JP3733336B2 - 無線端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は無線信号を使用して現在位置を測定する無線端末装置に関し、特に、近隣にリピータ局がある場合でも正確に無線端末装置の位置を算出することができる無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムにおいて、基地局から送信される信号を利用して無線端末装置の位置を検出する技術が提案されている。例えば、特開平7−181242号公報には、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)システムにおいて、各基地局の位置と、各基地局から端末装置機へ送信される信号の伝搬遅延時間差とを用いて、端末装置機の位置を測定する技術が提案されている。
【0003】
すなわち、図2に示すように、端末装置MSは周囲にある三つの基地局装置からの信号を受信して、受信信号に相関演算を行って、受信信号のタイミングを検出する。この検出されたタイミングから、各基地局からの信号の受信タイミングの遅延時間差(各基地局と端末装置との距離差に相当)を算出する。この遅延時間差を用いて、図2に記載された方程式を解くことによって端末装置の位置を求めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した、従来の移動通信システムでは、図3に示すように、基地局の他に、特定の基地局BS1からの信号を受信して再送信する中継局(リピータ局RP)が設置されている。こうしたリピータ局は、セルラ通信が可能となるエリアを安価に広げることができるため、特に屋内等のサービスエリアを拡大するために広く利用されている。ところが、リピータ局RPは、特定の基地局BS1が送信した信号を受信して、受信した信号をそのまま送信しているので、リピータ局RPが送信する信号の内容は、該特定の基地局BS1が送信する信号の内容と差異がない。リピータ局内での信号処理の遅延により、リピータ局が送信する信号は、特定の基地局が送信したオリジナルの信号と比較しすると信号タイミングが遅延している。図3の上図には、実用されている無線通信システムにおいて、リピータの信号を受信した遅延プロファイルの実測値を示している。PN0は最寄りの基地局であり、強い相関値が得られている。PN1はリピータ局RPが配下にある基地局BS1の信号である。端末装置MSにとって、オリジナルのBS1の位置から推定される信号が本来存在すべきタイミングを図中に破線で示している。
【0005】
端末装置MSをリピータ局の近くに持っていくと、リピータ局によって中継された信号が受信され、大きな遅延をもった信号が受信されてしまう。PN1の信号をみると、リピータ局によって中継された信号は、オリジナルのBS1と端末装置MS間の距離から推定される距離よりも12km相当の遅延をもって受信されている。この信号を利用して端末装置の位置を計算すると、端末装置の位置は非常に大きな誤差をもって計算されてしまう。
【0006】
すなわち、課題を整理すると、無線端末装置によって該端末装置の位置を測定する場合に、
(1)リピータ局を検出する方法がなく、
(2)リピータ局を検出された場合でも、この影響を除外する方法がないこと。が課題となっている。
【0007】
本発明は、複雑な処理を用いることなく、リピータ局の影響を排除して、正確な位置を計算する無線端末装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る無線端末装置では、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手段と、を備え、前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定すること、又は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定する。
【0009】
また、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手段と、を備える。
【0010】
また、本発明に係る位置測定システムでは、無線端末装置に対して信号を送信する無線局と、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局と、受信信号によって端末装置の位置を計算するために、複数の無線局からの信号を受信する無線端末装置と、を備えた位置測定システムであって、前記受信信号のうち前記リピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手段と、を備え、前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする。
【0011】
また、無線端末装置に対して信号を送信する無線局と、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局と、受信信号によって端末装置の位置を計算するために、複数の無線局からの信号を受信する無線端末装置と、を備えた位置測定システムであって、前記受信信号のうち前記リピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手段と、を備える。
【0012】
また、本発明に係る位置計算方法では、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する位置計算方法であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて、該無線局が送信した信号と区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手順と、を備え、前記リピータ局検出手順において、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定する。
【0013】
また、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する位置計算方法であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手順と、を備える。
【0014】
また、本発明に係る位置測定システムに用いられるサーバ装置は、複数の無線局からの信号を受信した無線端末装置の位置を計算するサーバ装置であって、前記無線端末装置が受信した信号の受信タイミングに基づいて、端末装置の位置を計算する位置計算手段と、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、を備え、前記位置計算手段は、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算し、前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定する。
【0015】
また、複数の無線局からの信号を受信した無線端末装置の位置を計算するサーバ装置であって、前記無線端末装置が受信した信号の受信タイミングに基づいて、端末装置の位置を計算する位置計算手段と、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、を備え、前記位置計算手段は、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする。
【0016】
また、本発明に係る無線端末装置に用いられる半導体装置は、プログラムを記憶可能なメモリと、CPUとを備えた半導体装置であって、前記メモリには、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて、該無線局が送信した信号と区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手順とを、コンピュータに実行させるプログラムが記憶され、前記リピータ局検出手順は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定し、前記CPUは、前記メモリに記憶保持された前記プログラムを実行する。
【0017】
また、プログラムを記憶可能なメモリと、CPUとを備えた半導体装置であって、前記メモリには、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手順と、コンピュータに実行させるプログラムが記憶され、前記CPUは、前記メモリに記憶保持された前記プログラムを実行する。
【0018】
【発明の作用および効果】
上記課題を解決するために、本発明に係る無線端末装置では、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手段と、を備えるので、リピータ局が存在するセルラ無線通信システムにおいても、端末装置の位置を正確に求めることができ、そのために必要な変更は些少である。
【0019】
また、無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手段と、を備える。すなわち、リピータ局は、屋内等の小エリアをカバーするための装置であるため、一般に送信電力が他の基地局装置に比べて小さいことが特徴である。その信号電力が、他の基地局と比較して最大で受信される場合には、端末装置はリピータ局の直近に存在すると考えてよいことから。リピータ局が存在するセルラ無線通信システムにおいても、端末装置の位置を正確に求めることができる。
【0020】
また、前記リピータ局検出手段は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて(例えば、前記無線局からの信号の受信タイミングが、他の無線局からの信号の受信タイミングよりも所定の時間より遅れているとき)、該無線局を前記リピータ局であると判定するので、複雑な方法を用いることなくリピータ局を検出することができる。
【0021】
また、前記リピータ検出手段は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定する。すなわち、通常、セルラ基地局ではセクタを構成しているが、端末装置が基地局の直下にある場合には複数のセクタが観測される。しかし、リピータ局は基地局の複数のセクタのうち一つのセクタしか中継しないため、端末装置がリピータ局の直下にある場合には、複数のセクタのうち一つの信号が観測される場合が多いことから、複雑な方法を用いることなくリピータ局を検出することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態の無線端末装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
本発明の実施の形態の無線端末装置は、アンテナ1、RF部2、ベースバンド部3、逆拡散器4、検波部5、相関器6、記憶部7、CPU8からなる。アンテナ1が受信した基地局からの信号はRF部2に送られる。RF部2は、受信部及び送信部等で構成されており、RF部2はアンテナ1で受信された基地局からの信号に高周波信号及び中間周波数信号における増幅、周波数変換等の受信処理を行い、基地局からの信号をベースバンド信号に変換する。
【0025】
次に、本実施の形態の無線端末装置において位置計算を行う手順を説明する。CDMA方式を用いたセルラシステムであるTIA/EIA/IS-95システムの場合、基地局は固定のパタンであるパイロット信号を送信している。各信号の送信タイミングは、基地局が個別に持つPNオフセットに基づいて、システムの時計より遅れて送信されている。まず端末装置は、最寄りの基地局を判定するために、パイロットチャネル用の相関器6を動作させて、その相関器に与えるパイロット信号の位相を順次変えながら、最も大きな相関のピークが生じるタイミングを検索する。この検出されたピーク位置が、最も近くにあると考えられる基地局に同期するタイミングを示している。
【0026】
ベースバンド部3には、制御チャネル用の逆拡散器4が備わっており、検出された最寄りの基地局のタイミングで逆拡散器4において逆拡散演算を行い、制御チャネルの信号が取り出される。この取り出された制御チャネルの信号は検波部5で検波され、有意な情報に復調される。CPU8は、取り出された信号から受信している基地局のIDを抽出し、予めメモリ7に蓄積されている周囲にある基地局の情報テーブルを検索して、周辺の基地局のPNオフセットを取り出す。取り出された最寄りの基地局及び周辺の基地局のPNオフセットに基づくタイミングについて、パイロット信号用の相関器6を用いて遅延プロファイルを作成する。このように作成された遅延プロファイルは記憶部7に蓄積される。CPU8は記憶部7に蓄積された遅延プロファイルを解析し、直接波の伝搬経路(パス)が検出されたタイミングを取り出す。取り出されたタイミングは、図2に示す直接波の伝搬時間T1、T2、T3に当たる。さらに、CPU8は、最小二乗法等を用いて、図2に示されている方程式の解を求め、端末装置の位置を計算する。この位置計算には、基地局ID、PNオフセット値及び基地局の位置が必要となるが、これらの情報は、端末装置のメモリに予め蓄積しておいた情報を利用する。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態の無線端末装置の位置測定の原理を説明する図である。
【0028】
無線端末装置MSは周囲にある三つの基地局装置BS1、BS2、BS3からの信号を受信している。各基地局装置はGPS又はネットワークに同期した時間を持っており、無線通信システムに属する全ての基地局装置が同期した正確な時計を持っている。また、各基地局装置は上記の時計に同期して制御された固定パタンの信号を送信している。端末装置MSは、各基地局が送信している信号のパタンを予め知っており、相関演算器において、そのパタンと受信信号との間で相関演算を行って、受信した信号のタイミングを検出する。検出されたタイミングから、各基地局BS1、BS2、BS3からの信号の受信タイミングを各々T1、T2、T3として、受信信号の到達遅延時間差T1−T2、T3−T2を算出する。この遅延時間差が、基地局と端末装置との距離差に一致することから、図2に記載された方程式を最小二乗法等を用いて解くことによって、端末装置の位置(x、y)を求めることができる。
【0029】
特にCDMAセルラシステムでは、三つの基地局は同一の周波数帯を利用して信号を送信しているため、端末装置MSは、ただ一つの周波数を観測し、観測する信号パタンを切り替えることで、三つの基地局からの信号を同時に受信することができる。
【0030】
図3には、リピータ局の近傍で複数の局の遅延プロファイルを測定した結果を示す。
【0031】
発明が解決しようとする課題において前述したように、リピータ局RPからの信号は、本来の基地局BS1からの信号よりも大きい強度の信号が、遅れて受信される。このリピータ局からの信号をそのまま使って位置計算をすると、大きく遅れた信号のために位置算出方程式(図2)の解が、端末装置の真の位置から大きくずれ、端末装置位置の誤差が大きくなってしまう。
【0032】
図4は、本発明の実施の形態の無線端末装置において、位置計算を行う計算方法(第1の実施の形態)を示すフローチャートである。特に、リピータ局を検出する手段を持つ装置について適用される例を示す。
【0033】
まず、位置計算に先立ち、受信された各信号に関して、リピータ局であるか否かの判定を行う(101)。そして、リピータ局が検出されたらリピータ局に関する遅延時間の測定結果である測距結果を除去する(102)。その後、無線端末装置の位置を計算する(103)。一方、リピータ局が検出されなかったら、全ての基地局に関する遅延時間の測定結果である測距結果を用いて無線端末装置の位置を計算する(103)。そして、計算された無線端末装置の位置が出力される(104)。
【0034】
このリピータ局を検知して、その結果を除外するアルゴリズムは非常に単純であり、その付加によって位置計算の計算量が大幅に増加することはない。従って、簡単な判定によってリピータ局の影響を除外することができる。
【0035】
次に、リピータ局を検知する方法について説明する。
【0036】
図5は、本発明の第1の実施の形態に適用可能なリピータ局の検出方法を示すフローチャートである。
【0037】
無線端末装置の記憶部7には基地局の配下にリピータ局が存在するかが記憶されているので、この記憶された情報テーブルを検索して、無線端末装置の周辺に位置する基地局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定する(111)。リピータ局が配下に存在すれば、該リピータ局からの信号を受信している可能性があるので、該当局からの信号と他の基地局からの信号との遅延量(遅延時間)を比較する(到達遅延時間差(T1−T2等)を求める)(112)。この時、両者の到達遅延時間差(T1−T2等)に光速を乗じて求められる距離が、両基地局間の距離に比べて明らかに大きな値をもっている場合には、リピータ局を受信していると判断する(113)。明らかに大きな値か否かの判定は、その無線通信システムの基地局間隔に依存するが、通常数km程度毎に基地局が配置されていることと、及び、実用されている無線通信システムでの実測値(図3参照)において、遅延時間から求めたリピータ局までの距離と、本来の基地局までの距離とで12kmに相当する遅延が発生していることから、例えば、平均的な基地局間隔の2倍以上の大きな差を持つ場合を閾値とするとよい。この閾値と到達遅延時間差から求められる距離とを比較して、到達遅延時間差から求められる距離が閾値以下であればリピータ局ではないと判断する(114)。なお、基地局とリピータ局との距離差によらず、光速を乗じる前の到達遅延時間差によってリピータ局であるかの判定をするように構成してもよい。
【0038】
前述したリピータ局検出方法(図5)において、リピータ局か否かの判定を行う際に、該当基地局がリピータ局を配下にもつかを予め検索して、ステップ111において条件を付しているが、このような条件を付さなくても、本リピータ局検出方法は有効である。すなわち、リピータ局が存在する可能性を判定しない場合においても、該当基地局が他の基地局に対して大きな遅延をもつ場合には、リピータ局であることは明らかである。よってステップ111による判定を省略しても図5に示すリピータ局検出方法の有効性が変わることはない。但し、遠方からの電波が受信可能な山頂付近や、基地局が密に配置されていてPNオフセットの繰り返し距離が短い場合においては、リピータ局が存在しない場合にも、遠方の基地局が大きな遅延をもって受信される場合があり、位置計算に誤差を与えることがある。リピータ局が存在する可能性を判定する場合は、矛盾する測定結果を除去するように動作するため、上記のようなケースに対しても有効である。
【0039】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。前述した第1の実施の形態(図4)においては、リピータ局に関わる測距結果を用いないで端末装置の位置計算を行っている。しかし、リピータ局の直下では、前述したようにリピータ局の信号が極めて強くなるので、無線端末装置のRF部2においてAGC(Automatic Gain Control)が動作して、他の基地局からの信号が抑圧されることから、他の基地局の観測が困難になる場合がある。特に、閉鎖された屋内等では、他の基地局からの信号が壁を透過する際の透過損失によって、他の基地局からの信号の受信が一層困難となることから、基地局の観測結果に大きな影響を与える。このような場合に、リピータ局の位置を端末装置の位置とする位置計算方法が有効である。
【0040】
図6は、本発明の実施の形態の無線端末装置において、位置計算を行う別な計算方法(第2の実施の形態)を示すフローチャートである。
【0041】
まず、各基地局に対する伝搬遅延時間の測定結果に基づいて、リピータ局が観測されているか否かを判定する(201)。このリピータ局であるかの判定は図5において前述した方法によって行う。リピータ局が検出されれば、検出されたリピータ局がシンクチャネルを受信した基地局であるか否か、すなわち最も大きい受信信号レベルを与える基地局がリピータ局であるかを判定する(202)。
【0042】
そして、シンクチャネルを与える基地局がリピータ局であると判定したら、該リピータ局は無線端末装置(受信点)の極めて近くに位置するので、該リピータ局の位置を無線端末装置の位置とする(203)。一方、シンクチャネルを与える基地局がリピータ局ではないと判定したら、該リピータ局の測距結果を除去して(204)、無線端末装置の位置を計算する(205)。そして、ステップ203、205によって決定された無線端末装置の位置が出力される(206)。
【0043】
なお、ステップ201にて、リピータ局が検出されなかったら、全ての基地局に関する遅延時間の測定結果である測距結果を用いて無線端末装置の位置を計算する(205)。
【0044】
前述した第2の実施の形態では、リピータ局有無を図5において前述した方法によって判定しているが、リピータ局がシンクチャネルであるときには、他の方法を用いて判定することができる。
【0045】
図7は、本発明の第2の実施の形態に適用可能なリピータ局を検出する方法を示すフローチャートである。
【0046】
まず、無線端末装置の記憶部7に記憶されたリピータ局のリストを検索して、無線端末装置の周辺に位置する基地局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定する(211)。そして、リピータ局が存在する可能性がなければ、該当局はリピータ局でないと判定する(216)。
【0047】
一方、リピータ局が存在する可能性があれば、該当PNオフセットの基地局がシンクチャネルとして受信された基地局であるか否か、すなわち最も信号レベルの高い信号を与える基地局であるか否かを判定する(212)。このシンクチャネルの判定の方法は図9において後述する。該当PNオフセットの基地局がシンクチャネルとして受信された基地局である場合には、該当局の他のセクタの信号が検出できるか否かを判定する(213)。
【0048】
そして、該当するセクタしか観測できない場合には、該当局はリピータ局であると判定する(214)。一方、該当する他のセクタが観測できる場合には、該当局はリピータ局でないと判定する(216)。
【0049】
また、ステップ212で、該当PNオフセットの基地局がシンクチャネルとして受信された基地局でない場合には、リピータ局の有無は、本方法では判定不能である(215)。しかし、このような判定不能の場合には図5で説明した方法で補うこともでき、このような方法も本発明の範疇に属する。
【0050】
以下、セクタ数の観測によって、リピータ局であるかが判定する原理について図8を用いて説明する。
【0051】
通常、セルラ基地局では、周波数利用効率を上げるために、1つの基地局では、指向性アンテナを使ってセクタを構成している。アンテナで得られるFB比は20dB程度であるから、無線端末装置が基地局のすぐ直下に存在する場合には、ただ1つのセクタだけでなく複数セクタ(例えば、3セクタ)が観測される。しかし、リピータ局は複数セクタある基地局の1つのセクタの信号しか中継しないため、無線端末装置がリピータ局の直下にある場合には、複数セクタの信号が観測されるのではなく、そのうち1つの信号が観測される場合が多い。
【0052】
このこと、無線端末装置においてAGC(Automatic Gain Control)を動作させていることにも起因している。無線端末装置は受信した信号の平均レベルが一定になるように入力端の増幅器を調整するAGC機能が備わっている。基地局や、リピータ局の直下に無線端末装置があると、その局の信号が強いために、AGCが働いて増幅器の利得を下げて信号レベルが飽和しないように調整が行われる。その結果、受信機の感度が低下して、弱い信号が受信できなくなる。このため、遠くにある基地局の信号が受信できなくなる。基地局の直下に無線端末装置がある場合には、無線端末装置の受信感度が低下しても、他のセクタの信号強度も大きいので、他のセクタの信号も問題なく受信される。しかし、リピータ局の直下に無線端末装置がある場合には、リピータ局は、1つのセクタの信号しか中継していないので、中継しているセクタの信号が、無線端末装置にとって支配的となり、これにもとづいてAGCが動作する。しかし、他のセクタの信号は、遠方にあるため、受信機の感度が低下した状態では、他の信号の受信が困難になってしまう。
【0053】
図7のステップ213は、この性質を利用して、当該基地局の他のセクタの信号が検出できるか否かによって、リピータ局を検出している。
【0054】
図8は、リピータ局の直下で近辺の基地局を測定した得たパイロット信号の遅延プロファイル図である。図で、横軸は遅延時間を表し、右に存在する信号ほど遅延時間が大きい。また、縦軸はその遅延時間での受信信号強度を表す。この測定場所では、PN01、PN02、PN03をセクタとする基地局0と、PN11、PN12、PN13をセクタとする基地局1と、PN21、PN22、PN23をセクタとする基地局2と、PN31、PN32、PN33をセクタとする基地局4の、合計四つの基地局が存在する。観測点では、これらの基地局のパイロットPNオフセットに準じたオフセット量をもってパイロット信号が受信されている。
【0055】
図で明らかなピークが観測できるのは、PN01、PN11、PN12、PN21、PN31、PN33の6セクタである。最も信号電力の強い基地局はPN01、PN02、PN03をセクタに持つ基地局であるが、PN02、PN03が観測できず、PN01しか観測できない。このことは、前述したように、リピータ局の場合に発生する特徴的な現象である。よって、PN01のセクタしか有さない基地局0はリピータ局であると判定することができる。
【0056】
図9は、本発明の実施の形態のリピータ局検出方法(図7)に適用されるシンクチャネル検出方法を示すフローチャートである。
【0057】
前述したように、シンクチャネルは受信レベルが最大であることが特徴である。従って、まず、該当局の受信レベルが他の局の受信レベルと比較して最大であるか否かを判定する(221)。該当局の受信レベルが最大であればシンクチャネルと判断し(222)、該当局の受信レベルが最大でなければシンクチャネルではないと判断する(223)。
【0058】
図10は、無線位置測定システムの構成を示すブロック図である。
【0059】
前述した説明では、ある基地局の配下にリピータ局が存在しているかを判定するための情報テーブルを無線端末装置内の記憶部7に記憶させているが、無線端末装置外に蓄積された情報を用いるように構成することができる。
【0060】
図10に示す無線位置測定システムでは、無線ネットワークに接続されたサーバ装置がこのリストを記憶している。無線端末装置は受信した最寄りの基地局の基地局IDを、基地局BS3を介してサーバ装置に送信し、サーバ装置は無線端末装置が受信した基地局のIDを検索して、近隣の基地局のID、PNオフセット値及び基地局位置を情報テーブルから取り出して、無線端末装置に送信する。無線端末装置は、サーバからの情報を用いて該当するPNオフセットの基地局を観測し、観測した測距結果を用いて前述した実施の形態のリピータ局検出方法を実行する。
【0061】
この場合、無線端末装置で位置を計算してもよいが、遅延プロファイルから計算した無線端末装置と各基地局との測距結果を無線ネットワークを介してサーバ装置に送信し、サーバ装置において無線端末装置の位置を計算するように構成することもできる。
【0062】
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
【0063】
(1)前記記憶手段には、各基地局の情報として、リピータ局が配下にあるかどうか判定識別子を記憶することを特徴とする無線端末装置。
【0064】
(2)前記リピータ局検出手段は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて(例えば、前記無線局からの信号の受信タイミングが、他の無線局からの信号の受信タイミングよりも所定の時間より遅れているとき)、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする位置測定システム。
【0065】
(3)前記リピータ検出手段は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とする位置測定システム。
【0066】
(4)前記リピータ検出手段は、前記受信信号のうち、前記信号の電力又は振幅が最大となる信号について、リピータ局からの信号であるか否かを判定することを特徴とする位置測定システム。
【0067】
(5)前記無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を記憶する記憶手段を備え、
前記リピータ検出手段は、
前記記憶手段に記憶されたリピータ局に関する情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする位置測定システム。
【0068】
(6)前記リピータ検出手順は、前記受信信号のうち、前記信号の電力又は振幅が最大となる信号について、リピータ局からの信号であるか否かを判定することを特徴とする位置計算方法。
【0069】
(7)前記リピータ検出手順は、
記憶手段に記憶された無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする位置検出方法。
【0070】
(8)前記リピータ検出手順は、
無線ネットワークに接続された記憶装置に記憶されたリピータ局に関する情報を前記記憶装置から入手して、前記入手した情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする位置検出方法。
【0071】
(9)前記無線局から送信された信号を受信して、その受信タイミングを測定する受信タイミング測定手順と、
無線ネットワークにつながるサーバ装置に、前記測定された受信タイミングを無線回線を介して送信する受信タイミング送信手順と、を備え、
前記リピータ検出手順は、前記送信された受信タイミングに基づいて、該受信信号を送信した無線局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定することを特徴とする位置検出方法。
【0072】
(10)前記リピータ局検出手段は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて(例えば、前記無線局からの信号の受信タイミングが、他の無線局からの信号の受信タイミングよりも所定の時間より遅れているとき)、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とするサーバ装置。
【0073】
(11)前記リピータ検出手段は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とするサーバ装置。
【0074】
(12)前記リピータ検出手段は、前記受信信号のうち、前記信号の電力又は振幅が最大となる信号について、リピータ局からの信号であるか否かを判定することを特徴とするサーバ装置。
【0075】
(13)前記無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を記憶する記憶手段を備え、
前記リピータ検出手段は、
前記記憶手段に記憶されたリピータ局に関する情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とするサーバ装置。
【0076】
(14)前記記憶手段には、各基地局の情報として、リピータ局が配下にあるかどうか判定識別子を記憶することを特徴とするサーバ装置。
【0077】
(15)前記リピータ局検出手順は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて(例えば、前記無線局からの信号の受信タイミングが、他の無線局からの信号の受信タイミングよりも所定の時間より遅れているとき)、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする半導体装置。
【0078】
(16)前記リピータ検出手順は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とする半導体装置。
【0079】
(17)前記リピータ検出手順は、前記受信信号のうち、前記信号の電力又は振幅が最大となる信号について、リピータ局からの信号であるか否かを判定することを特徴とする半導体装置。
【0080】
(18)前記リピータ検出手順は、
記憶手段に記憶された無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする半導体装置。
【0081】
(19)前記リピータ検出手順は、
無線ネットワークに接続された記憶装置に記憶されたリピータ局に関する情報を前記記憶装置から入手して、前記入手した情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする半導体装置。
【0082】
(20)前記無線局から送信された信号を受信して、その受信タイミングを測定する受信タイミング測定手順と、
無線ネットワークにつながるサーバ装置に、前記測定された受信タイミングを無線回線を介して送信する受信タイミング送信手順と、を備え、
前記リピータ検出手順は、前記送信された受信タイミングに基づいて、該受信信号を送信した無線局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定することを特徴とする半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の無線端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の無線端末装置の位置測定の原理を説明する図である。
【図3】リピータ局の近傍で複数の局を測定した得た遅延プロファイル図である。
【図4】第1の実施の形態の位置計算方法のフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態のリピータ局検出方法のフローチャートである
【図6】第2の実施の形態の位置計算方法のフローチャートである。。
【図7】第2の実施の形態のリピータ局検出方法のフローチャートである。
【図8】リピータ局の直下で近辺の基地局を測定した得た遅延プロファイル図である。
【図9】第2の実施の形態のシンクチャネル検出方法のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の無線位置測定システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 RF部
3 ベースバンド部
4 制御チャネル用逆拡散部
5 制御チャネル用検波部
6 パイロット信号用相関器
7 記憶部(メモリ)
8 CPU
MS 端末装置
BS0、BS1、BS2、BS3 基地局
RP リピータ局

Claims (20)

  1. 無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、
    前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手段と、を備え
    前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、又は、
    前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とする無線端末装置。
  2. 無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する無線端末装置であって、前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手段と、を備える無線端末装置。
  3. 前記リピータ局検出手段は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする請求項に記載の無線端末装置。
  4. 前記リピータ検出手段は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とする請求項に記載の無線端末装置。
  5. 前記リピータ検出手段は、前記受信信号のうち、前記信号の電力又は振幅が最大となる信号について、リピータ局からの信号であるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の無線端末装置。
  6. 前記無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記リピータ検出手段は、
    前記記憶手段に記憶されたリピータ局に関する情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
    該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の無線端末装置。
  7. 前記無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を記憶する記憶装置を備えた無線ネットワークに接続され、
    前記リピータ検出手段は、
    無線ネットワークを介して、前記記憶装置に記憶されたリピータ局に関する情報を前記記憶装置から入手して、前記入手した情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
    該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の無線端末装置。
  8. 前記無線局から送信された信号を受信して、その受信タイミングを測定する受信タイミング測定手段と、
    無線ネットワークにつながるサーバ装置にて受信信号を送信した無線局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定させるために、前記測定された受信タイミングを無線回線を介して送信する受信タイミング送信手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の無線端末装置。
  9. 無線端末装置に対して信号を送信する無線局と、
    該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局と、
    受信信号によって端末装置の位置を計算するために、複数の無線局からの信号を受信する無線端末装置と、を備えた位置測定システムであって、
    前記受信信号のうち前記リピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、
    前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手段と、を備え
    前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする位置測定システム。
  10. 無線端末装置に対して信号を送信する無線局と、
    該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局と、
    受信信号によって端末装置の位置を計算するために、複数の無線局からの信号を受信する無線端末装置と、を備えた位置測定システムであって、
    前記受信信号のうち前記リピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、
    前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手段と、を備える位置測定システム。
  11. 前記無線局の配下にリピータ局が存在するかの情報を記憶する、無線ネットワークに接続された記憶装置を備えた、
    前記リピータ検出手段は、
    無線ネットワークを介して、前記記憶装置に記憶されたリピータ局に関する情報を前記記憶装置から入手して、前記入手した情報を用いて、受信信号がリピータ局からの信号の可能性があるか否かを判定し、
    該受信信号がリピータ局からの信号の可能性がある場合に、前記リピータ局の検出を行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の位置測定システム。
  12. 前記無線局から送信された信号を受信して、その受信タイミングを測定する受信タイミング測定手段と、
    無線ネットワークにつながるサーバ装置にて受信信号を送信した無線局の配下にリピータ局が存在するか否かを判定させるために、前記測定された受信タイミングを無線回線を介して送信する受信タイミング送信手段と、を備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の位置測定システム。
  13. 無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する位置計算方法であって、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて、該無線局が送信した信号と区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、
    前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手順と、を備え
    前記リピータ局検出手順において、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする位置計算方法。
  14. 無線端末装置に対して信号を送信する複数の無線局からの信号を受信して、その受信信号によって端末装置の位置を計算する位置計算方法であって、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、
    前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手順と、を備える位置計算方法。
  15. 前記リピータ局検出手順は、前記無線局からの信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とする請求項14に記載の位置計算方法。
  16. 前記リピータ検出手順は、前記無線局からの信号が所定数のセクタしか観測できない場合に、該無線局をリピータ局であると判定することを特徴とする請求項13又は14に記載の位置計算方法。
  17. 複数の無線局からの信号を受信した無線端末装置の位置を計算するサーバ装置であって、
    前記無線端末装置が受信した信号の受信タイミングに基づいて、端末装置の位置を計算する位置計算手段と、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、を備え、
    前記位置計算手段は、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算し、
    前記リピータ局検出手段は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定することを特徴とするサーバ装置。
  18. 複数の無線局からの信号を受信した無線端末装置の位置を計算するサーバ装置であって、
    前記無線端末装置が受信した信号の受信タイミングに基づいて、端末装置の位置を計算する位置計算手段と、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手段と、を備え、
    前記位置計算手段は、前記リピータ局検出手段がリピータ局からの信号を検出した場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をすることを特徴とするサーバ装置。
  19. プログラムを記憶可能なメモリと、CPUとを備えた半導体装置であって、
    前記メモリには、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて、該無線局が送信した信号と区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、
    前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局からの信号を除外して、他の無線局からの信号を用いて端末装置の位置を計算する位置計算手順とを、コンピュータに実行させるプログラムが記憶され、
    前記リピータ局検出手順は、前記無線局からと判断される信号の受信タイミングと他の無線局からの信号の受信タイミングとの時間差に対応する距離と、該無線局と該他の無線局との間の距離との比較結果に基づいて、該無線局を前記リピータ局であると判定し、
    前記CPUは、前記メモリに記憶保持された前記プログラムを実行することを特徴とする半導体装置。
  20. プログラムを記憶可能なメモリと、CPUとを備えた半導体装置であって、
    前記メモリには、
    前記受信信号のうち、該無線局が送信した信号に基づいて生成され、該無線局が送信した信号との区別が困難な信号を送信するリピータ局からの信号を検出するリピータ局検出手順と、
    前記リピータ局検出手順によってリピータ局からの信号が検出された場合、該検出されたリピータ局の位置を端末装置の位置として計算をする位置計算手順と、コンピュータに実行させるプログラムが記憶され、
    前記CPUは、前記メモリに記憶保持された前記プログラムを実行することを特徴とする半導体装置。
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