JP3724889B2 - プラント起動スケジュール計算装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電所などのプラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
起動スケジュールを決定する従来技術として、たとえば、山口昭治「蒸気タービンの新しい起動方式」、「火力原子力発電」誌、Vol.30,No.3,pp.235-245,1979年3月(以下、「文献1」という)に示されるものがある。
【0003】
発電プラントにおける起動スケジュール決定の目的は、寿命消費をできるだけ少なくするためにタービン起動中における発生熱応力を所定値以内に抑え、起動時間の短縮を図るように各起動段階における所要時間を決定することにある(文献1:第236頁、左3行目から5行目まで。同頁右13行目から15行目まで。第235頁、右2行目から8行目まで)。
【0004】
起動スケジュールの一例は、文献1の第238頁、第4図に示されている通りである。同図に示されているように、タービン起動条件、例えば主蒸気温度、主蒸気圧力、タービン第1段内面メタル温度などが与えられて、各起動段階における所要時間、すなわち昇速率やヒートソーク時間、負荷上昇率などの変数により構成される起動スケジュールを決定するものである。このように決定された起動スケジュールによるタービンの起動手順は、文献1の第235頁、第1図に示されている。
【0005】
従来、起動スケジュール計算は、文献1の第4図に示されているようなミスマッチ・チャートを予めコンピュータに記憶させることにより行われる。具体的な構成例を図22に示す。図22において、文献1の第4図に相当するミスマッチ・チャートは、図22のミスマッチ・チャート記憶手段2203に予め記憶されている。さらに図22において、計算手段2202は入力手段2201から温度や圧力などの起動条件が入力されて起動スケジュールを計算し、その結果を計算結果出力手段2204に出力する。このように計算された結果は運転員に示され、運転員がそれに従ってプラントを起動する。また、その結果はプラントの自動化システムに出力され、その自動化システムによってプラントの自動起動制御が行われる。
【0006】
上述の従来技術では、ミスマッチ・チャートを人間が設計する必要があり、設計者の負担が大きすぎる。また起動スケジュールの設計は人間の経験やノウハウに頼るため、望ましい起動スケジュール、すなわち与えられた熱応力制限範囲内における、より短時間の起動スケジュールの設計を行うため、豊富な知識を必要とするばかりでなく、設計のための試行錯誤を数多く繰り返す必要がある。したがって、より望ましい起動スケジュールを設計しようとすればするほど設計者の負担が大きくなる。設計のための試行錯誤とは、経験やノウハウに基づいて起動スケジュールを設計し、設計した結果をシミュレーションにより予測し、予測熱応力の確認を行うことの繰り返しである。予測熱応力と熱応力制限値により、経験とノウハウを用いてスケジュールを修正し、その結果により再度シミュレーションを行う。その結果により必要に応じて再度修正を行う。以上の繰り返しにより、起動スケジュールの設計が完了する。
【0007】
以上の従来技術を踏まえて、人間の経験やノウハウなど知識をベースとした設計方式の代わりに、確率的な探索方式を用いることにより設計者の負担を軽減するとともに、より短時間で起動スケジュールを設計し得ることを意図して、本出願人は図23に示すような発電プラント起動スケジュール計算装置をすでに提案した(特願平7−93159号)。
【0008】
図23の発電プラント起動スケジュール計算装置においては、初期起動スケジュール生成手段2301で1回目の発電プラント起動スケジュールを生成する。起動スケジュール計算手段2302は、1回目は初期起動スケジュール生成手段2301から、また2回目以降は後述の新起動スケジュール生成手段2306から、それぞれ起動スケジュールを入力し、その入力データに基づいて発電プラントの起動時間を計算し、起動時に発生する発電プラントの構成機器であるタービンの熱応力をシミュレーション計算により予測計算する。短時間起動スケジュール選択手段2303は、一方では起動スケジュール計算手段2302から起動スケジュールとそれに対応する起動時間と予測熱応力とを入力し、他方では制限熱応力記憶手段2307からそれに記憶された制限熱応力を入力し、予測熱応力を制限熱応力と比較し、前者の予測熱応力が後者の制限熱応力以下である場合、短時間起動スケジュール記憶手段2304に記憶された短時間起動スケジュールの起動時間を入力し、起動スケジュール計算手段2302から入力された起動時間と短時間起動スケジュールの起動時間とを比較し、前者が後者よりも短い場合、前者の起動スケジュールと起動時間を短時間起動スケジュール記憶手段2304に記憶された短時間起動スケジュールと起動時間に上書き更新する。起動時間換算手段2305は起動スケジュール計算手段2302から起動スケジュールの起動時間と予測熱応力を入力し、制限熱応力記憶手段2307から制限熱応力を入力し、予測熱応力と制限熱応力から起動時間に換算し、換算起動時間を求める。新起動スケジュール生成手段2306は起動スケジュール計算手段2302から起動スケジュールを入力し、起動時間換算手段2305から換算起動時間を入力し、起動時間の短い起動スケジュールを確率的に生成する。
【0009】
このようにして求めた起動スケジュールを起動スケジュール計算手段2302にフィードバックし、手段2302〜2307による処理操作を繰り返すことにより、予測熱応力が制限熱応力以下になるように、短時間起動スケジュールを逐次的に求める。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べた起動スケジュール計算方式では、繰り返し計算により短時間起動スケジュールを逐次計算により求める。従って繰り返し回数が多くなればなるほど計算に時間がかかる。計算された短時間起動スケジュールをプラント起動操作に適用する場合、その計算時間はプラントの運転を渋滞なく円滑に遂行するためできるだけ短いことが望まれる。図23に示される従来の起動スケジュール計算方式では、初期起動スケジュールはランダムに生成される。ランダムに生成された初期起動スケジュールは、短時間起動スケジュールから離れる場合、すなわち、両者が非常に異なる場合がある。一般的に、初期起動スケジュールが短時間起動スケジュールと異なれば異なるほど、短時間起動スケジュールを求めるための繰り返し回数が多くなる。そのため、初期起動スケジュールをランダムに生成する従来技術では、長い計算時間がかかることがある。
【0011】
従って本発明は、初期起動スケジュールのランダム生成の代わりに、短時間起動スケジュールに近似した初期起動スケジュールを生成し、より短い計算時間で短時間起動スケジュールを計算し得るプラント起動スケジュール計算装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、プラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置において、プラント起動スケジュールの計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を記憶する短時間起動スケジュール関係記憶手段と、短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、計算条件入力手段により入力された計算条件と短時間起動スケジュール関係記憶手段により記憶される計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を用いて、短時間起動スケジュールを確率的な探索法により所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段とを備えたものである。
【0013】
請求項2記載の発明は、プラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置において、短時間起動スケジュールを計算するにあたって、計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を学習する短時間起動スケジュール学習手段と、短時間起動スケジュール学習手段により学習された計算条件と、それに関連する短時間起動スケジュールとの関係を記憶する短時間起動スケジュール関係記憶手段と、短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、計算条件入力手段により入力された計算条件と短時間起動スケジュール関係記憶手段により記憶される計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を用いて、短時間起動スケジュールを所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段とを備えたものである。
【0014】
請求項3記載の発明は、プラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置において、前回計算された短時間起動スケジュールを記憶する前回短時間起動スケジュール記憶手段と、短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、計算条件入力手段により入力された計算条件と前回短時間起動スケジュール記憶手段により記憶される前回短時間起動スケジュールを用いて、短時間起動スケジュールを所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段とを備えたものである。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載のプラント起動スケジュール計算装置において、短時間起動スケジュール学習手段の学習過程において生成された起動スケジュールおよび前記生成された起動スケジュールに基づいて計算された結果を記憶する過去起動スケジュール記憶手段と、短時間起動スケジュール学習手段の学習過程において生成された起動スケジュールから予想熱応力を計算する前に、生成された起動スケジュールを過去起動スケジュール記憶手段に記憶されている過去起動スケジュールと比較し、その結果、過去起動スケジュールが生成された起動スケジュールと同じである場合、過去起動スケジュールの計算結果を使用する起動スケジュール再利用手段とをさらに備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(請求項1の発明の実施の形態)
図1は請求項1の発明の実施の形態を示すものである。図1の発電プラント起動スケジュール計算装置100は、短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段101と、プラント起動スケジュールの計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を記憶する短時間起動スケジュール関係記憶手段102と、計算条件入力手段101により入力された計算条件と短時間起動スケジュール関係記憶手段102により記憶される計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を用いて、短時間起動スケジュールを確率的な探索法により所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段103とを備えている。
【0017】
計算条件入力手段101は、最初は、短時間起動スケジュール計算手段103で行われる計算に必要な計算条件を入力するものである。短時間起動スケジュール関係記憶手段102は計算条件と短時間起動スケジュールとの対応関係を記憶するものである。短時間起動スケジュール計算手段103は、計算条件入力手段101から計算条件を入力し、短時間起動スケジュール関係記憶手段102からそれに対応する短時間起動スケジュールを入力し、それを初期起動スケジュールとして出力する。以降は、発電プラント起動時に発生する予測熱応力を与えられる制限熱応力以内となるように確率的な探索により短時間起動スケジュールを逐次的に計算する。
【0018】
計算条件入力手段101によって入力される計算条件は、図2に計算条件データ構成例204として例示するように、制限熱応力NRσh、ボイラ蒸気温度NRTsteam h、およびタービンロータメタル温度NRTrotor hから構成される。
【0019】
短時間起動スケジュール関係記憶手段102の具体例を図2に短時間起動スケジュール関係記憶手段200として示す。計算条件と短時間起動スケジュールとの対応関係は、図2に示すように、複数(図示の場合は1〜m)の要素からなる計算条件202と各計算条件に対応する短時間起動スケジュール203として記憶されている。計算条件202および短時間起動スケジュール203のデータ構成例がそれぞれ計算条件データ構成例204および短時間起動スケジュールデータ構成例205として示されている。計算条件データ構成例204として示すように計算条件は、制限熱応力NRσ、ボイラ蒸気温度NRTsteam 、およびタービンロータメタル温度NRTrotor からなっている。短時間起動スケジュールデータ構成例205として示すように短時間起動スケジュールは、変数Xの値RX(ただし、i=1,2,…,10)からなっている。ここで、変数Xはタービン通気目標温度、Xはタービン昇速率、Xはタービン低速保持時間、Xはタービン高速保持時間、Xは初負荷保持時間、X〜X10は昇負荷率をそれぞれ表わす。本発明は、これらの起動スケジュール変数Xを操作し、予測熱応力最大値σが制限熱応力σ以内となるように起動時間Tをできるだけ短くしようとするものである。図2に示す計算条件202と短時間起動スケジュール203の関係は、例えば人間のマニュアル設定によるものである。この場合、各計算条件202に対応して、予測熱応力最大値σが制限熱応力σ以内となるように、起動時間Tの短い短時間起動スケジュール203またはそれに近い起動スケジュールが設定される。
【0020】
図1の短時間起動スケジュール計算手段103の具体例を図3に短時間起動スケジュール計算手段301として示す。短時間起動スケジュール計算手段301は初期起動スケジュール作成手段302および短時間起動スケジュール逐次計算手段303から構成される。初期起動スケジュール作成手段302は、計算条件入力手段101によって入力された計算条件(図2:データ構成例204参照)を、短時間起動スケジュール関係記憶手段200(図2参照)から入力し、初期起動スケジュールを作成する。短時間起動スケジュール逐次計算手段303は、初期起動スケジュール作成手段302から初期起動スケジュールを入力し、確立的探索により短時間起動スケジュールを求める。短時間起動スケジュール逐次計算手段303の内部構成は、図25に示した発電プラント起動スケジュール計算装置から初期起動スケジュール生成手段2301を除外したものと基本的に同じである。
【0021】
図3の計算装置の作用を説明するに、まず計算条件入力手段101によって計算条件データ構成例204に示される制限熱応力NRσ、ボイラ蒸気温度NRTsteam 、およびタービンロータメタル温度NRTrotor が入力される。これらの計算条件は、人間のマニュアル入力によるか、後者の2入力温度NRTsteam ,NRTrotor に関してはプラント起動開始時のデータであり、プロセスデータ入力を利用することによって求めることができる。制限熱応力に関しても、起動モード、すなわち、例えばプラント起動時のタービンロータ温度によって決まる場合は、プラント起動時のタービンロータ温度を入力し、予め設定される制限熱応力とプラント起動時のタービンロータ温度との関係を利用して制限熱応力を求めることができる。図4は、このような制限熱応力とプラント起動時のタービンロータ温度との関係例400を示すものである。この場合、このような関係例400は人間により予めマニュアル設定され、計算条件入力手段101に記憶される。
【0022】
初期起動スケジュール作成手段302は、短時間起動スケジュール探索の始まる点を生成するものである。または、探索の始まる点の数n、すなわち初期起動スケジュールの数nが複数の場合と1個の場合とがある。本発明の初期起動スケジュール作成手段302は必要な初期起動スケジュールの数nを生成する。
【0023】
図5は初期起動スケジュール作成手段302の詳細を示すものである。図5において、初期起動スケジュール作成手段302の初期処理記憶手段511は、探索に必要な起動スケジュールの数nを記憶する。このnは、人間のマニュアル設定によるものである。入力部501は初期処理手段512から探索に必要な起動スケジュールの数nを、計算条件入力手段101から計算条件すなわち制限熱応力NRσ、プラント起動開始時のボイラ蒸気温度NRTsteam 、およびタービンロータメタル温度NRTrotor (以下、これらの条件を起動スケジュール計算条件という)を、短時間起動スケジュール関係記憶手段200から計算条件と短時間起動スケジュールとの関係が入力される。
【0024】
図5の距離計算部502は計算条件入力手段101から入力された計算条件と短時間起動スケジュール関係記憶手段200から入力された各計算条件との積を計算する。すなわち、起動スケジュール計算条件と計算条件202の条件1,2,…,条件mとのそれぞれの距離を求める。距離計算にあたっては、計算条件の値を計算条件定数テーブル508を用いて、値“0”または“1”をとるように正規化する。計算条件定数テーブル508の構成例を図6に示す。すなわち、計算条件定数テーブル508は、各計算条件601の値をとり得る範囲の上限レンジ602と下限レンジ603を規定する。図6において、上限レンジはUPPER で示され、下限レンジはLOWER で示され、さらに制限熱応力はσで、ボイラ蒸気温度はTsteam で、タービンロータメタル温度はTrotor でそれぞれ区別されている。
【0025】
計算条件入力手段101から入力される起動スケジュール計算条件、制限熱応力σの値をXσとすると、正規化された制限熱応力σの値NXσは、
NXσ=(UPPER σ−Xσ)/(UPPER σ−LOWER σ)…(1)
で与えられる。
【0026】
その他の計算条件の値も同様にそれぞれの計算条件に対応した上限レンジおよび下限レンジによって正規化される。
【0027】
計算条件入力手段101から入力される起動スケジュール計算条件、すなわち制限熱応力、ボイラ蒸気温度、およびタービンロータメタル温度のそれぞれの正規化された値をNXσ、NXTsteam およびNXTrotor とし、短時間起動スケジュール関係記憶手段200から入力されるm個の計算条件202のそれぞれの制限熱応力、ボイラ蒸気温度、およびタービンロータメタル温度は、正規化された値とし、そのh番目の計算条件204の正規化された値をNRσh、NRTsteam h、NRTrotor hとすると(図2参照)、距離計算部502は次式により計算条件入力手段101の起動スケジュール計算条件と短時間起動スケジュール関係記憶手段200のh番目の計算条件との距離Dhを求める。
Dh=|NXσ−NRσh|+|NXTsteam −NRTsteam h| +|NXTrotor −NRTrotor h| …(2)
k近傍選択部503は、距離計算部502からm個の距離Dh(h=1,2,…,m)を入力し、その中から距離の最も短い、すなわちDhの値が最も小さい順にk個の距離Dhに対応したk個の短時間起動スケジュール2032を選択する。ただし、kは人間により設定される整数値であって、0<k≦mである。
【0028】
次に第1番目初期起動スケジュール生成部504は、k近傍選択部503により選択されたk個の短時間起動スケジュールを用いて、第1番目の初期起動スケジュールを生成する。ここで、生成にあたって次の二つのケースがある。
【0029】
(ケース1)=選択されたk個の短時間起動スケジュールの中で、計算条件入力手段101から入力された起動スケジュール計算条件との距離Dh=0となる短時間起動スケジュールが存在する場合:
この場合、計算条件入力手段101から入力される起動スケジュール計算条件が対応する短時間起動スケジュール203と一致するので、対応する短時間起動スケジュール203の変数RXhを第1番目の初期起動スケジュールX1とすれば、このX1は次式により与えられる。
1=RXh …(3a)
ただし、i=1,2,…,10であり、hはDh=0に対応する番号である。
【0030】
(ケース2)=選択されたk個の短時間起動スケジュールの中で、計算条件入力手段101から入力された起動スケジュール計算条件との距離Dh=0となる短時間起動スケジュールが存在しない場合:
この場合、RXh(ただし、i=1,2,…,10の値をとり、hはk個の短時間起動スケジュールに含まれる起動スケジュールの番号)はk個の短時間起動スケジュールに含まれる起動スケジュールの変数であるとすれば、第1番目の初期起動スケジュールX1は次式により与えられる。
1=Σ(RXh(1/Dh))/Σ(1/Dh) …(3b)
ただし、i=1,2,…,10であり、hはk個の短時間起動スケジュールに含まれる起動スケジュールの番号である。
【0031】
第1番目初期起動スケジュール生成部504は以上により生成された第1番目の初期起動スケジュールX1を起動スケジュール記憶手段510に記憶させる。図7は起動スケジュール記憶手段510に記憶される起動スケジュールの変数テーブルの構成例を示すものである。第1番目初期起動スケジュール生成部504により生成された第1番目初期起動スケジュールX1は、図7の第1番目初期起動スケジュール変数テーブル702に記憶される。
【0032】
さらに図5のカウンタ初期化手段505、カウントアップ手段506、および第j番目初期起動スケジュール生成部507での繰り返し処理により、第1番目の初期起動スケジュールを合せて、合計n個の初期起動スケジュールが生成される。
【0033】
第j番目初期起動スケジュール生成部507は起動スケジュール記憶手段510に記憶される第1番目の初期起動スケジュールX1(ただし、i=1,2,…,10)の近傍に第j番目初期起動スケジュールXj(ただし、i=1,2,…,10)をプラント起動スケジュール定数テーブル509を用いて生成する。第j番目初期起動スケジュール生成部507およびプラント起動スケジュール定数テーブル509の詳細構成をそれぞれ図8および図9に示す。
【0034】
図9において、第j番目初期起動スケジュール対象変数選択手段801は起動スケジュール記憶手段510に記憶される第1番目初期起動スケジュールの変数X1(ただし、i=1,2,…,10)を第j番目初期起動スケジュールの変数Xj(ただし、i=1,2,…,10)に対して、確率Pselect(i) で一つだけ選択する。
Pselect(i) =size-of-xi/(Σsize-of-xi) …(4)
ただし、Σ計算は、i=1から10までとする。
【0035】
ここで、size-of-xiとは、初期起動スケジュール作成手段302(図3)に記憶されるプラント起動スケジュール定数テーブル509(図9)の変数のとり得る値の範囲によって規定される変数のとり得る値の個数であり、以下これをその変数の空間サイズという。例えば、主蒸気温度Xは540−300+1=241通りの値をとることができ、主蒸気温度の空間サイズすなわちsize-of-xi=241である。各変数Xに対する空間サイズsize-of-xiは予め初期処理記憶手段511に設定するか、初期処理手段512(図5)が起動スケジュール定数テーブル509(図9)の変数のとり得る値によって計算し、その計算結果を予め初期処理記憶手段511に記憶することができる。
【0036】
式(4)により、空間サイズsize-of-xiが大きいほど、対応する変数Xは高い確率Pselect(i) で選択され、対応する空間が多く探索されることになる。
【0037】
第j番目初期起動スケジュール近傍選択手段802(図8)は第j番目初期起動スケジュール対象変数選択手段801により選択された起動スケジュール変数Xに対して、その値Xjをその近傍に遷移させる。ここで、近傍に遷移させるというのは、その値を現在値の隣の値に遷移させることである。例えば、主蒸気温度の場合、現在の値が302度であれば、その近傍の値は301度または303度である。どちらに遷移するか、すなわち301度にするか、303度にするかは、確率0.5で行う。さらに、現在の値はプラント起動スケジュール定数テーブル509(図9)の変数とり得る値の境界にある場合、例えば主蒸気温度の現在値が300度にある場合、確率1で境界内に、すなわち301度に遷移させるものとする。
【0038】
第j番目初期起動スケジュール更新手段803は、第j番目初期起動スケジュール近傍選択手段802によって得られた初期起動スケジュールXj(ただし、i=1,2,…,10)を起動スケジュール記憶手段510の第j番目初期起動スケジュール変数テーブル703(図7)に上書き更新する。図7において、符号701はここの起動スケジュール702に対応した番号である。
【0039】
以上の処理により、初期起動スケジュール作成手段302は、n個(n≧2)の初期起動スケジュールを作成し、その結果を起動スケジュール記憶手段510に記憶する。
【0040】
短時間起動スケジュール逐次計算手段303は起動スケジュール記憶手段510に記憶されるn個の初期起動スケジュールを確率的探索により、発電プラント起動時に発生する予測熱応力を与えられる制限熱応力以下となるように短時間起動スケジュールを逐次的に求める。
【0041】
(請求項1の発明の実施の形態の効果)
一般的に起動スケジュールの計算条件が相似すればするほど、対応する短時間起動スケジュールは相似する。例えば、ホット起動の場合、すなわちボイラ蒸気温度とタービンロータメタル温度が高い場合や、制限熱応力が緩い場合、対応する短時間起動スケジュールは最大昇速率、最大負荷率および最小保持時間に近い起動スケジュールとなり、またコールド起動の場合、すなわちボイラ蒸気温度とタービンロータメタル温度が低い場合や、制限熱応力が厳しい場合、対応する短時間起動スケジュールは最小昇速率、最小負荷率および最大保持時間に近い起動スケジュールとなる。
【0042】
本実施の形態は、このような特徴を利用し、与えられる計算条件と予め記憶された短時間起動スケジュールとその計算条件との関係を用いて、近似する短時間起動スケジュールまたはその近傍の起動スケジュールを求め、それを短時間起動スケジュールとする。初期起動スケジュールが短時間起動スケジュールに近似すればするほど、容易に、すなわち少ない探索ステップで、短時間起動スケジュールを探索することができる。
【0043】
従って、本実施の形態によれば、より短い計算時間で短時間起動スケジュールを求めることができる。
【0044】
(請求項2の発明の実施の形態)
図10は請求項2の発明の実施の形態による発電プラント起動スケジュール計算装置1000を示すものである。本実施の形態と請求項1の発明の実施の形態との相違点は、ここには短時間起動スケジュール学習手段1002が付加されていることである。図10において、短時間起動スケジュール学習手段1002は、計算条件と短時間起動スケジュールとの関係を学習し、その結果を短時間起動スケジュール関係記憶手段1001に記憶する。短時間起動スケジュール計算手段1003は、計算条件入力手段101から計算条件を入力し、短時間起動スケジュール関係記憶手段1001から計算条件と短時間起動スケジュールとの関係を入力し、短時間起動スケジュールを逐次的な計算により求める。
【0045】
図11に短時間起動スケジュール学習手段1002の詳細構成を示す。同図において、学習用計算条件記憶手段1101は複数な計算条件を記憶する。計算条件切り替え手段1112は学習用計算条件記憶手段1101から学習用計算条件を順次入力する。短時間起動スケジュール関係連結手段1102は、入力された学習用計算条件と重みWuv1104に基づいて、起動スケジュール変数Xのとり得る値のそれぞれの確宰Pxi,ri (以下、これを単に起動スケジュール変数値確率という)を計算する。ただし、i=1,2,…,10で、r=1,2,…である。起動スケジュール変数選択手段1108は、起動スケジュール変数Xのとり得る値の中から確率Pxi,ri に従って一つの値を選択し、それを該当する起動スケジュール変数Xの値とする。起動スケジュール計算手段1109は起動スケジュール変数選択手段1108によって決定された起動スケジュールのシミュレーション計算を行い、対応する予測熱応力最大値σと起動時間Tを計算する。学習評価手段1111は、前記の予測熱応力最大値σと起動時間Tを入力し、予測熱応力最大値σが制限熱応力σ以内で、起動時間が今までの起動時間より短い時、重みの修正要求をするため、強化信号を出力する。重み修正手段1110は強化信号により、計算条件切り替え手段1112から計算条件を、また起動スケジュール変数選択手段1108から起動スケジュール変数Xのとり得る値のそれぞれの確率Pxi,ri と選択した起動スケジュール変数Xの値を入力し、短時間起動スケジュール関係連結手段1102の重みWuv1104を更新する。以上のような処理を繰り返すことにより、計算条件と短時間起動スケジュールとの関係について学習を行う。学習結果として得られた重みWuv1104を短時間起動スケジュール関係記憶手段1001に記憶する。図12は、この短時間起動スケジュール関係記憶手段1001の詳細構成を示すものである。
【0046】
図10の短時間起動スケジュール計算手段1003の詳細構成は図13に示す。図13において、短時間起動スケジュール計算手段1003は、初期起動スケジュール作成手段1301と短時問起動スケジュール逐次計算手段303によって構成される。さらに、初期起動スケュール作成手段1301は、短時間起動スケジュール関係連結手段1102、n個起動スケジュール変数選択手段1303、起動スケジュール記憶手段510、初期処理手段512、初期処理記憶手段511、およびプラント起動スケジュール定数テーブル509から構成される。
【0047】
(請求項2の発明の実施の形態の作用)
本発明の短時間起動スケジュール学習手段1002の学習基本理論は、文献1(H.Kimura, M.Yamamura, and S.Kobayashi, "Reinforcement Learning by Stochastic Hill Climbing on Discounted Reward", Proceedings of the twelfth International Conference on Machine Learning, pp.295-303, 1995 )によるものである。学習の基本的な原理は、学習の繰り返し処理過程において、強化信号、すなわち予測熱応力最大値σが制限熱応力σ以内で、起動時間Tが今までの起動時間より短いときに生成される信号をより多く得られるように、重み1104を調整することにより、計算条件と短時間起動スケジュールとの関係を学習する。
【0048】
図11の短時間起動スケジュール学習手段1002は繰り返し処理により学習が行われるので、この繰り返し処理を、図14を参照して説明する。
【0049】
図14の学習開始ステップ1401では、重みWuv1404(図11)の初期化を行う。重みの初期化の具体例としては、各重みWuvに対して、一0.5から+0.5までの間の実数値をランダムに一つ選択する。次に、ステップ1402において学習カウンタを初期化し、1に設定する。ステップ1411から分かるように学習は規定回数まで繰り返し行うが、各回の開始のステップ1403において計算条件に対応する学習用好適起動時間初期化が行われる。各計算条件に対応する学習用好適起動時間とは、計算条件全体学習探索の繰り返し過程(ステップ1405から1410まで)で、計算条件のそれぞれに対する探索された起動スケジュールの中で、予測熱応力最大値σが制限熱応力σ以内で、起動時間Tがその中で最も短いもののことである。図15に、それぞれの学習用計算条件1502に対応した学習用好適起動時間を保存する学習用好適起動時間記憶部1503を有する学習用好適起動時間一時保存テーブル1501を示す。ステップ1403における各計算条件に対応する学習用好適起動時間初期化とは、テーブル1501を初期化することであり、例えば、学習用好適起動時間記憶部1503に十分大きい数字(最も遅い起動時間より大きい数値)を入れることである。次にステップ1405において計算条件の番号hをh=1に設定し、ステップ1409においてhをnまでカウントアップすることにより、n個学習用計算条件を順に切り替えて学習を行わせる。このステップ1405および1409は、図11の短時間起動スケジュール学習手段1002の計算条件切り替え手段1112に対応している。各学習計算条件h,h=1,2,…,nに対しては、強化信号を得るステップ1407まで学習を行うが、ステップ1408での判別において規定回数を過ぎても強化信号を得られなかった場合、その学習計算条件に対しては一度中止とする。図14の短時間起動スケジュール関係連結手段1102から重み修正手段1110までの各手段は、図11のそれぞれの同じ番号の手段に対応している。図11を参照し図14の短持間起動スケジュール関係連結手段1102の起動スケジュール変数値確率Pxi,ri 計算について説明する。この確率Pxi,ri のおのおのの変数Xに対する数は、プラント起動スケジュール定数テーブル509(図9)を参照することによって決定される。図9のプラント起動スケジュール定数テーブル509において、変数Xのとり得る値の範囲が300,301,…,540であり、変数Xのとり得る値の数は、540−300+1=241通りであるので、確率Px1,r1 の数は241、すなわち、r=0,1,…,240である。同様に、確率Px2,r2 の数は3で、r=0,1,2である。確率Pxi,ri を出力層1107の各出力ユニット1114に対応させ、Y2vを出力層1107の各出力ユニット1113に対応した値とすると、確率PPxi,ri およびY2vは次の様に対応関係づけられる。
【0050】
x1,0 …Y2,1
x1,1 …Y2,2

x1,240…Y2,241
x2,0 …Y2,242
x2,1 …Y2,243

xi,ri …Y2,v

x10,0 …Y2,size-of-x-3
x10,1 …Y2,size-of-x-2
x10,2 …Y2,size-of-x-1
x10,3 …Y2,size-of-x …(5a)
ただし、size-of-x は、各起動スケジュール変数Xのとり得る値の数size-of-Xの合計size-of-X=Σsize-of-Xである。
【0051】
確率Pxi,ri に対応した中間変数P′xi,ri を設定すると、確率Pxi,ri は以下により計算される。
xi,ri =P′xi,ri /(ΣriP′xi,ri ) …(5b)
ただし、
P′xi,ri =exp (Y2,v ) …(5c)
2,v =Σ1,u ×Wuv …(5d)
1,1 =Nσ
1,2 =NTsteam
1,3 =NTrotor …(5e)
ここで、Y1,u ,u=1,2,3は、入力層1105の各入力ユニット1113の値を表わし、それぞれは学習条件、熱応力Nσ、ボイラ蒸気温度NTsteam およびタービンロータメタル温度NTrotor に等しい。
【0052】
図14の起動スケジュール変数選択手段1108は、式(5b)により決定される確率に基づいて、起動スケジュール変数X,i=1,2,…,10を決定する。図11を参照して説明すると、起動スケジュール計算手段1109は、起動スケジュール変数選択手段1108によって決定される起動スケジュール変数X,i=1,2,…,10と対応する計算条件を用いてシミュレーション計算し、予測熱応力の最大値σと起動時間Tを計算する。
【0053】
学習評価手段1111では次の二つのケースの処理をする。
(ケース1)=起動スケジュール計算手段1109により計算された予測熱応力の最大値σが対応する計算条件の制限熱応力σ以内で、起動時間Tが学習用好適起動時間一時保存テーブル1501の記憶部1503に記憶される対応する計算条件の学習用好適起動時間より短い場合:
* 起動スケジュール計算手段1109により計算された起動時間Tを対 応する計算条件の学習用好適起動時間記憶部1503に上書きする。
* reward=const-reward。ただし、const-reward>0は強化信号定数で ある。
【0054】
(ケース2)ケース1でない場合:
* reward=0
図14の重み修正手段1110は、次により重みWuvの更新を行う。
uv←Wuv+a×reward×ΔWuv …(6a)
ただし、u=1,2,3で、v=1,2,…,size-of-Xで、a>0は学習率である。変数X=1,2,…,10のとり得る値の中で第r、r=0,1,…,size-of-X番目の値が起動スケジュール変数選択手段1108により決定されたとすると、偏微分演算子を便宜上δと表記して、
ΔWuv=δln(P′xi,ra )/δWuv …(6b)
ここで、
=rなら、ΔWuv=Y1,u (1−Pxi,ri
ri≠rなら、ΔWuv=Y1,u (−Pxi,ri
となる。
【0055】
判定手段1407での判定により、強化があった時、すなわち、reward>0の時、対応する計算条件が強化学習されたとして、次のステップ1409の計算条件の学習に入り、計算条件カウントアップのステップ1109へブランチする。判定手段1407での判定により強化がなかった時、すなわち、reward=0の時は、対応する計算条件が再び強化学習を必要として、ステップ1408の計算条件h個別学習探索カウンタへブランチする。
【0056】
以上の繰り返し処理により、各計算条件に対応した短時間起動スケジュールを探索しながら。各計算条件と対応する短時間起動スケジュールとの関係を学習する。ステップ1112における学習終了により、図11の短時間起動スケジュール関係記憶手段1001の処理に入る。短時間起動スケジュール関係記憶手段1001は、短時間起動スケジュール学習手段1002により学習した重みWuvを図12に示されるようなテーブル1104に記憶する。
【0057】
学習後の短時間起動スケジュール計算手段1003の具体例が図13に示されている。図13の短時間起動スケジュール計算手段1003において、初期起動スケジュール作成手段1301は短時間起動スケジュール関係記憶手段1001に記憶される計算条件と短時間起動スケジュールとの関係を表わす重みWuvと計算条件入力手段101からの計算条件により初期起動スケジュールをn個作成する。
【0058】
図11の短時間起動スケジュール学習手段1002の説明と同様に、起動スケジュール変数値確率をPxi,ri (ただし、r=0,1,…,size-of-xi)とすると、Pxi,ri は式(5)により与えられる。ただし、Y1,u ,u=1,2,3は、入力層1105の各入力ユニット1113の値を表わし、それぞれは計算条件入力手段101により与えられる計算条件である熱応力Xσ、ボイラ蒸気温度XTsteam およびタービンロータメタル温度XTrotor に等しい。
【0059】
n個起動スケジュール変数選択手段1303は式(5b)で決定される確宰に従い、n回繰り返し操作により、n個の起動スケジュール変数X=1…、10を生成し、それを起動スケジュール記憶手段510に記憶する。nは初期処理記憶手段511に予め記憶された数である。以降、短時間起動スケジュール逐次計算手段303は逐次的な処理により、短時間スケジュールを計算する。短時間起動スケジュール逐次計算手段303は請求項1の場合と同様であり、請求項1の実施の形態において説明したのと同様な作用により、短時問スケジュールを求める。
【0060】
(請求項2の発明の実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、短時間起動スケジュールとその計算条件との関係を人手により作成する必要がなく、それを学習により作成することができる。学習により、短時間起動スケジュールとその計算条件との間係を作成することにより、人間の負担を軽減するとともに、人手作成による誤りを軽減することができる。
【0061】
本実施の形態では、短時間スケジュールが予め与えられなくても、短時間起動スケジュールとその計算条件との関係を学習することができるので、短時間起動スケジュールを予め準備しておく必要がなくなり、短時間起動スケジュールを予め準備するという負担をなくすことができる。
【0062】
(請求項2の発明の実施の形態の変形例)
請求項2の発明の実施の形態では、学習後の初期起動スケジュール作成に係る初期起動スケジュール作成手段1301(図13)において、n個の初期起動スケジュールが式(5)で決定される確率Pxi,ri に従って確率的に生成され、起動スケジュール記憶手段510(図7)に記憶される。
【0063】
これに対し本変形例においては、例えば、第1番目初期起動スケジュールは、確率Pxi,ri ,i=1,2,…,10;r=0,1,…,size-of-xiのそれぞれのXの中でPxi,ri が最も大きい値に対応するX,i=1,2,…,10を選択し、このようにして決定的に選択された第1番目初期起動スケジュールを起動スケジュール記憶手段510(図7)の第1番目起動スケジュール変数テーブルに記憶する。残りの第2番目初期起動スケジュールから第n番目初期起動スケジュールまでは、上述と同じように確率Pxi,ri に従って確率的に生成し、起動スケジュール記憶手段510(図7)に記憶する。
【0064】
決定的生成についてであるが、例えば確率Px2,0=0.7;Px2,1=0.2;Px2,0=0.1の場合、Px2,0が最も大きいので、0番目の値が必ずの値として選択される。図9のプラント起動スケジュール定数テーブル509により、Xに関して0番目、1番目、2番目の値とは、それぞれ120、180、360である。以上のような確率分布の場合、Xの値は必ず120である。
【0065】
次に確率的生成であるが、上記と同様に、確率Px2,0=0.7;Px2,1=0.2;Px2,0=0.1の場合、Xはそれぞれ0.7;0.2;0.1の確率で120;180;360のいずれかの値をとる。
【0066】
(請求項2の発明の実施の形態の変形例の効果)
確率的に初期起動スケジュールを生成する場合、起動スケジュール変数の対応する確率が高いにもかかわらず、初期起動スケジュールとして確率的に選択されない場合がある。学習結果により、一般的に起動スケジュール変数の対応する確率が高い場合、対応する起動スケジュールが求めようとする短時間起動スケジュールに近い。本変形例により、確宰の最も高い起動スケジュール変数に対応する起動スケジュールが必ず初期起動スケジュールに含まれるように選択されるので、このように選択された初期起動スケジュールは求めようとする短時間起動スケジュールに近似するものを含む。初期起動スケジュールが求めようとする短時間起動スケジュールに近似すればするほど、少ない繰り返し計算回数で短時間起動スケジュールを計算することができる。従って、本変形例を適用することにより、より短時問に短時間起動スケジュールを計算することができる。
【0067】
(請求項3の発明の実施の形態)
図16は請求項3の発明の実施の形態を示すものである。図16の発電プラント起動スケジュール計算装置1600は、前回計算された短時間起動スケジュールを記憶する前回短時間起動スケジュール記憶手段1602と、短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段101と、計算v件入力手段101により入力された計算条件と前回短時間起動スケジュール記憶手段1602により記憶される前回短時間起動スケジュールを用いて短時間起動スケジュールを所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段1601とを備えたものである。
【0068】
この実施の形態は、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に前回短時間起動スケジュールが記憶されると、短時間起動スケジュール計算手段1601は、計算条件入力手段101により入力された計算条件に従い、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602により記憶された前回短時間起動スケジュールを用いてまず初期起動スケジュールを生成する。以降、発電プラント起動時に発生する予測熱応力を、与えられる制限熱応力以下となるように短時間起動スケジュールを逐次的に計算する。
【0069】
前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に前回短時間起動スケジュールが記憶されなかった場合、なんらかの手段により、短時間起動スケジュールを計算し、その結果を次の回の計算のために前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に記憶する。
【0070】
短時間起動スケジュール計算手段1601は、より詳細には、図17に示すように、初期起動スケジュール作成手段1701、短時間起動スケジュール逐次計算手段303、および前回短時間起動スケジュール出力手段1702からなっている。初期起動スケジュール作成手段1701は、計算条件入力手段101により入力された計算条件に従い、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に記憶された前回短時間起動スケジュールを用いて、初期起動スケジュールを作成する。短時間起動スケジュール逐次計算手段303は、初期起動スケジュール作成手段1701から初期起動スケジュールを入力し、逐次計算により短時間起動スケジュールを作成する。前回短時間起動スケジュール出力手段1702は、短時間起動スケジュール逐次計算手段303から短時間起動スケジュールを入力し、それを前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に記憶させる。
【0071】
(請求項3の発明の実施の形態の作用)
図17の装置において、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602は短時間起動スケジュール計算手段1601により計算された短時間起動スケジュールを記憶する。前回短時間起動スケジュール記憶手段1602により記憶される短時間起動スケジュールの構成例を図18に示す。図18に示すように、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602は、短時間起動スケジュール変数X,i=1,2,…,10のそれぞれの値を記憶する。
【0072】
図17の初期起動スケジュール作成手段1701は、初期起動スケジュールを作成する。この作成の詳細処理は図19におフローに従って行われる。図19において、入力部1901は計算条件入力手段101から計算条件を入力し、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602から前回短時間起動スケジュールを入力し、初期処理手段512から起動スケジュールの個数nを入力する。計算条件は、制限熱応力、ボイラ蒸気温度、およびタービンロータメタル温度であり、これらは短時間起動スケジュール逐次計算手段303に出力される。第1番目初期起動スケジュール出力部1902は、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602から前回短時間起動スケジュールを第1番目の初期起動スケジュールX1,i=1,2,…,10として起動スケジュール記憶手段510の第1番目起動スケジュール変数テーブル702(図7)に記憶する。
【0073】
以降、第j=2,3,…,n番目初期起動スケジュールを生成するための手段505,506,507は図5および図8のものと同様であり、請求項1の場合と同様に、第1番目の初期起動スケジュールを含めてn個の初期起動スケジュールを作成し、起動スケジュール記憶手段510に記憶する。短時間起動スケジュール逐次計算手段303は、図5および図8の場合と同様に、初期起動スケジュール作成手段1701によって生成され、起動スケジュール記憶手段510に記憶されるn個の初期起動スケジュールを用いて逐次的な計算により短時間起動スケジュールを求める。
【0074】
なお、初期起動スケジュール作成手段1701の実施において、前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に前回短時間起動スケジュールが記憶されなかった場合、なんらかの手段により、短時間起動スケジュールを計算し、その結果を次の回の計算のために前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に記憶する。
【0075】
図17において、前回短時間起動スケジュール出力手段1702は短時間起動スケジュール逐次計算手段303により計算された短時間起動スケジュールを前回短時間起動スケジュール記憶手段1602に記憶し、次の短時間起動スケジュールの計算に使用する。
【0076】
(請求項3の発明の実施の形態の効果)
以上述べた発明の実施の形態によれば、前回計算した短時間起動スケジュールを用いた逐次的な計算により、現状の条件に適合した短時間起動スケジュールを計算することができる。プラント起動過程においては、プラント状態の変化に伴い、短時間起動スケジュールを周期的に計算し監視することが望まれる。短時間起動スケジュールの計算周期がプラントの状態変化に比べて大きくない場合、例えば5分周期程度であった場合、前回周期で計算した時の計算条件と今回周期の計算条件とはそれほど変化が無いので、対応する短時間起動スケジュールも相互に相似することが考えられる。一般に、計算対象とする短時間起動スケジュールに相似する起動スケジュールを用いて短時間起動スケジュールを逐次的に計算する場合、少ない繰り返し回数で短時間起動スケジュールを計算することができるので、本実施の形態によれば、前回の短時間起動スケジュールを用いることにより、より少ない計算時間で短時間起動スケジュールを計算することができる。その場合、計算周期が短ければ短いほど、すなわちプラント状態の変化が少なければ少ないほど、より大きな効果を発揮することができる。
【0077】
なお、短時間起動スケジュール計算に用いられるシミュレーションとは、プラント状態の変化をシミュレーションすることであり、シミュレーションによりシミュレートされた状態と実プラント状態の実変化とほぼ一致する場合、周期毎に計算される短時間起動スケジュールはより近似する。このような高精度のシミュレーションモデルと組み合わせることにより、本実施の形態は、より大きな効果を奏することができる。
【0078】
(請求項4の発明の実施の形態)
図20は請求項4の発明の実施の形態を示すものである。図20の発電プラント起動スケジュール計算装置2000は、図10で説明した発電プラント起動スケジュール計算装置1000に含まれる短時間起動スケジュール学習手段1002と組み合わせ、さらに起動スケジュール再利用手段2001および過去起動スケジュール記憶手段2002を備えて構成される。
【0079】
短時間起動スケジュール学習手段1002は短時間起動スケジュール学習過程で繰り返して生成された起動スケジュールと計算された対応する起動時間または予想熱応力を起動スケジュール再利用手段2001により過去起動スケジュール記憶手段2002に記憶する。短時間起動スケジュール学習手段1002は現在の起動スケジュールから起動時間または予想熱応力を計算する前に起動スケジュール再利用手段2001により過去起動スケジュール記憶手段2002に記憶されている過去の起動スケジュールを検索し、現在の起動スケジュールと同様な過去の起動スケジュールが存在する時、その起動スケジュールの起動時間または予想熱応力を使用し、短時間起動スケジュール学習手段1002の現在の起動スケジュールの計算結果とする。
【0080】
図21は図20の計算装置のより詳細な構成を示すものである。本実施の形態においては図21に示すように短時間起動スケジュール学習手段1002に含まれる起動スケジュール計算手段1109の計算結果が用いられる。起動スケジュール計算手段1109というのは、生成される起動スケジュール変数X,i=1,2,…,10と対応する計算条件を用いてシミュレーション計算し、予想熱応力の最大値σと起動時間Tを計算する。起動スケジュール計算手段1109は短時間起動スケジュール学習過程で繰り返して生成された起動スケジュール変数X,i=1,2,…,10をもとに対応する起動時間または予想熱応力を計算し、その結果は起動スケジュール再利用手段2001により過去起動スケジュール記憶手段2002に記憶する。
【0081】
起動スケジュール計算手段1109は現在の起動スケジュールから起動時間または予想熱応力を計算する前に、起動スケジュール再利用手段2001により過去起動スケジュール記憶手段2002に記憶されている過去の起動スケジュールを検索し、現在の起動スケジュールと同様な過去の起動スケジュールが存在する時、その過去の起動スケジュールの起動時間または予想熱応力を使用し、短時間起動スケジュール学習手段1002の現在の起動スケジュールの計算結果とする。
【0082】
(請求項4の発明の実施の形態の効果)
短時間起動スケジュールと計算条件との関係を学習するための繰り返し処理過程においては同様な起動スケジュールが生成される場合がある。そのような場合、本実施の形態によれば、過去の計算による起動スケジュールを再利用し、同様な起動スケジュールに対するシミュレーション計算を省くことにより、より短時間に短時間起動スケジュールと計算条件との関係を学習することができる。
【0083】
起動スケジュール計算手段1109に用いられるシミュレーション計算は学習過程において計算時間を最も要するのであるが、本実施の形態によればシミュレーション計算を省くことができるので計算時間の短縮に寄与することができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、制約条件の満足する短時間起動スケジュールを、運転員の運転時間の短縮ができると同時に、プラント機器の長寿命維持、起動に伴う起動損質減少、プラントの電力需要の変動に対する追従性を向上させることができる。
【0085】
短時間起動スケジュール計算を実プラントに応用するにあたり、実プラントの変化への追従性を向上させるために短時間で短時間起動スケジュールを計算することが望まれている。そのような要望に対し本発明は、初期起動スケジュールの生成を通して逐次的な計算方法により短時間起動スケジュールを計算するので、結果的に計算時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の概略構成を示すブロック線図。
【図2】図1における短時間起動スケジュール関係記憶手段の構成例を示す図。
【図3】図1における短時間起動スケジュール作成手段の概略構成を示すブロック線図。
【図4】タービンロータ温度と制限熱応力との関係を示す図表。
【図5】図1における初期起動スケジュール作成手段の概略構成を示すブロック線図。
【図6】計算条件の正規化のための定数テーブルの構成例を示す図。
【図7】短時間起動スケジュール計算のために生成された初期起動スケジュールを記憶する起動スケジュール記憶手段の構成例を示す図。
【図8】図7における第j番目初期起動スケジュール生成部の内部構成を示すブロック線図。
【図9】図5におけるプラント起動スケジュール定数テーブルの構成例を示す図。
【図10】発明の実施の形態2の概略構成を示すブロック線図。
【図11】図10における短時間起動スケジュール学習手段を示すブロック線図。
【図12】図10における短時間起動スケジュール関係記憶手段の構成例を示す図。
【図13】図10の短時間起動スケジュール計算手段に含まれる初期起動スケジュール作成手段を示すブロック線図。
【図14】図10における短時間起動スケジュール学習手段の作用を説明する説明図。
【図15】学習用好適起動時間一時保存テーブルの構成例を示す図。
【図16】発明の実施の形態3の概略構成を示すブロック線図。
【図17】図16における短時間起動スケジュール計算手段の詳細構成を示すブロック線図。
【図18】図16における前度短時間起動スケジュール記憶手段の構成例を示す図。
【図19】図17における初期起動スケジュール作成手段の詳細構成を示すブロック線図。
【図20】発明の実施の形態4の概略構成を示すブロック線図。
【図21】図20の装置の詳細構成を示すブロック線図。
【図22】従来の発電プラント起動スケジュール計算装置の概略構成を説明するためのブロック線図。
【図23】図22の発電プラント起動スケジュール計算装置を改良すべく提案された発電プラント起動スケジュール計算装置のブロック線図。
【符号の説明】
100 発電プラント起動スケジュール計算装置(請求項1)
101 計算条件入力手段
102 短時間起動スケジュール関係記憶手段
103 短時間起動スケジュール計算手段
200 短時間起動スケジュール関係記憶手段
201 計算条件と短時間起動スケジュール関係の構成例
202 計算条件
203 短時間起動スケジュール
204 計算条件データ構成例
205 短時間起動スケジュールデータ構成例
301 短時間起動スケジュール計算手段
302 初期起動スケジュール作成手段
303 短時間起動スケジュール逐次計算手段
400 タービンロータ温度と制限熱応力との関係を示す図表
501 入力部
502 距離計算部
503 k近傍選択部
504 第1番目初期起動スケジュール生成部
505 初期設定部(j=1)
506 カウントアップ部
507 第j番目初期起動スケジュール生成部
508 計算条件定数テーブル
509 プラント起動スケジュール定数テーブル
510 起動スケジュール記憶手段
511 初期処理記憶手段
512 初期処理手段
601 計算条件
602 上限レンジ
603 下限レンジ
701 起動スケジュール番号部
702 起動スケジュール変数テーブル部
703 起動スケジュール変数構成例
801 第j番目初期起動スケジュール対象変数選択手段
802 第j番目初期起動スケジュール近傍選択手段
803 第j番目初期起動スケジュール更新手段
901 変数のとり得る値を示す例
1000 発電プラント起動スケジュール計算装置(請求項2)
1001 短時間起動スケジュール関係記憶手段
1002 短時間起動スケジュール学習手段
1003 短時間起動スケジュール計算手段
1101 学習用計算条件記憶手段
1102 短時間起動スケジュール関係連結手段
1104 重みWuv
1105 入力層
1107 出力層
1108 起動スケジュール変数選択手段
1109 起動スケジュール計算手段
1110 重み修正手段
1111 学習評価手段
1112 計算条件切り替え手段
1113 ユニット
1114 ユニット
1200 短時間起動スケジュール関係記憶手段
1301 初期起動スケジュール作成手段
1302 短時間起動スケジュール計算手段
1303 n個起動スケジュール変数選択手段
1400 短時間起動スケジュール学習手段
1501 学習用好適起動時間一時保存テーブル
1502 学習用計算条件
1503 学習用好適起動時間
1600 発電プラント起動スケジュール計算装置(請求項3)
1601 短時間起動スケジュール計算手段
1602 前度短時間起動スケジュール記憶手段
1701 初期起動スケジュール作成手段
1702 前度短時間起動スケジュール出力手段
1901 入力部
1902 第1番目初期起動スケジュール出力部
2000 発電プラント起動スケジュール計算装置(請求項4)
2001 起動スケジュール再利用手段
2002 過去起動スケジュール記憶手段
2201 入力手段
2202 計算手段
2203 ミスマッチチャート記憶手段
2204 計算結果出力手段
2300 先願に係る発電プラント起動スケジュール計算装置
2301 初期起動スケジュール生成手段
2302 起動スケジュール計算手段
2303 短時間起動スケジュール選択手段
2304 短時間起動スケジュール記憶手段
2305 起動時間換算手段
2306 新起動スケジュール生成手段
2307 制限熱応力記憶手段

Claims (4)

  1. プラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置において、
    プラント起動スケジュールの計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を記憶する短時間起動スケジュール関係記憶手段と、
    短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、
    前記計算条件入力手段により入力された計算条件と前記短時間起動スケジュール関係記憶手段により記憶された計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を用いて、短時間起動スケジュールを確率的な探索法により所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段と
    を備えたプラント起動スケジュール計算装置。
  2. プラントの短時間起動スケジュールを計算する発電プラント起動スケジュール計算装置において、
    短時間起動スケジュールを計算するにあたって、計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を学習する短時間起動スケジュール学習手段と、
    前記短時間起動スケジュール学習手段により学習された計算条件と、それに関連する短時間起動スケジュールとの関係を記憶する短時間起動スケジュール関係記憶手段と、
    短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、
    前記計算条件入力手段により入力された計算条件と前記短時間起動スケジュール関係記憶手段により記憶される計算条件とそれに関連する短時間起動スケジュールとの関係を用いて、短時間起動スケジュールを所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段と
    を備えたプラント起動スケジュール計算装置。
  3. プラントの短時間起動スケジュールを計算するプラント起動スケジュール計算装置において、
    前回計算された短時間起動スケジュールを記憶する前回短時間起動スケジュール記憶手段と、
    短時間起動スケジュールを計算するための計算条件を入力する計算条件入力手段と、
    前記計算条件入力手段により入力された計算条件と前記前回短時間起動スケジュール記憶手段により記憶される前回短時間起動スケジュールを用いて、短時間起動スケジュールを所定の制約条件を満たすように計算する短時間起動スケジュール計算手段と
    を備えたプラント起動スケジュール計算装置。
  4. 請求項2に記載のプラント起動スケジュール計算装置において、
    前記短時間起動スケジュール学習手段の学習過程において生成された起動スケジュールおよび前記生成された起動スケジュールに基づいて計算された結果を記憶する過去起動スケジュール記憶手段と、
    前記短時間起動スケジュール学習手段の学習過程において生成された起動スケジュールから予想熱応力を計算する前に、前記生成された起動スケジュールを前記過去起動スケジュール記憶手段に記憶されている過去起動スケジュールと比較し、その結果、前記過去起動スケジュールが前記生成された起動スケジュールと同じである場合、前記過去起動スケジュールの計算結果を使用する起動スケジュール再利用手段と
    をさらに備えたプラント起動スケジュール計算装置。
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