JP3729152B2 - 防水工法、防水シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根あるいはベランダなどに用いる防水シート及び、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根あるいはベランダなどの防水工法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根あるいはベランダなどの防水としてアスファルト系防水シートが用いられている。
アスファルトを使用した材料は酸化劣化を起こし易く、特に夏季を中心に輻射によって外気温より著しく高温となる屋上などの表面では、アスファルトの熱酸化が進み、経時的にその柔軟性を失い、防水層としての寿命が短くなる場合が考えられる。
また、コンクリート建造物などの建造物では太陽光線を受け、屋上や屋根の表面温度が上昇し、結果として室内の温度も上昇する。そのため居住性が低下し、空調コストが増大するなどの問題が考えられる。
屋上面の断熱としては、断熱ベンチレーションブロック工法や保護断熱工法等既知の工法があるが、立面部分や役物周辺部分では施工が困難である等の問題が考えられる。
本発明は、アスファルト系防水シートの温度上昇を全面にわたって抑制し、アスファルト系防水シートの劣化要因である熱酸化による劣化を低減させ、長寿命化をはかり、さらに建造物の屋上や屋根などの温度の上昇を抑制し居住性の向上と省エネを実現させることを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、
改質アスファルトコンパウンド層の上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法を提供することである。
【0005】
本発明の第2は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、
床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱ベンチレーションブロックを設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱ベンチレーションブロックを設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法を提供することである。
【0006】
本発明の第3は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、
床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱層及び/又は保護コンクリート層を設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱層及び/又は保護コンクリート層を設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法を提供することである。
【0007】
本発明の第4は、本発明の第1又は第2の防水工法に用いる防水シートであって、
防水シートが改質アスファルトコンパウンド層の片面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を有することを特徴とする防水シートを提供することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の防水工法は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、改質アスファルトコンパウンド層の上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法であり、防水性と遮熱性に優れる建造物を得ることが出来る。
【0009】
本発明の防水工法は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱ベンチレーションブロックを設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱ベンチレーションブロックを設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法を提供することである。
【0010】
本発明の防水工法は、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱層及び/又は保護コンクリート層を設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱層及び/又は保護コンクリート層を設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法を提供することである。
【0011】
本発明の防水工法では、改質アスファルトコンパウンド層の片面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を有する防水シートを用いることが出来る。
本発明の防水工法は、防水シートの遮熱層を外面にして、コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に、防水シートを設ける防水工法が好ましく、防水性と遮熱性に優れる建造物を得ることが出来る。
【0012】
改質アスファルトコンパウンド層としては、アスファルト100重量部に対し、ポリマー10〜40重量部、及び無機充填材0〜20重量部を含む物を用いることが出来る。
改質アスファルトコンパウンド層は、アスファルト、ポリマーと無機充填材とを120〜200℃で1〜5時間加熱混合して調製したものが、下地との接着力、防水・防湿性、伸縮性などに優れているので好ましい。
改質アスファルトコンパウンド層には、以上述べた組成物の他に、プロセスオイル、ワセリン、セレシン、石油樹脂など、一般にゴム配合で用いられる有機配合剤を添加してもよい。
改質アスファルトコンパウンド層の厚みは、0.5〜10mmの範囲が好ましい。
【0013】
改質アスファルトコンパウンド層のアスファルトとしては、天然アスファルトやアスファルタイトなど天然に産するもの、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、カットバックアスファルト等の石油アスファルト、又はこれらのアスファルトの混合物等が好ましい。
【0014】
改質アスファルトコンパウンド層のポリマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、天然ゴムと合成ゴムとの混合物、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、スチレンとブタジエンとの重合体(例えば、SBS、SBRなど)等を使用することができる。特にSBSなどのゴム系が好適である。
【0015】
改質アスファルトコンパウンド層の無機充填材としては、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、クレー、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸バリウム、珪藻土、シリカ等の粒子状無機充填材、石綿やガラス繊維などの繊維状無機充填材を用いることができる。
【0016】
遮熱層は、公知の水分散型遮熱塗料から形成することができる。
水分散型遮熱塗料は、アクリル系、シリコン系、ウレタン系、フッソ系、塗料用無機樹脂などの樹脂バインダーと遮熱有効成分とを水に分散させた状態のもの用いることが出来る。
水分散型遮熱塗料は、改質アスファルトコンパウンド層に塗装する場合、塗料の乾燥硬化の間に、改質アスファルトコンパウンド層から遮熱塗料へブリード現象を起こし難く、遮熱性能及び防水性能に優れ、美観を損なわない。溶剤可溶性遮熱塗料では、溶剤可溶性遮熱塗料を改質アスファルトコンパウンド層に塗装すると、塗料の乾燥硬化の間に、改質アスファルトコンパウンド層と遮熱塗料とがお互いにブリード現象を起こし易く、美観を損ない、改質アスファルトコンパウンド層及び遮熱塗料層の性能維持が困難となる場合が考えられ好ましくない。
【0017】
遮熱層は、太陽光を反射するために顔料やガラス粉末、シリカ粉末、アルミナ粉末、中空ガラスビーズ、特殊セラミック粉末などを含むことが出来る。
【0018】
遮熱層は、遮熱塗装の効果を長期間持続させるために、それ自体、耐候性、耐光性、防汚性を有することが好ましい。
遮熱層は、遮熱塗装の効果を長期間持続させるために、遮熱層の上面に、耐候性、耐光性、防汚性を有する保護層を設けることが出来る。
【0019】
遮熱層は、水分散型遮熱塗料を、改質アスファルトコンパウンド層に塗布又は吹きつけた後、乾燥硬化させる事により、遮熱層を形成することができる。
遮熱層の厚みは、0.1〜2.0mmが好ましく、特に0.2〜1.5mmが好ましい。
【0020】
遮熱層は、塗料密着性向上と膜厚保持の観点から、改質アスファルトコンパウンド層上面に硅砂や天然スレートチップ等の無機質粒子をコンパウンドにより融着させた表面に、遮熱塗料を塗布又は吹きつけにより設けることが好ましい。特に、天然スレートチップなど偏平な形状で長径1mm〜5mmのサイズのものが比表面積が大きく接着性、膜厚保持等の観点から好ましい。
【0021】
防水シートの製造方法の一例は、前述の改質アスファルトを150℃〜200℃に加熱溶融した含浸層中に、不織布等からなる補強層を連続的に入れ、改質アスファルトを補強層に含浸しつつ補強層上に改質アスファルト層を成型し、必要に応じその表層にスレートチップや硅砂を付着させ、さらにその上面に公知の水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設け、その裏面にはポリオレフィンフィルム等を張り付けて防水シートとする。
防水シートは、幅10〜200cmのロール状を用いることが出来る。
【0022】
断熱ベンチレーションブロックとは、防水層の温度上昇を抑制する機能を持つものであり、モルタルやコンクリート及び無機タイル等の無機成型ブロック下面に発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等の断熱層料を接着したものであり、更にその下面に脚部分を予め取り付け又は施工時に脚上に設置したものを用いることが出来る。
【0023】
断熱層とは、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレンなどの発泡性ポリマーからなるもの、凸状気泡性緩衝材、袋状緩衝材等、それ自体伝熱性が低くかつ対流及び輻射等による伝熱を防ぐ公知のものを用いることが出来、温度上昇抑制に効果的である。また、防水層の上部に設置される為、独立気泡等を持ち耐水性に優れた断熱層が好ましい。特に断熱層は、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレンなどの発泡性ポリマーからなるものが好ましい。
断熱層の厚みは、20〜120mmが好ましく、35〜85mmが特に好ましい。
【0024】
保護コンクリート層とは、コンクリート・モルタル及びその成型品(ブロックなど)や無機質タイル等からなる層であり、断熱層の紫外線劣化等防止や断熱層及び防水層の機械的損傷保護等を目的に施工される。保護コンクリート層の厚みは、コンクリート打設の場合50mm以上が好ましいが、成型品等の場合にはこの限りではなく、更に薄層化が可能である。
【0025】
役物周辺の断熱ベンチレーションブロック若しくは断熱層及び/又は保護コンクリート層の施工困難部分とは、断熱ベンチレーションブロックや断熱層の施工のために使用部材をカットせざるを得ず、著しく手間のかかる場所や、ドレン部分等の様に施工によって機能の維持が困難となることが予想される部分を意味する。
【0026】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の防水工法の一実施例を示す。
図1に示す防水工法は、
▲1▼コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの床面2及び立ち上がり部3の上面に、プライマー又は下地調整材4を塗布乾燥させる、
▲2▼その上面に改質アスファルト系防水シート5,6を、公知の方法で張付け改質アスファルトコンパウンド層14を設ける、
▲3▼改質アスファルトコンパウンド層14の上面に、水分散型遮熱塗料を塗布又は吹きつけなどの方法で塗装し乾燥させ、水分散型遮熱塗料の遮熱層7を設ける、工法である。
改質アスファルトコンパウンド層は、改質アスファルト系防水シートを1層又は少なくとも2層設けることができる。
本発明の防水工法では、床面と改質アスファルトコンパウンド層との間に、耐震性や緩衝性を有する層、例えば繊維強化樹脂層(FRP層)等を設けることが出来る。
上記▲1▼の工程は、必要に応じて行う工程であり、省くことができる。
【0028】
図2は、本発明の断熱ベンチレーションブロックを用いる防水工法の一実施例であり、立ち上がり部3及びその周辺部分の熱劣化防止方法を示す。
図2に示す防水工法は、
▲1▼コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの床面2及び立ち上がり部3の上面に、プライマー又は下地調整材4を塗布乾燥させる、
▲2▼その上面に改質アスファルト系防水シート5,6を、公知の方法で張付け改質アスファルトコンパウンド層14を設ける、
▲3▼床面2の平坦部分の改質アスファルトコンパウンド層14の上部に、断熱ベンチレーションブロック8を設置する、
▲4▼立ち上がり部3には、断熱ベンチレーションブロック施工が困難であるため、立ち上がり部3とその周辺の床上部13、及び断熱ベンチレーションブロック8を設置していない床面部分13の改質アスファルトコンパウンド層14の上面に、水分散型遮熱塗料を塗布又は吹きつけなどの方法で塗装し乾燥させ、水分散型遮熱塗料の遮熱層7を設ける、工法である。
上記工法は、遮熱塗料を立ち上がり部3及びその周辺の床上部13に塗布し、防水層全体の熱劣化を防止するものである。
改質アスファルトコンパウンド層は、改質アスファルト系防水シートを1層又は少なくとも2層設けることができる。
上記▲1▼の工程は、必要に応じて行う工程であり、省くことができる。
【0029】
図3は、本発明の断熱層及び/又は保護コンクリート層を用いる防水工法の一実施例であり、立ち上がり部3及びその周辺部分の熱劣化防止方法を示す。
図3に示す防水工法は、
▲1▼コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの床面2及び立ち上がり部3の上面に、プライマー又は下地調整材4を塗布乾燥させる、
▲2▼その上面に改質アスファルト系防水シート5,6,11,12を、公知の方法で二層重ね合わせて張付け、改質アスファルトコンパウンド層14を設ける、
▲3▼床面2の改質アスファルトコンパウンド層14の上部に断熱層9を設け、必要に応じてさらにその上部に保護コンクリート又は保護ブロック10を設ける、
▲4▼立ち上がり部3には断熱層9或いは、保護コンクリート又は保護ブロック10の施工が困難であるため、立ち上がり部3と断熱層9或いは、保護コンクリート又は保護ブロック10を設置していない床面部分の改質アスファルトコンパウンド層14の上面に、水分散型遮熱塗料を塗布又は吹きつけなどの方法で塗装し乾燥させ、水分散型遮熱塗料の遮熱層7を設ける工法である。
上記工法は、遮熱塗料を立ち上がり部3及びその周辺の床上部に塗布し、防水層全体の熱劣化を防止するものである。
改質アスファルトコンパウンド層は、改質アスファルト系防水シートを1層又は少なくとも2層設けることができる。
上記▲1▼の工程は、必要に応じて行う工程であり、省くことができる。
【0030】
図4は、本発明の防水工法に用いる防水シート21の断面図を示す。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]
既設建物屋上床面に、下地調整材を塗布硬化させ、下地調整材の上面にトーチ工法用改質アスファルトルーフィングシート(宇部興産社製:メルトーチAP45M、改質アスファルト層厚み:4mm、表面:天然スレートチップ)を、バーナーで炙りながら接着する。さらに改質アスファルトルーフィングシートの表面に、水分散型遮熱塗料を塗布し乾燥させた、塗膜厚み約0.5mmであった。シートラップ部分に熱伝対を差込み、シート内部温度を連続記録し、結果を図5の▲3▼として示す。
【0033】
[実施例2]
既設建物屋上床面に、下地調整材を塗布硬化させ、下地調整材の上面にトーチ工法用改質アスファルトルーフィングシート(宇部興産社製:メルトーチAP45M、表面:天然スレートチップ)を、バーナーで炙りながら接着する。さらに改質アスファルトルーフィングシートの表面に、断熱層を接着した断熱ベンチレーションブロックを設置した。シートラップ部分に熱伝対を差込み、シート内部温度を連続記録し、結果を図5の▲4▼として示す。
【0034】
[実施例3]
既設建物屋上床面に、下地調整材を塗布硬化させ、下地調整材の上面にトーチ工法用改質アスファルトルーフィングシート(宇部興産社製:メルトーチAP45M、表面:天然スレートチップ)を、バーナーで炙りながら接着する。さらに改質アスファルトルーフィングシートの表面に、断熱層(押し出し発泡ポリスチレン系35mmt)を設け、その上にコンクリート保護(60mmt)を設けた。シートラップ部分に熱伝対を差込み、シート内部温度を連続記録し、結果を図6の▲5▼として示す。
【0035】
[比較例1]
既設建物屋上床面に、下地調整材を塗布硬化させ、下地調整材の上面にトーチ工法用改質アスファルトルーフィングシート(宇部興産社製:メルトーチAP45M、表面:天然スレートチップ)を、バーナーで炙りながら接着する。その後シートラップ部分に熱伝対を差込み、シート内部温度を連続記録し、結果を図5の▲1▼として示す。
【0036】
[比較例2]
既設建物屋上床面に、下地調整材を塗布硬化させ、下地調整材の上面にトーチ工法用改質アスファルトルーフィングシート(宇部興産社製:メルトーチAP45M、表面:天然スレートチップ)を、バーナーで炙りながら接着する。さらに改質アスファルトルーフィングシートの表面に、防水層保護塗料であるアクリル系シルバーコート(アルミニウム粉末含有)を塗布し乾燥させた、塗膜厚み約0.2mmであった。シートラップ部分に熱伝対を差込み、シート内部温度を連続記録し、結果を図5の▲2▼として示す。
【0037】
実施例1〜3、及び比較例1,2では、既設の建物の屋内空調は行っておらず、屋内の温度はほぼ外気温と同等であった。
図5及び図6において、▲1▼は比較例1のシート内部温度を連続記録の結果を、▲2▼は比較例2のシート内部温度を連続記録の結果を、▲3▼は実施例1のシート内部温度を連続記録の結果を、▲4▼は実施例2のシート内部温度を連続記録の結果を、▲5▼は実施例3のシート内部温度を連続記録の結果を示し、▲6▼は外気温の連続記録の結果を示す。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、アスファルト系防水シートの温度上昇を抑制し、アスファルト系防水シートの劣化要因である熱酸化による劣化を低減させ、長寿命化をはかり、さらに建造物の屋上や屋根などの温度の上昇を抑制し、建造物の温度上昇による構造体の歪みを低減させ、室内の温度上昇を防止し、居住性の向上と省エネを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例を示す防水工法の断面図をモデル的に示すものである。
【図2】 断熱ベンチレーションブロックを用いる本発明の一例を示す防水工法の断面図をモデル的に示すものである。
【図3】 保護断熱部材を用いる本発明の一例を示す防水工法の断面図をモデル的に示すものである。
【図4】 本発明の防水工法に用いる防水シートの断面図をモデル的に示すものである。
【図5】 実施例のシート内部温度を連続記録(1日の実測温度変化)を示す図である。
【図6】 実施例のシート内部温度を連続記録(1日の実測温度変化)を示す図である。
【符号の説明】
1:コンクリート等の基礎体、
2:床面、
3:屋上又はベランダ周囲の立ち上がり部、
4:プライマー又は下地調整材、
5,6,11,12:改質アスファルト系防水シート、
7,23:遮熱層、
8:断熱ベンチレーションブロック、
9:断熱層、
10:保護コンクリート層又は保護ブロック、
13:立ち上がり部周辺の床上部、又は断熱ベンチレーションブロック又は断熱層或いは保護コンクリート層を設置していない床面部分、
14,22:改質アスファルトコンパウンド層、
21:防水シート。
Claims (5)
- コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に、改質アスファルトコンパウンド層を設け、改質アスファルトコンパウンド層の上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法。
- コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱ベンチレーションブロックを設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱ベンチレーションブロックを設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法。
- コンクリート建造物などの建造物の屋上、屋根又はベランダの立ち上がり部と床面との上面に改質アスファルトコンパウンド層を設け、床面の平面部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に、断熱層及び/又は保護コンクリート層を設け、立ち上がり部とその周辺の床面部分、及び役物周辺の断熱層及び/又は保護コンクリート層を設けていない部分の改質アスファルトコンパウンド層上面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を設けることを特徴とする防水工法。
- 改質アスファルトコンパウンド層が、表面に天然スレートチップを有する改質アスファルトコンパウンド層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防水工法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防水工法に用いる防水シートであって、防水シートが改質アスファルトコンパウンド層の片面に水分散型遮熱塗料からなる遮熱層を有することを特徴とする防水シート。
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