JP3723395B2 - 道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法 - Google Patents
道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路交通情報の簡易図形表示に関する。具体的には、より適切な表現で簡略した地図上に道路交通情報を表示するためのデータ処理に関する。さらに詳述すれば、VICS(登録商標)簡易図形表示型における渋滞度情報のデータ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、VICSについてその概要を説明する。VICS(Vehicle Information and Communication System)は、種々の手段で得た道路交通情報(渋滞、区間旅行時間、リンク旅行時間、事象・規制、駐車場)を、道路管理者および都道府県警察が収集し、VICSセンター(登録商標)が処理・編集し、カーナビゲーション等のVICS対応車載機にリアルタイムで提供するシステムである。この提供手段には、電波ビーコン・光ビーコン・FM多重放送があり、これらのメディアは、それぞれの特性に応じた使い分けがなされている。電波ビーコンは主に高速道路に設置され、前方200km程度の高速道路と周辺一般道の情報、光ビーコンは一般道に設置され、前方10〜30km程度の一般道と高速道路の情報、FM多重放送は都道府県単位の広域にわたる概要的な情報が提供されている。この情報のレベルには3段階あり、レベル1は文字表示型、レベル2は簡易図形表示型、レベル3は地図表示型となっている。このレベル2の簡易図形表示型は、車載機のディスプレイにVICS情報を簡単な図形で表示するタイプであり、道路交通情報がパターン化されたシンプルな図形や文字によって、進行方向前方の渋滞箇所や区間旅行時間が表示されるのが特長となっている。
【0003】
VICSリンクは、道路を区切り、それに番号を付けたものである。VICSリンクは、上り、下りの方向を持っている。通常では、道路の進行方向の道なりに沿って、連番の番号が付けられている。それぞれの番号はVICSリンク番号と呼ばれている。また、VICSリンクの番号は、実際の地形をメッシュに分割し、その各々に番号を付けたメッシュ番号毎に、そのエリア内の道路に対して、単一なVICSリンク番号が割当てられている。従って、同一のVICSリンク番号でも、メッシュ番号が変われば別の道路を示すことになる。ここでは、VICSリンク、単にリンクと表現しているものは同一のものを指している。同様に、リンク番号、VICSリンク番号も同様である。
【0004】
提供されるVICS情報は、道路種別として高速、都市高速、幹線、その他、の区分を、時種として現在データ/予測データを、そしてそのある区間の旅行時間を表す区間旅行時間、VICSリンク単位の情報として渋滞度(不明/渋滞無し/混雑/渋滞)、通過時間を表すリンク旅行時間、事象・規制(交通事故、通行止、車線規制、速度規制、工事など)などであり、また渋滞長、渋滞先頭位置、駐車場の満空状況に関する情報などがある。
【0005】
車載用のナビゲーション機器において、簡易図形型の表示をする場合、その簡易図形型は、背景画像となる簡略化した道路地図と、この上に道路交通情報表示のための画像で構成することが必要である。以後、この簡略化した道路地図、またはその図形を、簡易図形と呼ぶこととする。この簡易図形は、地図のように細かく道路を表現するものではなく、道路をできるだけ簡単に表現し、道路交通状況をわかりやすく表現するための図形である。
【0006】
道路交通状況をわかりやすく表現するための図形である簡易図形は、実際の地形との相似関係にはない。VICS情報が提供されている道路上を走行する車に搭載されているVICS対応車載器のスクリーン上に、前方10〜30km程度(最大は40km平方になっています。FM放送の場合は、前方の区別はつかない)の範囲の道路交通状況(正確には、提供されている特定道路の交通状況)を、車載器上のスクリーンに表示可能な形態で、簡易に表示するのが目的である。従って、カーナビゲーションの地図表示のように、車の進行に従って、その図形が回転したり、また移動したり、またその大きさが変化したりすることはない。一般的には、あるエリアに対して1つの簡易図形があることになる。もっとも、首都圏のように複雑な道路網の場合などに対しては、道路の一部が複数の簡易図形において表示される場合もある。表示される道路は、上記したように最大40km平方程度の範囲に含まれる主要道路あるいは一般道路であり、さらに簡易に表示することが可能な道路に限定される。
【0007】
以上説明したような簡易図形上に、道路交通情報を表示することになるが、簡易図形には、一般に言う、またはカーナビゲーションにおいて使用されている地図(デジタル地図)の様に、一般化された意味での場所情報は持っていない。また、実際にカーナビゲーションにおいて一般に都市などで多用される地図としての縮尺率よりも、大きな縮尺率であることが普通である。
【0008】
また、一般的にカーナビゲーション機器のスクリーンの解像度は、7型の場合、横480ドット、高さ234ドット程度であり、この画面寸法は、W156、H87程度である。従って、1ドット当たりでは、横方向で0.325mm、垂直方向で、0.372mmとなる。運転者が、または助手席の人がこのモニタスクリーンを見る場合における見やすい大きさの最小単位は、一般的には、2ドット程度になると思われる。
【0009】
従って、道路交通状況をわかりやすく表現するための図形である簡易図形上において、そこに表示される道路上の渋滞個所を示す場合、その渋滞長と実際の道路との縮尺比で表した場合、1ドットもしくは1ドット以下になる場合が生じることになる。このような表示形態において、その1ドットに満たない渋滞箇所が、そこを通過する場合において大きな影響を持たない場合はともかく、何らかの影響により渋滞が始まった場合を示している場合は、そこを通過する車にとっては大きな影響を与えることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
簡易図形上に道路交通情報を表示する方法として、そこに表示される道路を表現する画像、あるいは渋滞度表示をする帯状の図形を、対応するVICSリンク毎に分割し、その分割されたそれぞれに対してそのリンクの道路交通情報、例えば、渋滞度の各々の場合を色で図形上に表示しようとすると、VICSリンク単位のその画像は、非常に小さいものとなり、多くの場合、車載機器のスクリーン解像度以下、すなわち、1ドット以下になる。このようなとき、単に1つのVICSリンクのみに渋滞が発生していても、そのVICSリンクの前後の広い範囲にわたって渋滞無しの場合は、全く表示されないか、目立たない場合がある。そこの渋滞が、その表示される道路を通過する時間に小さな影響しか与えない場合はともかく、大きな影響を与える場合には、その表示方法は問題があると言わざるを得ない。また、あらかじめ作成されている簡易図形においては、その図形の、地形と相似形の地図からの変形度に応じて、特定のVICSリンクが寸法的に、強調されたり、または、逆に小さくなって目立たなくなったりしてしまうことが想定される。また、渋滞や混雑の起きやすいVICSリンクの渋滞度情報を、正確に、見やすい形態で簡易図形上に表現することが望まれている。
【0011】
従って、本発明の課題は、ユーザに対して、進行方向前方の道路交通情報、詳しくは渋滞箇所の表示を、パターン化されたシンプルな図形や文字によって見やすい大きさや長さで、表示されるようにする方法を提供することである。実際にこの画像の表示に使用される車載機器機器のスクリーンの大きさとその解像度に応じた渋滞表示をし、また、その渋滞表示を表示するための方法を提供し、提供され表示される交通情報を有効に活用できる表示形態を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法において、簡易図形においてある幅と長さを持ち、道路を表現する図形あるいは、該図形に沿った帯び状の図形を、それと対応する道路のVICSリンクそれぞれの実際長に比例して細分化し、前記細分化したそれぞれをVICSリンクと対応付け、前記対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出し、前記抽出した図形情報の該簡易図形上における長さ方向の図形列に対して、該抽出した図形の連続する長さが、あらかじめ定めた長さに満たない場合、あらかじめ定めた方法で、該長さを満たすように前後の前記細分化した図形の図形情報を該抽出図形情報に加える処理を、前記図形の対応する道路の進行方向に向かって行い、前記処理された結果としての前記抽出された図形情報を基に、簡易図形上に表示する渋滞情報表示図形を生成するようにした。
【0013】
また、前記細分化したそれぞれを表示リンクとした場合に、前記あらかじめ定めた方法を、前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがある場合は1つ前方の表示リンクを抽出リンクに追加し、前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがない場合で、後方が交差点でない場合は1つ後方の表示リンクを抽出リンクに追加し、前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがない場合で、後方が交差点である場合は1つ後方の表示リンクを抽出リンクに追加し、前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれに対応する前記細分化された図形を基に渋滞情報表示図形を生成するようにした。
【0014】
また、前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれの間に1つの表示リンクが含まれ、その表示リンクの長さがあらかじめ定められた長さ以下の場合に、該長さ以下の表示リンクを、前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれにさらに追加する空白処理をするようにした。
【0015】
また、渋滞情報と混雑情報を同時に表示する場合には、渋滞度が渋滞についての、前述の方法に対して、さらに、前記抽出された残りの表示リンクから渋滞度情報が混雑の表示リンクを抽出して、対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出した後に、前記抽出された残りの表示リンクから渋滞度情報が混雑の表示リンクを抽出して、対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出し、前記抽出した混雑の表示リンクに対して、前記描画ドット長変換処理と同様の第2の描画ドット長変換処理を行い、前記第1の描画ドット長変換処理が行われた結果としての表示リンクを渋滞表示として、および前記第2の描画ドット長変換処理が行われた結果としての表示リンクを混雑表示として結合し、前記結合された結果としての前記抽出された表示リンクに対応する図形情報を基に、簡易図形上に表示する渋滞度情報表示図形を生成するようにした。
【0016】
【発明の実施の形態】
道路交通状況をわかりやすく表現するための図形である簡易図形において、ある幅と長さを持ち、道路を表現する図形が、他の道路を示す図形との交点、またはこの図形を区分するための、またはその道路を示す図形の特定ポイントを示すマーク等によって区分される場合に、その長さを持った図形を、またはその図形に沿うある幅を持つ図形を、対応する道路のVICSリンクそれぞれの長さに比例して細分化する。この細分化したそれぞれの長さ(道路の延長方向に対する長さ)が、例えば、前述したような、モニタスクリーン上において表示した場合に、1ドットに満たない場合、隣り合う細分化されたそれぞれの図形を接続し、接続した結果が1ドット以上になるように、VICSリンクの列をグループ化する。このグループ化したそれぞれのVICSリンク列を表示リンクと呼ぶことにする。そしてこれらの表示リンク各々に対してVICSリンク番号のような番号を付けて、それぞれを区別する。
【0017】
図1は、以上説明したことを例示した図である。簡易図形上の道路(太線)にそって渋滞度情報を表す図形を設定した例を示している。ただし、判りやすくするために、最小単位を1ドットにしている。太い線で示した道路を示す簡易図形上に、細線で示した四角枠それぞれは、渋滞度表示のためのそれぞれの図形表示枠である。下部の四角枠中の数字はVICSリンク番号を表し、上部の数字は、スクリーン上におけるドット単位の番号を示している。道路中央の数字は、上部それぞれの四角枠に対する表示リンク番号を示している。これらの数字は説明のためのものであり、表示されることはない。図において、VICSリンク番号1,2,5,6,7,8、11は、1ドットとしているが、これらのVICSリンクは等長であることを意味するとは限らず、またVICSリンク9、10は、VICSリンク番号11の2倍に等しい長さとは限らない。第1図のような場合、このように区分することで、実際のVICSリンクの道路長に比例した形で表現することが可能とのことを示しているに過ぎない。ここで、1ドット、2ドットは、表示スクリーンとの関係であって、表示スクリーンの輝度や大きさ、解像度によって見やすいドット長が変化することは言うまでもない。
【0018】
図1に示すように、図形を細分化した場合、見やすい最低のドット長が2である場合を考える。例えば、図1において、VICSリンク3のみが渋滞であっても、それをスクリーンに表す場合、VICSリンク2および4も渋滞と見做し、ドット番号では2と3に、渋滞を意味する赤色表示を行う。このようにして、渋滞リンクを中央にした2ドットの長さの表示を行う。この例の場合は、渋滞リンクを中央にしたが、例えば、VICSリンク6が渋滞の場合は、これに対応するドット番号5を赤色表示するのみでなく、ドット番号4も赤色表示する。このように、表示する長さが1ドット以内の場合は、進行方向と逆の方向に表示長さを延長し、2ドット以上の表示を行うようにする。このように描画のために抽出された表示リンクあるいはVICSリンクを描画リンクと呼ぶことにする。VICSリンク6と8が渋滞の場合は、ドット番号5と7に対応し、この場合はドット番号5,6,7を赤色表示し、全体として3ドットの表示する。また、VICSリンク番号1が渋滞の場合は、後方が交差点なので後方ではなく、進行方向に延長し、ドット番号1と2を赤色表示し、全体で2ドットの長さとする。このようにすることにより、見やすい大きさ、長さで渋滞情報(道路交通情報)を表示することができる。
【0019】
以上において、細分化した図形を表す指示子を表示リンク番号とすると、その表示リンク番号には、細分化した図形とその位置の情報、その図形の長さ、対応するVICSリンク番号(詳しくは、メッシュ番号とVICSリンク番号)、VICSリンク番号の各種交通情報が対応付けられることになる。ここでいう図形の長さとは、道路図形の延長方向に沿っての寸法であり、それと直角な方向の幅ではない。ここで、簡易図形の縮尺率によっては、すなわち、細分化したそれぞれの図形の長さが1ドット長とすることができる場合、それぞれの表示リンクは、そのままVICSリンクと等価になることは、明らかである。
【0020】
以上をまとめると、下記のようになる。
(1)簡易図形において、ある幅と長さを持ち、道路を表現する図形を、それと対応する道路のVICSリンクそれぞれの長さに比例して細分化する。
(2)細分化したそれぞれが、想定するスクリーンの1ドット長に満たない場合は連続するVICSリンクのいくつかをまとめて、1ドット長に相当するようにし、所定長の上記道路図形の長さに対して、グループ分けする。このグループを表示リンクと呼ぶ。この表示リンクには、ドット長を示すデータを対応付けする。
(3)上記道路図形に対して渋滞表示を行う場合、VICSリンク単位の渋滞情報から、表示リンク単位の渋滞情報に変換し、この変換された表示リンク単位の渋滞情報に基づき、まず、その表示リンクに対応する図形を描画のための図形とする。
(4)その描画リンクの長さが、1ドットの場合は下記、
【0021】
【表1】
【0022】
を実行し、2ドット以上の場合は、次に進む。
(5)上記(4)をそれぞれの描画リンクについて、後方から前方の方向に向かって、繰り返す。
【0023】
以上の処理を行うことで、1ドット表示の渋滞表示を見やすい大きさにすることができ、また、渋滞が途切れ途切れにあるような場合に、連続させて表示することにより、実際上の渋滞状況を見やすい形状にすることが可能になる。
【0024】
図2は、渋滞の表示だけでなく、渋滞と混雑の表示を行う場合について、上記の処理と同様な処理を行う表示のための処理を示した図である。簡易図形上において、渋滞度情報を表すための1ドット長の図形がそれぞれVICSリンクに対応している場合の渋滞度情報表示のための処理の過程を示している。上部にドット単位の目盛りを付して、VICSリンク単位に1ドットの大きさの図形が割り振られているものとしている。この図2は図1との直接的な関係はないが、簡易図形上における道路の交差点から表記した番号の1が始まっていると仮定している。目盛りのその下に、それぞれのVICSリンクの渋滞度情報のうち、渋滞度をa列で、混雑をb列で道路交通状況の例を示している。その下は、1ドットのみの表示を2ドットの表示長さにするように変換処理して、渋滞表示を優先し、混雑表示を含めて、それぞれを描画リンクに変換した際の描画リンクを示している。際下段には、渋滞表示と混雑表示の描画リンクを結合して、表示のための最終的な描画リンクとした場合を示している。
【0025】
この図から理解されるように、上述した(4)の処理を、まず、a列の渋滞について行い、c列に示す結果を得る。ここでは、左端は交差点であるとし、右に記載されていない部分は、渋滞および混雑ではないものとしている。この完了後、描画リンクになっていない表示リンクについて、上記(4)の処理を行う。このとき、描画リンクになっていない混雑の表示リンクをd列に示す。このd列について、上記(4)の処理の結果をe列で示す。ここで、VICSリンク番号3の混雑は、後方のリンクは既に渋滞としているので、前方のリンクを加えている。そして、c列とe列とを結合して1列とした結果がf列になる。
【0026】
ここで、*印を付けたところは、1ドットの間隔の表示をしない部分であり、描画リンクから見れば1ドットの空白部分である。このような空白表示は見やすさを優先して削除することが考えられる。この場合、何らかの処理をして空白とならないようにするが、一方に渋滞の描画リンクがあり他方に混雑の描画リンクがあるので、この場合は、渋滞ではなく混雑とする。このような空白処理をした結果がg列で示したようになる。
【0027】
この図においてドット番号1から7までの表示リンクが、その前方方向に表示しない空白があるので、h列に示すようにその先頭に矢印を示すようにしても良い。また、ドット番号11から20までの表示についてもその先頭に矢印を付している。
【0028】
ここで、VICSリンクの渋滞度情報には、コードを数値として表した場合の大きい数値順に並べると渋滞、混雑、渋滞無し、不明の順になる。従って、コード数値の大きい方を優先度が高いとすると、空白処理は、その両側の優先度が低い描画リンクと同一の描画リンクとすることになる。
【0029】
この空白処理の方法は、色々と考えられる。空白処理を不用とする考えかたもあり、両側に描画リンクがある場合に、優先度の高い渋滞度の描画リンクと同一にする方法も考えられる。しかし、優先度の低い描画リンクとするのが無難であり、適当と思われる。この空白処理は、渋滞と混雑を共に表示する場合だけでなく、渋滞のみを表示する場合でも、表示を見やすくする上で有効であるとことは明らかである。
【0030】
以上をふまえて、上述の(4)項の処理を、描画ドット長変換と呼ぶこととし、拡張された前述の(4)項を整理し、一般化すると、
(イ)優先度の高い順に、後方から前方に向かって、描画ドット長変換を行う。
(ロ)1つの渋滞度の描画ドット長変換を完了したら、描画リンクになっていない、残された表示リンク(あるいはVICSリンク)に対して上記(イ)を繰り返す。ここで、繰り返す際に、後方が既に優先度の高い描画リンクとされている場合は、前方に延長する、
(ハ)表示すべき渋滞度の変換が完了したら、それぞれの渋滞度の描画リンクを結合し、描画リンクに挟まれた空白表示となる表示リンクを抽出する。
(ニ)抽出された表示リンクのドット長が1ドットの場合、その表示リンクを、その前後の描画リンクにおける渋滞度情報の優先度の低い描画リンクと同一渋滞度情報をもつ描画リンクとする。
となる。
【0031】
以上の図2を使用しての説明で、表示リンクの長さを1ドット長としてきたが、図1における表示リンク番号8,9のように2ドット長の場合、上述の描画ドット長変換をどうするかという問題が残ることになる。例えば、図1において、表示リンク10のみが渋滞の場合、または表示リンク7と10が渋滞の場合で、渋滞表示のみをする場合である。このような場合、何も処理せずに、前述した(3)の処理、すなわち、VICSリンク単位の渋滞情報から、表示リンク単位の渋滞情報に変換し、この変換された表示リンク単位の渋滞情報に基づき、その表示リンクに対応する図形を描画のためのリンクとすると、1ドット長の表示が2つできることになる。これに対して、前述した描画ドット長変換を行うと、ドット番号6,7と10,11、12が渋滞を示す赤色表示がされることになる。この結果に対して、前述した(ハ)、(ニ)の空白処理を行った場合、表示リンク番号8のドット長は2であるので、結果的には何も行われず、空白のまま残ることになる。ここで、仮に表示リンク番号8のドット長が1の場合は、その表示リンクは渋滞の描画リンクとなり、最終的な結果として、表示リンク番号6,7,8,9,10が渋滞の描画リンクとなる。このような、表示が好ましいか否かについては、表示リンク8,9の渋滞度がそのとき、どのようなものであったか、渋滞に近い混雑であるか、それとも一時的に、この図に表されない道路からの流入が原因で表示リンク10が渋滞していて、表示リンク8,9は混雑でもない場合であるかによっても、判断が異なり、一概に決め付けることはできない。しかしながら、1ドットか2ドットかの比較であり、スクリーン全体から見れば、大きな問題ではなく、表示の見やすさのみの問題であるとの見方もできる。
【0032】
この空白処理は、渋滞と混雑を共に表示する場合について行うと説明してきたが、この処理は、渋滞のみを表示する場合でも、表示を見やすくする上で有効であるとことは明らかである。
【0033】
ここで、表示リンク、場合によってはVICSリンクと等価な表示リンクは、前述した描画リンクとする場合、その表示リンクに対応する渋滞度情報は、その渋滞度情報に応じて、対応する図形の付加情報、すなわち、色情報等に変換される。この色情報は、例えば、渋滞情報は赤色、混雑情報は橙色となる。また、前述した各種のデータ処理によって描画リンクの付加情報が変更されることは当然である。
【0034】
また、以上において、水平や垂直の図形を例に上げて、説明してきたが、斜めの図形でも、ドット長の計算方法を決めておけば、水平や垂直の図形と同様に扱うことができる。
【0035】
現在使用されている車載用のナビゲーション機器のスクリーンにおける1ドットは、正方形ではなく、横に若干広い長方形であり、1例では、縦方向1に対して縦方向の寸法は、約1.144である。このスクリーンを真正面から見る場合は別として、多少横方向から見ることになるドライバーにとっては、ほぼ正方形と言っても差し支えないと見ることもできる。スクリーンに対する垂直線から30゜の角度で横方向から見ると、ほぼ正方形に見えることになる。従って、実質上、正方形と見做しても問題はないことになる。従って、上述した、ドット長については、方向性は無視可能である。
【0036】
以上において、VICSリンクを簡易図形にそのVICSリンクの実際長に比例して表現した場合、一般的に1ドットに満たない場合、または1ドット相当として見做してきたが、表示する範囲のVICSリンクに対応する図形の長さが1ドット以上の場合、または2ドット以上の場合でも、以上の方法を使用することでより見やすくなることが考えられる。何故ならば、交通情報を簡易に表現する簡易図形型表示でもあるからである。しかしながら、一般的な簡易図形においては、上述した例、図2に示すような場合が多い。
【0037】
また、渋滞度表示のための図形をVICSリンク毎に、その距離に比例するように分割し、その長さがスクリーン上で1ドットの長さに満たない場合、1ドット相当の長さを持つVICSリンク列、すなわち表示リンクとしてまとめて処理するように説明してきたが、簡易図形の縮尺率によっては、そのようにまとめる必要がないことも明らかである。図形の形や縮尺率によっては、上述した説明で表示リンクをVICSリンクと読み替えて解釈することは可能であり、効果としても何ら変わることはない。図2は、そのような例を示している。
【0038】
また、前述したような、処理の遂行をレベル分けして、表示するようにすることもできる。例えば、前述した(3)の段階から、空白処理をしない前の段階、そして空白処理をした段階の大きく分けて3段階の処理過程がある。段階を経るに従って、見やすさの程度が向上する。この段階を選択可能にすることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、簡易図形上に道路交通情報を見やすい形で表示することを可能にする。特に、実際に多用されている車載機器のモニタスクリーンの解像度に対応して、道路交通情報の最低の表示単位を決定しているので、一般に縮尺率の大きい簡易図形上における一部の渋滞箇所の表示も的確に見やすい大きさで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】簡易図形上の道路(太線)にそって渋滞度情報を表す図形を設定した例を示す図である。
【図2】簡易図形上において、渋滞度情報を表す1ドット長の図形がそれぞれVICSリンクに対応している場合の渋滞度情報表示のための処理過程を示す図である。
【符号の説明】
a 渋滞のリンク
b 混雑のリンク
c 描画ドット長変換された渋滞表示のリンク
d 残された混雑のリンク
e 描画ドット長変換された、残された混雑のリンク
f 上記c列とe列の結合
g 空白処理された描画リンク
h 実際の表示例
K 交差点
Claims (5)
- 簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法であって、
簡易図形においてある幅と長さを持ち、道路を表現する図形あるいは、該図形に沿った帯び状の図形を、それと対応する道路のVICSリンクそれぞれの実際長に比例して細分化し、
前記細分化したそれぞれをVICSリンクと対応付け、
前記対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出し、
前記抽出した図形情報の該簡易図形上における長さ方向の図形列に対して、該抽出した図形の連続する長さが、あらかじめ定めた長さに満たない場合、あらかじめ定めた方法で、該長さを満たすように前後の前記細分化した図形の図形情報を該抽出図形情報に加える処理を、前記図形の対応する道路の進行方向に向かって行い、
前記処理された結果としての前記抽出された図形情報を基に、簡易図形上に表示する渋滞情報表示図形を生成する
ことを特徴とする道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法。 - 簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法であって、
前記細分化したそれぞれを表示リンクとした場合に、前記あらかじめ定めた方法は、
前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがある場合は1つ前方の表示リンクを抽出リンクに追加し、
前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがない場合で、後方が交差点でない場合は1つ後方の表示リンクを抽出リンクに追加し、
前記抽出したある表示リンクに対し、1表示リンク空けた前方に前記抽出された表示リンクがない場合で、後方が交差点である場合は1つ後方の表示リンクを抽出リンクに追加し、
前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれに対応する前記細分化された図形を基に渋滞情報表示図形を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法。 - 簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法であって、
前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれの間に1つの表示リンクが含まれ、その表示リンクの長さがあらかじめ定められた長さ以下の場合に、該長さ以下の表示リンクを、前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれにさらに追加する
ことを特徴とする請求項2に記載の道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法。 - 簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法であって、
簡易図形においてある幅と長さを持ち、道路を表現する図形あるいは、該図形に沿った帯び状の図形を、それと対応する道路のVICSリンクそれぞれの実際長に比例して細分化し、
前記細分化したそれぞれをVICSリンクと対応付け、
前記対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出し、
前記抽出した図形情報の該簡易図形上における長さ方向の図形列に対して、該抽出した図形の連続する長さが、あらかじめ定めた長さに満たない場合、あらかじめ定めた方法で、該長さを満たすように前後の前記細分化した図形の図形情報を該抽出図形情報に加える第1の描画ドット長変換処理を、前記図形の対応する道路の進行方向に向かって行い、
前記抽出された残りの表示リンクから渋滞度情報が混雑の表示リンクを抽出して、対応するVICSリンクの渋滞度情報が渋滞である該細分化した図形情報を抽出し、
前記抽出した混雑の表示リンクに対して、前記描画ドット長変換処理と同様の第2の描画ドット長変換処理を行い、
前記第1の描画ドット長変換処理が行われた結果としての表示リンクを渋滞表示として、および前記第2の描画ドット長変換処理が行われた結果としての表示リンクを混雑表示として結合し
前記結合された結果としての前記抽出された表示リンクに対応する図形情報を基に、簡易図形上に表示する渋滞度情報表示図形を生成する
ことを特徴とする道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法。 - 簡易図形上へ渋滞度表示するための処理方法であって、
前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれの間に1つの表示リンクが含まれ、その表示リンクの長さがあらかじめ定められた長さ以下の場合に、該長さ以下の表示リンクを、前記抽出され、前記追加された表示リンクそれぞれにさらに追加する
ことを特徴とする請求項4に記載の道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法。
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JP2000001022A JP3723395B2 (ja) | 2000-01-06 | 2000-01-06 | 道路交通情報表示における渋滞度表示のためのデータ処理方法 |
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Publications (2)
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