JP3726246B2 - ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ハウス栽培やマルチング栽培等において大量に農家が使用するポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物フィルム等を、使用後に廃棄する際の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物はそのまま一般ゴミとして、ゴミ収集日に出され、廃棄物焼却場で焼却処理されていたのである。しかし、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の量が多いこと、一般の家庭用ゴミとは性質が相違し、業務用のゴミであり、また焼却した場合に発生熱量が大きく、焼却時に塩素ガスが発生するので、焼却炉の傷みを促進し、煙公害を発生するので、公共事業としてポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理をするにはコストの限界があり、公共体はゴミを出す側の費用負担により、処理することを求めるようになったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようにポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物等の有害ゴミを、発生側の負担で、焼却又は埋め立て処理することが求められるようになった場合に、出来るだけ安いコストで、公害の発生しない状態まで、溶融・収縮し、固形物に処理するポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法を提供するものである。
【0004】
本発明は、メチレンクロライド蒸気と水蒸気の混合気より発生する、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)の、強力酸化力を使用して、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を焼却前に溶解・収縮して取出し、これを固形または液状として焼却炉の燃料とするものである。また、ビニールハウス栽培やマルチフィルム栽培等において、大量に使用されるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂フィルムが不用になった場合に、これを溶解・収縮して、小容量の固形物に変形し、含有されている塩素分を抜いて、その後の焼却において塩素ガスが発生しないようにするものである。また、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物は、焼却するとゴミ焼却炉内において、高熱や有毒ガスを発生して、焼却炉の寿命に悪影響を与えるのである。また完全に焼却するまでに長時間を必要とし、焼却装置稼働時間の低下を招くのである。本発明はこのような従来技術の不具合を解消するものである。
【0005】
本発明は上記従来技術の不具合を解消すべく、低温で発生させた、メチレンクロライド溶液と水、又は、これに界面活性剤を付加した混合液の蒸気を、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物に浸透させて、合成樹脂成分を分解溶融・収縮させ、ゴミ処理を効率的に出来るようにし、低コストとしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、メチレンクロライド溶液と水を混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を発生させ、該混合蒸気をポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填し、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0007】
請求項2においては、該混合液の加熱温度を50〜150℃の範囲としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0008】
請求項3においては、メチレンクロライド溶液と水の重量比率を、略1対1としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0009】
請求項4においては、メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液を混合して混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を発生させ、該混合蒸気を該ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填して浸透させ、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0010】
請求項5においては、メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液の重量比率を、略5対4.5対0.5としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0011】
【作用】
次に作用を説明する。本発明のメチレンクロライド蒸気と水蒸気、又はメチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの中まで浸透し、該蒸気から発生する塩素イオン(Cl- )、メチレン遊離基(−CH2 −)が処理タンクT内を真空にすることにより、通常よりも長い時間、かつ強力に作用して、合成樹脂を構成する鎖状の長い炭化水素基の分子を分断し、炭水化物やアルコールや水に変換し、溶解又は分解するのである。
【0012】
また、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法において、メチレンクロライド溶液と水に付加して界面活性剤液を混合することにより、該界面活性剤蒸気が、溶融後の塩素分の分離と融け出しを容易にするのである。
また界面活性剤を混合することにより、低温において蒸気の発生を可能とするので、処理温度を低くすることが出来るので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを焙焼することがないのである。
【0013】
【実施例】
次に実施例を説明する。
メチレンクロライドは化学式がCH2 Cl2 で表示される分子量84.93の物質である。化学名は塩化メチレンであり、一般名としてメチレンクロライドの他に、ジクロルメタンとか、二塩化メチレンと呼称される場合もある。沸点は40.4℃で、融点は−96.8℃である。
【0014】
また、界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤と、陽イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤に分類される。陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、アミド硫酸ナトリウム、第二アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アミドスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム等がある。また、陽イオン性界面活性剤としては、酢酸アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムハロゲニド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド等がある。
【0015】
両性界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型等がある。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレン酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪アミン、ポリプロピレングリゴール等がある。
本発明においては、アルカリ性が強くなると、Cl2 が発生しやすくるなるので、これを回避する必要があり、酸・アルカリに対して比較的安定した、アルコール系の非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルフェノールや、ポリオキシエチレン脂肪アルコールが、この点において有効である。しかし、合成樹脂成分を分解し溶解する為には、全ての界面活性剤が有効である。
【0016】
図1は本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成図面、図2はポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開閉により示した図面、図3は処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の部分の側面図、図4は処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを載置して、処理タンクT内に封入する状態の側面図、図5は同じく図4の正面断面図、図6は処理タンクT内で処理後のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを取り出す状態の側面図、図7は図6の正面断面図、図8は本発明により処理する前の塩素分の含有状態と、処理後における塩素分の含有状態を示す図面である。
【0017】
図3・図4・図5・図6・図7において、処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の構成を説明する。
即ち処理タンクTは圧力容器を構成しており、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法においては、脱気操作において50Torrの脱気真空状態となり、メチレンクロライドの蒸気回収時に200Torrの真空となるので、これに耐える程度の圧力容器に構成されている。そして正面に蓋体22が設けられており、該蓋体22が処理物載置台26と一体的に構成されている。該処理物載置台26は処理タンクTの内部に設けられた移動レール25の上で移動し、また蓋体22は蓋体支持部23の下部の移動レール24の部分で、両者が一体的に移動可能としている。
【0018】
該蓋体22と一体的に引出し、挿入される処理物載置台26の上に、処理対象であるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを、土が付いたまま、また裁断装置により裁断して細切れにした状態のものをそのまま載置するのである。ポリ塩化ビニール等の 塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを裁断装置により裁断することにより、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)が、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの全体に至り易くなる。該処理物載置台26の部分を処理タンクTの内部に挿入した状態で、蓋体22と処理タンクTとを密閉固定し圧力を掛ける。
該処理タンクTの内部の底部に加温・冷却パイプ20が配置されており、加温の場合にはボイラーBより、100数十度の水蒸気が供給される。また冷却の場合には、冷却水タンク18の冷却水が供給される。メチレンクロライドと水の混合液は、そのまま処理タンクTの内部に注入されても良いし、また予備タンクの部分で混合蒸気の状態として、処理タンクTに供給しても良いのである。図1の実施例においては、混合液の状態として処理タンクTの内部に供給すべく構成している。
【0019】
そして混合液の状態で、加温・冷却パイプ20を浸漬する程度まで、混合液を注入した状態で、ボイラーBから100数十度の水蒸気を加温・冷却パイプ20に供給し、沸点が40℃であるメチレンクロライドは勿論、水も蒸気となるのである。該水蒸気とメチレンクロライドの蒸気とを同時に供給するのは、水蒸気によりポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸透するのを促進するのである。
本発明においては、メチレンクロライドと水と界面活性剤の混合液は、図5と図7に示す如く、液面が最大でも、処理物載置台26の下までしか至らず、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wが液に浸漬されることは無いのである。
あくまで、混合液の蒸気をポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに吸収させて処理するのである。図6と図7においては、処理後の取出状態を図示しているが、処理物載置台26の上に大量に載置されていたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、溶融・収縮し、処理物載置台26の表面に、固形物として収縮しているのである。これを、剥離させて、そのままバーナーや焼却炉にて燃料として燃焼させても良いし、更に熱分解して蒸留・分留して、液体石油燃料に変化させても良いのである。
【0020】
次に図1において、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成を説明する。
設備としては、処理タンクTと混合液タンク14が主体であり、該混合液タンク14の内部に、メチレンクロライドと水と界面活性剤の混合された混合液が投入される。またボイラーBは前述の如く、混合液を蒸気化するものであり、コンプレッサCは、処理終了後に処理タンクTの内部の混合液を混合液タンク14に戻す際に圧力を掛けるものである。
【0021】
また真空ポンプPは混合液を押し出した後に、処理タンクTの内部とポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に残っているメチレンクロライド蒸気を吸引するものである。そして該吸引したメチレンクロライド蒸気は、大気に排出することが出来ないので、コンデンサ16において冷却して液化し、コンデンサパイプ21の部分から再度混合液タンク14に戻している。チラー15は該コンデンサ16の内部の冷却水を冷却するものである。またフィルター19が設けられており、処理タンクTからコンプレッサCにより押し出される混合液内のゴミ等の不純物を濾過する。また冷却水タンク17は、混合液蒸気を液化する為に使用した冷却水の受け皿である。
【0022】
そして、各部に電磁バルブが配置されている。該電磁バルブは、自動制御装置により、一定時間毎に開閉すべく構成しており、処理の行程である『処理物脱気』,『混合液送り込み』,『処理』,『混合液冷却』,『混合液タンク戻し』,『混合液蒸気回収』,『コンデンサ内部混合液回収』の順に、図2に示す如く、自動的に開閉操作される。同時に、コンプレッサCとボイラーBと真空ポンプPとチラー15が自動的に駆動停止される。全体として、実施例においては、メチレンクロライドと水と界面活性剤の比率を、重量比率で略5対4.5対0.5とし、処理タンクT内の温度は約90度が好ましい。また、一回の処理サイクルを24時間とし、その後に24時間冷却時間を置くのが望ましい。
【0023】
次に図2において、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理装置の各行程の電磁バルブの状態を示す。まず『処理物脱気』の行程においては、真空ポンプPが駆動される。そして真空ポンプPとコンデンサ16を連結する回路の電磁バルブ1が開く、またコンデンサ16と処理タンクTを連通する電磁バルブ3も開く。その他の電磁バルブはすべて閉鎖されている。これにより、処理タンクTの内部は、50Torr程度の真空となり、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの細切れの間から空気が引き出される。
【0024】
次に『混合液送り込み』の行程においては、処理タンクTと混合液タンク14を連通する電磁バルブ4が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これにより混合液タンク14と処理タンクTとは略同じレベルに配置されているので、混合液タンク14内と処理タンクT内が同じレベルになるように、混合液が処理タンクT内に移動する。
【0025】
次に、『処理』の行程においては、ボイラーBと処理タンクTとの間の電磁バルブ7と、処理タンクTからドレーンを連通する電磁バルブ9が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これにより、ボイラーBからの高熱蒸気が処理タンクT内の加温・冷却パイプ20に供給され、処理タンクT内の混合液は、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気となって、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸透する。この『処理』の段階を約8〜24時間行う。この処理時間は、処理温度とポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の状態等により変化する。塩素分を1%まで減少する為には24時間の処理時間が望ましい。
【0026】
次に『混合液冷却』の行程を説明する。この場合には、冷却水タンク18と処理タンクTとを連通する電磁バルブ8と、処理タンクTと冷却水タンク17を連通する電磁バルブ10が開放される。他の電磁バルブは閉鎖されている。これにより、冷却水が加温・冷却パイプ20内を通過し、処理タンクTの内部はメチレンクロライドの沸点である40℃以下となるので、メチレンクロライドも水蒸気も薬液に戻るのである。
【0027】
次に『混合液タンク戻し』の行程を説明する。この場合には、処理タンクT内の空気を逃がす為に電磁バルブ2が開き、処理タンクTの下部の電磁バルブ5と、コンプレッサCと処理タンクTを連通する電磁バルブ6が開き、コンプレッサCが駆動される。またフィルター19と混合液タンク14の間の電磁バルブ12と、混合液タンク14と大気を連通する電磁バルブ13が開く。これにより処理タンクT内にある程度の圧力が掛かるので、液化した混合液は混合液タンク14内に押し戻される。
【0028】
次に、『タンク内部混合液蒸気回収』の行程について説明する。この場合には、真空ポンプPが駆動される。そして真空ポンプPとコンデンサ16を連通する電磁バルブ1と、コンデンサ16と処理タンクTを連通する電磁バルブ3が開く。他の電磁バルブは閉鎖される。この状態で、真空ポンプPにより処理タンクT内及びポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸透したメチレンクロライドの蒸気を回収する。この際の真空度は、200Torr程度まで下げる。
【0029】
次に『コンデンサ内部混合液回収』の行程においては、大気と連通する電磁バルブ2と、コンデンサパイプ21と混合液タンク14とを連通する電磁バルブ11を開く。これにより、コンデンサ16のコンデンサパイプ21の内部に溜まったメチレンクロライド等の混合液を、混合液タンク14に回収することが出来る。これらの1行程を24時間で終了するのである。その後にメチレンクロライドガスと水蒸気と界面活性剤のガスを冷却して、元の液に戻し、また溶融しているポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を固体化する為に24時間冷却放置する。
【0030】
次に図5と図7において、処理状態に於ける処理タンクTの内部の断面図を説明する。処理タンクTの内部の下方に、加温・冷却パイプ20が配置されており、該加温・冷却パイプ20の上部に、処理物載置台26が移動可能に配置されている。該処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wが載置されるのである。そして、水Waと界面活性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meの混合液は、該加温・冷却パイプ20よりも液位が高く、しかし、処理物載置台26上のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを浸漬しない程度の液位となるように注入される。
【0031】
水Waの比重は1.00であり、界面活性剤液Sの比重は1.04であるので、略同じ液位となり、界面活性剤液Sは水Waに溶けるので一体的になり、図5と図7に示す如く、水Wa+界面活性剤液Sの液層を構成する。これに対して、メチレンクロライド溶液Meは、比重が1.33であり、水Waに溶解しないので、水Wa+界面活性剤液Sの層の下に層を構成するのである。そして、水Wa+界面活性剤液Sの層に配置した加温・冷却パイプ20に160℃に加熱した水蒸気を供給すると、加温・冷却パイプ20の周囲の温度が上昇する。該加温・冷却パイプ20は水Wa+界面活性剤液Sの層に配置されており、該部分が先に温度上昇する。
【0032】
徐々に加温・冷却パイプ20の温度が上昇し、約40℃に達すると、メチレンクロライド溶液Meが沸点に達し、メチレンクロライド蒸気に変わり水Wa+界面活性剤液Sの層を泡となって通過して、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに至り、該ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸入する。通常のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wにおいては、約50℃以上(好ましくは90°C)に加熱し、メチレンクロライドの蒸気が、水Waと界面活性剤液Sの液の中を潜り抜けて、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに達するような状態で処理を続けるのである。
【0033】
また処理し難いポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの場合には、混合液の温度を約100℃まで上昇して、水Waや界面活性剤液Sも蒸気として処理するのである。そして該メチレンクロライドMeが水Waと界面活性剤液Sを通過する間に、メチレンクロライドから発生するCl2 (塩素ガス)を水Waに吸収させて、処理に悪影響を与えるCl2 の発生を押さえるのである。また該メチレンクロライドの蒸気に、界面活性剤液Sが付加された状態で、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸入するのである。これにより合成樹脂の溶融流れ出しの切れを良くすることが出来る。
【0034】
このように、水Waと界面活性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meを、混合液として加温・冷却パイプ20により加温することにより、メチレンクロライドMeの蒸気は、水Waと界面活性剤液Sを通過してから、処理タンクT内に蒸発するのでCl2 が少なくなるのである。該メチレンクロライドの蒸気は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸入し、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを酸化するのである。また界面活性剤液Sが混在された状態で穿孔内に入るので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶解する場合の脂切れが良く、また低温でメチレンクロライドの蒸気を大量に発生することが出来るので、処理タンクT内を高温にして処理する必要がないのである。
【0035】
また、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を浸透させる前の段階において、真空状態とした処理タンク内において、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを脱気処理するので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部の空気を抜き取った状態で、メチレンクロライドの蒸気を浸透させることが出来るので、より内部まで浸透させることが出来るのである。
【0036】
ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを、本発明のメチレンクロライド蒸気と水蒸気から発生する塩素イオン(Cl- )とメチレン遊離基(−CH2 −)により、酸化して溶融し、処理物載置台26から落下させるのである。該溶融したポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、処理物載置台26を取り出すと固形物に変化しているが、溶解と収縮を行っているので、最初に投入した時のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの数十分の1の容積となっているのである。この固形物を固形燃料として、焼却炉やバーナーに投入するのである。
【0037】
本発明により溶融収縮したポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、別に取り出して、熱分解し、精製分離器により簡単に石油成分だけを取り出すことができ、これを灯油と同じ燃料として燃焼して、ゴミ焼却炉やゴミ焼却発電やゴミ焼却暖房の原料として提供することが出来るのである。
【0038】
また、図8に示す如く、全元素定性分析結果に示す如く、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法により、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂フィルムを処理すると、塩素分が処理前の100分の1と減少するのである。これはポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の成分を構成する塩素分を、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)がガス化し、かつ分解し、その後、水と反応させて塩酸等に変えて、混合液中に回収するからであると考えられる。故に、処理後の固形、又は液状の処理後物を燃焼しても、塩素ガスの発生が少ないのである。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構成したので、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに浸透させて、合成樹脂分を溶解収縮させることができ、これにより、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの体積を減少させて、固形燃料に変えることができ、後はバーナーや焼却炉において、燃焼させることができる。また、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を本発明の処理方法により処理することにより、塩素分を、約100分の一程度まで減少させることが出来るのであるこれにより、処理後の固形物を焼却しても、塩素ガスが発生することがなく、公害の発生源となることが無くなったのである。
【0040】
請求項2の如く、混合液の加熱温度を50〜150℃(好ましくは90°C)の範囲としたので、低温度で塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)を発生させることができ、処理の熱コストを低くすることができ、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを高温で焙焼せずに処理することが可能となったのである。
【0041】
請求項3の如く、メチレンクロライド溶液と水の重量比率を、略1対1としたので、最適状態の塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)を発生させることができるのである。
【0042】
請求項4の如く、界面活性剤を付加することにより、メチレンクロライドの蒸気化が爆発的に進行することとなり、低温で強力な酸化力を得ること出来るのである。また、分解・溶解した合成樹脂分が溶融する作業を、界面活性剤により促進することが出来るので、処理タンクT内での処理時間を円滑に行うことが出来るのである。
【0043】
請求項5の如く、メチレンクロライドと水と界面活性剤の重量比率を5対4.5対0.5としたことにより、塩素分の除去効率を最良にすることが出来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成図面。
【図2】 ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開閉により示した図面。
【図3】 処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の部分の側面図。
【図4】 処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを載置して、処理タンクT内に封入する状態の側面図。
【図5】 同じく図4の正面断面図。
【図6】 処理タンクT内で処理後のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを取り出す状態の側面図。
【図7】 図6の正面断面図。
【図8】 本発明により処理する前の塩素分の含有状態と、処理後における塩素分の含有状態を示す図面。
【符号の説明】
Me メチレンクロライド溶液
C コンプレッサ
B ボイラー
T 処理タンク
P 真空ポンプ
W ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物
Wa 水
S 界面活性剤液
14 混合液タンク
15 チラー
16 コンデンサ
18 冷却水タンク
21 コンデンサパイプ
22 蓋体
26 処理物載置台
【産業上の利用分野】
本発明は、ハウス栽培やマルチング栽培等において大量に農家が使用するポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物フィルム等を、使用後に廃棄する際の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物はそのまま一般ゴミとして、ゴミ収集日に出され、廃棄物焼却場で焼却処理されていたのである。しかし、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の量が多いこと、一般の家庭用ゴミとは性質が相違し、業務用のゴミであり、また焼却した場合に発生熱量が大きく、焼却時に塩素ガスが発生するので、焼却炉の傷みを促進し、煙公害を発生するので、公共事業としてポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理をするにはコストの限界があり、公共体はゴミを出す側の費用負担により、処理することを求めるようになったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このようにポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物等の有害ゴミを、発生側の負担で、焼却又は埋め立て処理することが求められるようになった場合に、出来るだけ安いコストで、公害の発生しない状態まで、溶融・収縮し、固形物に処理するポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法を提供するものである。
【0004】
本発明は、メチレンクロライド蒸気と水蒸気の混合気より発生する、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)の、強力酸化力を使用して、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を焼却前に溶解・収縮して取出し、これを固形または液状として焼却炉の燃料とするものである。また、ビニールハウス栽培やマルチフィルム栽培等において、大量に使用されるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂フィルムが不用になった場合に、これを溶解・収縮して、小容量の固形物に変形し、含有されている塩素分を抜いて、その後の焼却において塩素ガスが発生しないようにするものである。また、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物は、焼却するとゴミ焼却炉内において、高熱や有毒ガスを発生して、焼却炉の寿命に悪影響を与えるのである。また完全に焼却するまでに長時間を必要とし、焼却装置稼働時間の低下を招くのである。本発明はこのような従来技術の不具合を解消するものである。
【0005】
本発明は上記従来技術の不具合を解消すべく、低温で発生させた、メチレンクロライド溶液と水、又は、これに界面活性剤を付加した混合液の蒸気を、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物に浸透させて、合成樹脂成分を分解溶融・収縮させ、ゴミ処理を効率的に出来るようにし、低コストとしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
請求項1においては、メチレンクロライド溶液と水を混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を発生させ、該混合蒸気をポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填し、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0007】
請求項2においては、該混合液の加熱温度を50〜150℃の範囲としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0008】
請求項3においては、メチレンクロライド溶液と水の重量比率を、略1対1としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0009】
請求項4においては、メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液を混合して混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を発生させ、該混合蒸気を該ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填して浸透させ、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0010】
請求項5においては、メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液の重量比率を、略5対4.5対0.5としたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法である。
【0011】
【作用】
次に作用を説明する。本発明のメチレンクロライド蒸気と水蒸気、又はメチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの中まで浸透し、該蒸気から発生する塩素イオン(Cl- )、メチレン遊離基(−CH2 −)が処理タンクT内を真空にすることにより、通常よりも長い時間、かつ強力に作用して、合成樹脂を構成する鎖状の長い炭化水素基の分子を分断し、炭水化物やアルコールや水に変換し、溶解又は分解するのである。
【0012】
また、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法において、メチレンクロライド溶液と水に付加して界面活性剤液を混合することにより、該界面活性剤蒸気が、溶融後の塩素分の分離と融け出しを容易にするのである。
また界面活性剤を混合することにより、低温において蒸気の発生を可能とするので、処理温度を低くすることが出来るので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを焙焼することがないのである。
【0013】
【実施例】
次に実施例を説明する。
メチレンクロライドは化学式がCH2 Cl2 で表示される分子量84.93の物質である。化学名は塩化メチレンであり、一般名としてメチレンクロライドの他に、ジクロルメタンとか、二塩化メチレンと呼称される場合もある。沸点は40.4℃で、融点は−96.8℃である。
【0014】
また、界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤と、陽イオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤に分類される。陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、アミド硫酸ナトリウム、第二アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アミドスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム等がある。また、陽イオン性界面活性剤としては、酢酸アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムハロゲニド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド等がある。
【0015】
両性界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型等がある。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレン酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪アミン、ポリプロピレングリゴール等がある。
本発明においては、アルカリ性が強くなると、Cl2 が発生しやすくるなるので、これを回避する必要があり、酸・アルカリに対して比較的安定した、アルコール系の非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルフェノールや、ポリオキシエチレン脂肪アルコールが、この点において有効である。しかし、合成樹脂成分を分解し溶解する為には、全ての界面活性剤が有効である。
【0016】
図1は本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成図面、図2はポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開閉により示した図面、図3は処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の部分の側面図、図4は処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを載置して、処理タンクT内に封入する状態の側面図、図5は同じく図4の正面断面図、図6は処理タンクT内で処理後のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを取り出す状態の側面図、図7は図6の正面断面図、図8は本発明により処理する前の塩素分の含有状態と、処理後における塩素分の含有状態を示す図面である。
【0017】
図3・図4・図5・図6・図7において、処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の構成を説明する。
即ち処理タンクTは圧力容器を構成しており、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法においては、脱気操作において50Torrの脱気真空状態となり、メチレンクロライドの蒸気回収時に200Torrの真空となるので、これに耐える程度の圧力容器に構成されている。そして正面に蓋体22が設けられており、該蓋体22が処理物載置台26と一体的に構成されている。該処理物載置台26は処理タンクTの内部に設けられた移動レール25の上で移動し、また蓋体22は蓋体支持部23の下部の移動レール24の部分で、両者が一体的に移動可能としている。
【0018】
該蓋体22と一体的に引出し、挿入される処理物載置台26の上に、処理対象であるポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを、土が付いたまま、また裁断装置により裁断して細切れにした状態のものをそのまま載置するのである。ポリ塩化ビニール等の 塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを裁断装置により裁断することにより、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)が、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの全体に至り易くなる。該処理物載置台26の部分を処理タンクTの内部に挿入した状態で、蓋体22と処理タンクTとを密閉固定し圧力を掛ける。
該処理タンクTの内部の底部に加温・冷却パイプ20が配置されており、加温の場合にはボイラーBより、100数十度の水蒸気が供給される。また冷却の場合には、冷却水タンク18の冷却水が供給される。メチレンクロライドと水の混合液は、そのまま処理タンクTの内部に注入されても良いし、また予備タンクの部分で混合蒸気の状態として、処理タンクTに供給しても良いのである。図1の実施例においては、混合液の状態として処理タンクTの内部に供給すべく構成している。
【0019】
そして混合液の状態で、加温・冷却パイプ20を浸漬する程度まで、混合液を注入した状態で、ボイラーBから100数十度の水蒸気を加温・冷却パイプ20に供給し、沸点が40℃であるメチレンクロライドは勿論、水も蒸気となるのである。該水蒸気とメチレンクロライドの蒸気とを同時に供給するのは、水蒸気によりポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸透するのを促進するのである。
本発明においては、メチレンクロライドと水と界面活性剤の混合液は、図5と図7に示す如く、液面が最大でも、処理物載置台26の下までしか至らず、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wが液に浸漬されることは無いのである。
あくまで、混合液の蒸気をポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに吸収させて処理するのである。図6と図7においては、処理後の取出状態を図示しているが、処理物載置台26の上に大量に載置されていたポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、溶融・収縮し、処理物載置台26の表面に、固形物として収縮しているのである。これを、剥離させて、そのままバーナーや焼却炉にて燃料として燃焼させても良いし、更に熱分解して蒸留・分留して、液体石油燃料に変化させても良いのである。
【0020】
次に図1において、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成を説明する。
設備としては、処理タンクTと混合液タンク14が主体であり、該混合液タンク14の内部に、メチレンクロライドと水と界面活性剤の混合された混合液が投入される。またボイラーBは前述の如く、混合液を蒸気化するものであり、コンプレッサCは、処理終了後に処理タンクTの内部の混合液を混合液タンク14に戻す際に圧力を掛けるものである。
【0021】
また真空ポンプPは混合液を押し出した後に、処理タンクTの内部とポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に残っているメチレンクロライド蒸気を吸引するものである。そして該吸引したメチレンクロライド蒸気は、大気に排出することが出来ないので、コンデンサ16において冷却して液化し、コンデンサパイプ21の部分から再度混合液タンク14に戻している。チラー15は該コンデンサ16の内部の冷却水を冷却するものである。またフィルター19が設けられており、処理タンクTからコンプレッサCにより押し出される混合液内のゴミ等の不純物を濾過する。また冷却水タンク17は、混合液蒸気を液化する為に使用した冷却水の受け皿である。
【0022】
そして、各部に電磁バルブが配置されている。該電磁バルブは、自動制御装置により、一定時間毎に開閉すべく構成しており、処理の行程である『処理物脱気』,『混合液送り込み』,『処理』,『混合液冷却』,『混合液タンク戻し』,『混合液蒸気回収』,『コンデンサ内部混合液回収』の順に、図2に示す如く、自動的に開閉操作される。同時に、コンプレッサCとボイラーBと真空ポンプPとチラー15が自動的に駆動停止される。全体として、実施例においては、メチレンクロライドと水と界面活性剤の比率を、重量比率で略5対4.5対0.5とし、処理タンクT内の温度は約90度が好ましい。また、一回の処理サイクルを24時間とし、その後に24時間冷却時間を置くのが望ましい。
【0023】
次に図2において、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理装置の各行程の電磁バルブの状態を示す。まず『処理物脱気』の行程においては、真空ポンプPが駆動される。そして真空ポンプPとコンデンサ16を連結する回路の電磁バルブ1が開く、またコンデンサ16と処理タンクTを連通する電磁バルブ3も開く。その他の電磁バルブはすべて閉鎖されている。これにより、処理タンクTの内部は、50Torr程度の真空となり、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの細切れの間から空気が引き出される。
【0024】
次に『混合液送り込み』の行程においては、処理タンクTと混合液タンク14を連通する電磁バルブ4が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これにより混合液タンク14と処理タンクTとは略同じレベルに配置されているので、混合液タンク14内と処理タンクT内が同じレベルになるように、混合液が処理タンクT内に移動する。
【0025】
次に、『処理』の行程においては、ボイラーBと処理タンクTとの間の電磁バルブ7と、処理タンクTからドレーンを連通する電磁バルブ9が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これにより、ボイラーBからの高熱蒸気が処理タンクT内の加温・冷却パイプ20に供給され、処理タンクT内の混合液は、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気となって、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸透する。この『処理』の段階を約8〜24時間行う。この処理時間は、処理温度とポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の状態等により変化する。塩素分を1%まで減少する為には24時間の処理時間が望ましい。
【0026】
次に『混合液冷却』の行程を説明する。この場合には、冷却水タンク18と処理タンクTとを連通する電磁バルブ8と、処理タンクTと冷却水タンク17を連通する電磁バルブ10が開放される。他の電磁バルブは閉鎖されている。これにより、冷却水が加温・冷却パイプ20内を通過し、処理タンクTの内部はメチレンクロライドの沸点である40℃以下となるので、メチレンクロライドも水蒸気も薬液に戻るのである。
【0027】
次に『混合液タンク戻し』の行程を説明する。この場合には、処理タンクT内の空気を逃がす為に電磁バルブ2が開き、処理タンクTの下部の電磁バルブ5と、コンプレッサCと処理タンクTを連通する電磁バルブ6が開き、コンプレッサCが駆動される。またフィルター19と混合液タンク14の間の電磁バルブ12と、混合液タンク14と大気を連通する電磁バルブ13が開く。これにより処理タンクT内にある程度の圧力が掛かるので、液化した混合液は混合液タンク14内に押し戻される。
【0028】
次に、『タンク内部混合液蒸気回収』の行程について説明する。この場合には、真空ポンプPが駆動される。そして真空ポンプPとコンデンサ16を連通する電磁バルブ1と、コンデンサ16と処理タンクTを連通する電磁バルブ3が開く。他の電磁バルブは閉鎖される。この状態で、真空ポンプPにより処理タンクT内及びポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸透したメチレンクロライドの蒸気を回収する。この際の真空度は、200Torr程度まで下げる。
【0029】
次に『コンデンサ内部混合液回収』の行程においては、大気と連通する電磁バルブ2と、コンデンサパイプ21と混合液タンク14とを連通する電磁バルブ11を開く。これにより、コンデンサ16のコンデンサパイプ21の内部に溜まったメチレンクロライド等の混合液を、混合液タンク14に回収することが出来る。これらの1行程を24時間で終了するのである。その後にメチレンクロライドガスと水蒸気と界面活性剤のガスを冷却して、元の液に戻し、また溶融しているポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を固体化する為に24時間冷却放置する。
【0030】
次に図5と図7において、処理状態に於ける処理タンクTの内部の断面図を説明する。処理タンクTの内部の下方に、加温・冷却パイプ20が配置されており、該加温・冷却パイプ20の上部に、処理物載置台26が移動可能に配置されている。該処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wが載置されるのである。そして、水Waと界面活性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meの混合液は、該加温・冷却パイプ20よりも液位が高く、しかし、処理物載置台26上のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを浸漬しない程度の液位となるように注入される。
【0031】
水Waの比重は1.00であり、界面活性剤液Sの比重は1.04であるので、略同じ液位となり、界面活性剤液Sは水Waに溶けるので一体的になり、図5と図7に示す如く、水Wa+界面活性剤液Sの液層を構成する。これに対して、メチレンクロライド溶液Meは、比重が1.33であり、水Waに溶解しないので、水Wa+界面活性剤液Sの層の下に層を構成するのである。そして、水Wa+界面活性剤液Sの層に配置した加温・冷却パイプ20に160℃に加熱した水蒸気を供給すると、加温・冷却パイプ20の周囲の温度が上昇する。該加温・冷却パイプ20は水Wa+界面活性剤液Sの層に配置されており、該部分が先に温度上昇する。
【0032】
徐々に加温・冷却パイプ20の温度が上昇し、約40℃に達すると、メチレンクロライド溶液Meが沸点に達し、メチレンクロライド蒸気に変わり水Wa+界面活性剤液Sの層を泡となって通過して、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに至り、該ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物W内に浸入する。通常のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wにおいては、約50℃以上(好ましくは90°C)に加熱し、メチレンクロライドの蒸気が、水Waと界面活性剤液Sの液の中を潜り抜けて、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに達するような状態で処理を続けるのである。
【0033】
また処理し難いポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの場合には、混合液の温度を約100℃まで上昇して、水Waや界面活性剤液Sも蒸気として処理するのである。そして該メチレンクロライドMeが水Waと界面活性剤液Sを通過する間に、メチレンクロライドから発生するCl2 (塩素ガス)を水Waに吸収させて、処理に悪影響を与えるCl2 の発生を押さえるのである。また該メチレンクロライドの蒸気に、界面活性剤液Sが付加された状態で、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸入するのである。これにより合成樹脂の溶融流れ出しの切れを良くすることが出来る。
【0034】
このように、水Waと界面活性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meを、混合液として加温・冷却パイプ20により加温することにより、メチレンクロライドMeの蒸気は、水Waと界面活性剤液Sを通過してから、処理タンクT内に蒸発するのでCl2 が少なくなるのである。該メチレンクロライドの蒸気は、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部に浸入し、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを酸化するのである。また界面活性剤液Sが混在された状態で穿孔内に入るので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶解する場合の脂切れが良く、また低温でメチレンクロライドの蒸気を大量に発生することが出来るので、処理タンクT内を高温にして処理する必要がないのである。
【0035】
また、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を浸透させる前の段階において、真空状態とした処理タンク内において、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを脱気処理するので、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの内部の空気を抜き取った状態で、メチレンクロライドの蒸気を浸透させることが出来るので、より内部まで浸透させることが出来るのである。
【0036】
ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを、本発明のメチレンクロライド蒸気と水蒸気から発生する塩素イオン(Cl- )とメチレン遊離基(−CH2 −)により、酸化して溶融し、処理物載置台26から落下させるのである。該溶融したポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、処理物載置台26を取り出すと固形物に変化しているが、溶解と収縮を行っているので、最初に投入した時のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの数十分の1の容積となっているのである。この固形物を固形燃料として、焼却炉やバーナーに投入するのである。
【0037】
本発明により溶融収縮したポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wは、別に取り出して、熱分解し、精製分離器により簡単に石油成分だけを取り出すことができ、これを灯油と同じ燃料として燃焼して、ゴミ焼却炉やゴミ焼却発電やゴミ焼却暖房の原料として提供することが出来るのである。
【0038】
また、図8に示す如く、全元素定性分析結果に示す如く、本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法により、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂フィルムを処理すると、塩素分が処理前の100分の1と減少するのである。これはポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の成分を構成する塩素分を、塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)がガス化し、かつ分解し、その後、水と反応させて塩酸等に変えて、混合液中に回収するからであると考えられる。故に、処理後の固形、又は液状の処理後物を燃焼しても、塩素ガスの発生が少ないのである。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構成したので、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wに浸透させて、合成樹脂分を溶解収縮させることができ、これにより、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wの体積を減少させて、固形燃料に変えることができ、後はバーナーや焼却炉において、燃焼させることができる。また、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物を本発明の処理方法により処理することにより、塩素分を、約100分の一程度まで減少させることが出来るのであるこれにより、処理後の固形物を焼却しても、塩素ガスが発生することがなく、公害の発生源となることが無くなったのである。
【0040】
請求項2の如く、混合液の加熱温度を50〜150℃(好ましくは90°C)の範囲としたので、低温度で塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)を発生させることができ、処理の熱コストを低くすることができ、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを高温で焙焼せずに処理することが可能となったのである。
【0041】
請求項3の如く、メチレンクロライド溶液と水の重量比率を、略1対1としたので、最適状態の塩素イオン(Cl- )やメチレン遊離基(−CH2 −)を発生させることができるのである。
【0042】
請求項4の如く、界面活性剤を付加することにより、メチレンクロライドの蒸気化が爆発的に進行することとなり、低温で強力な酸化力を得ること出来るのである。また、分解・溶解した合成樹脂分が溶融する作業を、界面活性剤により促進することが出来るので、処理タンクT内での処理時間を円滑に行うことが出来るのである。
【0043】
請求項5の如く、メチレンクロライドと水と界面活性剤の重量比率を5対4.5対0.5としたことにより、塩素分の除去効率を最良にすることが出来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の基本構成図面。
【図2】 ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開閉により示した図面。
【図3】 処理タンクTと蓋体22と処理物載置台26の部分の側面図。
【図4】 処理物載置台26の上にポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを載置して、処理タンクT内に封入する状態の側面図。
【図5】 同じく図4の正面断面図。
【図6】 処理タンクT内で処理後のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを取り出す状態の側面図。
【図7】 図6の正面断面図。
【図8】 本発明により処理する前の塩素分の含有状態と、処理後における塩素分の含有状態を示す図面。
【符号の説明】
Me メチレンクロライド溶液
C コンプレッサ
B ボイラー
T 処理タンク
P 真空ポンプ
W ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物
Wa 水
S 界面活性剤液
14 混合液タンク
15 チラー
16 コンデンサ
18 冷却水タンク
21 コンデンサパイプ
22 蓋体
26 処理物載置台
Claims (5)
- メチレンクロライド溶液と水を混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を発生させ、該混合蒸気をポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填し、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させることを特徴とするポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法。
- 請求項1記載のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法において、該混合液の加熱温度を50〜150℃の範囲としたことを特徴とするポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法。
- 請求項1記載のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法において、メチレンクロライド溶液と水の重量比率を、略1対1としたことを特徴とするポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法。
- メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液を混合して混合液とし、該混合液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を発生させ、該混合蒸気を該ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを封入した処理タンク内に充填して浸透させ、ポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物Wを溶融・収縮させることを特徴とするポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法。
- 請求項4記載のポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法において、メチレンクロライド溶液と水と界面活性剤液の重量比率を、略5対4.5対0.5としたことを特徴とするポリ塩化ビニール等の塩素系の合成樹脂の廃棄物の処理方法。
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JPH08337677A JPH08337677A (ja) | 1996-12-24 |
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1995
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JPH08337677A (ja) | 1996-12-24 |
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