JP3724646B2 - 充電型バッテリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーを充・放電する二次電池で構成された充電型バッテリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、我々の身の回りには持ち運び可能な多種多様な電子機器、たとえば、携帯電話機、デジタルカメラ、ポケットコンピュータ、ゲーム機などが満ちあふれている。これらの電子機器はいずれも電池を内蔵しているので、商用コンセントが見あたらない屋外等においても使用することができる。しかし、電池の寿命が尽きたときは新品の電池と交換しなければならず、コストがかかるし、廃棄物の問題もあるため、再利用(リサイクル)可能な電池、すなわち、二次電池で構成された充電型バッテリ装置を用いることが多い。
【0003】
従来より、二次電池の充電は、専用の充電器を用いて行うことが一般的である(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、二次電池を内蔵した電子機器を専用の充電器にセットすると、充電器から電子機器に電源電流が供給され、電子機器に内蔵された二次電池が、この電源電流によって充電されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実開平5−4638号公報(〔0007〕〜〔0009〕、第1〜3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、専用の充電器を用いて二次電池を充電するものにあっては、充電器の設置場所以外では充電ができないという問題点がある。また、充電器を一緒に持ち運ぶこともあるが、荷物になるという問題点があるし、とりわけデジタルカメラや携帯電話機などの電子機器に付属する充電器はサイズが大きいので、せっかくの電子機器の携帯性を損なうという問題点がある。
【0006】
したがって、本発明の究極の目的は、充電器を用いずに二次電池の充電を可能とする技術を提供することにある。
【0007】
【発明を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケースに収められる板状発電素子を備えた充電型バッテリ装置において、前記板状発電素子は厚み方向に磁化された磁石板と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケースに収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、前記磁石板と前記コイル基板の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成したことを特徴とする充電型バッテリ装置を提供するものである。
また、請求項3記載の発明は、電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケースに収められる板状発電素子を備えた充電型バッテリ装置において、前記板状発電素子は厚み方向に磁化された磁石板と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケースに収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、前記磁石板の両端は弾性部材を介してケース内に水平方向に弾性保持され、該磁石板の上面は第1の移動部材及び第2の移動部材を介してケースに垂直方向に保持され、前記第2の移動部材はケースに対して水平方向に移動可能に構成され、前記第1の移動部材は前記第1の移動部材(36)の水平方向の移動に追従して前記磁石板を該水平方向に移動するよう構成されることによって前記磁石板と前記コイル基板の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成したことを特徴とする充電型バッテリ装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、カード型またはそれに類似した形状の薄型バッテリ装置を例にして図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0010】
図1は、薄型バッテリ装置の代表例を示す図である。(a)にはデジタルカメラ1用のバッテリ2が示されており、また、(b)には携帯電話機3用のバッテリ4が示されている。いずれのバッテリ2、4も、対象電子機器(図示の例ではデジタルカメラ1や携帯電話機3)のデザインを損なわない適当な外観(カード型またはそれに類似した形状)を有しており、対象電子機器に装着及び取り外し可能になっている。
【0011】
デジタルカメラ1用のバッテリ2は、通常、デジタルカメラ1の側面に設けられたバッテリスロット1aに挿入して用いられる。この状態でデジタルカメラ1を専用の置き台(以下「クレードル」という)にセットしてバッテリ2を充電する。また、携帯電話機3用のバッテリ4も、通常、携帯電話機3の背面に設けられたバッテリスロット3aに装着して用いられる。同様に、この状態で携帯電話機3をクレードルにセットしてバッテリ4を充電する。さらに、バッテリ2、4は必要に応じて対象電子機器から取り外すことも可能であり、たとえば、予備のバッテリと交換したり、取り外したバッテリ2、4をクレードルにセットして充電したりできる。したがって、バッテリ2、4は発明の要旨に記載の充電型バッテリ装置に相当する。
【0012】
これらのバッテリ2、4は、可逆的化学反応によって電気エネルギーを充電及び放電する蓄電池、すなわち、二次電池で構成されている。二次電池は、特に限定しないが、たとえば、リチウムイオン電池である。
【0013】
かかる二次電池で構成されたバッテリ2、4は、図示の例からも明らかなとおり、対象電子機器(図示の例ではデジタルカメラ1や携帯電話機3)の専用構成品であり、使い捨て型の電池、つまり、充電不能な一次電池(単三型等の乾電池)と違って再利用(充電しながら継続使用)することができ、資源の無駄がなく、また、廃棄物の問題も招かないという利点がある。
【0014】
しかし、その反面、二次電池は、専用の充電器(前記のクレードル)がなければ充電を行うことができないという欠点を併せ持っており、このため、デジタルカメラ1や携帯電話機3を長時間使用するときには、▲1▼充電器を持ち歩く、▲2▼予備のバッテリを持ち歩く、▲3▼市販の汎用充電ツール(たとえば、006P型アルカリ電池1個を使用した充電器などが知られている)を持ち歩くなどの対策を講じなければならないが、▲1▼の対策は充電器が荷物になる(多くの充電器は重く大きいうえ、電源アダプタや電源ケーブルなどの付属品も一緒に持ち歩かなければならない)、▲2▼の対策はコストがかさむ(予備バッテリ1個の値段は数千円もする)、▲3▼の対策はデジタルカメラ1に適用できない(デジタルカメラ用の汎用充電ツールは現時点で市販されていない)などの問題点がある。
【0015】
そこで、本実施の形態では、上記いずれの対策(▲1▼〜▲3▼)にも該当しない新規の技術、詳しくは、他の器具や装置を一切必要とせずに、バッテリ2、4だけで一応の充電を可能とする有益な技術を開示する。なお、以下では、説明の便宜上、図1のデジタルカメラ1のバッテリ2を例にするが、これに限定されない。携帯電話機3のバッテリ4であってもよい。要は、対象電子機器から取り外すことができる充電型バッテリ装置であればよい。
【0016】
図2(a)は、バッテリ2の簡略断面図である。バッテリ2は、外面の任意位置(図では左端)に電極10を取り付けたケース11と、そのケース11の内部に実装された板状発電素子12と、板状発電素子12の交流起電力を直流に変換する整流器(平滑回路を含む)13と、整流器の直流出力で充電され、且つ、電極10を介してその放電電圧を出力する二次電池(たとえば、リチウムイオン電池)14とを備える。なお、板状発電素子12と整流器13の間は配線15によって接続され、整流器13と二次電池14の間は配線16によって接続され、さらに、二次電池14と電極10の間は配線17によって接続されている。
【0017】
ここで、板状発電素子12は、「特許第2836030号」、「特許第2870329号」または「特許第2870330号」の原理に基づく構成を有するものである。すなわち、その詳細は後述するが、板状発電素子12は、磁性材料を薄板状に形成してその厚み方向に磁化された磁石板12aと、基板内に導電材料により所定巻数のコイルパターンを形成して該コイルパターンの両端部に接続端子を形成したコイル基板12bと、弾性材料を薄板状に形成したクッション板12cとを備えるものであり、前記磁石板12aと前記コイル基板12bとの間に前記クッション板12cを挟み密着させて一体構造とし、該磁石板12aと該コイル基板12bに垂直方向の繰り返し荷重(望ましくは規則的な交番荷重)Fが加えられた時に、該クッション板12cが弾性変形して該磁石板12aと該コイル基板12bとの間隔を周期的に変化させ、該板間隔の周期的変化に応答して該磁石板12aから発生して該コイル基板12b内のコイルパターンと鎖交する磁束数を変化させ、これに伴ってコイルパターンに誘起される電流を該コイル基板12bに形成した接続端子から取り出すようにしたものである。
【0018】
このような板状発電素子12を内蔵した本実施の形態のバッテリ2にあっては、上記の繰り返し荷重Fをケース11から板状発電素子12に伝えるために、たとえば、ケース11の少なくとも板状発電素子12の直上及び直下の部分を弾性変形可能な構造(たとえば、ケース11の当該部分をバネ性素材とするなど)にしている。
【0019】
図2(b)は、ケース11の弾性変形状態を示す図である。指先等でケース11の両面を保持して圧を加えると、ケース11は波線で示す初期位置からケース11の厚みを減じる方向に弾性変形し、それに伴って板状発電素子12のクッション板12cの厚みが減り、磁石板12aとコイル基板12bとの間隔が減少変化する。そして、ケース11への圧を解放すると、ケース11は波線で示す初期位置に復帰し、それに伴って板状発電素子12のクッション板12cの厚みが元に戻り、磁石板12aとコイル基板12bとの間隔が拡大変化する。したがって、このようなケース11の弾性変形操作(圧を加え及びその圧を解放する操作)を周期的に繰り返すことにより、板状発電素子12のコイル基板12bから交流電圧を取り出すことができる。
【0020】
図3(a)は、整流器13のブロック図である。この図において、整流器13は、板状発電素子12から出力された交流電圧Vaを半波整流または全波整流した整流電圧Vbを出力する整流回路13aと、整流回路13aの出力を平滑化した脈流電圧Vcを出力する平滑回路13bとを含む。
【0021】
図3(b)は、整流回路13a及び平滑回路13bの一例構成図である。この例では、整流回路13aは一個の整流素子(ダイオード等)Daを含み、板状発電素子12から出力された交流電圧Vaの一方極性成分(図示の例では正極性成分)だけを取り出し、同成分からなる整流電圧Vbを出力する。つまり、この場合の整流回路13aは「半波整流回路」として動作する。また、平滑回路13bは、いわゆるコンデンサインプット型のものであり、コンデンサ等の電荷蓄積要素Caの充電動作により、整流電圧Vbの波形の凸凹をおおむね均一化した脈流電圧Vcを出力する。
【0022】
図3(c)、(d)は、整流回路13aと平滑回路13bの他の構成例を示す図である。この例(c)では、整流回路13aはブリッジ接続された四個の整流素子(ダイオード等)Db〜Deを含み、板状発電素子12から出力された交流電圧Vaの双方極性成分(正極性成分と負極性成分)を取り出し、それらの双方極性成分を一方極性(図示の例では正極)に揃えた整流電圧Vbを出力する。つまり、この場合の整流回路13aは「全波整流回路」として動作する。また、この例(d)では、平滑回路13bは、いわゆるチョークコイルインプット型のものであり、チョークコイルLa(または抵抗素子Raでもよい)と、コンデンサ等の電荷蓄積要素CbとでL型(あるいはLaやRaの両端にそれぞれCbを接続したπ型)の充放電回路13cを構成し、この充放電回路13cによって、整流電圧Vbの波形の凸凹をほぼ均一化した脈流電圧Vcを出力する。
【0023】
次に、板状発電素子12の詳細を説明する。
図4(a)は、板状発電素子12の簡略構造図である。板状発電素子12は磁石板12aとコイル基板12bとの間にクッション板12cを挟み込んだサンドイッチ構造を有している。クッション板12cは、ゴム材やスポンジ材等の弾性材料を薄板状に形成したものであり、コイル基板12b及び磁石板12aの形状と一致するようにカットしたものを使用する。
【0024】
図4(b)、(c)は、磁石板12aの断面図である。磁石板12aは磁性材料を薄板状に形成して、その厚さ方向に磁化したものが用いられる。磁化方向は、同図(b)に示すように上方がS極で下方がN極でもよいし、同図(c)に示すように上方がN極で下方がS極でもよい。
【0025】
図5(a)、(b)は、コイル基板12bを両面方向から見た外観図である。また、図5(c)は、コイル基板12bの拡大断面図である。図5(a)、(b)において、コイル基板12bは、約0.6ミリメートルの厚さのプリント基板20の上下面にそれぞれ導体材料からなる約40ミクロンのピッチ間隔のコイルパターン21、22が形成されている。コイルパターン21、22は、矩形状に所定巻数分形成されており、その各面のコイルパターン21、22の一端部は、スルーホール23を通して相互に接続され、各面のコイルパターン21、22の他端部には、誘起電流を取り出すための端子24、25が形成されている。
【0026】
図6(a)、(b)は、板状発電素子12の発電原理図である。同図(a)に示すように、磁石板12aとコイル基板12bが、ある距離d1だけ離れているときの磁石板12aから発生してコイル基板12bと鎖交する磁束数をφ1とし、また、同図(b)に示すように、磁石板12aを下方移動させてて距離d2までコイル基板12bに近づけたときに磁石板12aから発生してコイル基板12bと鎖交する磁束数をφ2とし、さらに、コイル基板12b内のコイルパターンの巻数をNすると、ファラデーの電磁誘導の法則に従って次式(1)に示す誘起電圧Vが発生する。
【0027】
V=〔d(φ2−φ1)/dt〕×N ・・・・(1)
【0028】
本実施の形態における板状発電素子12は、磁石板12aとコイル基板12bの間にゴム材等の弾性材料で薄板状に形成したクッション板12cを挟み込んで密着させて一体構造とし、この板状発電素子12に垂直方向の繰り返し荷重Fを加えた時に、クッション板12cを弾性変形させて磁石板12aとコイル基板12bとの間隔を周期的変化させ、この間隔の周期的変化に応答して磁石板12aから発生してコイル基板12b内のコイルパターンと鎖交する磁束数が変化し、これに伴って、上式(1)の誘起電圧Vによりコイルパターンに誘起される誘起電流をコイル基板12bに形成した出力端子から取り出すというものである。
【0029】
すなわち、図4に示すように、板状発電素子12に対して図中垂直方向の繰り返し荷重Fが加えられると、クッション板12cが弾性変形し、磁石板12aとコイル基板12bの間隔dが変化する。このため、磁石板12aから発生してコイル基板12bと鎖交する磁束数φが変化し、前式(1)に基づく誘起電圧Vがコイルパターン21、22に発生する。このように、繰り返し荷重Fの強さや周期に応じた誘起電流がコイル基板12に発生するが、この電流は脈流であるため、脈流を整流器13で整流・平滑化して直流に変換し、それを二次電池14に印加することにより、二次電池14を充電できる。
【0030】
図7は、本実施の形態におけるバッテリ2の充電操作の様子を示す図である。バッテリ2は、先にも説明したとおり、ケース11の内部に板状発電素子12を備えると共に、少なくとも、ケース11の板状発電素子12に面した部分を弾性変形可能に構成したから、図示のように、指先でケース11の両面を挟み込み、ケース11の両面に周期的な圧(繰り返し荷重F)を加えるだけで、バッテリ2(の内部の二次電池14)を充電することができる。
【0031】
したがって、デジタルカメラ1等の電子機器を使用中にバッテリ残量警告が出た際に、身近に充電器がなく、しかも、予備のバッテリや汎用の充電ツールもない場合には、今までであれば、どうにも対処のしようがなく電子機器の使用を断念せざるを得なかったところ、本実施の形態のバッテリ2にあっては、電子機器からバッテリ2を取り出して、ケース11の両面に繰り返し荷重を加えるという至極簡単な操作を行うだけで、バッテリ2を充電して復旧させることができる。その結果、他の器具や装置を一切必要とせずに、そのまま電子機器を継続使用できるという従来技術にない格別有益な効果を奏することができる。
【0032】
なお、板状発電素子12の起電力は専用の充電器などに比べて弱いため、上記の充電操作(バッテリ2のケース11に繰り返しか自由を加えて行うもの)は、あくまでも緊急対応的なものと考えるべきである。つまり、本実施の形態の技術は専用の充電器に置き換わるものではない。この緊急避難的充電操作は、とりわけ、身近に充電器がなく、しかも、予備のバッテリや汎用の充電ツールもない場合にきわめて有益である。わずかでもバッテリ2の機能を回復できれば、少なくともその分、電子機器の使用を継続できる(たとえば、デジタルカメラ1で数枚程度の写真撮影が可能になる、あるいは、携帯電話機2で短時間の通話が可能になる)からである。
【0033】
図8は、上記実施の形態の変形例を示す図である。上記の実施の形態では、バッテリ2のケース11を弾性変形可能にすることにより、ケース11に加えられた繰り返し荷重Fをケース11の内部の板状発電素子12に伝えているが、これに限定されない。図示の変形例のように、ケース11の上下面に開口を形成し、その開口に挿入した可動板11a、11bを板状発電素子12の両面に当接させてもよい。可動板11a、11bは、通常は板状発電素子12の弾性力(クッション版12cの弾性力;図2参照)によってケース11と面一になっているが、指先等で圧を加えた場合に、可動板11a、11bがケース11の内部側に移動し、板状発電素子12の積層寸法を減じさせるようになっている。
【0034】
このようにしても、上記の実施の形態と同様に、電子機器からバッテリ2を取り出して、ケース11の両面(の可動板11a、11b)に繰り返し荷重を加えるという至極簡単な操作を行うだけで、バッテリ2を充電して復旧させることができ、結局、他の器具や装置を一切必要とせずに、そのまま電子機器を継続使用できるという格別有益な効果を奏することができる。
【0035】
図9(a)は、他の変形例を示す図である。前記の板状発電素子12は、磁石板12aとコイル基板12bとの“間隔”を変化させることによって、コイル基板12bのコイルパターン21、22に電流を誘起させているが、これ(間隔の変化)に限定されない。他の方法でもコイル基板12bのコイルパターン21、22への電流誘起は可能である。図9(a)において、図示の板状発電素子12は、磁石板12aとコイル基板12bとを有する点で、前記の実施の形態のものと同じであるが、磁石板12aとコイル基板12bとの間隔が固定となっている点、及び、磁石板12aとコイル基板12bとの相対的な位置関係が変化し得るようになっている点で相違する。今、磁石板12aがコイル基板12bに対して矢印Aの方向に水平移動可能であると仮定する。磁石板12aを矢印Aの方向に往復移動させると、磁石板12aから発生してコイル基板12bと鎖交する磁束の数が変化するので、やはり、上記の実施の形態のものと同様に、コイル基板12bのコイルパターン21、22に電流が誘起する。
【0036】
この変形例を前記のバッテリ2、4に適用する場合、人の手によって直接的に磁石板12aとコイル基板12bとの間の相対運動(往復運動)を行わせる仕組みにしてもよい。また、単位時間あたりの往復数によって発電周波数が決まり、望ましくは、毎秒数十回程度の往復運動が求められるので、発電効率を高める工夫をするとよい。
【0037】
図9(b)は、かかる他の変形例に適用して好ましい往復運動機構の概念図である。図において、バッテリ2のケース30の内部には、固定間隔の磁石板12aとコイル基板12b(不図示)が設けられている。磁石板12aはケース30の長手方向のみに移動可能になっており、さらに、磁石板12aの両端がそれぞれバネ31、32を介してケース30に弾性保持されている。磁石板12aの上面には“コ”の字状のリブ33が一体的に取り付けられており、このリブ33の内部にはバネ34によって付勢されたピン35が挿入されている。ピン35の先端は、ケース30の一側端にスライド可能に保持された操作部36の等間隔な半円形突起37にバネ34の付勢力で当接している。
【0038】
このような構成において、操作部36の外向突出ボタン38を指先で矢印B方向に移動させると、ピン35は、半円形突起37の曲面部分(以下“山”という。)を乗り越えて半円形突起37と半円形突起37の間の“谷”の部分に落ち込み、半円形突起37に押されながら操作部36に追従して移動(矢印B方向に移動)する。このとき、磁石板12aもピン35と一緒に同方向に追従移動する。そして、ピン35に加わる力がバネ34の付勢力を上回ると、ピン35は隣の谷に落ち込み、磁石板12aはバネ31、32の付勢力によって元の位置に復帰する。したがって、操作部36を矢印B方向に往復移動させることにより、磁石板12aが半円形突起37の数mに対応した周期で矢印C方向に微小に往復移動し、これによって、操作部36の一往復運動当たり、2m回の往復運動を磁石板12aに生じさせることができ、少ない手間で効率的な発電を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケースに収められる板状発電素子を備えた充電型バッテリ装置において、前記板状発電素子は厚み方向に磁化された磁石板と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケースに収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、前記磁石板と前記コイル基板の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成したことを特徴とする充電型バッテリ装置を提供することにより、充電器が手元にない場合であっても二次電池を充電することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケースに収められる板状発電素子を備えた充電型バッテリ装置において、前記板状発電素子は厚み方向に磁化された磁石板と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケースに収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、前記磁石板の両端は弾性部材を介してケース内に水平方向に弾性保持され、該磁石板の上面は第1の移動部材及び第2の移動部材を介してケースに垂直方向に保持され、前記第2の移動部材はケースに対して水平方向に移動可能に構成され、前記第1の移動部材は前記第1の移動部材(36)の水平方向の移動に追従して前記磁石板を該水平方向に移動するよう構成されることによって前記磁石板と前記コイル基板の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成したことを特徴とする充電型バッテリ装置を提供することにより、充電器が手元にない場合であっても二次電池を充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄型バッテリ装置の代表例を示す図である。
【図2】バッテリ2の簡略断面図及びケース11の弾性変形状態を示す図である。
【図3】整流器13のブロック図である。
【図4】板状発電素子12の簡略構造図及び磁石板12aの断面図である。
【図5】コイル基板12bを両面方向から見た外観図及びコイル基板12bの拡大断面図である。
【図6】板状発電素子12の発電原理図である。
【図7】本実施の形態におけるバッテリ2の充電操作の様子を示す図である。
【図8】実施の形態の変形例を示す図である。
【図9】実施の形態の他の変形例を示す図及び他の変形例に適用して好ましい往復運動機構の概念図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ(電子機器)
2 バッテリ(充電型バッテリ装置)
3 携帯電話機(電子機器)
4 バッテリ(充電型バッテリ装置)
11 ケース
12 板状発電素子
12a 磁石板
12b コイル基板
14 二次電池
33 リブ
34 バネ
35 ピン
36 操作部
37 半円形突起
Claims (4)
- 電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケースに収められる板状発電素子を備えた充電型バッテリ装置において、
前記板状発電素子は厚み方向に磁化された磁石板と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケースに収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、
前記磁石板と前記コイル基板の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成した
ことを特徴とする充電型バッテリ装置。 - 更に前記板状発電素子と接続される整流器を内蔵したことを特徴とする請求項1記載の充電型バッテリ装置。
- 電子機器から取り外すことが可能で手持ち可能な形状のケース(30)に収められる板状発電素子(12)を備えた充電型バッテリ装置(2)において、
前記板状発電素子(12)は厚み方向に磁化された磁石板(12 a )と基板内にコイルパターンを形成したコイル基板(12 b )とを所定の間隔で対向配置したものであり、前記コイル基板(12 b )のコイルパターンに電流を誘起させ、この誘起電流を用いて前記ケース(30)に収められる二次電池を充電する充電型バッテリ装置であって、
前記磁石板(12 a )の両端は弾性部材(31,32)を介してケース(30)内に水平方向に弾性保持され、
該磁石板(12 a )の上面は第1の移動部材(35)及び第2の移動部材(36)を介してケース(30)に垂直方向に保持され、
前記第2の移動部材(36)はケース(30)に対して水平方向(B)に移動可能に構成され、
前記第1の移動部材(35)は前記第1の移動部材(36)の水平方向(B)の移動に追従して前記磁石板(12 a )を該水平方向(B)に移動するよう構成される
ことによって前記磁石板(12 a )と前記コイル基板(12 b )の相対的な位置を水平方向に移動可能に構成した
ことを特徴とする充電型バッテリ装置。 - 更に前記板状発電素子(12)と接続される整流器(13)を内蔵したことを特徴とする請求項3記載の充電型バッテリ装置。
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