JP3731429B2 - 順方向及び逆方向の多重化リンクを設定する網接続装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットプロトコル（以下「ＩＰ」と称す）を有する通信網を介して相互に接続され、複数の異なる呼を１つのパケットに多重化して送受信する網接続装置（以下「ゲートウェイ」と称す）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図１は、ゲートウェイを用いたシステム構成図である。複数のゲートウェイは、一方を共有するインターネットに接続し、他方を電話網のような回線交換網（音声、音声データ又はＦＡＸ等の呼を対象とする）又はＬＡＮ／インターネット等に接続している。従って、ゲートウェイ内に符号・復号化手段を備える必要がある。
【０００３】
同一出願人による特開平１１−１２２３０７号「網接続装置」には、送信先が同一である複数の異なる呼を送信する際に、当該複数の異なる呼の情報信号を１つのＩＰパケットに多重化して送信する装置が開示されている。
【０００４】
図２は、従来技術によるゲートウェイの構成図である。送信側ゲートウェイは、音声／音声データ／ＦＡＸ等の呼毎に符号化し、その符号化された情報を１つのＩＰ（具体的にはＲＴＰ(Realtime Transport Protocol)）パケットのペイロードに多重化して送信する。一方、受信側ゲートウェイは、ペイロードを呼毎に分解し、分解されたショートパケットペイロード毎に復号化し、所定のトランク回線へ送信する。
【０００５】
ゲートウェイは、このようなパケットの組立及び分解のために、多重化リンク監視部が設けられ、その中に、以下のような各種テーブルを用意している。
【０００６】
テーブル＃１は、呼毎の符号化方式を表した管理テーブルである。多重化リンク監視部は、呼毎に呼種を監視して、このテーブル＃１を更新する。
【０００７】
【表１】

【０００８】
テーブル＃２は、送信先網接続装置毎の多重化リンクと、該多重化リンクに接続された呼番号との関係を示す管理テーブルである。テーブル＃２は、送信側ゲートウェイのパケット組立部と、受信側ゲートウェイのパケット分解部とによって参照される。
【０００９】
【表２】

【００１０】
テーブル＃２によれば、送信側ゲートウェイのＵＤＰポート番号（Ｓ−ＰＮ）と、受信側ゲートウェイのＩＰアドレス（Ｒ−ＩＰＡ）及びＵＤＰポート番号（Ｒ−ＰＮ）との対となる関係を表し、この対毎に多重化リンクが設定される。
【００１１】
また、呼をＩＰパケットに多重化する方式として、呼に適用される符号化方式に応じて個別のＲＴＰパケットストリーム（多重化リンクに相当）に多重化する方式がある。これは、多重化されたＩＰパケットの送出タイミング又は送出数を最適にするためのものである。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、呼の順方向及び逆方向ではそれぞれ異なる符号化方式が用いられる場合がある。従来のゲートウェイは、１つの呼の順方向及び逆方向に対して１つの多重化リンクを割り当てていたので、順方向と逆方向とで符号化方式を変更することができなかった。
【００１３】
そこで、本発明は、呼の順方向及び逆方向でそれぞれ異なる符号化方式を用いることができる、多重化リンクを設定するゲートウェイを提供することを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、インターネットプロトコルに基づく通信網を介して相互に接続され、複数の異なる呼をパケットに多重化して送受信する網接続装置において、
相手方網接続装置及び符号化方式の組み合わせ毎に備えられ、指定された符号化方式に基づいて順方向通路で符号化し且つ逆方向通路で復号化する符号・復号化手段を含む複数の多重化リンクと、
呼の順方向と逆方向との符号化方式が異なる場合に、順方向の多重化リンクと、逆方向の多重化リンクとが異なるように当該呼を分配する通話分配機能手段と、
呼番号の順方向と逆方向とで別々に多重化リンク識別番号が対応付けられたテーブルを用いて、通話分配機能手段の分配を制御する監視手段と
を有することを特徴とする。これにより、呼の順方向及び逆方向でそれぞれ異なる符号化方式を用いることができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【００１６】
図３は、本発明によるゲートウェイの構成図である。ゲートウェイは、基本的に、呼制御部とデータ送受信部とに分けられる。呼制御部は、多重化リンク監視部７及び多重化リンク設定・解放制御部８を有する。データ送受信部は、トランク回線３、通話分配機能部４、多重化リンク用符号・復号化部５及び多重化リンク用パケット送受信部６を有する。
【００１７】
多重化リンク監視部７は、呼状態管理部１及び多重化リンク情報管理部２を有する。呼状態管理部１は、呼識別子と当該呼の呼種の符号化方式とを対応させた、表１のようなテーブル＃１を有する。多重化リンク情報管理部２は、以下の表３のようなテーブル＃３を有する。テーブル＃３は、表２のようなテーブル＃２と比較して、呼の送信先ゲートウェイ及び符号化方式毎に設定された多重化リンクに、当該呼の順方向通路及び逆方向通路の別に設定している。
【００１８】
【表３】

【００１９】
例えば、呼番号１は、順方向については符号化方式６４ｋｂｐｓＰＣＭを用いるために多重化リンク識別番号１を使用するが、逆方向については符号化方式５．３ｋｂｐｓＡＣＥＬＰを用いるために多重化リンク識別番号３を使用する。このように、順方向と逆方向との符号化方式の違いによって、当該呼を接続する多重化リンクを選択することが可能となる。
【００２０】
ここで、具体的な呼のシーケンスを説明する。
【００２１】
最初に、通話分配機能部４は、トランク回線３に到着した呼番号（トランク番号）と検知した呼種とを、多重化リンク監視部７の呼状態管理部１へ通知する。呼状態管理部１は、当該呼種に対応する符号化方式を決定し、テーブル＃１に示す呼番号と符号化方式との対応関係を決定する。多重化リンク情報管理部２は、テーブル＃３に対して当該呼の呼番号と符号化方式とに対応する多重化リンクに順方向として登録する。その結果は、通話分配機能部４に通知され、該通話分配機能部４は、テーブル＃３に登録された多重化リンクに当該呼の順方向通路を接続する。このテーブル＃３は、送信側ゲートウェイと受信側ゲートウェイとの間で整合される必要がある。
【００２２】
符号・復号化部５及びパケット送受信部６は、多重化リンク単位に用意される。即ち、多重化リンク毎に、送受信先ゲートウェイ及び符号化方式が指定され、多重化リンク識別番号が決められる。そして、多重化リンク毎のパケット送受信部から多重化ＩＰパケットが送受信される。
【００２３】
受信側ゲートウェイでは、多重化リンク用パケット送受信部６で受信したショートパケットヘッダ部について、呼番号及び符号化方式識別子を取得し、多重化リンク監視部７のテーブル＃３を参照して復号化する。そして、通話分配機能部４から適切なトランク回線へ分配される。
【００２４】
受信側ゲートウェイの通話分配機能部４も、分配された当該呼に対する逆方向の呼種を検知している。ここで検知された逆方向の呼種は、多重化リンク監視部７の呼状態管理部１へ通知する。呼状態管理部１は、当該呼種に対応する符号化方式を決定し、テーブル＃１に示す呼番号と符号化方式との対応関係を決定する。そして、多重化リンク情報管理部２は、テーブル＃３に対して当該呼の呼番号と符号化方式とに対応する多重化リンクに逆方向として登録する。その結果は、通話分配機能部４に通知され、該通話分配機能部４は、テーブル＃３に登録された多重化リンクに当該呼の逆方向通路を接続する。前述したように、このテーブル＃３は、送信側ゲートウェイと受信側ゲートウェイとの間で整合される必要がある。
【００２５】
前述した本発明の網接続装置の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【００２６】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の多重化リンクを設定する網接続装置によれば、呼の順方向及び逆方向でそれぞれ異なる符号化方式を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 網接続装置が用いられたシステム構成図である。
【図２】 従来の網接続装置の構成図である。
【図３】 本発明による網接続装置の構成図である。

Claims (1)

1. インターネットプロトコルに基づく通信網を介して相互に接続され、複数の異なる呼をパケットに多重化して送受信する網接続装置において、
   相手方網接続装置及び符号化方式の組み合わせ毎に備えられ、指定された符号化方式に基づいて順方向通路で符号化し且つ逆方向通路で復号化する符号・復号化手段を含む複数の多重化リンクと、
   前記呼の順方向と逆方向との符号化方式が異なる場合に、順方向の多重化リンクと、逆方向の多重化リンクとが異なるように当該呼を分配する通話分配機能手段と、
   前記呼番号の順方向と逆方向とで別々に多重化リンク識別番号が対応付けられたテーブルを用いて、前記通話分配機能手段の分配を制御する監視手段と
   を有することを特徴とする網接続装置。

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