JP3730566B2 - 平面表示装置の製造装置、および製造方法 - Google Patents
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- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)などの平面表示装置の製造装置、および製造方法に係り、特に、SEDの真空外囲器を構成する2枚のプレートを位置合わせするためのSEDの製造装置、および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平面表示装置として、フィールドエミッションディスプレイ(FED)や、プラズマディスプレイ(PDP)等が知られている。また、FEDの一種として、SEDの開発が進められている。
【0003】
このSEDは、所定のギャップを介して対向配置されたフェースプレートおよびリアプレートを有し、これらのプレートは、矩形枠状の側壁を介して周縁部を互いに接合するとともに内部を真空にすることにより真空外囲器を構成している。
【0004】
フェースプレートの内面には3色の蛍光体層が形成され、リアプレートの内面には、蛍光体を励起する電子放出源として、画素毎に対応する多数のエミッタが配列されている。各エミッタは、電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の電極等で構成されている。
【0005】
また、両プレート間には、フェースプレートの内面およびリアプレートの内面にそれぞれ当接することでプレート間のギャップを維持するための複数の柱状のスペーサが設けられている。
【0006】
しかして、各エミッタから放出された電子ビームが対応する蛍光体層上に照射され、蛍光体が励起発光されて画像が表示されるようになっている。
【0007】
上記構成のSEDを正常に動作させるため、真空外囲器の内部を超高真空に維持することが重要とされている。真空外囲器の真空度が低いと、エミッタの寿命が短くなり、SED自体の寿命が短くなってしまう。
【0008】
また、上記SEDにおいて良質な画像を表示させるためには、リアプレートの内面に設けられたエミッタと、フェースプレートの内面に形成された蛍光体層と、が画素毎に正確に一致するように、フェースプレートとリアプレートとを高精度に位置合わせすることが重要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
超高真空および高精度な位置合わせを満足しつつSEDを製造する方法として、フェースプレートとリアプレートとを大気中で高精度に位置合わせして側壁を介して接合した後、予め取り付けておいた排気管を介して内部を真空引きする方法、または真空チャンバー内でフェースプレートとリアプレートとを高精度に位置合わせして側壁を介して接合する方法が考えられる。
【0010】
しかし、前者の方法では、ゲッター効率が悪く、要求される程度の超高真空に真空引きするまでに多くの時間を要し、製造効率が悪くなる問題があった。
【0011】
また、後者の方法では、超高真空に真空引きされる真空チャンバー内に、フェースプレートとリアプレートとを側壁およびスペーサを介して高精度に位置合わせして接合するための複雑な機構を配置しなければならず、装置が高価且つ大掛りになるばかりか、超高真空を維持することも非常に困難となる。
【0012】
さらに、超高真空を維持して高精度に位置合わせした後、検査段階でフェースプレートとリアプレートとの間に位置ズレが確認された場合、内部を超高真空にした真空外囲器には大気圧が作用しているため、この段階で位置ズレを補正することは極めて困難であった。
【0013】
このため、簡単な構成により、内部の超高真空を維持した上で、2枚のプレートを高精度に位置合わせできる平面表示装置の製造装置の開発が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施の形態に係る平面表示装置の製造装置は、内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置をセットするための閉空間を有するチャンバーと、チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きするポンプと、真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させるヒータと、接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする位置合わせ機構と、を備えている。
【0015】
また、本発明の実施の形態に係る平面表示装置の製造方法によると、内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置を閉空間を形成するチャンバー内にセットし、チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きし、真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させ、接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする。
【0016】
上述した平面表示装置の製造装置、および製造方法によると、内部を超高真空にした平面表示装置をチャンバー内にセットし、チャンバー内を低真空に真空引きし、第1、第2プレートと側壁とを接合した接合材を加熱溶融し、第1、第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする。これにより、複雑且つ高価な機構を用いずに、真空外囲器内部の超高真空を維持した上で、第1、第2プレートを高精度に位置合わせできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1には、この発明の実施の形態に係る後述する製造装置100によって製造される平面表示装置の一例として表面導電型電子放出装置(SED)1の断面図を示してある。また、図2には、製造装置100の概略構造を斜視図にして示してある。SED1の製造装置および製造方法について説明する前に、まず、SED1について説明する。
【0019】
図1に示すように、SED1は、それぞれ矩形板状のガラスからなるリアプレート2(第2プレート)およびフェースプレート4(第1プレート)を有する。これら2枚のプレート2、4は、高精度に位置合わせされた状態で所定のギャップを介して対向配置されている。そして、リアプレート2およびフェースプレート4は、ガラスからなる矩形枠状の側壁6を介して周縁部同志が接合され、扁平な真空外囲器10を構成している。
各プレート2、4と側壁6との間の接合材5には、加熱溶融が容易な例えばインジウムなどの低融点金属が用いられる。すなわち、側壁6の上端が接合材5によってフェースプレート4の周縁部に封着され、側壁6の下端が接合材5によってリアプレート2の周縁部に封着され、リアプレート2とフェースプレート4とが接合されている。本実施の形態では、変形可能となる溶融温度が約160℃程度の接合材5が用いられている。
【0020】
フェースプレート4がリアプレート2に対向する側の内面4aには蛍光体スクリーン11が形成されている。この蛍光体スクリーン11は、赤、青、緑の蛍光体層、および黒色着色層を並べて構成されている。これらの蛍光体層はストライプ状あるいはドット状に構成されている。また、蛍光体スクリーン11上には、アルミニウム等からなるメタルバックが形成されている。
【0021】
リアプレート2がフェースプレート4に対向する側の内面2aには、赤、青、緑の蛍光体層を励起するための電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子(エミッタ)12が設けられている。これらの電子放出素子12は、蛍光体スクリーン11の赤、青、緑の蛍光体層にそれぞれ対応して複数列および複数行に配列されている。すなわち、リアプレート2とフェースプレート4とは、各電子放出素子12それぞれが赤、青、緑の蛍光体層に対して正確に対向するように、高精度に位置合わせされている。
【0022】
また、リアプレート2とフェースプレート4との間には、複数本の柱状のスペーサ8が所定の間隔をおいて配置されている。複数本のスペーサ8は、大気圧によるリアプレート2およびフェースプレート4の破壊を防止するよう機能する。
【0023】
上記構成のSED1は次のように画像を表示する。まず、図示しない信号源から入力される画像信号に基づいて、リアプレート2の内面2aに設けられた複数の電子放出素子12から電子ビームが放出される。各電子放出素子12から放出された電子ビームは、所定の蛍光体層上に収束される。これにより、蛍光体が励起発光されて画像が表示される。
【0024】
次に、図2を参照して、この発明の実施の形態に係るSED1の製造装置100について説明する。ここでは、内部を超高真空にした状態のSED1の真空外囲器10を投入してリアプレート2とフェースプレート4とを高精度に位置合わせするための製造装置100について説明する。
【0025】
製造装置100は、装置の架台として機能する矩形の枠体21を有する。枠体21の上部には、真空外囲器10を収容する矩形の閉空間として、チャンバー22が設けられている。また、枠体21には、チャンバー22内を真空引きするためのポンプ23が設けられている。
【0026】
チャンバー22内には、真空外囲器10を所定の姿勢に保持するための図示しない保持機構、所定の姿勢にセットした真空外囲器10の周縁部近くを加熱して2枚のプレート2、4と側壁6との間を接合した接合材5を溶融または軟化させる矩形枠状のヒータ24、リアプレート2およびフェースプレート4に形成された位置合わせ用のマーク(図示せず)を検出するためのカメラ25(検出装置)、および保持機構にセットされた真空外囲器10のリアプレート2およびフェースプレート4を相対的に平行移動、すなわちいずれか一方だけを移動させて位置合わせするための複数の位置合わせ機構26が取り付けられている。
【0027】
本実施の形態では、ヒータ24は、接合材5が軟化する温度(約160℃)まで真空外囲器10の周縁部を加熱する。
【0028】
また、本実施の形態の位置合わせ機構26は、真空外囲器10の4辺にそれぞれ対向して5つ(装置の手前側だけ2つ)設けられている。各位置合わせ機構26は、対応するプレートの周縁部(真空外囲器10の2枚のプレート2、4のうち一方のプレートの周縁部)を押圧することで該プレートを他方のプレートに対して平行移動させることで2枚のプレート2、4を位置合わせする。
【0029】
次に、図3のフローチャートを参照して、上述した製造装置100を用いたSED1の製造方法について説明する。
【0030】
まず、内部を超高真空(1×10-6〜1×10-10パスカル)にした状態の真空外囲器10が、チャンバー22内の所定位置にセットされる(ステップ1)。本実施の形態では、リアプレート2の外面2bが下にくるように真空外囲器10をチャンバー22内に挿入し、リアプレート2の周縁部を保持機構によって保持し、フェースプレート4を位置合わせ機構26によってリアプレート2に対して移動可能とした。
【0031】
尚、チャンバー22内に投入される真空外囲器10として、2枚のプレート2、4を高精度に位置合わせしていない超高真空状態の真空外囲器10、或いはSED1として製造した後、検査の段階で位置ズレを生じていることが判明した超高真空状態の真空外囲器10が考えられる。
【0032】
そして、チャンバー22の蓋22aを閉じた後、ポンプ23が作動されてチャンバー22内が真空引きされる(ステップ2)。ステップ2の真空引き動作は、チャンバー22内の真空度が0.1〜10パスカル程度の低真空になるまで(ステップ3;YES)続けられる。この定真空とは、後段の処理において内部が超高真空にされた2枚のプレート2、4を平行移動可能な程度の真空を言う。つまり、ここでは、チャンバー22内を超高真空まで真空引きする必要はなく、数分或いは数秒で所望する真空度を得られる。
【0033】
この状態で、ヒータ24がONにされて真空外囲器10の周縁部が加熱される(ステップ4)。ステップ4の加熱動作は、位置合わせ機構26を作動させたときに真空外囲器10の接合材5が変形可能な程度に溶融或いは軟化するまで(ステップ5;YES)続けられる。また、ヒータ24の構造は本実施の形態に限定されるものではなく、接合材5が効率良く所望する温度まで昇温できれば良い。
【0034】
そして、2つのカメラ25を介して2枚のプレート2、4に形成された位置合わせ用のマークを監視しつつ、複数の位置合わせ機構26が作動され、フェースプレート4がリアプレート2に対して平行移動されて位置合わせされる(ステップ6)。このとき、チャンバ−22内が低真空にされて接合材5が溶融或いは軟化されているため、真空外囲器10内の超高真空を維持したまま、2枚のプレート2、4の位置合わせ動作を容易にできる。
【0035】
以上のように、本実施の形態によると、真空外囲器10をセットしたチャンバー22を低真空まで真空引きし、接合材5を加熱溶融或いは軟化させた後、2枚のプレート2、4を相対的に平行移動させて位置合わせするため、真空外囲器10内の超高真空を維持したまま2枚のプレート2、4を高精度に位置合わせできる。
【0036】
つまり、本実施の形態の製造装置100を採用すると、超高真空状態のチャンバー内で2枚のプレートを高精度に位置合わせする必要がなくなり、精度の低い簡易的な位置合わせをするための安価且つ簡単な機構を備えた超高真空チャンバーとすることができ、装置の製造コストを低減できる。
【0037】
また、超高真空状態の真空外囲器10を製造した後、検査の段階で2枚のプレート2、4に位置ズレを生じていることが判明した場合であっても、本実施の形態の製造装置100を用いることにより、超高真空を維持したまま短時間で簡単に位置ズレを補正することができる。
【0038】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の平面表示装置の製造装置は、上記のような構成および作用を有しているので、簡単な構成により、平面表示装置の内部の超高真空を維持した上で、2枚のプレートを高精度に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造装置、および製造方法によって製造されるSEDの断面図。
【図2】図1のSEDを投入して2枚のプレートを位置合わせするための製造装置の概略構造を示す斜視図。
【図3】図2の製造装置を用いたSEDの製造方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…SED、
2…リアプレート、
4…フェースプレート、
5…接合材、
6…側壁、
8…スペーサ、
10…真空外囲器、
11…蛍光体スクリーン、
12…電子放出素子、
21…枠体、
22…チャンバー、
23…ポンプ、
24…ヒータ、
25…カメラ、
26…位置合わせ機構、
100…製造装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面伝導型電子放出装置(以下、SEDと称する)などの平面表示装置の製造装置、および製造方法に係り、特に、SEDの真空外囲器を構成する2枚のプレートを位置合わせするためのSEDの製造装置、および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、平面表示装置として、フィールドエミッションディスプレイ(FED)や、プラズマディスプレイ(PDP)等が知られている。また、FEDの一種として、SEDの開発が進められている。
【0003】
このSEDは、所定のギャップを介して対向配置されたフェースプレートおよびリアプレートを有し、これらのプレートは、矩形枠状の側壁を介して周縁部を互いに接合するとともに内部を真空にすることにより真空外囲器を構成している。
【0004】
フェースプレートの内面には3色の蛍光体層が形成され、リアプレートの内面には、蛍光体を励起する電子放出源として、画素毎に対応する多数のエミッタが配列されている。各エミッタは、電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の電極等で構成されている。
【0005】
また、両プレート間には、フェースプレートの内面およびリアプレートの内面にそれぞれ当接することでプレート間のギャップを維持するための複数の柱状のスペーサが設けられている。
【0006】
しかして、各エミッタから放出された電子ビームが対応する蛍光体層上に照射され、蛍光体が励起発光されて画像が表示されるようになっている。
【0007】
上記構成のSEDを正常に動作させるため、真空外囲器の内部を超高真空に維持することが重要とされている。真空外囲器の真空度が低いと、エミッタの寿命が短くなり、SED自体の寿命が短くなってしまう。
【0008】
また、上記SEDにおいて良質な画像を表示させるためには、リアプレートの内面に設けられたエミッタと、フェースプレートの内面に形成された蛍光体層と、が画素毎に正確に一致するように、フェースプレートとリアプレートとを高精度に位置合わせすることが重要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
超高真空および高精度な位置合わせを満足しつつSEDを製造する方法として、フェースプレートとリアプレートとを大気中で高精度に位置合わせして側壁を介して接合した後、予め取り付けておいた排気管を介して内部を真空引きする方法、または真空チャンバー内でフェースプレートとリアプレートとを高精度に位置合わせして側壁を介して接合する方法が考えられる。
【0010】
しかし、前者の方法では、ゲッター効率が悪く、要求される程度の超高真空に真空引きするまでに多くの時間を要し、製造効率が悪くなる問題があった。
【0011】
また、後者の方法では、超高真空に真空引きされる真空チャンバー内に、フェースプレートとリアプレートとを側壁およびスペーサを介して高精度に位置合わせして接合するための複雑な機構を配置しなければならず、装置が高価且つ大掛りになるばかりか、超高真空を維持することも非常に困難となる。
【0012】
さらに、超高真空を維持して高精度に位置合わせした後、検査段階でフェースプレートとリアプレートとの間に位置ズレが確認された場合、内部を超高真空にした真空外囲器には大気圧が作用しているため、この段階で位置ズレを補正することは極めて困難であった。
【0013】
このため、簡単な構成により、内部の超高真空を維持した上で、2枚のプレートを高精度に位置合わせできる平面表示装置の製造装置の開発が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施の形態に係る平面表示装置の製造装置は、内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置をセットするための閉空間を有するチャンバーと、チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きするポンプと、真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させるヒータと、接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする位置合わせ機構と、を備えている。
【0015】
また、本発明の実施の形態に係る平面表示装置の製造方法によると、内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置を閉空間を形成するチャンバー内にセットし、チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きし、真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させ、接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする。
【0016】
上述した平面表示装置の製造装置、および製造方法によると、内部を超高真空にした平面表示装置をチャンバー内にセットし、チャンバー内を低真空に真空引きし、第1、第2プレートと側壁とを接合した接合材を加熱溶融し、第1、第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする。これにより、複雑且つ高価な機構を用いずに、真空外囲器内部の超高真空を維持した上で、第1、第2プレートを高精度に位置合わせできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1には、この発明の実施の形態に係る後述する製造装置100によって製造される平面表示装置の一例として表面導電型電子放出装置(SED)1の断面図を示してある。また、図2には、製造装置100の概略構造を斜視図にして示してある。SED1の製造装置および製造方法について説明する前に、まず、SED1について説明する。
【0019】
図1に示すように、SED1は、それぞれ矩形板状のガラスからなるリアプレート2(第2プレート)およびフェースプレート4(第1プレート)を有する。これら2枚のプレート2、4は、高精度に位置合わせされた状態で所定のギャップを介して対向配置されている。そして、リアプレート2およびフェースプレート4は、ガラスからなる矩形枠状の側壁6を介して周縁部同志が接合され、扁平な真空外囲器10を構成している。
各プレート2、4と側壁6との間の接合材5には、加熱溶融が容易な例えばインジウムなどの低融点金属が用いられる。すなわち、側壁6の上端が接合材5によってフェースプレート4の周縁部に封着され、側壁6の下端が接合材5によってリアプレート2の周縁部に封着され、リアプレート2とフェースプレート4とが接合されている。本実施の形態では、変形可能となる溶融温度が約160℃程度の接合材5が用いられている。
【0020】
フェースプレート4がリアプレート2に対向する側の内面4aには蛍光体スクリーン11が形成されている。この蛍光体スクリーン11は、赤、青、緑の蛍光体層、および黒色着色層を並べて構成されている。これらの蛍光体層はストライプ状あるいはドット状に構成されている。また、蛍光体スクリーン11上には、アルミニウム等からなるメタルバックが形成されている。
【0021】
リアプレート2がフェースプレート4に対向する側の内面2aには、赤、青、緑の蛍光体層を励起するための電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子(エミッタ)12が設けられている。これらの電子放出素子12は、蛍光体スクリーン11の赤、青、緑の蛍光体層にそれぞれ対応して複数列および複数行に配列されている。すなわち、リアプレート2とフェースプレート4とは、各電子放出素子12それぞれが赤、青、緑の蛍光体層に対して正確に対向するように、高精度に位置合わせされている。
【0022】
また、リアプレート2とフェースプレート4との間には、複数本の柱状のスペーサ8が所定の間隔をおいて配置されている。複数本のスペーサ8は、大気圧によるリアプレート2およびフェースプレート4の破壊を防止するよう機能する。
【0023】
上記構成のSED1は次のように画像を表示する。まず、図示しない信号源から入力される画像信号に基づいて、リアプレート2の内面2aに設けられた複数の電子放出素子12から電子ビームが放出される。各電子放出素子12から放出された電子ビームは、所定の蛍光体層上に収束される。これにより、蛍光体が励起発光されて画像が表示される。
【0024】
次に、図2を参照して、この発明の実施の形態に係るSED1の製造装置100について説明する。ここでは、内部を超高真空にした状態のSED1の真空外囲器10を投入してリアプレート2とフェースプレート4とを高精度に位置合わせするための製造装置100について説明する。
【0025】
製造装置100は、装置の架台として機能する矩形の枠体21を有する。枠体21の上部には、真空外囲器10を収容する矩形の閉空間として、チャンバー22が設けられている。また、枠体21には、チャンバー22内を真空引きするためのポンプ23が設けられている。
【0026】
チャンバー22内には、真空外囲器10を所定の姿勢に保持するための図示しない保持機構、所定の姿勢にセットした真空外囲器10の周縁部近くを加熱して2枚のプレート2、4と側壁6との間を接合した接合材5を溶融または軟化させる矩形枠状のヒータ24、リアプレート2およびフェースプレート4に形成された位置合わせ用のマーク(図示せず)を検出するためのカメラ25(検出装置)、および保持機構にセットされた真空外囲器10のリアプレート2およびフェースプレート4を相対的に平行移動、すなわちいずれか一方だけを移動させて位置合わせするための複数の位置合わせ機構26が取り付けられている。
【0027】
本実施の形態では、ヒータ24は、接合材5が軟化する温度(約160℃)まで真空外囲器10の周縁部を加熱する。
【0028】
また、本実施の形態の位置合わせ機構26は、真空外囲器10の4辺にそれぞれ対向して5つ(装置の手前側だけ2つ)設けられている。各位置合わせ機構26は、対応するプレートの周縁部(真空外囲器10の2枚のプレート2、4のうち一方のプレートの周縁部)を押圧することで該プレートを他方のプレートに対して平行移動させることで2枚のプレート2、4を位置合わせする。
【0029】
次に、図3のフローチャートを参照して、上述した製造装置100を用いたSED1の製造方法について説明する。
【0030】
まず、内部を超高真空(1×10-6〜1×10-10パスカル)にした状態の真空外囲器10が、チャンバー22内の所定位置にセットされる(ステップ1)。本実施の形態では、リアプレート2の外面2bが下にくるように真空外囲器10をチャンバー22内に挿入し、リアプレート2の周縁部を保持機構によって保持し、フェースプレート4を位置合わせ機構26によってリアプレート2に対して移動可能とした。
【0031】
尚、チャンバー22内に投入される真空外囲器10として、2枚のプレート2、4を高精度に位置合わせしていない超高真空状態の真空外囲器10、或いはSED1として製造した後、検査の段階で位置ズレを生じていることが判明した超高真空状態の真空外囲器10が考えられる。
【0032】
そして、チャンバー22の蓋22aを閉じた後、ポンプ23が作動されてチャンバー22内が真空引きされる(ステップ2)。ステップ2の真空引き動作は、チャンバー22内の真空度が0.1〜10パスカル程度の低真空になるまで(ステップ3;YES)続けられる。この定真空とは、後段の処理において内部が超高真空にされた2枚のプレート2、4を平行移動可能な程度の真空を言う。つまり、ここでは、チャンバー22内を超高真空まで真空引きする必要はなく、数分或いは数秒で所望する真空度を得られる。
【0033】
この状態で、ヒータ24がONにされて真空外囲器10の周縁部が加熱される(ステップ4)。ステップ4の加熱動作は、位置合わせ機構26を作動させたときに真空外囲器10の接合材5が変形可能な程度に溶融或いは軟化するまで(ステップ5;YES)続けられる。また、ヒータ24の構造は本実施の形態に限定されるものではなく、接合材5が効率良く所望する温度まで昇温できれば良い。
【0034】
そして、2つのカメラ25を介して2枚のプレート2、4に形成された位置合わせ用のマークを監視しつつ、複数の位置合わせ機構26が作動され、フェースプレート4がリアプレート2に対して平行移動されて位置合わせされる(ステップ6)。このとき、チャンバ−22内が低真空にされて接合材5が溶融或いは軟化されているため、真空外囲器10内の超高真空を維持したまま、2枚のプレート2、4の位置合わせ動作を容易にできる。
【0035】
以上のように、本実施の形態によると、真空外囲器10をセットしたチャンバー22を低真空まで真空引きし、接合材5を加熱溶融或いは軟化させた後、2枚のプレート2、4を相対的に平行移動させて位置合わせするため、真空外囲器10内の超高真空を維持したまま2枚のプレート2、4を高精度に位置合わせできる。
【0036】
つまり、本実施の形態の製造装置100を採用すると、超高真空状態のチャンバー内で2枚のプレートを高精度に位置合わせする必要がなくなり、精度の低い簡易的な位置合わせをするための安価且つ簡単な機構を備えた超高真空チャンバーとすることができ、装置の製造コストを低減できる。
【0037】
また、超高真空状態の真空外囲器10を製造した後、検査の段階で2枚のプレート2、4に位置ズレを生じていることが判明した場合であっても、本実施の形態の製造装置100を用いることにより、超高真空を維持したまま短時間で簡単に位置ズレを補正することができる。
【0038】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の平面表示装置の製造装置は、上記のような構成および作用を有しているので、簡単な構成により、平面表示装置の内部の超高真空を維持した上で、2枚のプレートを高精度に位置合わせできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造装置、および製造方法によって製造されるSEDの断面図。
【図2】図1のSEDを投入して2枚のプレートを位置合わせするための製造装置の概略構造を示す斜視図。
【図3】図2の製造装置を用いたSEDの製造方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…SED、
2…リアプレート、
4…フェースプレート、
5…接合材、
6…側壁、
8…スペーサ、
10…真空外囲器、
11…蛍光体スクリーン、
12…電子放出素子、
21…枠体、
22…チャンバー、
23…ポンプ、
24…ヒータ、
25…カメラ、
26…位置合わせ機構、
100…製造装置。
Claims (8)
- 内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置をセットするための閉空間を有するチャンバーと、
チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きするポンプと、
真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させるヒータと、
接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする位置合わせ機構と、
を備えている平面表示装置の製造装置。 - 第1、第2プレートを位置合わせするためのマークを検出するための検出装置をさらに有する請求項1に記載の製造装置。
- 超高真空は、1×10-6〜1×10-10パスカルである請求項1に記載の製造装置。
- 低真空は、0.1〜10パスカルである請求項1に記載の製造装置。
- 内面に蛍光体層を有する第1プレートと、蛍光体層を励起発光させて画像を表示するため内面に複数の電子放出素子を備えた第2プレートと、を枠状の側壁を介して対向配置して、第1、第2プレートの内面と側壁とを加熱溶融可能な接合材で接合し、内部を超高真空にした平面表示装置を閉空間を形成するチャンバー内にセットし、
チャンバー内を超高真空より低い低真空に真空引きし、
真空引きされたチャンバー内にセットされた平面表示装置の第1、第2プレートと側壁との間の接合材を加熱溶融させ、
接合材を加熱溶融させた状態で、平面表示装置の内部を超高真空に保ったまま、第1および第2プレートを相対的に平行移動して位置合わせする平面表示装置の製造方法。 - 第1および第2プレートを相対的に位置合わせする際、第1および第2プレートに設けられた位置合わせ用のマークを検出する請求項5に記載の製造方法。
- 超高真空は、1×10-6〜1×10-10パスカルである請求項1に記載の製造方法。
- 低真空は、0.1〜10パスカルである請求項1に記載の製造方法。
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