JP3724799B2 - 血行動態測定装置、血行動態測定方法および記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管の力学的応答特性、心臓の拍出特性を含む血行動態の測定に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の血行動態測定装置における脈波振幅パターンの典型例と、患者の症状との関係を示す図である。
【0003】
従来の血行動態測定装置は、カフを腕、手首、指等に巻き付け、このカフ内部の圧力を次第に変化させ、これによって得られる脈波振幅値や脈波発生時刻に基づいて、脈波振幅パターン(カフ圧の時間微分値を時系列で表現した場合に、その最大値同士を結んだ包絡線)をグラフ化して表示するものである。
【0004】
血行動態測定装置の使用者は、測定結果に基づいて表示されている脈波振幅パターンと、図6に示す脈波振幅パターンの典型例とを対比することによって、自己の血行動態(血管の力学的応答特性と心臓の拍出特性とを包含した情報)を推測することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、測定結果に基づいて表示されている脈波振幅パターンと、図6に示す脈波振幅パターンの典型例とを対比することによって、自己の血行動態を推測することができるが、しかし、グラフ化されたパターン同士を対比するのみでは、図6に示す分類のいずれに属するものであるかを判断し難い場合がある。
【0006】
特に、被測定者の病状が軽い場合、複数の病状を有している場合には、図6に示す分類のいずれに属するものであるかを判断し難いという問題があり、また、その判断が主観的になりやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、血行動態を判断することが容易であり、また、その判断に客観性がある血行動態測定装置、血行動態測定方法、記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号(脈波成分)を時間微分し、この時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値同士を結んで包絡線を形成し、時間微分信号の値が第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算し、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算し、時間微分信号の値が第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算し、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算し、上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との差と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの差との比である特徴量を演算する血行動態測定装置である。
【0009】
【発明の実施の形態および実施例】
図1は、本発明の一実施例である血行動態測定装置BM1を示すブロック図である。
【0010】
血行動態測定装置BM1は、被測定者の腕に巻付けるカフ11と、血圧測定に必要な所定の圧力にカフ11を加圧する加圧手段12と、加圧手段12によって加圧されたカフ11内の圧力を徐々に排気する微速排気手段13と、カフ11の圧力を検出する圧力トランスデューサを含み、上記圧力を電気信号(パルス)に変換して出力する圧力 検出手段14と、圧力検出手段14からの電気信号(パルス)を一定時間内でカウントし、サンプリング信号によって上記カウントを周期的に繰返すとともに、サンプリング値をA/D変換するサンプリング手段15と、CPU20と、ROM21と、RAM22と、操作手段23と、表示装置61と、プリンタ62と、外部端子63とを有する。
【0011】
カフ11、加圧手段12、微速排気手段13、圧力検出手段14は、可撓管によって接続されている。
【0012】
CPU20は、血行動態測定装置BM1の全体を制御するものであるとともに、機能的には、ROM21に格納されているプログラムと協働して、時間微分手段16と、包絡線演算手段30と、第1の設定手段31と、第2の設定手段32と、第1最高カフ圧演算手段41と、第1最低カフ圧演算手段42と、第2最高カフ圧演算手段43と、第2最低カフ圧演算手段44と、特徴量演算手段51とを実現するものである。
【0013】
ROM21は、後述する図4に示すフローチャートのプログラムが格納されているメモリであり、RAM22は、CPU20の演算結果等を記憶するメモリであり、操作手段23は、所定のファンクションキー等を有するものである。
【0014】
また、加圧手段12と強制排気手段13と、圧力検出手段14と、サンプリング手段15とは、CPU20によって制御される。
【0015】
包絡線演算手段30は、XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手段によって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する手段である。
【0016】
第1の値設定手段31は、上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値V1を設定する手段である。
【0017】
第2の値設定手段32は、包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値V1とは異なる値である第2の値V2を設定する手段である。
【0018】
第1最高カフ圧演算手段41は、XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する手段である。
【0019】
第1最低カフ圧演算手段42は、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する手段である。
【0020】
第2最高カフ圧演算手段43は、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する手段である。
【0021】
第2最低カフ圧演算手段44は、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する手段である。
【0022】
特徴量演算手段51は、上記演算された上記第1最高カフ圧と、上記第1最低カフ圧と、上記第2最高カフ圧と、上記第2最低カフ圧とに基づいて、所定の演算を行ない特徴量を演算する手段である。
【0023】
次に、血行動態測定装置BM1の動作について説明する。
【0024】
図2は、上記実施例におけるカフ圧の変化を示す図である。
【0025】
カフ11を腕、手首、指等に巻き付け、このカフ11の内部の圧力を加圧手段12によって所定の圧力まで高め、その後、微速排気手段13によって、3〜5mmHg/秒の割合で、ほぼ直線的に減圧し、この減圧の過程で、脈波振幅成分がカフ圧に重畳される。
【0026】
図3は、上記実施例において、カフ圧を増加した後に微速減圧した場合におけるカフ圧と、カフ圧の時間微分信号の包絡線との関係の一例を示す図である。
【0027】
まず、図3の横軸に、カフ圧をとる。この場合、微速排気手段13によって、一定の速度で排気するので、時間の経過とともにカフ圧が減少する。また、図3の縦軸に、カフ圧の時間微分信号(dP/dt)をとる。時間微分信号が一定の時間毎に発生し、この時間微分信号の各ピーク値を結んで、包絡線Eが求められる。また、1つの時間微分信号と隣の時間微分信号との間は、所定の方法によって、補間される。
【0028】
次に、第1の値V1と、第2の値V2とを予め設定する。ここでは、第1の値V1として、包絡線Eのピーク値Sdpの0.7倍(K1倍)
の値(k1・Sdp)が採用されている。また、第2の値V2として、包絡線Eのピーク値Sdpの0.5倍(K2倍)の値(k2・Sdp)が採用されている。
【0029】
次に、上記実施例の具体的な動作について説明する.
血行動態測定装置BM1によって血行動態を測定する場合、具体的には、まず、カフ11を被測定者の腕に巻き、操作手段23に設けられている測定開始スイッチをオンすると、血圧測定に必要な圧力に達するまで加圧手段12がカフ11を加圧し、この加圧が停止した後、微速排気手段13によってカフ11内の空気が徐々に排気され、これにともなって脈波成分による圧力変位がカフに伝達され始める。
【0030】
圧力検出手段14が、カフ圧を周波数の変化として電気的な信号に変換し、サンプリング手段15が一定時間毎(たとえば50ms毎)にサンプリングし、このサンプリングされたカフ圧に応じてパルスを出力する。
【0031】
図4は、血行動態測定装置BM1の動作を示すフローチャートである。
【0032】
血行動態測定装置BM1において、カフ11を被測定者の上腕に巻き、電源が投入されると、RAM22の内容を初期化した後、カフ11を血圧測定に必要な圧力(上限の圧力)まで加圧し(S1〜S3)、その後、上記カフ11を徐々に排気し、この排気する過程で、脈圧がカフ圧を変化させ、カフ圧に脈波成分が重畳される。このカフ圧から脈波成分を抽出する(S4〜S7、S11)。
【0033】
つまり、カフ圧のサンプリング値をRAM22に記憶し(S4)、カフ圧が所定の下限圧力に達したら(S5)、カフ圧のサンプリングと、サンプリング値の記憶とを終了し(S6)、脈波成分を抽出し、排気レート分の補正を行ない、その値をRAM22に記憶する(S7)。
そして、RAM22に記憶した値に基づいて、サンプリング値の時間微分信号を算出し、また、時間微分信号のピークの発生時刻を算出し、その値をRAM22に記憶する(S11)。
【0034】
すなわち、微小時間におけるカフ圧の差分(時間微分値)によって、脈波成分を抽出する。つまり、この抽出された差分が正で連続するときにのみ、その差分を加算し、この加算値の最大値を求めることによって、1サイクルの脈波成分の最大値を検出する。
【0035】
次に、時間微分信号の包絡線Eを求める(S12)。
【0036】
そして、包絡線Eの最大値Sdpを求め(S13)、この包絡線Eの最大値Sdpのk1倍(70%)に対応する最大のカフ圧を、第1最高カフ圧P1maxとする(S14)。つまり、図3に示すグラフにおいて、包絡線Eのうちで、時間微分信号(dP/dt)が包絡線Eの最大値Sdpのk1倍(70%)である点は、2点E11、E12であり、そのうちでカフ圧が高い方の点E11に対応するカフ圧を、第1最高カフ圧P1maxとする。
【0037】
包絡線Eの最大値Sdpのk1倍(70%)に対応する最小のカフ圧を、第1最低カフ圧P1minとする(S14)。つまり、図3に示すグラフにおいて、包絡線Eのうちで、時間微分信号(dP/dt)が包絡線Eの最大値Sdpのk1倍(70%)である点は、2点E11、E12であり、そのうちでカフ圧が低い方の点E12に対応するカフ圧を、第1最低カフ圧P1min とする。
【0038】
なお、包絡線Eの最大値Sdpのk1倍(70%)は、第1の値V1の例である。
【0039】
また、包絡線Eの最大値Sdpのk2倍(50%)に対応する最大のカフ圧を、第2最高カフ圧P2maxとする(S15)。つまり、図3に示すグラフにおいて、包絡線Eのうちで、時間微分信号(dP/dt)が包絡線Eの最大値Sdpのk2倍(50%)である点は、2点E21、E22であり、そのうちでカフ圧が高い方の点E21に対応するカフ圧を、第2最高カフ圧P2maxとする。
【0040】
包絡線Eの最大値Sdpのk2倍(50%)に対応する最小のカフ圧を、第2最低カフ圧P2minとする(S15)。つまり、図3に示すグラフにおいて、包絡線Eのうちで、時間微分信号(dP/dt)が包絡線Eの最大値Sdpのk2倍(50%)である点は、2点E21、E22であり、そのうちでカフ圧が低い方の点E22に対応するカフ圧を、第2最低カフ圧P2min とする。
【0041】
なお、包絡線Eの最大値Sdpのk2倍(50%)は、第2の値V2の例である。
【0042】
ただし、1>k1>k2>0とする。k1、k2は、任意の定数であり、上記実施例において、k1=0.7、k2=0.5であるが、必ずしもこの数値に限定されるものではなく、臨床データに基づいて変更することができる。
【0043】
次に、第1最高カフ圧P1max、第1最低カフ圧P1min、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minに基づいて、特徴量(包絡線Eの先鋭度)Gを演算する(S21)。つまり、
G={(P1max−P1min)/(P2max−P2min)}・(k2/k1) ……式(1)
を求める。つまり、上記式(1)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との差と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの差との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0044】
この特徴量Gは、動脈硬化度と相関がある。そして、この求められた特徴量Gを、表示装置61に表示する(S22)。
【0045】
また、表示装置61に特徴量Gを表示する代わりに、プリンタ52に特徴量Gを印刷するようにしてもよく、また、特徴量Gに対応するデータを外部端子63を介して出力するようにしてもよい。
【0046】
上記実施例では、カフ圧を微速減圧しつつ、カフ圧のサンプリングを行っているが、逆にカフ圧を微速増圧しつつカフ圧のサンプリングを行うようにしてもよい。
【0047】
また、第1最高カフ圧P1max、第1最低カフ圧P1min、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minに基づいて特徴量Gを演算する場合、上記式(1)を使用する代わりに、次の式(2)、式(3)、式(4)を使用するようにしてもよい。なお、式(2)〜式(4)の右辺に所定の定数を乗ずるようにしてもよく、また、右辺の逆数を使用するようにしてもよい。
【0048】
G=(P1max+P1min)/(P2max+P2min)……式(2)
G=(P1max−P1min)/(P2max+P2min)……式(3)
G=(P1max+P1min)/(P2max−P2min)……式(4)
上記式(2)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との和と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの和との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0049】
上記式(3)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との差と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの和との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0050】
上記式(4)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との和と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの差との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0051】
さらに、第1最高カフ圧P1max、第1最低カフ圧P1min、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minに基づいて特徴量Gを演算する代わりに、第1最高カフ圧P1max、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minの3つのカフ圧に基づいて特徴量Gを演算するようにしてもよい。この場合、次の式(5)、式(6)を使用する。なお、式(5)、式(6)の右辺に所定の定数を乗ずるようにしてもよく、また、右辺の逆数を使用するようにしてもよい。
【0052】
G=P1max/(P2max−P2min)……式(5)
G=P1max/(P2max+P2min)……式(6)
上記式(5)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフ圧との差との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0053】
上記式(6)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最高カフ圧と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフ圧との和との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0054】
また、第1最高カフ圧P1max、第1最低カフ圧P1min、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minに基づいて特徴量Gを演算する代わりに、第1最低カフ圧P1min、第2最高カフ圧P2max、第2最低カフ圧P2minの3つのカフ圧に基づいて特徴量Gを演算するようにしてもよい。この場合、次の式(7)、式(8)を使用する。なお、式(7)、式(8)の右辺に所定の定数を乗ずるようにしてもよく、また、右辺の逆数を使用するようにしてもよい。
【0055】
G=P1min/(P2max−P2min)……式(7)
G=P1min/(P2max+P2min)……式(8)
上記式(7)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最低カフ圧と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフ圧との差との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0056】
上記式(8)を実現する特徴量演算手段は、上記第1最低カフ圧と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフ圧との和との比を演算し、この演算された比を上記特徴量とする手段である。
【0057】
図5は、上記実施例において、カフ圧を増加した後に微速減圧した場合におけるカフ圧と、カフ圧の時間微分信号の包絡線との関係の別の例を示す図である。
【0058】
図5に示す例は、心臓病等を患っている患者に関するグラフであり、このグラフでは、5つの極値EX1、EX2、EX3、EX4、EX5が存在する。
【0059】
なお、図5に示すグラフの状態の場合でも、特徴値Gの求め方は、図3で説明した場合と同様である。
【0060】
また、図5に示す場合において、CPU20は、包絡線Eのデータに基づいて、包絡線Eの極値(極大値、極小値)をカウントし、表示装置61が、上記カウント値を表示し、プリンタ62が、上記カウント値をプリントするプリンタし、外部端子63が、上記カウント値を出力する。
【0061】
さらに、表示装置61が、上記カウント値に応じた症状を表示し、プリンタ62が、上記カウント値に応じた症状をプリントし、外部端子63が、上記カウント値に応じた症状の情報を出力する。
【0062】
また、包絡線Eの極値の標準偏差を演算する極値標準偏差演算手段を設け、上記演算された極値の標準偏差を、表示装置61で表示したり、プリンタ62でプリントしたり、外部端子63を介して出力するようにしてもよい。この場合、上記極値の標準偏差に応じた症状を表示したり、プリントしたり、外部出力するようにしてもよい。
【0063】
上記各実施例において上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値の発生間隔の標準偏差を演算する脈波標準偏差演算手段を設けるようにしてもよい。
【0064】
なお、上記実施例を記録媒体の発明として把握することができる.つまり、上記実施例は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手順と、 XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手順によって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手順と、上記演算された上記第1最高カフ圧と、上記第1最低カフ圧と、上記第2最高カフ圧と、上記第2最低カフ圧とに基づいて、所定の演算を行ない特徴量を演算する特徴量演算手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0065】
また、上記実施例は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手順と、XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手順によって微分された信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手順と、上記演算された上記第1最高カフ圧と、上記第2最高カフ圧と、上記第2最低カフ圧とに基づいて、所定の演算を行ない特徴量を演算する特徴量演算手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0066】
さらに、上記実施例は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手順と、XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手順によって微分された信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手順と、上記XY座標上で、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手順と、上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手順と、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手順と、上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手順と、上記演算された上記第1最低カフ圧と、上記第2最高カフ圧と、上記第2最低カフ圧とに基づいて、所定の演算を行ない特徴量を演算する特徴量演算手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0067】
また、上記実施例は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手順と、XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手順によって微分された信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0068】
さらに、上記実施例は、カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手順と、XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手順によって微分された信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手順と、上記包絡線の極値の標準偏差を演算する極値標準偏差演算手順とをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0069】
なお、上記記録媒体として、FD、CD、HD、MD、DVD、半導体メモリ等が考えられる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、血行動態を判断することが容易であり、また、その判断に客観性があるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である血行動態測定装置BM1を示すブロック図である。
【図2】上記実施例におけるカフ圧の変化を示す図である。
【図3】上記実施例において、カフ圧を増加した後に微速減圧した場合におけるカフ圧と、カフ圧の時間微分信号の包絡線との関係の一例を示す図である。
【図4】血行動態測定装置BM1の動作を示すフローチャートである。
【図5】上記実施例において、カフ圧を増加した後に微速減圧した場合におけるカフ圧と、カフ圧の時間微分信号の包絡線との関係の別の例を示す図である。
【図6】従来の血行動態測定装置における脈波振幅パターンの典型例と、患者の症状との関係を示す図である。
【符号の説明】
BM1…血行動態測定装置、
11…カフ、
15…サンプリング手段、
20…CPU、
21…ROM、
16…時間微分手段、
30…包絡線演算手段、
31…第1の設定手段、
32…第2の設定手段、
41…第1最高カフ圧演算手段、
42…第1最低カフ圧演算手段、
43…第2最高カフ圧演算手段、
44…第2最低カフ圧演算手段、
51…特徴量演算手段、
61…表示装置、
62…プリンタ、
63…外部端子。
Claims (5)
- カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手段と;
XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手段によって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手段と;
上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との差と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの差との比である特徴量を演算する特徴量演算手段と;
を有することを特徴とする血行動態測定装置。 - カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手段と;
XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手段によって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手段と;
上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との和と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの和との比である特徴量を演算する特徴量演算手段と;
を有することを特徴とする血行動態測定装置。 - カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手段と;
XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手段に よって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手段と;
上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との差と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの和との比である特徴量を演算する特徴量演算手段と;
を有することを特徴とする血行動態測定装置。 - カフ圧に脈波振幅成分が重畳されている信号を時間微分する微分手段と;
XY座標の一方の軸に、カフ圧をとり、上記XY座標軸の他方の軸に、上記微分手段によって微分された時間微分信号をとり、上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値をプロットし、上記プロットされた最大値を繋ぐ包絡線を演算する包絡線演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値である第1の値を設定する第1の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第1最高カフ圧を演算する第1最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第1の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第1最低カフ圧を演算する第1最低カフ圧演算手段と;
上記包絡線のピーク値よりも小さい値であり、上記第1の値とは異なる値である第2の値を設定する第2の値設定手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最高のカフ圧である第2最高カフ圧を演算する第2最高カフ圧演算手段と;
上記XY座標上で、上記時間微分信号の値が上記第2の値である上記包絡線上の位置に対応する複数のカフ圧のうちで、最低のカフ圧である第2最低カフ圧を演算する第2最低カフ圧演算手段と;
上記第1最高カフ圧と上記第1最低カフ圧との和と、上記第2最高カフ圧と上記第2最低カフとの差との比である特徴量を演算する特徴量演算手段と;
を有することを特徴とする血行動態測定装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項において、
上記時間微分信号のうちで心拍毎の最大値の発生間隔の標準偏差を演算する脈波標準偏差演算手段を有することを特徴とする血行動態測定装置。
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