JP3731890B2 - 骨置換剤のためのバイオ物質 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の領域
本発明は新規バイオ物質、すなわち、顆粒状の骨置換剤のための結合溶液およびヒアルロン酸およびヒアルロン酸誘導体からなるペースト状の骨置換剤に関する。
関連技術の記載
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸はD−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルクロン酸との交互の残基から構成される天然ポリサッカライドの一つである。これは入手の由来、製造した方法および分子量を測定した方法に依存する広範囲の分子量を持つ線状ポリマーである。天然においては、それは細胞周囲のゲル中に、脊椎動物の結合組織の基礎的物質中に主成分として、関節の滑液中に、硝子体液中に、臍帯組織中に、および家鶏のトサカ中に存在する。
明確な分子量を持つ特殊なヒアルロン酸であって、それが炎症作用を持たず、またそれ故に創傷治癒の促進または球内液の代用として使用でき、または関節疾患の治療において本願出願人に付与された欧州特許第0138572号に記載のように関節内注射により使用できるものが知られている。
また、その酸のカルボキシ基の全部または一部がエステル化されているヒアルロン酸エステルおよびそれらの医薬、化粧品および生分解性プラスティックスの分野における使用もこれも本願出願人に付与された米国特許第4851521号および4965353号に記載されているように知られている。
ヒアルロン酸が組織修復過程、特に肉芽組織形成の第一段階において、凝固マトリックス安定化および分解制御、多形核および単核白血球のような炎症細胞、線維芽細胞および内皮細胞のような間葉細胞の漸増に向かって、および上皮細胞の後続移動を指向して、基礎的な役割を果たすことが知られている。
床擦れ、創傷および火傷へのヒアルロン酸溶液の適用が治癒を促進することが知られている。組織修復の種々の段階におけるヒアルロン酸の役割は、理論的モデルを構成することによってWeigel,P.H.などの「炎症反応および創傷治癒過程の早期段階におけるヒアルロン酸およびフィブリンの役割についてのモデル(A・model・for・the・role・of・hyaluronic・acid・and・fibrin・in・the・early・events・during・the・inflammatory・response・and・wound・healing)」、J.Theor.Biol.、119巻:219頁、1986年に記載されている。
顆粒骨置換剤
顆粒骨置換剤は広範に研究され、その生適合性および骨誘導性のために、およびそれらが歯槽骨萎縮により生じた窩、抜歯後の窩および嚢胞性窩のような種々の形の空洞を容易に満たすので歯科および医科で使用されている。この物質を使用する時の主たる困難は適用中または適用後のいずれかに容易に除去されるようなその結合性の欠如によって起きる。この欠陥を克服するために、骨顆粒を含むペーストを製造することによる種々の型の結合剤が提案されている。フィブリンは日本特許出願60254640号および日本特許出願60254641号に記載されているように既に使用されている。
フィブリンを結合剤として使用することの短所の一つは、それがヒト由来であるために肝炎ウイルスならびにHIVその他のウイルスによる感染を起こしうることである。それ故、欧州特許出願第0416398号に記載されているようにプルラン、キチン、グリコール、カルボメチレンキチンおよびペクチンのような代用物質が提案されている。
本発明の要約
本発明の目的は全ての歯科または外科における使用のために、顆粒型の骨置換剤を結合するための、単独または組合せにおいて使用されるヒアルロン酸および/またはヒアルロン酸エステルまたは、抗生物質と複合体形成したヒアルロン酸の塩から構成される粘着性の溶液を提供することである。このような溶液は素晴らしい生適合性および生吸収性を持ち、感染症のような問題を起こし難い。
本発明の他の目的は、単独または組合せにおいて使用されるヒアルロン酸および/またはヒアルロン酸エステルまたは、抗生物質と複合体形成したヒアルロン酸の塩、の粘着性の溶液および骨顆粒を含むペーストを提供することである。ペーストに添加される顆粒は互いに強固に接着して歯科および骨外科におけるそれらの使用を容易にする。
本発明の別の適用性の範囲は以下に提供する詳細な記載から明白になるであろう。しかし、当業者にとってはこの詳細な記述から種々の変化および修飾が明白になるであろうから、この詳細な記載および特定的な実施例は本発明の好適な態様を示すものではあるが、説明のためにのみ記載されるものであることを理解すべきである。
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明は本発明を実行する当業者を援助するために提供するものである。それでも、当分野において通常の技術を有するものが本発明的発見の真意または範囲から離れることなしに、ここに討議する態様に修飾と変化をなしうるであろうから、以下の詳細な記載は本発明を不当に限定するものと解釈すべきではない。
ここに引用する参考文献は各内容全体を参考のために記載するものである。
前記目的は単独または組合せにおいて使用されるヒアルロン酸、ヒアルロン酸エステルまたは、抗生物質と複合体形成したヒアルロン酸の塩を水に溶解して高度に粘着性の溶液を形成することによって達成される。そのような溶液の粘度は25℃の温度および相対湿度50%±5%で少なくとも15Pa.s、好ましくは22Pa.s以上である。粘度が下限に近づくほど、溶液は流動性となり;粘度が大きいほど、溶液は粘くなる。理想的な作業条件のための正しい粘度は個人に依存するパラメータであり、その個人が溶液濃度を変えることでその粘度を変更できる。この溶液に含まれる物質の分子量のような性質は必要とされる粘着性の程度に従って選択できる。
本発明による溶液はあらかじめガンマ線で滅菌したヒアルロン酸、ヒアルロン酸の部分エステルまたはその混合物または、抗生物質と複合体形成したヒアルロン酸の塩またはその混合物を無菌水または緩衝液に溶解することによって製造される。
本発明において使用できるヒアルロン酸のエステルは米国特許第4851521号および第4965353号およびPCT公開WO92−13579号に記載されている。本発明において抗生物質とともに使用できるヒアルロン酸の塩は米国特許第5166331号に記載されている。これらは単独または相互の種々の組合せまたはヒアルロン酸とともに使用できる。
粉末を無菌蓋下、25℃±2℃の温度および湿度50%±5%の溶解槽に入れる。溶解は逆の方向に回転する2個の螺旋エレメントからなる混合機中で達成できる。
操作条件は所望の粘度に依存し、以下の通りであることができる:
Figure 0003731890
使用前に2時間真空(最低0.01ミリバール)に放置することによって溶液からすべての空気を除去する。無菌物質で製造した溶液をポアサイズ0.22μmの濾板を通して濾過することによって除菌することもできる。この場合、濾過を促進するために、溶液をまずその使用のために必要とするであろうよりも低粘度に調製することができる。次にこれを濾過し、続いて所期の粘度に対応する濃度に達するまで真空下に蒸留する。このようにして製造した溶液を骨顆粒と混合して骨窩および欠損を満たすために使用されるペーストを形成できる。溶液の量と顆粒の量の間の比率は1:3w/wまたはそれ以上である。もし溶液量が少な過ぎたら、顆粒は相互に結合しないので、さらに溶液を加えなければならない。もしペーストが容易な適用のために流動性であり過ぎたら、それを約2分間高真空下に置き、正しい粘りが得られるまでこの操作を反復することができる。
本発明で使用できる骨顆粒は特別には制限されない。一般に、既に通常に使用中のものを使用することができる。これらのものの例は米国特許第4693986号および第4629464号に見出すことができる。顆粒の直径は50μmと5mmの間であることができ、また、それらは多孔質または非孔質であることができる。生適合性について好適な物質の中にはヒドロキシアパタイト、燐酸トリカルシウムおよび炭酸カルシウムの顆粒がある。
純粋に説明的目的のために、以下に本発明の溶液およびペースト製造の数例を記載する。
ヒアルロン酸エステル
本発明において有用なヒアルロン酸のエステルはヒアルロン酸の脂肪族、芳香脂肪族、脂環またはヘテロ環アルコールとのエステルであって、その中にはヒアルロン酸のカルボキシル基全部(所謂「全エステル」)または部分的にのみ(所謂「部分エステル」)がエステル化されているもの、および部分エステルと薬理学的観点から生適合性または許容性のある金属または有機塩基との塩である。
有用なエステルは注目すべき薬理学的作用を持つアルコールから誘導されるエステルを含む。脂肪族系の飽和アルコールまたは脂環系の単純なアルコールは本発明において有用である。
前記エステルにおいてカルボキシル基のいくつかが遊離であるもの(すなわち部分エステル)では、アルカリまたはアルカリ土類金属またはアンモニアまたは窒素性有機塩基のような金属または有機塩基で塩形成しうる。
ヒアルロン酸(「HY」)のエステルは殆どがHY自身とは異なり、有機溶媒にある程度の溶解性を示す。この溶解度はエステル化されたカルボキシル基の百分率およびカルボキシル基に結合したアルキル基のタイプに依存する。故に、そのカルボキシル基が全部エステル化されたHY化合物は、室温では、例えばジメチルスルホキシドに良い溶解度を示す(HYのベンジルエステルはDMSO中で200mg/mL程溶解する)。HYの全エステルは殆どHYおよび特にその塩とは異なり水には溶解度が乏しく、水には実質的に不溶性である。溶解特性は、特殊なそして注目すべき粘塑性とともにHYエステルを複合膜における使用に対して殊に好適にする。
複合膜における使用に対して本発明のヒアルロン酸のカルボキシル基のエステル化成分として使用される脂肪族系アルコールは、例えば最大34炭素原子を持ち、飽和または不飽和であり、アミン、ヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、メルカプタンまたはカルボキシル基またはヒドロカルビルまたはジヒドロカルビルアミン基(以下においては用語「ヒドロカルビル」は炭化水素のCn2n+1型のような一価残基のみならず、「アルキレン」Cn2nまたは「アルキリデン」Cn2nのような二価または三価残基を示すためにも用いる)、エーテルまたはエステル基、アセタールまたはケタール基、チオエーテルまたはチオエステル基およびエステル化カルボキシルまたはカルバミド基および1個またはそれ以上のヒドロカルビル基、ニトリル基またはハロゲンで置換されたカルバミド、のようなこれらから誘導された基のような他の遊離の官能基または修飾された官能基で置換されていてもよい。
ヒドロカルビル残基を含む前記基において、それらは好ましくは最大6炭素原子を持つアルキルのような低級脂肪族残基である。このようなアルコールは炭素原子鎖中に酸素、窒素および硫黄原子のようなヘテロ原子を含みうる。好適なのは前記官能基1個または2個で置換されているアルコールである。
好ましく使用される前記群のアルコールは炭素原子最大12個、特に6個を持ち、前記アミン、エーテル、エステル、チオエーテル、チオエステル、アセタール、ケタール基におけるヒドロカルビル原子が最大4個の炭素原子を持つアルキル基を表し、また、エステル化カルボキシルまたは置換カルバミド基においてはヒドロカルビル基が同数の炭素原子を持つアルキルであり、そしてアミンまたはカルバミド基において最大8個の炭素原子を持つアルキレンアミンまたはアルキレンカルバミド基でありうる。これらアルコールについて、特に好適なのはメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、第3級ブチルアルコール、アミル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニルおよびドデシルアルコールのような飽和および非置換アルコールであり、そして、とりわけ、ノルマルオクチルおよびドデシルアルコールのように線状鎖を持つものである。この群の置換アルコールのうちで、エチレングリコールおよびブチレングリコールのような2価アルコールは有用であり、グリセリンのような3価アルコール、タートロンアルコールのようなアルデヒドアルコール、例えばグリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など乳酸類のようなカルボキシルアルコール、ノルマルアミノエタノール、アミノプロパノール、ノルマルアミノブタノールおよびこれらのアミン官能におけるジメチル化およびジエチル化誘導体、コリン、ピロリジニルエタノール、ピペリジニルエタノール、ピペラジニルエタノールおよびノルマルプロピルまたはノルマルブチルアルコールの対応する誘導体、モノチオエチレングリコールまたはそのメルカプタン官能におけるエチル誘導体のようなアルキル化誘導体のようなアミノアルコールである。
高級飽和脂肪族アルコールのうちで、好適なのはセチルアルコールおよびミリシルアルコールであるが、本発明の目的のためにはシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ネロリドール、リナロール、ファルネソール、フィトールのように特に多数の精油に含まれ、テルペンに親和性を持つような二重結合1個または2個を持つ高級不飽和アルコールは特に重要である。不飽和低級アルコールのうちで、アリルアルコールおよびプロパルギルアルコールは考慮する必要がある。芳香脂肪族アルコールのうちで、ベンゼン環1個のみを持ち、脂肪族鎖が最大4個の炭素原子を持ち、ベンゼン残基は1個と3個との間のメチルまたはヒドロキシル基またはハロゲン原子、特に塩素、臭素およびヨード、で置換されることができ、脂肪族鎖は遊離アミン基またはモノ−またはジメチル化されたものを含む基またはピロリジンまたはピペリジン基から選ばれる官能基1個またはそれ以上で置換されうるものが好適である。これらのアルコールのうちで、最も好適なのはベンジルアルコールおよびフェネチルアルコールである。
脂環または脂肪族脂環系列のアルコールはモノ−またはポリ環状炭化水素から誘導されうるし、好ましくは最大34個の炭素原子を持ちうるし、非置換および脂肪族アルコールについて前記したような置換基1個またはそれ以上を含みうる。モノ環環状炭化水素から誘導されたアルコールのうちで、好適なのは最大12個の炭素原子を持ちうるし、例えば1個と3個との間のメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル基のような低級アルキル基で置換されうる好ましくは5個と7個との間の炭素原子を持つ環を持つものが好適である。この群の特定的なアルコールとして、次のものは最も好適である:シクロヘキサノール、シクロヘキサンジオール、1,2,3−シクロヘキサントリオールおよび1,3,5−シクロヘキサントリオール(フロログルチトール)、イノシトールおよびカルボメントール、メントール、α〜γ−テルピネオール、1−テルピネオール、4−テルピネオールおよびピペリトールまたは「テルピネオール」として知られているこれらのアルコールの混合物、1,4−および1,8−テルピンのようなp−メタンから誘導されるアルコール。チュヤン、ピナンまたはコファンのような縮合環を持つ炭化水素から誘導したアルコールのうちで、次のものは好適である:チュヤノール、サビノール、ピノール水和物、D−およびL−ボルネオールおよびD−およびL−イソボルネオール。
本発明のエステルのために使用されるべき脂肪族−脂環多環アルコールはステロール、コール酸および性ホルモンおよびそれらの合成類縁体のようなステロイド、特にコルチコステロイドおよびその誘導体である。それ故、コレステロール、ジヒドロコレステロール、エピジヒドロコレステロール、コプロスタノール、エピコプロスタノール、シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、胆汁酸、デオキシコール酸、リトコール酸、エストリオール、エストラジオール、エキレニン、エキリンおよびそれらのアルキル化誘導体ならびに17α−エチニルエストラジオール、7α−メチル−17α−エストラジオールのようなそれらの17位におけるエチニルまたはプロピニル誘導体、プレグネノロン、プレグナンジオール、テストステロンおよび17α−メチルテストステロン、1,2−デヒドロテストステロンおよび17α−メチル−1,2−デヒドロテストステロンのようなその誘導体、17α−エチニルテストステロン、17α−プロピニルテストステロンのようなテストステロンおよび1,2−デヒドロテストステロンの17位におけるアルキニル化誘導体、ノルゲステロール、ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、19−ノルテストステロン、19−ノル−17α−メチルテストステロンおよび19−ノル−17α−エチニルテストステロン、シプロテロンのような抗ホルモン、コルチゾン、ヒドロキシコルチゾン、プレドニソン、プレドニソロン、フルオロコルチゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン、フルメタゾン、フルオシノロン、フルプレドニリデン、クロベタゾール、ベクロメタゾン、アルドステロン、デオキシコルチコステロン、アフラキソロン、アルファドロンおよびボラステロン:を用いることが可能である。本発明のエステルのためのエステル化成分としては次のものが有用である:ジギトキシゲニン、ギトキシゲニン、ジゴキシゲニン、ストロファンチジン、チゴゲニンおよびサポニンのような強心配糖体のゲニン(アグリコン)。
本発明に従って使用される他のアルコールはアクセロフトール、ビタミンD2とD3、アネウリン、ラクトフラビン、アスコルビン酸、リボフラビン、チアミンおよびパントテン酸のようなビタミンの類である。
ヘテロ環状酸のうちで、次のものはもし、それらの線状または環状鎖が1個またはそれ以上、例えば1個と3個との間のヘテロ原子、例えば−O−、−S−、−Nおよび−NH−から形成される群から選ばれるものを含んでおり、これらの中で1個またはそれ以上の不飽和結合、例えば2重結合、殊に1個と3個との間のものがありうるので、芳香性構造を持つヘテロ環化合物を含むものを前記脂環または脂肪族脂環アルコールの誘導体として考慮することができる。例えば、以下のものに言及すべきである:フルフリルアルコール、アトロピン、スコポラミン、シンコニン、1aシンコニジン、キニン、モルフィン、コデイン、ナロルフィン、臭化N−ブチルスコポランモニウム、アジマリンのようなアルカロイドおよび誘導体;エフェドリン、イソプロテレノール、エピネフリンのようなフェニルエチルアミン;ペルフェナジン、ピポチアジン、カルフェナジン、ホモフェナジン、アセトフェナジン、フルオフェナジンおよび塩化N−ヒドロキシエチルプロメタジンのようなフェノチアジン薬剤;フルペンチキソルおよびクロペンチキソルのようなチオキサンテン薬剤;メプロフェンジオールのような抗痙攣剤;オピプラモールのような抗精神病剤;オキシペンジルのような抗嘔吐剤;カルベチジンおよびフェノペリジンおよびメタドールのような鎮痛剤;エトドロキシジンのような催眠剤;ベンジドロールおよびジフェメトキシジンのような食欲抑制剤;ヒドロキシジンのようなマイナートランキライザー;シンナメドリン、ジフィリン、メフェネシン、メトカルバモール、クロルフェネシン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、グアイフェネシン、ヒドロシラミドのような筋肉弛緩剤;ジピリダモールおよびオキシフェドリンのような冠動脈血管拡張剤;プロパノール、チモロール、ピンドロール、ブプラノロール、アテノロール、メトロプロール、プラクトロールのようなアドレナリン阻害剤;6−アザウリジン、シタラビン、フロクスウリジンのような抗新生物剤;クロラムフェニコール、チアムフェニコール、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、リンコマイシンのような抗生物質;イドクスウリジンのような抗ウイルス剤;イソニコチニルアルコールのような抹消血管拡張剤;スロカルビレートのような炭酸アンヒドレース阻害剤;チアラミドのような抗喘息および抗炎症剤;2−p−スルファニロノエタノールのようなスルファミド剤。
エステル基が治療上活性なヒドロキシル性物質2個またはそれ以上から誘導され、当然全ての可能な変種が得られるような場合にはヒアルロン酸エステルは注目されうる。特に興味深いものはヒドロキシル性薬剤から誘導される2種の異なるエステル基が存在し、残りのカルボキシル基は遊離であるか、金属または塩基で塩を形成し、塩基もそれ自身が、例えばエステル化成分のと同一または類似の活性を持つ治療的に活性でありうる物質である。殊に、一方は前記したものの一つのような抗炎症ステロイド、他方は前記したものの一つのようなビタミンから、アルカロイドからまたは抗生物質からヒアルロン酸エステルを誘導することもできる。
本発明のHYエステルの製造法
方法A
ヒアルロン酸のエステルはカルボン酸のエステル化のためにそれ自体公知の方法、例えば強無機酸または酸型イオン交換剤のような触媒する物質の存在下の遊離ヒアルロン酸の所期アルコールでの処理、または無機または有機塩基の存在下の所期アルコール性残基を導入することのできるエーテル化剤での処理によって製造しうる。エステル化剤としては特に種々の無機酸のまたは有機スルホン酸のエステルのような、ヨウ化メチルまたはエチルのようなハロゲン化炭化水素である水素酸のエステル、または中性スルフェートまたは炭化水素酸、アルファイト、カーボネート、シリケート、ホスファイトまたはメチルベンゼンまたはp−トルエンスルホネートまたはクロロスルホン酸メチルまたはエチルのような炭化水素化スルホネートのような文献公知のものを使用することができる。反応は、例えばカルボキシル基に導入すべきアルキル基に対応するもののようなアルコールのような適当な溶媒中で起こしうる。しかし、反応はケトン、ジオキサンのようなエーテルのような非極性溶媒中またはジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中でも起こしうる。塩基としては、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属のヒドレートまたはマグネシウムまたは銀の酸化物または炭酸塩のようなこれらの金属の塩基性塩および有機塩基のもの、ピリジンまたはコリジンのような3級窒素塩基を使用することが可能である。塩基の代わりに塩基型のイオン交換剤を使用することも可能である。
別のエステル化法では金属塩または、例えばアンモニウムまたはアンモニウム置換塩のような、有機窒素塩基との塩を採用する。好ましくは、アルカリまたはアルカリ土類金属の塩が用いられるが、他のどのような金属塩も用いうる。この場合エステル化剤も前記のものであるが、溶媒についても同様である。例えば、ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミドのような、非プロトン溶媒を用いるのが好ましい。
この操作に従ってまたは以下に記載する他の操作に従って得られたエステルにおいて、部分エステルの遊離カルボキシル基は、所望であれば、それ自体公知の方法で塩形成(salify)しうる。
方法B
ヒアルロン酸エステルはヒアルロン酸の4級アンモニウム塩を、好ましくは非プロトン性有機溶媒中で、エステル化剤で処理することから構成される方法によっても製造しうる。
有機溶媒としては、ジアルキルスルホキシド、ジアルキルカルボキサミド、特にジメチルスルホキシドである殊に低級アルキルジアルキルスルホキシド、およびジメチルまたはジエチルホルムアミドまたはジメチルまたはジエチルアセトアミドのような低級脂肪族酸の低級アルキルジアルキルアミドのような非プロトン溶媒を使用することが好ましい。
しかし、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、特にヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロエタノールおよびN−メチルピロリドンのような低沸点を持つ脂肪族またはヘテロ環アルコールおよびケトンのように必ずしも非プロトン性でない他の溶媒も考慮すべきである。
反応は、好ましくは約0℃と100℃との間、特に約25℃と75℃との間の範囲、例えば約30℃の温度で行う。
エステル化は、好ましくは徐々にエステル化剤を前記アンモニウム塩に前記溶媒の一つで添加することによって、実施する。
アルキル化剤としては、例えばアルキルハロゲンのような、特に炭化水素化ハロゲンである、前記のものを用いることが可能である。出発4級アンモニウム塩として、低級アンモニウムテトラアルキレート、好ましくはアルキル基が炭素原子1個と6個との間を持つもの、を用いることが好ましい。多くはヒアルロン酸テトラブチルアンモニウムを用いる。ヒアルロン酸の金属塩、好ましくは前記のものの一つ、特にナトリウムまたはカリウム塩を水溶液中で、4級アンモニウム塩基で塩形成させたスルホン酸樹脂とを反応させてこれら4級アンモニウム塩を製造することが可能である。
前記操作の変種の一つはジメチルスルホキシドのような適当な溶媒中に懸濁したヒアルロン酸のカリウムまたはナトリウム塩を適当なアルキル化剤と触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムのような4級アンモニウム塩の存在下に反応させることから構成される。
ヒアルロン酸エステルの製造のためには、例えば前記天然出発物質、例えば家鶏のトサカ、から抽出された酸のようにどの由来のヒアルロン酸も用いることが可能である。その酸の製造は文献に記載されており:好ましくは精製ヒアルロン酸を用いる。特に用いられるのは広範囲に分布する分子量、例えば13百万の分子量を持つ全酸の分子量の約90%〜80%(MW=11.7〜10.4百万)から0.2%(MW=30000)まで、好ましくは5%と0.2%との間、を持つ有機物質の抽出によって直接に得られた全酸の分子画分からなるヒアルロン酸である。この画分は加水分解、酸化、酵素的または機械的または拡散操作のような物理的操作のような文献記載の種々の操作により得られうる。それ故、プリモディアル抽出物がしばしばこれらの同じ文献操作の間に形成される(例えば、前記引用Balazsなどの文献「化粧品とトイレトリー(Cosmetics・&・Toiletries)」参照)。得られる分子画分の分離と精製は、例えば分子濾過によるような公知技術で行う。
加えるに有用なのは、例えば欧州特許公開第0138572号に記載されているもののようなヒアルロン酸から得られる精製画分である。
前記特定エステル化操作のための出発塩の製造のための前記金属によるHYの塩形成は、それ自体公知の方法、例えばHYと計算量の塩基、例えばアルカリハイドレートまたはその金属の炭酸塩または重炭酸塩のような塩基性塩、とを反応させるもの、で行う。
部分エステルでは塩基量を所期の程度の塩形成が得られるようにして処方して残余のカルボキシル基全部または一部のみを塩形成させることが可能である。正しい塩形成の程度により、広範囲の種々の分離恒数を持ち、それ故溶液中でまたは治療的投与の時の「インシチュ」において所期のpHを与えるエステルを得ることが可能である。
製造例
以下は本発明の複合膜に有用なヒアルロン酸エステルの製造を例示する。
実施例1 ヒアルロン酸(HY)の(部分)プロピルエステルの製造
−エステル化カルボキシル基50%
−塩形成カルボキシル基(Na)50%
分子量170000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化プロピル1.8g(10.6m.Eq.)を加え、得られる溶液を30℃の温度に12時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水(5:1)で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分プロピルエステル化合物7.9gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例2 ヒアルロン酸(HY)の(部分)イソプロピルエステルの製造−エステル化カルボキシル基50%−塩形成カルボキシル基(Na)50%
分子量160000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化イソプロピル1.8g(10.6m.Eq.)を加え、得られる溶液を30℃に12時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分イソプロピルエステル化合物7.8gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例3 ヒアルロン酸(HY)の(部分)エチルエステルの製造−エステル化カルボキシル基75%−塩形成カルボキシル基(Na)25%
分子量250000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化エチル2.5g(15.9m.Eq.)を加え、得られる溶液を30℃に12時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分エチルエステル化合物7.9gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例4 ヒアルロン酸(HY)の(部分)メチルエステルの製造−エステル化カルボキシル基75%−塩形成カルボキシル基(Na)25%
分子量80000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化メチル2.26g(15.9m.Eq.)を加え、得られる溶液を30℃に12時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水(5:1)で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分メチルエステル化合物7.8gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例5 ヒアルロン酸(HY)のメチルエステルの製造
分子量120000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化メチル3g(21.2m.Eq.)を加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のエチルエステル生成物8gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例6 ヒアルロン酸(HY)のエチルエステルの製造
分子量85000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化エチル3.3g(21.2m.Eq.)を加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のエチルエステル生成物8gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例7 ヒアルロン酸(HY)のプロピルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化プロピル3.6g(21.2m.Eq.)を加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のプロピルエステル生成物8.3gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例8 ヒアルロン酸(HY)の(部分)ブチルエステルの製造−エステル化カルボキシル基50%−塩形成カルボキシル基(Na)50%
分子量620000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化n−ブチル1.95g(10.6m.Eq.)を加え、得られる溶液を30℃に12時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分ブチルエステル化合物8gが得られる。エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例9 ヒアルロン酸(HY)の(部分)エトキシカルボニルメチルエステルの製造−エステル化カルボキシル基75%−塩形成カルボキシル基(Na)25%
分子量180000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化テトラブチルアンモニウム2gとクロロ酢酸エチル1.84g(15m.Eq.)とを加え、得られる溶液を30℃に24時間維持する。
水62mLおよび塩化ナトリウム9gを含む溶液を加え、得られる混合物を撹拌し続けているアセトン3500mL中に徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間真空乾燥する。
次に生成物を1%の塩化ナトリウムを含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標記の部分エトキシカルボニルメチルエステル化合物10gが得られる。
エトキシ性エステル基の定量をR.H.CundiffとP.C.Markunas[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁、(1961年)]の方法を用いて実施する。
実施例10 ヒアルロン酸(HY)のn−ペンチルエステルの製造
分子量620000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、臭化n−ペンチル3.8g(25m.Eq.)とヨウ化テトラブチルアンモニウム0.2gとを加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のn−ペンチルエステル生成物8.7gが得られる。エステル基の定量をSiggia,S.とHann,J.G.「官能基による有機定量分析(Quantitative・organic・analysis・via・functional・groups)」、第4版、John・Wiley・and・Sons、169〜172頁に記載の方法を用いて実施する。
実施例11 ヒアルロン酸(HY)のイソペンチルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、臭化イソペンチル3.8g(25m.Eq.)とヨウ化テトラブチルアンモニウム0.2gとを加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標題に示したイソペンチルエステル生成物8.6gが得られる。エステル基の定量をSiggia,S.とHann,J.G.「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sons、169〜172頁に記載の方法を用いて実施する。
実施例12 ヒアルロン酸(HY)のベンジルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、臭化ベンジル4.5g(25m.Eq.)とヨウ化テトラブチルアンモニウム0.2gとを加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のベンジルエステル生成物9gが得られる。エステル基の定量をSiggia,S.とHann,J.G.「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sons、169〜172頁に記載の方法を用いて実施する。
実施例13 ヒアルロン酸(HY)のβ−フェニルエチルエステルの製造
分子量125000を持ち、モノマー単位で20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、2−ブロモエチルベンゼン4.6g(25m.Eq.)とヨウ化テトラブチルアンモニウム185mgを加え、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。
標記のβ−フェニルエチルエステル9.1gが得られる。エステル基の定量をSiggia,S.とHann,J.G.「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sons、168〜172頁に記載の方法を用いて実施する。
実施例14 ヒアルロン酸(HY)のベンジルエチルエステルの製造
分子量162000を持つHYカリウム塩3gをジメチルスルホキシド200mLに懸濁し、ヨウ化テトラブチルアンモニウム120mgおよび臭化ベンジル2.4gを添加する。
懸濁液を30℃で48時間撹拌し続ける。撹拌し続けている酢酸エチル1000mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、150mLの酢酸エチルで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。
標題のベンジルエステル3.1gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例15 ヒアルロン酸(HY)の(部分プロピル)エステルの製造−エステル化カルボキシル基85%−塩形成カルボキシル基(Na)15%
分子量1651000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、ヨウ化プロピル2.9g(17m.Eq.)を添加し、得られる溶液を30℃に24時間維持する。
溶液に水62mLおよび塩化ナトリウム9gを添加し、撹拌し続けているアセトン3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で3回およびアセトンで3回洗浄し、最後に30℃で8時間減圧乾燥する。
次に生成物を塩化ナトリウム1%を含む水550mLに溶解し、撹拌し続けているアセトン3000mL中に溶液を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、500mLのアセトン/水5:1で2回およびアセトン500mLで3回洗浄し、最後に30℃で24時間真空乾燥する。標題の部分プロピルエステル化合物8gが得られる。エステル基の定量はR.H.CundiffとP.C.Markunasの方法[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁(1961年)]を使用して実施する。
実施例16 ヒアルロン酸(HY)のn−オクチルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド200mLに25℃で溶解し、1−ブロモオクタン4.1g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題のオクチルエステル生成物9.3gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例17 ヒアルロン酸(HY)のイソプロピルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド620mLに25℃で溶解し、臭化イソプロピル2.6g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題のイソプロピルエステル生成物8.3gが得られる。エステル基の定量はR.H.CundiffとP.C.Markunasの方法[Anal.Chem.、33巻、1028〜1030頁(1961年)]を使用して実施する。
実施例18 ヒアルロン酸(HY)の2,6−ジクロロベンジルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド200mLに25℃で溶解し、臭化2,6−ジクロロベンジル5.08g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題の2,6−ジクロロベンジルエステル生成物9.7gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例19 ヒアルロン酸(HY)の4−テルブチルベンジルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド200mLに25℃で溶解し、臭化4−テルブチルベンジル4.81g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題の4−テルブチルベンジルエステル生成物9.8gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例20 ヒアルロン酸(HY)のヘプタデシルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド200mLに25℃で溶解し、臭化ヘプタデシル6.8g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題のヘプタデシルエステル生成物11gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例21 ヒアルロン酸(HY)のオクタデシルエステルの製造
分子量170000を持ち、モノマー単位20m.Eq.に対応するHYテトラブチルアンモニウム塩12.4gをジメチルスルホキシド200mLに25℃で溶解し、臭化オクタデシル7.1g(21.2m.Eq.)を添加し、溶液を30℃に12時間維持する。
撹拌し続けている酢酸エチル3500mL中に得られる混合物を徐々に注入する。沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル500mLで4回洗浄し、最後に30℃で24時間減圧乾燥する。標題のオクタデシルエステル生成物11gが得られる。エステル基の定量はSiggia,S.とHann,J.G.の方法「官能基による有機定量分析」、第4版、John・Wiley・and・Sonsの169〜172頁を使用して実施する。
実施例22 ヒアルロン酸(HY)の3-フェニルプロピルエステルの調製
分子量170,000のHYテトラブチルアンモニウム塩を12.4g、即ち単量体単位で20m.Eq.相当量を620mlのジメチルスルホキシドに25℃で溶解し、4.22gの3-フェニルプロピルブロミド(21.2m.Eq.)を加えて、溶液を30℃で12時間保持する。
得られた混合液を一定の割合で撹はんしながら徐々に3,500mlの酢酸エチルに注ぐ。生成した沈澱物を濾取し、500mlの酢酸エチルで4回洗浄して最終に30℃で24時間真空乾燥する。表題の3-フェニルプロピルエステル生成物が9g得られる。Siggia S.及びHanna J.G.の方法("Quantitative organic analysis via functional groups", 4th Eddition, John Wiley and Sons, pages 169-172)を用いてエステル基を定量する。
実施例23 ヒアルロン酸(HY)の3,4,5-トリメトキシベンジルエステルの調製
分子量170,000のHYテトラブチルアンモニウム塩を12.4g、即ち単量体単位で20m.Eq.相当量を620mlのジメチルスルホキシドに25℃で溶解し、4.6gの3,4,5-トリメトキシベンジルクロリド(21.2m.Eq.)を加えて、溶液を30℃で12時間保持する。
得られた混合液を一定の割合で撹はんしながら徐々に3,500mlの酢酸エチルに注ぐ。生成した沈澱物を濾取し、500mlの酢酸エチルで4回洗浄して最終に30℃で24時間真空乾燥する。表題の3,4,5-トリメトキシベンジルエステル生成物が10g得られる。Siggia S.及びHanna J.G.の方法("Quantitative organic analysis via functional groups", 4th Eddition, John Wiley and Sons, pages 169-172)を用いてエステル基を定量する。
実施例24 ヒアルロン酸(HY)のシンナミルエステルの調製
分子量170,000のHYテトラブチルアンモニウム塩を12.4g、即ち単量体単位で20m.Eq.相当量を620mlのジメチルスルホキシドに25℃で溶解し、4.2gのシンナミルブロミド(21.2m.Eq.)を加えて、溶液を30℃で12時間保持する。
得られた混合液を一定の割合で撹はんしながら徐々に3,500mlの酢酸エチルに注ぐ。生成した沈澱物を濾取し、500mlの酢酸エチルで4回洗浄して最終に30℃で24時間真空乾燥する。表題のシンナミルエステル生成物が9.3g得られる。Siggia S.及びHanna J.G.の方法("Quantitative organic analysis via functional groups", 4th Eddition, John Wiley and Sons, pages 169-172)を用いてエステル基を定量する。
実施例25 ヒアルロン酸(HY)のデシルエステルの調製
分子量170,000のHYテトラブチルアンモニウム塩を12.4g、即ち単量体単位で20m.Eq.相当量を620mlのジメチルスルホキシドに25℃で溶解し、4.7gの1-ブロモデカン(21.2m.Eq.)を加えて、溶液を30℃で12時間保持する。
得られた混合液を一定の割合で撹はんしながら徐々に3,500mlの酢酸エチルに注ぐ。生成した沈澱物を濾取し、500mlの酢酸エチルで4回洗浄して最終に30℃で24時間真空乾燥する。表題のシンナミルエステル生成物が9.5g得られる。Siggia S.及びHanna J.G.の方法("Quantitative organic analysis via functional groups", 4th Eddition, John Wiley and Sons, pages 169-172)を用いてエステル基を定量する。
実施例26 ヒアルロン酸(HY)のノニルエステルの調製
分子量170,000のHYテトラブチルアンモニウム塩を12.4g、即ち単量体単位で20m.Eq.相当量を620mlのジメチルスルホキシドに25℃で溶解し、4.4gの1-ブロモノナン(21.2m.Eq.)を加えて、溶液を30℃で12時間保持する。
得られた混合液を一定の割合で撹はんしながら徐々に3,500mlの酢酸エチルに注ぐ。生成した沈澱物を濾取し、500mlの酢酸エチルで4回洗浄して最終に30℃で24時間真空乾燥する。表題のノナンエステル生成物が9g得られる。Siggia S.及びHanna J.G.の方法("Quantitative organic analysis via functional groups", 4th Eddition, John Wiley and Sons, pages 169-172)を用いてエステル基を定量する。
塩基性薬物有効成分によるヒアルロン酸の部分塩を用い、金属または塩基によりヒアルロン酸の酸性残基を除去または中和したヒアルロン酸及び抗生物質薬の複合体。これらの複合体は次の様に示される:
Figure 0003731890
塩基性薬物成分によるHYの化学量論的中性塩を用い、さらに多量の薬物成分を添加したヒアルロン酸及び抗生物質薬の複合体。これらは次の様に示される:
Figure 0003731890
塩基性薬物成分によるHYの化学量論的中性塩を用い、さらに多量の薬物成分を添加したヒアルロン酸及び抗生物質薬の複合体。これらは次の様に示される:
種々の薬物成分の任意の混合物によるHYの化学量論的中性塩を用いたヒアルロン酸及び抗生物質薬の複合体。これらは次の様に示される:
Figure 0003731890
上に示した可能な薬剤のいずれの混合物も本発明で使用できる。
有効成分の例
本発明で使用可能な薬物には様々な種類が考え得るが、本質的に塩基性であり、第一、第二、第三もしくは第四級アミンが存在し、薬物の塩基性アミン部位はヒアルロン酸分子酸性部位と結合する。本発明による薬剤で使用される薬理活性物質の例としては、塩基性及び非塩基性抗生物質、例えばアミノ糖系薬剤、マクロライド系薬剤、テトラサイクリン系薬剤及びペプチド系薬剤、その具体例としてゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、カナマイシン、アミカシン、トブラマイシン、スペクチノマイシン、エリスロマイシン、ロリテトラサイクリン、バシトラシン、ポリミキシンB、グラミシジン、コリスチン、クロラムフェニコール、リンコマイシン、バンコマイシン、ノボビオシン、リストセチン、クリンダマイシン、アムホテリシンB、グリセオフルビン、ナイスタチン、もしくは以下に示す様な同一有効成分間または他の有効成分との結合物がある。
本発明により有利に使用されるその他の薬剤としては、ジエチルカルバマジン、メベンダゾル、などのその他の抗感染薬、スルファセタミド、スルファジアジン、スルフイソキサゾールなどのサルファ剤;ヨードデオキシウリジン、アデニンアラビノシド、アシクロビル、エチルデオキシウリジン、ブロモビニルデオキシウリジン及び5-ヨード-5'-アミノ-2',5'-デオキシウリジンがある。
これらの薬物の同一成分及び考え得る他の成分との結合物または混合物もまた本発明に従い抗生物質として使用される。単一の有効物質ではなく複数の有効物質、例えば上述の物質についての結合物または混合物を使用する場合、塩基性有効物質とヒアルロン酸並びにその分子分画との塩とは、これら塩基物質のうちの1つ以上の混合物であるか、または金属や塩基と塩形成した多糖類の残りの酸性基のうち一定量とこの種の物質との混合塩を意味する。
抗生物質のうち、次のものは特に重要である。エリスロマイシン、バシトラシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、オーレオマイシン、グラミシジン及びそれらの結合物:ニトロフラゾン、マフェジド、クロルヘキシジン及び8-ヒドロキシキノリンの誘導体及びそれらの塩。このリストはもちろんほんの一例であり、既知または文献に記載されているその他のあらゆる抗生物質が用いられる。
本発明における抗生物質のヒアルロン酸塩の調製方法
本発明による抗生物質塩の調製は、自体既知の方法で行われる。即ち、計算上求められた量を添加した成分の溶液または懸濁液(水中または有機溶媒中)を組合せ、自体既知の方法に従い無定形無水物として塩を単離する。塩基またはアルカリまたはアルカリ土類金属、マグネシウム、アルミニウムまたはアンモニウムとの塩基性塩を利用することも可能である。例えば、(a)最初に二成分の水溶液を調製し、(b)イオン交換体で処理するために各々の金属塩(例えば硫酸塩及びナトリウム塩)の酸によりこれら成分塩の水溶液から成分を凝固させ、(c)低温、例えば0℃-20℃で2溶液を合わせる。こうして得られた塩が水に溶け易い場合、凍結乾燥をしなければならないが、水に容易に溶けない塩は、遠心分離、濾過またはデカンテーション、次にできるだけ乾燥させることにより分離される。
実施例27 ストレプトマイシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
2.43gのストレプトマイシン硫酸塩(10mEq)を25mlの蒸留水に溶解する。この溶液を15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。脱流溶出物をサーモスタット容器内に5℃で回収する。
分子量255,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。脱流溶出物をストレプトマイシン塩基溶液を撹はんしながら回収する。得られた溶液を凍結し、直ちに凍結乾燥する。このようにして得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がストレプトマイシンの塩基性官能基と塩を形成する。収量:5.5g
ストレプトマイシン標準物を対照としてB.subtilis ATCC上で微生物学的定量を行ったところ、ストレプトマイシン塩基の重量として33.8%の含有量が認められ、理論計算上の重量と一致した。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、重量でヒアルロン酸66.2%の含有量が認められる(理論% - 66.0%)。
実施例28 エリスロマイシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
分子量77,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物を5℃に保つ。
7.34gのエリスロマイシン塩基(10mEq)を5℃で撹はんしながら完全に可溶化するまでHY溶液に加える。得られた溶液を凍結し、凍結乾燥する。このようにして得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がエリスロマイシンと塩を形成する。収量:10.8g
エリスロマイシン標準物を対照としてSt.aureus ATCC6538 P上で微生物学的定量を行ったところ、エリスロマイシン塩基の重量として66.0%の含有量が認められ、理論値と一致した。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、34.0%のヒアルロン酸含量が認められ、理論計算で求めた%と一致する。
実施例29 カナマイシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
1.46gのカナマイシン硫酸塩(10mEq)を25mlの蒸留水に溶解する。この溶液を15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。硫酸塩を除いた溶出物をサーモスタット容器内に5℃で回収する。
分子量255,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物をカナマイシン塩基溶液内で、ボルテックスミキサーで撹はんしながら回収する。得られた溶液を直ちに凍結し、凍結乾燥する。収量:4.8g。得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がカナマイシンと塩を形成する。
カナマイシン標準物を対照としてB.subtilis ATCC 6633上で微生物学的定量を行ったところ、カナマイシン塩基の重量として24.2%の含有量が認められ、理論計算で求めた%と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、重量でヒアルロン酸75.8%の含有量が認められ、理論含有量と一致する。
実施例30 ネオマイシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
1.52gのネオマイシン硫酸塩(10mEq)を20mlの蒸留水に溶解し、15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。硫酸塩を除いた溶出物をサーモスタット容器内に5℃で回収する。
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解し、15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物をネオマイシン塩基溶液内で撹はんしながら回収する。生成した粘弾性沈澱物をデカンテーションにより分離し、凍結乾燥する。収量:4.76g。塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がネオマイシンと塩を形成する。
ネオマイシン標準物を対照としてSt.aureus ATCC 6538p上で微生物学的定量を行うと、ネオマイシン塩基の重量として21.2%の含有量が認められ、理論計算で求めた%と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、78.8%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例31 ゲンタマイシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
1.45gのゲンタマイシン硫酸塩(10mEq)を25mlの蒸留水に溶解する。この溶液を15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。硫酸塩を除いた溶出物をサーモスタット容器内に5℃で回収する。
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物をネオマイシン塩基溶液内で、ボルテックスミキサーで撹はんしながら回収する。生成した厚くて粘性の高い沈澱物をデカンテーションにより分離し、凍結乾燥する。収量:4.65g。ここで得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がゲンタマイシンと塩を形成する。
ゲンタマイシン標準物を対照としてS.epidermidus ATCC 12228上で微生物学的定量を行うと、ネオマイシン塩基の重量として20.0%の含有量が認められ、理論含有量と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、80.0%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例32 アミカシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
1.47gのアミカシン硫酸塩(10mEq)を100mlの蒸留水に5℃で溶解する。
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。
ナトリウムを除いた溶出物をアミカシン塩基溶液内で、ボルテックスミキサーで撹はんしながら回収する。生成した厚くて極めて粘性の高い沈澱物をデカンテーションにより分離し、凍結乾燥する。収量:5.16g。
ここで得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がアミカシンと塩を形成する。
アミカシン標準物を対照としてSt.aureus ATCC 29737上で微生物学的定量を行うと、アミカシン塩基の重量として27.7%の含有量が認められ、理論含有量と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、72.3%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例33 ロリテトラサイクリンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物は5℃で保存する。
5.3gのロリテトラサイクリン塩基を完全に可溶化するまで、遮光下で撹はんしながら5℃でヒアルロン酸に添加する。ここで得られた溶液を直ちに凍結し、凍結乾燥する。収量:8.9g。ここで得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がロリテトラサイクリンと塩を形成する。
ロリテトラサイクリン標準物を対照としてB. pumilus ATCC 14884上で微生物学的定量を行うと、ロリテトラサイクリン塩基の重量として58.2%の含有量が認められ、理論値と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、41.8%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例34 ポリミキシンBとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
2.4gのポリミキシンB塩基(10mEq)を100mlの蒸留水に5℃で懸濁する。
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物を5℃でロリテトラサイクリン塩基懸濁液をボルテックスミキサーで撹はんしながら回収する。最初の段階で溶液は透明になり、その後難溶性であるが5mlのアセトンには完全に溶ける形成物が認められる。沈澱物を濾過し、アセトンで洗浄してから真空乾燥する。収量:6.05g。ここで得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がポリミキシンBと塩を形成する。
ポリミキシンB標準物を対照としてB. bronchiseptica ATCC 4617上で微生物学的定量を行うと、ポリミキシンB塩基の含有量として38.7%が認められ、理論含有量と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、61.3%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例35 グラミシジンSとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
6.7gの塩酸グラミシジンS(10mEq)を200mlのエタノール/H20、80:20、V/Vに懸濁する。次にこの溶液を15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。
分子量165,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。次にこの溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。200mlのDMSOをナトリウムを除いた溶出物に加え、この混合物を撹はんしながら5℃に保つ。グラミシジンS塩基の溶液を徐々に加える。得られた溶液に10容積のアセトンを加えて沈澱を得る。この沈澱物を濾過し、アセトンで洗浄して真空乾燥する。収量:9.55g。ここで得られた塩は、ヒアルロン酸の全ての酸性基がグラミシジンSと塩を形成する。
グラミシジンS標準物を対照としてS. faecium ATCC 10541上で微生物学的定量を行うと、ポリミキシンB塩基の含有量として60.0%が認められ、理論含有量と一致する。Bitterらの方法(Anal. Biochem. 4, 330, 1962)に従って多糖内に結合しているグルクロン酸の比色定量を行うと、40.0%のヒアルロン酸含有量が認めらる。
実施例36 ネオマイシン及びポリミキシンとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
分子量170,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位10mEqに相当)を400mlの蒸留水に溶解する。この溶液を15mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物はサーモスタット容器内に5℃で回収する。0.150gのポリミキシンB塩基(0.63mEq)を激しく撹はんしながら加える。1.425gのネオマイシン流酸塩(9.37mEq)を蒸留水に溶解する。この溶液を15mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。
硫酸塩を除いた溶出物をヒアルロン酸とポリミキシンB溶液を激しく撹はんしながら加える。生成する沈澱物を遠心分離により分離し、真空乾燥する。収量:4.85g。この生成物17.25gは、
5.0mgネオマイシン硫酸塩等量のネオマイシン
0.63mgポリミキシンB(およそ5000UI)等量のポリミキシンB
を含む。
注意
定量は、2つの有効成分をHPLCで分離後実施した。
実施例37 ストレプトマイシン及びナトリウムとヒアルロン酸(HY)の塩の調製
分子量255,000のヒアルロン酸ナトリウム塩4.0g(単量体単位246mEqに相当)を8.51の蒸留水に溶解する。次にこの溶液を300mlのH+型スルホン基樹脂(Dowex 50×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。ナトリウムを除いた溶出物はサーモスタット容器内に5℃で回収する。
1.88gのストレプトマイシン硫酸塩(7.74mEq)を20mlの蒸留水に溶解する。この溶液を12mlのOH-型四級アンモニウム樹脂(Dowex 1×8)を含むサーモスタットカラムより5℃で溶出させる。硫酸塩を除いた溶出物をヒアルロン酸溶液を撹はんしながら回収する。238.3mlの1M NaOHを撹はんしながら徐々に加え、得られた溶液を直ちに凍結し、凍結乾燥する。収量:5.5g。100gの生成物は塩基として1.5gのストレプトマイシンを含む。
実施例38
分子量160,000-230,000ダルトン、見かけの直径420-1,000μmのハイドロキシアパタイトの顆粒を有するヒアルロン酸の25%ベンジルエステル、HYAFF11p25を含む粘状物を次の方法で得た。
強度1.25Mradのγ線で滅菌した5gのHYAFF11p25を50gの滅菌水に添加した。この系をダブルスパイラルミキサーで40rpmで処理した。温度を30℃±2℃に保ち、8時間で可溶化した。次にこの溶液を0.01mbarの高真空下に2時間置き、溶解している空気を除去した。得られた粘性は23Pa.s.であった。
次に、1gの溶液に0.5gの市販のハイドロキシアパタイト("INTERPORE200")を加え、この混合物を均一な粘状物が得られるまでへらでかき混ぜた。顆粒が互いに結合し、術中または術後時に顆粒状骨代替物が脱落する危険性なく空洞内に容易に挿入される材料が形成された。
実施例39
分子量140,000-210,000ダルトン、見かけの直径420-1,000μmのハイドロキシアパタイトの顆粒を有するヒアルロン酸の50%エチルエステル、HYAFF 7p50を含む粘状物を次の方法で得た。
強度1.25Mradのγ線で滅菌した7gのHYAFF 7p50を50gの滅菌水に添加した。この系をダブルスパイラルミキサーで40rpmで処理した。温度を40℃±2℃に保ち、8時間で可溶化した。可溶化後、この溶液を0.01mbarの高真空下に2時間置き、溶解している空気を除去した。得られた粘性は25Pa.s.であった。
次に、1gのこの溶液に0.4gの市販のハイドロキシアパタイト("INTERPORE200")を加え、この混合物を均一な粘状物が得られるまでへらでかき混ぜた。顆粒が互いに結合し、術中または術後時に顆粒状骨代替物が脱落する危険性なく空洞内に容易に挿入される材料が形成された。
実施例40
分子量140,000-250,000ダルトン、ポアサイズ630-1,000μmの多孔性炭酸カルシウムの顆粒を有するヒアルロン酸の50%ベンジルエステル、HYAFF11p50を含む粘状物を次の方法で得た。
強度1.25Mradのγ線で滅菌した6gのHYAFF11p50を50gの滅菌水に添加した。この系をダブルスパイラルミキサーで40rpmで処理した。温度を40℃±2℃に保ち、6時間で可溶化した。可溶化後、この溶液を0.01mbarの高真空下に2時間置き、溶解している空気を除去した。得られた粘性は21Pa.s.であった。
次に、1gのこの溶液に0.6gの市販の炭酸カルシウム("BIOCORAL1000")を加え、この混合物を均一な粘状物が得られるまでへらでかき混ぜた。顆粒が互いに結合し、術中または術後時に顆粒状骨代替物が脱落する危険性なく空洞内に容易に挿入される材料が形成された。
実施例41
分子量140,000-180,000ダルトン、見かけの直径420-1,000μmのハイドロキシアパタイトの顆粒を有するヒアルロン酸を含む粘状物を次の方法で得た。
フィルター滅菌した7gのヒアルロン酸をを50gの滅菌水に添加した。この系をダブルスパイラルミキサーで40rpmで処理した。温度を25℃に保ち、16時間で可溶化した。次にこの溶液を高真空下に2時間置き、溶解している空気を除去した。得られた粘性は24.7Pa.s.であった。
次に、1gのこの溶液に0.4gの市販のハイドロキシアパタイト("Interpore200")を加え、この混合物を均一な粘状物が得られるまでへらでかき混ぜた。顆粒が互いに結合し、術中または術後時に顆粒状骨代替物が脱落する危険性なく空洞内に容易に挿入される材料が形成された。
実験動物及び処理法
ハイドロキシアパタイトの保持期間を促進し取扱易くするために、上記の調製法を用いて空洞に新鮮歯の抽出部位を充填した。実験動物としてビーグル犬を使用した。上顎及び下顎切歯を除去し、各動物に上顎6本、下顎6本、12の欠損を授受させた。次に、根間中隔を除去して欠損部の容積を増大させた。抽出部位を上述の調製法でインプラントし、またはコントロールとして空洞のまま残すかハイドロキシアパタイト顆粒を充填した。動物を術後1,2及び3ヶ月後に屠殺した。屠殺時に、上顎動脈からカニューレを挿入してKarnowsky固定液を注入する潅流法を用いて組織固定を行った。
本試験の結果、ヒアルロン酸-ハイドロキシアパタイト結合部は容易に使用して新鮮歯の充填を行えることが示された。この混合物は骨欠損部位にin situで手法による挿入または圧力下で注入することができる。粒子の保持が成されて時間が確保され、結合溶液が再吸収されて骨の内成長が更新した。
ここで説明した本発明はついては、多方面にわたり同方法に変更が加えられることは明かである。これらの変更事項は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しているとは認められず、この様なあらゆる改良で技術的に明らかに向上したと思われるものは、次に示す請求の範囲に含まれるものとする。

Claims (12)

  1. 顆粒骨置換剤のための、骨形成活性を刺激する結合溶液であって、ヒアルロン酸エステルおよび、抗生物質と複合体形成したヒアルロン酸の塩で構成される群から選択されるヒアルロン酸誘導体(ここに該ヒアルロン酸は77〜255kDaの分子量を有する)を含有する結合溶液。
  2. 該溶液が25℃の温度、相対湿度約50%で約15Pa.sから約30Pa.sまでの範囲の粘度を持つ請求項1の結合溶液。
  3. 該溶液が25℃の温度、相対湿度約50%で約22Pa.sから約25Pa.sまでの範囲の粘度を持つ請求項1の結合溶液。
  4. 該ヒアルロン酸エステルがヒアルロン酸の25%ベンジルエステル、ヒアルロン酸の50%ベンジルエステルおよびヒアルロン酸の50%エチルエステルから構成される群から選択されるもの少なくとも1個である請求項1の結合溶液。
  5. 請求項1の結合溶液および天然または人工骨顆粒を含む顆粒骨置換剤のためのペースト。
  6. 該結合溶液および該骨顆粒が約1:3w/wの比率で存在する請求項5のペースト。
  7. 該骨顆粒の直径が約50μmから約5mmまでの範囲内にある請求項5のペースト。
  8. 該骨顆粒が多孔質であるかまたは非孔質である請求項5のペースト。
  9. 該骨顆粒がヒドロキシアパタイト、燐酸トリカルシウムおよび炭酸カルシウムから構成される群から選択される請求項5のペースト。
  10. 約16万ダルトンと約23万ダルトンとの間の分子量を持つヒアルロン酸の25%ベンジルエステルの溶液および約420μmから約1000μmまでの直径を持つヒドロキシアパタイトの顆粒を含む請求項5のペースト。
  11. 約14万ダルトンと約21万ダルトンとの間の分子量を持つヒアルロン酸の50%エチルエステル溶液および約420μmから約1000μmまでの直径を持つヒドロキシアパタイトの顆粒を含む請求項5のペースト。
  12. 約14万ダルトンと約25万ダルトンとの間の分子量を持つヒアルロン酸の50%ベンジルエステルの溶液および約630μmから約1000μmまでの直径を持つ多孔性炭酸カルシウムの顆粒を含む請求項5のペースト。
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