JP3729690B2 - 衛星通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動衛星を用いて通信を行う衛星通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低軌道周回衛星などの移動衛星を利用した衛星通信装置においては、衛星が移動して既存の静止衛星や、地上の既存の無線局などと同方向に位置した場合、通信に使用している周波数帯域が同一であるとお互いに干渉が避けられないため、あらかじめ使用する周波数帯域が重ならないように周波数の分配がなされていた。しかしながら周波数需要の増大から、移動衛星が既存の静止衛星や地上の無線局と同方向に無く、アンテナのビームがこれらに影響を与えないときは固定衛星や地上局が使用している周波数帯域も、移動衛星を用いた通信に使用できるような周波数の分配が世界無線通信会議(WRC97)においてなされるようになった。
【0003】
図2は、衛星通信装置の使用受信周波数配置の1例を示す図である。
移動衛星を用いる通信には(イ)の周波数帯域が割り当てられている。この周波数帯域には(ロ)の静止衛星で使用される周波数帯域fsが含まれている。
図11は、従来の衛星通信装置の受信時の運用例を示す図である。複数の移動衛星7、8が用いられ、常に見とおし内に少なくとも1つの移動衛星が存在するよう運用されている。受信機は使用衛星切替時に複数の衛星からの同時受信を可能とするため、複数の受信系統31、32を持つ。
【0004】
図10は、従来の衛星通信装置の構成を示すブロック図である。1つの受信系統31はアンテナ51、追尾機構52、共用器53、RFバンドパスフィルタ56、低雑音増幅器63、ダウンコンバータ65、PLO(Phase Lock Oscillator)66、IFフィルタ69、IFアンプ71、復調器73にて構成される。
【0005】
アンテナ51は追尾機構52により移動衛星を追尾する。受信された信号は共用器53をとおりRFバンドパスフィルタ56で帯域制限される。図2(ニ)はRFバンドパスフィルタ56の除去帯域を表している。静止衛星が使用している周波数帯域にある周波数での受信ができるよう、使用周波数帯域すべてが通過するような帯域になっており、使用周波数帯域以外の信号成分は除去される。
【0006】
その後、低雑音増幅器63で増幅され、ダウンコンバータ65でIF周波数へ変換される。IFフィルタ69では使用受信周波数の帯域幅の信号のみ通過され、IFアンプ71で増幅後、復調器73で復調される。
もう1つの受信系統32の構成、各部の働き、特性は前述の受信系統31のものと同一である。
【0007】
今、1つの受信系統31が移動衛星7と通信を行っているとする。移動衛星7が見とおし外へ移動して通信が不可能になる前に、受信切替装置35はアンテナ制御装置3、チャネル制御装置4、スイッチ60を通して、現在使用していないもう1つの受信系統32が見とおし内にあるあらたな移動衛星8と通信を行うようにし、受信系統を切り替える。これを繰り返すことにより連続した通信を行うことができる。
【0008】
このようなシステムにおいては、移動衛星8が既存の静止衛星9と同方向にある場合には、静止衛星9が使用している周波数帯域fsに有る受信周波数faを使用すると、受信時には静止衛星9からの干渉を受けるので受信周波数faでの受信を中止し、静止衛星9が使用している周波数帯域以外の受信周波数fbに切り替えて通信を行う。
【0009】
送信時もまた同様であり、既存静止衛星や地上局へ干渉を与えないように、移動衛星がそれらの既存の局と同方向にある場合には、既存の局の使用周波数帯域ftに有る送信周波数fdでの送信を中止し、他の送信周波数feで送信を行う。
図10のブロック図で送信系について説明する。変調器74、IFアンプ72、IFフィルタ70、アップコンバータ67、PLO68、HPA(High Power Amplifier)64、RFバンドパスフィルタ57、共用器53、追尾機構52、アンテナ51にて1つの送信系統41が構成される。
【0010】
変調器74で変調された送信信号はIFアンプ72、IFフィルタ70を経てアップコンバータ67により送信されるRF周波数にアップコンバートされる。その後HPA64にて増幅された後、RFバンドパスフィルタ57にて帯域制限され、共用器53、アンテナ51を経て送信される。RFバンドパスフィルタ57は図3(ニ)のように使用周波数帯域の全てが通過するような帯域になっており、この中には静止衛星9の使用する周波数帯域ftを含んでいる。
【0011】
もう1つの送信系統42も同様に構成される。
図12は、従来の衛星通信装置の送信時の運用例を示す図である。受信時と同様に移動衛星7が見とおし外へ移動して通信が不可能となる前に、送信切替装置45があらたな移動衛星8と通信を行うようにし、送信系統を切り替える。移動衛星8が既存の静止衛星9と同方向にある場合には、静止衛星9が使用している周波数帯域以外の送信周波数feに切り替えて通信を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、衛星通信では通信距離が離れており、受信時において衛星より到達する電波は非常に微弱である。このため、移動衛星が既存の静止衛星や地上の無線局と同方向に位置し、そのため、共用周波数帯域以外の受信周波数にて受信を行う場合であっても、既存の静止衛星や地上局からの信号レベルが大きい場合には、受信機でIF変換後のIFフィルタでは希望受信周波数以外の周波数の信号を十分に除去できなかったり、あるいは受信機の入力初段の低雑音増幅器が飽和するなどして干渉となり、受信が困難となる。
【0013】
送信時においても、衛星通信では距離の離れた衛星へ送信するため、送信系の出力は高出力になっている。このため、移動衛星が既存の静止衛星や地上局と同方向に位置し、そのためそれらの共用周波数帯域以外の送信周波数を用いて送信を行う場合でも、送信系内部で発生する不用輻射をそれらの既存の静止衛星や地上局が使用している周波数帯域において十分に押さえることが難しく、それらに干渉を与える場合があり、送信全体をとめる必要がある場合があった。
【0014】
この発明は移動衛星が既存の静止衛星や地上の無線局と同方向に位置する場合に、通信を中止しないで、それらの既存の局からの妨害や、それらに対する干渉を防ぐことを目的としており、さらにその実現を通信装置の構成を大きく変えることなしに行えるようにするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の衛星通信装置は、共用周波数帯域において他の無線通信装置と使用周波数を共用する複数の移動衛星を使用し、該複数の移動衛星の中の少なくとも1つの移動衛星が常に見とおし内に存在するように運用される衛星通信に用いられ、使用衛星の切り替えのために複数の受信系統を備えた衛星通信装置であって、前記共用周波数帯域を含む帯域の前記移動衛星からの周波数信号を受信する第1受信系統と、前記共用周波数帯域を除いた帯域の前記複数の移動衛星からの周波数信号のみを受信する第2受信系統と、該各受信系統の受信アンテナのそれぞれ指向性を変化させるアンテナ制御装置と、見通し内にある通信可能な一の移動衛星が見とおし外へ移動して前記第1又は第2受信系統の中の一方の受信系統を使用しての、当該一の移動衛星からの信号受信が不可能になる前に、前記第1又は第2受信系統の中の他方の受信系統を使用しての、当該一の移動衛星が見とおし外へ移動した後も見とおし内に存在する別の移動衛星からの信号受信に切り替える使用衛星切り替えの際に、当該別の移動衛星と前記他の無線通信装置とが同方向になる場合には、前記一の移動衛星からの信号受信に前記第1受信系統を使用し、前記別の移動衛星からの信号受信に前記第2受信系統を使用するように切り替える受信切替装置と、を具備するものである。
これにより、移動衛星と他の無線通信装置とが同方向になる場合であっても、第2受信系統は、第1受信系統における前記共用周波数帯域を除いた帯域の周波数信号のみしか受信できないから、別の移動衛星からの干渉を受けないで受信ができる。
また、前記受信切替装置は、使用衛星切り替えの際に、前記第2受信系統を使用して前記一の移動衛星からの信号を受信しているときには、前記第2受信系統を使用して前記別の移動衛星からの信号を受信する前に、前記第1受信系統を使用して前記一の移動衛星からの信号を受信するように切り替えるから、切替時にも途切れることなく、受信が継続できる。
【0016】
さらに、本発明の衛星通信装置は、共用周波数帯域において他の無線通信装置と使用周波数を共用する複数の移動衛星を使用し、該複数の移動衛星の中の少なくとも1つの移動衛星が常に見とおし内に存在するように運用される衛星通信に用いられ、使用衛星の切り替えのために複数の送信系統を備えた衛星通信装置であって、前記共用周波数帯域を含む帯域の周波数信号を前記移動衛星に送信する第1送信系統と、前記共用周波数帯域を除いた帯域の周波数信号のみを前記移動衛星に送信する第2送信系統と、該各送信系統の送信アンテナのそれぞれ指向性を変化させるアンテナ制御装置と、見通し内にある通信可能な一の移動衛星が見とおし外へ移動して前記第1又は第2送信系統の中の一方の送信系統を使用しての、当該一の移動衛星への信号送信が不可能になる前に、前記第1又は第2送信系統の中の他方の送信系統を使用しての、当該一の移動衛星が見とおし外へ移動した後も見とおし内に存在する別の移動衛星への信号送信に切り替える使用衛星切り替えの際に、当該別の移動衛星と前記他の無線通信装置とが同方向になる場合には、前記一の移動衛星への信号送信に前記第1送信系統を使用し、前記別の移動衛星への信号送信に前記第2送信系統を使用するように切り替える送信切替装置と、を具備するものである。
これにより、移動衛星と他の無線通信装置との同方向になる場合であっても、第2送信系統は、第1送信系統における前記共用周波数帯域を除いた帯域の周波数信号のみしか送信しないから、別の移動衛星からの干渉を受けないで送信ができる。
また、前記送信切替装置は、前記使用衛星切り替えの際に、前記第2送信系統を使用して前記一の移動衛星へ信号を送信しているときには、前記第2送信系統を使用して前記別の移動衛星へ信号を送信する前に、前記第1送信系統を使用して前記一の移動衛星へ信号を送信するように切り替えるから、切替時にも途切れることなく、送信が継続できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態による衛星通信装置の受信時の運用例を示す図である。移動衛星は複数存在し、常に最低1つの移動衛星が見とおし内に位置するよう運用されている。衛星通信装置は図2(イ)に例示したような、静止衛星の使用する周波数帯域fsを含む受信帯域をもつ受信系統1と、図2(ハ)に示すような、静止衛星の使用する周波数帯域fsを含まない受信帯域を持つ受信系統2とを具備する。おのおのの受信系統は指向性アンテナを持ち、アンテナ制御装置3により移動衛星を追尾する。チャネル制御装置4はおのおのの受信系統の同調周波数を制御する。受信機6は受信系統1、受信系統2の一方、もしくは双方を用いて受信を行う。受信切替装置5は使用する受信系統、衛星、周波数の選択を行う。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態による衛星通信装置の構成を示すブロック図である。この図は受信系、送信系を一体化した衛星通信装置の例で、第2の実施の形態の送信系も同時に記入してある。受信系統1はアンテナ51、追尾機構52、共用器53、RFバンドパスフィルタ56、受信系58にて構成される。受信系58の構成は、従来例の低雑音増幅器63以下復調器73までと同様である。
【0019】
アンテナ51で受信された信号は共用器53をとおりRFバンドパスフィルタ56で帯域制限される。RFバンドパスフィルタ56の帯域を図2(ニ)に示す。従来例と同一で、静止衛星が使用している周波数帯域にある受信周波数でも受信できるよう、使用周波数帯域すべてが通過するような帯域になっており、使用周波数以外の信号成分は除去される。
【0020】
このRFバンドパスフィルタ56を含め、これら受信系統1の構成は従来例の受信系統31と同様である。
一方、受信系統2はアンテナ51、追尾機構52、共用器53、ノッチフィルタ54、RFバンドパスフィルタ56、受信系58にて構成される。
受信系統2のノッチフィルタ54の除去帯域を図2(ホ)に示す。静止衛星の使用周波数帯域fsを除去するような除去帯域になっている。ノッチフィルタ54以外の部分は従来例の受信系統32のものと同様である。
【0021】
これらの受信系統からのデータ入出力回路62への出力はスイッチ60によりなされる。この実施の形態ではスイッチ60は各受信機の後に設けられているが、この位置を別の場所、例えば各RFバンドパスフィルタ56の後に持ってきて、低雑音増幅器63以下の受信系58を共用する構成にしても良い。
【0022】
これらの実施の形態は、ノッチフィルタ54以外は受信系統1と受信系統2とは共通設計にすることができるので、使用部品の種類の増加を押さえることができる。移動衛星を切り替えながら受信を連続して行う通信システムは、たいていの場合、切替時の同時通信のために複数の受信系統をもともと持っているので、本実施の形態は従来の受信機の中の1つの受信系統のフィルタを変更するだけで実施することができる。
【0023】
図6(イ)は、第1の実施の形態である受信時の衛星切替動作を説明するフローチャートである。最初、見とおし外へ移動していく移動衛星7と通信しており、その後に通信を切り替えるべき移動衛星8が静止衛星9と同一の方向へ移動していく場合を考える。受信機6は初めに受信系統1を用いて、移動衛星7と通信を行っているものとする。このため、受信切替装置5はアンテナ制御装置3、チャネル制御装置4、スイッチ60を通じて、受信系統2を移動衛星8へ向け、静止衛星が使用していない周波数帯域にある受信周波数fbで受信を行うよう切り替える。
【0024】
その後、移動衛星8が静止衛星9と同方向に位置したときに、受信系統2は静止衛星9からの周波数帯域fsの信号も受けることになるが、受信系統2は静止衛星9の使用周波数帯域fsを除去するようなノッチフィルタ54を設けているので、これとIF変換後のIFフィルタ69により静止衛星9の信号を十分に除去することができ、受信特性の劣化を押さえることができる。さらに、低雑音増幅器63の入力前で不用信号を除去しているため、低雑音増幅器63の飽和を防ぐことができる。
【0025】
今の手順は初めに受信系統1が移動衛星7と通信を行っている場合であったが、初めに受信系統2が移動衛星7と通信を行っている場合は、図6(ロ)のように移動衛星8への通信に切り替わる手順の前に受信系統1も移動衛星7の受信を同時に行い、その後受信系統2が移動衛星8の受信を先ほどと同じ手順で行えば良い。
【0026】
図5は、第2の実施の形態である送信時の運用例を示す図である。第2の実施の形態である送信時についても、受信時と同様な手順を取る。受信時と同様に移動衛星が複数存在している。衛星通信装置は静止衛星の使用する周波数帯域ftを含む送信帯域をもつ送信系統11と、静止衛星の使用する周波数帯域ftを含まない送信帯域を持つ送信系統12とを具備する。おのおのの送信系統は指向性アンテナを持ち、アンテナ制御装置3により移動衛星を追尾する。チャネル制御装置4はおのおのの送信系統の使用周波数を制御する。送信機16は送信系統11、送信系統12の一方、もしくは双方を用いて送信を行う。送信切替装置15は使用する送信系統、送信周波数の選択を行う。
【0027】
第2の実施の形態の構成の説明を、図1の送信系統のブロック図の部分について行う。送信系統11は送信系59、RFバンドパスフィルタ57、共用器53、追尾機構52、アンテナ51にて構成される。送信系59は従来例の変調器74からHPA64までと同一である。送信系統11の各部分の働き、特性は従来例と同一であり、図3(ニ)に示すようにRFバンドパスフィルタ57の通過帯域は、静止衛星9の使用する周波数帯域ftを含んでいる。
【0028】
一方、送信系統12はもう一組の送信系59、RFバンドパスフィルタ57、ノッチフィルタ55、共用器53、追尾機構52、アンテナ51にて構成される。送信系統12のノッチフィルタ55は図3(ホ)のように静止衛星9の使用する周波数帯域ftが通過しないような帯域になっている。
【0029】
これらの送信系統へのデータ入出力回路62からの出力はスイッチ61によりなされる。第1の実施の形態の受信系の場合と同様にこのスイッチの位置をRFバンドパスフィルタ57の前に配置することにより各送信系統のHPA64までを共通化することも可能である。
【0030】
図6(ニ)は、第2の実施の形態の送信時の衛星切替動作を説明するフローチャートである。動作手順は受信時と同様である。図5のように最初、見とおし外へ移動していく移動衛星7と通信しており、その後に通信を切り替えるべき移動衛星8が静止衛星9と同一の方向へ移動していく場合を考える。送信機16は初めに送信系統11を用いて、移動衛星7と通信を行っているものとする。このため、送信切替装置15はアンテナ制御装置3、チャネル制御装置4、スイッチ61を通じて、送信系統12を移動衛星8へ向け、静止衛星が使用していない周波数帯域にある送信周波数feで送信を行うように切り替える。
【0031】
静止衛星9の使用周波数帯域ftでの不要輻射が送信系統12において発生した場合、送信系統12はこれを除去するようなノッチフィルタ55を設けているので、不要輻射の漏洩を阻止することができる。
今の手順は初めに送信系統11が移動衛星7と通信を行っている場合であったが、初めに送信系統12が移動衛星7と通信を行っている場合は、図6(ホ)のように移動衛星8への通信に切り替わる手順の前に送信系統11も移動衛星7への送信を同時に行い、その後送信系統12が移動衛星8への送信を先ほどと同じ手順で行えば良い。
【0032】
このように、本実施の形態においては移動衛星が既存の静止衛星や地上の無線局と同方向に位置した場合でも、それからの干渉や、それらに対する干渉の問題無しに通信を行うことができる。
なお、この実施の形態ではアンテナの指向性が単一方向である場合を仮定しているが、実際のアンテナの指向性にはサイドローブが発生する。この場合、受信切替装置5、送信切替装置15はサイドローブのパターンを考慮に入れて、移動衛星へ向けたアンテナのサイドローブが既存の無線局と同方向に位置するときも同様に、受信、送信系統の切り替えを行うように作動する。
【0033】
図6(ハ)は、第3の実施の形態である、受信系統1と受信系統2とが共通の受信周波数fcでの受信が可能である場合について、その衛星切替動作を説明するフローチャートである。ブロック図、運用図については第1の実施の形態である図1、図4とそれぞれ同じであるので説明を省略する。図4で最初受信系統2が移動衛星7より、各受信系統共通の受信周波数fcで受信を行うものとする。移動衛星7が見とおし外へ位置する前に受信切替装置5はアンテナ制御装置3、チャネル制御装置4、スイッチ60を通じて、受信系統1も移動衛星7から同時に各受信系統共通の受信周波数fcで受信を行うように指示する。受信系統1が移動衛星7からの受信を開始すると、第1の実施の形態と同様に受信系統2が移動衛星8から受信を受信周波数fbで行うように切り替えられる。受信系統2は静止衛星9の使用する周波数帯域fsをノッチフィルタ54により除去できるので、移動衛星8が静止衛星9と同方向に位置しても受信特性が劣化しない。
【0034】
図6(ヘ)は、第4の実施の形態である、送信系統11と送信系統12が共通の送信周波数fgでの送信が可能である場合について、その衛星切替動作を説明するフローチャートである。第4の実施の形態も、第3の実施の形態である受信時と同様の手順を取る。ブロック図、運用図についてはそれぞれ図1、図5と同じであるので説明を省略する。
【0035】
図5で最初送信系統12が移動衛星7へ、各送信系統共通の送信周波数fgで送信を行うものとする。移動衛星7が見とおし外へ位置する前に送信切替装置15はアンテナ制御装置3、チャネル制御装置4、スイッチ61を通じて、送信系統11も移動衛星7へ同時に各送信系統共通の送信周波数fgで送信を行うように指示する。送信系統11が移動衛星7への送信を開始すると、第2の実施の形態と同様に送信系統12が移動衛星8への送信を送信周波数feで行うように切り替えられる。送信系統12は静止衛星9の使用する周波数帯域ftにおける不要輻射をノッチフィルタ55により阻止するので、移動衛星8が静止衛星9と同方向に位置しても静止衛星9に対して干渉を与えない。
第3、第4の実施の形態は移動衛星が出力の制限などで同時に複数の信号を送受信できないときや、受信系の耐他チャネル特性が弱くて、同一衛星の他のチャネルの周波数の信号自体も問題となるような場合に特に有効である。
【0036】
図8は、第5の実施の形態の構成を示す図である。この実施の形態は図7のように使用する周波数帯域の端に静止衛星等の既存の無線局で使用する帯域があるようなシステムに用いられる。受信系統1は前の実施の形態と同じ構成である。受信系統102にはノッチフィルタが無いが、かわりにバンドパスフィルタ156の帯域が図7(ホ)のように既存静止衛星等の使用周波数帯域の信号を除去するようになっている。送信系においても同様で、送信系統11は前の実施の形態と同様の構成であり、送信系統112はバンドパスフィルタ157が既存静止衛星等の使用周波数帯域の不要輻射を阻止するようになっている。
【0037】
この実施の形態の場合、おのおの2系等の受信系もしくは送信系の系統をバンドパスフィルタの帯域を変えることのみで実現できるので、設計の共通化を図ることができる。
なお、これらの実施の形態では静止衛星9の周波数帯域の信号を除去するものとして、バンドパスフィルタを用いたが、減衰量が周波数特性を持つバンド阻止機器を用いることで同様な効果を得ても良い。
【0038】
図9は、この場合の第6の実施の形態の構成を示す図である。周波数帯域の異なるアンテナを2つの系統で使用することによりその効果を得ている。
アンテナ251の周波数帯域は使用周波数帯域の全てをカバーする。アンテナ351の周波数特性は静止衛星の使用周波数帯域の周波数での利得が減少する特性をもつ。RFバンドパスフィルタ56、57は使用周波数帯域の全てをカバーする。ノッチフィルタ254、255は静止衛星の使用周波数帯域の信号を除去するような特性になっている。この実施の形態ではスイッチ260がRFバンドパスフィルタ56、57後に配置され、その後の受信系58を各受信系統で共用している場合の例を示した。
【0039】
この実施の形態においては、静止衛星の使用する周波数をアンテナ251、351とノッチフィルタ254、255により除去するので、大きな減衰効果が得られる。アンテナ251、351の静止衛星の使用する周波数帯域での減衰量が受信系に影響を及ぼさないのに十分であれば、ノッチフィルタは不要である。
【0040】
アンテナ以外にも、例えば既存の無線通信装置の使用周波数が使用周波数帯域の高い部分にあるようなシステムでは、高域でゲインの減少するアンプを1つの系統に用いることによって構成することもできる。
このように、本発明においては移動衛星が静止衛星や地上の他の無線局などと同一方向に位置するときにおいても、それからの干渉や、またそれらに対する干渉を低減でき、通信を中止することなく継続できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、他の無線通信装置で使用している周波数帯域を含む広い帯域で受信すると共に、他の無線通信装置による干渉を受けることなく受信を継続できる。
また、本発明によれば、他の無線通信装置で使用している周波数帯域を含む広い帯域で送信すると共に、他の無線通信装置へ干渉を与えることなく送信を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第4の実施の形態による衛星通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】衛星通信装置の使用受信周波数配置の例を示す図である。
【図3】衛星通信装置の使用送信周波数配置の例を示す図である。
【図4】第1、第3の実施の形態の受信時の運用例を示す図である。
【図5】第2、第4の実施の形態の送信時の運用例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の衛星切替動作を説明するフローチャートである。
【図7】第5の実施の形態の使用受信周波数配置の例を示す図である。
【図8】第5の実施の形態の構成を示す図である。
【図9】第6の実施の形態の構成を示す図である。
【図10】従来の衛星通信装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の衛星通信装置の受信時の運用例を示す図である。
【図12】従来の衛星通信装置の送信時の運用例を示す図である。
【符号の説明】
1 受信系統
2 受信系統
3 アンテナ制御装置
4 チャネル制御装置
5 受信切替装置
6 受信機
7、8 移動衛星
9 静止衛星
11 送信系統
12 送信系統
15 送信切替装置
16 送信機
31、32 受信系統
35 受信切替装置
41、42 送信系統
45 送信切替装置
51 アンテナ
52 追尾機構
53 共用器
54、55 ノッチフィルタ
56、57 RFバンドパスフィルタ
58 受信系
59 送信系
60、61 スイッチ
62 データ入出力回路
63 低雑音増幅器
64 HPA
65 ダウンコンバータ
66、68 PLO
67 アップコンバータ
69、70 IFフィルタ
71、72 IFアンプ
73 復調器
74 変調器
102 受信系統
112 送信系統
156、157 バンドパスフィルタ
251、351 アンテナ
254、255 ノッチフィルタ

Claims (4)

  1. 共用周波数帯域において他の無線通信装置と使用周波数を共用する複数の移動衛星を使用し、該複数の移動衛星の中の少なくとも1つの移動衛星が常に見とおし内に存在するように運用される衛星通信に用いられ、使用衛星の切り替えのために複数の受信系統を備えた衛星通信装置であって、
    前記共用周波数帯域を含む帯域の前記移動衛星からの周波数信号を受信する第1受信系統と、
    記共用周波数帯域を除いた帯域の前記複数の移動衛星からの周波数信号のみを受信する第2受信系統と、
    各受信系統の受信アンテナのそれぞれ指向性を変化させるアンテナ制御装置と、
    見通し内にある通信可能な一の移動衛星が見とおし外へ移動して前記第1又は第2受信系統の中の一方の受信系統を使用しての、当該一の移動衛星からの信号受信が不可能になる前に、前記第1又は第2受信系統の中の他方の受信系統を使用しての、当該一の移動衛星が見とおし外へ移動した後も見とおし内に存在する別の移動衛星からの信号受信に切り替える使用衛星切り替えの際に、当該別の移動衛星と前記他の無線通信装置とが同方向になる場合には、前記一の移動衛星からの信号受信に前記第1受信系統を使用し、前記別の移動衛星からの信号受信に前記第2受信系統を使用するように切り替える受信切替装置と、
    を具備することを特徴とする衛星通信装置。
  2. 前記受信切替装置は、前記使用衛星切り替えの際に、前記第2受信系統を使用して前記一の移動衛星からの信号を受信しているときには、前記第2受信系統を使用して前記別の移動衛星からの信号を受信する前に、前記第1受信系統を使用して前記一の移動衛星からの信号を受信するように切り替える
    ことを特徴とする請求項1記載の衛星通信装置。
  3. 共用周波数帯域において他の無線通信装置と使用周波数を共用する複数の移動衛星を使用し、該複数の移動衛星の中の少なくとも1つの移動衛星が常に見とおし内に存在するように運用される衛星通信に用いられ、使用衛星の切り替えのために複数の送信系統を備えた衛星通信装置であって、
    前記共用周波数帯域を含む帯域の周波数信号を前記移動衛星に送信する第1送信系統と、
    記共用周波数帯域を除いた帯域の周波数信号のみを前記移動衛星に送信する第2送信系統と、
    各送信系統の送信アンテナのそれぞれ指向性を変化させるアンテナ制御装置と、
    見通し内にある通信可能な一の移動衛星が見とおし外へ移動して前記第1又は第2送信系統の中の一方の送信系統を使用しての、当該一の移動衛星への信号送信が不可能になる前に、前記第1又は第2送信系統の中の他方の送信系統を使用しての、当該一の移動衛星が見とおし外へ移動した後も見とおし内に存在する別の移動衛星への信号送信に切り替える使用衛星切り替えの際に、当該別の移動衛星と前記他の無線通信装置とが同方向になる場合には、前記一の移動衛星への信号送信に前記第1送信系統を使用し、前記別の移動衛星への信号送信に前記第2送信系統を使用するように切り替える送信切替装置と、
    を具備することを特徴とする衛星通信装置。
  4. 前記送信切替装置は、前記使用衛星切り替えの際に、前記第2送信系統を使用して前記一の移動衛星へ信号を送信しているときには、前記第2送信系統を使用して前記別の移動衛星へ信号を送信する前に、前記第1送信系統を使用して前記一の移動衛星へ信号を送信するように切り替える
    ことを特徴とする請求項3記載の衛星通信装置。
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