JP3729740B2 - 自動車用総合制御ユニット及び自動車 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用総合制御ユニット及び自動車に係り、特に、複数のシステムを複数の形態で構成、または再構成するのに好適な自動車用総合制御ユニット及び自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車制御にマイコンが使用されるようになってからエンジン制御、A/T制御、サスペンション制御など数多くのシステムが電子化され、各システム毎に飛躍的な進歩を遂げてきた。近年、より付加価値の高い自動車を得るために、いっそう高度な制御や自己診断機能の充実などが求められるようになってきており、その手段の一つとして、異なったシステム間において自由にデータ通信が行えるようなシステムが現れている。
【0003】
従来この種のシステムは、例えば、特開昭61−195453号公報記載のように、以前は独立して機能していた各システムを、LAN等の通信手段を用いて結合することによってシステム間のデータ通信を可能にしていた。
また、例えば特開平3−283843号公報にみられるように、多重伝送路にコントローラーのための通信ノードと、センサー、アクチュエーターのための通信ノードをそれぞれ独立して設け、各々を接続する構成でデータの自由な送受信を可能としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術のうち、前者のように、既存の独立した各システムを通信手段によって結合する構成とした場合には、各ユニットへの入出力はそのシステムに必要なセンサー、アクチュエーターから行われる。そのため、センサー、アクチュエーターの設置位置が車内の各所に分散しているような場合には、前記ユニットとセンサー、アクチュエーターとの配線によるワイヤー・ハーネスの肥大化が避けられないという問題点があった。
【0005】
また、この様な手法においては、一つのシステムを、基本的に一つのユニットで構成する必要がある。従って、複数システムの構成、再構成を容易に行うためには、多システムに共通使用可能なユニットをあらゆるシステムが構築できるよう、余裕を持って設計する必要があり、小さなシステムにおいて大きな無駄が生じることは避けられないという問題点もあった。
【0006】
一方、後者のように、それぞれに通信手段を備えた、センサー、アクチュエーターと演算ユニットとを通信手段で結合する構成とした場合には、前記ユニットやセンサー、アクチュエーター等を用いて、柔軟にシステムを構成することが可能である。しかし、全ての未加工データを通信手段を通して送信する必要があるので通信手段にかかる負担が大きく、しかも、超高速度の通信手段が必要なうえに、万一、通信手段が故障した場合にはシステムが全面的にダウンしてしまう可能性が高いという問題点があった。のみならず、各センサー、アクチュエーターの信号を、全て通信手段を介して伝送させるため、全てのセンサー、アクチュエーターにそれぞれ送信手段、信号処理手段を設ける必要があり、システムの構成部品点数を著しく増大させてしまうといった欠点を有していた。さらに、アクチュエーターに異常が発生したとき、ドライバーにアクチュエーターの故障をいち早く知らせることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、多様化する自動車制御システムへの対応を柔軟かつ容易に行うことができ、しかも、制御装置の部品点数の増大を抑制して全体を安価に構成することができるとともに、各部を合理的に配置できる、自動車用総合制御ユニットを提供することにある。また、アクチュエーターに異常が発生したとき、いち早く異常を検出することができ、安全性をよりいっそう高めることができる自動車用総合制御ユニット及び自動車を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係わる自動車用総合制御ユニットは、基本的には、自動車用の電装品に自動車用バッテリーの電力を供給するために、電源線を前記バッテリーから引き出し、前記電源線に前記電装品を接続した電力供給システムで使用される自動車用総合制御ユニットであって、前記総合制御ユニットは、前記電装品の駆動に必要な電力を供給するパワー回路と、前記電装品の故障を検出する故障検出回路と、該故障検出回路の出力が入力される中央演算処理部とを備え、前記故障検出回路は、上限基準電圧および下限基準電圧を発生する比較電位発生部と、負荷に直列に接続された抵抗に発生する電位差を入力とするオペアンプ部と、当該オペアンプ部の出力電位と、前記上限基準電圧および下限基準電圧とを比較して、前記オペアンプ部の出力電位が前記上限基準電圧より大きい場合または前記下限基準電圧より小さい場合には、前記中央演算処理部に異常検出信号を発生する比較器とを有することを特徴としている。
【0009】
そして、本発明に係わる自動車は、自動車用バッテリーに接続された電源線が車輌内に配設され、前記電源線に接続された自動車用アクチュエーターの電力供給システムと、当該システムにおいて用いられる自動車用総合制御ユニットとを備える自動車であって、前記自動車用総合制御ユニットは、前記アクチュエーターの故障を検出する故障検出回路と、前記故障検出回路の出力を入力の一つとする中央演算処理部とを備え、前記故障検出回路によって検出された前記アクチュエーターに関する断線あるいは短絡の情報に基づいて必要な処理を行う前記中央演算処理部の出力に基づいて前記アクチュエーターの故障情報をドライバーに伝える手段とを有し、前記故障検出回路は、上限基準電圧および下限基準電圧を発生する比較電位発生部と、負荷に発生する電位差を入力とするオペアンプ部と、当該オペアンプ部の出力電位と、前記上限基準電圧および下限基準電圧とを比較して、前記オペアンプ部の出力電位が前記上限基準電圧より大きい場合または前記下限基準電圧より小さい場合には、前記中央演算処理部に異常検出信号を発生する比較器とを有することを特徴としている。
【0010】
さらに、自動車用総合制御ユニットにおいて、前記電源線は、車両内に環状に配設されていることが好ましく、前記の自動車において、前記電源線は、車両内に環状に配設されていることが好ましい
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施例を説明する前に、先ず、本発明の実施例の前提となる技術を説明する。
【0012】
図1は本発明の前提となる第1の技術である。図1において、本発明の前提となる自動車用総合制御ユニットは、複数の入出力信号を処理することのできる入出力処理手段である入出力ユニット3と、この入出力ユニット3で処理された信号を用いて自動車制御の演算を行うための演算手段である演算ユニット1と、これら二つのユニット1、3を結合するインターフェイス手段2とからなる。演算ユニット1は演算手段4を備えるとともに、制御内容に基づいて入出力ユニット3からの入力値を用いて出力値を計算する。入出力ユニット3は、入出力信号を処理するための演算手段5と、センサー6からの入力信号を取り込み前記演算ユニットに出力する手段(図示せず)とを備えるとともに、演算ユニット1から出力された制御値に基づいてアクチュエーター7を駆動する手段(図示せず)を備える。前記2つのユニットはインターフェイス手段2で結合されており、互いに信号の授受ができるような構造となっている。
【0013】
図2は本発明の前提となる第2の技術であり、インターフェイスにLAN等の多重通信を用いた場合のシステム構成図の一例を示したもので、演算ユニット201と入出力ユニット202が通信手段203を介して接続されている。
【0014】
図3は、図2の演算ユニット、入出力ユニット、および通信手段を用いたユニット間インターフェイスによるシステムの一構成例を示したものである。図3において、演算ユニット301はユニット管理や各種の演算を行うためのCPU306を、入出力ユニット302はユニット管理やデータ処理を行うためのCPU307をそれぞれ有し、ユニット間でのデータの送受信の際には、これらのCPU306、307がアドレスバスおよびデータバス310、310を介して当該通信コネクタ308、308に出力するようになっている。各通信コネクタ308、308は通信回路309、309を有し、この通信回路309、309は通信に関する処理および当該ユニットの診断機能を備えており、各CPU306、307からの送信データおよび各ユニット301、302の診断結果を、通信線303を通じて他方のユニットに送るほか、通信線303に流れてくる各種の情報を当該ユニットのCPUに送る働きをする。このように、本図示例においては、ユニット301、302の外部にある通信コネクタ308、308に通信回路309、309を設けるとともに、CPU306、307との間をアドレスバス及びデータバス310で連結することにより、通信コネクタ308、308より先の自由度を高めることができる。
【0015】
本発明と従来技術との構成上の対比を行うために、図4に従来の自動車制御システムの実際の一構成例を示す。図4には、エンジン制御、A/T制御、アクティブサスペンション制御、トラクションコントロール制御(TCS)に関するコントロールユニット、一部のセンサーおよびアクチュエーター等の各制御システムが配置されるとともに、その配線が前記各制御システム毎に行われている様子が示されている。なお、図4において、各センサーから各コントロールユニットへの入力信号線405を一点鎖線で、各コントロールユニットから各アクチュエーターへの出力信号406を点線で示してあり、特に複数の信号線が束ねて配線された箇所については太線で示した。
【0016】
図5は、図3に示した演算ユニット、入出力ユニット、および通信を用いたインターフェイスにより構成された本発明に関する第2の前提技術を、図4で示した制御システムに適用することにより、具体的に実現したものである。なお、図5においては、通信および電源線500を実線で、センサーからコントロールユニットへの入力信号線514は一点鎖線で、コントロールユニットからアクチュエーターへの出力信号線515を点線で示してある。
【0017】
図5において、車内全体には通信および電源線500が設けられ、これに各制御用の演算ユニット501,502,503,504、および物理的配置において近い位置にあるセンサーおよびアクチュエーターとの接続が可能となるよう各所に配置された入出力ユニット(図中ではIO/Uと表記)507,508,509,510,511,512が接続されている。図5からもわかるように、入出力ユニット507〜512には、これらが配された位置の近傍にセンサー、アクチュエーターが適当な数だけ接続されており、このため、センサー、アクチュエーターからユニットへの配線は図4の従来技術の構成における配線に比べて短く、かつ整序された合理的な配置となっている。なお、図5に示した演算ユニット501〜504に関して、本図示例の構成においては制御システム毎にそれぞれユニットを設ける必要はなく、また、演算量とユニットの持つ演算能力や環境条件等を考慮して、その数、および配置位置を自由に決めることが可能である。さらに、入出力ユニット507〜512についても、図示された形に限定されることなく、入力信号または出力信号の数や種類に応じてその数および配置位置を自由に決めてよいことは勿論である。
【0018】
また、図5に示した前提技術では、ユニット間のインターフェイスとして多重通信を利用したものを使用しており、かつ通信線には電源線500が併設されている。この電源線500から、各演算ユニット501〜504や入出力ユニット507〜512、並びに、車内に設けられた電装品等が電力の供給を受けられるような構成となっており、図示例のものでは、この電源線500はエンジンルームに設けられた電源制御ユニット505またはフェイルセーフユニット(FS/U)506を介してバッテリー513に接続されている。電源制御ユニット505は、長時間の駐車時に各ユニットへの電源供給を停止してバッテリー上がりを防ぐなど、電源線への電力の供給を制御する機能を有している。また、フェイルセーフユニット506は、電源制御ユニット505の故障時に各所への電源供給が停止するのを防ぐ目的で電源制御ユニット505の代替機能を有しており、また通信線等を通して車内のユニット等の故障状態を把握し、故障発生時にはドライバーへの警告を行い、必要な情報を記録するための機能が設けられている。
【0019】
図6は本発明の前提となる第3の技術を示すものであり、図2で示した入出力ユニットの機能を、複数のセンサー信号604を入力・処理することのできる入力ユニット602と、制御値に基づいて複数アクチュエーター605を駆動することができる出力ユニット603の二つのユニットに分けてシステムを構成したものである。入力ユニット602及び出力ユニット603は、演算ユニット601と共に多重通信手段606を介して接続されている。本図示例の構成によれば、アクチュエーター605駆動のための回路と入力信号処理の回路とを同一のユニット内に設ける必要がなくなるため、ノイズ対策が容易となる。
【0020】
本発明の第3の前提技術に、図2で示した入出力ユニットを構成要素として組み合わせ、例えば演算ユニットと入出力ユニットと入力ユニット、演算ユニットと入出力ユニットと出力ユニットの3種類のユニットを用いて制御システムを構成する方法や、演算ユニットと入出力ユニットと入力ユニットと出力ユニットの4種のユニットを用いてシステムを構成する方法のほか、前記の様々なシステム構成に、さらに従来技術であるスマートセンサー(演算機能を備え、データを、その後の演算での使用に適した形に変換して出力する機能を備えたセンサー)やスマートアクチュエーター(演算機能を備え、与えられた制御値に基づいた動作が可能なアクチュエーター)を組み合わせる方法など多くの実現方法が考えられる。
【0021】
図7は、図6で示した演算ユニット、入力ユニット、出力ユニット、および通信手段を用いたユニット間インターフェイスによるシステムの一構成例である本発明の第3の前提技術を具体的に示したものである。図7において、演算ユニット703は、ユニット管理や各種の演算を行うためのCPU707を、入力ユニット704はユニット管理やデータ処理を行うためのCPU708を、出力ユニット705はユニット管理やデータ出力処理を行うためのCPU709をそれぞれ備えるとともに、ユニット間でのデータの送受信の際には、これらのCPU707、708、709がアドレスバスおよびデータバス710、710、710を介して当該通信コネクタ702、702、702に出力するようになっている。各通信コネクタ702、702、702は通信回路706、706、706を備え、この通信回路706、706、706は通信に関する処理および当該ユニットの診断機能を備えており、各CPU707、708、709からの送信データおよびユニットの診断結果を、通信線701を通じて他のユニットに送るほか、通信線701に流れてくる各種の情報を当該ユニットのCPUに送る働きをする。
【0022】
このほか、特に図示しなかったが、図3や図7に示したユニットインターフェイス手段を用いて、前述のように演算ユニット、入出力ユニット、入力ユニット、出力ユニット等を自由に組み合わせ、システムを構成することが考えられる。さらに、図3や図7に示したように、通信回路をユニットの外に設け、バスを介してユニット間の入出力を行うような構成とした場合、CPU間のデータの送受信が可能であるような、前記通信を用いたものとは異った、例えば後述する図9や図10に示すようなユニット間インターフェイスを用いてユニットを接続し、システムを構成することが可能である。このことにより、規模、形態とも多様化し、自動車によって大きく異なってしまう制御システムの構成を、共通のいくつかのユニットを用いて効率よく実現することが可能となり、また、自動車制御用部品点数の削減につながる。
【0023】
図8は、本発明に関する第2の前提技術を、図4で示した制御システムに適用することにより、具体的に実現した自動車用制御システムの配置図の一例である。
図8において、車内全体には通信線および電源線800が設けられ、これに各制御用の演算ユニット801,802,803,804、物理的配置において近い位置にあるセンサー、アクチュエーターとの接続が可能となるよう各所に配置された入力ユニット(図中ではS/Uと表記)809,810,811、出力ユニット(図中ではD/Uと表記)807,808が接続されている。前記のように、入力ユニット809〜811、出力ユニット807、808には配置位置的に近いセンサー、アクチュエーターが適当な数だけ接続されている。そのため、センサーおよびアクチュエーターから各ユニットへの配線は、図4に示した従来技術の構成における配線に比べて短く、しかも整序された合理的配置となっている。なお、図8に示した演算ユニット801〜804に関して、本システムにおいては制御システムの構成にこだわることなく、演算量とユニットの持つ演算能力や環境条件等を考慮して、その数、および配置位置を自由に決めてよい。また、入力ユニットや出力ユニットについても示された形にこだわることなく入力信号や出力信号の数や種類に応じてその数および配置位置を自由に決めてよいことは勿論である。
【0024】
また、図8において、ユニット間インターフェイスには、図5の場合と同様に、多重通信が用いられており、その通信線800には電源線が併設されている。各演算ユニット801〜804、入力ユニット809〜811、出力ユニット807、808、並びに車内に設けられた電装品等は、電源線800から電力の供給を受けることが可能であるが、本図示例では、この電源線800はエンジンムールに設けられた電源制御ユニット805またはフェイルセーフユニット(FS/U)806を介してバッテリー813に接続されている。また、電源制御ユニット805、およびフェイルセーフユニット806については、図5の説明において述べた電源制御ユニット505、およびフェイルセーフユニット506と同様の作用を有するものであり、ここでは重複する説明は省略する。
【0025】
なお、前述した図5や図8で示した前提技術において、度々自動車制御システムに関する考察がなされていたが、本発明において取り扱う信号は、自動車で使用されるすべての信号であって、制御信号のほかに搭乗者によって操作されるスイッチ等からの信号、車外から取り込んだ信号、外因により変化する環境からの信号など様々なものが含まれるものである。
【0026】
図9は、図2で示した本発明の前提となる第2の技術のシステム構成における演算ユニット及び入出力ユニットと同一構成のものを用いるとともに、異種のインターフェイスを用いて構成した第4の前提技術のシステム構成の一例を示したものである。
【0027】
図9において、演算ユニット901と入出力ユニット902は、図2で用いたものとは異なったインターフェイス903によって結合されており、このインターフェイス903内に設けられたデュアルポートRAM(図中にはDPRAMと表記)905にはそれぞれのユニット内部のアドレスバス及びデータバス907,908が接続されている。本図示例の構成においては、各ユニット901、902間でのデータの送受信はこのDPRAM905を通して行われる。このような構成により、従来の入出力を備えたユニットと同等な機能を備えるとともに全体を安価に構成することができ、また、小型のチップにより高速演算可能なシステムが得られる。
【0028】
図10は、図6で示した本発明に関する第3の前提技術のシステム構成における演算ユニット、入力ユニット、及び出力ユニットと同一構成のものを用いるとともに、異種のインターフェイスを用いて構成した第5の前提技術のシステム構成の一例を示したものである。
【0029】
図10において、演算ユニット1001と、入力ユニット1002、並びに出力ユニット1003とは、図9で示したものと同様なインターフェイス1004によって結合されており、インターフェイス1004内に設けられたデュアルポートRAM(図中にはDPRAMと表記)1005には各ユニット内部のアドレスバス及びデータバス1008,1009が接続されている。本構成において、ユニット間でのデータの送受信はこのDPRAMを通して行われる。
【0030】
図10に示した前提技術では、入力ユニット1002、出力ユニット1003とDPRAM1005の接続を共通のバス1009で行ったが、この場合にはDPRAM1005のアドレス領域をそれぞれのユニットに振り分けて使用されている。あるいは、特に図示しなかったが、インターフェイス1005に、それぞれ入力ユニット1002、出力ユニット1003のバスに接続された2つのDPRAMを設け、演算ユニット1001のバスを前記2つのDPRAMに接続してデータのやりとりを行うように構成することも可能である。
【0031】
次に、多種多様な制御システムに広範に適用可能である共通化ユニットの具体例について説明する。
前記共通化ユニットは、異なった複数のインターフェイスによって相互に結合されることが可能なもので、例えば、演算ユニット、入出力ユニット、入力ユニット、出力ユニットについて、以下の図11〜14により詳述する。
【0032】
図11は演算ユニットの構成図の一例である。図11において、制御内容や、システムの各状態を示すデータテーブル等を記憶するためのROM1103及びフラッシュメモリ1105、当該ユニットに入力された信号の記憶や演算の補助等に用いるRAM1104、記憶された制御内容に基づいて実際に演算を行うCPU1106、CPU1106の異常を監視するウォッチドッグタイマー1107が設けられており、これらはデータバス及びアドレスバス1109によって接続されている。ここで、ROM1103とフラッシュメモリ1105については、少なくともどちらか一方のみを設けても充分な機能を果たすことができる。両方を設けた場合には、例えば、あらゆるシステムにおいて共通に使用できる内容についてはROM1103に、接続機器のデータテーブルのようにシステムにより変化する内容についてはフラッシュメモリ1105に書き込むようにすることも可能である。また、CPU1106の異常動作を監視するウォッチドッグタイマー1107はCPU1106の異常を検出すると通信回路1102に信号を出すようになっており、通信回路1102は通信線1110を通して他のユニットに当該演算ユニットの異常を知らせるようになっている。
【0033】
さらに、演算ユニット内にはCPU1106を用いてフラッシュメモリ1105の消去、書換を行うための電源を供給するDC−DCコンバーター1108が設けられており、その電源はユニットへの電源供給と共に前記通信線1110に併設された電源線からの通信コネクタ1101を通して供給される。但し、前記フラッシュメモリ1105のない場合にはDC−DCコンバーター1108は不要となる。
【0034】
図12は任意の入出力信号の処理が可能な入出力ユニットの構成図の一例である。本図示例による入出力ユニットは、基本的には、後述する図13及び14で示される入力ユニット及び出力ユニットのものと、同一の構成もしくは同一の機能を有する構成部品を用いて構成されている。図12において、入出力ユニットには、ROM1203、RAM1204、フラッシュメモリ1205、CPU1206、ウォッチドッグタイマー1207、A/D変換器1215、D/A変換器1216、フリーランタイマー1217、シリアルコミュニケーションインターフェイス1218、I/Oインターフェイス1219、1219、1219、1219が設けられ、これらはデータバス及びアドレスバス1220を介して互いに接続されている。
【0035】
ROM1203及びフラッシュメモリ1205には、入出力ユニットに接続されたセンサー1221やアクチュエーター1222に関する情報や、各入出力信号の処理に関するデータ、入出力割当ポート、及びそれらを実際に処理するための手順等が記憶されているが、必要に応じてROM1203およびフラッシュメモリ1205の両方、あるいは少なくとも何れか一方による構成としても良い。また、フラッシュメモリ1205の消去、書換に用いるためのDC−DCコンバーター1223やユニットへの電源供給方式、CPUの異常を監視するウォッチドッグタイマー1207については、前述した演算ユニットの場合と同様である。RAM1204はデータ処理時に補助的に用いるなど様々な用途に用いることが出来るが、不要であればなくても良い。
【0036】
CPU1206は、入出力信号に対して、後述する入力ユニット及び出力ユニットにおける両方のCPUによる処理が可能な機能を備えるとともに、必要な処理を行う。
A/D変換器1215は後述する図13の入力ユニットに用いられるA/D変換器と同様の機能を、また、D/A変換器1216は後述する図14の出力ユニットに用いられるD/A変換器と同様の機能を有する。
【0037】
また、フリーランタイマー1217及びシリアルコミュニケーションインターフェイス1218は、後述する図13及び図14の図示例で用いられる、フリーランタイマー及びシリアルコミュニケーションインターフェイスによる入力処理と出力処理の両機能を併有するとともに、アドレスバスおよびデータバス1225を介してI/Oインターフェイス1219、1219、…に接続されている。
【0038】
さらに、I/Oインターフェイス1219、1219、…は、入力および出力のポートとして、後述する図13及び14の入力ユニット及び出力ユニットに用いられるおけるI/Oインターフェイスの両方の機能を持っており、後段には入力線、およびパワー回路1226、1226、1226、故障検出回路1227、1227、1227が後述する図13及び14の図示例と同様に接続されている。
【0039】
図13は入力ユニットの構成図の一例である。図13において、入力ユニットには、ROM1303、RAM1304、フラッシュメモリ1305、CPU1306、ウォッチドッグタイマー1307、A/D変換器1315、フリーランタイマー1317、シリコンコミュニケーションインターフェイス1318、I/Oインターフェイス1319、1319、1319が設けられ、これらはデータバス及びアドレスバス1325を介して互いに接続されている。
【0040】
ROM1303及びフラッシュメモリ1305には、入力ユニットに接続されたセンサー1321、1321、1321に関する情報や各入力信号の処理に関するデータ、及びそれらを実際に処理するための手順等が記憶されており、CPU1306はこれらに基づいて必要な処理を行い、インターフェイスを介して演算ユニットにデータを送信できるようになっている。ただし、ROM1303及びフラッシュメモリ1305については、どちらか一方を用いても良いし、両方を設けて使い分けても良い。またフラッシュメモリ1305の消去、書換に用いるためのDC−DCコンバーター1323やユニットへの電源供給方式、CPU1306の異常を監視するウォッチドッグタイマー1307については、前述した演算ユニットの場合と同様である。
【0041】
RAM1323はデータ処理時に補助的に用いるなど様々な用途に用いることが出来るが、不要であればなくても良い。
A/D変換器1315はアナログ入力信号を、フリーランタイマー1317はPWM入力信号を、シリアルコミュニケーションインターフェイス1318はシリアル入力信号をそれぞれデジタル信号に変換し、バス1325を介してCPU1306に送る。図中には、一般に自動車用として必要十分な精度を持つものとされる16ビットのフリーランタイマー1317を示したが、システムの内容をよく考慮して10ビッドのものや20ビットのものなど必要なものを使用することができる。
【0042】
また、I/Oインターフェイス1319、1319、1319には、A/D変換器1315、フリーランタイマー1317、シリアルコミュニケーションインターフェイス1318及びバス1325のぞれぞれが接続され、内部の切り替え回路(図示せず)により各種センサー1321の信号の入力ポートまたはバスの入力ポートとして使い分けることが出来る様な構成となっている。従って、本図示例の入力ユニットによれば、様々なシステムにおいて任意に選ばれ、接続されたセンサー信号を入力し、演算ユニットに送ることが可能である。
【0043】
図14は出力ユニットの構成図の一例である。本図示例の出力ユニットには、ROM1403、RAM1404、フラッシュメモリ1405、CPU1406、ウォッチドッグタイマー1407、D/A変換器1416、フリーランタイマー1417、シリアルコミュニケーションインターフェイス1418、I/Oインターフェイス1419、1419、1419が設けられ、これらはデータバス及びアドレスバス1425を介して互いに接続されている。ここで、ROM1403及びフラッシュメモリ1405には当ユニットに接続されたアクチュエーター1422、1422、1422に関する情報や各出力信号の処理に関するデータ、出力割当ポート、及びそれらを実際に処理するための手順等が記憶されているが、前述した入力ユニットの場合と同様、必要に応じてROM1403およびフラッシュメモリ1405の両方またはどちらか一方による構成としても良い。またフラッシュメモリ1405の消去、書換に用いるためのDC−DCコンバーター1423やユニットへの電源供給方式、CPU1406の異常を監視するウォッチドッグタイマー1407については前記演算ユニットの場合と同様である。
【0044】
RAM1404はデータ処理時に補助的に用いるなど様々な用途に用いることが出来るが、不要であればなくても良い。
CPU1406は、インターフェイスを介して図1の演算ユニット1から送られてきたデータに対して、ROM1403やフラッシュメモリ1405に記憶された手順に基づいて処理を行い、その結果をD/A変換器1416、フリーランタイマー1417、またはシリアルコミュニケーションインターフェイス1418に出力する。
【0045】
D/A変換器1416、フリーランタイマー1417、シリアルコミュニケーションインターフェイス1418では、CPU1406からのデータをそれぞれアナログ信号、PWM信号、シリアル信号に変換し、I/Oインターフェイス1419、…に出力する。但し図中には、自動車用として一般的に必要十分な精度を持つ16ビットのフリーランタイマーを示したが、システムの内容をよく考慮して10ビットのものや20ビットのものなど必要なものを使用することができる。
【0046】
I/Oインターフェイス1419、…には、D/A変換器1416、フリーランタイマー1417、シリアルコミュニケーションインターフェイス1418及びバス1425のそれぞれが接続され、内部の切り替え回路(マルチプレクサ等)により各種アクチュエーター1422、…への信号の出力ポートまたはバスの出力ポートとして使い分けることが出来る様な構成となっている。従って、当ユニットによれば、様々なシステムにおいて任意に選ばれ、接続されたアクチュエーター1422、…へ信号を出力し、駆動できるような構造になっている。
【0047】
I/Oインターフェイス1419、…の出力ポートにはそれぞれ任意のアクチュエーター1422、…が接続されているため、アクチュエーターによっては駆動に大きな電力を必要とするものもある。このためI/Oインターフェイス1422、…の出力端には増幅用のパワー回路1426、1426、1426を設けることができるようになっている。さらに、アクチュエーター1422、…の故障対策として駆動部の最後段にアクチュエーターの故障検出回路1427、1427、…を設けることが可能な構成になっている。この故障検出回路1427、…の出力端子は当該ユニットのCPU1406に接続されており、アクチュエーター等の故障が検出された場合には、必要な処理ができるようになっている。
【0048】
図15は入出力切り替え手段を有したI/Oインターフェイスの構成図の一例を示したものである。図15において、A/D変換器1501、D/A変換器1502の出力端子、及びフリーランタイマー1503、シリアルコミュニケーションインターフェイス1504、アドレスバス及びデータバス1505の入出力端子のうち、それぞれ2つずつが例として示されている。また、4つの入出力ポート1506、1506…の端子のうちそれぞれ2つずつの端子が例として示されている。図15からもわかるように、これらの端子はスイッチ1507、…を通して互いに任意に接続することが可能な構成になっており、切り替え手段はCPUからの指示に応じて端子間の接続を行う。この切り替え手段には例えばマクチプレクサのような回路を用いればよい。
【0049】
また、図に示したように、各切り替え手段にはユニット内のデータバス及びアドレスバス1505が接続されており、切り替えに関する指令はこのバス1505を通してユニットのCPUから与えられる。この方式によれば、同一の入出力ポートに接続された機器に対して、入力、出力をソフトウェアーによって切り替えて使用することも可能である。
【0050】
図16は本発明の実施例を示しており、前述した図12及び14におけるアクチュエーターの故障検出回路の構成図の一例である。
図16において、負荷1600の駆動電流は、ユニット内に取り込まれた電源線1610から、駆動回路の抵抗 1601およびスイッチング素子1602を経て、負荷1600を通り、アース側に流れる。スイッチング素子1602はユニット内のCPU1603から出された制御信号1604によってON,OFFされる。
【0051】
ここで、実際の検出法について説明する。駆動電流の電流路上において、前記スイッチング素子1602と前記負荷1600の間に電流測定抵抗 1605を設けると、負荷電流の電流値に比例して 1605の両端には電位差が発生する。本検出器では、この電位差をオペアンプ1607を用いて対0電位の値 として増幅し、これを比較電位発生部1608から発生された上限電圧 、下限基準電圧 と共に比較器1609に入力する。比較器1609では かつ の正常条件が成立しているか否かをCPU1603に出力し、CPU1603は制御信号1604がONでかつ正常条件が成立しないときには異常と判断し、処理を行う。
【0052】
次に、オペアンプ1607、比較電位発生部1608の詳細について説明する。図16において、電流測定抵抗 1605の負荷側端電圧を 、電源側端電圧を 、オペアンプの入力側抵抗、出力側抵抗を図のようにそれぞれ ,R とするとオペアンプ1607からの出力電圧 はアース端からの電位として
=(R /R )×(V −V
と表すことができる。また、図16の比較電位発生部1608において、抵抗 ,R は可変抵抗で、それぞれ固定抵抗 ,R と直接に接続されている。電位 はアースに対する電源の電位を /(R +R 倍したものに、電位 はアースに対する電源の電位を /(R +R 倍したものになっている。
【0053】
ユニット内にこの種の検出回路を持つことで、断線あるいは短絡のようなアクチュエーターの異常を検出することができ、システムに付加される自己診断機能の一部として利用し、整備、修理の一助となると共にアクチュエーターの故障をいち早くドライバーに伝えることによって安全性をよりいっそう高めることができる。
【0054】
次に、本発明に関する前提技術に供される多重通信手段について説明する。
LANなどの多重通信手段を用いて多種多様の情報を一括して伝える場合には、一部の高速な信号においてその伝達の時間的遅れが問題となるため、リアルタイム性が高く、かつフェイルセーフ性の高い通信技術がその実効性を高めるためには必要不可欠なものといえる。
【0055】
図17は多重通信の概略を示す構成図の一例である。本図示例においては、優先割り込みを実現するための通信制御線A´1701を備えた優先度付き分散制御LAN(通信線A1702)と分散制御LAN(通信線B1703)の二重系の通信システムとなっている。この優先度付き分散制御LAN1702は、データを後述の優先レベルに応じて優先的に送信できるような仕組みになっており、高速のデータは少ない待ち時間で送信される。また、通信線A1702で使用中であっても通信線B1703より別のデータを送信することが可能であるので、極めて待ちの少ないデータ通信が期待できる。さらに二重系のLANであることから、どちらか一方のLANが断線等により通信不能になった場合でも、もう一方のLANを使用すれば必要最低限の通信を確保することができるため、本システムは非常にフェイルセーフ性の高い通信システムである。
【0056】
図17において、通信インターフェイス1704には、通信制御線A´1701及び通信線A1702の接続された通信回路A1705と、通信線B1703の接続された通信回路B1706の2つの通信回路が設けられ、これらは主にユニット1706内のアドレスバス及びデータバス1707に接続されている。ユニット1706においてデータの送信要求が生じると、ユニット1706内のCPU1708は通信線A、またはBを利用して送信を行うが、その手順は以下に述べる図18及び図19に示す通りである。
【0057】
図18はデータの送信優先処理手順を表すフローチャート、また、図19は前記通信システムの、通信線における信号の流れの一例を示した説明図である。図18において、あるユニットXにおいて任意のデータのLの送信要求が発生したとする(1801)。ここで、データLには優先レベルと呼ばれる通信線Aの使用優先度が与えられており、これらは例えばユニット内のフラッシュメモリーに記憶されている。この優先レベルは、例えばパワーウィンドーの操作スイッチのように比較的時間に余裕のあるデータについては低く、例えばエンジンの回転数信号のようにリアルタイムな情報が必要となるような高速のデータについては高い優先レベルを持つように設定されており、数段階のレベルが設定されている。データの送信にあたっては、この優先レベルに基づいてふるい分けが行われ、送信経路はその時の通信線の使用状態及び優先レベルに応じて決定される。なお優先レベルのデータ長については可変長、固定長の両方が考えられるが、固定長にした場合にはデータの送信終了が容易に検出できるので、本通信システムにおいては後述の処理開始信号、通信線強制解放信号と共に優先レベルを固定長とする。
【0058】
まず、データの優先レベルが低いもの、すなわち低速のデータについては通信線Aの混雑を避けるために予めふるい落とされ(1802)、通信線Bより送信される(1809)。ただし、このとき通信線Bが使用中であった場合にはBが空くまで待つものとする(1812)。
【0059】
次に、それ以上の優先レベルのデータについては、通信線Aが空きであれば(1803)通信線Aから送信することにする。このときの手順は図19に示したように、まずユニットXが通信制御線A´から処理開始信号1901を送信する。これは、他のユニットに対して通信制御線A´への送信を禁止する意味を持っており、他のユニットはこの後に続いて送信される優先レベル信号1902を解読し、ユニットXによるデータLの送信が終了するまでその値を記憶している。優先レベルの送信が終了した時点で、通信制御線A´への送信禁止は解除される。続いて、ユニットXは通信線Aより実際のデータLを送信し、データLの末尾には送信終了信号が付加される(1807、1903、1906)。他のユニットはこの送信終了信号を解読すると、通信線Aの空きを知り、優先レベルをクリアーし、次の通信に備える。
【0060】
図18の通信線Aの空き判定1803において、通信線Aが他のデータ通信に使用され、空いていない場合には、通信線Bの空き判定1808に入る。ここで通信線Bが空きであればデータLは通信線Bを通して送信される(1809)。
【0061】
通信線Bの空き判定1808において、通信線Bが使用中である場合には、再び通信線Aについて検討が行われる。すなわち、通信線Aに使用して現在送信されているデータ、これを仮にMとする、の優先レベルに対して送信待ちをしているデータLの優先レベルが低いか、同レベルか、または高いかの判定が行われ(1805)、データLの優先レベルが低いかまたは同レベルの場合にはデータMの送信が終了するまでデータLの通信線Aからの送信は行わず、通信線Aの空き、通信線Bの空きを繰り返し調べ、どちらかの通信線は空きが出るまで待って、空いた通信線より送信を行う。これに対し、データLの優先レベルが高い場合には、ユニットXは通信制御線A´より図19にも示した通信線Aの強制解放信号1904を送信し(1811)、続けて図19にも示された優先レベル信号1905を送信する(1805)。その後の処理は通信線Aを用いた場合の通常の送信法と同様である。ここで、送信を中断されたデータMは送信待ちデータとして新たに初期処理1801からスタートするものとする。ただし、ユニットの通信処理能力が十分に大きければ通信待ちデータの為の特有の処理を行ってもよい。
【0062】
また、優先割り込みの判定法には様々な方法があり、例えばデータMの優先レベルの値に対してデータLの優先レベルの値が複数大きいことを基準とする方法、値が1以上大きいことを基準とする方法等優先レベルの決め方に応じて様々な基準の決め方が存在する。
なお、ユニットにおいて実際にこれらの通信処理を行うのは、前記の通信回路Aまたは通信回路Bであってもよいし、その一部の処理をユニット内のCPUが行ってもよいし、または外部にその処理を行うための回路を設けてもよい。
【0063】
以上の説明から明かなように、本発明によれば、演算の為のユニットと複数の入出力の処理を行うユニットを分けて設け、それらをインターフェイスによって接続する構成としたために、信号の入出力処理を任意のユニットで行うことができるので、物理的配置位置の近いユニットに信号を取り込むことが可能となり、たとえシステムが複雑になった場合でも、信号の入出力の為のワイヤー・ハーネスが肥大することが無く、システムの変更などに柔軟に、しかも容易に対応することができる。
【0064】
また、入出力ユニットに複数の入出力信号を処理する機能を設けたために、信号処理手段やインターフェイスの利用率を高くすることができ、入出力信号が増大した場合でもシステム全体の構成部品点数を極端に増大すること無く、システムを構成できる。
【0065】
さらに、入出力のためのユニットを、任意の入出力信号を取り扱えるような構成としたので、複数のシステムを、共通のユニットを利用して構成することができ、多様な自動車制御システムを共通部品を用いて容易に構成できる。
【0066】
そのうえ、多重通信などのユニット間のインターフェイスをユニットと独立して設けたために、共通のユニットを、多様なインターフェイスによって接続することが可能となり、規模の異なるシステムを共通のユニットを用いて容易に実現できる。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、多様化する自動車制御システムへの対応を柔軟かつ容易に行うことができ、しかも、制御装置の部品点数の増大を抑制して全体を安価に構成することができるとともに、各部を合理的に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる演算、入出力分離型ユニットを用いたシステム構成の一例を示す構成図。
【図2】 本発明の前提となる演算、入出力分離型ユニット、多重通信を用いたインターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図3】 本発明の前提となる演算、入出力分離型ユニット、インターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図4】 従来システムにおける信号線の一例を示した配線図。
【図5】 本発明の前提となるシステムを用いた場合の信号線、および電源線の一例を示した配線図。
【図6】 本発明の前提となる演算、入力、出力分離型ユニット、多重通信を用いたインターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図7】 本発明の前提となる演算、入力、出力分離型ユニット、インターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図8】 本発明の前提となるシステムを用いた場合の信号線、および電源線の一例を示した配線図。
【図9】 本発明の前提となる演算、入出力分離型ユニット、DPRAMを用いたインターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図10】 本発明の前提となる演算、入力、出力分離型ユニット、DPRAMを用いたインターフェイスによるシステム構成の一例を示す構成図。
【図11】 本発明の前提となる複数種のインターフェイスによって接続され、システムを構成することが可能な演算ユニットの一例を示す構成図。
【図12】 本発明の前提となる複数種のインターフェイスによって接続され、システムを構成することが可能な入出力ユニットの一例を示す構成図。
【図13】 本発明の前提となる複数種のインターフェイスによって接続され、システムを構成することが可能な入力ユニットの一例を示す構成図。
【図14】 本発明の前提となる複数種のインターフェイスによって接続され、システムを構成することが可能な出力ユニットの一例を示す構成図。
【図15】 本発明の前提となる出力処理が可能なユニットにおける、入出力の切り替え手段を有してI/Oインターフェイス部の一例を示す構成図。
【図16】 本発明の自動車用総合制御ユニットで用いる故障検出回路の一実施例を示す回路図。
【図17】 本発明に関連するデータの優先処理機能を具備する二重系通信を用いたユニット間インターフェイスの一例を示す構成図。
【図18】 図17のデータの送信優先処理手順を表すフローチャート。
【図19】 図17の通信システムの通信線における信号の流れの一例を示した説明図。
【符号の説明】
1 演算ユニット
2 インターフェース手段
3 入出力ユニット
4 演算手段
5 演算手段
6 センサ
7 アクチュエータ
1603 CPU
1607 オペアンプ部
1608 比較電位発生部
1609 比較器
1610 電源線

Claims (4)

  1. 自動車用の電装品に自動車用バッテリーの電力を供給するために、電源線を前記バッテリーから引き出し、前記電源線に前記電装品を接続した電力供給システムで使用される自動車用総合制御ユニットであって、
    前記総合制御ユニットは、前記電装品の駆動に必要な電力を供給するパワー回路と、
    前記電装品の故障を検出する故障検出回路と、
    該故障検出回路の出力が入力される中央演算処理部とを備え、
    前記故障検出回路は、上限基準電圧および下限基準電圧を発生する比較電位発生部と、
    負荷に直列に接続された抵抗に発生する電位差を入力とするオペアンプ部と、
    当該オペアンプ部の出力電位と、前記上限基準電圧および下限基準電圧とを比較して、前記オペアンプ部の出力電位が前記上限基準電圧より大きい場合または前記下限基準電圧より小さい場合には、前記中央演算処理部に異常検出信号を発生する比較器と
    を有することを特徴とする自動車用総合制御ユニット。
  2. 請求項1に記載の自動車用総合制御ユニットにおいて、
    前記電源線は、車両内に環状に配設されていることを特徴とする自動車用総合制御ユニット。
  3. 自動車用バッテリーに接続された電源線が車輌内に配設され、前記電源線に接続された自動車用アクチュエーターの電力供給システムと、
    当該システムにおいて用いられる自動車用総合制御ユニットとを備える自動車であって、
    前記自動車用総合制御ユニットは、前記アクチュエーターの故障を検出する故障検出回路と、前記故障検出回路の出力を入力の一つとする中央演算処理部とを備え、
    前記故障検出回路によって検出された前記アクチュエーターに関する断線あるいは短絡の情報に基づいて必要な処理を行う前記中央演算処理部の出力に基づいて前記アクチュエーターの故障情報をドライバーに伝える手段とを有し、
    前記故障検出回路は、上限基準電圧および下限基準電圧を発生する比較電位発生部と、
    負荷に発生する電位差を入力とするオペアンプ部と、
    当該オペアンプ部の出力電位と、前記上限基準電圧および下限基準電圧とを比較して、前記オペアンプ部の出力電位が前記上限基準電圧より大きい場合または前記下限基準電圧より小さい場合には、前記中央演算処理部に異常検出信号を発生する比較器と
    を有することを特徴とする自動車。
  4. 請求項3に記載の自動車において、
    前記電源線は、車両内に環状に配設されていることを特徴とする自動車。
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