JP3723675B2 - 水取入口の異物侵入防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水取入口の異物侵入防止装置に関し、例えば、火力発電所、原子力発電所において用いることによって、復水器冷却用の冷却水の取入口に設けた異物の侵入を防止するスクリーンが、異物によって閉塞しないようにした水取入口の異物侵入防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力発電所、原子力発電所においては、復水器冷却用の冷却水に用いる海水を、海岸線に設けた冷却水の取入口を介して冷却水取水路に取り入れるようにしている。
【0003】
そして、この冷却水の取入口には、海水中のクラゲその他の海洋生物やごみ等の異物(本明細書において、単に「異物」という。)が、海水と共に冷却水取水路内に侵入し、復水器等の機器内に取り込まれてがこれらの機器が損傷を受けないようにするために、冷却水取入口に異物の侵入を阻止するためのバースクリーンを備えた異物侵入防止装置が設置されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の発電所における冷却水取入口の異物侵入防止装置は、クラゲが大量に発生した場合や大雨等によりごみが大量に発生した場合等には、大量の異物によってバースクリーンが閉塞してしまい、所要量の取水が不可能となり、復水器の冷却等発電設備の稼働に支障をきたし、発電効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の水取入口の異物侵入防止装置の有する問題点を解決し、異物が大量に発生した場合においても、スクリーンが閉塞することなく、安定して所要量の取水を行うことができるようにした水取入口の異物侵入防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の水取入口の異物侵入防止装置は、多数の円板を所定の間隔をあけて回転軸に固定して形成した複数の円柱状スクリーンユニットを、隣接する円柱状スクリーンユニットの円板同士が重なり合うように配設して構成したスクリーンを、取水路の取入口と、該取入口に隣接して設けた排水路の排出口に亘って設置し、各円柱状スクリーンユニットの回転軸を、駆動源により同一方向に回転駆動し、回転する円板の作用により、スクリーンにより捕捉した異物を、取入口側から排出口側に順次送り込むようにしたことを特徴とする。
【0007】
この水取入口の異物侵入防止装置は、多数の円板を所定の間隔をあけて回転軸に固定して形成した複数の円柱状スクリーンユニットからなるスクリーンを、水取水路の取入口と、取入口に隣接して設けた排水路の排出口に亘って設置することにより、取水路の取入口の位置においてスクリーンにより捕捉した異物を、スクリーンを構成する円板を回転することにより排水路の排出口側に順次送り込み、排水路の排出口の位置において排出路から排出される排水によりスクリーンから離脱させることができるため、異物が大量に発生した場合においても、スクリーンが閉塞することがなく、安定して所要量の取水を行うことができる。
【0008】
この場合において、スクリーンを海岸線に対し所定の角度を以て非平行に設置することができる。
【0009】
これにより、取水路の取入口の位置においてスクリーンにより捕捉した異物を、波等の影響を受けずに、排水路の排出口側に順次円滑に送り込むことができる。
【0010】
また、スクリーンの海側の取水路の取入口と排水路の排出口の境界の略延長線上に、スクリーンと所定の隙間をあけて、分離壁を設置することができる。
ここで、「所定の隙間」とは、取水路の取入口の位置においてスクリーンにより捕捉した異物を、排水路の排出口側に順次送り込むことができる程度の隙間をいう。
【0011】
これにより、排出路から排出される排水及びこの排水によりスクリーンから離脱させられた異物が、取水路の取入口側に直接回り込むことを防止し、取水路の取入口から海水を取り入れることができるとともに、スクリーンの周囲に異物が滞留、集積することを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水取入口の異物侵入防止装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施例において、異物侵入防止装置3は、火力発電所又は原子力発電所における復水器冷却用の冷却水を海10から取水するために海10側に突出するように配設した冷却水取水路11の取入口11aと、この取入口11aに仕切壁13を介して、隣接して配設した冷却水排水路12の排出口12aとに亘って設置するようにしている。
【0014】
この場合において、冷却水取水路11の取入口11aと、冷却水排水路12の排出口12aは、海岸線、すなわち岸壁2に対し所定の角度θを以て非平行に、かつ、直線状に開口するようにし、これに沿って、異物侵入防止装置3を、岸壁2に対し所定の角度θを以て非平行に設置するようにする。
【0015】
異物侵入防止装置3は、図2に示すように、多数の円板32を所定の間隔をあけて回転軸31に固定して形成した複数の円柱状スクリーンユニット30を、隣接する円柱状スクリーンユニット30の円板32,32同士が重なり合うように配設して構成したスクリーンから構成する。
【0016】
このスクリーン3は、異物の侵入を阻止しながら、スクリーン3を構成する円板32の隙間を介して、冷却水取水路11の取入口11a内に海水を取り入れ、一方、熱交換して温度が高くなった排水を冷却水排水路12の排出口12aから海10に排出するようにするとともに、各円柱状スクリーンユニット30の回転軸31を、電動モータ等の駆動源33により、スプロケットホイール及びチェーン又はギヤ等の任意の動力伝達機構(図示省略)を介して、同一方向(図1において右回り)に回転駆動し、回転する円板32の作用により、スクリーン3により捕捉した異物を、冷却水取水路11の取入口11a側から冷却水排水路12の排出口12a側に順次送り込むように構成している。
なお、駆動源33による回転軸31の回転は、一定の回転数としてもよいが、スクリーン3に捕捉される異物の量等に応じて回転数を可変としたり、間欠的に回転するように構成することもできる。
【0017】
スクリーン3の海側の冷却水取水路11の取入口11aと冷却水排水路12の排出口12aの境界の略延長線上に、スクリーン3と所定の隙間、より具体的には、冷却水取水路11の取入口11aの位置においてスクリーン3により捕捉した異物を冷却水排水路12の排出口12a側に送り込むことができる程度の隙間をあけて、分離壁4を設置するようにする。
この分離壁4は、排出路12から排出される温度の高い排水及びこの排水によりスクリーン3から離脱させられた異物が、冷却水取水路11の取入口11a側に直接回り込むことを防止し、冷却水取水路11の取入口11aから温度の低い海水を取り入れることができるようにするとともに、スクリーン3の周囲に異物が滞留、集積することを防止するために設置されるもので、好ましくは、図1に示すように、その先端側を、冷却水取水路11の取入口11aの位置から遠ざかる方向に湾曲して設置するようにする。
【0018】
次に、この水取入口の異物侵入防止装置の作用を説明する。
冷却水取水路11の取入口11aと、冷却水排水路12の排出口12aに亘って設置したスクリーン3の各円柱状スクリーンユニット30の回転軸31を、電動モータ等の駆動源33により同一方向(図1において右回り)に回転駆動する。
これにより、異物の侵入を阻止しながら、スクリーン3を構成する円板32の隙間を介して、冷却水取水路11の取入口11a内に海水を取り入れ、一方、熱交換して温度が高くなった排水を冷却水排水路12の排出口12aから海10に排出するようにするとともに、回転する円板32の作用により、冷却水取水路11の取入口11aに位置するスクリーン3により捕捉した異物を、冷却水取水路11の取入口11a側から冷却水排水路12の排出口12a側に順次送り込むようにし、冷却水取水路11の取入口11aに位置するスクリーン3の閉塞を防止して、安定して所要量の取水を行うことができるものとなる。
また、冷却水排水路12の排出口12a側に送り込まれた異物は、冷却水排水路12の排出口12aの位置において、排出路12から排出される排水によりスクリーン3から離脱し、分離壁4によって、冷却水取水路11の取入口11a側に直接回り込むことを阻止されながら、海10の沖合に向けて放出されるものとなる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の水取入口の異物侵入防止装置は、多数の円板を所定の間隔をあけて回転軸に固定して形成した複数の円柱状スクリーンユニットからなるスクリーンを、取水路の取入口と、取入口に隣接して設けた排水路の排出口に亘って設置することにより、取水路の取入口の位置においてスクリーンにより捕捉した異物を、スクリーンを構成する円板を回転することにより排水路の排出口側に順次送り込み、排水路の排出口の位置において排出路から排出される排水によりスクリーンから離脱させることができるため、異物が大量に発生した場合においても、スクリーンが閉塞することがなく、安定して所要量の取水を行うことができる。
また、この水取入口の異物侵入防止装置は、一旦スクリーンにより捕捉した異物を放出することができるため、スクリーン渣が発生せず、装置の保守管理を著しく簡略化することができる。
【0020】
また、スクリーンを海岸線に対し所定の角度を以て非平行に設置することにより、冷却水取水路の取入口の位置においてスクリーンにより捕捉した異物を、波等の影響を受けずに、排水路の排出口側に順次円滑に送り込むことができる。
【0021】
また、スクリーンの海側の取水路の取入口と排水路の排出口の境界の略延長線上に、スクリーンと所定の隙間をあけて、分離壁を設置することにより、排出路から排出される排水及びこの排水によりスクリーンから離脱させられた異物が、取水路の取入口側に直接回り込むことを防止し、取水路の取入口から海水を取り入れることができるとともに、スクリーンの周囲に異物が滞留、集積することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水取入口の異物侵入防止装置の設置状態の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の水取入口の異物侵入防止装置を構成するスクリーンの説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図を示す。
【符号の説明】
10 海
11 冷却水取水路
11a 取水口
12 冷却水排水路
12a 排出口
13 仕切壁
2 岸壁(海岸線))
3 スクリーン(異物侵入防止装置)
30 円柱状スクリーンユニット
31 回転軸
32 円板
4 分離壁
Claims (3)
- 多数の円板を所定の間隔をあけて回転軸に固定して形成した複数の円柱状スクリーンユニットを、隣接する円柱状スクリーンユニットの円板同士が重なり合うように配設して構成したスクリーンを、取水路の取入口と、該取入口に隣接して設けた排水路の排出口に亘って設置し、各円柱状スクリーンユニットの回転軸を、駆動源により同一方向に回転駆動し、回転する円板の作用により、スクリーンにより捕捉した異物を、取入口側から排出口側に順次送り込むようにしたことを特徴とする水取入口の異物侵入防止装置。
- 前記スクリーンを海岸線に対し所定の角度を以て非平行に設置したことを特徴とする請求項1記載の水取入口の異物侵入防止装置。
- 前記スクリーンの海側の取水路の取入口と排水路の排出口の境界の略延長線上に、スクリーンと所定の隙間をあけて、分離壁を設置したことを特徴とする請求項1又は2記載の水取入口の異物侵入防止装置。
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JP30648497A JP3723675B2 (ja) | 1997-10-21 | 1997-10-21 | 水取入口の異物侵入防止装置 |
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-
1997
- 1997-10-21 JP JP30648497A patent/JP3723675B2/ja not_active Expired - Fee Related
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