JP3725863B2 - Buildings for mixed use - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数階を有する住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
高層の集合住宅などに適用される耐震構造の建物として、例えば特公昭59−14142号公報に開示されたものが知られている。該公報に開示された高層建物では、建物の長手方向(桁行方向)において、主柱の間に中間柱を設けて短スパンのラーメン構造を構成し、建物の短手方向(はり間方向)においては、連層耐震壁構造を構成している。このような構造を備えた建物を、図26,27に示す。
【0003】
図26は上記建物の構造を示す平面図、図27は上記建物の構造を示す正面図(桁行方向)である。
図において、符号Aは所要の間隔をおいて基礎H上に立設する主柱、Bは主柱の間に設けられた中間柱、Cは主柱によって囲まれる住戸空間、Dは住戸空間の一側に設けられる共用廊下、Eは住戸空間の他側に設けられるバルコニーである。片側廊下方式のこの建物は、住戸空間Cの連設された方向となる桁行方向(長手方向)には、住戸空間Cと共用廊下DもしくはバルコニーEとの境界面に、主柱Aと中間柱Bとによって短スパンのラーメン構造が互いに対向するように配置されている。図において、符号GはA主柱と中間柱Bとを連結する梁である。
また、桁行方向に直交するはり間方向には、各住戸の戸境壁である耐震壁Fが主柱Aの間に設けられることによって、上階から最下階まで鉄筋コンクリート造の耐震壁Fが連層配置された建物を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような建物は、最上階から最下階の全階にわたり、中間柱Bが立設され、また耐震壁Fが連層配置された構造であることから、例えば1階に大スパンの開放的な室内空間を設けようとしても、耐震壁Fあるいは中間柱Bが立設されているため、開放された空間を得ることができない。
このように、上記従来の建物では、住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される建築物を構築するのは困難であり、建築設計上の制約があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮してなされたもので、その目的は、複数階を有する住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される建築物に適用される耐震骨組構造を構成し、経済性を損なうことなく、水平耐力や水平剛性あるいは靭性等の構造的特性に富み、建築設計の融通性を大幅に向上させることのできる耐震骨組構造を備えた建築物を提供することにある。
【0006】
本発明は、複数階を有する住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される建築物であって、
複数階を有する上部骨組部の下階に、1以上の階を有する支持骨組部を接合し、支持骨組部の下階に、1以上の階を有する下部骨組部を接合して耐震骨組構造を構成し、
上部骨組部は、上部柱と、上部柱の間に設けた中間柱と、これらを横方向に連結する上部梁と、を備えたラーメン構造をなし、
支持骨組部は、上部柱に接合された支持柱と、その支持柱を横方向に連結する伝達梁手段とを備えたラーメン構造をなし、
中間柱の最下階の柱脚部は、伝達梁手段のスパン中間部から立設され、
住戸階を上部骨組部で構成し、住戸階の下階に配設した設備階を支持骨組部で構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部で構成し、
支持骨組部の支持柱は、基礎上に立設された、下部骨組部の下部柱に接合され、上部柱、支持柱、下部柱の各柱は縦方向に通し柱状に立設された柱部材を形成しており、
設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、
住戸階の設備用の縦配管類を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして非住戸階の室内空間又は建物の外部に導いた、
ことを特徴とする複合用途に供される建築物である。
【0007】
本発明において、伝達梁手段は、スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変断面の梁として構成され、スパン端部で、支持柱と一体化して剛接合部を形成しているものとすることができる。
また、本発明において、伝達梁手段は、ほぼ階高に相当する梁成を有する壁体として形成され、壁体の下辺と、下階の梁との間に横スリットを形成し、該横スリットと連続して、支持柱と壁体との境界面で壁体の上方に向かって所定の長さだけ縦スリットを形成し、スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変断面の壁梁として構成され、スパン端部で、支持柱に一体化して剛接合部を形成しているものとすることができる。
伝達梁手段は、スパン方向の上辺を直線状に形成するとともに、スパン方向の下辺のスパン端部に、逆垂直ハンチを設けることによって、スパン端部の梁成をスパン中間部の梁成より小さくしたものや、スパン端部の下辺に段差を設けることによって逆ドロップハンチを形成し、スパン端部の梁成をスパン中間部の梁成より小さくしたものとすることもできる。また、伝達梁手段は、鉄骨造のトラス構造を備えたものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の構成要素である伝達梁手段の特徴について、この伝達梁手段を用いた建物を示して説明して明らかにする。なお、各図において同じ要素には同じ符号を用いる。
【0009】
図1〜4は、伝達梁手段を用いた建物を示すもので、図1は桁行方向である正面図、図2は、はり間方向である側面図、図3は2階以上の階の平面図、図4は1階の平面図である。なお、図1においては、便宜上、桁行方向の半分のみ(図3に示す桁行方向(図3のY2通)の左半分(X1〜X4まで)の範囲)を示す。
【0010】
図1, 2に示すとおり、建物は建物本体1とこれを支持する基礎構造部6とからなり、建物本体1は、複数階を有する上部骨組部3と、上部骨組部3の下階に接合した支持骨組部4とからなる。
2階から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。住戸階とは、複数の住戸が集合して配置された階をいう。1階が事務所、店舗などの非住戸階に割り当てられ、支持骨組部4を構成している。1階は、はり間方向において片側に張り出しており、2階以上がセットバックされた形態をなしている。
基礎構造部6は所定の間隔をおいて構築された、相対向する複数の基礎62と、その基礎62を支持するために地盤中に打設する複数の杭63と、基礎62を水平に連結する基礎梁61とからなる。
【0011】
2階から最上階までの各階の平面形状は、図3に示すとおり、はり間方向に狭く桁行方向に細長い板状をなし、その全体平面形状は矩形状(直線状)に形成されている。基準階の平面形式は片廊下方式が用いられ、1つの共用廊下Dに接して複数の住戸空間Cを連設し、各住戸にバルコニーEを付設している。
【0012】
建物の桁行方向において、上部骨組部3は、上部柱11Aと、上部柱11A,11Aの間に設けた中間柱32とを有し、上部柱11Aと中間柱32とが、上部梁31によって連結され、ラーメン構造を構成している(図1,3参照)。上部柱11Aは、その直下の支持柱11Bに接合され、縦方向(階数方向)に通し柱状に立設された柱部材を形成している。下部柱11Bの最下階は基礎62から立設しているので、柱軸力を基礎で支持することができる。中間柱32の最下階の柱脚部は、後述する伝達梁手段2のスパン中間部から立設されており、管柱(くだばしら)状をなす。上部骨組部3の桁行方向のスパン数は、本実施例では、12スパンであるが、適宜設定し得るのは勿論である。
なお、「スパン」とは対向配置される2本の柱間に成立する1単位である。また、スパン長さとは柱間の直線状の距離を意味する。
また、各図において、符号X1,X2,X3,・・・は基礎に立設する柱の中心(通り符号)、符号Sはこの柱間のスパン長さ、符号X1A,X2A,X3A,・・・は中間柱32の中心(通り符号)、符号S11,S12は中間柱32によって形成されるスパン長さである。
【0013】
建物の桁行方向において、支持骨組部4は、上部柱11Aの下に位置する支持柱11Bと、その支持柱11B,11Bを横方向に連結する伝達梁手段2とを有し、上部骨組部3と同様にラーメン構造を構成している(図1,4参照)。しかし、上部骨組部3の中間柱32の最下階の柱脚部は、伝達梁手段2のスパン中間部から立設されており、支持骨組部3に中間柱は立設されていないので、支持骨組部3の桁行方向のスパン数は、6スパンである。すなわち、上部骨組部3は短スパン(小さなスパン長さ)で構成されたラーメン構造、支持骨組部3は大スパン(上部骨組部3の2スパンに相当する長さ)で構成されたラーメン構造となる。
【0014】
建物のはり間方向において、上部骨組部3は、上部柱11Aと、上部柱11A,11Aの間に設けた中間柱32とを有し、上部柱11Aと中間柱32とが、上部梁31によって連結されている(図2,3参照)。上部柱11Aは、その直下の支持柱11Bに接合されている。中間柱32の最下階の柱脚部は、後述する伝達梁手段2のスパン中間部から立設されている。本実施例では、上部骨組部3のはり間方向のスパン数は、2スパン(L11,L12)である。
図2において、符号Y1,Y2,Y3,・・・は基礎に立設する柱の中心(通り符号)、符号Lはこの柱間のスパン長さ、符号Y2Aは中間柱32の中心(通り符号)、符号L11,L12は中間柱32によって形成されるスパン長さである。
【0015】
建物のはり間方向において、支持骨組部4は、上部柱11Aの下に位置する支持柱11Bと、その支持柱11B,11Bを横方向に連結する伝達梁手段2とを有し、上部骨組部3と同様にラーメン構造を構成している(図2,4参照)。しかし、上部骨組部3の中間柱32の最下階の柱脚部は、伝達梁手段2のスパン中間部から立設されており、支持骨組部3に中間柱は立設されていない。すなわち、上部骨組部3は短スパンで構成されたラーメン構造、支持骨組部3は大スパン(上部骨組部3の2スパンに相当する長さ)で構成されたラーメン構造となる。なお、支持骨組部4を形成する1階には、はり間方向において片側に張り出したラーメン構造部7を設けている。ラーメン構造部7は、柱11B,11Bとこれらの柱を連結する梁41によってラーメン構造を構成している。支持骨組部4とラーメン構造部7との境に中間柱32が立設されていないので、店舗等の非居住階として用いるのに好適な、より開放的な大きな空間が形成される。
【0016】
そして、建物の桁行方向及びはり間方向において、支持骨組部4における支持柱11B,11Bを横方向に連結する伝達梁手段2は、スパン端部の梁成(図5のDe)が、スパン中間部の梁成(図5のDc)より小さい変断面の梁として構成され、スパン端部で、支持柱11Bと一体化して剛接合部を形成している。この伝達梁手段2の機能作用、具体的態様等は、後述する。
【0017】
また、骨組の終局耐力時に、伝達梁手段2と支持柱11Bとの剛接合部近傍の位置に、伝達梁手段2の断面降伏耐力を支持柱11Bの断面降伏耐力よりも小さくすることによって梁降伏型の降伏ヒンジを形成するものとすることができる。
【0018】
また、支持骨組部4の階全体の水平剛性を、上部骨組部2の階全体の水平剛性よりも小さくすることによって、支持骨組部4は地震時に制振的性能を有するものとすることができる。
【0019】
上記の、伝達梁手段を用いた建物について、その構造的特徴を詳説する。
(1)上記の耐震骨組構造は、複数階を有する上部骨組部の下階に、1以上の階を有する支持骨組部を同一架構面内で接合した複合骨組である。上部骨組部は、中間柱を配設することによって、上部梁の内法スパン長さが短くなる、短スパンのラーメン構造を構成する。一方、支持骨組部は、相対向する支持柱と、その支持柱を横方向に連結する、伝達梁手段を備えたラーメン構造に構成されており、大スパン(例えば、図1に示すように、S11+S12からなる長いスパン長さS)のラーメン構造を構成する。
したがって、上部骨組部に、集合住宅である住戸階に好適な構造型式(短スパンのラーメン構造)を採用し、支持骨組部に、設備階、事務所、店舗などの非住戸階に好適な構造型式(大スパンのラーメン構造)を採用して建物を構築することができる。非住戸階は、大スパンの純ラーメン構造を構成することができるので、柱の設置本数が少なく広々とした室内空間を形成することができる。純ラーメン構造とは、線材である柱、梁から成り、壁ブレース、耐震壁、制振壁などの面材的耐震構造部材が配設されていない骨組をいう。勿論、支持骨組部を、耐震壁などを配置したラーメン構造とすることもできる。
なお、骨組とは、上部柱、梁、中間柱等の線材、並びに耐震壁、壁ブレース、制振壁等の面部材を適宜組み合わせた架構をいう。
【0020】
(2)伝達梁手段によって、中間柱の鉛直力の基礎への伝達経路を、骨組の弾性域から終局耐力時に至るまで確保するものである。
伝達梁手段は、相対向する支持柱を横方向(スパン方向)に連結した、梁機能を有する横架材である。
図5に示すように、上部骨組部3において、各階の上部梁31に加わる床等の鉛直荷重の基礎への伝達経路は、当該階の上部梁31を介して両端部の上部柱11Aに各階毎にせん断力(Q)として伝達する経路と、当該階の上部梁31に接合する下階の中間柱32に柱軸力(N)として累積的に伝達し、最下階の梁、すなわち伝達梁手段2によってスパン両端部の支持柱11Bに柱軸力として伝達する経路とが生成される。支持柱11Bに柱軸力として伝達した鉛直荷重は最終的に基礎62で支持される。
この2つの経路の内、中間柱32の柱軸力(鉛直力)が伝達梁手段2を介して支持柱11Bに伝達する経路が支配的である。住戸階の階数が多くなると、中間柱32から伝達梁手段2に加わる鉛直力も増大する。中間柱32の最下階は、下部骨組部4の伝達梁手段2のスパン中間部から管柱状に立設されているので、伝達梁手段2は、常時、地震時にわたって、大きな鉛直力を受ける。この鉛直力を支持するために、伝達梁手段2は強固な断面性能(曲げ剛性、せん断剛性、断面耐力)を有するよう、比較的大きな梁成の断面形状とする。
【0021】
伝達梁手段2に、常時、地震時にわたって、中間柱32からの鉛直力を支持し得る断面性能(曲げ剛性、せん断剛性、断面耐力)を設定することによって、上部骨組部3を支持し、上部骨組部3においては、中間柱32を配置した短スパンのラーメン構造の優れた耐震性能その他の利点が最大限に活用される。
そして、伝達梁手段2によって、中間柱32の鉛直力の基礎への伝達経路を、骨組の弾性域から終局耐力時に至るまで確保し、もって耐震骨組構造の構造的安定性を確保することができる。
【0022】
(3)伝達梁手段は、スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成(断面高さ)より小さい変断面の梁として構成され、スパン端部で、支持柱と一体化して剛接合部を形成しているものとすることができる。
剛接合部とは、接合された梁と柱との相互の部材軸線の角度(変形後の各部材の節点における接線相互のなす角度)が外力を受けても変化しないようにした接合をいい、ラーメン構造の接合部は剛接合である。剛接合部では、曲げモーメント、せん断力、軸力を伝達することができる。ただし、本発明では、剛接合部に、角度が同一な完全な剛接合部の他に、例えば柱と梁の接合部の構成部材が降伏して角度が変化する不完全な剛接合部をも含むものとする。
【0023】
さて、図6〜7に明らかなとおり、伝達梁手段2はスパン端部の梁成(De)の中心を通る横方向(スパン方向)の材軸線により一本の線材に置換され、この線材の両端部は支持柱11Aに剛接合で接続されている。
伝達梁手段2は、常時 (長期) にはスパン中間部に大きな鉛直力を受け、地震時には両端部に逆対称の曲げモーメントを受ける。
伝達梁手段2は、スパン中間部の鉛直力に対しては、スパン中間部の梁成(Dc)が有効な変断面の梁として機能し(図6)、地震時の水平力には、スパン端部の梁成(De)がスパン全域にわたって有効な等断面の梁として機能する(図7)。地震時には、スパン中間部の梁成の下方の部分(Dc−De)は、部材の曲げ剛性、断面耐力上は、有効的ではない。
変断面とは、部材断面の形状、寸法が、部材の長さ方向(材軸線方向)に沿って変化している構造部材をいう。等断面とは、部材断面の形状、寸法が、部材の長さ方向の全域にわたって同じ大きさの構造部材をいう。
【0024】
図8に示すとおり、スパン中間部(梁中央部)の曲げモーメントgMcは、スパン端部の曲げモーメントgM1,gM2に比べて大きい。しかし、上記のように、伝達梁手段2は、スパン中間部の梁成(De)が大きいので、常時、地震時にわたって、中間柱の鉛直力によって生じる断面応力に対して充分な断面耐力(曲げ耐力、せん断耐力)、断面剛性を具備し、スパン中間部の過大な鉛直変形を生じることがない。
また、伝達梁手段2は、スパン端部の梁成がスパン中間部の梁成に比べて小さいため、図8に示すとおり、伝達梁手段2のスパン端部と支持柱11Bとの固定度(曲げモーメントの伝達固定度)が低減するので、常時鉛直力(N2)、地震力によって伝達梁手段2から支持柱11Aに伝わる、曲げモーメントは小さくなる。したがって、支持柱11Bの常時、地震時の断面設計応力(曲げモーメント、せん断力)が小さくなるので、支持柱11Bの部材断面を小さくすることができる。
【0025】
(4)骨組の終局耐力時に、伝達梁手段2と支持柱11Bとの剛接合部近傍の位置に、伝達梁手段2の断面降伏耐力を支持柱11Bの断面降伏耐力よりも小さくすることによって梁降伏型の降伏ヒンジを形成することができる。
ここで、骨組の終局耐力とは、これ以上の水平力を受けると骨組が崩壊する最大限の水平耐力で、保有水平耐力ともいう。
【0026】
骨組の崩壊形式(メカニズム)について図9を参照して説明する。
耐震骨組構造の耐震性能を評価する手段として、骨組の終局耐力時の崩壊形式があり、ラーメン構造では、中間階で梁降伏型、最下階で柱降伏型が望ましいとされている。梁降伏型は、柱降伏型よりも、断面降伏後の変形能力が高い靭性に優れた降伏ヒンジを形成、維持することができる。柱降伏型では、柱の柱脚部、柱頭部の双方に降伏ヒンジが形成され易く、柱断面の圧縮破壊を起こすことによって、柱軸力機能を喪失し、床構造の鉛直荷重を支持することができないおそれれがある。
降伏ヒンジとは、骨組を構成する構造部材(柱、梁など)の一部が、地震力による曲げモーメントによって全断面降伏し、回転変形が可能になるとき、構造力学上、その点に構成されたと考えられるピンのことをいう。
【0027】
したがって、上部骨組部3において、スパン両端部の上部柱11Aと上部梁31梁との接合部では、中間階で梁降伏型になるように設計する。
ところが、中間柱32を伝達梁手段2のスパン中間部に立設させている特徴から、中間柱接合部(上部梁31と中間柱32との接合部)では、最下階のみならず中間階でも中間柱32の柱降伏型が望ましい。
骨組の終局耐力時において、中間柱接合部近傍の位置に、中間柱32の断面降伏耐力を上部梁31の断面降伏耐力よりも小さくするように設計することによって柱降伏型の降伏ヒンジを形成する。
この場合、中間柱32は、各階の柱頭部、柱脚部に降伏ヒンジが形成され、降伏後に一定の降伏曲げモーメントを保持した仮想の両端ピン部材となり、制振部材として機能する。
したがって、上部梁31はスパン中間部で梁降伏型の降伏ヒンジが形成されないので安定した骨組となる。
支持骨組部4では、伝達梁手段2に、常時、地震時にわたって、中間柱32からの鉛直力を支持し得る断面性能(断面耐力)を設定することによって、最下階の中間柱32の柱脚部では、柱降伏型の降伏ヒンジを必ず形成する。
伝達梁手段2のスパン端部の梁成をスパン中間部の梁成より小さい変断面の梁として構成しているので、伝達梁手段2の断面降伏耐力を支持柱11Bの断面降伏耐力よりも小さくすることが容易できる。支持骨組部4では、伝達梁手段2と支持柱11Bとの剛接合部で、梁降伏型の降伏ヒンジが形成された安定した骨組となる。
したがって、上部骨組部の下階に、支持骨組部を同一架構面内で接合した複合骨組である耐震骨組構造体は、弾性域から終局耐力時に至るまで優れた耐震性を確保することができる。
【0028】
(5)また、支持骨組部4の階全体の水平剛性を、上部骨組部3の階全体の水平剛性よりも小さくすることによって、支持骨組部4は地震時に制振的性能を有するものとすることができる。
すなわち、上部骨組部3は、中間柱32を有し短スパンのラーメン構造に構成されているので、階全体の水平剛性は比較的高くなる。一方、支持骨組部4のスパン長さ(S)は上部骨組部のスパン長さ(S11,S12)より長い(大スパン)ので、支持骨組部4は、支持柱11Bの断面(図5〜9の柱成Bc) 、伝達梁手段2のスパン端部の梁成(図5〜9のDc)を小さく抑えること等により、水平剛性の低い、靭性に富むラーメン構造を構成する。
支持骨組部4が、地震時に、上部骨組部3に対して靭性に富んだ制振的性能を発揮することにより、上部骨組部3の最大水平変形、最大加速度を抑えることができる。
【0029】
動的解析方法によれば、耐震骨組構造の振動的構造性能を検証することができる。
動的解析方法の一例として、各階を重量、水平剛性を有する「くし団子型」の質点に置換する方法がある。この質点系モデルの基礎部(最下階の固定点)に所定の地震波を入力させて、各階の応答値(せん断力、加速度など)を計算する。耐震骨組構造体は、固有周期が長い程(長周期)、各階の応答値が小さくなることは理論的に認められている。
骨組が全体として同一の固有周期であれば、基礎部の応答値(せん断力、転倒モーメントなど)は略同一になることが多い。さらに、骨組が全体として同一の固有周期であっても、階数方向の水平剛性の分布を変えると、各階の固有振動形は変化し、各階の応答値(せん断力、加速度など)は変化することがある。
【0030】
上記建物は、骨組全体としての固有周期を長周期化することと、支持骨組部の制振的性能によって、下記の効果を奏する。
第一に、上部骨組部の水平変位(基礎の固定点からの相対水平変位)が上階ほど「急増する現象」は抑制される。図10に示すように、地震時に、支持骨組部4の水平変形(2階のH2)を大きくし、上部骨組部3の最上階の水平変形(13階のH13)を小さくすることにより、建物の最上階近傍であっても加速度を減少させることができるので、建物の全階にわたって、什器の転倒、損傷のおそれは格段に低くなる。
第二に、上部骨組部3の各階の応答値は小さくなる。応答値は、速度、加速度、せん断力、転倒モーメントなどがある。各階の加速度が減少すれば、建物の室内に配設されている家具、備品などの什器の転倒、損傷のおそれが低くなり、居住者に生じる不快な人体感覚は緩和される。
第三に、基礎部の応答値(せん断力、転倒モーメント)は低減され、建物を転倒させようとする曲げモーメントによって、基礎、杭に生じる鉛直力(引抜力又は圧縮力)は小さくなる。杭、基礎の構造は簡易化し、建物の高層化が促進される。
【0031】
〔伝達梁手段の態様〕
次に、伝達梁手段2の具体的態様について、図11〜19を参照して説明する。各図において、いずれも、スパン端部の梁成Deは、スパン中間部の梁成Dcより小さい変断面の梁ないし壁梁として構成され、スパン端部で、支持柱11Bと一体化して剛接合部を形成しているものである。また、スパン方向の上辺はいずれも直線状に形成されている。
【0032】
図11は、伝達梁手段2を例示するもので、(a)は正面図、(b)は(a)図のb−b線断面図、(c)は(a)図のc−c線断面図である。伝達梁手段2は、鉄骨造のプレートガーダー(溶接H形鋼)で構成された梁部材21である。プレートガーダーとは、鋼製プレートを組み合わせた鉄骨造の組立梁で、例えばH形断面(I形断面)を形成したものがある。H形鋼は鉛直方向のウェブとその上下に水平方向に設けられたフランジとを有してなる。フランジは、主として曲げ耐力を受け持ち、ウェブは、せん断耐力を受け持つ。
この例では、梁部材21は、スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t1だけ連続した後、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている。継手部は、梁成Deを保った所定距離t1の間に、H形鋼同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
なお、逆垂直ハンチとは、伝達梁手段のスパン端部の曲げ剛性、曲げ耐力を減少させるために、スパン端部の梁成を勾配(傾斜)を採ってスパン中間部の梁成より小さくしたものをいう。通常の垂直ハンチは、スパン端部の梁成はスパン中間部の梁成より大きくなっている。逆垂直ハンチの「逆」とは、通常の垂直ハンチとは、勾配が逆方向であることを意味する。
【0033】
図12に示す伝達梁手段2は、プレートガーダー(溶接H形鋼)で構成された梁部材21であるが、図11に示したものと異なり、梁部材21は、スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deから徐々に梁成が大きくなるように、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている。継手部は、逆垂直ハンチ(斜辺部22)の間に、H形鋼同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。図11及び12の例は、請求項3の発明に相当する形態である。
【0034】
図13に示す伝達梁手段2は、プレートガーダー(溶接H形鋼あるいは組立H形鋼)で構成された梁部材21であるが、スパン中間部は、H形鋼を上下2段に連結したような形態で梁成Dcを形成している。すなわち、鉛直方向のウェブとその上下に水平方向に設けられたフランジとを有し、かつ梁成方向の略中央部にも、水平に張り出したリブが形成されている。
スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t2だけ連続した後、略垂直の段差23を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている。スパン中間部の梁成Dcからスパン端部の梁成Deへと勾配をとらずに段差を設けて減少させた逆ドロップハンチ(段差付きハンチ)である。梁成Deを保つ所定距離t2及び段差23とによって、スパン端部の下辺に矩形状の凹部24を設けたものであり、請求項4の発明に相当する形態である。継手部は、梁成Deを保つ所定距離t2の間に、H形鋼同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0035】
図14に示す伝達梁手段2は、プレートガーダー(溶接H形鋼あるいは組立H形鋼)で構成された梁部材21である。梁成Dcを有するスパン中間部のH形鋼と、梁成Deを有するスパン端部のH形鋼とを結合したような形態をなしている。スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t3だけ連続した後、略垂直の段差23を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている。梁成Deを保つ所定距離t3及び段差23によって、スパン端部の下辺に矩形状の凹部24を設けたものであり、請求項4の発明に相当する形態である。継手部は、梁成Deを保つ所定距離t3よりスパン内側である梁成Dcを有する位置に、プレートガーダー同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0036】
図15に示す伝達梁手段2は、その基本的正面形状は、図11に示したものと同じく、スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t1だけ連続した後、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成した梁部材21であるが、その構造を鉄骨鉄筋コンクリート造としたものである。主筋及びあばら筋を設け、コンクリートで被覆するので、強度がより向上し、部材断面を小さくすることによって、より広い空間を確保することができる。鉄筋コンクリート造でもよい。
【0037】
図16に示す伝達梁手段2は、その基本的正面形状(輪郭)は、図12に示したものと同じく、スパン端部において、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成した梁部材21であるが、その構造は、トラス構造を有する鉄骨造である。梁成Dcを有するスパン中間部は、平行弦トラス構造をなし、上弦材、下弦材、斜材、束材により構成されている。上弦材、下弦材、斜材、束材の各部材を適宜選定し、軽量で、梁成(トラス成,Dc)の大きなトラス構造を構成することができる。スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deから徐々に梁成が大きくなるように、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている。斜辺部22と上弦材との間には、端部補強プレート25が設けられている。
【0038】
図17に示す伝達梁手段2は、その基本的正面形状(輪郭)は、図14に示したものと同じく、スパン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t3だけ連続した後、略垂直の段差23を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いている梁部材21であるが、その構造は、H形鋼とトラスを組み合わせた複合構造である。上弦材としてH形鋼を用いるとともに、その下に下弦材、束材、斜材で構成されるトラス構造を設けた、平行弦トラス構造をなし、この平行弦トラス構造によってスパン中間部が構成されている。スパン端部では、上弦材であるH形鋼のみが、支持柱11Bと剛接合部を形成する。下弦材、斜材、束材の各部材は適宜選定し得る。この例は、梁成の大きい剛強な梁を形成することができるので、伝達梁手段2が支持し得る中間柱32の鉛直力が大きくなり、上部骨組部3の階数が多い場合に好適である。
【0039】
図18に示す伝達梁手段2は、ほぼ階高(H)に匹敵する梁成Dcを有する壁体26として形成され、壁体26の下辺と、下階の梁との間に横スリット26Aを形成し、該横スリット26Aと連続して、支持柱11Aと壁体26との境界面で壁体26の上方に向かって所定の長さだけ縦スリット26Bを形成し、スパン端部の梁成Deが、スパン中間部の梁成Dcより小さい変断面の壁梁として構成され、スパン端部で、支持柱11Bに一体化して剛接合部を形成している例を示す。請求項6の発明に相当する形態である。壁体26は、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造により構成し得る。この例は、梁成の大きいものであるから、伝達梁手段2が支持し得る中間柱32の鉛直力が大きくなり、上部骨組部3の階数が多い場合に好適である。
壁体26に横スリット26A及び縦スリット26Bを形成することによって、本来、水平剛性、水平耐力が極めて高い面的構造部材である壁体が、変断面を有する、1本の線材として置換することができる壁梁に変化されている。縦スリット26Bを形成する範囲(H−De)で柱11Bに可撓部が形成され、変断面の壁梁として形成された壁体26とによって、全体として一種のラーメン骨組に構造力学的機構が変化している。外形上は面的構造部材である壁体26が、実質上は、線材からなるラーメン骨組に変化しているのである。この壁体26を伝達梁手段2とすることにより、中間柱32からの鉛直力を支持し得る断面性能(曲げ剛性、せん断剛性、断面耐力)を設定することが容易となる。そして、支持骨組部の水平剛性は、壁体26の縦スリット26Bの縦長さを調整することによって自由に調整することができるので、水平剛性の低下の調整が容易である。
【0040】
図19に示す伝達梁手段2は、図18の伝達梁手段2を、鉄骨造に変形した例を示す。H形鋼をスパン全域に横方向に架設し、スパン中間部ではH形鋼の下方に、たれ壁状の鉄板壁を一体的に付設したものである。スパン中間部は、ほぼ階高に匹敵する梁成Dcを有するように構成された梁部材21である。この例も、梁成の大きいものであるから、伝達梁手段2が支持し得る中間柱32の鉛直力が大きくなり、上部骨組部3の階数が多い場合に好適である。継手部は、梁成Deを保つ所定距離t2の間に、H形鋼同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0041】
以上説明したように、伝達梁手段2は、常時の鉛直力支持性能と、地震力に対する耐震性能を具備するものであればよく、その構造形式は、梁構造部材、トラス構造、壁梁としての壁体などを使用することができる。また、構造種別は、鉄骨造するのが一般的であるが、これに限定されず、鉄骨コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、プレストレスト鉄筋コンクリート造でもよい。
【0042】
以下、本発明に係る建築物の実施例について説明する。
<実施例1>
図20は、本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
この建物では、支持骨組部4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合している。
支持骨組部4は、その上階の上部骨組部3を支持するとともに、上部骨組部3の鉛直荷重を下部骨組部5に適切に伝達する。上部骨組部3の中間柱32に生じる柱軸力(鉛直力)は、支持骨組部4の伝達梁手段2を介して支持柱11Bに伝達し、支持柱11Bからその下に位置する下部骨組部5の下部柱11Cを通って基礎62へと伝達する。したがって、下部骨組部5は中間柱32による影響を受けないので、任意の形状のラーメン構造を構成することができる。また、支持骨組部4と下部骨組部5とが合わさって、上部骨組部3に対して靭性に富んだ制振的性能を発揮する。
図示の例では、5階から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。4階が支持骨組部4、1階〜3階が下部骨組部5を構成し、それぞれ事務所、店舗などの非住戸階に割り当てられている。
【0043】
支持骨組部4の支持柱11Bは、基礎62上に立設された、下部骨組部5の下部柱11Cに接合され、各柱11A,11B,11Cは縦方向(階数方向)に通し柱状に立設された柱部材を形成している。支持骨組部4において、伝達梁手段2は、図16に示した形態のトラス構造を有する鉄骨造の梁部材21を用いている。
下部骨組部5は、各スパンとも、下部柱11Cと、下部柱11Cを連結する梁51とにより、ラーメン構造を構成している。
また、後述する実施例2と同様に、支持骨組部4を設備階として構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内空間又は建物の外部に導くように構成する。
【0044】
<実施例2>
図21は、本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
図20に示したものと同じく、支持骨組部4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合している。請求項9,10の発明に相当する形態である。
【0045】
支持骨組部4の支持柱11Bは、基礎62上に立設された、下部骨組部5の下部柱11Cに接合され、各柱11A,11B,11Cは縦方向(階数方向)に通し柱状に立設された柱部材を形成している。支持骨組部4において、伝達梁手段2は、図18に示した形態の、横スリット及び縦スリットを形成した壁体26により構成されている。
下部骨組部5は、各スパンとも、下部柱11Cと、下部柱11Cを連結する梁51とにより、ラーメン構造を構成している。
【0046】
この建物では、5階から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。4階が支持骨組部4、1階〜3階が下部骨組部5を構成する。
また、支持骨組部4を設備階として構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内空間又は建物の外部に導くように構成している。
耐火構造とは、建築物の部位別、階別に耐火性能を定め、その性能を有する構造として建設大臣が指定したものをいう。例えば、鉄筋コンクリート構造のスラブ(床構造体)は、耐火構造である。
設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体(床スラブ)で遮断することによって、階数方向の延焼が防止され、防災性能が高まるものとなる。
【0047】
<実施例3>
図23は、本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
支持骨組部4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合している。この建物では、4階〜最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。2〜3階が支持骨組部4、地階〜1階が下部骨組部5を構成する。
支持骨組部4の支持柱11Bは、基礎62上に立設された、下部骨組部5の下部柱11Cに接合され、縦方向(階数方向)に通し柱状に立設された柱部材を形成している。下部骨組部5は、各スパンとも、下部柱11Cと、下部柱11Cを連結する梁51とにより、ラーメン構造を構成している。下部骨組部5の一部は地下階を構成している。地下階は、左右に1スパンずつ拡張されている。支持骨組部4において、伝達梁手段2は、図11に示した形態の梁部材21を用いている。
【0048】
また、支持骨組部4は、伝達梁手段2を設けた複数階(この建物では2階分)を有している。さらに、支持骨組部4における上の階では、伝達梁手段2(21)の下辺中央部と、その下の階の伝達梁手段2の上辺中央部とを連結する補助柱42を付加している。補助柱42は、上階の中間柱32と同一位置に立設されているので、中間柱32の鉛直力(柱軸力)は、2階分の伝達梁手段によって支持される。これにより、上部骨組部の階数をさらに増やすこと(高層化)に対応し得る。
また、前記した実施例2と同様に、支持骨組部4を設備階として構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内空間又は建物の外部に導くように構成する。
【0049】
<実施例4>
図24は、本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
支持骨組部4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合している。この建物では、左及び中央のスパン(X1〜X3)では4階〜最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成し、右のスパン(X3〜X4)では、左及び中央のスパンにおける5階位置から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。すわなち、右のスパンでは、左及び中央のスパンにおける伝達梁手段2が、階数方向に(1階分上に)スキップ配置されており、右のスパンでは、支持骨組部4の階高が、左及び中央のスパンにおける階高より1階分大きく、より広い空間が確保されている。
地階〜2階の下部骨組部5の構成は、図23と同様である。
【0050】
また、最上階の屋根に頂部梁手段(頂部懸垂梁手段)15を設けている。この頂部梁手段15は、トラス構造体により構成し得る。中間柱32は、頂部梁手段15と伝達梁手段2の両方に支持されるので、伝達梁手段2に加わる鉛直力が緩和される。
また、前記した実施例2と同様に、支持骨組部4を設備階として構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内空間又は建物の外部に導くように構成する。
【0051】
<実施例5>
図25は、本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
支持骨組部4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合している。5階から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。4階が支持骨組部4、1階〜3階が下部骨組部5を構成する。
【0052】
この建物では、左のスパン(X1〜X2)では、下部骨組部5は、ラーメン構造に耐震壁53を組みこんだ耐震壁構造を構成している。中央のスパン(X2〜X3)では、下部骨組部5は、梁51を設けてラーメン構造を構成しており、また、上部骨組部3には、上部柱11A間において2本の中間柱32,32が伝達梁手段2から立設されている。このように、1スパンの伝達梁手段2に複数本の中間柱32を立設させてもよい。右のスパン(X3〜X4)では、上部骨組部3には、中間柱11Bが設けられておらず、また、下部骨組部5は、ラーメン構造に耐震壁53を組みこんだ耐震壁構造を構成している。
下部骨組部5(1階〜3階)は、左右に1スパンずつ付加されたラーメン構造部7を有する。
また、前記した実施例2と同様に、支持骨組部4を設備階として構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内空間又は建物の外部に導くように構成する。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜、付加、変形等なし得るものである。
本発明を集合住宅の桁行方向の構造物に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集合住宅の桁行方向以外の構造物にも適用可能である。
集合住宅の基準階の平面形式は片廊下方式、中廊下方式に限定されず、中空コアー方式、雁行方式等でもよい。
また、建物の用途も集合住宅に限定されず、事務所、ホテル等の建物の構造物にも幅広く適用できる。
さらに、建物の階数も、低層から高層、超高層に至るまで適用できる。
下部骨組部5は1以上の階を有するものであればよい。
【0054】
上部骨組部、支持骨組部、下部骨組部の構造種別は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨コンクリート造(SC造)が一般的であるが、本発明はこれらの構造種別に限定されるのではなく、それぞれの機能を発揮できるものであれば他のものでもよい。
高層建物では、上部柱、支持柱、下部柱をCFT(コンクリート充填鋼管)構造で構成し、梁(上部梁、伝達梁、下部梁)を鉄骨造で構成するのは好適である。このとき、上部梁を、鉄骨造のH形鋼をコンクリートで被覆したプレキャスト材で製作してもよい。
支持骨組部、下部骨組部は、ラーメン構造に形成されているが、ラーメン構造の補強耐震部材として耐震壁、ブレース構造、制振壁、粘弾性ダンパー、オイルダンパーなどを混用してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐震骨組構造は、複数階を有する住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される。また、本発明によれば、経済性を損なうことなく、水平耐力や水平剛性あるいは靭性等の構造的特性に富み、建築設計の融通性を大幅に向上させることのできる耐震骨組構造を備えた建築物が提供される。そして、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体(床スラブ)で遮断することによって、階数方向の延焼が防止され、防災性能が高まるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伝達梁手段を用いた建物を示すもので、桁行方向である正面図である。
【図2】図1に示す建物のはり間方向である側面図である。
【図3】図1に示す建物の2階以上の階の平面図
【図4】図1に示す建物の1階の平面図である。
【図5】中間柱の軸力(鉛直力)の基礎への伝達経路を示す説明図である。
【図6】伝達梁手段を用いた建物の構造的特徴を示す説明図である。
【図7】伝達梁手段を用いた建物の構造的特徴を示す説明図である。
【図8】伝達梁手段を用いた建物の構造的特徴を示す説明図である。
【図9】伝達梁手段を用いた建物の構造的特徴を示す説明図である。
【図10】伝達梁手段を用いた建物の構造的特徴を示す説明図である。
【図11】伝達梁手段2を例示するもので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図、(c)は(a)のc−c断面図である。
【図12】伝達梁手段2の態様を例示する正面図である。
【図13】伝達梁手段2の態様を例示するもので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図である。
【図14】伝達梁手段2の態様を例示する正面図である。
【図15】伝達梁手段2の態様を例示する正面図である。
【図16】伝達梁手段2の態様を例示する正面図である。
【図17】伝達梁手段2の態様を例示するもので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図である。
【図18】伝達梁手段2の態様を例示する正面図である。
【図19】伝達梁手段2の態様を例示するもので、(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図である。
【図20】本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
【図21】本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
【図22】図21に示す建物の支持骨組部4近傍の拡大正面図である。
【図23】本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
【図24】本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
【図25】本発明に係る建築物の実施例を示す、桁行方向である正面図である。
【図26】従来例の建物の構造を示す平面図である。
【図27】従来例の建物の構造を示す正面図(桁行方向)である。
【符号の説明】
1 建物本体
2 伝達梁手段
3 上部骨組部
4 支持骨組部
5 下部骨組部
6 基礎構造部
11A 上部柱
11B 支持柱
11C 下部柱
21 梁部材
26 壁体
31 上部梁
32 中間柱[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a building used for a composite application in which a non-residential floor such as an office or a store is provided on the lower floor of a residential floor having a plurality of floors.
[0002]
[Prior art]
As an earthquake-resistant building applied to a high-rise apartment house, for example, one disclosed in Japanese Patent Publication No. 59-14142 is known. In the high-rise building disclosed in the official gazette, in the longitudinal direction of the building (the crossing direction), an intermediate column is provided between the main columns to form a short span ramen structure, and in the short direction of the building (the direction between the beams) Constitutes a multi-story shear wall structure. A building having such a structure is shown in FIGS.
[0003]
FIG. 26 is a plan view showing the structure of the building, and FIG. 27 is a front view (column direction) showing the structure of the building.
In the figure, symbol A is a main pillar standing on the foundation H at a required interval, B is an intermediate pillar provided between the main pillars, C is a dwelling space surrounded by the main pillar, and D is a dwelling space. A common corridor provided on one side, E is a balcony provided on the other side of the dwelling space. This one-side corridor type building has a main column A and an intermediate column at the boundary surface between the dwelling space C and the common corridor D or balcony E in the crossing direction (longitudinal direction), which is the direction in which the dwelling unit space C is connected. The short-span ramen structures are arranged so as to face each other. In the figure, reference numeral G denotes a beam connecting the A main column and the intermediate column B.
In addition, in the direction between beams perpendicular to the crossing direction, the earthquake-resistant wall F, which is the boundary wall of each dwelling unit, is provided between the main pillars A, so that a reinforced concrete earthquake-resistant wall F is provided from the upper floor to the lowest floor. It is a multi-layered building.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the building as described above has a structure in which the intermediate pillar B is erected from the top floor to the entire bottom floor, and the seismic walls F are arranged in multiple layers. Even if an open indoor space is provided, the open space cannot be obtained because the seismic wall F or the intermediate pillar B is erected.
As described above, in the conventional building described above, it is difficult to construct a building to be used for a composite application in which a non-residential floor such as an office or a store is provided on the lower floor of the residential floor. There were restrictions.
[0005]
The present invention has been made in consideration of the above prior art, and the object thereof is an architecture provided for a composite use in which a non-residential floor such as an office or a store is provided on the lower floor of a residential floor having a plurality of floors. Seismic framework structure that can be applied to objects and has structural characteristics such as horizontal strength, horizontal rigidity, and toughness without sacrificing economic efficiency, and can greatly improve the flexibility of architectural design. Is to provide a building with
[0006]
The present invention is a building that is used for a composite application in which a non-residential floor such as an office or a store is provided on the lower floor of a residential floor having a plurality of floors,
A support frame portion having one or more floors is joined to a lower floor of an upper frame portion having a plurality of floors, and a lower frame portion having one or more floors is joined to a lower floor of the support frame portion to form an earthquake resistant frame structure. Configure
The upper frame portion has a ramen structure including an upper column, an intermediate column provided between the upper columns, and an upper beam connecting these in the horizontal direction.
The support frame portion has a ramen structure including a support column joined to the upper column and a transmission beam means for connecting the support column in the lateral direction.
The column base of the lowest floor of the intermediate column is erected from the span intermediate part of the transmission beam means,
The dwelling unit floor is composed of the upper frame part, the equipment floor arranged on the lower floor of the dwelling unit floor is composed of the support frame part, and the non-residential floors such as offices and stores arranged on the lower floor of the equipment floor are the lower frame Consists of
The support column of the support frame part is joined to the lower column of the lower frame part that is erected on the foundation, and each column of the upper column, support column, and lower column is erected in a column shape through the vertical direction Forming
Block the boundary between the equipment floor and the non-residential floor with a fire-resistant floor structure,
Vertical plumbing for equipment on the dwelling floor was bent on the equipment floor and pulled horizontally to the outside of the indoor space on the non-dwelling floor or outside the building.
It is a building that is used for composite purposes.
[0007]
In the present invention, the transmission beam means is formed as a beam having a variable cross section with a beam formed at the span end smaller than the beam formed at the span intermediate portion, and is integrated with the support column at the span end to form a rigid joint. Can be.
Further, in the present invention, the transmission beam means is formed as a wall body having a beam structure substantially corresponding to the floor height, and forms a horizontal slit between the lower side of the wall body and the beam on the lower floor, and the horizontal slit Continuously, a vertical slit is formed by a predetermined length at the boundary surface between the support column and the wall, and the span beam at the end of the span is smaller than the beam at the center of the span. It is configured as a cross-section wall beam, and at the end of the span, it can be integrated with the support column to form a rigid joint.
The transmission beam means is formed so that the upper side of the span direction is formed in a straight line and an inverted vertical haunch is provided at the span end of the lower side of the span direction so that the beam at the end of the span is smaller than the beam formation at the middle of the span. It is also possible to form a reverse drop haunch by providing a step on the lower side of the span end and to make the beam formation at the span end smaller than the beam formation at the intermediate span. Further, the transmission beam means may have a steel truss structure.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the characteristics of the transmission beam means which is a component of the present invention will be clarified by showing a building using the transmission beam means. In the drawings, the same reference numerals are used for the same elements.
[0009]
1 to 4 show a building using transmission beam means. FIG. 1 is a front view in the direction of the beam, FIG. 2 is a side view in the direction between the beams, and FIG. 3 is a plane of two or more floors. 4 and 4 are plan views of the first floor. In FIG. 1, for the sake of convenience, only the half in the column direction (the range of the left half (from X1 to X4) in the column direction (Y2 in FIG. 3) shown in FIG. 3) is shown.
[0010]
As shown in FIGS. 1 and 2, the building is composed of a
From the second floor to the top floor is allocated to the dwelling unit floor, and constitutes the
The
[0011]
As shown in FIG. 3, the planar shape of each floor from the second floor to the top floor is a narrow plate shape narrow in the beam-to-beam direction, and the entire planar shape is formed in a rectangular shape (linear shape). As the plane form of the reference floor, a single corridor system is used, and a plurality of dwelling spaces C are connected to one common corridor D, and a balcony E is attached to each dwelling unit.
[0012]
The
The “span” is one unit established between two columns arranged opposite to each other. The span length means a linear distance between columns.
Moreover, in each figure, the code | symbol X1, X2, X3, ... is the center (street code | symbol) of the pillar standingly arranged on a foundation, the code | symbol S is the span length between these pillars, code | symbol X1A, X2A, X3A, ... ... Is the center of the intermediate pillar 32 (pass code), and S11 and S12 are span lengths formed by the
[0013]
In the cross-beam direction of the building, the
[0014]
In the direction between the beams of the building, the
In FIG. 2, reference symbols Y1, Y2, Y3,... Indicate the center of the column erected on the foundation (passage code), reference character L indicates the span length between the pillars, and reference symbol Y2A indicates the center of the intermediate pillar 32 (passage code). ) And L11, L12 are span lengths formed by the
[0015]
In the direction between the beams of the building, the
[0016]
The transmission beam means 2 for connecting the
[0017]
Further, at the time of the ultimate strength of the frame, the beam yield strength is reduced by making the sectional yield strength of the transmission beam means 2 smaller than the sectional yield strength of the
[0018]
Further, by making the horizontal rigidity of the entire floor of the
[0019]
The structural features of the building using the transmission beam means will be described in detail.
(1) The above earthquake-resistant frame structure is a composite frame in which a support frame having one or more floors is joined to a lower floor of an upper frame having multiple floors in the same frame. The upper frame portion constitutes a short-span rigid frame structure in which the inner column is disposed to shorten the inner span length of the upper beam. On the other hand, the support frame portion is configured in a ramen structure provided with opposing support columns and transmission beam means for connecting the support columns in the lateral direction, and has a large span (for example, as shown in FIG. A long span length S) composed of S11 + S12 is formed.
Therefore, a structure type suitable for the dwelling unit floor, which is a housing complex, is adopted for the upper frame part, and a structure suitable for non-dwelling floors such as equipment floors, offices, stores, etc., for the support frame part. A building can be constructed using the model (large span ramen structure). Since the non-residential floor can form a large-span pure ramen structure, it can form a spacious indoor space with a small number of pillars installed. The pure ramen structure is a frame made of pillars and beams, which are wire rods, and is not provided with face-material seismic structural members such as wall braces, seismic walls, and damping walls. Of course, the support frame part can also be a ramen structure in which a seismic wall or the like is arranged.
The term “frame” refers to a frame in which wires such as upper columns, beams, and intermediate columns, and surface members such as earthquake-resistant walls, wall braces, and damping walls are appropriately combined.
[0020]
(2) The transmission beam means secures a transmission path to the foundation of the vertical force of the intermediate column from the elastic region of the frame to the ultimate strength.
The transmission beam means is a horizontal member having a beam function in which support columns facing each other are connected in the horizontal direction (span direction).
As shown in FIG. 5, in the
Of these two paths, the path through which the column axial force (vertical force) of the
[0021]
By setting the transmission beam means 2 to have a cross-sectional performance (bending rigidity, shear rigidity, cross-sectional strength) capable of supporting the vertical force from the
And the transmission beam means 2 can ensure the transmission path to the foundation of the vertical force of the
[0022]
(3) The transmission beam means is configured as a beam having a variable cross section with a beam formed at the end of the span smaller than the beam formed at the intermediate portion of the span (section height), and is rigidly joined to the support column at the end of the span. The part can be formed.
A rigid joint is a joint where the angle of the member's axis between the joined beam and column (angle between the tangents at the node of each member after deformation) does not change even when subjected to external force, The joint part of the rigid frame structure is a rigid joint. The rigid joint can transmit bending moment, shearing force, and axial force. However, in the present invention, in addition to a perfect rigid joint having the same angle, an incomplete rigid joint having an angle that changes due to the yielding of the structural members of the joint between the column and the beam, for example. Shall be included.
[0023]
6 to 7, the transmission beam means 2 is replaced with a single wire by a transverse (span direction) material axis passing through the center of the beam end (De) at the end of the span. Both end portions are connected to the
The transmission beam means 2 always receives a large vertical force at the middle span portion (long term), and receives an antisymmetric bending moment at both ends during an earthquake.
The transmission beam means 2 functions as a beam with a variable cross-section in which the beam formation (Dc) at the intermediate span portion is effective for the vertical force at the intermediate span portion (FIG. 6). The beam formation (De) at the end functions as a beam having an equal cross section effective over the entire span (FIG. 7). At the time of an earthquake, the lower part (Dc-De) of the beam formed in the middle part of the span is not effective in terms of the bending rigidity and sectional strength of the member.
The variable cross section refers to a structural member in which the shape and dimensions of the cross section of the member change along the length direction (material axis direction) of the member. An equal cross section refers to a structural member having the same cross-sectional shape and dimensions over the entire length of the member.
[0024]
As shown in FIG. 8, the bending moment gMc at the span intermediate portion (beam center portion) is larger than the bending moments gM1 and gM2 at the span end portions. However, as described above, the transmission beam means 2 has a large beam span (De) at the intermediate portion of the span, so that it always has sufficient sectional strength (bending strength) against the sectional stress caused by the vertical force of the intermediate column during an earthquake. Yield strength, shear strength) and cross-sectional rigidity, and an excessive vertical deformation of the span intermediate portion does not occur.
Further, since the transmission beam means 2 has a smaller beam length at the span end portion than the beam formation at the intermediate span portion, as shown in FIG. 8, the degree of fixation between the span end portion of the transmission beam means 2 and the
[0025]
(4) At the time of the ultimate strength of the frame, the beam is formed by making the cross-sectional yield strength of the transmission beam means 2 smaller than the cross-sectional yield strength of the
Here, the ultimate strength of the frame is the maximum horizontal strength at which the frame collapses when subjected to a horizontal force higher than this, and is also called the retained horizontal strength.
[0026]
The frame collapse mechanism (mechanism) will be described with reference to FIG.
As a means to evaluate the seismic performance of the seismic frame structure, there is a collapse type at the ultimate strength of the frame structure. In the ramen structure, the beam yield type is desirable on the intermediate floor and the column yield type on the lowest floor. The beam yielding type can form and maintain a yielding hinge having a high deformability after cross-sectional yielding and excellent toughness than the column yielding type. In the column yield type, yield hinges are easily formed on both the column base and column head of the column, and the column axial force function is lost by supporting compressive fracture of the column cross section to support the vertical load of the floor structure. You may not be able to.
Yield hinges are structural structural mechanics when some of the structural members (columns, beams, etc.) that make up the frame yield a full cross-section due to bending moments caused by seismic forces, allowing rotational deformation. This is the pin that is considered to have been.
[0027]
Therefore, in the
However, since the
A column yield type yield hinge is formed by designing the cross sectional yield strength of the
In this case, the
Therefore, the
In the
Since the beam at the end of the span of the transmission beam means 2 is configured as a beam having a variable cross section smaller than that at the intermediate portion of the span, the sectional yield strength of the transmission beam means 2 is smaller than the sectional yield strength of the
Therefore, the seismic frame structure, which is a composite frame in which the support frame is joined to the lower floor of the upper frame within the same frame, can ensure excellent earthquake resistance from the elastic region to the ultimate strength.
[0028]
(5) Further, by making the horizontal rigidity of the entire floor of the
That is, since the
When the
[0029]
According to the dynamic analysis method, the vibrational structural performance of the seismic frame structure can be verified.
As an example of the dynamic analysis method, there is a method of replacing each floor with a “comb dumpling type” material point having weight and horizontal rigidity. A predetermined seismic wave is input to the base (the fixed point on the lowest floor) of this mass system model, and the response values (shearing force, acceleration, etc.) of each floor are calculated. It is theoretically accepted that the seismic frame structure has a lower response value at each floor as the natural period is longer (longer period).
If the entire frame has the same natural period, the response values (shearing force, overturning moment, etc.) of the base part are often substantially the same. Furthermore, even if the frame has the same natural period as a whole, if the distribution of horizontal stiffness in the rank direction is changed, the natural vibration form of each floor will change, and the response values (shearing force, acceleration, etc.) of each floor will change. There is.
[0030]
The building has the following effects due to the longer natural period of the entire frame and the vibration control performance of the support frame.
First, the phenomenon that the horizontal displacement of the upper frame portion (relative horizontal displacement from the fixed point of the foundation) increases as the upper floor is suppressed is suppressed. As shown in FIG. 10, in the event of an earthquake, the horizontal deformation (H2 on the second floor) of the
Secondly, the response value of each floor of the
Third, the response value (shearing force, tipping moment) of the foundation is reduced, and the vertical force (pull-out force or compressive force) generated on the foundation and pile is reduced due to the bending moment that causes the building to tip over. The structure of piles and foundations will be simplified and the building height will be promoted.
[0031]
[Mode of transmission beam means]
Next, a specific mode of the transmission beam means 2 will be described with reference to FIGS. In each figure, the beam component De at the span end is configured as a beam or wall beam having a variable cross section smaller than the beam component Dc at the span intermediate portion, and is rigidly joined to the
[0032]
11A and 11B illustrate the transmission beam means 2, in which FIG. 11A is a front view, FIG. 11B is a sectional view taken along line bb in FIG. 11A, and FIG. 11C is a line cc in FIG. It is sectional drawing. The transmission beam means 2 is a
In this example, after the
In addition, the reverse vertical haunch means that the beam formation at the span end of the transmission beam means is made smaller than the beam formation at the middle of the span in order to reduce the bending rigidity and bending strength of the span end. Say things. In a normal vertical haunch, the beam at the end of the span is larger than the beam at the middle of the span. “Reverse” of the reverse vertical haunch means that the normal vertical haunch means that the gradient is in the reverse direction.
[0033]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 12 is a
[0034]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 13 is a
At the end of the span, the lower side in the span direction continues from the end of the span toward the intermediate portion of the span and continues horizontally for a predetermined distance t2 so as to maintain the beam formation De at the end of the span, and then a substantially
[0035]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 14 is a
[0036]
The basic shape of the transmission beam means 2 shown in FIG. 15 is the same as that shown in FIG. 11, and at the span end, the lower side in the span direction is from the span end toward the span intermediate part. This is a
[0037]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 16 is a
[0038]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 17 has the same basic front shape (contour) as the one shown in FIG. 14, and the lower end of the span direction from the span end to the span intermediate part at the span end. The
[0039]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 18 is formed as a
By forming the
[0040]
The transmission beam means 2 shown in FIG. 19 shows an example in which the transmission beam means 2 of FIG. 18 is transformed into a steel structure. The H-shaped steel is installed in the entire span in the transverse direction, and a steel plate wall in the form of a wall is integrally attached below the H-shaped steel at the middle portion of the span. The span intermediate portion is a
[0041]
As described above, the transmission beam means 2 only needs to have a normal vertical force support performance and a seismic performance against seismic force, and its structural type is as a beam structural member, a truss structure, or a wall beam. Wall bodies can be used. The structure type is generally a steel structure, but is not limited thereto, and may be a steel concrete structure, a steel reinforced concrete structure, a reinforced concrete structure, or a prestressed reinforced concrete structure.
[0042]
Hereinafter, the Example of the building which concerns on this invention is described.
<Example 1>
FIG. 20: is a front view which is a digit direction which shows the Example of the building which concerns on this invention.
In this building, the lower frame part 5 having one or more floors is joined to the lower floor of the
The supporting
In the example shown in the figure, the fifth floor to the top floor are allocated to the dwelling unit floor, and constitute the
[0043]
The
In each span, the lower frame portion 5 forms a rigid frame structure by the
Further, similarly to Example 2 described later, the
[0044]
<Example 2>
FIG. 21: is a front view which is the column direction which shows the Example of the building based on this invention.
As in the case shown in FIG. 20, the lower frame portion 5 having one or more floors is joined to the lower floor of the
[0045]
The
In each span, the lower frame portion 5 forms a rigid frame structure by the
[0046]
In this building, from the fifth floor to the top floor is allocated to the dwelling unit floor, and constitutes the
Moreover, the
The fireproof structure is defined by the construction minister as a structure having fireproof performance for each part and floor of the building. For example, a slab (floor structure) having a reinforced concrete structure is a fireproof structure.
By blocking the boundary between the equipment floor and the non-residential floor with a fire-resistant floor structure (floor slab),Fire spreadIt will be prevented and disaster prevention performance will increase.
[0047]
<Example 3>
FIG. 23: is a front view which is a column direction which shows the Example of the building which concerns on this invention.
The lower frame part 5 having one or more floors is joined to the lower floor of the
The
[0048]
Further, the
Similarly to the second embodiment, the
[0049]
<Example 4>
FIG. 24: is a front view which is a column direction which shows the Example of the building which concerns on this invention.
The lower frame part 5 having one or more floors is joined to the lower floor of the
The structure of the lower frame portion 5 from the basement to the second floor is the same as that in FIG.
[0050]
Further, a top beam means (top suspension beam means) 15 is provided on the roof on the top floor. This top beam means 15 can be constituted by a truss structure. Since the
Similarly to the second embodiment, the
[0051]
<Example 5>
FIG. 25: is a front view which is a column direction which shows the Example of the building which concerns on this invention.
The lower frame part 5 having one or more floors is joined to the lower floor of the
[0052]
In this building, in the left span (X1 to X2), the lower frame portion 5 constitutes a seismic wall structure in which the
The lower skeleton part 5 (1st to 3rd floors) has a ramen structure part 7 to which one span is added to the left and right.
Similarly to the second embodiment, the
[0053]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be appropriately added and modified within the scope of the gist of the present invention.
Although the example which applied this invention to the structure of the row direction of an apartment house was shown, this invention is not limited to this, It can apply also to structures other than the row direction of an apartment house.
The plane form of the standard floor of the apartment is not limited to the single corridor method or the central corridor method, but may be a hollow core method, a laundering method, or the like.
Moreover, the use of the building is not limited to collective housing, and can be widely applied to building structures such as offices and hotels.
Furthermore, the number of floors of the building can be applied from low to high and super high.
The lower skeleton part 5 should just have one or more stories.
[0054]
The structural types of the upper frame part, the support frame part, and the lower frame part are generally steel structure, steel reinforced concrete structure (SRC structure), reinforced concrete structure (RC structure), and steel concrete structure (SC structure). Is not limited to these structural types, but may be other types as long as each function can be exhibited.
In a high-rise building, it is preferable that the upper column, the support column, and the lower column are configured with a CFT (concrete-filled steel pipe) structure, and the beams (upper beam, transmission beam, and lower beam) are configured with a steel structure. At this time, the upper beam may be made of a precast material in which a steel H-shaped steel is covered with concrete.
Although the supporting frame portion and the lower frame portion are formed in a ramen structure, an earthquake resistant wall, a brace structure, a damping wall, a viscoelastic damper, an oil damper, or the like may be mixed as a reinforcing earthquake resistant member of the ramen structure.
[0055]
【The invention's effect】
As described above, the seismic frame structure of the present invention is used for a composite application in which a non-residential floor such as an office or a store is provided on the lower floor of a residential floor having a plurality of floors. In addition, according to the present invention, a building having a seismic frame structure that is rich in structural characteristics such as horizontal strength, horizontal rigidity, or toughness without impairing economic efficiency and can greatly improve the flexibility of architectural design. Things are provided. And by blocking the boundary surface between the equipment floor and the non-residential floor with a fire-resistant floor structure (floor slab),Fire spreadIt will be prevented and disaster prevention performance will increase.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a building using transmission beam means, and is a front view in a column direction.
FIG. 2 is a side view showing a direction between beams of the building shown in FIG. 1;
FIG. 3 is a plan view of the second floor or more of the building shown in FIG.
4 is a plan view of the first floor of the building shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is an explanatory diagram showing a transmission path to the foundation of the axial force (vertical force) of the intermediate column.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing structural features of a building using transmission beam means.
FIG. 7 is an explanatory view showing structural features of a building using transmission beam means.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing structural features of a building using transmission beam means.
FIG. 9 is an explanatory view showing structural features of a building using transmission beam means.
FIG. 10 is an explanatory view showing structural features of a building using transmission beam means.
11A and 11B illustrate the transmission beam means 2, in which FIG. 11A is a front view, FIG. 11B is a sectional view taken along line bb in FIG. 11A, and FIG. 11C is a sectional view taken along line cc in FIG. .
12 is a front view illustrating an example of the transmission beam means 2. FIG.
FIGS. 13A and 13B illustrate a mode of the transmission beam means 2, in which FIG. 13A is a front view, and FIG. 13B is a cross-sectional view taken along line bb in FIG.
14 is a front view illustrating an example of a transmission beam means 2. FIG.
FIG. 15 is a front view illustrating an embodiment of the transmission beam means 2;
FIG. 16 is a front view illustrating an embodiment of the transmission beam means 2;
FIGS. 17A and 17B illustrate the mode of the transmission beam means 2, wherein FIG. 17A is a front view, and FIG. 17B is a cross-sectional view taken along line bb in FIG. 17A;
FIG. 18 is a front view illustrating an embodiment of the transmission beam means 2;
FIGS. 19A and 19B illustrate an embodiment of the transmission beam means 2, in which FIG. 19A is a front view and FIG. 19B is a cross-sectional view taken along line bb of FIG. 19A;
FIG. 20 is a front view showing the embodiment of the building according to the present invention in the column direction.
FIG. 21 is a front view showing the embodiment of the building according to the present invention in the column direction.
22 is an enlarged front view of the vicinity of the
FIG. 23 is a front view in a column direction showing an embodiment of a building according to the present invention.
FIG. 24 is a front view in a column direction showing an embodiment of a building according to the present invention.
FIG. 25 is a front view in a column direction showing an embodiment of a building according to the present invention.
FIG. 26 is a plan view showing a structure of a conventional building.
FIG. 27 is a front view (column direction) showing the structure of a conventional building.
[Explanation of symbols]
1 Building body
2 Transmission beam means
3 Upper frame
4 support frames
5 Lower frame part
6 Basic structure
11A Upper pillar
11B Support pillar
11C Lower pillar
21 Beam members
26 Wall
31 Upper beam
32 Intermediate pillar
Claims (3)
複数階を有する上部骨組部の下階に、1以上の階を有する支持骨組部を接合し、支持骨組部の下階に、1以上の階を有する下部骨組部を接合して耐震骨組構造を構成し、
上部骨組部は、上部柱と、上部柱の間に設けた中間柱と、これらを横方向に連結する上部梁と、を備えたラーメン構造をなし、
支持骨組部は、上部柱に接合された支持柱と、その支持柱を横方向に連結する伝達梁手段とを備えたラーメン構造をなし、
中間柱の最下階の柱脚部は、伝達梁手段のスパン中間部から立設され、
住戸階を上部骨組部で構成し、住戸階の下階に配設した設備階を支持骨組部で構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部で構成し、
支持骨組部の支持柱は、基礎上に立設された、下部骨組部の下部柱に接合され、上部柱、支持柱、下部柱の各柱は縦方向に通し柱状に立設された柱部材を形成しており、
設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断し、
住戸階の設備用の縦配管類を、設備階で屈曲させ、水平方向に横引きして非住戸階の室内空間又は建物の外部に導いた、
ことを特徴とする複合用途に供される建築物。It is a building that is used for composite purposes with non-residential floors such as offices, stores, etc. on the lower floors of multiple floors,
A support frame portion having one or more floors is joined to the lower floor of the upper frame portion having a plurality of floors, and a lower frame portion having one or more floors is joined to the lower floor of the support frame portion to form an earthquake resistant frame structure. Configure
The upper frame part has a ramen structure including an upper column, an intermediate column provided between the upper columns, and an upper beam connecting these in the horizontal direction.
The support frame portion has a ramen structure including a support column joined to the upper column and a transmission beam means for connecting the support column in the lateral direction.
The column base of the lowest floor of the intermediate column is erected from the span intermediate part of the transmission beam means,
The dwelling unit floor is composed of the upper frame part, the equipment floor arranged in the lower floor of the dwelling unit floor is composed of the support frame part, and the non-residential floors such as offices and stores arranged in the lower floor of the equipment floor are the lower frame Consists of
The support column of the support frame part is joined to the lower column of the lower frame part that is erected on the foundation, and each column of the upper column, support column, and lower column is erected in a column shape through the vertical direction Forming
Block the boundary between the equipment floor and the non-residential floor with a fire-resistant floor structure,
Vertical plumbing for equipment on the dwelling floor was bent on the equipment floor and pulled horizontally to lead to the interior space of the non-dwelling floor or outside the building.
A building that is used for composite purposes.
スパン端部で、支持柱と一体化して剛接合部を形成している、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合用途に供される建築物。The transmission beam means is configured as a beam having a variable cross section where the beam at the end of the span is smaller than the beam formed at the middle of the span.
At the span end, it is integrated with the support column to form a rigid joint,
The building used for the composite use according to claim 1.
壁体の下辺と、下階の梁との間に横スリットを形成し、
該横スリットと連続して、支持柱と壁体との境界面で壁体の上方に向かって所定の長さだけ縦スリットを形成し、
スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変断面の壁梁として構成され、
スパン端部で、支持柱に一体化して剛接合部を形成している、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合用途に供される建築物。The transmission beam means is formed as a wall body having a beam structure substantially corresponding to the floor height,
A horizontal slit is formed between the lower side of the wall and the beam on the lower floor,
Continuously with the horizontal slit, a vertical slit is formed by a predetermined length toward the upper side of the wall body at the boundary surface between the support column and the wall body,
The beam at the end of the span is configured as a wall beam with a variable cross section smaller than that at the middle of the span.
At the end of the span, it is integrated with the support column to form a rigid joint.
The building used for the composite use according to claim 1.
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