below, (a) (i) a solid catalyst component comprising magnesium, titanium, a halogen atom and an electron donor, and Multi-stage polymerization is performed in the presence of a catalyst system composed of (ii) a solid component composed of crystalline polyolefin, (b) an organoaluminum compound, and (c) an electron donating compound that is usually used; There is a method for producing a propylene-ethylene block copolymer.
Next, the manufacturing method of the propylene-ethylene block copolymer by a multistage polymerization method is demonstrated.
[0013]
In the catalyst system used in this multi-stage polymerization, the solid component (a) is composed of (i) the solid catalyst component consisting of magnesium, titanium, halogen atoms and an electron donor, and (ii) the component used as necessary. And crystalline polyolefin. The solid catalyst component of the component (i) contains magnesium, titanium, a halogen atom and an electron donor as essential components, and can be prepared by bringing a magnesium compound, a titanium compound and an electron donor into contact with each other. it can. In this case, the halogen atom is contained in the magnesium compound and / or the titanium compound as a halide.
Examples of the magnesium compound include magnesium dihalides such as magnesium dichloride, magnesium oxide, magnesium hydroxide, hydrotalcite, magnesium carboxylate, dialkoxymagnesium such as diethoxymagnesium, diaryloxymagnesium and alkoxymagnesium halides. , Aryloxymagnesium halides, dialkylmagnesiums such as ethylbutylmagnesium, alkylmagnesium halides or organic magnesium compounds and electron donors, halosilanes, alkoxysilanes, silanols, aluminum compounds, and the like. Among them, magnesium dihalide, dialkoxymagnesium, dialkylmagnesium, alkylmagnesiumhalai It is preferred. Moreover, these magnesium compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0014]
As the magnesium compound, a reaction product of metal magnesium, halogen and alcohol can also be used. The metal magnesium used in this case is not particularly limited, and metal magnesium having an arbitrary particle size, for example, granules, ribbons, powders, etc. can be used. Further, the surface state of the metallic magnesium is not particularly limited, but a surface on which a film such as magnesium oxide is not formed is preferable.
Further, any alcohol can be used, but it is preferable to use a lower alcohol having 1 to 6 carbon atoms, and ethanol is particularly preferable because it provides a solid catalyst component that significantly improves the expression of the catalyst performance. . The purity and water content of the alcohol are not limited, but if an alcohol having a high water content is used, magnesium hydroxide is formed on the surface of the metal magnesium, so that an alcohol having a water content of 1% by weight or less, particularly 2000 ppm or less should be used. Preferably, less moisture is advantageous.
[0015]
There is no restriction | limiting in the kind of halogen and / or a halogen containing compound, As a halogen containing compound, any compound can be used if it is a compound which contains a halogen atom in the molecule | numerator. In this case, the type of halogen atom is not particularly limited, but chlorine, bromine or iodine, particularly iodine is preferably used. Among the halogen-containing compounds, halogen-containing metal compounds are particularly preferable. These states, shapes, particle sizes and the like are not particularly limited, and may be arbitrary, for example, can be used in the form of a solution in an alcohol solvent (for example, ethanol).
The usage-amount of alcohol is chosen in the range of 2-100 mol with respect to 1 mol of metallic magnesium, Preferably it is 5-50 mol. If the amount of alcohol is too large, a magnesium compound having a good morphology tends to be difficult to obtain. If the amount is too small, the reaction with magnesium metal may not be carried out smoothly.
[0016]
The halogen and / or the halogen-containing compound is usually at a ratio of 0.0001 gram atom or more, preferably 0.0005 gram atom or more, more preferably 0.001 gram atom or more as a halogen atom to 1 gram atom of metal magnesium. Used. If it is less than 0.0001 gram atoms, when the obtained magnesium compound is used without being pulverized, the supported amount, activity, stereoregularity, morphology of the produced polymer and the like are lowered, and the pulverization treatment becomes indispensable, which is not preferable. Moreover, the particle size of the magnesium compound obtained can be arbitrarily controlled by appropriately selecting the amount of halogen and / or halogen-containing compound used.
[0017]
The reaction itself between magnesium metal, alcohol, halogen and / or halogen-containing compound can be carried out using a known method. For example, metal magnesium, alcohol, halogen and / or a halogen-containing compound are usually reacted for about 20 to 30 hours under reflux until hydrogen gas is no longer generated, thereby obtaining a desired magnesium compound. Specifically, for example, when iodine is used as a halogen, a method in which metallic magnesium and solid iodine are added to alcohol and then heated and refluxed, and an alcohol solution of metallic magnesium and iodine is added dropwise to the alcohol. Examples thereof include a method of heating and refluxing, a method of dropping an alcohol solution of iodine while heating an alcohol solution containing metal magnesium, and the like. Any of the methods is preferably carried out under an inert gas atmosphere such as nitrogen gas or argon gas, optionally using an inert organic solvent (for example, a saturated hydrocarbon such as n-hexane). Regarding the charging of magnesium metal, alcohol, halogen, and / or halogen-containing compound, it is not necessary to add the entire amount to the reaction vessel from the beginning, and they may be added separately. A particularly preferred form is a method in which the whole amount of alcohol is added from the beginning and metal magnesium is added in several portions.
[0018]
In such a case, a temporary mass generation of hydrogen gas can be prevented, which is very desirable from the viewpoint of safety. Also, the reaction vessel can be downsized. Furthermore, it becomes possible to prevent entrainment of alcohol and halogen and / or halogen-containing compounds caused by temporary large-scale generation of hydrogen gas. The number of times of division may be determined in consideration of the scale of the reaction tank, and usually 5 to 10 times are preferable in view of the complexity of the operation. Needless to say, the reaction itself may be either batch type or continuous type. Furthermore, as a modified method, an operation in which a small amount of magnesium metal is first charged into the alcohol that has been charged in its entirety from the beginning, the product produced by the reaction is separated and removed in a separate tank, and then a small amount of metal magnesium is charged again. It is also possible to repeat.
When the magnesium compound thus obtained is used for the preparation of the next solid catalyst component, a dried product may be used, or a product washed with an inert solvent such as heptane after filtration may be used. . In any case, the obtained magnesium compound can be used in the next step without performing pulverization or classification for uniform particle size distribution.
[0019]
Examples of the titanium compound include tetramethoxy titanium, tetraethoxy titanium, tetra-n-propoxy titanium, tetraisopropoxy titanium, tetra-n-butoxy titanium, tetraisobutoxy titanium, tetracyclohexyloxy titanium, and tetraphenoxy titanium. Tetraalkoxytitanium, tetraaryloxytitanium, titanium tetrachloride, titanium tetrabromide, titanium tetraiodide and other tetrahalogenated titanium, methoxytitanium trichloride, ethoxytitanium trichloride, propoxytitanium trichloride, n-butoxytitanium Trihalogenated alkoxy titanium such as trichloride, ethoxytitanium tribromide, dimethoxytitanium dichloride, diethoxytitanium dichloride, dipropoxytitanium di Monohalogenated compounds such as dihalide dialkoxytitanium such as lolide, di-n-butoxytitanium dichloride, diethoxytitanium dibromide, trimethoxytitanium chloride, triethoxytitanium chloride, tripropoxytitanium chloride, tri-n-butoxytitanium chloride Trialkoxytitanium and the like can be mentioned. Among these, a high halogen-containing titanium compound, particularly titanium tetrachloride is preferred. Moreover, these titanium compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0020]
As the electron donor, those exemplified later as the electron donating compound of the component (c) can be used.
Preparation of the (i) solid catalyst component is a known method (Japanese Patent Laid-Open Nos. 53-43094, 55-135102, 55-135103, 56-18606). JP, 56-166205, JP, 57-63309, JP, 57-190004, JP, 57-300407, JP, 58-47003). it can.
[0021]
The composition of the (i) solid catalyst component thus prepared usually has a magnesium / titanium atomic ratio of 2-100, a halogen / titanium atomic ratio of 5-100, and an electron donor / titanium molar ratio of 0.1-10. It is in the range.
Moreover, as (a) crystalline polyolefin of (ii) component used as needed in preparation of a solid component, it is C2-C10, such as polyethylene, a polypropylene, polybutene, poly 4-methyl-1- pentene, for example. Crystalline polyolefin obtained from the α-olefin. This crystalline polyolefin is obtained by (1) a method in which propylene is prepolymerized in the presence of a combination of (i) the solid catalyst component, the organoaluminum compound, and an electron donating compound used as necessary (preliminary polymerization method). ), (2) (i) the solid catalyst component, the organoaluminum compound and the electron donating compound (melting point of 100 ° C. or higher) used as necessary in crystalline powders such as crystalline polyethylene and polypropylene having a uniform particle size And (3) a method combining the method (1) and the method (2), and the like.
[0022]
In the prepolymerization method (1), the aluminum / titanium atomic ratio is usually selected in the range of 0.1 to 100, preferably 0.5 to 5, and the electron donor / titanium molar ratio is 0 to 50. Preferably, it is selected in the range of 0.1 to 2.
Regarding the ratio of (i) solid catalyst component and (ii) crystalline polyolefin in the solid component, the weight ratio of component (ii) to component (i) is usually 0.03 to 200, preferably 0. It is chosen to be in the range of .10-50.
Next, as the organoaluminum compound used as the component (b), the general formula (I)
AlR1 pX3-p    ... (I)
[In the formula, R1Represents an alkyl group having 3 to 20 carbon atoms or an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, X represents a halogen atom, and p represents a number of 1 to 3. ]
The compound represented by these can be mentioned. For example, trialkylaluminum such as triisopropylaluminum, triisobutylaluminum and trioctylaluminum, diethylaluminum monochloride, diisopropylaluminum monochloride, diisobutylaluminum monochloride, dialkylaluminum monohalide such as dioctylaluminum monochloride, ethylaluminum sesquichloride, etc. Alkyl aluminum sesquihalide and the like can be preferably used. These aluminum compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0023]
Further, an electron donating compound is usually used as the component (c) for the catalyst. This electron-donating compound is a compound containing oxygen, nitrogen, phosphorus, sulfur, silicon, etc., and basically has an ability to improve regularity in propylene polymerization.
Examples of such electron donating compounds include organosilicon compounds, esters, thioesters, amines, ketones, nitriles, phosphines, ethers, thioethers, acid anhydrides, acid halides, and acid amides. Aldehydes, organic acids, azo compounds and the like.
[0024]
For example, diphenyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane, cyclohexylmethyldimethoxysilane, dicyclopentyldimethoxysilane, diisopropyldimethoxysilane, t-butyl-n-propyldimethoxysilane, dibenzyldimethoxysilane, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetraphenoxy Organosilicon compounds such as silane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, methyltriphenoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, benzyltrimethoxysilane, monomethylphthalate, monoethylphthalate, monopropylphthalate, monobutyl Phthalate, monoisobutyl phthalate, monoamyl phthalate, monoisoamyl phthalate, monomethyl Phthalate, monoethyl terephthalate, monopropyl terephthalate, monobutyl terephthalate, monoisobutyl terephthalate, dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dipropyl phthalate, dibutyl phthalate, diisobutyl phthalate, diamyl phthalate, diisoamyl phthalate, methyl ethyl phthalate, methyl isobutyl phthalate, Methyl propyl phthalate, ethyl butyl phthalate, ethyl isobutyl phthalate, ethyl propyl phthalate, propyl isobutyl phthalate, dimethyl terephthalate, diethyl terephthalate, dipropyl terephthalate, diisobutyl terephthalate, methyl ethyl terephthalate, methyl isobutyl terephthalate, methyl propyl terephthalate, ethyl butyl Rephthalate, ethyl isobutyl terephthalate, ethyl propyl terephthalate, propyl isobutyl terephthalate, dimethyl isophthalate, diethyl isophthalate, dipropyl isophthalate, diisobutyl isophthalate, methyl ethyl isophthalate, methyl isobutyl isophthalate, methyl propyl isophthalate, ethyl butyl isophthalate , Aromatic dicarboxylic acid esters such as ethyl isobutyl isophthalate, ethyl propyl isophthalate, propyl isobutyl isophthalate, methyl formate, ethyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, vinyl acetate, propyl acetate, octyl acetate, cyclohexyl acetate, ethyl propionate , Methyl butyrate, ethyl butyrate, ethyl valerate, methyl chloroacetate, ethyl dichloroacetate, meta Methyl crylate, ethyl crotonate, ethyl bivalate, dimethyl maleate, ethyl cyclohexanecarboxylate, methyl benzoate, ethyl benzoate, propyl benzoate, butyl benzoate, octyl benzoate, cyclohexyl benzoate, phenyl benzoate, benzoate Benzyl acid, methyl toluate, ethyl toluate, amyl toluate, ethyl ethyl benzoate, methyl anisate, ethyl anisate, ethyl ethoxybenzoate, ethyl p-butoxybenzoate, ethyl o-chlorobenzoate, ethyl naphthoate Monoesters such as, γ-butyrolactone, δ-valerolactone, esters such as coumarin, phthalide, ethylene carbonate, organic acids such as benzoic acid and p-oxybenzoic acid, succinic anhydride, benzoic anhydride, p-toluyl anhydride Acid anhydrides such as acids, Ketones such as seton, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, acetophenone, benzophenone, benzoquinone, aldehydes such as acetaldehyde, propionaldehyde, octylaldehyde, tolualdehyde, benzaldide, naphthylaldehyde, acetyl chloride, acetyl bromide, propionyl chloride, butyryl chloride , Isobutyryl chloride, 2-methylpropionyl chloride, valeryl chloride, isovaleryl chloride, hexanoyl chloride, methylhexanoyl chloride, 2-ethylhexanoyl chloride, octanoyl chloride, decanoyl chloride, undecanoyl chloride, Hexadecanoyl chloride, octadecanoyl chloride, benzylcarbonyl chloride, cyclohexanecarbonyl chloride Lido, malonyl dichloride, succinyl dichloride, pentanedioleyl dichloride, hexanedioleyl dichloride, cyclohexanedicarbonyl dichloride, benzoyl chloride, benzoylbromide, methylbenzoyl chloride, phthaloyl chloride, isophthaloyl chloride, terephthaloyl chloride, benzene-1 Acid halides such as 2,4-tricarbonyltrichloride, methyl ether, ethyl ether, isopropyl ether, n-butyl ether, isopropyl methyl ether, isopropyl ethyl ether, t-butyl ethyl ether, t-butyl-n-propyl Ether, t-butyl-n-butyl ether, t-amyl methyl ether, t-amyl ethyl ether, amyl ether, tetrahydrofuran, a Ethers such as sole, diphenyl ether, ethylene glycol butyl ether, acid amides such as acetic acid amide, benzoic acid amide, toluic acid amide, tributylamine, N, N′-dimethylpiperazine, tribenzylamine, aniline, pyridine, pyrroline, tetra Amines such as methylethylenediamine, nitriles such as acetonitrile, benzonitrile and tolunitrile, 2,2′-azobis (2-methylpropane), 2,2′-azobis (2-ethylpropane), 2,2′-azobis Examples include azo compounds in which a sterically hindered substituent is bonded to an azo bond such as (2-methylpentane).
[0025]
Of these, organosilicon compounds, esters, ketones, ethers, thioethers, acid anhydrides, and acid halides are preferable, and in particular, diphenyldimethoxysilane, cyclohexylmethyldimethoxysilane, dicyclopentyldimethoxysilane, and t-butyl- Organosilicon compounds such as n-propyldimethoxysilane, aromatic dicarboxylic acid diesters such as di-n-butylphthalate and diisobutylphthalate, aromatic monoesters such as benzoic acid, p-methoxybenzoic acid, p-ethoxybenzoic acid and toluic acid Preferred are alkyl esters of carboxylic acids. These electron donating compounds may be used alone or in combination of two or more.
[0026]
Regarding the amount of each component used in the catalyst system, (a) the solid component is used in an amount usually ranging from 0.0005 to 1 mol per liter of reaction volume in terms of titanium atoms. Further, (b) the organoaluminum compound is used in such an amount that the aluminum / titanium atom ratio is usually 1 to 3000, preferably 40 to 800, and if this amount deviates from the above range, the catalytic activity is insufficient. There is a risk of becoming.
As described above, the case of using a Ziegler-based solid catalyst has been described in detail, but as the catalyst, a metallocene-based catalyst that has been attracting attention in recent years can also be used.
The propylene-based resin used as the component (A) can be obtained by various methods. For example, it can be produced by multistage polymerization in the presence of the above-described catalyst system. The polymerization sequence and the number of polymerization stages in the multistage polymerization can be arbitrarily selected. For example, in the first polymerization (first-stage polymerization), propylene homopolymerization or copolymerization (containing 2% by weight or less of ethylene or other olefin) is performed so that a crystalline propylene-based polymer is obtained. Random copolymerization of ethylene and propylene and random copolymerization of ethylene and propylene with other α-olefins and polyenes can be performed after the stage. Here, examples of other α-olefins include linear α-olefins such as butene-1, pentene-1, and hexene-1, 3-methylbutene-1; branched α-olefins such as 4-methylpentene-1. An olefin is mentioned, These may be used independently and may be used in combination of 2 or more type. Examples of the polyene include dicyclopentadiene and tricyclopentadiene, and these may be used alone or in combination of two or more.
[0027]
In the case of producing a propylene-ethylene block copolymer, the polymerization conditions are as described above. As described above, the relaxation time τ of component (a) is 0.01 to 0.35 seconds, preferably 0.02 to 0.30. And (b) component such that the molecular weight distribution index (PDI) is 1 to 18, preferably 2 to 16, more preferably 2 to 14 in seconds, more preferably 0.02 to 0.25 seconds. The intrinsic viscosity [η] is 2.0 to 10 deciliter / g, preferably 2.2 to 9.0 deciliter / g, more preferably 2.4 to 8.0 deciliter / g. .
[0028]
When performing polymerization by gas phase polymerization, the polymerization pressure is usually 1 to 200 kg / cm for the propylene homopolymerization stage.2G, preferably 1-100 kg / cm2G and the polymerization temperature are appropriately selected in the range of usually 40 to 100 ° C, preferably 50 to 90 ° C. For the ethylene-propylene copolymerization stage and the ethylene-propylene-other α-olefin and polyene copolymerization stage, the polymerization pressure is usually 1 to 150 kg / cm.2G, preferably 1-100 kg / cm2G and the polymerization temperature are appropriately selected in the range of usually 30 to 100 ° C, preferably 30 to 80 ° C. In any stage, the molecular weight of the polymer can be adjusted by a known means, for example, by adjusting the hydrogen concentration in the polymerization vessel. The polymerization time is appropriately selected from about 5 minutes to 10 hours.
[0029]
In the polymerization, each component constituting the catalyst system, that is, the components (a) to (c) may be mixed in a predetermined ratio and brought into contact with each other, and then the monomer may be introduced immediately to start the polymerization. A monomer may be introduced after aging for about 0.2 to 3 hours after contact. Further, the catalyst component can be supplied in a suspended state in an inert solvent or olefin. In particular, in the polymerization step of crystalline polypropylene, it is preferable to select a catalyst and polymerization conditions that ensure the homogeneity of the polymerization and do not widen the homogeneity of the resulting polymer, that is, the molecular weight distribution.
The post-treatment after the polymerization can be performed by a conventional method. That is, in the gas phase polymerization method, after polymerization, a nitrogen gas stream or the like may be passed through the polymer powder derived from the polymerization vessel in order to remove monomers contained therein. Moreover, you may pelletize with an extruder as needed, and in that case, in order to deactivate a catalyst completely, a small amount of water, alcohol, etc. can also be added. Further, in the bulk polymerization method, after polymerization, the monomer can be completely separated from the polymer derived from the polymerization vessel, and then pelletized.
In the resin composition of the present invention, the propylene-based resin as the component (A) may be used singly or in combination of two or more.
[0030]
In the resin composition of the present invention, an α-olefin copolymer having 4 to 18 ethylene-carbon atoms is used as the component (B). The density of the ethylene-α-olefin copolymer is 0.850 to 0.875 g / cm.ThreeRange. This density is 0.850 g / cm.ThreeIs less than 0.875 g / cm.ThreeIf it exceeds, the impact resistance improving effect is not sufficiently exhibited. In view of rigidity and impact resistance, a particularly preferable density is 0.855 to 0.870 g / cm.ThreeRange. The melt index (MI) is in the range of 0.01 to 25 g / 10 minutes. If this MI is less than 0.01 g / 10 min, the impact resistance improving effect is not sufficiently exhibited, and a flow mark may be generated. If it exceeds 25 g / 10 min, the low glossiness and resistance to wrinkles on the embossed surface are likely to occur. There is a risk that the impact will be insufficient. From the viewpoint of impact resistance, low glossiness, moldability, etc., the preferred MI is in the range of 0.01 to 6 g / 10 minutes, and particularly preferably in the range of 0.01 to 1 g / 10 minutes. The MI is a value measured under conditions of a temperature of 190 ° C. and a load of 2.16 kgf.
Examples of the α-olefin having 4 to 18 carbon atoms used as a comonomer of this copolymer include butene-1, pentene-1, hexene-1, octene-1, nonene-1, decene-1 and dodecene-1. Branched α-olefins such as 3-methylbutene-1; 4-methylpentene-1 and the like. Among these, linear α-olefins having 4 to 10 carbon atoms are particularly preferable. Is preferred. These α-olefins may be used alone or in combination of two or more. A small amount of a diene component such as dicyclopentadiene; ethylidene norbornene; 1,4-hexadiene; 1,9-decadiene; vinyl norbornene may be used in combination.
[0031]
The content of the α-olefin unit in the ethylene-α-olefin copolymer of the component (B) is not particularly limited as long as the density is in the above range, but is usually in the range of 20 to 70% by weight. It is. Further, the method for producing the ethylene-α-olefin copolymer is not particularly limited as long as it is a method capable of obtaining the ethylene-α-olefin copolymer having the above properties, but the object of the present invention is effective. Therefore, the method using a metallocene catalyst is advantageous. Examples of the metallocene catalyst include a single site catalyst (SSC) and a geometrically constrained catalyst (CGC). Specific examples of these metallocene catalysts are described in JP-A-6-192506, JP-A-7-145298, JP-A-7-18151, JP-A-7-145272, and International Publication No. WO94 / 06859. In addition, there are catalysts that are disclosed in JP-A-5-43618, JP-A-5-51414, International Publication WO96 / 04317, 93/13140, 91/04255, 91/04257. Mention may be made of the catalysts described in the publication. More specifically, there are catalysts composed of transition metal complexes having a cyclopentadienyl group, a mono (di, tri, tetra, penta) methylcyclopentadienyl group or an indenyl group. These metallocene catalysts are usually used in combination with alkylaluminoxane or ionic compounds such as boron compounds.
This ethylene-α-olefin copolymer of component (B) may be used singly or in combination of two or more.
Examples of the ethylene-α-olefin copolymer of the component (B) used in the present invention include ENGAGE [trademark of The Dow Chemical Company] POEs sold by Dow Chemical Japan Co., Ltd. Can be selected and used.
[0032]
In the resin composition of the present invention, talc is used as the component (C). This talc has an average particle size of 1 to 8 μm and an average aspect ratio of 4 from the viewpoint of physical properties such as rigidity, impact resistance, scratch resistance whitening, weld appearance, gloss unevenness, etc. The above is preferred. In particular, those obtained by processing and pulverization are particularly preferred in terms of physical properties and rigidity.
The content of each component in the resin composition of the present invention is such that the propylene-based resin (A) is 50 to 99% by weight, the ethylene-α-olefin copolymer (B) is 1 to 15% by weight, and (C) The talc of a component is the range of 0 to 35 weight%. If the content of the component (A) is less than 50% by weight, the weld appearance and low gloss on the textured surface are insufficient, and a flow mark is generated. Sex is reduced. Moreover, if the content of the component (B) is less than 1% by weight, the effect of improving the impact resistance is not sufficiently exerted, and if it exceeds 15% by weight, the weld appearance, low gloss on the textured surface and rigidity are lowered, Alternatively, the formability becomes insufficient, such as generation of a flow mark. Furthermore, if the content of the component (C) exceeds 35% by weight, the weld appearance, impact resistance, scratch resistance whitening property is lowered, and a flow mark is generated, resulting in insufficient moldability. In view of the balance of weld appearance, low gloss on the textured surface, moldability, impact resistance, rigidity, etc., the preferred content of each component is 58 to 99% by weight of component (A), and component (B). 1 to 12% by weight, (C) component is in the range of 0 to 30% by weight, in particular, (A) component is 65 to 98% by weight, (B) component is 2 to 10% by weight, and (C) component is A range of 0 to 25% by weight is preferred.
[0033]
In the resin composition of the present invention, known additives such as pigments, nucleating agents, weathering agents, antioxidants, antistatic agents, flame retardants, and dispersants can be blended as desired.
There is no restriction | limiting in particular about the preparation method of the propylene-type resin composition of this invention, For example, the said (A) component, (B) component, (C) component used as needed, and another additive component are made into a single screw extruder. , A melt kneading method using a twin screw extruder, a Banbury mixer, a kneader, a roll, or the like can be employed.
The automotive interior member of the present invention is obtained by molding the propylene-based resin composition thus obtained by a known injection molding method (including injection compression molding method and gas injection injection molding method). Can do. Here, examples of the interior member for an automobile include an instrument panel, a door trim, and a console box.
[0034]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited at all by these examples.
In addition, the physical property of the molded product was calculated | required by the method shown below.
(1) Izod impact strength
The test piece molded product was determined in accordance with JIS K7110.
(2) Glossiness on textured surface
The test piece molded product was determined according to JIS K7105.
The properties of the propylene-based resin were measured according to the method described in the specification.
[0035]
(1) Preparation of magnesium compound
After fully replacing a glass reactor equipped with a stirrer with an internal volume of 12 liters with nitrogen gas, about 4,860 g of ethanol, 32 g of iodine and 320 g of metal magnesium were added and reacted under reflux conditions with stirring. A reaction product was obtained. The reaction liquid containing the solid reaction product was dried under reduced pressure to obtain a magnesium compound (solid product).
(2) Preparation of solid catalyst component
In a glass three-necked flask with an internal volume of 5 liters that has been sufficiently substituted with nitrogen gas, 160 g of the magnesium compound obtained in (1) above (not crushed), 800 ml of purified heptane, 24 ml of silicon tetrachloride, 23 ml of diethyl phthalate was added. The system was kept at 90 ° C., and 770 ml of titanium tetrachloride was added while stirring and reacted at 110 ° C. for 2 hours. Then, the solid components were separated and washed with purified heptane at 80 ° C. Further, 1,220 ml of titanium tetrachloride was added and reacted at 110 ° C. for 2 hours, and then thoroughly washed with purified heptane to obtain a solid catalyst component.
(3) Polymerization pretreatment
Into a reaction vessel equipped with a stirring blade having an internal volume of 500 liters, 230 liters of n-heptane was added, and 25 kg of the solid catalyst component obtained in the above (2) was added, and then to 1 mol of Ti in the solid catalyst component. After adding 0.6 mol of triethylaluminum and 0.4 mol of cyclohexylmethyldimethoxysilane, propylene was added at a partial pressure of propylene of 0.3 kg / cm.2 It introduced until it became G, and it was made to react at 20 degreeC for 4 hours. After completion of the reaction, the solid catalyst component was washed several times with n-heptane, and carbon dioxide was supplied and stirred for 24 hours.
(4) Production of propylene block copolymer (PP-1)
First, in a preceding stage, a polymerization tank with a stirring blade (homopolymerization tank) having an internal volume of 200 liters, the treated solid catalyst component of (3) above was converted to Ti atoms at 3 mmol / hr, and triethylaluminum was added in an amount of 0.1. At 50 mol / hr, cyclohexylmethyldimethoxysilane was fed at 50 mmol / hr, polymerization temperature 80 ° C., propylene pressure 28 kg / cm.2 Reacted with G. At this time, hydrogen gas was supplied so as to have a predetermined molecular weight.
Next, powder was continuously extracted from the homopolymerization tank and transferred to a similar random copolymerization tank. In this random copolymerization tank, as a subsequent stage, propylene and ethylene are supplied at a polymerization temperature of 55 ° C., and the pressure is 15 kg / cm.2R was random copolymerization. At this time, the supply ratio of propylene and ethylene was adjusted so that a predetermined ethylene content was obtained. The powder continuously extracted from the random copolymerization tank was granulated to obtain a propylene block copolymer (PP-1). The MI of the homopolymer powder obtained by the previous polymerization was 20 g / 10 minutes.
(5) Production of propylene block copolymer (PP-2)
In the production of PP-1 in the above (4), the former polymerization temperature was 85 ° C., the latter polymerization temperature was 70 ° C. Thus, a propylene block copolymer (PP-2) was obtained.
[0036]
Examples 1-5 and Comparative Examples 1-5
Properties and amounts of propylene-based resin (single product or blend) shown in Table 1; types and amounts of impact resistance-imparting agents shown in Table 1; Talc (trade name: 85OJS, manufactured by Nistron, Japan), average particle size 4 .4 μm: measured with a laser particle size analyzer (Salazu SALD2000A)) 23 parts by weight, 0.2 part by weight of magnesium stearate as a dispersant and dark gray pigment (manufactured by Dainichi Seika Co., Ltd., trade name: PP-DHH7343) 1 .3 parts by weight are mixed and kneaded with a twin-screw kneader to prepare a molding material, then molded with an injection molding machine at a resin temperature of 220 ° C., and a test piece (140 × 140 × 3 mm plate with grain for interior decoration) ) And evaluated the physical properties. The results are shown in Table 1.
[0037]
[Table 1]
Figure 0003738272
[0038]
[Table 2]
Figure 0003738272
[0039]
[Table 3]
Figure 0003738272
[0040]
(note)
PP-1: MI 13g / 10min
PP-2: MI 3g / 10min
J785H: manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name: Idemitsu Polypro J785H, MI: 11 g / 10 min
J465H: Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name: Idemitsu Polypro J465H, MI: 3.6 g / 10 min
EG8180: Ethylene-octene-1 copolymer, manufactured by Dow Chemical Japan Co., Ltd., trade name: ENGAGE EG8180, octene-1 unit 26% by weight, MI: 0.5 g / 10 min, density: 0.863 g / cmThree
EG8100: ethylene-octene-1 copolymer, manufactured by Dow Chemical Japan Co., Ltd., trade name: ENGAGE EG8180, octene-1 unit 24% by weight, MI: 1.0 g / 10 min, density 0.870 g / cmThree
EG8200: ethylene-octene-1 copolymer, manufactured by Dow Chemical Japan Co., Ltd., trade name: ENGAGE EG8200, octene-1 unit 24 wt%, MI: 5.0 g / 10 min, density 0.870 g / cmThree
SM8400: ethylene-octene-1 copolymer, manufactured by Dow Chemical Japan Co., Ltd., trade name: ENGAGE SM8400, octene-1 unit 24% by weight, MI: 30 g / 10 min, density 0.870 g / cmThree
PF1140: ethylene-octene-1 copolymer, manufactured by Dow Chemical Japan Co., Ltd., trade name: AFFINITY PF1140, 14.5 wt% octene-1 unit, MI: 1.6 g / 10 min, density 0.895 g / cmThree
1018G: manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd., trade name: MOREMAX 1018G, octene-1 unit 9% by weight, MI: 8 g / 10 min, density 0.910 g / cmThree
EP-02P: ethylene-propylene rubber, manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., trade name: EP-02P, propylene unit 26% by weight, MI: 1.6 g / 10 min, density 0.86 g / cmThree
[0041]
【The invention's effect】
The propylene-based resin composition of the present invention has good appearance performance such as a weld appearance, has low gloss, can eliminate matting coating, can reduce costs, and has high impact resistance. It is excellent and suitable as a molding material for automobile interior members.
Automotive interior parts obtained from the resin composition of the present invention are excellent in appearance such as uneven gloss, low gloss, weld appearance, etc., can be unpainted, and are rigid, impact resistant, scratch-resistant whitened. For example, it is suitably used as an automobile interior member such as an instrument panel with a grain.

Claims (3)

(A)(1)(イ)23℃パラキシレン不溶分70〜98重量%と(ロ)23℃パラキシレン可溶分30〜2重量%とからなり、かつ(2)(イ)成分が、溶融粘弾性測定から得られる角周波数ωが100 /secでの緩和時間τが0.01〜0.35秒であって、溶融粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率(G')が2×102 Paとなるような角周波数をω1 、2×104 Paとなるような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指数(PDI)が1〜18であり、(3)(ロ)成分の極限粘度〔η〕(135℃,デカリン中)が2.0〜10デシリットル/gであり、さらに、(4)エチレン単位含有量が1〜20重量%であるプロピレン系樹脂50〜99重量%と、(B)密度0.850〜0.875g/cm3 及びメルトインデックス0.01〜25g/10分を有するエチレン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体1〜15重量%と、(C)タルク0〜35重量%とからなるプロピレン系樹脂組成物。(A) (1) (a) It is composed of 70 to 98% by weight of a 23 ° C. paraxylene insoluble component and (b) 30 to 2% by weight of a 23 ° C. paraxylene soluble component, and (2) the component (a) is The relaxation time τ when the angular frequency ω obtained from the melt viscoelasticity measurement is 10 0 / sec is 0.01 to 0.35 seconds, and the storage elastic modulus (G ′) obtained from the melt viscoelasticity measurement is 2 ×. The molecular weight distribution index (PDI) represented by ω 2 / 10ω 1 is 1 to 18 when the angular frequency to be 10 2 Pa is ω 1 and the angular frequency to be 2 × 10 4 Pa is ω 2. (3) The intrinsic viscosity [η] of component (b) (135 ° C. in decalin) is 2.0 to 10 deciliter / g, and (4) the ethylene unit content is 1 to 20% by weight. a propylene-based resin 50 to 99 wt% or, (B) a density 0.850~0.875g / cm 3 and a melt-in deck And 1-15% by weight alpha-olefin copolymer having 4 to 18 carbon atoms, propylene resin composition comprising (C) Talc 0-35 wt% - ethylene having 0.01~25g / 10 min. (B)成分のエチレン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体が、α−オレフィン単位20〜70重量%を含有し、かつメタロセン系触媒を用いて得られたものである請求項1記載のプロピレン系樹脂組成物。The (B) component, an ethylene-carbon alpha-olefin copolymer having 4 to 18 carbon atoms, contains an alpha-olefin unit of 20 to 70% by weight and is obtained using a metallocene catalyst. The propylene-based resin composition described. 請求項1又は2記載のプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる自動車用内装部材。The interior member for motor vehicles formed by injection-molding the propylene-type resin composition of Claim 1 or 2.
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