JP3733648B2 - スロットル開度検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スロットル開度に応じたスロットルセンサからの検出値に基づきスロットル開度を検出するようにしたスロットル開度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットル開度が全閉状態であるときのスロットルセンサの出力には、センサによりばらつきがある。これはセンサ回路固有のばらつきや取り付け位置のばらつき等によるものである。そのため、例えば、スロットル開度が全閉状態であるときのスロットルセンサの検出値(以下、全閉基準値という。)を基準にし、この全閉基準値と入力されるスロットルセンサの検出値との偏差をもとにスロットル開度の絶対値を得るようにした場合等には、前述のばらつきを吸収する必要がある。
【0003】
これを実現するために、例えば、スロットル開度が全閉状態となった時のスロットルセンサの出力値を学習全閉値として設定し、この学習全閉値を全閉基準値としてスロットル開度の絶対値を算出することによって、ばらつきを吸収するようにしている。
【0004】
そして、このとき検出した学習全閉値をイグニッションスイッチをオフ状態とした後も保持し、次回にイグニッションスイッチをオン状態とした時、新たに学習全閉値が設定されるまでの間は、保持している前回の学習全閉値に基づいてスロットル開度を算出することによって、より的確な全閉基準値に基づいてスロットル開度を検出するようにしている。
【0005】
この学習全閉値の記憶方法としては、例えば、RAM(Random Access Memory)等のデータの書き換えが可能な揮発性のメモリに算出した学習全閉値を書き込み、バッテリバックアップによってイグニッションスイッチオフ後も記憶するようにする方法等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の学習全閉値の記憶方法では、RAM等の揮発性メモリを用い、バッテリバックアップによってデータを記憶するようにしているため、バッテリを取り外した場合等には、記憶データが消去されてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、バッテリバックアップを行うことなく、イグニッションスイッチがオフとなった後も確実に学習全閉値を保持し、的確なスロットル開度を検出することのできるスロットル開度検出装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るスロットル開度検出装置は、スロットル開度が全閉状態であるときのスロットルセンサの検出値である全閉基準値と入力されるスロットルセンサの検出値とに基づいてスロットル開度を検出するようにしたスロットル開度検出装置において、書き換え可能な不揮発性の記憶領域に格納された学習全閉基準値を起動後読み出し、前記全閉基準値として更新設定する読み出し手段と、前記スロットル開度が全閉状態にあるとみなすことができるときの前記スロットルセンサの検出値をもとに前記全閉基準値の学習値である学習全閉基準値を算出する学習値算出手段と、前記全閉基準値を所定時間当たり所定の変化量で逐次更新して前記学習全閉基準値と一致させる更新手段と、前記学習全閉基準値を前記記憶領域へ更新記憶する記憶手段と、を備え、前記記憶手段の、一回の起動中における前記記憶領域への前記学習全閉基準値の更新記憶回数を、所定回数に制限したことを特徴としている。
【0011】
この請求項1の発明によれば、スロットル開度が全閉状態であるときのスロットルセンサの検出値である全閉基準値と、入力されるスロットルセンサの検出値とに基づき、例えばこれらの差と、予め設定したスロットルセンサの検出値の変化に対するスロットル開度の変化の割合とに基づいて、スロットル開度が検出される。この全閉基準値は、起動時には、記憶領域に記憶された学習全閉基準値が、読み出し手段により読み出され、この前回の学習全閉基準値が全閉基準値として設定され、スロットル開度が全閉状態であるとみなすことができるときのスロットルセンサの検出値に基づいて学習全基準値が算出されると、この学習全閉基準値と一致するように前記全閉基準値が所定時間当たり所定の割合で順次更新設定される。そして、このようにして設定される全閉基準値に基づいてスロットル開度が検出される。そして、例えば学習全閉基準値と全閉基準値とが起動後最初に一致したときに、学習全閉基準値を記憶領域に更新記憶する。この記憶領域は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリで形成されているから、バッテリバックアップ等を行うことなく学習全閉基準値は保持され、また、一回の起動における記憶領域への更新記憶回数は所定回数に制限されるから、書き換え可能な不揮発性メモリ等の場合、その書き込み回数に制限があるが、例えば定期点検時等に記憶領域を交換する等により充分適用可能となる。
【0012】
また、請求項2に係るスロットル開度検出装置は、前記読み出し手段は、前記スロットルセンサが搭載された前記車両が停車中であるときのみ、前記学習全閉基準値を前記全閉基準値として設定するようにしたことを特徴としている。
【0013】
この請求項2の発明では、読み出し手段は、車両が停車しているときのみ、学習全閉基準値を全閉基準値として設定するようにしたから、起動後すぐに車両が発進した場合等、発進中に全閉基準値が変化することにより、スロットル開度に基づき処理を行う処理装置がスロットル開度に変化があったと誤認識することが回避される。
【0015】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係るスロットル開度検出装置によれば、一回の起動における記憶領域への学習全閉基準値の書き込みを所定回数に制限するようにしたから、記憶領域の交換を、例えば定期点検時等に行う程度で使用可能となり、書き込み回数に制限がある場合でも充分適用することができ、バッテリバックアップ等を行うことなく確実に学習全閉基準値を保持することができる。また、学習全閉基準値に全閉基準値を更新する場合には、所定時間当たり所定の割合で順次更新するから、検出したスロットル開度に基づき処理を行う装置側で、全閉基準値の更新に伴うスロットル開度の変化により、スロットル開度が変化したと誤って認識されることを防止することができる。
【0016】
また、請求項2に係るスロットル開度検出装置によれば、全閉基準値の更新は、車両が停車しているときにのみ行うようにしたから、スロットル開度に基づき処理を行う装置において、全閉基準値の更新に伴うスロットル開度の変化により、スロットル開度が変化したとして誤認識することを回避することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態では、本発明におけるスロットル開度検出装置を、後輪駆動車に搭載されて駆動輪のスリップ状態に応じてブレーキ制御処理及びスロットル制御を行う制駆動力制御装置に適用した場合について説明する。
【0018】
図1は、この制駆動力制御装置の概略構成を示したものであり、図中、1FL,1FRは左右前輪、1RL,1RRは左右後輪である。そして、後輪1RL,1RRには、エンジン2の回転駆動力が変速機3,プロペラシャフト4及び終減速装置5を介して伝達されるように構成される。
【0019】
そして、前記各後輪1RL,1RRには、それぞれ制動用シリンダ6RL,6RRが取り付けられている。
また、各前輪1FL,1FRには、これらの車輪の回転速度に応じた周波数の正弦波でなる車輪速信号を出力する車輪速センサ7FL,7FRがそれぞれ取り付けられ、各後輪RL,RRにも、これらの回転速度に応じた周波数の正弦波でなる車輪速信号を出力する車輪速センサ7RL,7RRが取り付けられている。
【0020】
そして、ブレーキペダル8を踏み込むと、その踏み込み力が油圧ブースタHBによって倍増されてマスタシリンダ9に伝達され、このマスタシリンダ9で発生したマスタシリンダ圧が、アクチュエータ10により制御されて各制動用シリンダ6RL,6RRに供給されるようになっている。
【0021】
また、エンジン2の吸気管路(具体的にはインテークマニホールド)2aには、アクセルペダル26の踏み込み量に応じて機械的にその開度が調整されるメインスロットルバルブ27と、コントローラ30によって制御されるステップモータ28に連結されてそのステップ数に応じた回転角で開度が調整されるサブスロットルバルブ29とが配設されている。ここで、サブスロットルバルブ29の開度をメインスロットルバルブの開度以下にすることにより、エンジン出力を減少させることができる。
【0022】
なお、前記サブスロットルバルブ29には、スロットルセンサ15が設けられており、このスロットルセンサ15で検出されるスロットル開度検出信号θに基づいて、前記ステップモータ28のステップ数はフィードバック制御される。
【0023】
このスロットルセンサ15は、例えばサブスロットルバルブ29の開度を検出するためのポテンショメータ及びその電圧を検出する電圧検出器等から構成されており、サブスロットルバルブ29が全閉状態であるときのスロットル開度を0%とし、サブスロットルバルブ29を全開状態としたときのスロットル開度を100%とし、図2に示すように、スロットル開度が0%のときのスロットルセンサの出力電圧値をθINT 、スロットル開度が100%のときの電圧値をθMAX とし、その間でサブスロットルバルブ29の開度に応じて次第に増加する電圧出力からなるスロットル開度検出信号θを出力する。
【0024】
また、車両の適所には、車両前方車速に応じて正方向に増加する電圧出力からなる車速検出値Vを出力する車速センサ16及びエンジンのイグニッション点火パルスからエンジンの回転数を検出して、これに対応した周期のパルス信号からなるエンジン回転数NE を出力するエンジン回転数センサ17が配設されている。そして、車輪速センサ7FL〜7RR,スロットルセンサ15,車速センサ16及びエンジン回転数センサ17の各検出信号はコントローラ30に入力される。
【0025】
コントローラ30は、図3に示すように、各車輪速センサ7FL〜7RRの交流電圧信号を増幅し、且つ波形整形して矩形波に変換する波形整形回路31と、スロットルセンサ15からのスロットル開度検出信号θをデジタル値に変換するA/D変換器32と、車速センサ16からの車速検出信号Vをデジタル値に変換するA/D変換器33と、エンジン回転数センサ17からのパルス信号を波形整形する波形整形回路34と、前記波形整形回路31及び34から出力された矩形波信号とA/D変換器32及び33から出力された変換出力信号とが入力されるマイクロコンピュータ34と、このマイクロコンピュータ34から出力されるモータ駆動信号に応じてステップモータ28を回転駆動するモータ駆動回路35と、マイクロコンピュータ34から出力されるアクチュエータ駆動信号に応じてアクチュエータ10を駆動制御するアクチュエータ駆動回路36とを備えている。
【0026】
ここで、マイクロコンピュータ34は、入力インタフェース回路34a,出力インタフェース回路34b,演算処理装置34c及び記憶装置34dを備えている。前記記憶装置34dは、例えばROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等のメモリから形成されると共に、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の書き換え可能な不揮発性メモリから構成され、後述の全閉基準値θ* を保持するための基準値用メモリ(書き換え可能な不揮発性の記憶領域)34d1 を有している。
【0027】
この記憶装置34dは、前記演算処理装置34cの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置34cの処理結果を逐次記憶する。
【0028】
そして、前記演算処理装置34cは、起動時には、予め設定した全閉基準値の初期値θINT を全閉基準値θ* として設定すると共に、記憶装置34dの基準値用メモリ34d1 に記憶された前回起動時に設定した記憶全閉値θM-1 を読み出し、停車状態であるとき、これを全閉基準値θ* として更新設定する。また、スロットル開度が全閉状態であるとみなすことのできる予め設定した条件を満足するときのスロットルセンサ15からのスロットル開度検出信号θをもとに、学習全閉値(学習全閉基準値)を算出する全閉基準値設定処理を逐次行い、算出した学習全閉値θt に、所定時間あたり所定の変化量で全閉基準値θ* を追従させる。
【0029】
そして、このようにして設定した全閉基準値θ* とスロットル開度検出信号θと、図2に示すように、予めスロットルセンサ15の性能に応じて設定したスロットル開度検出信号θの変化に対するスロットル開度THの変化の割合を表すGθとに基づいてスロットル開度THを検出すると共に、検出したスロットル開度THと、前記各センサからの各信号値に応じて前記モータ駆動回路35への出力値を算出すると共に、前記アクチュエータ駆動回路36への出力値を算出する。
【0030】
次に、上記実施の形態の動作を、マイクロコンピュータ34の演算処理装置34cで実行する制御処理を示す図4及び図5のフローチャートを伴って説明する。
【0031】
図4は、全閉基準値θ* の設定を行う全閉基準値設定処理の処理手順を示すフローチャートであって、演算処理装置34cでは、イグニッションスイッチがオン状態となってマイクロコンピュータ34が起動すると、図4の全閉基準値設定処理を実行する。そして、まず、記憶装置34dのROM等に記憶している全閉基準値の初期値θINT を読み出し、これを全閉初期値θ* として設定する(ステップS1)。
【0032】
次に、基準値用メモリ34d1 に記憶している、前回イグニッションスイッチをオン状態としたときに、全閉基準値設定処理を実行して記憶した、前回の記憶全閉値θM-1 を読み出し(ステップS2)、車速センサ16からの車速検出値Vに基づいて車両が停車しているか否かを判定する(ステップS3)。そして、車両が停車している場合には、基準値用メモリ34d1 から読み出した学習全閉値θM-1 を、全閉基準値θ* として更新設定した後(ステップS4)、ステップS5に移行する。一方、車両が停車中でない場合には、そのままステップS5に移行する。
【0033】
このステップS5では、エンジンが作動してから、つまり、エンジン回転数センサ17からのエンジン回転数NE が所定値nE (例えば400〔rpm〕)以上となった時点でタイマを作動させる等によって、エンジン回転数がNE ≧nE となってから所定時間tα(例えば、10分)以上経過したか否かを判定し、所定時間tα経過したとき、スロットルセンサ15からのスロットル開度検出信号θを読み込み、これを例えばRAM等の所定の記憶領域に記憶する(ステップS6)。
【0034】
なお、この記憶領域には、複数のスロットル開度検出信号θを記憶できるようになっていて、現時点以前のT秒間分のスロットル開度検出信号θを記憶できるようになっている。
【0035】
次いでステップS7に移行し、スロットル開度が全閉状態であるとみなすことのできる予め設定した所定の全閉条件を満足しているか否かを判定する。この全閉条件は、例えば、第1にスロットルセンサ15からの電圧値でなるスロットル開度検出信号θが、スロットル開度が全閉状態であるとみなすことのできる所定範囲内(例えば、予め設定されたスロットル開度が全閉状態時の電圧値θINT 〔V〕に対してθINT ±0.25〔V〕の範囲内)にあり、且つ、スロットル開度検出信号θの所定時間T(例えば5秒間)の電圧値の変動が所定値θα(例えば0.04〔V〕)以下であり、スロットル開度検出信号θが全閉状態時の電圧値θINT 付近の値でほぼ一定であること、第2に、エンジン回転数NE が所定値Nα(例えば850〔rpm〕)以下であること、第3に、各車輪速センサ7FL〜7RRからの各車輪速信号VFL〜VRRが略零であり、停車しているとみなすことができること、以上第1から第3の条件を何れも満足するとき、スロットル開度が全閉状態にあるものとみなし、ステップS8に移行する。そして、所定の条件を満足しない場合には、ステップS6に戻る。なお、全閉条件を満足し学習全閉値θt を算出した場合には、この算出時点から所定時間経過するまでの間に対して、全閉条件を満足したか否かの判定を行うものとする。
【0036】
ステップS8の処理では、所定の記憶領域に記憶しているT秒間分のスロットル検出信号θの平均値を算出し、これを学習全閉値θt とする。次いで、ステップS9で、全閉基準値θ* を学習全閉値θt に追従させる追従処理を起動し、ステップS10に移行する。
【0037】
このステップS10では、例えばイグニッションスイッチがオフ状態となった場合等、所定の終了条件を満足する場合には処理を終了し、終了条件を満足しない場合には、ステップS6に戻る。そして、終了条件を満足するまで、ステップS6からステップS10の処理を、所定時間(例えば20msec)毎のサイクルで実行する。
【0038】
前記追従処理は、図5に示すように、まず、ステップS11で、全閉基準値θ* を学習全閉値θt と一致する方向に、所定の変化量Δθ(例えば20mV/100ms)だけ更新し、ステップS12に移行する。
【0039】
そして、ステップS12では、学習全閉値θt と全閉基準値θ* とが一致したか否かを判定し、一致しない場合には、ステップS11に戻って再度所定の変化量Δθだけ全閉基準値θ* を更新し、この処理を全閉基準値θ* と学習全閉値θt とが一致するまでの間、繰り返し行う。そして、全閉基準値θ* と学習全閉値θt とが一致したときステップS13に移行し、今回の起動中にすでに基準値用メモリ34d1 への学習全閉値の記憶を行ったか否かを判定し、すでに記憶した場合には、処理を終了する。そして、まだ学習全閉値の記憶を行っていない場合には、ステップS14に移行し、この時点での全閉基準値θ* つまり学習全閉値θt を基準値用メモリ34d1 へ更新記憶し処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS2〜S4が読み出し手段に対応し、ステップS5〜S8が学習値算出手段に対応し、ステップS11,S12が更新手段に対応し、ステップS13,S14が記憶手段に対応している。
【0041】
したがって、全閉基準値θ* の設定状況を表す図6に示すように、車両が駐車している状態から、時点t0 でイグニッションスイッチをオンにした状態で停車しているとすると、演算処理装置34cでは、まず、記憶装置34dに記憶している全閉基準値の初期値θINT を読み出してこれを、全閉基準値θ* として設定する(ステップS1)。そして、起動後基準値用メモリ34d1 へのアクセスが可能となった時点で、基準値用メモリ34d1 に記憶されている前回の記憶全閉値θM-1 を読み出し(ステップS2)、このとき車両が停車中であるから(ステップS3)、前回の記憶全閉値θM-1 を全閉基準値θ* として更新設定する(時点t1 ,ステップS4)。
【0042】
このとき、イグニッションスイッチをオン状態とした後車両がすぐ発進する等、停車中でない場合には、読み出した前回の記憶全閉値θM-1 を所定の記憶領域に保持する等の処理を行い、この時点での全閉基準値θ* の更新は行わない。
【0043】
そして、エンジンが作動状態となってから所定時間tα(例えば10分間)経過するまでの間は待機状態となる。このとき、前回の記憶全閉値θM-1 を全閉基準値θ* として設定していない場合には、所定時間tαが経過するまでの間に車両が停車したとき、この時点で、前回の記憶全閉値θM-1 を全閉基準値θ* として更新設定する。
【0044】
そして、エンジンがオン状態となってから所定時間tα経過し(時点t2 )、且つ、エンジン回転数がNα以下であり、且つ車輪速センサ7FL〜7RRの検出値に基づき車両が停止していると判定され、スロットルセンサ15からのスロットル開度検出信号θが所定値となり、所定時間T(例えば5秒間,時点t2 〜時点t3 )間のスロットル開度検出信号θの変化が所定値θα(例えば0.04V)以下であり、所定の全閉条件を満足したとみなすことができるとき(ステップS7,時点t3 )、所定の記憶領域に記憶した時点t2 〜t3 の間のスロットル開度検出信号θの平均値を求め、これを学習全閉値θt(1)として設定する(ステップS8)。そして、追従処理を起動する。
【0045】
追従処理では、予め設定した所定の変化量Δθで学習全閉値θt(1)と一致する方向に全閉基準値θ* を更新する(ステップS11)。この操作を繰り返し行うことによって、全閉基準値θ* は、学習全閉値θt(1)と一致する方向に、変化量Δθで徐々に増加し、時点t4 で全閉基準値θ* が学習全閉値θt(1)と一致したとき、全閉基準値θ* の更新を終了し(ステップS12)、この場合、基準値用メモリ34d1 への更新処理が実行されていないから、この時点での全閉基準値θ* を記憶全閉値θM として基準値用メモリ34d1 に更新記憶する(ステップS13,S14)。
【0046】
そして、時点t3 以後、引き続き車両が停止状態であり、アクセルペダルが開放状態であって、所定の全閉条件を満足する場合には、所定の全閉条件を満足した時点t5 で再度、時点t3 〜時点t5 の間のスロットル開度検出信号θの平均値を算出し、これを学習全閉値θt(2)として設定する。そして、時点t5 で追従処理を起動し、時点t5 で算出した学習全閉値θt(2)に全閉基準値θ* を一致させるように追従処理を行う。
【0047】
このとき、時点t5 以後に、追従処理によって全閉基準値θ* と学習全閉値θθt(2)とが一致した場合でも、すでに基準値用メモリ34d1 への書き込みを行っているので、基準値用メモリ34d1 への書き込みは行わない。
【0048】
以後、上記と同様にして、所定の全閉条件を満足するときに、学習全閉値θt を算出し、これと全閉基準値θ* とを一致させるように追従処理を行う。
このとき、例えば時点t3 で追従処理が起動された後、車両が発進した場合でも、追従処理は引き続き行われ、全閉基準値θ* は学習全閉値θt(1)と一致するように所定の変化量Δθで更新される。このとき、全閉基準値θ* を即座に更新せずに所定の変化量Δθで更新するようにしているから、スロットル開度の変化量は僅かであり、全閉基準値θ* の更新に伴いスロットル開度が変化することによって、スロットル開度が変化したと誤って認識されることはなく、走行中に更新しても問題はない。
【0049】
一方、時点t3 以後車両が発進した場合には、所定の全閉条件を満足しなくなるから、時点t5 での学習全閉値θt(2)の算出は行われず、再度所定の全閉条件を満足したとき二回目の学習全閉値θt(2)が行われる。
【0050】
そして、演算処理装置34cでは、このようにして設定された全閉基準値θ* に基づいて次式にしたがって、スロットル開度TH〔%〕を算出する。
TH=(θ−θ* )×Gθ
なお、式中、θはスロットルセンサ15からの電圧値でなるスロットル開度検出信号,θ* は前記全閉基準値設定処理で設定した全閉基準値、Gθは、スロットル開度検出信号θ〔V〕の変化に対するスロットル開度TH〔%〕の変化の割合である。
【0051】
そして、各車輪速センサ7FL〜7RRからの各検出信号に基づいて、駆動輪のブレーキ制御用の目標スリップ量を算出し、これと現在のスリップ量とが一致するようにアクチュエータ駆動回路36に対して制御信号を送信してスリップ量を調整すると共に、スロットル開度調整用の目標スリップ量を算出し、算出した目標スリップ量に応じた目標スロットル開度と一致するように、算出したスロットル開度THに基づいて、ステップモータ28を駆動するモータ駆動信号を生成し、これをモータ駆動回路35に出力する。これにより、アクチュエータ駆動回路36によって、駆動輪のブレーキ制御がおこなわれると共に、モータ駆動回路35によって、ステップモータ28が制御されてエンジン2の出力が調整され、駆動輪のスリップ量が調整されて、車両の発進性,加速性が向上されて、走行安定性が確保される。
【0052】
よって、起動後入力されるスロットル開度検出信号θに基づいて学習全閉値θt を算出するまでの間は、基準値用メモリ34d1 に記憶した前回の起動時に設定した学習全閉値である記憶全閉値θM-1 を全閉基準値θ* として設定し、学習全閉値θt を算出した以後はこの学習全閉値θt に基づいて全閉基準値θ* を設定するようにしたから、より高精度にスロットル開度を算出することができ、したがって、駆動輪のブレーキ制御及び駆動輪のスリップ量の制御が高精度に行われ、車両の走行安定性をより向上させることができる。
【0053】
このとき、記憶全閉値θM を、不揮発性の基準値用メモリ34d1 に記憶するようにし、基準値用メモリ34d1 への書き込みは、全閉基準値設定処理の1回の起動につき1回のみしか行わないから、車両の耐用年数からみて、基準値用メモリ34d1 としてEEPROM等の書き込み回数に制限のあるメモリを用いた場合でも充分に適用することができる。また、車両の使用頻度が多い場合でも、例えば定期点検時等にメモリ交換等を行うことによって、充分に適用することができる。
【0054】
また、このとき、今回の起動による学習全閉値を、不揮発性の基準値用メモリ34d1 に記憶するようにしたから、バッテリバックアップを行うことなく、確実に記憶全閉値θM を保持することができ、次回の起動時におけるスロットル開度を高精度に算出することができる。
【0055】
また、前回の記憶基準値θM-1 を全閉基準値θ* として更新設定する際には、車両が停車しているときにのみ行うようにし、また走行中、全閉基準値θ* を更新する場合には、所定の変化量Δθで更新するようにしたから、スロットル開度THに基づいて行う制御において、走行中に全閉基準値が更新されることによって、実際には変化していないにも関わらず、スロットル開度が変化したものとして誤った制御が行われることを確実に防止することができる。なお、車両が停車している場合には、全閉基準値θ* を即座に更新するようにしているが、停車中は多少全閉基準値θ* が変化した場合でも全閉基準値θ* の変化による挙動変化への影響は少ないから問題ない。
【0056】
また、上記実施の形態では、所定時間内におけるスロットル開度検出信号θに基づいて学習全閉値θt(1)を算出するようにしているから、スロットル開度検出信号θにはノイズ等による誤差が含まれるが、スロットル開度検出信号θの平均値に基づき学習全閉値を設定することにより、より信頼性の高い値を学習全閉値として設定することができる。
【0057】
なお、上記実施の形態では、起動後、最初に算出した学習全閉値θt を、基準値用メモリ34d1 に書き込み保持するようにしているが、一回の起動中、最初に算出される学習全閉値と、これ以後に算出される学習全閉値との間には大差がないと推測されるため、起動後最初に学習した学習全閉値に応じた全閉基準値θ* を記憶するようにしても、次回起動時の全閉基準値θ* として充分適用することができる。
【0058】
また、起動後、最初に算出した学習全閉値θt と全閉基準値θ* とが一致したときに、全閉基準値θ* を記憶全閉値θM として更新記憶するようにした場合について説明したが、これに限らず、起動中の何れかの時点での学習全閉値θt を保持するようにすることも可能である。
【0059】
また、一回の起動につき一度のみ基準値用メモリ34d1 への記憶を行うようにした場合について説明したが、例えば、書き込み可能な回数と車両の使用状況とに応じて、書き込み回数が制限値を越えない範囲で、一回の起動につき複数回の基準値用メモリ34d1 への書き込みを行うようにすることも可能である。
【0060】
また、上記実施の形態では、記憶領域としてEEPROMを適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、EP−ROM(Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性の書き換え可能なメモリであれば適用することができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、後輪駆動車をベースにした四輪駆動車に適用した場合について説明したが、前輪駆動車をベースにした四輪駆動車であっても、同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
また、上記実施の形態では、本発明におけるスロットル開度検出装置を制駆動力制御装置に適用した場合について説明したがこれに限らず、例えば、エンジン制御装置、或いは自動変速機制御装置等、スロットルセンサの出力信号に基づくスロットル開度THに基づいて処理を行う装置であれば適用することが可能であり、上記と同様に、高精度なスロットル開度THを得ることができると共に、より的確な制御を行うことができる。
【0063】
また、上記実施の形態では、制御装置をマイクロコンピュータで構成した場合について説明したが、これに限らず、シフトレジスタ、演算回路等の電子回路を組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記実施の形態では、メインスロットルバルブ27をアクセルペダル26の踏み込み量に応じて機械的にその開度が連動するようにした場合について説明したが、例えばアクセルペダル26の踏み込み量を検出するアクセルセンサを設け、その踏み込み量検出値に応じてエンジンコントローラ等によって電気的にその開度を調整するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスロットル開度検出装置を適用した制駆動制御装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】スロットル開度THとスロットルセンサのスロットル開度検出信号θとの対応を示す出力特性図である。
【図3】制駆動制御装置の一例を示すブロック図である。
【図4】制駆動制御装置における全閉基準値設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】制駆動制御装置における追従処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RR 前左輪〜後右輪
2 エンジン
2a 吸気管路
6RL,6RR 制動用シリンダ
7FL〜7RR 車輪速センサ
15 スロットルセンサ
16 車速センサ
17 エンジン回転数センサ
27 メインスロットルバルブ
28 ステップモータ
29 サブスロットルバルブ
30 コントローラ
34 マイクロコンピュータ
35 モータ駆動回路
36 アクチュエータ駆動回路

Claims (2)

  1. スロットル開度が全閉状態であるときのスロットルセンサの検出値である全閉基準値と入力されるスロットルセンサの検出値とに基づいてスロットル開度を検出するようにしたスロットル開度検出装置において、書き換え可能な不揮発性の記憶領域に格納された学習全閉基準値を起動後読み出し、前記全閉基準値として更新設定する読み出し手段と、前記スロットル開度が全閉状態にあるとみなすことができるときの前記スロットルセンサの検出値をもとに前記全閉基準値の学習値である学習全閉基準値を算出する学習値算出手段と、前記全閉基準値を所定時間当たり所定の変化量で逐次更新して前記学習全閉基準値と一致させる更新手段と、前記学習全閉基準値を前記記憶領域へ更新記憶する記憶手段と、を備え、前記記憶手段の、一回の起動中における前記記憶領域への前記学習全閉基準値の更新記憶回数を、所定回数に制限したことを特徴とするスロットル開度検出装置。
  2. 前記読み出し手段は、前記スロットルセンサが搭載された前記車両が停車中であるときのみ、前記学習全閉基準値を前記全閉基準値として設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載のスロットル開度検出装置。
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