JP2004172712A - ローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置 - Google Patents
ローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】基地局に用いる送受信装置は周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度で変化しローカル発振回路が安定しなかった。
【解決手段】送受信装置の周波数シンセサイザ1と異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4を用いて、周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度によって変化しても出力が一定となる信号を送出するローカル発振回路3を用いて安定に動作する送受信装置を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】送受信装置の周波数シンセサイザ1と異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4を用いて、周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度によって変化しても出力が一定となる信号を送出するローカル発振回路3を用いて安定に動作する送受信装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報通信分野の情報通信機器として、特に無線基地局などで周波数シンセサイザの発振周波数を切り換えて発振信号を出力するローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のローカル発振回路の例を示したものである。このローカル発振回路23は周波数シンセサイザ21の出力端子に飽和入出力特性を持つバッファアンプ22の入力端子を接続した構造となっている。また前記バッファアンプ22の出力端子は図8(A)のアップコンバータであるミキサ24と、アンプ25およびアンテナ26で構成される無線基地局の送信装置のミキサ入力端子に接続されている。さらに、図8(B)のダウンコンバータであるミキサ27と、アンプ28およびアンテナ29で構成される無線基地局の受信装置のミキサ入力端子に接続される。
【0003】
このように従来用いられていたバッファアンプ22は図8(A)または図8(B)のように周波数シンセサイザ21から入力された信号を飽和入出力特性によって信号を一定の出力レベルで送出し、アップコンバータのミキサ24またはダウンコンバータのミキサ27のローカル信号出力に用いられていた。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−112365号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によるローカル発振回路23では、飽和入出力特性を持つバッファアンプ22の特性はある入力レベルに達すると、出力レベルが低下する。
【0007】
例えば、図9のバッファアンプ22の入出力特性図で示すように出力レベルが周波数切り換え時や温度によって約+/−3dB変化する周波数シンセサイザ21の出力変化区間よりもミキサ24の安定区間が小さくなり、図8(A)のミキサ24へ送出するバッファアンプ22のローカル信号の出力レベルが変化するためにミキサ24の変換利得や変換損失が変化し送受信装置として安定に動作しないという課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、基地局などの送受信装置の周波数シンセサイザと異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプと第2のバッファアンプを用いて、周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化しても出力が一定となる信号を送出するローカル発振回路を用いて安定に動作する送受信装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、周波数シンセサイザを用いて所望の周波数を選局するローカル発振回路において、前記周波数シンセサイザの出力端子に飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプの入力端子を接続し、前記第1のバッファアンプの出力端子に減衰器の入力端子を接続し、前記減衰器の出力端子に第1のバッファアンプとは異なる飽和入出力特性を持つ第2のバッファアンプの入力端子を接続して構成したローカル発振回路で、周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化しても、前記第2のバッファアンプの出力レベルを広範囲でほぼ一定に出力することが可能となるという効果が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、コレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を第2の抵抗の一方の端に接続し、前記第2の抵抗の他方の端を電源端子に接続して前記1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、第2の抵抗によるコレクタの電圧降下を利用して、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させることが可能となりローカル発振回路の出力を広範囲に一定の出力を得ることができるという効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、前記トランジスタのコレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を電源端子に接続し、前記トランジスタのエミッタ端子とグランド間に第3の抵抗を接続し、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、前記第3の抵抗によるコレクタの電圧降下を利用して、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させることが可能となりローカル発振回路の出力を広範囲に一定の出力を得ることができるという効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、第2のバッファアンプの出力端子にローパスフィルタを接続した構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、ローカル発振回路から出力される周波数シンセサイザの高調波を減衰させることにより、ミキサで周波数変換された信号出力に重畳される高調波雑音信号を抑圧することができ、安定した送受信装置の実現が可能となるという効果が得られる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、少なくともミキサ、アンプからなる送受信装置で請求項1から4に記載のローカル発振回路を用いた送受信装置であり、前記周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって約+/−3dB程度変化しても、前記第2のバッファアンプの出力レベルがほぼ一定となる出力信号を得ることができるため、ミキサへ送出するローカル信号レベルをほぼ一定にすることができる。つまり、ミキサの変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができるため、安定した送受信装置の実現が可能となるという効果が得られる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態におけるローカル発振回路の構成を示す構成図である。
【0016】
ローカル発振回路3は周波数シンセサイザ1の出力端子に飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2の入力端子を接続し、この第1のバッファアンプ2の出力端子に減衰器5の入力端子を接続し、前記減衰器5の出力端子に第1のバッファアンプ2とは異なる飽和入出力特性を持つ第2のバッファアンプ4の入力端子を接続している。
【0017】
ここで、第1のバッファアンプ2の飽和入出力特性は図2(A)に示すように周波数シンセサイザ1の出力変化区間の低いレベルで、出力レベルが低下する特性となっている。
【0018】
また、第2のバッファアンプ4の飽和入出力特性は図2(B)に示すように周波数シンセサイザ1の出力変化区間の高いレベルで、出力レベルが低下する特性となっている。
【0019】
このように異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4を周波数シンセサイザ1の出力端子に接続する。
【0020】
図3は従来のローカル発振回路のバッファアンプの入出力特性をB線、本発明のローカル発振回路のバッファアンプの入出力特性をA線で示している。周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度による変化で約+/−3dB程度変化しても、第2のバッファアンプ4からの出力レベルがほぼ一定となる出力信号を得ることができるのでB線の出力の安定区間よりA線の出力の安定区間の方が広く取ることができる。これによりミキサへ送出するローカル信号レベルを従来よりも広範囲にほぼ一定にすることができる。
【0021】
このような特性を持つバッファアンプのトランジスタとしては、例えば日本電気製の2SC5751、松下電器製のGN1010がある。
【0022】
また、図1に示す第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4の段間に接続された減衰器5は出力されるローカル信号レベルの調節を行う機能を有している。
【0023】
図4は第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の構成を示す回路図の一例である。ここで、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4に用いるトランジスタ10に接続するバイアス回路は、トランジスタ10のベース端子に第1の抵抗11の一方の端を接続し、前記トランジスタ10のコレクタ端子にインダクタ12の一方の端を接続し、前記第1の抵抗11および前記インダクタ12の他方の端を第2の抵抗13の一方の端に接続し、前記第2の抵抗13の他方の端を電源端子14に接続した構成としている。
【0024】
そして第1のバッファアンプ2の第2の抵抗13の抵抗値を第2のバッファアンプ4の第2の抵抗値より大きくすることによりコレクタの電圧降下量の差異を利用して異なる飽和入出力特性を持つ2種類のバッファアンプを実現している。
【0025】
また、図5は第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の構成を示す回路図の一例である。
【0026】
ここで、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4に用いるトランジスタ10に接続するバイアス回路は、トランジスタ10のベース端子に第1の抵抗11の一方の端を接続し、前記トランジスタのコレクタ端子にインダクタ12の一方の端を接続し、前記第1の抵抗11および前記インダクタ12の他方の端を電源端子14に接続し、前記トランジスタ10のエミッタ端子とグランド間に第3の抵抗15を接続した構成としている。
【0027】
そして、第1のバッファアンプ2の第3の抵抗15の抵抗値を第2のバッファアンプ4の第3の抵抗値より大きくすることにより、コレクタの電圧降下量の差異を利用し異なる飽和入出力特性を持つ2種類のバッファアンプを実現している。
【0028】
また、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の飽和入出力特性として、それぞれの電圧降下量に差異がある場合は第2の抵抗13を用いて飽和させる方法と第3の抵抗15を用いて飽和させる方法を組み合わせて使用しても問題ないものである。
【0029】
図6(A)は図4で示したローカル発振回路とアップコンバータであるミキサ7とアンプ8およびアンテナ9で構成される無線基地局の送信装置である。
【0030】
図6(B)は図4のローカル発振回路とアップコンバータであるミキサ7とアンプ8およびアンテナ9で構成される無線基地局の受信装置である。
【0031】
このような構成において周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度によって約+/−3dB程度変化しても、第2のバッファアンプ4の出力レベルがほぼ一定となる出力信号が図6(A)のミキサ7および図6(B)のミキサ7のローカル信号として入力されるため、ミキサ7の変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができる。
【0032】
これにより安定した送受信装置の実現が可能となる。
【0033】
また、第2のバッファアンプ4の出力端子にローパスフィルタ6を接続することで、ローカル発振回路3から出力される周波数シンセサイザ1の高調波を減衰させてミキサ7で周波数変換された信号出力に重畳される高調波雑音信号を抑圧することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明に関わるローカル発振回路において異なる飽和入出力特性を持つ第1と第2のバッファアンプを周波数シンセサイザの出力端子に接続することにより周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化してもミキサへ送出するローカル信号レベルをほぼ一定にすることができる。
【0035】
従って、本発明によれば特別な部品を使用することなくアップコンバータまたはダウンコンバータであるミキサの変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができるため安定した送受信装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローカル発振回路の一実施の形態を示す回路構成図
【図2】(A)同第1のバッファアンプの飽和入出力図
(B)同第2のバッファアンプの飽和入出力図
【図3】本発明と従来のバッファアンプの入出力特性比較図
【図4】本発明のバッファアンプの回路構成図
【図5】本発明のバッファアンプの他の回路構成図
【図6】(A)本発明の無線基地局の送信装置の回路構成図
(B)本発明の無線基地局の受信装置の回路構成図
【図7】従来のローカル発振回路の回路構成図
【図8】(A)従来のアップコンバータの回路構成図
(B)従来のダウンコンバータの回路構成図
【図9】従来のバッファアンプの入出力特性図
【符号の説明】
1 周波数シンセサイザ
2 第1のバッファアンプ
3 ローカル発振回路
4 第2のバッファアンプ
5 減衰器
6 ローパスフィルタ
7 ミキサ
8 アンプ
9 アンテナ
10 トランジスタ
11 第1の抵抗
12 インダクタ
13 第2の抵抗
14 電源端子
15 第3の抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は情報通信分野の情報通信機器として、特に無線基地局などで周波数シンセサイザの発振周波数を切り換えて発振信号を出力するローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のローカル発振回路の例を示したものである。このローカル発振回路23は周波数シンセサイザ21の出力端子に飽和入出力特性を持つバッファアンプ22の入力端子を接続した構造となっている。また前記バッファアンプ22の出力端子は図8(A)のアップコンバータであるミキサ24と、アンプ25およびアンテナ26で構成される無線基地局の送信装置のミキサ入力端子に接続されている。さらに、図8(B)のダウンコンバータであるミキサ27と、アンプ28およびアンテナ29で構成される無線基地局の受信装置のミキサ入力端子に接続される。
【0003】
このように従来用いられていたバッファアンプ22は図8(A)または図8(B)のように周波数シンセサイザ21から入力された信号を飽和入出力特性によって信号を一定の出力レベルで送出し、アップコンバータのミキサ24またはダウンコンバータのミキサ27のローカル信号出力に用いられていた。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−112365号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によるローカル発振回路23では、飽和入出力特性を持つバッファアンプ22の特性はある入力レベルに達すると、出力レベルが低下する。
【0007】
例えば、図9のバッファアンプ22の入出力特性図で示すように出力レベルが周波数切り換え時や温度によって約+/−3dB変化する周波数シンセサイザ21の出力変化区間よりもミキサ24の安定区間が小さくなり、図8(A)のミキサ24へ送出するバッファアンプ22のローカル信号の出力レベルが変化するためにミキサ24の変換利得や変換損失が変化し送受信装置として安定に動作しないという課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、基地局などの送受信装置の周波数シンセサイザと異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプと第2のバッファアンプを用いて、周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化しても出力が一定となる信号を送出するローカル発振回路を用いて安定に動作する送受信装置を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、周波数シンセサイザを用いて所望の周波数を選局するローカル発振回路において、前記周波数シンセサイザの出力端子に飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプの入力端子を接続し、前記第1のバッファアンプの出力端子に減衰器の入力端子を接続し、前記減衰器の出力端子に第1のバッファアンプとは異なる飽和入出力特性を持つ第2のバッファアンプの入力端子を接続して構成したローカル発振回路で、周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化しても、前記第2のバッファアンプの出力レベルを広範囲でほぼ一定に出力することが可能となるという効果が得られる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、コレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を第2の抵抗の一方の端に接続し、前記第2の抵抗の他方の端を電源端子に接続して前記1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、第2の抵抗によるコレクタの電圧降下を利用して、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させることが可能となりローカル発振回路の出力を広範囲に一定の出力を得ることができるという効果が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、前記トランジスタのコレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を電源端子に接続し、前記トランジスタのエミッタ端子とグランド間に第3の抵抗を接続し、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、前記第3の抵抗によるコレクタの電圧降下を利用して、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させることが可能となりローカル発振回路の出力を広範囲に一定の出力を得ることができるという効果が得られる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、第2のバッファアンプの出力端子にローパスフィルタを接続した構成とした請求項1に記載のローカル発振回路で、ローカル発振回路から出力される周波数シンセサイザの高調波を減衰させることにより、ミキサで周波数変換された信号出力に重畳される高調波雑音信号を抑圧することができ、安定した送受信装置の実現が可能となるという効果が得られる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、少なくともミキサ、アンプからなる送受信装置で請求項1から4に記載のローカル発振回路を用いた送受信装置であり、前記周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって約+/−3dB程度変化しても、前記第2のバッファアンプの出力レベルがほぼ一定となる出力信号を得ることができるため、ミキサへ送出するローカル信号レベルをほぼ一定にすることができる。つまり、ミキサの変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができるため、安定した送受信装置の実現が可能となるという効果が得られる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態におけるローカル発振回路の構成を示す構成図である。
【0016】
ローカル発振回路3は周波数シンセサイザ1の出力端子に飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2の入力端子を接続し、この第1のバッファアンプ2の出力端子に減衰器5の入力端子を接続し、前記減衰器5の出力端子に第1のバッファアンプ2とは異なる飽和入出力特性を持つ第2のバッファアンプ4の入力端子を接続している。
【0017】
ここで、第1のバッファアンプ2の飽和入出力特性は図2(A)に示すように周波数シンセサイザ1の出力変化区間の低いレベルで、出力レベルが低下する特性となっている。
【0018】
また、第2のバッファアンプ4の飽和入出力特性は図2(B)に示すように周波数シンセサイザ1の出力変化区間の高いレベルで、出力レベルが低下する特性となっている。
【0019】
このように異なる飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4を周波数シンセサイザ1の出力端子に接続する。
【0020】
図3は従来のローカル発振回路のバッファアンプの入出力特性をB線、本発明のローカル発振回路のバッファアンプの入出力特性をA線で示している。周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度による変化で約+/−3dB程度変化しても、第2のバッファアンプ4からの出力レベルがほぼ一定となる出力信号を得ることができるのでB線の出力の安定区間よりA線の出力の安定区間の方が広く取ることができる。これによりミキサへ送出するローカル信号レベルを従来よりも広範囲にほぼ一定にすることができる。
【0021】
このような特性を持つバッファアンプのトランジスタとしては、例えば日本電気製の2SC5751、松下電器製のGN1010がある。
【0022】
また、図1に示す第1のバッファアンプ2と第2のバッファアンプ4の段間に接続された減衰器5は出力されるローカル信号レベルの調節を行う機能を有している。
【0023】
図4は第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の構成を示す回路図の一例である。ここで、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4に用いるトランジスタ10に接続するバイアス回路は、トランジスタ10のベース端子に第1の抵抗11の一方の端を接続し、前記トランジスタ10のコレクタ端子にインダクタ12の一方の端を接続し、前記第1の抵抗11および前記インダクタ12の他方の端を第2の抵抗13の一方の端に接続し、前記第2の抵抗13の他方の端を電源端子14に接続した構成としている。
【0024】
そして第1のバッファアンプ2の第2の抵抗13の抵抗値を第2のバッファアンプ4の第2の抵抗値より大きくすることによりコレクタの電圧降下量の差異を利用して異なる飽和入出力特性を持つ2種類のバッファアンプを実現している。
【0025】
また、図5は第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の構成を示す回路図の一例である。
【0026】
ここで、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4に用いるトランジスタ10に接続するバイアス回路は、トランジスタ10のベース端子に第1の抵抗11の一方の端を接続し、前記トランジスタのコレクタ端子にインダクタ12の一方の端を接続し、前記第1の抵抗11および前記インダクタ12の他方の端を電源端子14に接続し、前記トランジスタ10のエミッタ端子とグランド間に第3の抵抗15を接続した構成としている。
【0027】
そして、第1のバッファアンプ2の第3の抵抗15の抵抗値を第2のバッファアンプ4の第3の抵抗値より大きくすることにより、コレクタの電圧降下量の差異を利用し異なる飽和入出力特性を持つ2種類のバッファアンプを実現している。
【0028】
また、第1のバッファアンプ2および第2のバッファアンプ4の飽和入出力特性として、それぞれの電圧降下量に差異がある場合は第2の抵抗13を用いて飽和させる方法と第3の抵抗15を用いて飽和させる方法を組み合わせて使用しても問題ないものである。
【0029】
図6(A)は図4で示したローカル発振回路とアップコンバータであるミキサ7とアンプ8およびアンテナ9で構成される無線基地局の送信装置である。
【0030】
図6(B)は図4のローカル発振回路とアップコンバータであるミキサ7とアンプ8およびアンテナ9で構成される無線基地局の受信装置である。
【0031】
このような構成において周波数シンセサイザ1の出力レベルが周波数や温度によって約+/−3dB程度変化しても、第2のバッファアンプ4の出力レベルがほぼ一定となる出力信号が図6(A)のミキサ7および図6(B)のミキサ7のローカル信号として入力されるため、ミキサ7の変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができる。
【0032】
これにより安定した送受信装置の実現が可能となる。
【0033】
また、第2のバッファアンプ4の出力端子にローパスフィルタ6を接続することで、ローカル発振回路3から出力される周波数シンセサイザ1の高調波を減衰させてミキサ7で周波数変換された信号出力に重畳される高調波雑音信号を抑圧することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明に関わるローカル発振回路において異なる飽和入出力特性を持つ第1と第2のバッファアンプを周波数シンセサイザの出力端子に接続することにより周波数シンセサイザの出力レベルが周波数や温度によって変化してもミキサへ送出するローカル信号レベルをほぼ一定にすることができる。
【0035】
従って、本発明によれば特別な部品を使用することなくアップコンバータまたはダウンコンバータであるミキサの変換利得や変換損失をほぼ一定にすることができるため安定した送受信装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローカル発振回路の一実施の形態を示す回路構成図
【図2】(A)同第1のバッファアンプの飽和入出力図
(B)同第2のバッファアンプの飽和入出力図
【図3】本発明と従来のバッファアンプの入出力特性比較図
【図4】本発明のバッファアンプの回路構成図
【図5】本発明のバッファアンプの他の回路構成図
【図6】(A)本発明の無線基地局の送信装置の回路構成図
(B)本発明の無線基地局の受信装置の回路構成図
【図7】従来のローカル発振回路の回路構成図
【図8】(A)従来のアップコンバータの回路構成図
(B)従来のダウンコンバータの回路構成図
【図9】従来のバッファアンプの入出力特性図
【符号の説明】
1 周波数シンセサイザ
2 第1のバッファアンプ
3 ローカル発振回路
4 第2のバッファアンプ
5 減衰器
6 ローパスフィルタ
7 ミキサ
8 アンプ
9 アンテナ
10 トランジスタ
11 第1の抵抗
12 インダクタ
13 第2の抵抗
14 電源端子
15 第3の抵抗
Claims (5)
- 周波数シンセサイザを用いて所望の周波数を選局するローカル発振回路において、前記周波数シンセサイザの出力端子に飽和入出力特性を持つ第1のバッファアンプの入力端子を接続し、前記第1のバッファアンプの出力端子に減衰器の入力端子を接続し、前記減衰器の出力端子に第1のバッファアンプとは異なる飽和入出力特性を持つ第2のバッファアンプの入力端子を接続して構成したローカル発振回路。
- 第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、コレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を第2の抵抗の一方の端に接続し、前記第2の抵抗の他方の端を電源端子に接続して前記第1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路。
- 第1または第2のバッファアンプに用いるトランジスタに接続するバイアス回路において、このトランジスタのベース端子に第1の抵抗の一方の端を接続し、前記トランジスタのコレクタ端子にインダクタの一方の端を接続し、前記第1の抵抗および前記インダクタの他方の端を電源端子に接続し、前記トランジスタのエミッタ端子とグランド間に第3の抵抗を接続し、前記第1および第2のバッファアンプを飽和させる構成とした請求項1に記載のローカル発振回路。
- 第2のバッファアンプの出力端子にローパスフィルタを接続した構成とした請求項1に記載のローカル発振回路。
- 少なくともミキサ、アンプからなる送受信装置で請求項1から4に記載のローカル発振回路を用いた送受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333392A JP2004172712A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | ローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002333392A JP2004172712A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | ローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004172712A true JP2004172712A (ja) | 2004-06-17 |
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ID=32698116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002333392A Pending JP2004172712A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | ローカル発振回路およびそれを用いた送受信装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004172712A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008099241A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Princeton Technology Corp | 表面弾性波発振器を備える受信機ic |
JP2012129946A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Mitsubishi Electric Corp | 送受信回路 |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333392A patent/JP2004172712A/ja active Pending
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JP2008099241A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Princeton Technology Corp | 表面弾性波発振器を備える受信機ic |
JP2012129946A (ja) * | 2010-12-17 | 2012-07-05 | Mitsubishi Electric Corp | 送受信回路 |
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