JP3729970B2 - 嫌気性消化汚泥の脱水剤および嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法 - Google Patents

嫌気性消化汚泥の脱水剤および嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は架橋した高分子から成る汚泥脱水剤に関するものであり、本発明の汚泥脱水剤は、嫌気性消化汚泥の脱水に有効である。
【0002】
【従来の技術】
これまでに各種の汚泥脱水剤ならびに汚泥脱水法が知られている。 例えば、無機凝集剤添加後の汚泥PHが5〜8である有機汚泥に対して両性高分子凝集剤を添加する汚泥脱水法(特開昭63−158200号公報)が知られている。
また、従来の高分子凝集剤の欠点を改良する為に、交叉結合されたカチオン性・アニオン性・ノニオン性の有機高分子組成物(ヨーロッパ特許第0,202,780号明細書、特開昭61−293510号公報、特開昭64−85199号公報、特開平2−219887号公報、特開平4−226102号公報など)が、種々の固液分離に有効であると提案されている。
【0003】
下水の処理方法として、嫌気性消化処理がある。 嫌気性消化処理は、発生する汚泥の減容化、病原菌の低減の他、消化ガスの有効利用が可能であるなどの利点を有する事から、高濃度有機物の処理に有利なプロセスである。
【0004】
最近の下水の質的変化に伴い、嫌気性消化汚泥の脱水処理が非常に困難に成りつつあり、従来のカチオン性高分子凝集剤単独添加では脱水性が不満足である。即ちベルトフィルターやフィルタープレス等の濾過脱水を行うとケーキの剥離が悪く濾布に付着し、デカンターにて遠心脱水すると含水率が高く塊状のケーキを排出し燃焼性が悪い欠点が有った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来公知の両性高分子あるいはカチオン性高分子は性能上不満足である。 特に有機物の嫌気性消化により発生する嫌気性消化汚泥を効率よく脱水する方法は知られていなかった。
【0006】
本発明の請求項1の発明は、下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物を含有する単量体を連鎖移動剤の存在下に逆相乳化重合を行って得た重合物と親水性界面活性剤の混合物であり、汚泥に添加する濃度まで水で希釈した状態で、粒系30μm以下の粒子が顕微鏡にて観察され、該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したときに連続状の乾燥膜を形成し、かつコロイド適定によるイオン当量値が理論値の85%以上である性質を有することを特徴とする嫌気性消化汚泥の脱水剤である。
【化1】
Figure 0003729970
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【0007】
本発明の請求項2の発明は、(A)全単量体中5〜99.9999モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)全単量体中0.0001〜0.01モル%の2官能性単量体、(C)全単量体中0〜30モル%の水溶性アニオン性ビニル単量体またはその混合物、(D)ノニオン性水溶性単量体、(E)連鎖移動剤、(F)水、(G)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物および(H)逆相エマルジョンすなわち油中水型エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤を用意し、上記(A)〜(H)成分を適時混合強攪拌し、油相中に微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行い、親水性界面活性剤を混合し、水により希釈して使用することを特徴とする嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【化5】
Figure 0003729970
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【0008】
本発明の請求項3の発明は、(A)全単量体中5〜97.9999モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)全単量体中0.0001〜0.01モル%の2官能性単量体、(C)全単量体中2〜30モル%の水溶性アニオン性ビニル単量体またはその混合物、(D)ノニオン性水溶性単量体、(E)連鎖移動剤、(F)水、(G)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物および(H)逆相エマルジョンすなわち油中水型エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤を用意し、上記(A)〜(H)成分を適時混合強攪拌し、油相中に微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行い、親水性界面活性剤を混合し、水により希釈して使用することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【化6】
Figure 0003729970
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【0009】
本発明の請求項4の発明は、ノニオン性水溶性単量体が(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【0010】
本発明の請求項5の発明は、 水溶性アニオン性ビニル単量体が(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【0011】
本発明の請求項6の発明は、2官能性単量体がN,N−メチレンビスアクリルアミドあるいは2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【0012】
本発明の請求項7の発明は、親水性界面活性剤がHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる前記式(1)で表される(A)成分の水溶性カチオン性ビニル単量体の具体例としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの三級塩および四級アンモニウム塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの三級塩および四級アンモニウム塩、ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの三級塩および四級アンモニウム塩、ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドの三級塩および四級アンモニウム塩あるいはこれらの混合物から選ばれる一種を挙げる事ができる。 これらの中でもアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩あるいはこれらの混合物から選ばれる一種が好ましく用いられる。
【0014】
本発明に用いられる(B)成分の2官能性単量体の具体例としては2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミドなどのビニル系メチロール化合物、アクロレインなどのビニル系アルデヒド化合物あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でも2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕が好ましく使用でき、N,N’−メチレンビスアクリルアミドはこれに次ぐ。
【0015】
本発明に用いられる(C)成分の水溶性アニオン性ビニル単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、アリールスルホン酸およびその塩あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でもアクリル酸が最も好ましく使用できる。
【0016】
本発明に用いられる(D)成分の水溶性ノニオン性ビニル単量体の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルあるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらの中でもアクリルアミドが最も好ましく使用できる。
【0017】
本発明に用いられる(E)成分の連鎖移動剤の具体例としては、アルコール、メルカプタン、ホスファイト、サルファイトあるいはこれらの混合物が挙げられ。 これら連鎖移動剤の添加量は、有機高分子凝集剤を汚泥に添加する濃度まで水で希釈した状態で、粒系30μm以下の粒子が顕微鏡にて観察され、該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したときに連続状の乾燥膜を形成する性質を有する様に選ばれる。
【0018】
本発明に用いられる(G)成分である少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物の具体例としては、灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油あるいはこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられる(H)成分である界面活性剤はHLB3〜6のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としてはソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテートなどを挙げる事ができる。
【0020】
本発明において油中水型エマルジョン重合により得られた重合物と混合される親水性界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤あるいはHLB9〜15のノニオン性界面活性剤が用いられ、好ましくはHLB10〜14のノニオン性界面活性剤が用いられる。 好ましいノニオン性界面活性剤の代表例としては例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを挙げる事ができる。
【0021】
本発明に用いられる(B)成分の2官能性単量体の重合性単量体全量に対する割合は0.0001〜0.01モル%、好ましくは0.0002〜0.003モル%の範囲で共重合する事が望ましい。 0.0001モル%未満では十分な網目構造が得られず優れた脱水性能が得られない。 また0.01モル%を超えた量では水不溶性の重合体と成り、汚泥に添加混合しても脱水性良好なフロックが得られない。
【0022】
本発明に係る高分子は本質的に公知の重合法により共重合する事ができる。
例えば重合性ビニル単量体と連鎖移動剤を含む水溶液と、HLBが3〜6であるノニオン性界面活性剤を含む有機分散媒とを混合し乳化させた後、ラジカル重合開始剤の存在下、温度30〜80°Cで重合させ油中水型カチオン性重合体エマルジョンを製造する方法が特開昭61−236250号公報に記載されているが、この方法を適用して単量体組成を代える事により本発明の油中水型エマルジョンを合成する事ができる。 この油中水型エマルジョンに親水性界面活性剤を添加して水に混合し、水中油型エマルジョンに転相し、脱水剤として使用する。
溶解後の汚泥への添加条件は、通常の高分子凝集剤と異なる点は無い。
【0023】
本発明の汚泥の処理方法は、嫌気性消化汚泥の前処理として無機凝集剤を添加混合した後に、請求項1に記載の汚泥脱水剤の水による希釈液を添加し、攪拌を加えて嫌気性消化汚泥を凝集させ、脱水機にて凝集汚泥を脱水することもできる。 ここに言う無機凝集剤とは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄、塩化第二鉄およびこれらの混合物から選ばれる一種である。 無機凝集剤の添加量は汚泥SS(懸濁物)あたり10〜100重量%添加し、必要によりPH調整を行う。 本発明における脱水機はベルトプレス・フィルタープレス・デカンター等の公知の汚泥脱水機を選定することができる。
【0024】
【実施例】
次に実施例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0025】
(合成例−1)
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン120.0Kgおよびソルビタンモノオレート7.5Kgを仕込んだ。 脱塩水165Kgおよびアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)27.9997モル%(表1中に約28と表す)、アクリル酸(AAC)2モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)3×10-4モル%、アクリルアミド(AAM)70モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を添加し、ホモジナイザーにて攪拌乳化した。 得られたエマルジョンにイソプロピルアルコール200gを加え窒素置換の後、ジメチルアゾビスイソブチレート40gを加え、温度50°Cに制御しながら重合反応を完結させ、その後ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル7.5Kgを添加混合して試験に供する試料(試料−1)(本発明の凝集剤)とした。
【0026】
(合成例−2)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)27.998モル%(表1中に約28と表す)、アクリル酸(AAC)2モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)70モル%の組成のモノマー200Kgのの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−2)(本発明の凝集剤)を作った。
【0027】
(合成例−3)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.9997モル%(表1中に約50と表す)、アクリル酸(AAC)10モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)3×10-4モル%、アクリルアミド(AAM)40モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−3)(本発明の凝集剤)を作った。
【0028】
(合成例−4)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、アクリル酸(AAC)10モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)40モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−4)(本発明の凝集剤)を作った。
【0029】
(合成例−5)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.9997モル%(表1中に約50と表す)、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)3×10−4モル%、アクリルアミド(AAM)50モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−5)(本発明の凝集剤)を作った。
【0030】
(合成例−6)
アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10−3モル%、アクリルアミド(AAM)50モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−6)(本発明の凝集剤)を作った。
【0031】
(比較合成例−1)
架橋剤である2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)を添加することなくアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)28モル%、アクリル酸(AAC)2モル%、アクリルアミド(AAM)70モル%のみの組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−7)を作った。
【0032】
(比較合成例−2)
架橋剤である2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)を添加することなくアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)50モル%、アクリル酸(AAC)10モル%、アクリルアミド(AAM)40モル%のみの組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−8)を作った。
【0033】
(比較合成例−3)
架橋剤である2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)を添加することなくアクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)50モル%、アクリルアミド(AAM)50モル%のみの組成のモノマー200Kgの混合物を用いた以外は合成例−1と同様にして試験に供する試料(試料−9)を作った。
【0034】
(比較合成例−4)
連鎖移動剤としてのイソプロピルアルールを添加することなく重合を行った以外は合成例−2と同様に、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)27.998モル%(表1中に約28と表す)、アクリル酸(AAC)2モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)70モル%の組成のモノマー200Kgの混合物をもちいて試験に供する試料(試料−10)を作った。
【0035】
(比較合成例−5)
連鎖移動剤としてのイソプロピルアルールを添加することなく重合を行った以外は合成例−4と同様に、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、アクリル酸(AAC)10モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)40モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いて試験に供する試料(試料−11)を作った。
【0036】
(比較合成例−6)
連鎖移動剤としてのイソプロピルアルールを添加することなく重合を行った以外は合成例−6と同様に、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)50モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いて試験に供する試料(試料−12)を作った。
【0037】
(比較合成例−7)
連鎖移動剤の共存下、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)27.998モル%(表1中に約28と表す)、アクリル酸(AAC)2モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)70モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いて合成例2におけると同様の逆相乳化重合物を合成し、転相剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを重合物に後添加することなく、試験に供する試料(試料−13)を作った。
【0038】
(比較合成例−8)
連鎖移動剤の共存下、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、アクリル酸(AAC)10モル%、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)40モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いて合成例2におけると同様の逆相乳化重合物を合成し、転相剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを重合物に後添加することなく、試験に供する試料(試料−14)を作った。
【0039】
(比較合成例−9)
連鎖移動剤の共存下、アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMC)49.998モル%(表1中に約50と表す)、2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕(HPAD)2×10-3モル%、アクリルアミド(AAM)50モル%の組成のモノマー200Kgの混合物を用いて合成例2におけると同様の逆相乳化重合物を合成し、転相剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを重合物に後添加することなく、試験に供する試料(試料−15)を作った。
以上まとめて表1に記載する。
【0040】
【表1】
【0041】
(観察結果−1)
エマルジョン状態の試料−1〜試料−6を水道水にて実機スクリュウ式攪拌装置(300rpm)により攪拌下ポリマー濃度0.2重量%になるように希釈し、1時間経過し増粘した液を採取し、顕微鏡にて観察したところ、全て一面に粒径30μm以下(約3μm)の粒子が観察され、該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したところ連続状の乾燥膜を形成した。 また、この希釈液をコロイド適定によりイオン当量値を測定したところ、全て理論値の85%以上のイオン当量値であった。
【0042】
(観察結果−2)
観察結果−1と同様にエマルジョン状態の試料−7〜試料−9を水道水にて実機攪拌装置により攪拌下ポリマー濃度0.2重量%になるように希釈し1時間経過し増粘した液を採取し、顕微鏡にて観察したところ、全て均一溶液であり粒子は観察されなかった。 該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したところ連続状の乾燥膜を形成した。 また、この希釈液をコロイド適定によりイオン当量値を測定したところ、全て理論値の100%のイオン当量値であった。
【0043】
(観察結果−3)
観察結果−1と同様にエマルジョン状態の試料−10〜試料−12を水道水にて実機攪拌装置により攪拌下ポリマー濃度0.2重量%になるように希釈し1時間経過し増粘した液を採取し、顕微鏡にて観察したところ、すべて一面に粒径30μm以下(約3μm)の粒子が観察され、該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したところ粒状の不連続乾燥膜を形成した。 また、この希釈液をコロイド適定によりイオン当量値を測定したところ、全て理論値の60%以下のイオン当量値であった。
【0044】
(観察結果−4)
観察結果−1と同様にエマルジョン状態の試料−13〜試料−15を水道水にて実機攪拌装置により攪拌下ポリマー濃度0.2重量%になるように希釈した結果、エマルジョンは水中に分散せず、ゲル状の塊が浮遊し、均一なポリマー希釈液は得られなかった。 これに対しビーカースケールでマグネティックスターラーにより強攪拌をした場合はエマルジョンは水中に分散し、ゲル状の塊が浮遊することなく、均一なポリマー希釈液が得られた。
溶解性不良の為に試料−13〜試料−15の効果試験は実施しなかった。
【0045】
(効果試験)
観察結果−1〜3にて調製した水希釈液を用いて、嫌気性消化方式の下水処理場より発生する嫌気性消化汚泥をベルトプレスにより脱水した。 試験に供した汚泥の性状はPH;7.3,SS;15200mg/l,強熱減量69.5%,Mアルカリ度4200mg/lであり、悪臭を放出除去するために曝気処理を行っている。 この汚泥に、対SS60%のポリ硫酸鉄を加え十分混合したのち、対SS1.2%のポリマーを添加攪拌しベルトプレスで脱水した結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
重合時の連鎖移動剤および架橋剤を欠くと本願発明品よりも脱水効果が劣ることは上記効果試験より明白であり、逆相乳化重合物に転相剤を加えない場合は、凝集剤の現場溶解が不能であるため実用に耐えない。 本願発明の従来品に対する優位性は明らかである。
【表−1】
Figure 0003729970
【表−2】
Figure 0003729970

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物を含有する単量体を連鎖移動剤の存在下に逆相乳化重合を行って得た重合物と親水性界面活性剤の混合物であり、汚泥に添加する濃度まで水で希釈した状態で、粒系30μm以下の粒子が顕微鏡にて観察され、該希釈液をガラス板に塗布して105°Cにて加熱乾燥したときに連続状の乾燥膜を形成し、かつコロイド適定によるイオン当量値が理論値の85%以上である性質を有することを特徴とする嫌気性消化汚泥の脱水剤。
    Figure 0003729970
    (但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
  2. (A)全単量体中5〜99.9999モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)全単量体中0.0001〜0.01モル%の2官能性単量体、(C)全単量体中0〜30モル%の水溶性アニオン性ビニル単量体またはその混合物、(D)ノニオン性水溶性単量体、(E)連鎖移動剤、(F)水、(G)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物および(H)逆相エマルジョンすなわち油中水型エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤を用意し、上記(A)〜(H)成分を適時混合強攪拌し、油相中に微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行い、親水性界面活性剤を混合し、水により希釈して使用することを特徴とする嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
    Figure 0003729970
    (但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
  3. (A)全単量体中5〜97.9999モル%の下記式(1)で表される水溶性カチオン性ビニル単量体またはその混合物、(B)全単量体中0.0001〜0.01モル%の2官能性単量体、(C)全単量体中2〜30モル%の水溶性アニオン性ビニル単量体またはその混合物、(D)ノニオン性水溶性単量体、(E)連鎖移動剤、(F)水、(G)少なくとも1種類の炭化水素から成る油状物および(H)逆相エマルジョンすなわち油中水型エマルジョンを生成するに有効な量とHLBである少なくとも1種類の界面活性剤を用意し、上記(A)〜(H)成分を適時混合強攪拌し、油相中に微細単量体相液滴を形成させた後に重合操作を行い、親水性界面活性剤を混合し、水により希釈して使用することを特徴とする請求項2に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
    Figure 0003729970
    (但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 4 、C3 6 、C3 5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素または炭素数1〜4のアルキル基あるいはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
  4. ノニオン性水溶性単量体が(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
  5. 水溶性アニオン性ビニル単量体が(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
  6. 2官能性単量体がN,N−メチレンビスアクリルアミドあるいは2ヒドロキシプロピリデン1,3ビス〔(Nアクリロイルアミノプロピル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド〕であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
  7. 親水性界面活性剤がHLB9〜15のノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項2ないし請求項3のいずれか1項に記載の嫌気性消化汚泥の脱水剤の製造方法。
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