JP3735690B2 - 電磁操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁操作装置に係り、特に、遮断器などの開閉器を電磁力を利用して操作するに好適な電磁操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遮断器などの開閉器を操作するに際して、電磁石から発生する電磁力を利用して操作することが行われている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−217026号公報(第2頁〜第4頁、図1〜図3)
一方、電磁石を駆動するに際して、電磁石のコイルを励磁するための電力を蓄積するコンデンサと、開閉器に対する投入指令または開極指令に応答してコンデンサから電磁石コイルに供給する電流の通電方向を制御する制御基板を設け、電磁石を安定に動作させることが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
遮断器などを駆動する電磁操作装置では、電磁石、コンデンサ、制御基板などを筐体(ケース)内に収納し、電磁石と開閉器とをリンク機構を介して連結する構成が採用されている。また、電磁石については、低コスト化を目的として、JIS規格などで規定される標準サイズの鋼管を側脚に利用することが試みられている。しかし、遮断器などの開閉器と電磁石とを筐体内に併設するに際しては、電磁石を開閉器よりも筐体前面側のケース内に収納する構成が一般的であるが、ケースの奥行き寸法は幅方向に比べて小さいため、設置スペースを狭くするには、電磁石としては断面形状が長方形形状のものが好ましい。それゆえ、薄い鋼板を積層して側脚を構成するとともに、可動鉄心、固定鉄心およびコイルを断面形状が四角形形状のもので構成する構造が採用されている。しかし、可動鉄心などを断面形状が四角形形状のもので構成するには、標準サイズの円形形状の鋼管を四角形形状に形成しなければならず、加工工数や組立て工数が多くなるとともに、側脚を薄い鋼板を積層して構成すると部品点数が多くなり、コストアップを余儀なくされる。
【0005】
本発明の課題は、製作に要する工数を低減しても、幅寸法に比べて奥行き寸法の小さい電磁石を構成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、電磁石の可動鉄心に連結されたリンク機構を介して開閉器に連結し、電磁石から発生した電磁力に伴う駆動力をリンク機構を介して開閉器に伝達するための電磁操作装置を構成するに際して、前記電磁石を、可動鉄心、固定鉄心、コイルおよび鉄製カバーを用いて構成し、前記鉄製カバーを外形が長円形状の筒体で構成し、前記筒体の短径側を前記開閉器の奥行き方向に合わせて配置した構成とする。ここで、長円形状とは、楕円形状あるいはレーストラック形状のことである。
【0007】
前記電磁操作装置を構成するに際しては、可動鉄心と固定鉄心を円柱形状のもので構成することができる。
【0008】
また、前記電磁操作装置を構成するに際しては、前記電磁石を、前記可動鉄心、固定鉄心、コイルおよび鉄製カバーの他に、コイルから発生する磁界の経路を形成するとともに、前記可動鉄心と固定鉄心との接触状態を保持するための電磁力を発生する永久磁石と、前記可動鉄心に固定されて前記永久磁石に相対向して配置された可動平板とを用いて構成し、さらに、前記可動鉄心と固定鉄心を円柱形状とし、可動平板と鉄製カバーの外形をそれぞれ長円形状とし、各短径側を開閉器の奥行き方向に合わせて配置する構成とすることができる。
【0009】
前記各電磁操作装置を構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
【0010】
(1)前記鉄製カバーとして、円形の鋼管の一部を偏平させてその外形を長円形状にしたものを用いてなる。
【0011】
(2)前記鉄製カバーの短径方向の外径は、元の鋼管の外径の2/3以上である。
【0012】
前記した手段によれば、電磁石の鉄製カバーを長円形状として、鉄製カバー内に電磁石の構成要素となる部材を収納するようにしたため、製作に要する工数を少なくしても、幅寸法に比べて奥行き寸法の小さい電磁石を構成することができるとともに、設置スペースの狭小化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る電磁操作装置の正面図、図2は電磁操作装置の側面図である。図1および図2において、電磁操作装置は、開閉装置の操作機構として、箱型形状に形成されたケース10を備えており、ケース10は正面側に開口12を有し、ケース10の正面側には正面カバー(図示省略)が着脱自在に固定されるようになっている。このケース10内には、電磁石14を中心としてコンデンサ16と制御基板18がそれぞれ別々に独立して配置されており、電磁石14は、ケース底部側中央にボルト、ナットを用いて固定され、コンデンサ16と制御基板18は相対向するケース側面にそれぞれ別々に固定されている。すなわち、コンデンサ16はケース16の左側面にボルト、ナットを用いて固定され、制御基板18は、ケース10の右側面にスペーサ20を介してボルト、ナットを用いて固定されている。
【0014】
さらにケース10内には二次プラグ22、ケーブル24、26、28、30が収納されているとともに、開閉器としての真空遮断器(真空バルブ)32の状態を検出する状態検出機構としての補助接点34、表示板36、カウンタ38が収納されている。二次プラグ22はケース10の上部側にボルト、ナットを用いて固定されており、二次プラグ22には、電源用のケーブル、デジタル継電器またはアナログ継電器からの信号ケーブルなどが接続されるようになっている。ケーブル24はコンデンサ16のプラス端子とマイナス端子に接続されており、ケーブル26は補助接点34に接続され、ケーブル28はコネクタ40を介して制御基板18に接続されている。ケーブル28はリミットスイッチ42に接続され、ケーブル30は電磁石14のコイル48に接続されている。ケーブル28とケーブル30は、取り付け作業時に、ターミナル43の部位で圧着されるようになっている。リミットスイッチ42は、金具44を介してケース10の底部側に固定されている。このリミットスイッチ42は、ケース10に鉛直方向に沿って昇降自在に配置されたインターロックロッド46の位置に応じて接点が開閉するようになっており、接点の開閉状態を示す信号が制御基板18に供給されるようになっている。
【0015】
制御基板18は、二次プラグ22から電力の供給を受けるとともに、デジタル継電器またはアナログ継電器などから投入指令または開極指令(遮断指令)による信号を受け、電磁石14の駆動を制御するための論理演算を行う制御ロジック部、コンデンサ16を充放電するための充放電回路、コイル(電磁石コイル)48の通電方向を制御するためのリレーやリレー接点などが実装されている(図示省略)。さらに、制御基板18には、コンデンサ16の充電が完了したことを示す発光ダイオード50が実装されているとともに、手動操作により、真空遮断器32に対して投入を指令するための「入」用押しボタン(押しボタンスイッチ)52、手動操作により、真空遮断器32に対して開極指令(遮断指令)を出力するための「切」用押しボタン(押しボタンスイッチ)54が実装されている。
【0016】
補助接点34、表示板36、カウンタ38は、真空遮断器32の状態検出機構として、それぞれ電磁石14の上部側に配置されてプレート56に連結され、電磁石14と一体となって構成されている。電磁石14は、可動鉄心58、固定鉄心60、コイル48、シャフト62、2枚の可動平板64、66、永久磁石68、筒状に形成された鉄製のカバー70、72、鉄製の支持板74、76、固定ロッド78などを備えて構成されており、コイル(電磁コイル)48は、支持板74と支持板76との間に配置されたコイルボビン48a内に収納され、固定ロッド78は、ケース10底部側にボルト、ナットを用いて固定されているとともに、ベース80に固定されている。
【0017】
シャフト62は、電磁石14の中央部に配置されているとともに、鉛直方向に沿って配置されている。また、シャフト62は、その上部側がプレート66の貫通孔82内に挿入され、下部側が支持板76の貫通孔84内に挿入され、昇降および摺動自在に構成されている。このシャフト62の外周面には可動鉄心58、可動平板64、66がナットを用いて固定され、シャフト62の下部側にはピン86を介してシャフト88が連結されている。シャフト62には、大小2つの可動平板(鋼鈑)64、66が取り付けられているが、これは、上部の可動平板64と鉄製のカバー70との対向距離を増加して、鉄製のカバー70への漏れ磁束を低減するためである。さらにシャフト62の下部側には支持板90が連結されており、支持板90とベース80との間には、シャフト62の軸心を中心とした円を描くリング状の遮断ばね92が装着されている。この遮断ばね92は、可動鉄心58を固定鉄心60から離間させるための弾性力を、支持板90を介してシャフト62に付与するようになっている。また可動鉄心58の周囲には永久磁石68が配置されており、永久磁石68は、支持板74に固定されている。固定鉄心60は支持板76にボルトを用いて固定されている。
【0018】
またシャフト88の下部側はピン94を介して一対のレバー96に連結されている。レバー96は、電磁石14から発生する電磁力に伴う駆動力の伝達方向を変換するリンク機構の一要素として構成されており、シャフト98を介してレバー100に連結されている。レバー100は、ピン102を介して連結板104に連結されている。また、レバー96の端部には、ストッパピン106が固定されており、このストッパピン106は、真空遮断器32の遮断時において、ベース80に固定されたストッパ用ボルト108に当接(接触)し、レバー96のベース80側への移動が阻止されるようになっている。
【0019】
連結板104は、ベース80に固定された絶縁架台110内に上下動(往復動)自在に挿入されており、連結板104の上部側には接圧ばね押え112が形成されている。接圧ばね押え112には貫通孔が形成されており、この貫通孔内には絶縁ロッド114の軸方向端部が挿入され、この端部にはワッシャ116を介してボルト118が固定されている。さらに接圧ばね押え112と絶縁ロッド14の底部側との間には接圧ばね120が装着されている。絶縁ロッド114の上部側はフレキシブル導体121を介して可動フィーダ122に連結されているとともに、真空遮断器32の可動導体124に連結されている。可動導体124は、可動接点(図示省略)に連結されており、可動接点に相対向して固定接点(図示省略)が配置されている。この固定接点は、固定導体126に連結され、可動接点とともに、絶縁筒128内に収納されている。この絶縁筒128内は真空に保たれている。固定導体126は、固定フィーダ129に連結されており、固定フィーダ129は、絶縁架台110に固定されている。固定フィーダ129には上コンタクタ130が連結され、可動フィーダ122には下コンタクタ132が連結され、各コンタクタ130、132には配電線などの電力ケーブルが接続されるようになっている。
【0020】
ここで、制御基板18に投入指令が入力されると、制御基板18からの信号によって電磁石14のコイル(電磁コイル)48が通電され、コイル48の周囲には、可動鉄心58⇒固定鉄心60⇒支持板76⇒カバー72⇒支持板74⇒可動鉄心58を結ぶ経路で磁界が形成され、可動鉄心58の底部側端面には下向きの吸引力が働き、可動鉄心58が固定鉄心60側に移動し、可動鉄心58が固定鉄心60に吸着される。このとき永久磁石68によって形成される磁界の向きもコイル48の励磁に伴って発生する磁界の向きと同じになるため、吸引力が高められた状態で可動鉄心58が固定鉄心60側に移動する。
【0021】
電磁石14による投入動作(吸引動作)が行われると、シャフト62が遮断ばね92の弾性力に抗して下方に移動し、電磁石14から発生する電磁力に伴う駆動力がレバー96に伝達される。この駆動力はシャフト98、レバー100を介して連結板104に伝達され、可動導体124が上昇移動し、可動接点が固定接点と接触し、真空遮断器32の投入動作が実行される。真空遮断器32の投入動作において、接圧ばね120は、固定接点と可動接点が接触するまで圧縮されないが、固定接点と可動接点とが接触すると圧縮され、その後、投入動作が完了するまで圧縮し続ける。一方、遮断ばね92は、真空遮断器32の投入動作中、常に圧縮され続ける。
【0022】
次に、制御板18に開極指令(遮断指令)が入力され、制御板18からコイル48に開極指令に伴う信号が出力されると、コイル18には投入時とは逆方向の電流が流れ、コイル48の周囲には投入動作時とは逆方向の磁界が形成される。この場合、コイル48から発生する磁束と永久磁石68から発生する磁束とが互いに打ち消し合い、可動鉄心58の軸方向端面(下面)における吸引力は、遮断ばね92および接圧ばね120から発生する弾性力よりも弱くなるため、可動鉄心58が固定鉄心60から離間して上方向に移動する。可動鉄心58の移動に伴ってシャフト62が上方に移動すると、レバー96の上方移動に連動して、連結板104が下方に移動し、真空遮断器32の可動接点が固定接点から離間し、固定接点と可動接点との接触が解かれ、真空遮断器32の開極動作(遮断動作)が行われる。この場合、電磁石14の投入状態の保持が解除されると、始めに、圧縮されていた接圧ばね120が伸長し、接圧ばね押え112がワッシャ116と接触したときに、真空遮断器32の固定接点と可動接点との接触が解かれ、真空遮断器32の遮断動作と電磁石14の遮断(開放)動作が同時に行われることになる。
【0023】
真空遮断器32による投入動作または開極動作(遮断動作)が行われている過程では、真空遮断器32の投入または遮断状態が補助接点34、表示板36、カウンタ38で検出されるようになっている。
【0024】
具体的には、図2に示すように、可動鉄心58に連結されたシャフト62の上部側にはロッド134が連結されている。このロッド134の上部側には貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔内にはピン136が挿入されている。ピン136は、レバー138、140の長穴内に挿入されており、ロッド134は、ピン136を介してレバー138とレバー140に連結されている。レバー138は、軸142を介して補助接点34に接続されている。この補助接点34は、a接点とb接点を備えており、各接点はシャフト62の上下動に合わせて開閉するようになっている。すなわち、補助接点34は、軸142が一方向に回転したときにa接点が入り、逆方向に回転したときにはb接点が入る構造となっている。この場合、レバー138に長穴が形成され、この長孔内にピン136を挿入されているため、シャフト62の上下動に合わせて軸142を回転させることができ、軸142の回転動作に合わせてa接点とb接点の入り切りができるようになっている。
【0025】
レバー140は、ピン144を介して固定板146に連結されており、固定板146はその底部側がプレート56に固定されている。このレバー140は、シャフト62の上下動に合わせて、ピン144を中心に回転可能に構成されている。また、レバー140の先端側には、表示板36が一体となって形成されており、表示板36の前面側のうち上部側には「切」の文字が付され、下部側には「入」の文字が付されている。「切」の文字は、表示板36が図2に示す位置にあるときに、ケース10の正面側から見えるようになっており、「入」の文字は、表示板36が図2に示す位置から上方に移動したときに、ケース10の正面側から見えるになっている。すなわち、シャフト62の上下動に合わせてケース10の正面側から、「切」または「入」の文字が見えるように構成されている。
【0026】
また、表示板36には、ばね148が配置されており、ばね148の一端側はレバー140の軸方向端部に連結され、他端側はカウンタ38のカウンタレバー150に連結されている。ばね148は、レバー140の回転に応じて伸縮し、カウンタレバー150はピン152を中心として回転(約45度の範囲で回転)するようになっており、カウンタレバー150が回転する毎に、真空遮断器32の開閉動作回数が機械的にカウントされる。
【0027】
次に、状態検出機構の具体的な動作について説明する。まず真空遮断器32における投入動作が行われると、図3に示すように、シャフト62が下方に移動し、シャフト62の移動に合わせてレバー138が軸142を中心として時計周りに回転し、レバー138の回転により、補助接点34のb接点が切となり、その後a接点が入となる。このとき表示板36は、レバー140がピン144を中心に反時計周りに回転するため、図4に示すように、「入」の文字が正面側から見える位置に移動する。さらに、ばね148が縮み、カウンタレバー150がピン152を中心に約45度回転する。これによりカウンタ38は、真空遮断器32が1回投入動作されたことをカウントする。
【0028】
次に、真空遮断器32の遮断動作が開始されると、図4に示す位置からシャフト62が上方に移動する。このシャフト62の上昇移動に連動して、レバー138が軸142を中心として反時計方向周りに回転し、補助接点34の軸142が回転し、補助接点34のa接点が切となり、その後b接点が入となる。さらにシャフト62の上昇移動に連動して、レバー140がピン144を中心として時計周りに回転し、図3に示すように、表示板36の「切」の文字が正面から見える位置に移動する。このとき、レバー140の回転に伴ってばね148が伸び、カウンタレバー150がピン152を中心として約45度回転する。なお、ばね148は、表示板36の「入」の文字が正面から見える状態で若干たわんだ状態で取り付けることが望ましい。
【0029】
このように、真空遮断器32による投入動作または開極動作(遮断動作)が行われる毎に、真空遮断器32の投入または遮断状態を補助接点34、表示板36、カウンタ38で検出することができる。
【0030】
一方、図1に示すように、ベース80の両側には、4個の車輪154が取付台156上を走行可能に連結されている。すなわち、電磁石14を収納したケース10と、真空遮断器32を収納した絶縁架台110を含む電磁操作式開閉装置は、ベース80に固定された状態で車輪150の走行によってケース10の正面側に搬出可能になっている。
【0031】
ただし、本実施形態では、真空遮断器32が切の位置で遮断状態にあり、インターロックロッド46が持ち上げられることを条件として、真空遮断器32の搬出(引出)を可能とするために、取付台156には、運転位置と断路位置(図示省略)を規定するブラケット162が固定されているとともに、インターロックロッド46の上部側にインターロックレバー164が固定され、インターロックレバー164は、ケース10の底面に取り付けた取り付け部材165の操作用の穴168内に挿入されている。インターロックロッド46は、インターロックレバー164が下方にあるときには、底部側が運転位置と断路位置を規定する凹部内に挿入され、ブラケット162との接触により、真空遮断器32の引出を不可能とする構造になっている。また、インターロックスイッチとしてのリミットスイッチ42がインターロックレバー164と連動し、インターロックレバー164が上方に移動している間は、制御基板18に入力される投入指令としての信号がリミットスイッチ42によって遮断され、投入動作ができないようになっている。
【0032】
電磁操作装置の組み立てに際しては、ベース80上のケース10の正面側から電磁石14、コンデンサ16、制御基板18、二次プラグ22、ケーブル24〜28などをケース10内に搬入し、電磁石14をケース10の略中央に固定し、コンデンサ16と制御基板18をそれぞれケース10の側面に固定する。この場合、補助接点34、表示板36、カウンタ38はプレート56を介して電磁石14と一体化されているので、電磁石14が固定されたときに、電磁石14の上部側に配置される。また、ケーブル24〜28は、二次プラグ22、コネクタ40、リミットスイッチ42と一体になっているので、二次プラグ22は、ケーブル28などに接続された状態でケース10の上部に固定される。そして、ケーブル28の各部がケース10に位置決めされると、ケーブル24の先端側がコンデンサ16に接続され、ケーブル28の先端側に付けられたコネクタ40が制御基板18に接続される。そして、コイル48の引出線30とケーブル28の一部が圧着される。このあと、シャフト88がピン94を介してレバー96に連結されると、電磁石14がリンク機構を介して真空遮断器32に連結され、組み付け作業が終了する。
【0033】
上述したように、電磁操作式開閉装置の一要素としての電磁操作装置を構成するに際して、電磁石14をケース10の略中央に配置し、電磁石14を中心として、コンデンサ16と制御基板18をそれぞれ別々にケース10の側面に固定するようにしたため、取付作業および保守・点検作業を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができるとともに、電磁石14から発生する衝撃や振動がコンデンサ16および制御板18に伝達されるのを抑制することができる。
【0034】
また、補助接点34、表示板36、カウンタ38をプレート56に連結して電磁石14と一体化するようにしたため、構成の簡素化を図ることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、電磁石14は、全て鉄製の部材で覆われているため、電磁石外部に磁界が漏洩することはなく、制御回路の誤動作を回避できる。 さらに、電磁石外部の磁性体、例えば、ケース10の配置によって電磁石14の特性が変化する問題も解決される。
【0036】
また、本実施形態においては、構成部材のうち一方の部材と他方の部材が互いに摺動する摺動部、一方の部材が他方の部材を回転自在に支持する軸受部または回転部には、固体潤滑材が用いられている。
【0037】
具体的には、プレート56の貫通孔82、支持板76の貫通孔84などにおける摺動部、ピン86、94、102、144、シャフト98などにおける回転部または軸受部には、固体潤滑材としてのドライベアリングが用いられている。このため、シャフト62の摺動(上下動)、レバー96、100、140などの回転動作、他の部材の支持などを円滑に行うことができるとともに、電磁石14を密閉構造とすることができる。
【0038】
また、ピン94などには軸止めとしてCリングを用いているので、割ピンを用いるときよりも作業性を高めることができる。
【0039】
次に、電磁石14の具体的構造を図5ないし図10を用いて詳細に説明する。図5は、電磁石14の縦断面図、図6は、図5のA−A線に沿う横断面図、図7は、図5のB−B線に沿う横断面図、図8は、図5のC−C線に沿う横断面図である。
【0040】
図5ないし図8において、電磁石14は円筒状に形成されたコイル48、円柱状に形成された可動鉄心58、円柱状に形成された固定鉄心60、可動鉄心58と固定鉄心60の軸心部に挿入されたシャフト62、シャフト62に固定された長円形状の可動平板64、66、長円形状に形成されて支持板74に固定された永久磁石68、側脚として長円形状に形成された鉄製カバー70、72、固定ロッド78に固定されて鉄製カバー72を支持する支持板76を備えて構成されている。
【0041】
ここで、シャフト62およびコイル48の周囲を囲む鉄製カバー70、72を構成するに際しては、JISなどで規定される標準サイズの鋼管として、断面が円形形状の鋼管を用い、この鋼管の一部をプレスにより扁平させたものを使用する。
【0042】
例えば、図9(a)に示すように、円形の鋼管の一部をその径方向に沿ってプレスで扁平させて、そのあと、図9(b)に示すように、鋼管を軸方向にプレスすることによって、鉄製カバー70、72のうち磁界が通る端面を平滑化することが望ましい。
【0043】
また、JIS G 3454などで規定される扁平試験では、鋼管の短径Hを鋼管外形Dの2/3まで扁平させたときに、傷、割れが生じるか否かを調べることが記述されている。すなわち、この寸法まで鋼管を扁平させても性能上問題ないということに他ならない。それゆえ、本実施形態においては、鉄製のカバー70、72においても、その短径側を元の鋼管の外形の2/3以上に設定することが望ましい。
【0044】
また、永久磁石68および可動平板62、64についても、鉄製カバー70、72の形状に合わせて、その外形を長円形状としているため、永久磁石68、可動平板62、64を円形形状にしたときよりも、両者の対向面積が増加し、吸引力を増強することができる。
【0045】
また、薄い鋼板である可動平板62、64はプレス製作でき、永久磁石68は型による焼結成形で製作できるため、両者を長円形状にしてもコストアップすることはない。
【0046】
一方、可動鉄心58、固定鉄心60については、JIS7で規定される標準サイズの鋼棒から製作できるため、可動鉄心58、固定鉄心60を円柱形状とすることで、四角形形状や長方形形状とするときよりもコストダウンを図ることができる。
【0047】
上記構成による電磁石14を組み立てるに際しては、図10に示すように、支持板76に予め固定鉄心60をボルトで固定しておき、支持板76に固定ロッド78およびシャフト62を貫通させておく。この状態で、上方から、まず鉄製のカバー72を支持板76上に載せ、この後、コイル48、永久磁石68を予め接着剤などで固定した支持板74、可動鉄心58、可動平板66、可動平板64の順に載せていき、シャフト62と可動鉄心58、可動平板64、66をそれぞれナット65で固定する。そのあと、鉄製カバー70とプレート56を支持板74上に載せ、固定ロッド78にナット55を締め付けて電磁石14の組立てが完了する。
【0048】
組立てられた14を真空遮断器32の前面側に配置するに際しては、長円形状に形成された鉄製カバー70、72の短径側をケース10および真空遮断器32の奥行き方向に合わせて配置する。
【0049】
本実施形態によれば、長円形状にした鉄製カバー70、72の短径側を真空遮断器32、ケース10の奥行き方向に合わせて電磁石14を配置したため、幅寸法に比べて奥行き寸法の小さい電磁石14の設置スペースを狭くすることができ、電磁操作装置の設置スペースの狭小化を図ることができるとともに、この電磁操作装置を搭載した開閉器(遮断器32)およびこの開閉器を備えた配電盤のサイズを縮小化することが可能になる。
【0050】
また、本実施形態によれば、プレス成形可能な鉄製カバー70、72、プレス製作可能な可動平板64、66および型成形される永久磁石68のみを長円形状としたため、コストアップすることなく、電磁操作装置を縮小化できる。さらに、電磁石14の鉄製カバー70、72を長円形状特にレーストラック形状にすることで、デッドスペースが減少し、占有面積の効率が向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、製作に要する工数を少なくしても、幅寸法に比べて奥行き寸法の小さい電磁石を構成することができるとともに、設置スペースの狭小化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電磁操作装置の正面図である。
【図2】電磁操作装置の側面図である。
【図3】状態検出機構の投入時の動作を説明するための図である。
【図4】状態検出機構の遮断時の動作を説明するための図である。
【図5】電磁石の縦断面図である。
【図6】図5に示すA−A線に沿う横断面図である。
【図7】図5に示すB−B線に沿う横断面図である。
【図8】図5に示すC−C線に沿う横断面図である。
【図9】鉄製カバーのプレス方法を説明するための図である。
【図10】電磁石の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 ケース
14 電磁石
16 コンデンサ
18 制御基板
32 真空遮断器
34 補助接点
36 表示板
38 カウンタ
48 コイル
58 可動鉄心
60 固定鉄心
62 シャフト
70 鉄製カバー
72 鉄製カバー
Claims (5)
- 相対向して配置された可動鉄心と固定鉄心、電磁力に応じて前記可動鉄心と固定鉄心を離間または接触させるコイル、および側脚として前記コイルの周囲を覆うとともに前記コイルから発生する磁束の経路を形成する鉄製カバーを有する電磁石と、前記可動鉄心に連結されて前記電磁石から発生した電磁力に伴う駆動力をリンク機構を介して開閉器に伝達するシャフトとを備え、前記鉄製カバーを外形が長円形状の筒体で構成し、前記筒体の短径側を前記開閉器の奥行方向に合わせて配置してなる電磁操作装置。
- 相対向して配置された円柱形状の可動鉄心と固定鉄心、電磁力に応じて前記可動鉄心と固定鉄心を離間または接触させるコイル、および側脚として前記コイルの周囲を覆うとともに前記コイルから発生する磁界の経路を形成する鉄製カバーを有する電磁石と、前記可動鉄心に連結されて前記電磁石から発生した電磁力に伴う駆動力をリンク機構を介して開閉器に伝達するシャフトとを備え、前記鉄製カバーを外形が長円形状の筒体で構成し、前記筒体の短径側を前記開閉器の奥行方向に合わせて配置してなる電磁操作装置。
- 相対向して配置された円柱形状の可動鉄心と固定鉄心、電磁力に応じて前記可動鉄心と固定鉄心を離間または接触させるコイル、前記コイルから発生する磁界の経路を形成するとともに前記可動鉄心と固定鉄心との接触状態を保持するための電磁力を発生する永久磁石、前記可動鉄心に固定されて前記永久磁石に相対向して配置された可動平板、および側脚として前記コイルの周囲を覆うとともに前記コイルから発生する磁界の経路を形成する鉄製カバーを有する電磁石と、前記可動鉄心に連結されて前記電磁石から発生した電磁力に伴う駆動力をリンク機構を介して開閉器に伝達するシャフトとを備え、前記永久磁石および前記可動平板の外形を長円形として、各短径側を前記開閉器の奥行方向に合わせて配置し、前記鉄製カバーを外形が長円形状の筒体で構成し、前記筒体の短径側を前記開閉器の奥行方向に合わせて配置してなる電磁操作装置。
- 請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の電磁操作装置において、前記鉄製カバーとして、円形の鋼管の一部を偏平させてその外形を長円形状にしたものを用いてなることを特徴とする電磁操作装置。
- 請求項4に記載の電磁操作装置において、前記鉄製カバーの短径方向の外径は、元の鋼管の外径の2/3以上であることを特徴とする電磁操作装置。
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