JP3737625B2 - デジタルデータ著作物処理装置および記録媒体 - Google Patents

デジタルデータ著作物処理装置および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルデータ著作物処理装置および記録媒体に関するものであり、更に詳しくは、音楽データを主とするデジタルデータ著作物に対する不正なコピーを有効に防止するためのデジタルデータ著作物処理装置および記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テープ、ディスク等の任意の記録媒体に記録されているデジタル音声データ、楽音データ等の音声データが、当該記録媒体が一旦市場で販売された後は、同音声データの著作権者の同意を得ることなく、勝手にコピーされ、係る不正コピーが、大量に安価に販売されていることから、著作権者の権利が不当に侵害され、当著作権者が大幅な損害を被っているのが現状である。
【0003】
然も、現在では、係る不正なコピーを有効に防止する手段は、実質的にはなく、法律上からも証拠の確認が難しいので、係る不正なコピー、海賊版を訴追する事が難し状態にある。
係る、音声データの不正なコピーを防止する方法には多くの方法が、提案されているが、再生音の音質が低下する等の問題があり、実用にはなっていないのが現状である。
【0004】
そこで、この問題を改善する為に、デジタル音声データに、その音声データの著作権者、または、その実施権者が、自らの意思によって、販売を許可した真正な音声データである事を示す、デジタルビットデータから構成された暗号、署名データ等のセキュリティデータを、当該音声データそのものに聴覚的に影響のないように埋め込み、その音声データの著作権、所有権などの侵害を防ぐ様にする「データハイディング」の研究が、最近活発に行われているが、これまでの処、効果的なデータハイディング技術は開発されていない。
【0005】
特に、最近盛んに活用され、商業化されている、MIDI(Music Instrumental Digital Interface) の規格により構成されているMIDI音楽デジタルデータに関しては、従来から上記問題の発生を防止する為の有効な方法或いは装置は、全く開発されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を改良し、簡易な技術構成に基づき、予め所定のデジタルデータ著作物に著作権を有している者、又はそのライセンンスを得ている者が、自己の製品である事を後でチェックする事が出来るセキュリティデータを当該デジタルデータ著作物に予め埋め込み、それによって、自己の製品か否かの判断、不正にコピーされたものであるか否かの判断等が、後日容易に行う事の出来るデジタルデータ著作物処理装置および記録媒体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む装置であって、オートマトンユニットから拡大オートマトンを作成するオートマトン作成手段、デジタル化された所定のセキュリティーデータを入力するセキュリティーデータ入力手段、当該セキュリティーデータ入力手段から入力されたセキュリティーデータに於けるデジタルビット配列を、当該オートマトン作成手段から選択された適宜の拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンに於ける各頂点部の配列に変換する変換手段、当該各頂点部のそれぞれが固有に有する変換符号デジタルデータを使用して、当該各頂点部の配列順に順次当該変換デジタルデータを配列する変換デジタルデータ配列手段、当該変換符号デジタルデータを所定の著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込むセキュリティーデータ埋め込み手段とから構成されるようにしたものである。
また、本発明は、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを用意する第1の工程、当該オートマトンユニットの複製を製造する第2の工程、当該2個のオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該各オートマトンユニットの各頂点部群の当該各頂点のそれぞれを、予め定められたアルゴリズムに従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結された拡大オートマトンを形成する第3の工程、必要な拡大オートマトンがえられる迄、当該第2及び第3の工程を繰り返す第4の工程、当該拡大オートマトンを使用して、予め定められた所定のセキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換する第5の工程、当該頂点部のそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する所定の特性データの各ビットデータの一部に埋め込む第6の工程、当該作成されたセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を適宜の記憶手段に格納する第7の工程とから構成されている、デジタルデータ著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
また、本発明は、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータが、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込まれているデジタルデータ著作物から当該所定のセキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物に於ける当該ビットデータに於ける所定のビットに於けるデータを読み出し、当該デジタルデータに於ける予め定められた所定の桁部分を検査し、当該読み出され所定の桁部分のビットデータを、予め定められた当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を参照して、当該各頂点部の配列に変換し、次で、当該各頂点部の配列から、予め定められた拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンの各頂点部を連結する当該各辺に予め与えられている所定の係数を参照して、当該各頂点部の配列から当該係数で構成されたビットデータ値の配列に変換し、当該変換されたビットデータ値の配列から当該セキュリティーデータを復元する操作を行う事を特徴とするセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から当該セキュリティーデータを読み出す様に構成された、デジタルデータ著作物から所定のセキュリティーデータを読みだす方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
また、本発明は、デジタルデータにより構成された著作物から当該デジタルデータ著作物に埋め込まれている所定のセキュリティーデータを読み出す装置であって、拡大オートマトンを記憶しておく拡大オートマトン記憶手段、当該デジタルデータ著作物から予め定められた所定のデジタルデータの所定のビットを構成するデジタルデータを読み出す読み出し手段、当該読み出し手段によって該デジタルデータ著作物から読みだされたデジタルデータを、予め定められ、所定の変換デジタルデータ記憶手段に記憶されている当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を当該変換デジタルデータ記憶手段から読み出して、当該デジタルデータと比較する比較手段、当該比較手段の比較結果に基づいて、当該デジタルデータを拡大オートマトンを構成するそれぞれの頂点部の配列に変換する頂点部配列変換手段、及び当該頂点部配列変換手段の出力に基づいて、当該拡大オートマトン記憶手段に記憶されている所定の拡大オートマトンを使用して、当該頂点部配列から当該セキュリティーデータを構成するそれぞれのビットを復元するセキュリティーデータ復元手段とから構成されされるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るデジタルデータ著作物処理装置および記録媒体は、上記したような技術構成を採用しているので、所定のデジタルデータ著作物に対して、人間の聴覚に影響の無い形式で特定のセキュリティデータ、例えば暗号データ、署名データ等を当該必要なデジタルデータ著作物に埋め込むことが出来、又容易にそれを再生することが可能となるのである。
【0011】
つまり、本発明に於いては、音楽データを含むデジタルデータ著作物の様に、一般に大量のデジタルから構成される著作物に於いては、それぞれの特性を表すデジタルデータのある特定のビットを、所定のセキュリティーデータを示す所定の複数個のビットデータを埋め込んで置換しても、全体的に再生した場合には、その違和感が顕出される事が少ない事をうまく利用したものである。
【0012】
然も、本発明に於いては、後述する様に、必要なセキュリティーデータを第3者には判りにくいアルゴリズムを使用して、特定の変換を行い、その結果を利用して、当該デジタルデータ著作物の必要な部分に、セキュリティーデータを埋め込む様にしてあるので、その第3者にとっては、セキュリティーデータが埋め込まれているか否かを識別する事が極めて困難であると同時に、例え、当該デジタルデータ著作物が、第3者によって改造され、折角埋め込んだセキュリティーデータが一部破壊されたとしても、相当の確率を持って当該セキュリティーデータを復元出来る、誤り訂正に強いセキュリティーデータ埋め込み方法を得る事が可能となるのである。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明に係るデジタルデータ著作物処理装置の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、本発明に係るデジタルデータ著作物処理装置100の1具体例の構成を示すブロックダイアグラムであり、図中、デジタルデータにより構成された著作物1に所定のセキュリティーデータを埋め込む装置であって、オートマトンユニットから拡大オートマトンを作成するオートマトン作成手段3、デジタル化された所定のセキュリティーデータ2を入力するセキュリティーデータ入力手段4、当該セキュリティーデータ入力手段4から入力されてセキュリティーデータに於けるデジタルビット配列を、当該オートマトン作成手段3から選択された適宜の拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンに於ける各頂点部の配列に変換する変換手段5、変換符号デジタルデータ記憶手段7に記憶されている、当該各頂点部のそれぞれが固有に有する変換符号デジタルデータ6を使用して、当該各頂点部の配列順に順次、当該変換デジタルデータの配列に変換する変換デジタルデータ配列手段8及び当該変換符号デジタルデータ6を所定の著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込むセキュリティーデータ埋め込み手段9とから構成されているデジタルデータ著作物処理装置100が示されている。
【0014】
尚、上記したデジタルデータ著作物処理装置100により所定のセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物は、適宜の記憶手段20に格納しておく事が望ましい。
処で、本発明に於て使用される当該オートマトン作成手段3は、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部a1、a2と当該各頂点部a1、a2のそれぞれを連結する所定の係数1或いは0が割り当てられている辺群h1〜h4とから構成されているオートマトンユニットF0 を、複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンF1 を作成するものである。
【0015】
つまり、本発明に於ける当該オートマトン作成手段3は、少なくとも図2に示される様な構成からなるオートマトンFを使用するものであって、当該オートマトンFは、2個の互いに異なる状態q、qを示す頂点部a1とa2とを有し、且つ当該各頂点部a1とa2のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群h1〜h4とから構成されているオートマトンユニットFを使用するものである。
【0016】
本発明に於て使用される当該それぞれのオートマトンユニットF0 は、公知のものであり、その構成は、例えば、当該頂点部a1に於て、その状態が変化していない場合は、係数0が与えられている辺h1に沿って、同一の頂点部a1に戻るが、その状態が変化している場合には、係数1が与えられている辺h2に沿って、頂点部a2に移動する。
【0017】
又、当該頂点部a2に於いても、上記と同様の判断に従って、状態が変化する。
尚、本発明に於いて使用されるオートマトンは、一般的に状態遷移符号化法に従って表示されるものであり、例えば、有限集合をQとし、Qを元の状態であるとする。
【0018】
【数1】
Figure 0003737625
【0019】
此処で、E0 を0辺、E1 1辺と呼ぶ。
s∈Qを1つ定め、初期状態と呼ぶ。
そして、F=(Q、E0 、E1 、s)をオートマトンと呼ぶ。
一方、B={0,1}をビットと呼び、任意のビット列b1 ,b2 ,b3 ,・・・・・・・bn を署名データと呼ぶ。
【0020】
又、q1 ,q2 ,q3 ,・・・・・・・qn ,qn+1 が任意の0≦i≦nに付いて、
0 (qi )=qi+1 かつbi =0か
1 (qi )=qi+1 かつbi =1
の何れか一方が成立し、かつqi =sの時、q1 ,q2 ,q3 ,・・・・・・・qn ,qn+1 を署名の状態列と呼ぶ。
【0021】
従って、後述する図2の様なオートマトンは、以下の様に定義される。
即ち、 Q={q0 ,q1
s= q0
0 (q0 )=q0
1 (q0 )=q1
0 (q1 )=q1
1 (q1 )=q0
本発明に於いては、上記した様なオートマトンユニットF0 を2個F0 、F0 ’を用意し、例えば、以下に例示する様な、所定の規則、つまりアルゴリズムに従って、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて拡大された拡大オートマトンF1 を作成するものである。
【0022】
本発明に於て使用される当該拡大オートマトンの作成方法の一例としては、例えば、図3に示す様に、図2に示される様なオートマトンユニットF0 を2個用意しF0 、F0 ’とし、オートマトンユニットF0 の各頂点部a1、a2を状態をそれぞれq0、q1とし、オートマトンユニットF0 ’の各頂点部a1、a2を状態をそれぞれq0’、q1’とする。
【0023】
次に、上記した2個のオートマトンユニットF0 、F0 ’を橋渡しを行って連結する必要があり、その場合には、上記各オートマトンユニットF0 、F0 ’それぞれに於ける辺h1〜h4の内、係数0が付された辺h1とh3を上記橋渡しの為の拡張に使用する。
その際、各オートマトンユニットF0 、F0 ’のそれぞれの頂点部a1、a2に〔外〕と言うラベルを付け、その頂点部に於いては、拡張処理する際には、対応するオートマトンユニットに拡張する様に処理する事に決めておく。
【0024】
従って、自分のオートマトンF0 に於て、自分のオートマトンF0 から出発して自分のオートマトンの中に進む辺、つまりオートマトンユニットF0 に於ける頂点部q0から出ている係数0の辺h1の行き先を相手方のオートマトンユニットF0 ’に於ける自分のオートマトンq0と対応するオートマトンq0’に変更するものである。
【0025】
係る規則に準じて、残りの辺h3及び対応するオートマトンユニットF0 ’に於ける各0の係数を持つ辺h1とh3を変更する事によって、図4に示される様な拡大オートマトンF1 が得られる事になる。
次に、係る第1の拡大オートマトンF1 から更に第2の拡大オートマトンF2 を得る事も可能であり、更には、第3、第4の拡大オートマトンF3 、F4 を作成する事も可能である。
【0026】
此処で、上記した第2の拡大オートマトンF2 を作成する方法の一例を説明するならば、前記したと同様に、上記により得られた該第1の拡大オートマトンF1 を2個用意する。
つまり、図5に示す様に、第1の拡大オートマトンF1 と第1の拡大オートマトンF1 ’である。
【0027】
上記の第2の拡大オートマトンF2 を作成するに際しては、例えば、上記した各オートマトンに於ける辺i1〜i8迄の内、特に係数が1となっている各辺i2、i5、i4、i7を対向する拡大オートマトンF1 の対応する頂点部へ変更させる様にするものである。その際には、当該各拡大オートマトンF1 、F1 ’に於けるそれぞれの頂点部q0〜q3、q0’〜q3’のそれぞれに、〔中〕若しくは、〔外〕と言うラベルを付け、当該〔外〕と言うラベルに於いては、拡張処理する際には、当該頂点部に於ける辺を対応するオートマトンユニットに於ける対応する頂点部に拡張する様に処理する様にし、又当該〔中〕と言うラベルに於いては、拡張処理する際には、当該頂点部に於ける辺を対応するオートマトンユニットには出さない様に処理する様に決めておく。
【0028】
係るアルゴリズムにより得られた当該第2の拡大オートマトンF2 の構成は、図6に示す様なものとなる。
以下同様にして、第3、第4の拡大オートマトンを作成する事が可能である。
参考迄に、第3の拡大オートマトンF3 を作成する場合に付いて言及するならば、先ず前記したと同様に、当該第2の拡大オートマトンF2 を2個用意する。
【0029】
つまり第2の拡大オートマトンF2 とF2 ’を用意し、今度は、各拡大オートマトンF2 のそれぞれに於ける0の係数を有する辺のみを拡張処理する事になる。
又、各拡大オートマトンF2 に於けるそれぞれの頂点部に対して上記したラベルを付ける事になるが、本具体例に於いては、8個の頂点部に対して、4個のみを選択して上記のラベルを付ける事が望ましい。
【0030】
又、係る操作に於ける当該ラベルの組み合わせは、何れの場合に於いても、3個が〔中〕のラベルで残りの1個が〔外〕のラベルにする事が望ましい。
即ち、ラベルの組合わせとして、(外、中、中、中)、(中、外、中、中)、(中 中、外、中)、(中、中、中、外)の4つの組から選択された2つの組を使用し、例えば図6に於ける拡大オートマトンF2 に於て、頂点部q0からスタートして、辺1をたどり図7に示す様な巡回ルートXと別の頂点部q2からからスタートして、辺1をたどり図7に示す様な巡回ルートYの2つの巡回ルートを形成する。
【0031】
本発明に於いては、上記2つの巡回ルートXとYは、互いに交わる事がないので、セキュリティーデータの埋め込みデータを作成するには都合が良い。
本発明に於て、如何なる程度の拡大オートマトンが要求されるかは、使用されるデジタルデータ著作物に於けるデジタルデータの大きさにより異なるが、通常、当該セキュリティーデータを構成するビットデータを3ビットとする事が多く、その為には、8個の頂点部数を使用する第2の拡大オートマトンF2 を使用する事で十分である。
【0032】
勿論、当該デジタルデータ著作物に於ける当該セキュリティーデータを埋め込むべきデジタルデータが、3ビットしかない場合には、その部分には当該セキュリティーデータを埋め込まない様にするのが普通である。
従って、埋め込むべき当該セキュリティーデータのビット数が3個である場合には、当該セキュリティーデータを埋め込むべき所定のデジタルデータのビット数は、少なくとも5ビットある事が望ましい。
【0033】
上記した本発明に係る当該オートマトン作成手段3の構成は、上記した説明により明らかな通り、例えば、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部a1、a2と当該各頂点部a1、a2のそれぞれを連結する所定の係数0又は1が割り当てられている辺群h1とh2とから構成されているオートマトンユニットF0 を用意する第1の手段11、当該オートマトンユニットF0 のコピーを作成する第2の手段12、2個の同一のオートマトンユニットF0 、F0 ’のそれぞれに適宜の記憶手段13に記憶されている予め定められたアルゴリズムを適用して、一方のオートマトンユニットF0 に於ける所定の位置に配置された頂点部a1から当該同一のオートマトンユニットF0 内に於ける同一若しくは他の頂点部a1、a2に延びる所定の係数0又は1を有する所定の辺h1を、他方のオートマトンユニットF0 ’に於ける一つの頂点部a1’に連結される様にその延びる方向を変更せしめる様に処理する事により拡大オートマトンF1 を作成する第3の手段14、更に、当該拡大オートマトンF1 を所定の記憶手段15に記憶させておくと同時に、必要に応じて、当該拡大オートマトンF1 をさらに前記第1の手段11に戻して、当該拡大オートマトンF1 のコピーを作成して上記第3の手段に於けるの操作を繰り返して所望の規模の拡大オートマトンFnを作成する第4の手段16(第3の手段14と同一となる)とから構成されているものである。
【0034】
又、当該拡大オートマトンFnを生成する手順の概略としては、図8の装置を参照しながら図9のフローチャートを使用して説明するならば、先ずスタート後、ステップ(1)に於いて、オートマトンユニットF0 を用意し、ステップ(2)に於いて、当該オートマトンユニットF0 の複製を作成して、2個のオートマトンユニットF0 、F0 ’を生成する。
【0035】
次いで、ステップ(3)に移行して、それぞれのオートマトンユニットF0 、F0 ’に対して、上記したラベル付け操作を行い、ステップ(4)で、それぞれのオートマトンユニットF0 、F0 ’に於けるそれぞれの頂点部に接続されている各辺h1からh4の選択を行い、その後ステップ(5)に於いて、予め定められた所定のアルゴリズムを使用して、一方のオートマトンユニットF0 に於ける所定の頂点部に於ける選択された辺を他のオートマトンユニットF0 ’の所定の頂点部に変更する拡張操作を行い、ステップ(6)に於いて拡大オートマトンF1 を抽出する。
【0036】
その後、ステップ(7)に於いて、当該抽出された拡大オートマトンF1 が、目的とする最終的な拡大オートマトンであるか否かを判断し、NOであれば、当該拡大オートマトンF1 をステップ(2)に戻して、上記した各構成が繰り返され、ステップ(7)に於いてYESであればENDとなる。
本発明に於いては、上記の様にして形成された特定の拡大オートマトンを適宜の拡大オートマトン記憶手段30に記憶させておき、必要に応じて当該拡大オートマトンを使用する様にしておくものである。
【0037】
本発明に於いては、上記の様にして形成された特定の拡大オートマトンを使用して、所定のデジタルデータ著作物に対して所定のセキュリティーデータを埋め込むに際して、当該所定のセキュリティーデータのデジタルビット配列を当該拡大オートマトンに於ける頂点部の配列に変換する事によって、埋め込みを実行するものである。
【0038】
本発明に於ける当該デジタルデータ著作物に対する所定のセキュリティーデータの埋め込み方法の具体例を説明するならば、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込む様に構成されているデジタルデータ著作物の処理方法である。
【0039】
本発明に於ける当該拡大オートマトンの作成方法に付いては上記した方法が使用出来るものであり、本発明に係るセキュリティーデータの埋め込み方法に於いては、如何に当該拡大オートマトンを利用して、セキュリティーデータを構成する各デジタルビットデータ列を当該拡大オートマトンに於ける各頂点部の配列に変換するかにある。
【0040】
本発明に係るデジタルデータ著作物に対するセキュリティーデータの埋め込みに際しては、如何なる形式、如何なる特性を持った拡大オートマトンを使用しなければならないと言う制約は無く、如何なる拡大オートマトンでも使用する事が可能である。
要は、当該拡大オートマトンを如何に使用するかに係るものである。
【0041】
本発明に於いては、従って、一例として図6に示されている拡大オートマトンF2 を使用してそのセキュリティーデータ変換方法に付いて説明する。
即ち、図6に於ける当該拡大オートマトンF2 に於いては、8個の互いに異なる状態を示す頂点部q0〜q7が配置されており、それぞれの頂点部には、関連する2つの異なる頂点部に向かう2本の連結線としての辺部と、関連する2つの異なる頂点部から受け入れる2本の連結線としての辺部とが設けられており、それぞれの辺部には、図示の様に、所定の係数として0又は1の何れかの係数が付されている。
【0042】
係る係数は、上記した様に当該拡大オートマトンを作成するに際しては、当該拡大オートマトンの世代(つまり、拡大オートマトンFnのn)が、奇数か偶数かによって、当該拡大オートマトンの各頂点部に付けるラベル決定するのに使用したものであるが、此処で説明する当該セキュリティーデータの変換操作に於いては、別の意味を持つ事になり、即ち、当該係数の0と1は、所定のセキュリティーデータを構成するそれぞれのビットの値と同じ意味を持つ事になる。
【0043】
先ず、当該拡大オートマトンF2 に於けるそれぞれの頂点部を3ビットのデジタルデータで表し、その結果を所定の対応表として纏めておく。
つまり、当該拡大オートマトンF2 の各頂点部の状態値データを3桁のビットデータに変換してテーブルを作成しておくものである。
例えば、図10に示す様に、当該各頂点部q0〜q7のそれぞれの状態を3ビットデジタルデータとして作成しておくものである。
【0044】
つまり、頂点部q0は000、頂点部q1は001、頂点部q2は010・・・という様に対応するルックアップテーブルを作成して、適宜の記憶手段に格納しておくものである。次に、所定のデジタルデータ著作物に埋め込むべき所定のセキュリティーデータを例えば“KM”とした場合、それぞれのローマ字に対応するデジタルデータは、例えば図11に例示されているものとすると、当該セキュリティーデータである“KM”は、Kが001011で、Mが001101と指定されていることから、001011001101と言うデジタルデータの配列で構成される事になる。
【0045】
そこで、係るセキュリティーデータ“KM”のデジタルデータビット列を上記した拡大オートマトンFを使用して、当該拡大オートマトンの頂点部の配列に変換する。その手順は、先ず当該セキュリティーデータのデジタルデータビット列の最初の(左端)ビットデータが0である。
【0046】
従って、当該拡大オートマトンF2 の左端の頂点部q0からスタートする。
この場合、当該拡大オートマトンF2 のどの頂点部からスタートしても構わないが、本具体例では、上記の様にする事にする。
従って、今、当該拡大オートマトンF2 の左端の頂点部q0がスタートとなる。
【0047】
この時に当該セキュリティーデータの最左側のビットデータの値は0であるので、当該頂点部q0から先ず0の係数を有する辺を選択し、当該辺に沿って次の頂点部に移動する。
この場合には、当該頂点部q0から出ている辺の内、係数が0である辺h1が選択されるので、次に頂点部q2に移動する事になる。
【0048】
次に、当該頂点部q2に於いて、当該セキュリティーデータの左から2番目のビットデータを読むとまた0であるので、当該頂点部q2から出る辺の内、係数が0である辺h2が選択されて、頂点部は、又頂点部q0に戻ってくる。
そして、次いで当該セキュリティーデータの左から3番目のビットデータを読み出し、それが1であるから、今度は当該頂点部q0からでる辺の内係数が1となっている辺h3が選択され、それにそって頂点部q1に移動する。
【0049】
その後、当該セキュリティーデータの左から4番目のビットデータが読み出され、それが0であるから、当該頂点部q1から出る係数0の辺h4が選択されて、当該頂点部はq3に移行する事になる。
同様にして、当該セキュリティーデータの左から5番目のビットデータが読み出され、それが1であるから、当該頂点部q3から出る係数1の辺h5が選択されて、当該頂点部はq2に移行し、次いで当該セキュリティーデータの左から6番目のビットデータが読み出され、それが1であるから、当該頂点部q2から出る係数1の辺h6が選択されて、当該頂点部はq7に移る。
【0050】
以上の様な操作が当該セキュリティーデータを構成する全てのデジタルデータのビット値に対して実行され、その結果、当該セキュリティーデータは、q0、q2、q0、q1、q3、q2、q7、q5、q7、q6、q3・・・と言う様な当該拡大オートマトンを構成する頂点部の状態を示すデータの配列に変換される。
【0051】
次いで、図10に於いて示されている、予め定められた当該頂点部のそれぞれの状態を表示するデジタルデータを示すテーブルから、各頂点部q0〜q7のそれぞれ対応するデータを一覧表にすると、上記拡大オートマトンF2 の状態を示す頂点部qnの配列順を当該各頂点部のデータにより示すと、図12の様になる。
【0052】
即ち、当該セキュリティーデータの各デジタルビット値が図12に示す順のデジタルデータに変換されたことになる。
そして、所定のデジタルデータ著作物に埋め込むセキュリティーデータは、図12に示された3桁のビットデータである。
次に、本発明に係るデジタルデータ著作物に当該変換されたセキュリティーデータを埋め込む方法に付いて説明する。
【0053】
先ず、本発明に於いて使用される当該デジタルデータ著作物は、特に限定されるものではなく、デジタルデータによって表される全ての著作物、例えばビデオ、テープを含むデジタルデータ記録媒体に記録された映画、アニメ、静止画像、動画像、文書、図面、音楽、音声、写真等が対象となる。
そして、本発明に係るセキュリティーデータを埋め込む場合には、上記したデジタルデータ著作物に於ける予め定められた所定のデジタルデータ部分に上書きする形で、上記の様なセキュリティーデータを埋め込むものである。
【0054】
より具体的には、例えば、最近盛んに活用され、商業化されている、MIDI(Music Instrumental Digital Interface) の規格により構成されているMIDI音楽デジタルデータに、本発明に係る当該セキュリティーデータを埋め込む場合を想定してその手順を説明する。
即ち、当該MIDI音楽デジタルデータは、例えば、図13に示す様に、ヘッダ部分Aとトラックデータ部分Bとから構成されており、当該ヘッダ部分Aには作曲者名、曲名、テンポ、拍子等の情報が記載されると共に、該トラックデータ部分Bには、実際の音楽データが記載されている。
【0055】
そして、当該トラックデータ部分Bは、図14に示す様に、時間軸に沿って、例えば、タイミング、ON/OFF、高さ、ベロシティと言うような特性データが、配列され、それらが同時に再生される事によって、実際の音楽として聴取出来る様になっている。
上記特性データの内、タイミングは、音を出したり止めたりする時刻を示すデータであり、ON/OFFデータは、鍵盤を押したか離したかを見分けるデータであり、高さデータは、例えばピアノの鍵盤の位置を表すデータであり、又ベロシティは、速度を示すデータである。
【0056】
そして、本発明に於いては、例えば当該図14に於けるベロシティの全てのデジタルの下3桁に、図12に示す変換後のセキュリティーデータを順次に埋め込む事になる。この場合、本具体例に於いては、時間軸に沿って配列されている全てのベロシティデータに図12に示されている電子透かし“KM”を表わすデジタルデータの配列を繰り返し埋め込むものであるが、場合によっては、予め定められた所定の部分のみに当該セキュリティーデータを埋め込むものであっても良い。
【0057】
又、ベロシティデータに限らず、他のデータに埋め込む事も可能である。
更に、本具体例に於いては、当該ベロシティデータの下3桁に当該セキュリティーデータを埋め込む例を示したが、当該セキュリティーデータのそれぞれのデータが2ビットで表される場合には、当該ベロシティデータの下2桁に当該セキュリティーデータを埋め込む事になる。
【0058】
然しながら、本発明に於いては、必ずしも当該ベロシティデータの下3桁或いは下2桁にセキュリティーデータを埋め込む事は必須ではなく、当該ベロシティデータの予め定められた所定の桁に埋め込む事も可能である。
つまり、本発明に於ける当該デジタルデータ著作物の一例としては、音楽データであり、更に当該音楽データは、MIDI(Music Instrumental Digital Interface) の規格により構成されているデータである事が望ましい。
【0059】
又、上記した様に、本発明に於けるデジタルデータ著作物の処理方法に於いては、当該音楽データを構成する少なくとも一つの特性値に於ける時間軸方向に配列された個々のデジタルデータの一部のビットに当該変換デジタルデータの各ビットを埋め込む様に構成されている事が好ましい。
そして、本発明に於いては、当該変換デジタルデータが埋め込まれる該当該音楽データを構成するデジタルデータは、当該デジタルデータの下位のビットである事が好ましい。
【0060】
上記の説明により明らかな様に、本発明に於ける別の態様としては、デジタルデータにより構成されたデジタルデータ著作物であって、当該デジタルデータ著作物を構成するそれぞれの特性デジタルデータに於ける少なくとも一部のデジタルデータに、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に埋め込んであるデジタルデータ著作物である。
【0061】
本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法は、上記の説明から明らかな様に、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込む様に構成されているデジタルデータ著作物の処理方法を要旨とするものである。
【0062】
そして、本発明を例えばデジタルデータ著作物の中でも特に音楽データに適用する場合には、当該音楽データを構成する少なくとも一つの特性値に於ける時間軸方向に配列された個々のデジタルデータの一部のビットに当該変換デジタルデータの各ビットに上記の様にして形成された変換デジタルデータからなるセキュリティーデータを埋め込む様に構成する事が望ましく、又、その際には、当該変換デジタルデータが埋め込まれる該当該音楽データを構成するデジタルデータは、当該デジタルデータの下位のビットである事が望ましい。
【0063】
上記した本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法の具体的な操作手順を図15のフローチャートを参照して説明するならば、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、スタート後、ステップ(1)に於て、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを用意する第1の工程を実行し、ステップ(2)に於て、当該オートマトンユニットの複製を製造する第2の工程が実行され、次いでステップ(3)に進んで、当該2個のオートマトンユニットを組み合わせ、当該各オートマトンユニットの各頂点部群の当該各頂点のそれぞれを、上記した様な予め定められたアルゴリズムに従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結された拡大オートマトンを形成する第3の工程を実行し、ステップ(4)に於て、当該ステップ(3)によって得られた拡大オートマトンが、所望の拡大オートマトンであるか否かを判断し、NOであればステップ(2)に戻り、必要な拡大オートマトンがえられる迄、当該ステップ(2)とステップ(3)の各工程が繰り返される第4の工程を実行し、次いでステップ(5)に進んで、当該拡大オートマトンを使用して、予め定められた所定のセキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換する第5の工程を実行した後、ステップ(6)に進んで、当該頂点部のそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する所定の特性データの各ビットデータの一部に埋め込む第6の工程を実行する。
【0064】
その後、ステップ(7)に進んで、当該作成されたセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を適宜の記憶手段に格納する第7の工程を実行してエンドとなる。
又、本発明に於ける別の態様としては、デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを用意する第1の工程、当該オートマトンユニットの複製を製造する第2の工程、当該2個のオートマトンユニットを組み合わせ、当該各オートマトンユニットの各頂点部群の当該各頂点のそれぞれを、予め定められたアルゴリズムに従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結された拡大オートマトンを形成する第3の工程、必要な拡大オートマトンがえられる迄、当該第3の工程を繰り返す第4の工程、当該拡大オートマトンを使用して、予め定められた所定のセキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換する第5の工程、当該頂点部のそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する所定の特性データの各ビットデータの一部に埋め込む第6の工程、当該作成されたセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を適宜の記憶手段に格納する第7の工程とから構成されている、デジタルデータ著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体がある。
【0065】
次に、本発明に於て、上記の様にして所定のセキュリティーデータが埋め込まれたデジタルデータ著作物から、当該所定のセキュリティーデータを読みだす方法及び読み出す装置に付いて、図16を参照しながらその具体例を説明する。
本発明に於ける当該セキュリティーデータの読み出し方法は、上記したセキュリティーデータの埋め込み方法を逆の形で使用する事によって、実行される。
【0066】
つまり、基本的には、先ず、図6に示される予め定められた所定の拡大オートマトンを使用し、又、図10に示される様な頂点部とそれに対応したビットデータ表を使用することになる。
又、デジタルデータ著作物に於けるどの特性値データに当該セキュリティーデータが埋め込まれているかは、予め判明しているものとする。
【0067】
即ち、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータが、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込まれているデジタルデータ著作物から当該所定のセキュリティーデータを読み出す方法に於て、スタート後、ステップ(11)で検査すべきデジタルデータ著作物を用意し、ステップ(12)に於て、当該デジタルデータ著作物に於ける所定の特性値に関するデジタルデータを読み出し、ステップ(13)に於て、当該デジタルデータに於ける所定の桁を構成するビットに於けるデータを読み出し、ステップ(14)に於て、当該読み出され所定の桁部分のビットデータを、予め定められた当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を参照して、当該各頂点部の配列に変換し、次で、ステップ(15)に於て、当該各頂点部の配列から、予め定められた拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンの各頂点部を連結する当該各辺に予め与えられている所定の係数を参照して、当該各頂点部の配列から当該係数で構成されたビットデータ値の配列に変換する。
【0068】
その後ステップ(16)に進んで、当該変換されたビットデータ値の配列から当該セキュリティーデータを読み出し、予め所定のセキュリティーデータ記憶手段に記憶されている所定のセキュリティーデータと比較を行い、ステップ(17)に於て、検出されたセキュリティーデータが、予め定められたセキュリティーデータと一致しているか否かを判別してエンドとなる。
【0069】
又、本発明に係る上記した、セキュリティーデータの読み出し方法に関する別の態様としては、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータが、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込まれているデジタルデータ著作物から当該所定のセキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物に於ける当該ビットデータに於ける所定のビットに於けるデータを読み出し、当該デジタルデータに於ける予め定められた所定の桁部分を検査し、当該読み出され所定の桁部分のビットデータを、予め定められた当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を参照して、当該各頂点部の配列に変換し、次で、当該各頂点部の配列から、予め定められた拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンの各頂点部を連結する当該各辺に予め与えられている所定の係数を参照して、当該各頂点部の配列から当該係数で構成されたビットデータ値の配列に変換し、当該変換されたビットデータ値の配列から当該セキュリティーデータを復元する操作を行う事を特徴とするセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から当該セキュリティーデータを読み出す様に構成された、デジタルデータ著作物から所定のセキュリティーデータを読みだす方法をコンピュータに実行させる為のプログラムを記録した記録媒体である。
【0070】
又、上記したセキュリティーデータの読み出し方法を実行する為の装置としては、例えば、図1に示されている様に、以下の様な構成を有するものが考えられる。
即ち、デジタルデータにより構成された著作物から当該デジタルデータ著作物に埋め込まれている所定のセキュリティーデータを読み出す装置35であって、拡大オートマトンを記憶しておく拡大オートマトン記憶手段30、当該デジタルデータ著作物1から予め定められた所定のデジタルデータの所定のビットを構成するデジタルデータを読み出すデジタルデータ読み出し手段31、当該読み出し手段31によって該デジタルデータ著作物1から読みだされたデジタルデータを、予め定められ、所定の変換デジタルデータ記憶手段7に記憶されている当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を当該変換デジタルデータ記憶手段7から読み出して、当該デジタルデータと比較する比較手段32、当該比較手段32の比較結果に基づいて、当該デジタルデータを拡大オートマトンを構成するそれぞれの頂点部の配列に変換する頂点部配列変換手段33、及び当該頂点部配列変換手段33の出力に基づいて、当該拡大オートマトン記憶手段30に記憶されている所定の拡大オートマトンを使用して、当該頂点部配列から当該セキュリティーデータを構成するそれぞれのビットを復元するセキュリティーデータ復元しそれを表示する復元表示手段34とから構成されているデジタルデータ著作物処理装置35が示されている。
【0071】
本発明に於ける当該拡大オートマトン記憶手段30は、所定のオートマトン作成手段3と接続せしめられており、当該オートマトン作成手段3は、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを、複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを作成するものである。
【0072】
上記に説明した本発明に於けるデジタルデータ著作物からのセキュリティーデータの読み出し方法は、予め、使用される拡大オートマトンが決められており、又、デジタルデータ著作物に於ける如何なる特性データのどの部分に、何桁の範囲でセキュリティーデータが埋め込まれているかが判っている場合の例であるが、上記各情報が判明していないデジタルデータ著作物を取扱う事も可能である
その場合の具体例を以下に説明する。
【0073】
例えば、本発明に於て上記したMIDIデータからなる音楽データからセキュリティーデータを読みだす方法に付いて説明すると、先ず、上記した様に、例えば当該MIDIデータの内でベロシティーのデジタルデータの下n桁にセキュリティーデータが埋め込まれていると想定して検査を開始する。
そして、先ず桁数nをn=4と設定して、この部分にセキュリティーデータが埋め込まれているか否かを検査する。
【0074】
そこで、当該ベロシティーに於けるデジタルデータの下4桁が、図17の様であったとする。
次に、本発明に於て予め作成された拡大オートマトンF3 (つまり、16の異なる状態qを有する頂点部群を持つ拡大オートマトン)を求め、同様に予め定められた当該拡大オートマトンF3 (図示せず)に於けるそれぞれの頂点部q0からq15のそれぞれに対応する状態を示すデータビットデータ値を予め作成された所定の表、例えば図18に示す様なテーブルを使用して、図17に示す様に、検査すべきデジタルデータ著作物のベロシティーに於けるデジタルデータの下4桁の値と比較し、図19に示す様に、図17のデジタルデータ値を当該拡大オートマトンF3 の頂点部の配列に変換する。
【0075】
一方、当該拡大オートマトンF3 の一部は、例えば図20に示す様な頂点部と頂点部との間に形成された辺部と、各辺部に割り当てられている係数(1又は0)であったとする。
そこで、次に、上記した図19に示された当該デジタルデータ著作物に於ける当該ベロシティーに関するデジタルデータ値の配列を当該拡大オートマトンF3 のそれぞれの頂点部qnの配列に変換した情報から、図20に例示されている様な辺部が存在しているか否かを判断する。
【0076】
例えば、図20の拡大オートマトンF3 に於いては、q0からq1に向かう辺部h1とq0からq3に向かう辺部h2、更にはq1からq4に向かう辺部h3はありますが、q0からq4又はq2からq3に向かう辺部はない。
そこで、当該デジタルデータ著作物から取り出したMIDI音楽データに於ける図19の対応列を見てみるとq0からq1に向かう辺部があり、又q1からq4に向かう辺部がある事が判る。
【0077】
この様に、MIDI音楽データから取り出したビット列に於て当該拡大オートマトンF3 が持つ辺部と同じ辺部をきちんと辿っているか否かをチェックしていくことになる。
例えば、上記した様に、隣接する2つの頂点部の状態をチェックする事によって、その関係を推定する事が出来る。
【0078】
つまり、隣り合う2つの組(qnとqm)が正しいとすれば、頂点部qnから頂点部qmに向かう辺部が存在する事が推定される事になり、逆に当該辺部が存在していない場合には、その組は誤りである可能性が高いと判断する。
又、当該拡大オートマトンF3 に於ける構成からみて、明らかに存在しない頂点部の配列が存在した場合も、誤りであると推定する。
【0079】
そして、例えば図6に示される拡大オートマトンF2 による頂点部の配列が、例えば、図21に示す様に、以下の様な状態であったとすると、
q0、q1、q4、q6、q4、q5、q1、q2、q0、q1、q4、q6、q4・・・
上記した様に、例えば、図6から明らかな様にq5→q1→q2の連続はあり得ない。
【0080】
係る辺の連続は、後述する補正方法によって、訂正が可能であり、q5→q0→q2の辺の連続が正しいものとする事が可能である。
そして、その訂正後、上記の配列が、
q0、q1、q4、q6、q4、q5、q0、q2、q0、q1、q4、q6、q4・・・と決定された後に、当該拡大オートマトンF2 の各辺部に予め与えられている係数を使用して、各連続する頂点部間の辺の係数を読みだす事によって、例えば、当該頂点部の配列を以下の様なセキュリティーデータのビットデータ列に変換する事が出来る。
【0081】
本具体例に於いては、当該1の係数を有する辺部を辿るものとする。
1、1、0、0、1、1、0、0、1、1、0、0
係るビットデータ列が、セキュリティーデータとして当該デジタルデータ著作物に埋め込まれた透かしとして読みだされる。
つまり、本発明に於ける当該セキュリティーデータの読み出しに際しては、当該拡大オートマトンの辺の内、係数1の辺部を辿るか、係数0の辺部を辿るかの情報が重要である。
【0082】
若し、当該埋め込まれたセキュリティーデータが何も改ざんされずそのままであるならば、隣合う全ての組は正しい組である筈であるが、万一当該セキュリティーデータの一部が改ざんされている場合には、上記した様に、幾つかの組は誤った組として判断される。
その為、本発明に於いては、上記の方法によって取り出すビット数nが4ビットか、3ビットか或いは2ビットのどれかであるかを確かめる為にとなり合う2つの組が何%正しい組であるかを確かめる。
【0083】
例えば、下4ビットで検出した場合に、正しい組が75%以下である場合には、下3ビットを使用して再度同じ検出操作を実行し、その場合の正しい組が75%以下である場合には、下2ビットを使用して再度同じ検出操作を実行する様にする。
最初に75%以上の正しい組を検出した場合には、当該検出すべき桁数をその値に設定する。
【0084】
上記した誤りの補正の例に付いて説明すると、例えば、(S)→(a)、(a)→(b)、(b)→(c)、(c)→(e)の連続が正しい組とする。
Figure 0003737625
今、上記パターンに於て〇の関係が正しい組であり、×の関係が誤った関係にある組とする。
【0085】
この場合、(S)→(a)→(?)→(c)→(e)
の関係に於て (a)→(?)と (?)→(c)を同時に正しい組と見なす(?)を求める事によって(?)=(b)である事が判明する。
従って、正しい配列順序は、(S)→(a)→(b)→(c)→(e)である事が判る。
【0086】
【数2】
Figure 0003737625
【0087】
今、上記のパターンに於て正しい組の間に、誤った組が2個ある場合で、且つ(a)→(c)の辺部は存在しない場合を考える。
この場合、(d)を誤った状態と判断し、他のものと置き換える。
そして、(a)→(?)と (?)→(c)を同時に正しい組と見なす(?)を求める事によって(?)=(b)である事が判明する。
【0088】
従って、正しい配列順序は、(S)→(a)→(b)→(c)→(e)である事が判る。
【0089】
【数3】
Figure 0003737625
【0090】
今、上記パターンに於て正しい組の間に誤った組が2個ある場合で、且つ誤った組が2個続くが、一個飛ぶと(つまり(d)を除くと)(a)→(b)の組は正しい組と認められる場合。
この場合、(d)を余計な状態と判断し削除する事によって以下の様な正しい配列が判明する。
【0091】
(S)→(a)→(b)→(c)
一方、本発明に於いては、上記した様に拡大オートマトンを使用しており、当該拡大オートマトンに於ける各頂点部を連結する同一係数を有する辺部を辿って元の頂点部に戻ってくる様なルートを少なくとも2個形成し、その何れかを使用すると同時に、当該巡回ルートが長い程、誤りの訂正に強いセキュリティーデータの埋め込み方法が得られる。
【0092】
つまり、本発明に於て拡大オートマトンを作成する事によって、拡大する毎に下一桁のビットが増加されていく規則になるので、仮に最下位のビットが改ざんされたとしても、又消失したとしても、残りのビットから、埋め込んだセキュリティーデータを復元させる事が可能となる。
【0093】
【発明の効果】
本発明に係るデジタルデータ著作物処理装置および記録媒体は、上記の様な構成を有していることから、所定のデジタルデータ著作物に対して、人間の聴覚に影響の無い形式で特定のセキュリティデータ、例えば暗号データ、署名データ等を当該必要なデジタルデータ著作物に埋め込む事が出来、又容易にそれを再生する事が可能となる。
【0094】
然も、本発明に於いては、後述する様に、必要なセキュリティーデータを第3者には判りにくいアルゴリズムを使用して、特定の変換を行い、その結果を利用して、当該デジタルデータ著作物の必要な部分に、セキュリティーデータを埋め込む様にしてあるので、その第3者にとっては、セキュリティーデータが埋め込まれているか否かを識別する事が極めて困難であると同時に、例え、当該デジタルデータ著作物が、第3者によって改造され、折角埋め込んだセキュリティーデータが一部破壊されたとしても、相当の確率を持って当該セキュリティーデータを復元出来る、誤り訂正に強いセキュリティーデータ埋め込み方法を得る事が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るデジタルデータ著作物処理装置の一具体例の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図2】図2は、本発明に使用されるオートマトンユニットの例を示す図である。
【図3】図3は、図2に示す本発明に使用されるオートマトンユニットを2組用意して拡大オートマトンを作成する準備をした状態を示す。
【図4】図4は、本発明に係る拡大オートマトンの例を示す図である。
【図5】図5は、図4に示す拡大オートマトンから更に別の拡大オートマトンを作成する為に当該拡大オートマトンユニットを2組用意した状態を示す。
【図6】図6は、拡大オートマトンの構成例を示す図である。
【図7】図7は、本発明に係る別の拡大オートマトンを作成する場合の手順の例を説明する図である。
【図8】図8は、本発明に係るオートマトン作成装置の一具体例の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図9】図9は、本発明に於ける拡大オートマトンを作成する場合の手順を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、本発明に於て使用される頂点部の状態とその状態をデジタルデータで表示した対応表の例である。
【図11】図11は、本発明に係るセキュリティーデータに使用されるアルファベット記号をデジタルデータによって表示した対応表である。
【図12】図12は、セキュリティーデータを頂点部の配列に変換して、当該頂点部の値をデジタルデータで表示したものの配列を示す表である。
【図13】図13は、MIDI音楽データのデジタルデータの構成例を示す図である。
【図14】図14は、当該MIDI音楽データに於けるトラックデータ部の構成の例を示す図である。
【図15】図15は、本発明に係るデジタルデータ著作物の処理方法の操作手順の一例を説明するフローチャートである。
【図16】図16は、本発明に使用されるデジタルデータ著作物から所定のセキュリティーデータを読みだす方法の操作の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、MIDI音楽データのデジタルデータに於けるベロシティー部を読みだした場合の例を示す図である。
【図18】図18は、別の拡大オートマトンを使用した場合の当該各頂点部の状態をデジタルデータで表示した対応表である。
【図19】図19は、本発明に於けるデジタルデータ著作物から拡大オートマトンを使用して頂点部の配列を得た場合の例を示す表である。
【図20】図20は、他の拡大オートマトンの構成の一部を示す図である。
【図21】図21は、被検査デジタルデータ著作物のビットデータ列と拡大オートマトンの頂点部配列との関係を示す図である。
【符号の説明】
100…デジタルデータ著作物処理装置
1…デジタルデータ著作物
2…セキュリティーデータ
3…オートマトン作成手段
4…セキュリティーデータ入力手段
5…変換手段
6…変換符号デジタルデータ
7…変換符号デジタルデータ記憶手段
8…変換デジタルデータ配列手段
9…セキュリティーデータ埋め込み手段
10…デジタルデータ著作物記憶手段
11…オートマトンユニットF0 を用意する第1の手段
12…オートマトンユニットF0 のコピーを作成する第2の手段
13…記憶手段
14、16…拡大オートマトンを作成する第3の手段
15、30…拡大オートマトン記憶手段
20…セキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物格納手段
31…読み出し手段
32…比較手段
33…頂点部配列変換手段
34…復元表示手段
35…デジタルデータ著作物処理装置

Claims (7)

  1. デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む装置であって、オートマトンユニットから拡大オートマトンを作成するオートマトン作成手段、デジタル化された所定のセキュリティーデータを入力するセキュリティーデータ入力手段、当該セキュリティーデータ入力手段から入力されたセキュリティーデータに於けるデジタルビット配列を、当該オートマトン作成手段から選択された適宜の拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンに於ける各頂点部の配列に変換する変換手段、当該各頂点部のそれぞれが固有に有する変換符号デジタルデータを使用して、当該各頂点部の配列順に順次当該変換デジタルデータを配列する変換デジタルデータ配列手段、当該変換符号デジタルデータを所定の著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込むセキュリティーデータ埋め込み手段とから構成されている
    ことを特徴とするデジタルデータ著作物処理装置。
  2. 当該オートマトン作成手段は、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを、複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを作成するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルデータ著作物処理装置。
  3. 少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを用意する第1の手段、当該オートマトンユニットのコピーを作成する第2の手段、2個の同一のオートマトンユニットのそれぞれに予め定められたアルゴリズムを適用して、一方のオートマトンユニットに於ける所定の位置に配置された頂点部から当該同一のオートマトンユニット内に於ける他の頂点部に延びる所定の係数を有する所定の辺を、他方のオートマトンユニットに於ける一つの頂点部に連結される様にその延びる方向を変更せしめる様に処理する事により拡大オートマトンを作成する第3の手段、更に、必要に応じて、当該拡大オートマトンをさらにコピーして上記第3の手段に於ける操作を繰り返して所望の規模の拡大オートマトンを作成する第4の手段とから構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のデジタルデータ著作物処理装置。
  4. デジタルデータにより構成された著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込むに際し、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを用意する第1の工程、当該オートマトンユニットの複製を製造する第2の工程、当該2個のオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該各オートマトンユニットの各頂点部群の当該各頂点のそれぞれを、予め定められたアルゴリズムに従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結された拡大オートマトンを形成する第3の工程、必要な拡大オートマトンがえられる迄、当該第2及び第3の工程を繰り返す第4の工程、当該拡大オートマトンを使用して、予め定められた所定のセキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換する第5の工程、当該頂点部のそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータを、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する所定の特性データの各ビットデータの一部に埋め込む第6の工程、当該作成されたセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物を適宜の記憶手段に格納する第7の工程とから構成されている、デジタルデータ著作物に所定のセキュリティーデータを埋め込む方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
  5. 少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを使用し、当該セキュリティーデータのデジタル値に於ける各ビットの値の配列を当該拡大オートマトンを構成する当該頂点部の配列に変換し、当該頂点部にそれぞれ与えられた変換符号デジタルデータが、当該頂点部の配列に従って、順次に当該デジタルデータ著作物を構成する各ビットデータの一部に埋め込まれているデジタルデータ著作物から当該所定のセキュリティーデータを読み出すに際し、当該デジタルデータ著作物に於ける当該ビットデータに於ける所定のビットに於けるデータを読み出し、当該デジタルデータに於ける予め定められた所定の桁部分を検査し、当該読み出され所定の桁部分のビットデータを、予め定められた当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を参照して、当該各頂点部の配列に変換し、次で、当該各頂点部の配列から、予め定められた拡大オートマトンを使用して、当該拡大オートマトンの各頂点部を連結する当該各辺に予め与えられている所定の係数を参照して、当該各頂点部の配列から当該係数で構成されたビットデータ値の配列に変換し、当該変換されたビットデータ値の配列から当該セキュリティーデータを復元する操作を行う事を特徴とするセキュリティーデータを埋め込んだデジタルデータ著作物から当該セキュリティーデータを読み出す様に構成された、デジタルデータ著作物から所定のセキュリティーデータを読みだす方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
  6. デジタルデータにより構成された著作物から当該デジタルデータ著作物に埋め込まれている所定のセキュリティーデータを読み出す装置であって、拡大オートマトンを記憶しておく拡大オートマトン記憶手段、当該デジタルデータ著作物から予め定められた所定のデジタルデータの所定のビットを構成するデジタルデータを読み出す読み出し手段、当該読み出し手段によって該デジタルデータ著作物から読みだされたデジタルデータを、予め定められ、所定の変換デジタルデータ記憶手段に記憶されている当該ビットデータと該各頂点部との関係を示す変換デジタルデータ表を当該変換デジタルデータ記憶手段から読み出して、当該デジタルデータと比較する比較手段、当該比較手段の比較結果に基づいて、当該デジタルデータを拡大オートマトンを構成するそれぞれの頂点部の配列に変換する頂点部配列変換手段、及び当該頂点部配列変換手段の出力に基づいて、当該拡大オートマトン記憶手段に記憶されている所定の拡大オートマトンを使用して、当該頂点部配列から当該セキュリティーデータを構成するそれぞれのビットを復元するセキュリティーデータ復元手段とから構成されている
    ことを特徴とするデジタルデータ著作物処理装置。
  7. 当該拡大オートマトン記憶手段は、所定のオートマトン作成手段と接続せしめられており、当該オートマトン作成手段は、少なくとも2個の互いに異なる状態を示す頂点部と当該各頂点部のそれぞれを連結する所定の係数が割り当てられている辺群とから構成されているオートマトンユニットを、複数個組み合わせ、当該複数個の頂点部群と当該各頂点のそれぞれを、予め定められた規則に従って、当該所定の係数が割り当てられている辺群のそれぞれによって個別に連結されて構成された拡大オートマトンを作成するものである
    ことを特徴とする請求項6に記載のデジタルデータ著作物処理装置。
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