JP3730351B2 - ポリフェニレンサルファイド繊維、モノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド繊維、モノフィラメントおよび工業用織物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屈曲耐久性に優れた、ポリフェニレンサルファイド製のモノフィラメントなどの繊維、および該繊維を使用した抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルター等の工業用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSという)は耐熱性と耐薬品性に優れたものであることから、耐熱性や耐薬品性の必要な工業用部品、繊維、工業用織物、フィルム、シート、プレートなどの各種成形品として広く用いられてきた。 しかしながら、PPS製の繊維、特にモノフィラメントは繰り返し屈曲と擦過を受けた時の耐摩耗性(以下、屈曲摩耗性という)や工業用織物に製織する時に経糸が繊維軸方向に割れやすいなどの屈曲耐久性に問題があり、従来より改善が求められていた。
【0003】
このPPSモノフィラメントの屈曲耐久性を改善する従来公知の方法としては、PPSモノフィラメントの製糸時における延伸や熱セット工程で、PPSの融点以上を含む高温で短時間熱処理する方法(特開平4−222217号公報)があるが、適性な条件が取りにくく、生産性が低いという問題を有していた。
【0004】
なお、本発明の要件であるポリカルボジイミド化合物を含有するPPSの公知例として、PPSと特定のエラストマーおよびポリカルボジイミド化合物とを含有するPPS組成物(特開平4−80262号公報)、PPSと特定のエラストマーとポリアミド樹脂およびポリカルボジイミド化合物とを含有するPPS組成物(特開平4−81464号公報)、PPSとポリフェニレンエーテルと分子中にエポキシ基やカルボキシル基等の活性基を有する特定の有機化合物およびポリカルボジイミド化合物とを含有する組成物(特開平5−86291号公報)が存在するが、いずれも自動車部品、電気・電子部品、機械部品等の工業用部品として使用に耐える耐衝撃性組成物を目的としたものであり、本発明のモノフィラメントなどの繊維および各種工業用織物としての使用形態と、その優れた屈曲耐久性については何等も示唆していない。このことから上記した公知例と本発明とは明確に対象物、目的ならびに効果を異にするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術における問題点を解決するために検討した結果なされたものであり、屈曲耐久性に優れたポリフェニレンサルファイド製のモノフィラメントなどの繊維および該繊維を使用した抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機、熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルター等の各種工業用織物等の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した本発明の課題は、カルボキシル末端基を有するポリフェニレンサルファイド0.1〜99.9重量%と、カルボン酸金属末端基を有するポリフェニレンサルファイド99.9〜0.1重量%とからなるポリフェニレンサルファイドにポリカルボジイミド化合物を含有させたポリフェニレンサルファイド製のモノフィラメントなどの繊維、織物を構成する緯糸および/または経糸の少なくとも一部が、該モノフィラメントなどの繊維からなる抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルター等の工業用織物。によって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のモノフィラメント等の繊維を構成するPPSは、ポリマの繰り返し単位の90%以上がp−フェニレンサルファイドからなるポリマであり、工業的には、p−ジクロルベンゼンに硫化ナトリウムを重縮合反応させて得ることができる。また、p−ジクロルベンゼンの10モル%未満のトリクロルベンゼンを分岐成分として共重縮合させたポリマであってもよい。
【0009】
該PPSのメルトフローレート(以下、MFRという)は5〜500g/10分のものを挙げることができる。ここでMFRは、ASTM D1238-86 に準拠して316℃、オリフィス径 2.095mm、オリフィス長さ 8.00mm 、荷重 5kgで測定したもので10分あたりの流出ポリマ量(g)で表される。
【0010】
該PPSは、重縮合後のPPSを水洗しただけのものの場合は、末端に主としてカルボン酸ナトリウム末端基(以下、−COONa末端基という)を有しているものを挙げることができる。また、重縮合後のPPSを酢酸水溶液で洗浄した後に水洗したものは、末端にカルボキシル末端基(以下、−COOH末端基という)を有しているものを挙げることができる。また、重縮合後のPPSを酢酸カルシウム水溶液で洗浄した後に水洗したものは、末端にカルボン酸カルシウム末端基(以下、−COOCa1/2 末端基という)を有しているものを挙げることができる(以下、本発明におけるPPSにおいては、上記した−COONa末端基および−COOCa1/2 末端基を有するものをカルボン酸金属末端基を有するPPSといい、−COOH末端基を有するものをカルボキシル末端基を有するPPSという)。ただし、カルボキシル末端基を有するPPSが少量の−COONa末端基を有していてもよく、カルボン酸金属末端基を有するPPSが少量のカルボキシル末端基を有していてもよい。
【0011】
本発明におけるPPS製のモノフィラメントなどの繊維を構成するPPSとしては上記したカルボキシル末端基を有するPPSカルボン酸金属末端基を有するPPSの1種以上を適宜組み合わせて使用するPPSとして、カルボキシル末端基を有するPPS0.1〜99.9重量%と、カルボン酸金属末端基を有するPPS99.9〜0.1重量%とを含有するPPSを使用すると繊維の耐屈曲耐久性が良好なものとなる。カルボキシル末端基を有するPPS0.3〜98重量%と、カルボン酸金属末端基を有するPPS99.7〜2重量%とを含有するPPSを使用すると更に好ましい。
【0012】
PPSは市販品を入手し使用することができる。PPSの市販品としては、例えばカルボン酸金属末端基を有するPPSである東レ社製品のE1880(MFR 70g/10分)、E2481(MFR 225g/10 分)およびカルボキシル末端基を有するPPSであるM2888(MFR 600g/10 分)、M2588(MFR 300g/10 分)等を挙げることができる。
【0013】
PPSは通常、粉末で得られるものであるが、溶融紡糸に供する前にエクストルダー等で粉末PPSを融点以上の温度に加熱して溶融・混練した後に、必要に応じてフィルター類でろ過して異物を取り除き、ガット状に押し出して冷却後カッティングするなどの方法でペレット状に加工して用いることができる。
【0014】
また、PPS粉体あるいはPPSペレットからオリゴマー類を除去する目的で、溶融紡糸などの成形に供する前に、PPS粉体あるいはPPSペレットを概ね100〜180℃で1〜24時間、減圧下で乾燥して用いることが好ましい。
【0015】
本発明のPPS製のモノフィラメントなどの繊維は、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子などの粒子類のほか、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤、各種強化繊維類、フッ素樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類およびポリスチレン類などが添加されたものであってもよい。
【0016】
本発明のモノフィラメントなどの繊維はポリカルボジイミド化合物を含有する。 該ポリカルボジイミド化合物としては、一分子内に2個以上のカルボジイミド基を含有する化合物ならいずれでもよく、中でもアルキル置換フェニルカルボジイミドを繰り返し単位とするポリカルボジイミド化合物であり、カルボジイミド基に対して、フェニル基のオルトの位置がメチル基、エチル基、イソプロピル基またはt−ブチル基等のアルキル基、特に好ましくはイソプロピル基で置換されたもの、すなわち2,6−および/または2,4,6−位および/または2,3−位および/または2,5−位がイソプロピル基で置換されたフェニルカルボジイミドを繰り返し単位の主体としたポリカルボジイミド化合物(以下、PCDという)が好適に用いられる。
【0017】
該PCDの平均分子量は好ましくは2,000 〜16,000であり、更に好ましくは2,500 〜12,000の平均分子量を有するもが挙げられる。
【0018】
PCDは市販品として、平均分子量3,000 のStabaxolTMP(バイエル社製品)、平均分子量10,000のStabaxolTMP100(バイエル社製品)を入手することができる。また、これらのPCDを予めPPSに高濃度に添加したマスターバッチとして用いることもできる。
【0019】
本発明のモノフィラメントなどの繊維におけるPCDの含有量は任意に設計できるが、PPS100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲が好ましく、0.03〜4重量部であると更に好ましい。
【0020】
本発明のモノフィラメントなどの繊維におけるPCDの含有量がPPS100重量部に対して0.01重量部より少ないと、耐屈曲摩耗性が低下する傾向であり、5重量部より多くても耐屈曲摩耗性が低下する傾向である。
【0021】
本発明のモノフィラメントなどの繊維中におけるPCDは、全部または一部のカルボジイミド基がPPSの末端基と反応した状態あるいは未反応の状態などが混在した形で存在しているものと考えられる。
【0022】
本発明の繊維とは、モノフィラメントの他に、マルチフィラメント、不織布、ステープルファイバーおよび綿状などをいう。また、繊維の形態としては、単一構造の他に、芯鞘複合糸、海島型複合糸、バイメタル複合糸、多層複合糸など種々の形態を含むものである。
【0023】
本発明のモノフィラメントは1本の単糸からなる連続糸である。
モノフィラメントに代表される本発明の繊維の繊維軸方向に垂直な断面の形状(以下、断面形状もしくは断面という)は、円、扁平、正方形、半月状、三角形、5角以上の多角形、多葉状、ドッグボーン状、繭型などいかなる断面形状を有するものでもよい。本発明のモノフィラメントを工業用織物の構成素材として用いる場合には、該モノフィラメントの断面形状が円もしくは扁平の形状が好ましい。特に、該モノフィラメントが抄紙用ドライヤーキャンバスの経糸である場合には、防汚性を有効に発現させることとキャンバスの平坦性という観点から該モノフィラメントの断面形状が扁平なものが好ましく用いられる。本発明における扁平とは、楕円、正方形もしくは長方形のことであるが、数学的に定義される正確な楕円、正方形もしくは長方形以外に、概ね楕円、正方形もしくは長方形に類似した形状、例えば正方形および長方形の4角を丸くした形状を含むものである。また、楕円の場合は、該楕円の中心で直角に交わる長軸の長さ(LD)と短軸の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあり、正方形もしくは長方形の場合は、長方形の長辺の長さ(LD)と短辺の長さ(SD)とが次式を満足する関係にあることが好ましい。
1.0≦LD/SD≦10
該モノフィラメント断面の重心を通る線分の長さは、用途によって適宜選択できるが、0.05〜2.5mmの範囲が好ましい。また、糸の必要強度は用途により異なるが、概ね3.0g/デニール以上であることが好ましい。
【0024】
本発明のモノフィラメントなどの繊維の製造は、公知の溶融紡糸方法を採用することができる。例えばモノフィラメントの製造は、原料であるPPSチップと、所定量のPCD粉末または溶融した液状のPCDとをエクストルダーに供給しながら混練し、ついでエクストルダの先端部に設置したポリマ流線入替器、濾過層などを経て紡糸口金より押し出し、冷却・延伸・熱セットを行うなどの方法で製造することができる。
【0025】
本発明の工業用織物とは、本発明のモノフィラメントを織物の緯糸および/または経糸の少なくとも一部に使用した抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくは各種フィルターのことであり、本発明のモノフィラメントを工業用織物の少なくとも一部の構成素材として用いた工業用織物は、屈曲耐久性が優れた有用なものである。
【0026】
ここで抄紙ドライヤーキャンバスとは、平織り、二重織および三重織など様々な織物(相前後する緯糸と緯糸とがスパイラル状の経糸用モノフィラメントによって織継がれたスパイラル状織物を含む)として、抄紙機のドライヤー内で紙を乾燥させるために使用される織物のことである。また、不織布の熱接着工程用ベルト布とは、不織布を構成する低融点のポリエチレンのような熱接着性繊維を融着させるために不織布を炉中に通過させるための織物であり、平織り、二重織、などの織物である。また、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトとは、各種半製品の乾燥、熱硬化、殺菌、加熱調理などのために高温ゾーン内において半製品を搬送する織物のことである。また、各種フィルターとは、高温の液体、気体、粉体等をろ過する織物のことである。
【0027】
【実施例】
本発明の繊維の好ましい形態の一つであるモノフィラメントおよび該モノフィラメントを使用した工業用織物について、以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
なお、実施例におけるモノフィラメントの屈曲耐久性の尺度となる屈曲切断回数および屈曲摩耗切断回数の測定は次の方法で行なったものである。
【0029】
1.屈曲切断回数の測定
JIS P-8115に準じて屈曲疲労試験機(東洋精機製;MIT屈曲疲労試験機)により、モノフィラメント1d当たりの荷重0.25 g、振れ回数 175回/分、振れ角度約 270度(左右に各約 135度)、モノフィラメントを挟む折り曲げコマにおける左右の折り曲げ面の曲率半径は各々0.38±0.03mmの条件で、同一試料につき各10本のモノフィラメントについて夫々切断するまでの往復折り曲げ回数を測定して平均値を求めた。該平均値が大きいほど屈曲疲労性が良好なことを表す。
【0030】
2.屈曲摩耗切断回数の測定
JIS L-1095-7.10.2Bに準じて、固定されたφ1mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP-A SF))の上に接触させたモノフィラメントを、該摩擦子の左右各55度角度で斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離70mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介して該モノフィラメントの一端にモノフィラメント1d当たり0.22g の荷重をかけてセットする。該モノフィラメントを往復回数 105回/分、往復ストローク25mmで摩擦子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフィラメントについて夫々切断するまでの往復折り曲げ回数を測定して平均値を求めた。該平均値が大きいほど耐屈曲摩耗性が良好なこと
を表す。
【0031】
実施例1
カルボン酸金属末端基を有するPPSペレットとして、E1880(東レ社製品)製ペレット(以下、E−1880という)を用意した。また、カルボキシル末端基を有するPPSとして、M2588(東レ社製品)製ペレット(以下、M2588という)を用意した。
【0032】
PCDとして、バイエル社製品のStabaxolTMP(以下、PCD-P という)およびStabaxolTMP100(以下、PCD-P100という)を用意した。
【0033】
150℃で10時間、減圧乾燥した90重量部のE1880と、同じく150℃で10時間、減圧乾燥した10重量部のM2588および0.5重量部のPCD-P100とを計量しながらφ40mmの1軸エクストルダーに連続供給し、320℃で約2.5分間混練した溶融ポリマをギアポンプを経て紡糸パック内の濾過層および流線入替器(米国ケミックス社の「スターティックミキサー」)を通して円形断面糸用紡糸口金より繊維状に押し出し、80℃の温水で冷却した。次いで、冷却糸条を100℃の湿熱雰囲気中で4倍に第1段延伸を行ない、150℃の熱風中で1.2倍に第2段延伸し、次いで、240℃で0.98倍に弛緩熱処理して直径0.45mmの円形断面を有するモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの強伸度、屈曲耐久性の試験結果を表1に示す。
【0034】
比較実施例1
比較のために実施例1におけるPCD-P100を添加しない以外は実施例1と同様にして得たモノフィラメントの結果を表1に併示する。
【0035】
実施例2〜5、比較実施例2および3
実施例1におけるE1880とM2588との配合量比を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして得たモノフィラメントの結果を実施例2〜5、比較実施例2および3として表1に併示する。
【0036】
実施例6〜
実施例1におけるPCD-P100の配合量比を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして得たモノフィラメントの結果を実施例6〜として表1に併示する。
【0037】
実施例10
実施例1におけるPCD-P100をPCD-P に変更した以外は実施例1と同様にして得たモノフィラメントの結果を実施例10として表1に併示する。
【0038】
表1の結果から実施例1〜10の本発明のPCDを含有するPPSモノフィラメントは耐屈曲耐久性に優れたものであることがわかる。
【0039】
【表1】
Figure 0003730351
実施例11
工業用織物の例として、実施例1で得たモノフィラメントを緯糸および経糸に使用して2重織りの抄紙用ドライヤーキャンバスを作成した。該ドライヤーキャンバス中の経糸の縦割れをチェックしたところ経糸割れは認められなかった。
【0040】
比較実施例
比較のために比較実施例1で得たモノフィラメントを緯糸および経糸に使用して2重織りの抄紙用ドライヤーキャンバスを作成した。該ドライヤーキャンバス中の経糸の縦割れをチェックしたところ、緯糸と重なった稜部の経糸割れがキャンバス100mあたり19か所存在した。
【0041】
実施例1と比較実施例の結果から本発明のPCDを含有するPPSモノフィラメントを使用したドライヤーキャンバスは屈曲耐久性に優れたものであることがわかる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のポリフェニレンサルファイド製のモノフィラメントなどの繊維は、ポリカルボジイミド化合物を含有し繊維構造が強固なものとなり、繰り返し屈曲を受けた時に割れ難く、また摩耗し難いなど、優れた屈曲耐久性を有するものであるため、抄紙ドライヤーキャンバス等の工業用織物として産業上の利用価値が高いものである。

Claims (4)

  1. カルボキシル末端基を有するポリフェニレンサルファイド0.1〜99.9重量%と、カルボン酸金属末端基を有するポリフェニレンサルファイド99.9〜0.1重量%とからなるポリフェニレンサルファイドポリカルボジイミド化合物を含有させたポリフェニレンサルファイド繊維。
  2. 繊維がモノフィラメントである請求項1記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
  3. 織物を構成する緯糸および/または経糸の少なくとも一部が、請求項1もしくは請求項2のいずれか1項記載の繊維からなる工業用織物。
  4. 工業用織物が、抄紙ドライヤーキャンバス、サーマルボンド法不織布熱接着工程用ネットコンベア、乾燥機および熱処理機内搬送用ベルトもしくはフィルターである請求項記載の工業用織物。
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