JP3725685B2 - 過酸化水素製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に海水を冷却水などとして使用する際に、海水中の微生物などが構造物に付着しないように予め処理するために用いる電解過酸化水素製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過酸化水素は、食品、医薬品、パルプ、繊維、半導体工業によって欠くことの出来ない基礎薬品として有用である。この過酸化水素は従来アントラキノン法として化学的に製造されてきた。しかしながら、過酸化水素は不安定であり、長期間の保存が困難であるため、また輸送に伴う安全性、汚染対策の面からオンサイト型の装置の需要が高まっている。
冷却水として海水を利用する発電所、工場では復水器内部への生物付着防止のために、海水を直接電気分解して次亜塩素酸を生成させ、その生物に対する作用を利用して生物付着を抑えることが以前から行われているが、環境保全の観点から規制されつつある。即ち次亜塩素酸と海水中の生物や有機物の反応により、海水中に有機塩素化物を形成し、それが二次公害の原因となる可能性が指摘されている。
【0003】
一方、過酸化水素を前記冷却水中に微量添加すると良好な生物付着防止効果のあることが報告されている。また養魚場の水質維持にも過酸化水素の添加が効果的であるとの報告もある。しかしながら、前述の通り輸送に伴う安全性、汚染対策の課題が残されていた。
以前から酸素ガスの還元反応を用いる過酸化水素の合成方法の研究報告が見られる。米国特許第3693749号では数種類の電解装置が提案され、米国特許第4384931号ではアルカリ性過酸化水素溶液の製法としてイオン交換膜を用いた電解方法が開示されている。米国特許第3969201号では三次元構造のカーボン陰極とイオン交換膜からなる過酸化水素の製造装置が述べられている。しかし、得られる過酸化水素の濃度に対してアルカリの濃度が大きくなり、用途に制限が生じる。
【0004】
一方、米国特許第4406758号,米国特許第4891107号および米国特許第4457953号では多孔性の隔膜材料と疎水性カーボン陰極を用いる方法が開示されている。これらの方法では陽極室から陰極室への電解質溶液の移行量、速度の制御が困難であり運転が煩雑であった。
また、Journal of Electrochemical Society Vol.130、1117〜(1983)では陽、陰イオン交換膜を用い、中間室に硫酸を供給し、酸性の過酸化水素溶液を安定的に得る方法が提案された。
更に電気化学、第57巻、p1073(1989)では陽極として膜電極接合体を用いることで性能が向上することを報告している。しかしながら、この方法では電力原単位がかかり経済性に問題があった。現在に至っても十分に満足できる電解装置は得られていない。
これらの過酸化水素発生方法は、何れもアルカリ水溶液の雰囲気において効率良く得られるため、原料としてのアルカリ成分を供給する必要があり、やはり輸送の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、前述のように海水の直接電解に於ける問題点から、海水処理用としては過酸化水素を使うことが経済的には望ましい方向として種々検討が進められていることも確かである。
この中で市販過酸化水素水を使用するには、前記問題点の他に海水中に新たな薬品を加えるという問題がある。つまり新たな合成薬品を加えることは海水そのものを汚染するという環境上の問題が発生する可能性がある。当然アルカリ電解で過酸化水素を生成する場合も外部からアルカリを持ってきたのでは同じことになる可能性がある。
【0006】
これらを避けるために本発明者等は、先に海水を塩分離し、アルカリを得てそれから過酸化水素水を得、最終的に分離された酸でそのアルカリを中和してしまい、過酸化水素処理を可能にした方法を提案した。この方法では外部からの薬品添加を全く必要としないので環境上の問題が最小であり、また必要とする電力も極めて小さく理想に近いものであるが、実際の電解の継続の中では、海水中に含まれるカルシウムやマグネシウムの除去を完全にし、得られる効率を上昇させたいという希望があった。更に電解装置そのものをより簡単な構造として、取扱いを容易にしたいという希望があった。
本発明は、叙上の問題点を解決し、海水から電解によりより安定に、効率良く過酸化水素を生成させて海水を処理できる過酸化水素製造装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の手段により前記の課題を解決したものであって、冷却水等にも用いる海水を電解して過酸化水素を生成させる際に、ガス拡散電極に不溶性物質が生成することを抑制することができるようになって、実用化できるようになった。
(1)ガス拡散電極によってガス室と電解液室とに分画し、前記電解液室を隔膜によって陽極室と陰極室に分けた三室法電解槽を使用し、陽極室内に陽極として不溶性金属電極を設置し、前記ガス拡散電極を陰極として有する陰極室に海水を流し、ガス室には空気を供給しながら電解を行い、海水中に過酸化水素を生成する電解装置であって、ガス室に供給された供給ガスの少なくとも一部が前記ガス拡散電極を通って海水中に拡散するようにしたことを特徴とする過酸化水素製造装置。
【0008】
(2)前記ガス拡散電極が電極物質を担持した親水層と撥水性のガス拡散層からなるいわゆる半疎水性ガス拡散電極であり、前記電極物質が炭素及び/又は金であることを特徴とする前記(1)記載の過酸化水素製造装置。
(3)前記ガス拡散電極が多孔性のPTFEシート上に親水性の炭素からなる三次元的広がりを有する電極物質を担持したものであることを特徴とする前記(1)記載の過酸化水素発生装置。
(4)前記陽極からの発生ガスを前記ガス室への供給空気に混合することを特徴とする前記(1)記載の過酸化水素製造装置。
(5)前記陽極が、チタン基材上に白金族金属を有する複合酸化物を担持し、さらにその表面に酸化マンガンを被覆した電極物質からなる不溶性金属電極であることを特徴とする前記(1)記載の過酸化水素製造装置。
なお、前記「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンをいうものである。
【0009】
本発明は、電解による前記過酸化水素製造装置において、供給ガスの少なくとも一部が該ガス拡散電極を通って海水中に拡散するようにしたものであって、海水中に1000ppm以下の比較的低い濃度の過酸化水素を電解的に生成する製造装置である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
海水を電解液とし、陰極をガス拡散電極として、これに酸素又は空気を供給しながら電解を行うと陰極表面に過酸化水素が生成するが、同時に生成する水酸イオン(OH- )によってその周辺がアルカリ性となるために、海水中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属が水酸化物として、また一部は炭酸塩として陰極表面に析出してしまい、長期間の連続電解が出来ないと言う問題があり、この問題の解決を鋭意検討した末、ガスによりこれらの沈殿物を吹き飛ばすことで連続電解が可能なことを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明においては、電解槽として陰極をガス拡散電極とし、隔膜により陽極室を分離して海水中に生成した過酸化水素の陽極酸化による分解を防ぎ、さらにガス拡散電極はいわゆる半疎水型とすると共に、ガス室からの供給ガスがガス拡散電極表面、海水中に吹き出すようにして、陰極表面に生成するアルカリ金属水酸化物の沈殿を海水中に吹き飛ばして、安定な電解が継続できるようにしたものである。
【0012】
陽極としては、海水中で電解が安定的に出来る不溶性金属電極を使用するが、その内容に関しては特に限定されるものではない。ただ陽極反応によって海水中では塩素が発生し、それが海水中の有機物と反応してトリハロメタンなどの有機塩素化物を生成する可能性があり、また次亜塩素酸を生成するので、塩素の生成を出来るだけ抑えて水電解による酸素発生が多くなる電極を選択する必要がある。
このような観点から、陽極における電極物質としては、酸化ルテニウム、酸化イリジウムなどの白金族金属の酸化物を有し、それに酸化タンタル、酸化マンガンなどの酸素発生電位を下げるという助触媒作用を有する物質を含有する複合酸化物被覆を有する電極物質を、チタン製のエクスパンドメッシュや穴あき板に被覆した不溶性電極を使用する。これにより塩素の発生はゼロにはならないが使用電流に対しては10%以下とすることが出来る。
【0013】
被覆として酸化物を使用するのは、陽極として金属よりはるかに安定であること、また電極の作成に当たっては空気内での熱分解で容易に得られること、さらに複合酸化物が容易に得られ、その酸素発生電位が極めて低くなるなどの理由による。
例えば、塩化タンタルと塩化ルテニウムを塩酸酸性中でブチルアルコールに溶解したものを塗布液として、予めブラスト処理、酸洗などの前処理をして清浄にしたチタン基材上に塗布し空気を流通した加熱炉に入れ400〜500℃で10分程度熱分解を行う。この操作を10回程度繰り返すことによって酸化ルテニウムと酸化タンタルからなる複合酸化物被覆がチタン基材上に形成され不溶性金属電極が完成する。タンタルとルテニウムの組成比は塗布液中での混合比率で調整する。
このようにして得た電極は、海水中での電解で電流密度5〜15A/dm2 で塩素発生の電流効率は30%程度であるが、電解の継続に従い海水中に微量に含まれるマンガンがその表面に酸化マンガンとして堆積することによりさらに電流効率が下がり10%以下の塩素発生になる。
【0014】
一方、隔膜の材質は特には指定されないが、陽極発生ガスが電解液側に移動して大きな液攪拌を起こさないこと、また陰極で発生した過酸化水素が陽極側に移動して分解されないことを満足すればよい。通常使われるポリプロピレン製の濾布等が適している。なお隔膜として最近はイオン交換膜を使用することが多く、本プロセスにも使用出来る。この場合はHO2 - イオンの透過を防ぐために、陽イオン交換膜が望ましい。ただイオン交換膜は一般に高価であるので、作用を考えた上で選択することが重要である。
陰極室(電解液室)については特には指定されないが、槽電圧を低下して消費電力を低減するためには電極間距離を小さくした方がよいこと、また部分的であれ生成過酸化水素の濃度が低いほど電流効率が高くなること、また陰極表面に生成した水酸イオンによるアルカリ土類金属塩の沈殿を防ぐために、海水の流速が5〜100cm/sec程度になる様に隔膜と陰極間の距離を調節することが望ましく、通常は3〜15mm程度が望ましい。
【0015】
陰極にはガス拡散電極を使用する。ガス拡散電極表面にガス拡散電極によって生成した水酸イオンに起因するアルカリ土類金属水酸化物の生成、それによる電極の遮蔽が起こらないように、このガス拡散電極は平滑であることを要するので、いわゆる電極面全面に対して裏側からガスを供給するいわゆる半疎水性ガス拡散電極を使用する。通常この形のガス拡散電極は、液との接触面である親水性の反応層まではガスを供給するが、そこでガスが消費されるために、また余分なガスを液中に放出して気泡による液抵抗を増加することがないようにするために、ガス拡散電極自身を密にしてガス流通に対する圧力損失を大きく取るようにしている。
【0016】
しかしながら、本プロセスにおいてはそれではガス拡散電極表面に析出物が生成し閉塞する可能性があるので、この析出物をガスで除去できるように、電極内部から電極面にガスが透過するような構造にする。当然ガス室に液が入ると、ガス流路を閉塞する可能性があるために、それを防いだものとする。具体的にはガス電極のガス室側のガス拡散層の撥水性を上げると共に、その撥水性の許で液が透過しない程度にポアサイズを大きくする。そのようなガス拡散層としては、例えば、PTFE繊維で作った不織布(これはフィルターとしてよく使われる)を基材にそれにカーボンブラックとフッ素樹脂からなる塗布液を塗布し焼結することによって得られる。
さらにこれの表面に通常と同様にしてカーボンブラックとフッ素樹脂の反応層を形成してガス拡散電極を作る。過酸化水素生成の場合の電極物質はカーボン又は金が望ましいので、このまま又は表面に金を担持してガス拡散電極を完成させる。
ガス拡散電極を通して、付着物の除去のために液中に流すガスの量は特に限定されないが、析出物を飛ばすこと、生成OH- をすばやく拡散させる必要上、理論的な酸素消費量の1から20倍程度が望ましい。これは、供給酸素ガスの代わりに空気を使用し、理論量の1.2〜3倍の送気によって達成される。
【0017】
このガス拡散電極に対する通電のためには、この電極の裏側に集電体を接触させて給電しても良いが、通常行われるようにガス拡散電極中に金属メッシュを補強を兼ねて埋め込み、そこから給電しても良い。なお、この場合メッシュに生成した過酸化水素が接触する可能性があるので、これを避けるために金属表面に金鍍金を行っておくと良い。
また、別のガス拡散電極としては、マイクロフィルターとして使用される多孔性のPTFE濾紙をガス拡散層として、その表面に反応層を直接上記と同様に形成しても良い。この場合PTFEは導電性がないので、予めPTFEにグラファイトなどの導電物質を混入したものを使用したり、前記と同様に補強を兼ねて金属メッシュを反応層に入れることもできる。
但し、金属メッシュと生成OH2 - との接触により、OH2 - が分解するおそれがあるので、金属メッシュは金又は金メッキを施したものであることが望ましい。
このようにして作った電解槽の陽極室と陰極室に海水を流すようにし、ガス室には過剰の空気を供給する。酸素を流しても良いが、沈殿物の吹き払いに酸素を使うことは運転費用が上昇するので、望ましくなく、空気がよい。なお陽極で発生する酸素ガスは重要な酸素源であるので、捕集して陰極側に送るようにすることが望ましい。
【0018】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに制限されないことは言うまでもない。
【0019】
実施例1
ポリプロピレン製の濾布を隔膜とした、2室法電解槽の陰極側にガス室を設けて、3室法の電解槽を形成した。ガス室と中間室(電解液室)の間には後述するガス拡散電極を取り付けた。中間室には海水を流通するように下方に流入口を上方に排出口を設けた。なお、海水は電解槽の流入口の手前で流れを方向を直角に壁にぶつけるようにして曲げ、層流状態で電解槽内に入るようにした。
陽極室には水道水又は工業用水を供給するようにした。陽極室にはチタン製のエクスパンドメッシュを基体とし、表面に酸化イリジウムと酸化タンタルから成る被覆を行った不溶性金属電極をポリプロピレン製の隔膜に密着させて取り付けた。
【0020】
ガス拡散電極は、多孔質のグラファイト粉末を分散した導電性のPTFEシートの片面に平均粒径10μmのカーボンブラックにその40%量のPTFE樹脂を混合し220℃でホットプレスにて焼き付けたものを用いた。カーボンブラック上には塩化金の水溶液を塗布して水素気流中で200℃で加熱熱分解して金を表面に担持した。金の量は2g/m2 に相当した。
このガス拡散電極のPTFEシート側をガス室側に置き、集電体として金メッキを施したニッケルメッシュを用い、それに上記ガス電極のPTFEシート側を密着させるようにした。ガス拡散電極とポリプロピレン隔膜との距離を5mmとした。この様にして作成した電解槽の中間室には海水を流速30cm/secとなるように流し、ガス室には空気を理論量の3倍流した。
【0021】
また陽極室には水道水を充たした。このようにしてガス拡散電極を陰極として通電を行った。電流密度は10A/dm2 とした。この電解により陰極面から多量の空気が海水中に吹き出していることが認められた。これにより海水中に120ppmの過酸化水素の生成が認められた。これは理論生成量の88%であり、電流効率も88%であることがわかった。連続して100時間の電解を行ったがガス電極表面には沈殿物の生成は認められなかった。
なお、陽極室には隔膜を抜けて入った海水によるわずかな活性塩素が認められたが、その量は電流効率にして1%未満であり、実質的に無視できるものであることがわかった。
【0022】
比較例1
実施例1と同様にして海水電解槽を用意し、ガス拡散陰極としてガスに対する圧力損を大きくして実質的に海水中へはガスが出ないようにした。他は同じにして電解を行い、送気ガスを理論量に1.5倍としたところ、初期電流効率はほぼ等しい87%であったが、100時間後には電流効率が82%に低下した。この電解槽を分解したところガス拡散電極の表面に白色の沈殿が認められた。なお、陽極側は実施例1と同じく極わずかな活性塩素が生成したのみであった。
【0023】
実施例2
1室法電解槽の陰極側にガス室を設けて、2室法の電解槽を形成した。ガス室と中間室の間には金の被覆を行わなかった以外実施例1と同じにして製作したガス拡散電極を取り付けた。
また、陽極としてチタン基材表面にルテニウムとスズの酸化物からなる被覆を有する不溶性金属電極の表面に電解によりβ酸化マンガンを付けたものを用い、その表面にポリプロピレン製の濾布で作った袋をかぶせたものを設置した。つまり陽極室は実質的にこの袋の中となるようにした。この袋に入った陽極を入れた電解室には海水を流通するように下方に流入口を上方に排出口を設けた。なお海水は電解槽の流入口の手前で流れを方向を直角に壁にぶつけるようにして曲げ、層流状態で電解槽内に入るようにした。ガス拡散電極とポリプロピレン隔膜との距離を5mmとした。この様にして作成した電解槽中の中間室には海水を流速30cm/secとなるように流し、ガス室には空気を理論量の3倍流した。
【0024】
陽極室であるポリプロピレン製の袋の中には電解液を入れなかったが、電解室への海水の注水と同時に濾布を通って海水が流入し、電解が可能となった。電流密度10A/dm2 で電解を行ったところ、実施例1と同じく海水中に約120ppmの過酸化水素の生成が認められた。電流効率は87%であった。
また海水中の活性塩素濃度は生成した過酸化水素により分解されるためかほぼゼロであった。300時間の連続運転を行ったが陰極ガス拡散電極表面への沈殿物の生成は全く認められなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に挙げる効果を得ることができる。
(1)簡単な構造を有する電解槽を使用し海水を電解して安定して過酸化水素を生成することが出来るようになった。
(2)海水に生物の成長が抑えるのが簡単に、かつコスト的に安くできるようになった。
(3)長時間の連続電解によっても陰極表面にカルシウムやマグネシウム水酸化物の生成がほとんど起こらないこと、それによる電流効率の低下などの影響はほとんど見られなかった。
(4)また活性塩素の生成がほとんどないので、活性塩素によるトリハロメタンなどの有害物質の精製も実質的に認められず環境への影響も最小であることが確認された。
Claims (5)
- ガス拡散電極によってガス室と電解液室とに分画し、前記電解液室を隔膜によって陽極室と陰極室に分けた三室法電解槽を使用し、陽極室内に陽極として不溶性金属電極を設置し、前記ガス拡散電極を陰極として有する陰極室に海水を流し、ガス室には空気を供給しながら電解を行い、海水中に過酸化水素を生成する電解装置であって、ガス室に供給された供給ガスの少なくとも一部が前記ガス拡散電極を通って海水中に拡散するようにしたことを特徴とする過酸化水素製造装置。
- 前記ガス拡散電極が電極物質を担持した親水層と撥水性のガス拡散層からなるいわゆる半疎水性ガス拡散電極であり、前記電極物質が炭素及び/又は金であることを特徴とする請求項1記載の過酸化水素製造装置。
- 前記ガス拡散電極が多孔性のPTFEシート上に親水性の炭素からなる三次元的広がりを有する電極物質を担持したものであることを特徴とする請求項1記載の過酸化水素発生装置。
- 前記陽極からの発生ガスを前記ガス室への供給空気に混合することを特徴とする請求項1記載の過酸化水素製造装置。
- 前記陽極が、チタン基材上に白金族金属を有する複合酸化物を担持し、さらにその表面に酸化マンガンを被覆した電極物質からなる不溶性金属電極であることを特徴とする請求項1記載の過酸化水素製造装置。
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