JP3736785B2 - 通話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送話器として気導マイクロホンと振動ピックアップとを用い、受話器を具備する通信装置で、高騒音の環境で音声信号(音響信号)を送信するときに、気導マイクロホンの収音信号と振動ピックアップの収音信号とを自動的に最適に混合し、しかも、ハウリングの発生を防止する通話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の送受話装置において、気導マイクロホンで収音した信号と振動ピックアップで収音した信号とを選択または混合することによって、音声(音響)信号を送話する方式が提案されている。
【0003】
気導マイクロホンの音質は、比較的良好であるが、周囲騒音に影響を受けやすく、一方、振動ピックアップで収音した信号の音質は、比較的悪いが、周囲騒音に対して比較的影響を受けにくい特徴がある。したがって、周囲騒音のレベルが低いときには、音質が良好な気導マイクロホンの収音信号の混合比を高くする。一方、周囲騒音のレベルが高いときには、耐騒音性の高い振動ピックアップの収音信号の混合比を高くする。
【0004】
しかし、振動ピックアップの収音信号の混合比を高くした場合、受話器で出力された音声が振動ピックアップで収音され、つまり、受話器と振動ピックアップとの音響結合によって、ハウリングが発生するという欠点がある。
【0005】
このハウリングの発生を抑制するために、音声スイッチを設け、この音声スイッチの挿入損失を大きくするようにしている。つまり、上記音声スイッチは、送話信号に挿入損失を付加したり、受話信号に挿入損失を付加したりすることによって、送話信号と受話信号とを切り替えるスイッチであり、具体的には、受話音声を聞くときに、受話信号に挿入損失を付加せずに、送話信号に固定値の挿入損失を付加し、送話信号を送出するときに、送話信号に挿入損失を付加せずに、受話信号に固定値の挿入損失を付加する。このようにすることによって、ハウリングの発生を抑制することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例において、周囲騒音のレベルが低いときには、音質が良好な気導マイクロホンの収音信号の混合比を高くするので、挿入される損失は小さくてもよいが、高騒音下での使用を考え、送話音声または受話音声に挿入される損失が大きいままである。したがって、音声スイッチにおける送話音声または受話音声の切断感が目立ち、品質が劣化するという問題がある。
【0007】
この場合、振動ピックアップの収音信号が抑えられるので、振動ピックアップとイヤホンとの音響結合が少なくなるので、送話または受話音声のレベルをそれほど下げる必要がないにもかかわらず、送話または受話音声のレベルが大きく下げられることによって、切断感が目立つことが問題である。
【0008】
すなわち、上記従来例では、周囲騒音のレベルが変化しても、音声スイッチの挿入損失を固定にしているので、周囲騒音レベルに対応して最適に制御することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、気導マイクロホンと振動ピックアップと受話器とを有し、上記気導マイクロホンの収音信号と上記振動ピックアップの収音信号とを混合し、この混合された信号を送話信号として送出する通話装置において、周囲騒音のレベルが変化したときに、周囲騒音レベルに対応して、気導マイクロホンと振動ピックアップとの両収音信号を最適に制御することができ、しかも、ハウリングせずに送信することができる通話装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気導マイクロホンと振動ピックアップと受話器とを有し、上記気導マイクロホンの収音信号と上記振動ピックアップの収音信号とを混合し、この混合された信号を送話信号として送出する通話装置において、上記送話信号に、送話信号用挿入損失を付加する送話信号用挿入損失付加手段と、回線から受けた受話信号に、受話信号用挿入損失を付加する受話信号用挿入損失付加手段と、上記送話信号のレベルと上記受話信号のレベルとを比較し、この比較結果に応じて、上記送話信号用挿入損失と、上記受話信号用挿入損失とが相反するように制御する第1の挿入損失制御手段と、周囲の騒音レベルに基づいて、上記送話信号用挿入損失と、上記受話信号用挿入損失とを制御する第2の挿入損失制御手段とを有し、上記第2の挿入損失制御手段は、上記周囲の騒音レベルが低いときに、話頭切断感を軽減するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、小さくし、一方、周囲騒音レベルが高いときに、ハウリングの発生を抑制するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、大きくする手段である通話装置である。
【0011】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の第1の実施例である通信装置CS1を示すブロック図である。
【0012】
通信装置CS1は、気導マイクロホン1と、振動ピックアップ2と、気導マイクロホン用アンプ3と、振動ピックアップ用アンプ4と、混合装置5と、音声スイッチ6と、騒音レベル付与装置7と、回線用回路への出力端子8と、回線用回路からの入力端子9と、受話器用アンプ10と、受話器11とを有する。
【0013】
騒音レベル付与装置7は、騒音レベルを複数段階に分け、この複数段階の騒音レベルのうちから、所定のレベルをスイッチ等で予め選択し、この選択された騒音レベルを、騒音レベル付与装置7の外に付与する装置である。
【0014】
混合装置5は、騒音レベル付与装置7が出力する騒音レベルに基づいて、気導マイクロホン用アンプ3からの気導音と、振動ピックアップ用アンプ4からの骨導音とを最適に混合する装置である。
【0015】
音声スイッチ6は、騒音レベル付与装置7が出力する騒音レベルに基づいて、挿入損失を制御し、送話信号または受話信号に挿入損失を付加する音声スイッチであり、挿入損失制御手段61と、送話信号用挿入損失付加手段62と、受話信号用挿入損失付加手段63とを有する。
【0016】
送話信号用挿入損失付加手段62は、送話信号に、送話信号用挿入損失を付加する手段である。
【0017】
受話信号用挿入損失付加手段63は、回線から受けた受話信号に、受話信号用挿入損失を付加する手段である。
【0018】
挿入損失制御手段61は、送話信号のレベルと受話信号のレベルとを比較し、この比較結果に応じて、送話信号用挿入損失と、受話信号用挿入損失とが相反するように制御する第1の挿入損失制御手段の例であり、また、周囲の騒音レベルに基づいて、送話信号用挿入損失と、受話信号用挿入損失とを制御する第2の挿入損失制御手段の例である。
【0019】
つまり、上記第1の挿入損失制御手段は、上記送話信号のレベルが上記受話信号のレベルよりも高いときに、上記送話信号用挿入損失を、上記受話信号用挿入損失よりも小さくし、一方、上記送話信号のレベルが上記受話信号のレベルよりも低いときに、上記送話信号用挿入損失を、上記受話信号用挿入損失よりも大きくする手段である。
【0020】
なお、相反して挿入損失を制御するとは、送話信号に挿入損失を付加するときに、受話信号における挿入損失を不変または低減し、逆に、受話信号に挿入損失を付加するときに、送話信号における挿入損失を不変または低減する制御である。
【0021】
また、上記第2の挿入損失制御手段は、上記周囲の騒音レベルが低いときに、話頭切断感を軽減するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、小さくし、一方、周囲騒音レベルが高いときに、ハウリングの発生を抑制するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、大きくする手段である。
【0022】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0023】
まず、気導マイクロホン1で収音された音声(音響)信号は、気導マイクロホン用アンプ3で増幅される。振動ピックアップ2で収音された音声(音響)信号は、振動ピックアップ用アンプ4で増幅される。
【0024】
そして、騒音レベル付与装置7からの騒音レベルに基づいて、気導マイクロホン用アンプ3が出力する気導音と、振動ピックアップ用アンプ4が出力する骨導音とを、混合装置5が最適に混合する。この場合、騒音レベルが低ければ、気導音の比率を高くし、騒音レベルが高ければ、骨導音の比率を高くするように混合する。
【0025】
そして、音声スイッチ6は、送話信号のレベルが受話信号のレベルよりも高いときに、送話信号用挿入損失を、受話信号用挿入損失よりも小さくし、一方、送話信号のレベルが受話信号のレベルよりも低いときに、送話信号用挿入損失を、受話信号用挿入損失よりも大きくする。このようにすることによって、ハウリングの発生を抑制することができる。
【0026】
また、音声スイッチ6は、周囲の騒音レベルが低いときに、送話信号用挿入損失と受話信号用挿入損失とをともに、小さくし、これによって、話頭切断感を軽減することができ、一方、周囲騒音レベルが高いときに、送話信号用挿入損失と受話信号用挿入損失とをともに大きくし、これによって、ハウリングの発生を抑制することができる。
【0027】
図2は、騒音レベルと、挿入損失との関係を示す図である。
【0028】
挿入損失量の設定は、調整の範囲内で任意に設定することができる。図中の最大挿入損失は、一般的に3dB〜20dB程度であり、20dBを超える値を設定する場合もある。
【0029】
また、ハウリングの原因になる振動ピックアップと受話器との音響結合の程度は、主に振動ピックアップの収音信号の混合比によって決まる。周囲騒音のレベルが高くなり、しかも、耐騒音性をより重視する極端な場合には、振動ピックアップの収音信号の混合比を積極的に高くする必要がある。このためには、図2中の左上寄りの特性を用いることが好ましい。逆に、音質をより重視する極端な場合には、振動ピックアップの収音信号の混合比を低くする必要があり、このためには、右下寄りの特性を用いることが好ましい。設計時において、耐騒音性または音質をどの程度重視するかによって、両特性の間の特性を適宜、選べばよい。
【0030】
図3は、本発明の第2の実施例である通信装置CS2を示すブロック図である。
【0031】
通信装置CS2は、基本的には、通信装置CS1と同じであるが、周囲騒音レベル入力装置12が付加されている点のみが、通信装置CS1とは異なる。
【0032】
周囲騒音レベル入力装置12は、騒音計等が出力する周囲の騒音レベルを入力する装置であり、この入力した騒音レベルを、騒音レベル付与装置7を介して、音声スイッチ6に送る。つまり、通話装置CS2における騒音レベル付与装置7は、騒音レベルに対応する信号がそのまま通過する装置であってもよい。また、時定数の付与、リサンプル等の処理を付加するようにしてもよい。いずれの場合も、通話装置CS2において、周囲騒音レベル入力装置12と騒音レベル付与装置7とを一体化した装置を構成することができ、この場合、上記一体化した装置は、周囲騒音レベル入力装置12と同じものである。
【0033】
図4は、本発明の第3の実施例である通信装置CS3を示すブロック図である。
【0034】
通信装置CS3は、基本的には、通信装置CS1と同じであるが、騒音レベル付与装置7の代わりに、周囲騒音推定装置13が付加されている点のみが、通信装置CS1とは異なる。
【0035】
周囲騒音推定装置13は、気導マイクロホン1の気導音に基づいて、周囲の騒音レベルを推定する装置である。周囲騒音推定装置13は、周囲騒音を推定し、騒音レベルを混合装置5、音声スイッチ6に付与する。
【0036】
通信装置CS3は、音声収音用の気導マイクロホンで周囲騒音を収音することも兼ねる構成になっているが、周囲騒音収音用のマイクロホンを、気導マイクロホン1とは別に設けるようにしてもよく、この場合にも、通信装置CS3における効果と同様の効果を奏する。
【0037】
図5は、本発明の第4の実施例である通信装置CS4を示すブロック図である。
【0038】
通信装置CS4は、基本的には、通信装置CS1と同じであるが、騒音レベル付与装置7の代わりに、周囲騒音推定装置13と周囲騒音判定装置14とが付加されている点のみが、通信装置CS1とは異なる。
【0039】
周囲騒音判定装置14は、気導マイクロホン1の気導音が周囲騒音であることを判定する装置であり、気導マイクロホン1の気導音が周囲騒音であることを判定した情報を、周囲騒音推定装置13に送る。周囲騒音推定装置13は、周囲騒音を推定し、音声スイッチ6に付与する。
【0040】
たとえば、気導マイクロホン1で収音した信号について、音声特有のピッチ、周波数帯域等の情報を分析することによって、気導マイクロホン1で収音された信号が、音声であるかまたは騒音であるかを判定することができる。これが第1の騒音判定法である。
【0041】
また、受話信号の収音信号のレベルを観察することにも利点がある。受話信号のレベルが一定値以上であると、通話装置の使用者は、相手の話を聞いている受話状態であり、送話状態ではなく、したがって、このときに気導マイクロホン1で収音された信号は、周囲騒音であると判定することができる。これが第2の騒音判定法である。
【0042】
一般的に振動ピックアップで収音した信号の音質は比較的悪いが、周囲騒音に対して比較的影響を受けにくい特徴がある。したがって、振動ピックアップの収音信号のレベルが一定値以下であると、気導マイクロホンで収音された信号は、周囲騒音であると判定できる。この現象を利用して、周囲騒音判定装置14が、周囲騒音を判定する。これが第3の騒音判定法である。
【0043】
上記第1の騒音判定法、上記第2の騒音判定法、上記第3の騒音判定法の少なくとも1つを実行する装置が、周囲騒音判定装置14であり、この周囲騒音判定装置14が騒音の発生を判定したときに、周囲騒音推定装置13が周囲騒音を推定する動作に移る。
【0044】
なお、上記第1、第2、第3の3つの判定方法を併用すれば、騒音判定の精度が一層向上するが、そのうちの1つまたは2つの判定方法を使用しても十分な精度が得られる場合は、1つまたは2つの判定法を使用するようにしてもよい。
【0045】
なお、図5に示すように、周囲騒音判定装置14を経由して、周囲騒音推定装置13に気導音を間接的に送る他に、気導マイクロホン1の気導音を周囲騒音推定装置13に、直接的に送るようにしてもよい。
【0046】
なお、気導マイクロホン1の気導音を周囲騒音推定装置13に、直接的に送る他に、図5に示すように、周囲騒音判定装置14を経由して、周囲騒音推定装置13に気導音を間接的に送るようにしてもよい。また、周囲騒音推定装置13と周囲騒音判定装置14とを一体として構成するようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施例は、音声収音用の気導マイクロホンで周囲騒音を収音することも兼ねる構成になっているが、周囲騒音収音用のマイクロホンを別途設けるようにしてもよい。
【0048】
さらに、上記実施例では、信号の全帯域で一括して処理を行っているが、帯域分割して制御するようにしてもよく、このようにすることによって、より細かく制御することができ、品質を向上させることができる。
【0049】
図6は、本発明の第5の実施例である通信装置CS5を示すブロック図である。
【0050】
通信装置CS5は、基本的には、通信装置CS1と同じであるが、イコライジング装置15が付加されている点のみが、通信装置CS1とは異なる。
【0051】
イコライジング装置15は、気導マイクロホン1を用いて収音した信号と、振動ピックアップ2を用いて収音した信号とを混合した送話信号をイコライジングする装置である。また、イコライジング装置15は、騒音レベル付与装置7から騒音レベル情報を得ることによって、騒音レベルに対応してイコライジングすることができる。
【0052】
振動ピックアップ2を用いた場合の収音信号と気導マイクロホン1を用いた場合の収音信号との混合比、音声スイッチ6の挿入損失は、周囲騒音レベルによって変化するので、周波数特性に歪が生じ、この歪をイコライジング装置15によって補正するので、送話品質を一層向上することができる。
【0053】
なお、通信装置CS5において、イコライジング装置15と音声スイッチ6との接続順を、図6に示す順序と逆にしてもよい。
【0054】
図7は、本発明の第6の実施例である通信装置CS6を示すブロック図である。
【0055】
通信装置CS6は、基本的には、通信装置CS1と同じであるが、受話器用アンプ10の代わりに、受話器用アンプ10aが設けられ、騒音レベル付与装置7が、受話器用アンプ10aに騒音レベルを付与する点のみが、通信装置CS1とは異なる。
【0056】
受話器用アンプ10aは、騒音レベル付与装置7から騒音レベル情報を得ることによって、騒音レベルに対応して受話音量を制御できる受話器用アンプである。つまり、周囲騒音レベルが高いときには、周囲騒音レベルが低いときと比べて、受話音量を上げるように制御する。このようにすることによって、騒音が大きいときでも、受話音を確実に聞くことができる。この機能は、ハウリング防止の観点のみならず、実使用上、便利である。
【0057】
図8は、本発明の第7の実施例である通信装置CS7を示すブロック図である。
【0058】
通信装置CS7は、上記各実施例において、各信号を無線送受信するものであり、上記各実施例に、気導マイクロホン用送信部16と、振動ピックアップ用送信部17と、イヤホン用受信部18と、気導マイクロホン用受信部19と、振動ピックアップ用受信部20と、イヤホン用送信部21とが付加されたものである。
【0059】
気導マイクロホン1で収音された音声(音響)信号を、気導マイクロホン用送信部16が無線送信し、気導マイクロホン用受信部19が受信し、気導マイクロホン用アンプ3が増幅する。振動ピックアップ2で収音された音声(音響)信号を、振動ピックアップ用送信部17が無線送信し、振動ピックアップ用受信部20が受信し、振動ピックアップ用アンプ4が増幅する。イヤホン用アンプ10で増幅された受話信号は、イヤホン用送信部21が無線送信し、イヤホン用受信部20が受信し、イヤホンが再生する。
【0060】
各送信部、受信部の具体的な構成は、使用の形態によって異なる。電磁波を用いる方式として、たとえば、ループ状のアンテナを用いて無線送信し、内蔵したコイルで受信する方式が考えられ、この場合、受信する側の装置を小形化することができる等の利点がある。また、赤外線を用いる方式も考えられ、この場合、伝搬経路に直線性があることから、秘話性能に優れている等の利点がある。これらの各方式の利点と実際に使用する状況とを考慮し、各送信部、受信部の具体的な構成を行う。
【0061】
上記のように、気導マイクロホン1、振動ピックアップ2、またはイヤホンをワイヤレス化することによって、コードがあることの煩わしさを解消することができ、利便性が高まる。
【0062】
上記各実施例によれば、気導マイクロホン1と振動ピックアップ2とを用いて通信するときに、その使用環境において良好な音声(音響信号)を、ハウリングせずに、送信することができる。周囲騒音レベル情報に基づいて、気導マイクロホン1で収音した信号と振動ピックアップ2で収音した信号とを、最適な音質になるように自動的に混合して送話信号を生成し、音声スイッチ6の挿入損失を挿入することによって、周囲騒音の質・量を正確に反映し、送話中、受話中に関わらず、通話できる。周囲騒音レベルが高いときは、周囲騒音レベルが低いときと比べて受話音量を上げるように制御することによって、一層、通話も容易になる。
【0063】
また、受話装置としてイヤホンを用いることによって秘話性を高め、さらに気導マイクロホン1、振動ピックアップ2、イヤホンのうちの少なくとも1つをワイヤレス化することによって利便性を高めることができる。
【0064】
ここでは、小型送受話装置について説明したが、一般の電話用送受話においても、使用時の周囲騒音の環境・状態において、最適な音質になるように、気導マイクロホン1と振動ピックアップ2とを用いることによって、送話信号を生成し、ハウリングが生じることなく通話することができる。
【0065】
周囲騒音レベルの情報を得る場合、上記のように、送話器として用いる気導マイクロホン1、周囲騒音収音用マイクロホン2等の収音信号レベルに基づいて、周囲騒音を推定するようにしてもよく、また、外部機器とのI/Oによって、外部の騒音計等の測定値を読み込むようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、気導マイクロホンと振動ピックアップと受話器とを有し、上記気導マイクロホンの収音信号と上記振動ピックアップの収音信号とを混合し、この混合された信号を送話信号として送出する通話装置において、ハウリングせずに送信することができ、しかも、周囲騒音のレベルが変化したときに、周囲騒音レベルに対応して最適に制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である通信装置CS1を示すブロック図である。
【図2】騒音レベルと、挿入損失との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例である通信装置CS2を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施例である通信装置CS3を示すブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施例である通信装置CS4を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施例である通信装置CS5を示すブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施例である通信装置CS6を示すブロック図である。
【図8】本発明の第7の実施例である通信装置CS7を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…気導マイクロホン、
2…振動ピックアップ、
3…気導マイクロホン用アンプ、
4…振動ピックアップ用アンプ、
5…混合装置、
6…音声スイッチ、
7…騒音レベル付与装置、
8…回線用回路への出力端子、
9…回線用回路からの入力端子、
10…受話器用アンプ、
10a…受話音量が可変な受話器用アンプ、
11…受話器、
12…周囲騒音レベル入力装置、
13…周囲騒音推定装置、
14…周囲騒音判定装置、
15…イコライジング装置、
16…気導マイクロホン用送信部、
17…振動ピックアップ用送信部、
18…イヤホン用受信部、
19…気導マイクロホン用受信部、
20…振動ピックアップ用受信部、
21…イヤホン用送信部、
61…挿入損失制御手段、
62…送話信号用挿入損失付加手段、
63…受話信号用挿入損失付加手段。
Claims (8)
- 気導マイクロホンと振動ピックアップと受話器とを有し、上記気導マイクロホンの収音信号と上記振動ピックアップの収音信号とを混合し、この混合された信号を送話信号として送出する通話装置において、
上記送話信号に、送話信号用挿入損失を付加する送話信号用挿入損失付加手段と ;
回線から受けた受話信号に、受話信号用挿入損失を付加する受話信号用挿入損失付加手段と ;
上記送話信号のレベルと上記受話信号のレベルとを比較し、この比較結果に応じて、上記送話信号用挿入損失と、上記受話信号用挿入損失とが相反するように制御する第1の挿入損失制御手段と;
周囲の騒音レベルに基づいて、上記送話信号用挿入損失と、上記受話信号用挿入損失とを制御する第2の挿入損失制御手段と ;
を有し、上記第2の挿入損失制御手段は、上記周囲の騒音レベルが低いときに、話頭切断感を軽減するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、小さくし、一方、周囲騒音レベルが高いときに、ハウリングの発生を抑制するために、上記送話信号用挿入損失と上記受話信号用挿入損失とをともに、大きくする手段であることを特徴とする通話装置。 - 請求項1において、
上記周囲の騒音レベルを推定する周囲騒音レベル推定手段を有することを特徴とする通話装置。 - 請求項2において、
上記周囲騒音レベル推定手段は、上記気導マイクロホンで収音した信号、上記振動ピックアップで収音した信号、受話信号のうちの少なくとも2つの信号を比較することによって、上記周囲の騒音レベルを推定する手段であることを特徴とする通話装置。 - 請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項において、
上記送話信号用挿入損失と、上記受話信号用挿入損失とを、周波数帯域別に制御する手段を有することを特徴とする通話装置。 - 請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項において、
上記送話信号の周波数特性の歪を補正する手段を有することを特徴とする通話装置。 - 請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項において、
周囲の騒音レベルに応じて、受話音量を可変にする手段を有することを特徴とする通話装置。 - 請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項において、
受話装置として、イヤホンを用いることを特徴とする通話装置。 - 請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項において、
上記気導マイクロホン、上記振動ピックアップ、上記受話装置としてのイヤホンの少なくとも1つが、ワイヤレスで接続されていることを特徴とする通話装置。
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1999
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