JP3727916B2 - ファイル監視方法、ファイル監視プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

ファイル監視方法、ファイル監視プログラム及びコンピュータシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシステムにおいて、ファイル出力の監視方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットやイントラネットの普及により、元来独立した機能として開発されたアプリケーション・ソフトウェア(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)を統合して、各種業務処理の効率化や新たな業務サービスの創出に役立てたいとの要望が高まってきている。
【0003】
このような場合、異なるアプリケーションを連結させるための手段として最も汎用性の有り確実な手法として、ファイルを介したデータ交換がある。しかし、多くのアプリケーションの実行環境では、ファイル更新をトリガーとして他のアプリケーションを起動するインタフェースは、標準的に提供されていない。
【0004】
そこで、あるアプリケーションがデータをファイルに出力したとき、このファイルに出力されたデータの処理をする別なアプリケーション(以下、下流アプリケーションと呼ぶ)を自動的に起動させて上記データを処理させるためには、ファイル監視が必要になる。即ち、新たなファイルの作成や、ファイル更新を定期的に監視する必要がある。
【0005】
従来、ファイル監視の手法には、次の2つがあった。1つ目は、単純周期監視方式である。これは、一定周期毎に、磁気ディスク装置などの二次記憶装置の監視対象のディレクトリにおいて、新たなファイルが作成されていないか、又は既に作成されているファイルの更新時刻が更新されていないかを調べ、このいずれかの状態が生じた場合には、アプリケーションからファイルの出力(ファイルの書き込み)がなされたと判断する手法である。又、2つ目の手法は、開始・終了フラグ方式である。これは、アプリケーションがファイル出力を開始するときに開始を示すフラグを設定し、ファイル出力が終了したときには終了フラグを設定する手法である。(例えば、特許文献1参照)この手法では、下流アプリケーションは、終了フラグが設定されたことを確認してそのフラグに対応付けられたファイルの処理を開始する。従って、この手法では、未完成のファイルを誤って処理してしまうことが回避できる。更にこの手法では、ファイル出力をするアプリケーションが開始フラグを設定しようとしたときに、既に開始フラグが設定状態であれば、その開始フラグが解除されるまで開始フラグの設定及びファイル出力が待たされる。開始フラグの解除は、下流アプリケーションが行う。従って、下流のアプリケーションがファイルの処理が終了するまでは、ファイルの上書きが行われることが回避できる。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−299750号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記単純周期監視方式では、アプリケーションによるファイルの出力がファイル監視の周期よりも短いとの暗黙の前提が存在する。監視周期の設定にも依存するが、出力するファイルの容量が大きい場合には、ファイル出力に必要とする時間が監視周期よりも大きくなる場合が生じる。このような場合には、ファイル出力の完了前に、下流アプリケーションがそのファイルの処理を開始してしまうという欠点があった。
【0008】
また、上記開始・終了フラグ方式では、アプリケーションが出力するファイルに対してフラグの設定をする処理を追加するためにソフトウェアの修正をする必要が生じるという欠点があった。
【0009】
本発明は、このような従来の欠点を解決するためになされたもので、ソフトウェアを修正する必要なく既存のアプリケーションに簡単に適用でき、かつ下流のアプリケーションで不完全なファイルを処理することなく、更にファイルのデータの消失をすることないファイル監視方法、ファイル監視プログラム及びコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の処理手段が記憶手段の所定のディレクトリに出力したファイルの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出する第1のステップと、
この第1のステップで新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出したとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機するステップと、
この待機ステップにより待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために第2の処理手段を起動するステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ソフトウェアを修正する必要なく既存のアプリケーションに簡単に適用できるファイル監視方法が実現できる。また、下流のアプリケーションで不完全なファイルを処理することがないファイル監視方法が実現できる。更に、ファイルのデータの消失をすることがないファイル監視方法が実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(発明の概略の説明)
まず、実施形態の詳細を説明する前に、本発明の概略を説明する。初めに本発明を理解する上で重要な事項である監視周期Tm(秒)、ファイルの最長出力所要時間Tu(秒)、ファイル出力の最短間隔Tx(秒)について説明する。
監視周期Tmは、監視対象のディレクトリにおいて新たに作成されたファイルの存在の有無とファイルの更新の有無とを調べる時間間隔(周期)を示すものである。
【0013】
ファイルの最長出力所要時間Tuは、アプリケーションの開発者がアプリケーションの仕様に基づいて、アプリケーションが1つのファイルを出力(書き込み)するときに必要とする時間の最大値を見積もった値である。換言すれば、アプリケーションがファイル出力する場合には、この最長出力所要時間Tu以上の時間は必要としないということである。一般に、ファイルを出力する場合は、複数回のデータの書き込みにより実施される。従って、ファイルを出力(書き込み)するときに必要とする時間とは、1回目のファイルの書き込みが開始されてから最後のファイルの書き込みが終了するまでの時間を示す。そして、その最大時間はアプリケーションの仕様に基づいて、開発者が見積もることができる。
【0014】
ファイル出力の最短間隔Txは、そのアプリケーションにおいて、あるファイル出力を開始してから次のファイル出力を開始するまでの時間間隔の最短時間を示す。このファイル出力の最短間隔Txは、アプリケーションの開発者がアプリケーションの仕様として決める値である。換言すると、あるアプリケーションにおいて、あるファイルの書き込みが開始されてから少なくともこの最短間隔Txの間は、次のファイルの書き込みが開始されないことを保証することになる。従って、あるファイルの出力を開始した後、最短間隔Txを経過するまでは、同一ファイルの出力(上書き)が開始されないことも保証される。
【0015】
次に本発明の動作原理及び前提条件を説明する。まず、ファイル出力が開始された直後にファイル監視手段が、このファイル出力を検出した場合を考える。図1に示すように、ファイル監視手段があるファイルFの1回目のファイル出力F1が実行された直後の時刻T1にファイルFのファイル出力を検出した場合を考える。ファイルFの最後のファイル出力Feが実施されるのは、どんなに遅くともファイル出力F1が実行されてから最長出力所要時間Tuを経過した後である。従って、ファイル監視手段は、検出したファイル出力F1のファイル更新時刻T2から最長出力所要時間Tuを経過した時刻T3以後であれば、下流アプリケーションにそのファイルFのデータを処理させることができる。この説明から明らかなように、ファイル監視手段がファイル出力を検出した場合、そのファイルのデータ処理を開始させるまでには、検出したファイルのファイル更新時刻から最長出力所要時間Tuだけ待機する必要がある。
【0016】
次に図2に示すように、ファイル監視手段が、あるファイルFの最後のファイル出力Feが実施された後の時刻T4にファイルFのファイル出力を検出した場合を考える。この場合、ファイル監視手段は、最後のファイル出力Feが実行された後にファイルFのファイル出力を検出したとの認識はできない。従って、図1に示したような場合を考慮して、ファイル監視手段は、ファイル出力Feのファイル更新時刻T5から最長出力所要時間Tuだけ待機した後の時刻T6に、その検出したファイルFのデータ処理を開始させる必要がある。
【0017】
このように図1及び図2を用いて説明した事項に基づいて、ファイル出力の最短間隔Txは、ファイルの最長出力所要時間Tuの2倍以上であることが要求される。即ち、「Tx>2Tu」である。
【0018】
この「Tx>2Tu」であるべきことは、図3を用いて説明する。図3に示すように時刻T7において、ファイルFの1回目のファイル出力F1が実施され(即ち、ファイル出力F1のファイル更新時刻はT7である)、最後のファイル出力Feが時刻T7からファイルの最長出力所要時間Tu経過した時刻T8に実行されたとする(即ち、ファイル出力Feのファイル更新時刻はT8である)。そして、このファイルFの出力をファイル監視手段が時刻T8の直後の時刻T9において検出したとする。この場合、図2で説明したとおり、ファイル監視手段は時刻T8から最長出力所要時間Tu経過した時刻T10まで待機し、時刻T10になったら、その検出したファイルFのデータ処理を開始させることになる。しかし、このような場合に、もし「Tx>2Tu」の条件を満たしていない、例えば「Tx>1.5Tu」であると仮定すると、次のような問題が発生する。即ち、時刻T9で検出したファイルFのデータ処理を時刻T10で開始する前の時刻T11(時刻T7から時間1.5Tu経過した時刻)において、同一のファイルFの出力(上書き)がされてしまう場合がある。このような場合、時刻T8で出力(書き込み)が終了したファイルFのデータ処理をすることなしに時刻T11においてファイルが上書きされてしまうことになる。よって、時刻T8においてファイル出力の終了したデータが消失してしまうという問題が発生する。従って、「Tx>2Tu」という条件が要求される。
【0019】
一方、ファイル出力の最短間隔Txは、監視周期Tmよりも長いことが要求される。即ち、「Tx>Tm」であることが要求される。これは、最短間隔Txよりも監視周期Tmが長いと、ファイルの上書きによりデータが消失する可能性があるからである。
【0020】
このように最長出力所要時間Tuを見積もること、「Tx>2Tu」と「Tx>Tm」の前提条件を設定することにより、「Tm>2Tu」であれば、ファイル出力されたデータが消失するという事故が生ずることなく正しくファイル監視ができることになる。
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を説明する。図4は、発明を実装したコンピュータシステムを示す図である。コンピュータ10では、アプリケーションプログラムA20、アプリケーションプログラムB40及びファイル監視プログラム30がインストールされ、実行されている。コンピュータ10には、2次記憶装置としての磁気ディスク装置50が接続されている。
【0022】
アプリケーションプログラムA20は、データ処理の結果として生成するファイルを磁気ディスク装置50のディレクトリ51内に書き込む(出力する)。アプリケーションプログラムB40は、アプリケーションプログラムA20が生成したファイルを受け取り、そのファイルのデータ処理をするものである。このアプリケーションプログラムB40の具体例としては、印刷プログラム、XML( Extensible Markup Language )文書の作成プログラム等である。
【0023】
ファイル監視プログラム30は、アプリケーションプログラムA20が磁気ディスク装置50のディレクトリ51に出力するファイルを監視するプログラムである。ファイル監視プログラム30は、ディレクトリ51に新しいファイルが書き込まれていないか、又は既に書き込まれているファイルが更新されていないかを定期的に監視する。ファイル監視プログラム30は、ディレクトリ51に新しいファイルが書き込まれたこと、又は既に書き込まれているファイルが更新されたことを検出すると、アプリケーションプログラムB40を起動し、その検出したファイルのデータ処理をさせる。
【0024】
図5は、ファイル監視プログラム30の詳細を示す図である。ファイル監視プログラム30は、ファイル出力監視制御部31、ファイル出力監視部32、プログラム起動部33とから構成されている。ファイル出力監視制御部31は、ファイル監視プログラム30全体を制御するとともに、磁気ディスク装置50に記録された監視処理方法定義テーブル52に格納されているファイル監視方法の定義データに基づいて、ファイル出力監視部32を起動するプログラムである。監視処理方法定義テーブル52には、ユーザーがファイル監視方法を定義したデータ(定義データ)を格納する。この定義データの監視方法定義テーブル52への登録方法の説明の詳細は省略するが、ファイル出力監視制御部31に定義データの登録機能を持たせるか、又は別に設けた定義データ登録処理プログラムにより実現する。ファイル出力監視部32は、ディスク装置50のディレクトリー51に記録されたファイルを監視するプログラムである。ファイル出力監視部32は、その動作中に第1のファイルテーブル32a、第2のファイルテーブル32b及び変化テーブル32cを図示を省略したメモリ上に作成する。この3つのテーブルの詳細は、後述する。プログラム起動部33は、ファイル出力監視部32によるファイル出力監視の結果、アプリケーションプログラムA20がディレクトリ51に新規に作成されたファイル又は更新されたファイルの存在を検出したとき、アプリケーションプログラムB40を起動し、その検出したファイルの処理をさせるプログラムである。
【0025】
図6は、監視処理方法定義テーブル52の構造を示す図である。監視方法定義テーブル52の各エントリーは、対象ディレクトリ、ファイル名のパターン、監視周期Tm、最長出力所要時間Tu、起動プログラム名の5つのパラメーターのフィールドから構成されている。この各エントリーに登録されたパラメーターにより、ファイル監視の方法が定義される。この定義データの詳細を一番上のエントリーに登録された定義データに基づいて説明する。対象ディレクトリのフィールドに登録されたパスにより、ファイル監視をする対象のディレクトリが定義される。定義されたパス「/aaa/bb1」とは、ルートディレクトリの下に設定されたディレクトリ「aaa」の下に更に設定されたディレクトリ「bb1」が監視対象のディレクトリである。ファイル名のパターンのフィールドに登録された内容により、監視対象のファイル名のパターンが定義される。定義された「alpha*.out」とは、ファイル名が文字列「alpha」で始まり、その後に任意の桁数の任意の文字列が付与されたファイル名で、しかもその拡張子が「out」であるファイルを監視対象のファイルと設定している。「*」は、ワイルドカードを示す。監視周期Tm、最長出力所要時間Tuの各フィールドに登録された数値は、ファイル監視時において使用される監視周期Tmと最長出力所要時間Tuの値であり、その意味は既に説明した通りであり、ここでの説明は省略する。また、起動プログラム名のフィールドに登録されたプログラム名は、監視対象のファイルにおいて新規に作成されたファイル又は更新されたファイルが検出されたとき、そのファイルのデータ処理をさせるために起動させるプログラム名を示す。
【0026】
図7は、第1及び第2のファイルテーブル32a、32bの構造を示す図である。このファイルテーブルの各エントリーは、ファイル名とファイル更新時刻のフィールドから構成されている。図8は、変化ファイルテーブル32cの構造を示す図である。変化ファイルテーブル32cの各エントリーは、ファイル名とファイル更新時刻のフィールドから構成されている。
【0027】
次に本発明の実施形態の動作の詳細を図9〜図12に示したフローチャートに基づいて説明する。図9は、ファイル出力監視制御部31の動作を説明するためのフローチャートである。図10及び図11は、ファイル出力監視部32の動作を説明するためのフローチャートである。更に図12は、プログラム起動部33の動作を説明するためのフローチャートである。
【0028】
先ず、ファイル監視プログラム30が起動されるとファイル出力監視制御部31が動作を開始する(図9を参照)。初めに出力監視制御部31は、監視処理方法定義テーブル52の1つのエントリーに登録された定義データを読み出す(ステップS1)。次に、この読み出した定義データにおいて、先に説明した「Tm>2Tu」の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS2)。即ち、監視周期Tmが最長出力所要時間Tuの2倍の時間よりも大きいか否かを判定する。
【0029】
この条件を満たしている場合には、そのエントリーで定義された条件でファイルの出力監視をするファイル出力監視部32を起動する(ステップS3)。図5において、ファイル出力監視部32は、1つしか図示していないが、このファイル出力監視部32は監視処理方法定義テーブル52の各エントリーで定義された定義データ毎に対応してそれぞれ起動される。また、この条件を満たしていない場合には、警告メッセージをシステムログのファイルに書き込んでエラー表示する(ステップS4)。
【0030】
次に監視処理方法定義テーブル52に登録された全てのエントリーから定義データを読み出したか否かを判断する(ステップS5)。全てのエントリーの読み出しが終了していない場合には、ステップS1に戻り、ステップS1〜ステップS4の処理を継続する。全てのエントリの読み出しが終了した場合には、ステップS6に処理を進める。ステップS6では、ユーザーからファイル監視プログラム30の処理の停止の指示がされたか否かを判定する。処理停止の指示がされていない場合には、その指示が出されるまで、ステップS6の判定を行い、その指示を待つ。処理停止の指示がされた場合には、ステップS7に処理進め、ステップS3で起動した全てのファイル出力監視部32の起動を停止し、処理を終了させる。
【0031】
次に図10を参照して図9のステップS3で起動されたファイル出力監視部32の動作を説明する。以後、各定義データに対応して複数のファイル出力監視部32が起動され、その動作を開始するが、以下の説明では代表して1つのファイル出力監視部32の動作を説明する。
【0032】
先ず、定義データの「対象ディレクトリ」のフィールドに登録されたパスで指定されたディレクトリ、例えば磁気ディスク装置50のディレクトリ51をチェックして、現時点でそのディレクトリ内に存在するファイルのファイル名とファイル更新時刻とから構成される第1のファイルテーブル32aを作成する(ステップU1)。
【0033】
次に現在時刻に監視周期Tmを加算した数値を休止解除時刻として設定し(ステップU2)、その動作を休止する(ステップU3)。次のステップU4では、現在時刻が休止解除時刻、即ち次にファイル監視をする時刻になったか否かを判定し、次の休止解除時刻までその動作を休止する。現在時刻が休止解除時刻になった場合(次のファイル監視時刻になった場合)、次の休止解除時刻として現在時刻に監視周期Tmを加算した数値を設定する(ステップU5)。
【0034】
続いて、ファイルの監視対象のディレクトリをチェックして、現時点でそのディレクトリ内に存在するファイルのファイル名とファイル更新時刻とから構成される第2のファイルテーブル32bを作成する(ステップU6)。次に変化テーブル32cの登録内容をクリアーしてその登録内容を空にする(ステップS7)。
【0035】
次に第1のファイルテーブル32aに登録されたファイル名及びファイル更新時刻と第2のファイルテーブル32bに登録されたファイル名及びファイル更新時刻とを比較して、新規に作成されたファイルと更新されたファイルを検出する(ステップU8)。新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出した場合には、処理をステップU9へ進め、その検出したファイルのファイル名とファイル更新時刻とを変化テーブル32cに登録する(ステップU9)。また、新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出しなかった場合には、ステップU3へ進めて次の休止解除時刻(次のファイル監視時刻)までその動作を休止する。
【0036】
ステップU9に続きステップU10では、ステップU9で変化テーブル32cに登録したファイル名の各ファイルに対応してそれぞれファイル処理を実行するルーチンであるスレッドを起動する。この様に複数のスレッドを同時に起動するのは、マルチスレッドの技術に基づいて実現できる。このようにスレッドを起動した後、ファイル出力監視部32の処理はステップU3へ進めて次の休止解除時刻(次のファイル監視時刻)までその動作を休止する。
【0037】
一方、ステップU10で起動した各スレッド(ファイル処理を実行するルーチン)の動作を図11に示すフローチャートを用いて説明する。以後、複数起動されたスレッドが並行してファイル処理を実行するが、以下の説明では、1つのスレッドのファイル処理の動作を代表して説明する。尚、ステップU9にて変化テーブル32cに登録されたファイルが1つの場合には、当然ステップU10で起動されるスレッドは、1つである。
【0038】
まず、この起動されたスレッドに対応付けられている変化テーブル32cに登録されたファイル(以下、処理ファイルと呼ぶ)のファイル更新時刻から起算してファイルの最長出力所要時間Tuだけ待機する(ステップV1)。この待機する意味は、先に説明した通り、処理ファイルのファイル出力が終了するのを待つことである。
【0039】
次に、プログラム起動部33を起動し、処理ファイルのファイル名とこの処理ファイルに対応付けられている定義データの「起動プログラム名」とを通知する(ステップV2)。この起動されたプログラム起動部33の動作説明は、後述する。
【0040】
続いて、プログラム起動部33を起動したことの後処理としてステップV3とステップV4の処理を実行して、このスレッドの動作を終了する。ステップV3では、第1のファイルテーブル32aの登録内容を第2のファイルテーブル32bに登録されている内容で置き換える。次にステップV4では、第2のファイルテーブル32bに登録されている内容を削除して登録内容を空にする。
【0041】
以下、図12に示すフローチャートを用いて図11のステップV2で起動されたプログラム起動部33の動作を説明する。先ず、ファイル出力監視部32の処理で起動されたスレッドにより図11に示したステップV2にて通知されたファイル名と起動プログラム名とを受け取る(ステップW1)。
【0042】
次に、ステップW1で受け取った起動プログラム名のプログラムを起動するとともに、この起動したプログラムに処理ファイルのファイル名を通知して、その処理をさせる(ステップW2)。この起動されたプログラムは、図4に図示したアプリケーションプログラムB40のことである。以後、この起動されたアプリケーションプログラムB40が通知を受けたファイル名のファイル処理をする。このステップW2の処理をした後、このプログラム起動部33の処理が終了する。尚、全てのスレッドの処理が終わる時点(図11のステップV4)では、まだファイル出力監視部32の処理はステップU4にて次の休止解除時刻(次のファイル監視時刻)の判定動作をしている。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、ソフトウェアを修正する必要なく既存のアプリケーションに簡単に適用できるファイル監視方法が実現できる。また、下流のアプリケーションで不完全なファイルを処理することがないファイル監視方法が実現できる。更に、ファイルのデータの消失をすることがないファイル監視方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を説明するための処理タイミングを示す図である。
【図2】本発明の概略を説明するための処理タイミングを示す図である。
【図3】本発明の概略を説明するための処理タイミングを示す図である。
【図4】発明を実装したコンピュータシステムを示す図である。
【図5】ファイル監視プログラム30の詳細を示す図である。
【図6】監視処理方法定義テーブル52の構造を示す図である。
【図7】第1及び第2のファイルテーブル32a、32bの構造を示す図である。
【図8】変化ファイルテーブル32cの構造を示す図である。
【図9】ファイル出力監視制御部31の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図10】ファイル出力監視部32の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図11】ファイル出力監視部32の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図12】プログラム起動部33の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
10‥‥コンピュータ
20‥‥アプリケーションプログラムA
30‥‥ファイル監視プログラム
40‥‥アプリケーションプログラムB
51‥‥ディレクトリ

Claims (18)

  1. 第1の処理手段が記憶手段の所定のディレクトリに出力したファイルの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出する第1のステップと、
    この第1のステップで新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出したとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機するステップと、
    この待機ステップにより待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために第2の処理手段を起動するステップとを具備することを特徴とするファイル監視方法。
  2. 前記第1の期間が前記第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項1記載のファイル監視方法。
  3. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項2記載のファイル監視方法。
  4. 第1の処理手段が少なくともファイル出力の最短間隔をあけて記憶手段の所定のディレクトリに出力したファイルの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出する第1のステップと、
    この第1のステップで新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルが検出されたとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機するステップと、
    この待機ステップにより待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために第2の処理手段を起動することを特徴とするファイル監視方法。
  5. 前記ファイル出力の最短間隔は前記監視周期よりも大きく、かつ前記第1の期間が第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項1記載のファイル監視方法。
  6. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項5記載のファイル監視方法。
  7. 第1の処理手段が記憶手段の所定のディレクトリに出力したファイルの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出する第1の機能と、
    この第1の機能で新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出したとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機する第2の機能と、
    この第2の機能により待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために第2の処理手段を起動する第3の機能とを具備することを特徴とするコンピュータで利用されるファイル監視プログラム。
  8. 前記第1の期間が前記第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項7記載のファイル監視プログラム。
  9. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項8記載のファイル監視プログラム。
  10. 第1の処理手段が少なくともファイル出力の最短間隔をあけて記憶手段の所定のディレクトリに出力したファイルの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出する第1の機能と、
    この第1の機能で新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルが検出されたとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機する第2の機能と、
    この第2の機能により待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために第2の処理手段を起動する第3の機能とを具備することを特徴とするコンピュータで利用されるファイル監視プログラム。
  11. 前記ファイル出力の最短間隔は前記監視周期よりも大きく、かつ前記第1の期間が第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項10記載のファイル監視プログラム。
  12. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項11記載のファイル監視プログラム。
  13. 記憶手段の所定のディレクトリにファイルを出力する第1の処理手段と、
    この第1の処理手段が出力したファイルを処理する第2の処理手段と、
    前記ディレクトリの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出するファイル検出手段と、
    このファイル検出手段が新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出したとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機する待機手段と、
    この待機手段により待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために前記第2の処理手段を起動させる起動手段とを具備することを特徴とするコンピュータシステム。
  14. 前記第1の期間が前記第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項13記載のコンピュータシステム。
  15. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項14記載のコンピュータシステム。
  16. 少なくともファイル出力の最短間隔をあけて記憶手段の所定のディレクトリにファイルを出力する第1の処理手段と、
    この第1の処理手段が出力したファイルを処理する第2の処理手段と、
    前記ディレクトリの中から新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを所定の監視周期毎に検出するファイル検出手段と、
    このファイル検出手段が新規に作成されたファイル或いは更新されたファイルを検出したとき、その検出したファイルのファイル更新時刻から少なくとも第1の期間待機する待機手段と、
    この待機手段により待機した後、前記検出したファイルのデータ処理をさせるために前記第2の処理手段を起動させる起動手段とを具備することを特徴とするコンピュータシステム。
  17. 前記ファイル出力の最短間隔は前記監視周期よりも大きく、かつ前記第1の期間が第1の処理手段におけるファイルの最長出力所要時間であることを特徴とする請求項16記載のコンピュータシステム。
  18. 前記監視周期は前記ファイルの最長出力所要時間の2倍よりも大きいことを特徴とする請求項17記載のコンピュータシステム。
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