JP3728460B2 - ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム - Google Patents

ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム Download PDF

Info

Publication number
JP3728460B2
JP3728460B2 JP2003136992A JP2003136992A JP3728460B2 JP 3728460 B2 JP3728460 B2 JP 3728460B2 JP 2003136992 A JP2003136992 A JP 2003136992A JP 2003136992 A JP2003136992 A JP 2003136992A JP 3728460 B2 JP3728460 B2 JP 3728460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
section
cross
determining
cameras
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003136992A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004340714A (ja
Inventor
浩通 山本
正秋 村田
浩規 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Original Assignee
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aerospace Exploration Agency JAXA filed Critical Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority to JP2003136992A priority Critical patent/JP3728460B2/ja
Publication of JP2004340714A publication Critical patent/JP2004340714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3728460B2 publication Critical patent/JP3728460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置測定等に用いられるステレオカメラシステムにおいて、複数配置されたカメラ群の中で最適ペアを決定する方法および最適配置を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像情報を基に対象物までの距離を測定する方式は、特に、近距離の場合は、極めて高い精度が得られる方式である。中でも、複数(2台以上)のカメラ撮像情報を基に距離を計測するステレオ法は最も簡便な距離測定システムとして知られている。この測定方式は、既知の距離に配置された左右のカメラで撮影した画像間の対応点を探索し、三角測量の原理で対応の取れた画素点までの距離を算出する方式である。すなわち、図1に示すように距離がbだけ離れた位置に光学軸が平行となるように据えられた左右2台のカメラで、同一物点P(x,y,z)を撮影画像に捉えたとき、それぞれのカメラの結像面上の物点像の位置p(x,y)、p(x,y)と左右のカメラの光学中心点を結ぶ延長線上の交点に物点P(x,y,z)があることから、それぞれのカメラの結像面上の物点像の位置情報p(x,y)、p(x,y)に基づき離間距離がbである既知の2点から物点P(x,y,z)を望む方向が割り出され、所謂三角測量の原理で物点P(x,y,z)の位置を算出することができる。
x=b(x,x) /2d (1)
y=b(y,y) /2d (2)
z=bf/d (3)
ただし、fは焦点距離、bは基線長、dは視差で
d=x−x (4)
したがって、f,bが既知の下で左右の画像上の座標から、もとの3次元位置(x,y,z)が計算される。特にz については視差のみから決定することができる。そこで、ステレオ視で奥行きを決定しようとする際には、左右の画像における対応点を正確に求めることが最も重要な問題となる。
【0003】
異なるカメラで撮影した画像間でこの対象物点の像を正確に且つ高信頼に特定して対応させることが、このステレオ方式の重要な要素であるが、カメラに撮像される画像によっては、この対応点を特定することが困難な場合が存在する。例えばカメラ撮像画像中に同じような形状がいくつも存在する様な画像、図6に示す月面画像などでは、同じようなクレータがたくさん存在し左右のカメラ画像間では幾つかの対応点候補が現われ、左右のカメラ画像間の対応点が一意的に特定できないため、誤作動や距離計算が不可能になったりしてしまう。これを解決する手段の一つとして、カメラの台数を増やすという手法が多く用いられている(非特許文献1参照)。これはカメラの台数を増やすことで入力情報を増やし、距離を計測する際の推定値の誤差を小さくしょうとするものである。そのために距離精度の優れたシステムを構築しようとすると、必然的にカメラ台数は増大する。しかし、カメラの台数を増やせば増やすほど情報処理に要する計算負荷は増大することになる。そのため、飛行安全などに適用する際に不可欠なリアルタイム処理においては、計算処理能力の大きな装置を必要とする。しかし、航空宇宙機などの移動体への応用化を考慮すると計算処理資源が有限化ないしは小型化が必然的に重要となる。この課題を解決するには、対象撮影領域において距離計測に使用する最適なステレオペア画像を選び出す事が不可欠である。
【0004】
厄介な対応点探索問題の他の対応策として、エピポーラ線方向と称する対応点を取るための探索方向が割り出され、その線に沿って対応点の特定を行う手法が知られている。図1の配置では常に
l= (5)
という関係が成立する。つまり、左右の投影点のy座標は必ず等しくなるので、対応点を見つけようとする際にはx,x に平行な同一スキャンライン上を探せばよいことになる。図2に示すように光軸が平行でないカメラ配置の場合でも、1つのカメラで捉えた目標物点Pはそのカメラの光学中心点とその画像中の物点像pとを結ぶ線の延長線上にあることから、その目標物点Pを捉えたこのカメラの画像上では目標物点Pの像p はこの線上にあるはずということである。一方の画像上のある点に対する対応点は、その点の3次元空間中での奥行きにかかわらず、他方の画像上で、ある直線上のどこかに必ず存在する。このような直線のことをエピポーラ線(epipolar line)と呼ぶが、この線は1つのカメラの光学中心点とその画像中の物点像pとを結ぶ線の延長線を他のカメラで撮したときの像であるとも表現できる。また、ステレオ画像の対応点が満たすべきこのような拘束条件のことをエピポーラ拘束(epipolar constrain)という。以上のことは、ステレオ視にとって、非常に重要な意味を持つことになる。なぜなら、対応点探索の際、1次元(エピポーラ線上)の探索と2次元(画像面全体)の探索では、その作業負担に格段の差があるからである。そのために、ステレオ視では、画像間の変化(または、視点の変化)が大きい場合を扱う場合にでも、推定精度を上げることができる。
【0005】
このエピポーラ線を利用した複数画像の対応点を探索する技術については、特許文献1に「3次元画像処理装置」が提示されている。この発明は、エピポーラ線で対応点探索を行った場合のマッチングミスによる間違った視差ベクトルの検出を回避し、信頼性の高い距離データを得るとともに、対応点探索のための計算量を減少することを目的としたものであって、エピポーラ線方向と、それに対し直角な方向の2次元領域を含む領域の対応点探索を行うことにより、実際に誤差を含むカメラ位置などの情報から算出して設定されたエピポーラ線で対応点探索を行った場合の、マッチングミスによる間違った視差ベクトルの検出を回避し、信頼性の高い距離データを得ることができるというものである。しかし、この発明方法においては、対応点探索を行うエピポーラ線方向の決定方式が曖昧であること。また、対応点探索を矩形(エピポーラ線方向とそれに直交する方向)内で行う方式であり、探索演算量が極めて大きくなること。さらに、この膨大な対応点探索行った後に距離計測に必要な視差ベクトル(方向)を計算しエピポーラ線方向成分を求めて、改めて視差ベクトル(方向)を計算し距離計算を行うという極めて回りくどい方法であり、マッチングミスの回避には有効であるとしても距離決定までの演算量はかなり大きいと見積もられ計算量を減少する効果は期待できない。
【0006】
また、エピポーラ線を利用した画像間対応付け方法および画像間視差計測方法が特許文献2に開示されている。この発明はできるだけ少ない演算量でステレオ画像の対応付けおよびステレオ画像の視差を決定し、また、対応付けで発生した誤りを吸収できるようにすることを目的としたもので、この画像間対応付け方法は左右2つの画像IL,IRを、それぞれ複数の周波数成分画像に展開するとともに各周波数成分画像に対して2次微分処理を施し、前記2次微分処理を施された各画像それぞれを画素毎に3値化することによって得られる3値化周波数成分画像を用いて画像間の対応付けを行うのである。この発明においては、対応点探索における対応付けの時点での最適性(誤差が最小など)はなく、通常行われている画像ウインドの移動設定により視差まで計算して、視差計算結果が似通った値が最も多い視差値を取り出して、その値をその後の距離計算に使っており、画像雑音が多い場面では、対応付けの際の誤りの吸収や正確な視差は期待できず、距離決定精度も期待できない。また、画像ウインドを移動方向、移動量とも多くて、演算量は大きいという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−28355号公報
「3次元画像処理装置」平成12年1月28日公開
【特許文献2】
特開平8−294143号公報
「画像間対応付け方法および画像間視差計測方法」平成8年11月5日公開
【非特許文献1】
Masatoshi Okutomi and Takeo Kanade. A Multiple-Baseline Stereo. ln IEEE Transactionson Pattem Analysis and Machine Intelligence, volume15, No.4, Apri1 1993.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、対応点探索における曖昧性を減少させる方法を提示し、距離計測の対象場面の画像に応じた最適なステレオペアを選択する事が出来、演算負担を軽減し、簡便且つ高精度な距離計測を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明における対応点探索方法は、撮像画像の2次元自己相関値を基に、対応点探索の誤検出確率が最も急激に減少するエピポーラ線方向を求めることにより、対応点探索における「曖昧性」を減少させるものであり、これによって距離計測の対象場面の画像に応じた最適なステレオペアを設置又は選択する事が出来、演算負担が軽い簡便且つ高精度な距離計測を実現することが可能となる。
また、本発明は被測定体を撮影した1枚の画像情報を取り込む手段と、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得る手段と、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出す手段と、該割り出された断面の方向を被測定体形状から見て最適エピポーラ方向であることを出力表示する手段を備えることにより、ステレオカメラの最適配置支援システムを実現した。
【0010】
【発明の実施の形態】
左右のカメラ画像間の対応点を探索し、三角測量の原理で対応の取れた画素点までの距離を算出するステレオ法においては、この対応点を正確に且つ高信頼に取ることが基盤となる。そして、対応点を取るための探索方向(以下、エピポーラ線方向と称する)が、画像パターンから見て対応点を探索しやすい向きとなっているか否かが、正しい対応点の決定のための大きなカギになる。
まず、カメラペア選択法の考え方であるが、従来の方式に於ける各ステレオ画像対からの距離算出手法は、すべてのペアを同一に扱っている。しかし被写体の状態によって、対応点問題を解く際に有効に働くペアと、働かないペアが生じる。例えば複眼視の場合は、カメラを並べた方向にほぼ一致するエッジについては対応点を一義的に決められないという欠点があるためである。そこで、各ステレオ画像対からの距離算出手法とともになんらかのカメラペア切り替え手法を用いることができれば、従来手法からカメラ台数を削減しつつ、かつ高精度な距離算出を期待できることとなる。
この考えを進めると、被写体面の状況に応じてカメラペアを切り替える代わりに、2台のカメラを動的に再配置することで可能になる。これは、人間が2つの目(複眼)を用いながら、首を傾ける、眼球を動かすという運動で情報を得ている現象を再現できることにもなる。
エッジに基づくステレオ視では、エピポーラ線上でのエッジの位置決定の精度が、得られる距離情報の精度に関係する。今、エッジ位置の決定に用いる特徴量をfとし、特徴量fの頻度が正規分布N(0,σ)に従うものとする。エピポーラ線上で真のエッジ位置poにおける特徴量f(po)と、poからだけ離れた点p1における特徴量f(p1)の差がノイズに比して十分に大きくないとき、p1が誤ってエッジとして検出される可能性が大きくなる。ノイズの標準偏差をσとしkをS/N比の逆数σ/σとしたとき、f(po)とf(p1)の差がノイズレベル以下、すなわち、
│f(po)−f(p1)│≦kσ (6)になる確率は
【数1】
Figure 0003728460
であることが導ける。ここで、
q(r):エピポーラ線上でrだけ離れた場合の誤検出確率
erf(x):ガウスの誤差補関数
A(r):エピポーラ線上でrだけ離れた場合のfの自己相関係数である。
(7)式はエピポーラ線上で距離rだけ離れた位置での誤検出確率であるが、ここでは128pixcls四方に量子化されたデータを用いているために、画像の横方向のズレxおよび縦方向のズレyを2変数とする。よって(7)式は次の(8)式になる。
【数2】
Figure 0003728460
(8)式のように計算された誤検出確率q(x,y)は、自己相関係数A(x,y)=1のとき最大値1をとり、A(x,y)の減少とともに単調減少する。したがって、A(x,y)のx,yに関する減少率が小さい場合には位置決定のあいまいさが大きくなる。一般に、線状のエッジ付近においてx,yが増加したとき、エッジに平行な方向では自己相関係数はあまり減少せず、エッジに直行する方向では自己相関係数は急激に小さくなる。したがって、エピポーラ線の方向がエッジに沿うと、q(x,y)の減少率が低下し対応点探索における誤対応が起きやすくなり、位置決めは困難になる。
A(x,y)の減少率が大きいエピポーラ線方向を求める事が、対応点探索におけるあいまい性を減少させることになる。このため、A(x,y)曲面の減少率が最大となる方向を求めるために、A(x,y)の切断面に注目する。この、減少率が最大となる切断面を確認する際には、最大値の半値幅が最も狭くなる面に注目する。誤検出確率がもっとも急激に減少する断面、すなわち自己相関係数がもっとも減少する断面は、被撮影面の特徴がその断面に平行なエピポーラ線に対して、大きな角度で分布していると考えることができる。
これにより、被撮影面に対してどのような向きにエピポーラ線を配置すればよいか、すなわちどのような向きにカメラペアを配置すればよいのかがわかる。そのためこの結果を用いることにより、多眼ステレオの場合はもっとも重要視するカメラペアを決定し、複眼視の場合は2台のカメラを動的に配置することで被撮影面に応じたカメラペアの切り替えが可能となる。
【0011】
次に撮像データからの自己相関係数を求める計算について説明する。
図3−Aのように撮影された画像を用いて、画像の特徴を調べるために自己相関を計算する。自己相関係数を計算するステップは、次の通りである。
1.撮影データを高速Fourier変換(FFT)で計算する。
2.計算結果に複素共役を掛け合わせる。
3.計算結果を逆高速Fourier変換(逆FFT)で計算する。
また、相関は一般に次のように表すことができる。
【数3】
Figure 0003728460
となる。しかし、ここで自己相関係数を計算するために、基準画像と参照画像は等しくなる。よって、ここで計算される自己相関係数は次のように表される。
【数4】
Figure 0003728460
この考え方で、図3−Bのような計算領域に対して自己相関係数を計算する。実際に計算する際には自己相関係数の計算結果のうち最小値が0、最大値が1となるように、(10)式の計算結果の後に正規化を行う(図4参照)。図4において、x,yはそれぞれ(10)式のx',y' に相当することに注意する。
【0012】
ここで図5を例にグラフの意味を考える。図5は基準画像を用いて自己相関を計算している。すなわちグラフは、画像をx軸の示す値とy軸の示す値だけずれたときに、基準画像とずらせた画像とはどの程度似通っているかという類似度をあらわすものだと考えられる。よって、x=y=0のときにz軸方向の値がもっとも大きくなっている。これは同一画像をずれがなく重ね合わせたときに相当する。
また、ここでx=y=0の点を通る直線を考える。例えば図5をy=0で切った断面で考えてみる(図6参照)。特にここで注目するのは、断面の輪郭である。この輪郭は、基準画像を水平方向のみに移動させた場合の、画像の類似度を示したものである。また、断面に平行な直線(ここでは直線y=0)はエピポーラ線の向きを表していると考えられる。よって輪郭に対して、最大値1の半値幅を考え、中心x=y=0からの傾きがもっとも急激に減少している地点を考えることで、その被撮影面に対してもっとも効果的なエピポーラ線の向きを考えることができる。しかし、ここでの結果は、x座標、y座標ともに量子化されているために、具体的なステップは次のようになる。
1. Z座標の値が最大値の半値以下のものを選び出す。
2. 最大値と各座標でのZ座標の値の差を、xy平面上での原点までの距離で割る。
このステップは、ある切断面に関してのステップである。実際に図5のような誤検出確率のグラフをチェックする際には、すべての角度のそれぞれの切断面に関して確認しなければならない。
この切断面を確認する際に、もっとも半値幅が狭くなる角度に注目する。誤検出確率がもっとも急激に減少する断面、すなわち自己相関係数がもっとも減少する断面は、被撮影面の特徴がその断面に平行なエピポーラ線に対して、直交して分布していると考えることができるためである。
これらの一連のステップにより、被撮影面に対してどのような向きにエピポーラ線を配置すればよいか、すなわちどのような向きにカメラペアを配置すれぱよいのかがわかる。そのためこの結果を用いることで、多眼ステレオの場合はもっとも重要視するカメラペアを決定したり、複眼視の場合は2台のカメラを動的に配置することで被撮影面に応じたカメラペアの切り替えが可能となる。
【0013】
次に、被撮影面に応じてのカメラペアの切り替えの距離精度が、どの程度改善されたのかを確認していく。すなわち、どのくらい精度が良くなっているのかを図3に示した月面写真を用い、図3のA全体領域について図3のBに示す180ピクセル×180ピクセルの計算領域を定めて具体的に検証する。図8はカメラペアの組み合わせの適不適を位置に対応して示したもので、図8において、gと示されている各点が段落番号[0011]以下に示した本アルゴリズムによって改良された結果である。この分布から各点の平均座標を求めると、(−0.14538,1.145414)であり、従来法によったときの分布bから平均座標を求めると、(5.425189,3.273975)となった。これらの平均値と(3)式の差を用いて距離計測を行った際の誤差を考える。ここで真の視差をd、視差の誤差分を△dとすると、距離に換算した際の誤差△zは真の距離zに対して次の式(11)に示すようになる。
【数5】
Figure 0003728460
この(11)式において、△dとして先の平均値をそれぞれ代入する。ただし、平均値はエピポーラ線上で真の位置からどの程度ずれるかを示したものであるために、実際に代入する際には原点からそれぞれまでのユークリッド距離を計算し、それを2倍したものとする。
【数6】
Figure 0003728460
この(12)式は本発明によるもの、(13)式は本発明によらない従来方法によるものに相当するので、このデータから改善率を考える。改善率は、Δzg/Δzbとして考える。
【数7】
Figure 0003728460
この(14)式を視差dに関して改善率をグラフ化すると図9のようになる。この図9の縦軸は、従来方式での距離測定誤差に対する本アルゴリズム使用の際の距離測定誤差を示している。すなわち、図9から明らかに判るごとく、視差d(図9の横軸)が小さい場合、すなわち、視差がほとんど生じないような遠距離を観測する場合には、大幅な改善は見込めないが、被撮影面の距離が近くなるほど、すなわち視差d(横軸)が大きい場合には、本アルゴリズムの効果が生じてくることが見て取れる。最終的には、5倍程度の精度が改善されると見込まれる。
【0014】
まとめとして、本発明の手法によりステレオ法による距離測定を実施する手順を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。まずステップ1で測定対象の画像を1枚撮影する。ステップ2でその画像に基づく2次元自己相関係数の曲面形状を得る。ステップ3で得られた2次元自己相関係数の曲面形状において中央の0点を通る断面においてピーク値1の半値すなわち、0.5 となる両側の点をピックアップしてその幅値を得る。この値は必ずしも半値に限られるわけではなく半値近傍の所定値を採用してもよい。ステップ4でステップ3の幅値を0点を中心に360度全方位の断面に対して求め、最小幅値の断面を割り出す。ステップ5でその断面にエピポーラ線方向を決め、例えばエピポーラ線が水平方向になるように2つのカメラの配置を決める。以上がステレオ画像を取得するまでの前処理となる。ステップ6で測定対象の画像を2台のカメラで同時に撮影する。ステップ7で撮影した画像において測定領域を設定する。ステップ8でエピポーラ線に沿って各ピクセル毎に対応点探索を行う。ステップ9で得られた対応点情報から各ピクセル毎の視差量を割り出す。ステップ10で割り出された視差量から各ピクセル毎の距離計算を実行する。以上の手順を踏むことにより、測定領域内の各ポイントの距離をピクセル毎のデータとして得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のステレオカメラの最適配置決定方法は、被測定体を撮影した1枚のデジタル画像を基に、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得るステップと、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出すステップと、該割り出された断面の方向がエピポーラ方向となるように2台のカメラを設置するステップからなるものであるから、対応点探索においてその被写体形状に即して最も変化が大きくミスマッチングをしにくいエピポーラ方向を選ぶことができ、高精度かつ信頼の高い距離測定を実現する。そして、カメラ台数が2台という最小システムが構築できる事から、システム構成が単純化でき、多眼カメラ方式における課題であるカメラ間のキャリブレーションという大きな問題を回避する事ができる。また、カメラ撮像場面の画像状況に応じて最適にカメラ配置を動的に決定する事が可能となり、従来の固定カメラ方式で問題となっている距離計測が不可能になる局面がなくなる。これらの特徴により、本発明は、月面を含む航空宇宙機着陸高度計測、自動車車間計測、自動車リアモニタなどの極めてクリティカルな場面でも極めて有効となる。
【0016】
更に、最も急峻な減少を示す断面を割り出す方法が、0点のピーク値の所定分の1に達する両側位置の幅値の最小値を求めるものである本発明は、簡便な手法での最も急峻な減少を示す断面の割り出し方法を可能にする。
また、上記のステレオカメラの最適配置決定方法はカメラを多数配備の多眼ステレオシステムにおいて、ステレオカメラの最適ペアを選択して決定する方法にそのまま応用することができ、同様の効果を奏する。
【0017】
本発明のステレオカメラの最適配置支援システムは被測定体を撮影した1枚の画像情報を取り込む手段と、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得る手段と、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出す手段と、該割り出された断面の方向を被測定体形状から見て最適エピポーラ方向であることを出力表示する手段を備えたものであるから、このシステムの支援により、対応点探索においてその被写体形状に即して最も変化が大きくミスマッチングをしにくいエピポーラ方向が選ばれることになり、高精度かつ信頼の高い距離測定を可能とする。しかも、このシステムは小型のコンピュータによって実現できるので、宇宙探査機や自動車などの搭載に極めて有利である。
【0018】
また、被測定体を撮影した1枚の画像を基に、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得るステップと、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出すステップと、該割り出された断面の方向がエピポーラ方向となるように2台のカメラを設置するステップと、既知のエピポーラ線に沿って異なる視差の画像間の対応点探索を行うステップと、対応点情報から各対応点毎の視差量を割り出すステップと、割り出された視差量から各対応点毎の距離計算を実行する本発明のステレオカメラによる距離測定方法は、既知のエピポーラ線に沿った対応点探索ができるため、従来手法に比べ格段に探索負担が軽く、リアルタイムの測定が求められる宇宙探査機や自動車などでの使用に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステレオ距離測定法の原理を説明する図である。
【図2】ステレオ法における対応点検索の説明図である。
【図3】撮像画像(クレメンタインによる月面画像)とその計算領域を示す図である。
【図4】自己相関係数の計算結果を示す曲面図である。
【図5】誤検出確率を計算した結果を示す曲面図である。
【図6】誤検出確率曲面の中で中央点を通る最も急峻な断面を示す図である。
【図7】本発明のステレオ距離測定法の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】ペアとなるステレオカメラの適不適位置を示す図である。
【図9】従来法に対して本発明による距離測定誤差の比率を示す図である。

Claims (5)

  1. 被測定体を撮影した1枚の画像を基に、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得るステップと、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出すステップと、該割り出された断面の方向がエピポーラ方向となるように2台のカメラを設置するステップからなるステレオカメラの最適配置決定方法。
  2. 最も急峻な減少を示す断面を割り出す方法が、0点のピーク値の半値若しくはその近傍に設定した所定値に達する両側位置の幅値の最小値を求めるものである請求項1に記載のステレオカメラの最適配置決定方法。
  3. 被測定体を撮影した1枚の画像を基に、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得るステップと、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出すステップと、該割り出された断面の方向がエピポーラ方向となるカメラを多数配備のカメラの中から選択するステップからなるステレオカメラの最適ペア決定方法。
  4. 被測定体を撮影した1枚の画像情報を取り込む手段と、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得る手段と、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出す手段と、該割り出された断面の方向を被測定体形状から見て最適エピポーラ方向であることを出力表示する手段を備えたステレオカメラの最適配置支援システム。
  5. 被測定体を撮影した1枚のデジタル画像を基に、該画像を上下左右にピクセル毎に移動させて2次元自己相関曲面を得るステップと、得られた2次元自己相関曲面に対し中央の0点を通る断面において最も急峻な減少を示す断面を割り出すステップと、該割り出された断面の方向がエピポーラ方向となるように2台のカメラを設置するステップと、既知のエピポーラ線に沿って異なる視差の画像間の対応点探索を行うステップと、対応点情報から各対応点毎の視差量を割り出すステップと、割り出された視差量から各対応点毎の距離計算を実行するステレオカメラによる距離測定方法。
JP2003136992A 2003-05-15 2003-05-15 ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム Expired - Lifetime JP3728460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003136992A JP3728460B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003136992A JP3728460B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004340714A JP2004340714A (ja) 2004-12-02
JP3728460B2 true JP3728460B2 (ja) 2005-12-21

Family

ID=33526764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003136992A Expired - Lifetime JP3728460B2 (ja) 2003-05-15 2003-05-15 ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3728460B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100770019B1 (ko) * 2004-12-06 2007-10-25 한국전자통신연구원 스테레오 카메라의 영상왜곡 보정 장치 및 그 방법
JP5362189B2 (ja) * 2006-05-10 2013-12-11 株式会社トプコン 画像処理装置及びその処理方法
JP4702569B2 (ja) * 2008-09-30 2011-06-15 マツダ株式会社 車両用画像処理装置
JP5476943B2 (ja) * 2009-11-20 2014-04-23 オムロン株式会社 姿勢認識方法およびこの方法を用いた3次元視覚センサ
JP2012202732A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 3次元位置・姿勢認識装置、3次元位置・姿勢認識方法、3次元位置・姿勢認識プログラム
JP5906272B2 (ja) 2014-03-28 2016-04-20 富士重工業株式会社 車両用ステレオ画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004340714A (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0686942B1 (en) Stereo matching method and disparity measuring method
US5383013A (en) Stereoscopic computer vision system
US7471809B2 (en) Method, apparatus, and program for processing stereo image
EP2064675B1 (en) Method for determining a depth map from images, device for determining a depth map
CN112424565B (zh) 车载环境识别装置
KR100930626B1 (ko) 스테레오 카메라를 구비한 로봇의 물체 자세 인식 방법
US6480620B1 (en) Method of and an apparatus for 3-dimensional structure estimation
Svoboda et al. Matching in catadioptric images with appropriate windows, and outliers removal
JP3728460B2 (ja) ステレオカメラの最適配置決定方法とそのシステム
JP2802034B2 (ja) 三次元物体の計測方法
JP2961272B1 (ja) 特徴ベクトルを利用した物体の認識装置および方法
JP2003346130A (ja) 3次元情報処理装置および3次元情報処理方法
JP2001153633A (ja) 立体形状検出方法および装置
JPH11125522A (ja) 画像処理装置および方法
JPH0875454A (ja) 測距装置
JPH10289315A (ja) 視差算出装置、距離算出装置およびこれらの方法
JP3525712B2 (ja) 三次元画像撮像方法及び三次元画像撮像装置
JPH1096607A (ja) 物体検出装置および平面推定方法
JPH0618221A (ja) 多視点距離データの統合方法
JP3340599B2 (ja) 平面推定方法
JP2958462B1 (ja) ステレオ画像の輝度修正方法及び装置
JP2000028355A (ja) 3次元画像処理装置
JP2001238230A (ja) 多眼式立体テレビシステムにおける3次元構造情報を抽出する装置
JPH07280560A (ja) 相関演算評価方法
US12106512B2 (en) Method and apparatus for structured light calibration

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050901

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3728460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term