JP3723435B2 - マイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロ波帯域の高周波信号を使用する携帯電話等に用いられるマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波帯の高周波信号を用いた携帯電話機等の無線通信機においては、アンテナに受信されたマイクロ波帯の高周波信号を先ず高周波増幅回路で増幅した後、ミキサ回路で周波数変換し更に復調等が行われる。
【0003】
図2は従来のダブルバランス型ミキサ回路を利用した携帯電話機の高周波部分のブロック図の例である。1はアンテナ又はケーブル等を介して受信された受信信号を処理する受信部、2はアンテナ又はケーブル等を介して送信される送信信号を処理する送信部である。
【0004】
前記受信部1はアンテナ等に受信されたマイクロ波帯の高周波信号を増幅する高周波増幅回路5と、PLL6にて発振周波数が制御される電圧制御発振器よりなる局部発振器7と、該局部発振器7よりバッファーアンプ6を介して加わる局部発振信号と前記高周波増幅回路5よりの高周波信号とを混合するミキサ回路9と、該ミキサ回路9で変換された中間周波数信号を増幅する中間周波増幅回路10とよりなる。
【0005】
また送信部2は送信するべき送信信号が変換された中間周波数信号を増幅する中間周波増幅回路17と、該中間周波増幅回路17よりの中間周波数信号と前記局部発振器7よりバッファーアンプ18を介して加わる局部発振信号と混合するミキサ回路19およびミキサ回路19よりのマイクロ波帯の高周波数信号を増幅し、前記アンテナに供給する高周波増幅回路20とよりなる。
【0006】
受信状態では、アンテナを介して高周波増幅回路5に加えられた高周波信号は前記高周波増幅回路5で増幅され、さらにミキサ回路9に加わり局部発振器からの局部発振信号とミキサされ、前記ミキサ回路9から中間周波数信号が取出され中間周波増幅回路10で増幅される。
【0007】
ところで前記ミキサ回路9はエミッタが対向して配置されて接続されたトランジスタ21とトランジスタ22及び同様にエミッタが対向して配置され且つ接続されたトランジスタ23とトランジスタ24、前記トランジスタ21とトランジスタ22の接続されたエミッタにコレクタが接続されたトランジスタ25、前記トランジスタ23とトランジスタ24の接続されたエミッタにコレクタが接続されたトランジスタ26とよりなる。
【0008】
前記トランジスタ21とトランジスタ24のベースは接続されており、また前記トランジスタ22とトランジスタ23のベースは接続されている。さらに前記トランジスタ21とトランジスタ23のコレクタは接続されると共に抵抗27を介して電源電圧Vccが加えられ、同様にさらに前記トランジスタ22とトランジスタ24のコレクタは接続されると共に抵抗28を介して電源電圧Vccが加えられる。
【0009】
前記トランジスタ25とトランジスタ26のエミッタは抵抗31を介して接続されていると共に、夫々抵抗29、30を介して接地されている。
【0010】
前記高周波増幅器5の出力段は差動アンプで構成されており、増幅された高周波増幅信号Rf+と該高周波増幅信号Rf+と180度位相を異にする高周波増幅信号Rf-とが取出され、前記高周波増幅信号Rf+はトランジスタ25のベースに加えられ、また高周波信号Rf-はトランジスタ26のベースに加えられる。
【0011】
また前記バッファアンプ8は差動アンプで構成されており、局部発振器7からの局部発振信号をバッファし局部発振信号Lo+と該局部発振信号Lo+と180度位相を異にする局部発振信号Lo-を出力し、局部発振信号Lo+はトランジスタ21とトランジスタ24のベースに加えられ、局部発振信号Lo-はトランジスタ22とトランジスタ23のベースに加えられる。
【0012】
前記トランジスタ21のベースに局部発信信号Lo+が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf+が加えられるのでミキサされコレクタから中間周波信号が取出される。またトランジスタ23のベースに局部発信信号Lo-が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf-が加えられコレクタから中間周波信号IF+が取出される。
【0013】
同様にしてトランジスタ22のベースに局部発信信号Lo-が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf+が加えられるのでミキサされコレクタから中間周波信号が取出される。またトランジスタ24のベースに局部発信信号Lo+が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf-が加えられコレクタから中間周波信号IF-が取出される。
【0014】
前記取出された中間周波信号IF+と中間周波信号IF-は中間周波増幅器10の前段の差動アンプに加えられる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記ダブルバランス型ミキサ回路をマイクロ波帯域で用いた場合、接続するトランジスタのベースの配線が長くなると、各トランジスタ間で信号の位相差を生じ異常発振し、回路自体の動作が不安定になる場合があった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のダブルバランス型ミキサ回路は第1トランジスタと第2トランジスタ及び第3トランジスタと第4トランジスタのベースを夫々最短距離で接続されるように設け、第1局部発振信号を前記第1トランジスタと第2トランジスタのベースに加え、第2局部発振信号を前記第3トランジスタと第4トランジスタのベースに加え、第1トランジスタと第3トランジスタのエミッタを接続し前記第5トランジスタからの第1高周波増幅信号を加え、第2トランジスタと第4トランジスタのエミッタを接続し前記第6トランジスタからの第2高周波増幅信号を加え、第1トランジスタと第4トランジスタのコレクタを接続し、第1中間周波信号を取出し、第2トランジスタと第3トランジスタのコレクタを接続し、第2中間周波信号を取出す構成をなす。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路を図面に従って説明する。
【0018】
図1は本発明のマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路のブロック図で、従来と同じ構成部分は同一番号を付する。
【0019】
1はアンテナ又はケーブル等を介して受信された受信信号を処理する受信部、2はアンテナ又はケーブル等を介して送信される送信信号を処理する送信部である。
【0020】
前記受信部1はアンテナ等に受信されたマイクロ波帯の高周波信号を増幅する高周波増幅回路5と、PLL6にて発振周波数が制御される電圧制御発振器よりなる局部発振器7と、該局部発振器7よりバッファーアンプ6を介して加わる局部発振信号と前記高周波増幅回路5よりの高周波信号とを混合するミキサ回路9と、該ミキサ回路9で変換された中間周波数信号を増幅する中間周波増幅回路10とよりなる。
【0021】
また送信部2は送信するべき送信信号が変換された中間周波数信号を増幅する中間周波増幅回路17と、該中間周波増幅回路17よりの中間周波数信号と前記局部発振器7よりバッファーアンプ18を介して加わる局部発振信号と混合するミキサ回路19および該ミキサ回路19よりのマイクロ波帯の高周波数信号を増幅し、前記アンテナに供給する高周波増幅回路20とよりなる。
【0022】
受信状態では、アンテナ又はケーブルを介して高周波増幅回路5に加えられた高周波信号は前記高周波増幅回路5で増幅され、さらにミキサ回路9に加わりミキサされる。ミキサ回路9では前記高周波信号と局部発振器7からの局部発振信号とがミキサされ中間周波数信号が取出され中間周波増幅回路10で増幅される。
【0023】
ところで前記ミキサ回路9はベースが最短距離に接続されるように近接して設けた第1トランジスタ35及び第2トランジスタ36と、同様にベースが最短距離に接続されるように近接して設けた第3トランジスタ37及び第4トランジスタ38と、ベースに高周波増幅器5で増幅された第1高周波増幅信号Rf+が加えられる第5トランジスタ39と、ベースに高周波増幅器5で増幅され前記と180度位相を異にする第2高周波増幅信号Rf-が加えられる第6トランジスタ40とよりなる。
【0024】
前記第1トランジスタ35と第2トランジスタ36及び第3トランジスタ37と第4トランジスタ38のベースを夫々接続する配線の特性インピーダンスと電気長を同一にしている。
【0025】
また第1トランジスタ35と第3トランジスタ37のエミッタは接続され前記第5トランジスタ39からの高周波増幅信号Rf+が加えられ、又前記第2トランジスタ36と第4トランジスタ38のエミッタは接続され前記第6トランジスタ40からの高周波増幅信号Rf-が加えられる。
【0026】
さらに第1トランジスタ35と第4トランジスタ38のコレクタは接続さると共に抵抗41を電源電圧Vccが加えられ、同様に第2トランジスタ36と第3トランジスタ37のコレクタは接続さると共に抵抗42を電源電圧Vccが加えられる。
【0027】
前述したように第1トランジスタ35のベースに局部発信信号Lo+が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf+が加えられミキサされる。また第4トランジスタ38のベースに局部発信信号Lo-が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf-が加えられミキサされる。
【0028】
同様に前記第2トランジスタ36のベースに局部発信信号Lo+が加えられ、エミッタに高周波増幅信号Rf-が加えられミキサされ、また第4トランジスタ38のベースに局部発信信号Lo-が加えられミキサされる。
【0029】
前記局部発振器7は前記制御信号にてPLL6が制御され、局部発振器7からは丁度高周波信号と中間周波数分だけ異なる周波数の局部発振信号を発振するので、前記ミキサされることにより第1トランジスタ35と第4トランジスタ38のエミッタから中間周波信号IF+が取出され、第2トランジスタ36と第3トランジスタ37のエミッタから中間周波信号IF+が取出される。
【0030】
前記取出された中間周波信号IF+と中間周波信号IF-は中間周波増幅器10の前段の差動アンプに加えられる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のダブルバランス型ミキサ回路は第1トランジスタと第2トランジスタ及び第3トランジスタと第4トランジスタの1ベースが最短距離で接続されるように近接して設けたので、ベース間を接続する配線の浮遊容量あるいはインダクタンスを最小にでき、高い周波数まで回路動作を安定にできる。
【0032】
さらに各トランジスタのベースを夫々接続する配線の特性インピーダンスと電気長を同一にすることにより、各トランジスタ間での信号の位相差の発生を防止し、異常発振の発生するのを防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路のブロック図である。
【図2】従来のマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 受信部
2 送信部
5 高周波増幅回路
7 局部発振回路
9 ミキサ回路
10 中間周波増幅回路
35 第1トランジスタ
36 第2トランジスタ
37 第3トランジスタ
38 第4トランジスタ
39 第5トランジスタ
40 第6トランジスタ
Claims (2)
- ベースが最短距離に接続されるように近接して設けた第1トランジスタ35及び第2トランジスタ36と、
ベースが最短距離に接続されるように近接して設けた第3トランジスタ37及び第4トランジスタ38と、
ベースに高周波増幅器5で増幅された第1高周波増幅信号Rf+が加えられる第5トランジスタ39と、
ベースに高周波増幅器5で増幅され前記第1高周波増幅信号Rf+と180度位相を異にする第2高周波増幅信号Rf-が加えられる第6トランジスタ40とよりなり、
局部発振器7よりの第1局部発振信号を前記第1トランジスタ35と第2トランジスタ36のベースに加え、前記第1局部発振信号と180度位相を異にする局部発振器よりの第2局部発振信号を前記第3トランジスタ37と第4トランジスタ38のベースに加え、
第1トランジスタ35と第3トランジスタ37のエミッタを接続し前記第5トランジスタ39からの第1高周波増幅信号Rf+を加え、第2トランジスタ36と第4トランジスタ38のエミッタを接続し前記第6トランジスタ40からの前記第2高周波増幅信号Rf-を加え、
第1トランジスタ35と第4トランジスタ38のコレクタを接続し、第1中間周波信号IF+を取出し、第2トランジスタ36と第3トランジスタ37のコレクタを接続し、第1中間周波信号と180度位相を異にする第2中間周波信号IF-を取出し、夫々中間周波増幅器10に加えることを特徴とするマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路。 - 第1トランジスタ35と第2トランジスタ36及び第3トランジスタ37と第4トランジスタ38のベースを夫々接続する配線の特性インピーダンスと電気長を同一にすることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路。
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JP2000281280A JP3723435B2 (ja) | 2000-09-18 | 2000-09-18 | マイクロ波帯ダブルバランス型ミキサ回路 |
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AU2003211544A1 (en) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Fujitsu Limited | Load variation correcting circuit |
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2000
- 2000-09-18 JP JP2000281280A patent/JP3723435B2/ja not_active Expired - Lifetime
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