JP3723293B2 - 電動式ポンプ及びブレーキ装置 - Google Patents

電動式ポンプ及びブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3723293B2
JP3723293B2 JP23211396A JP23211396A JP3723293B2 JP 3723293 B2 JP3723293 B2 JP 3723293B2 JP 23211396 A JP23211396 A JP 23211396A JP 23211396 A JP23211396 A JP 23211396A JP 3723293 B2 JP3723293 B2 JP 3723293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
brake
liquid
piston
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23211396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1077961A (ja
Inventor
幸雄 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP23211396A priority Critical patent/JP3723293B2/ja
Publication of JPH1077961A publication Critical patent/JPH1077961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3723293B2 publication Critical patent/JP3723293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のブレーキ装置に搭載する電動式のアクチュエータとして好適な電動式ポンプと、該電動式ポンプを搭載したブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、油圧を駆動源として車両に使用されるブレーキ装置は、油圧配管装備や、油圧調整機構のために、構成部品点数が増大して、構成が複雑化するという問題があった。
また、最近は、アンチロックブレーキシステムの装備や、トラクションコントロールシステムの装備など、ブレーキ機能のインテリジェント化が活発に行われているが、このようなインテリジェント化に際して、油圧駆動式の従来のブレーキ装置の場合、車輪のロック状態やスリップ状態に応じて所定の電気信号を油圧アクチュエータの機械的動作に変換する電気−油圧制御回路を付加しなければならない。そのため、制御系が複雑化した。
【0003】
そこで、このような背景から、近年では、前記駆動源としては回転モータを使用し、回転−直線変換機構や減速機構等を介して摩擦材を制動用の回転体に押し付けることによって所定の制動力を生じさせる電動式のブレーキ装置(特開昭64−21229号公報参照)や、駆動源として圧電セラミックスを利用する電動式のブレーキ装置(特開昭60−136629号公報参照)が提案されている。
【0004】
このように駆動源として回転モータや圧電セラミックスを利用する電動式のブレーキ装置では、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクションコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジェント化が図り易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、駆動源として回転モータを利用するブレーキ装置では、回転−直線変換機構や減速機構等の装備のために、ブレーキ装置が大型化するという問題があった。
一方、駆動源として圧電セラミックスを利用するブレーキ装置では、摩擦材の進退動作に必要な直線運動を駆動源から直接得ることができ、回転−直線変換機構や減速機構等を使用せずに済むためにブレーキ装置を小型化することが可能であるが、圧電セラミックスは大電圧を発生するための装置が必要となるという問題があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ブレーキ装置に電動式のアクチュエータとして組込むことで、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクションコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジェント化が図り易く、しかも、ブレーキ装置の小型化や消費電力の低減を実現することができる電動式ポンプと、該ポンプを組込んだブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明に係るブレーキ装置は、摩擦材を回転体に押し付けるアクチュエータとして磁歪によって伸長する超磁歪素子を、液体を押し出すポンプピストンの駆動源に使用した電動式ポンプを組込んだもので、具体的には、摩擦材を回転体に押し付けて制動力を発生させるために、摩擦材を回転体側に押圧するためのブレーキピストンと、該ブレーキピストンを摺動可能に保持すると共に該ブレーキピストンに液圧をかける圧力室を有して該圧力室に供給される液圧により前記摩擦材を押圧する方向に前記ブレーキピストンを移動可能な本体シリンダと、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記本体シリンダの圧力室に液体を圧送する電動式ポンプとを備えたブレーキ装置であって、
前記電動式ポンプは、ポンプシリンダ内に前後進可能に装備されて前進動作時に該ポンプシリンダ内の液室内の液体を加圧するポンプピストンと、該ポンプピストンを前後進動作させる電動式アクチュエータと、該電動式アクチュエータの動作を制御するコントロール・ユニットと、前記ポンプピストンの前進動作時にはリザーバタンクと前記ポンプシリンダ内の前記液室とを連通させている液供給路を閉じる常開型の第1の電磁弁と、前記ポンプピストンの前進動作時には前記ポンプシリンダ内の前記液室と前記本体シリンダの前記圧力室とを連通させている吐出路を開く常閉型の第2の電磁弁とを備えて、前記ポンプピストンの後進動作で前記リザーバタンクから前記ポンプシリンダ内の前記液室に吸い上げた液体を前記ポンプピストンの前進動作で前記本体シリンダの前記圧力室に圧送する構成を成し、
前記電動式アクチュエータは、磁界が加えられると磁歪によって長さが変化する超磁歪素子と、入力電流に応じた磁界を前記超磁歪素子に加える電磁コイルとを備えて、前記超磁歪素子の磁歪による伸縮動作によって前記ポンプピストンを前後進させる構成を成し、
前記コントロール・ユニットは、前記超磁歪素子に加えられる磁界が周期的に変化して該超磁歪素子が伸縮動作を繰り返すように、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記電磁コイルの入力電流を制御する構成を成し、
前記第1及び第2の電磁弁は、いずれも前記電動式アクチュエータにおける前記電磁コイルの発生する磁界によって弁体の開閉動作を行なう構成とされていることを特徴とするものである。
また、本発明に係るブレーキ装置は、前記ブレーキ操作部の操作状態が制動力を低減または解除する状況の時には、前記第2の電磁弁が開いて前記本体シリンダ内の前記圧力室の液体が前記リザーバタンクに戻るように、前記コントロール・ユニットからの入力電流によって前記第2の電磁弁に所定の電界を加える電磁コイルを設けたことを特徴とするものである。
【0013】
記ブレーキ装置の構成は、簡単に言えば、摩擦材を回転体に押し付けるブレーキピストンのアクチュエータとして、上述した電動式ポンプを組み込んだものである。具体的には、摩擦材を押圧するブレーキピストンを摺動可能に保持した本体シリンダ内の圧力室に電動式ポンプが液体を圧送すると、その液圧によってブレーキピストンが摩擦材を回転体に押し付ける構成としている。
このような構成のブレーキ装置の発生する制動力は、摩擦材を回転体に押し付けるブレーキピストンの押圧力に比例する。そして、この摩擦材に対するブレーキピストンの押圧力は、電動式ポンプから本体シリンダの圧力室内に圧送される液体の量及び液圧によって制御されることなる。
ただし、前述した電動式ポンプが吐出する液量や液圧は電気的に制御することができる。
従って、当該ブレーキ装置において、摩擦材に対するブレーキピストンの押圧力は、電気的に制御することができる。従って、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクションコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジェント化が図り易い。
【0014】
しかも、前記電動式ポンプがコンパクト化に適しているため、ブレーキ装置の小型化を実現することもできる。
また、前記電動式ポンプは駆動源として超磁歪素子を利用したもので、従来の圧電セラミックスを駆動源とする場合と比較すると、消費電力の低減を実現することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のブレーキ装置の一実施の形態例を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る電動式ポンプを組み込んだブレーキ装置の一実施形態を示したもので、図1は一実施形態のブレーキ装置の要部断面図、図2は一実施形態のブレーキ装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0016】
本実施形態のブレーキ装置1は、車両用のディスクブレーキとして設けられ、制動用の回転体であるブレーキディスク(ロータ)2と、ブレーキディスク2に押し付けることで制動力を発生させる摩擦材であるパッド3と、パッド3をブレーキディスク2に向けて押圧するためのブレーキピストン4と、該ブレーキピストン4を摺動可能に保持すると共に該ブレーキピストン4に液圧をかける圧力室5を有して該圧力室5に供給される液圧により前記摩擦材を押圧する方向に前記ブレーキピストン4を移動可能な本体シリンダ7と、ブレーキ操作部であるブレーキペダル9の操作状態に応じて前記本体シリンダ7の圧力室5に液体を圧送する電動式ポンプ11と、前記ブレーキペダル9の操作状態に応じて前記本体シリンダ7の圧力室5の液圧を減圧する液圧解除手段13とを備えた構成をなしている。
【0017】
前記パッド3は、ブレーキディスク2を挟むように一対装備されていて、摩擦材支持部材(図示せず)によって、ブレーキディスク2の軸方向に移動自在に支持されている。また、ブレーキピストン4を摺動可能に保持する本体シリンダ7は、ブレーキキャリパ14に装備されたものである。このブレーキキャリパ14は、周知のフローティングキャリパ構造をとり、図示せぬスライドピンを介して摩擦材支持部材に摺動自在に固定され、前述した電動式ポンプ11から圧力室5に圧送される液圧により図中左側のパッド3がブレーキディスク2の左側面を押圧すると、その反作用によりキャリパ爪部14aに背面を押圧される図中右側のパッド3がブレーキディスク2の右側面を押圧するように構成されている。
【0018】
前記電動式ポンプ11は、本体シリンダ7に隣接するようにブレーキキャリパ14に取り付けられている。この電動式ポンプ11は、本体シリンダ7の後部に固定されたポンプシリンダ16内に前後進可能に装備されて前進動作時に該ポンプシリンダ16内の液室17の液体を加圧するポンプピストン18と、該ポンプピストン18を前後進動作させる電動式アクチュエータ20と、この電動式アクチュエータ20の動作を制御するコントロール・ユニット(ECU)21と、ポンプピストン18の前進動作時にはブレーキキャリパ14の外壁に装備されたリザーバタンク23とポンプシリンダ内の液室17とを連通させている液供給路24を閉じる常開型の第1の電磁弁26と、ポンプピストン18の前進動作時にはポンプシリンダ内の液室17と本体シリンダ7の圧力室5とを連通させている吐出路28を開く常閉型の第2の電磁弁29とを備えて、ポンプピストン18の後進動作でリザーバタンク23からポンプシリンダ内の液室17に吸い上げた液体をポンプピストン18の前進動作で本体シリンダ7の圧力室5に圧送する。
【0019】
前記電動式アクチュエータ20は、磁界が加えられると磁歪によって長さが増加する棒状の超磁歪素子31と、入力電流に応じた磁界を超磁歪素子31に加える電磁コイル33とを備えて、超磁歪素子31の磁歪による伸縮動作によってポンプピストン18を前後進させるものである。
【0020】
前記超磁歪素子31は、軸方向を摩擦材3の進退方向(図中の左右方向)に向け、一端(図中では、右端)がブレーキキャリパ14の背面壁に突出形成されたヨーク部14bに係止されると共に、他端にはポンプピストン18が当接されている。そして、液室17を挟んでポンプピストン18と対向する位置には、第2のヨーク35が装備されている。
【0021】
第2のヨーク35は、第1及び第2の電磁弁26,29を保持するポンプシリンダ16や固定ブロック37を介して、ブレーキキャリパ14の本体シリンダ7に固定されている。
また、ポンプシリンダ16とポンプピストン18との間には、ポンプピストン18の前後進動作時に液室17の液密を保つダイヤフラム38が装備されている。そして、この液室17内には、超磁歪素子31を圧縮方向に付勢して、通電時における超磁歪素子31の歪量を増大するばね39が備えられている。
【0022】
電磁コイル33は、略円筒状を呈しており、超磁歪素子31の外周を囲うようにブレーキキャリパ14のシリンダ部14c内に固定されて、入力電流に応じた磁界を超磁歪素子31に加える。
前述のヨーク部14b及び第2のヨーク35及びブレーキキャリパ14等は、超磁歪素子31に磁界をかける磁気回路の構成要素として機能する。
【0023】
また、ブレーキペダル9は、運転者によって踏下されると、そのとき踏下されたストロークまたは踏力信号が公知のセンサ41によってコントロール・ユニット21に入力される。
【0024】
前記コントロール・ユニット21は、センサ41からの信号によって運転者の制動指令を検知して、電動式アクチュエータ20の動作や各電磁弁26,29の動作を制御する。具体的には、ブレーキ操作時にセンサ41からの信号に応じて、電磁コイル33の入力電流の制御や、後述の液圧解除手段13の動作制御を行なう。
【0025】
前述の各電磁弁26,29は、いずれも円筒状のアーマチュア26b,29b内に針状の弁体26a,29aを挿通させた針弁タイプのもので、電動式アクチュエータ20の電磁コイル33が発生する磁界によって弁体26a,29aの開閉動作が生じる構成である。
【0026】
また、液圧解除手段13は、この一実施形態の場合、コントロール・ユニット21からの入力電流によって第2の電磁弁29に所定の電界を加える電磁コイルである。
即ち、この液圧解除手段としての電磁コイル13は、第2の電磁弁29に近接して装備された第3のヨーク43に連結されていて、ブレーキペダル9の操作状態が制動力を低減または解除する状況の時には、第2の電磁弁29が開いて本体シリンダ7内の圧力室5の液体がリザーバタンク23に戻るように、コントロール・ユニット21からの入力電流によって第2の電磁弁29に所定の磁界を加える。
【0027】
図2のタイミングチャートは、前記コントロール・ユニット21によって制御された各部の動作を具体的に示したものである。
図2において、横軸は制動動作時の時間経過を示し、線図(a)はブレーキペダル9のストローク変化を示し、線図(b)は本体シリンダ7内の圧力室5における液圧の変化(即ち、ブレーキピストン4に作用する押圧力の変化)を示し、線図(c)は超磁歪素子31の磁界の印加による伸縮変位を示し、線図(d)は第2の電磁弁29による吐出路28の開閉タイミングを示し、線図(e)は第1の電磁弁26による液供給路24の開閉タイミングを示し、線図(f)は超磁歪素子31に磁界を加える電磁コイル33への電流入力のタイミングを示し、線図(g)は液圧解除手段である電磁コイル13への電流入力のタイミングを示している。
【0028】
図2に示したように、コントロール・ユニット21は、ブレーキペダル9の踏下量が徐々に増大する期間T1 には、液圧解除手段としての電磁コイル13に電流入力を行なわず、超磁歪素子31に磁界を加えるための電磁コイル33にのみ電流入力を行う。その場合の電流入力は、線図(f)にも示すように、一定周期でオン・オフするパルス入力とする。その結果、線図(c)に示すように、超磁歪素子31は伸縮を一定周期で繰り返し、電動式ポンプ11による圧力室5への液体の圧送が一定周期で繰り返され、圧力室5内の液圧が徐々に上昇して、それに伴ってブレーキピストン4がパッド3をブレーキディスク2に押圧する。
【0029】
また、コントロール・ユニット21は、ブレーキペダル9の踏下量が一定の期間T2 には、電磁コイル33にのみ一定電流を印加し続ける状態を維持する。その結果、超磁歪素子31は伸長した状態を保ち、ポンプとしての液の吐出は止った状態になり、圧力室5内の液圧は一定に維持される。
【0030】
また、コントロール・ユニット21は、ブレーキペダル9の踏下量が減少する期間T3 では、電磁コイル33への電流入力を停止する一方、液圧解除手段としての別の電磁コイル13に電流入力を始める。この電磁コイル13への電流入力は、入力を一定周期で繰り返すパルス入力である。その結果、超磁歪素子31は縮長した状態に維持されて、ポンプとしての液の吐出動作が休止状態に維持され、各電磁弁26,29が共に開いた状態に維持されることで、圧力室5がリザーバタンク23に連通した状態になり、圧力室5内の液体がリザーバタンク23に戻されて、液圧によるブレーキピストン4の押圧が解除されるようになる。
【0031】
上述したように本実施形態のブレーキ装置1で使用した電動式ポンプ11は、磁歪によって伸長する超磁歪素子31を液体を押し出すポンプピストン18の駆動源に使用したもので、液体を押し出すためのポンプピストン18の直線的な前後進動作を駆動源である超磁歪素子31から直接得ることができ、回転−直線変換機構や減速機構等を使用せずに済む。
【0032】
さらに、液供給路24や吐出路28を開閉する第1及び第2の電磁弁26,29は、超磁歪素子31に加えられる磁界によって弁体26a,29aの開閉動作が行なわれるもので、複雑な機構を介在させずに液供給路24や吐出路28の開閉動作をポンプピストン18の前後進動作に連動させることができる。即ち、ポンプ動作に必要な液供給路24や吐出路28の開閉制御は、ポンプピストン18の前後進動作に連動させるための特別な機構を必要とせずに、簡単な構成で達成することができる。
【0033】
そして、このようなポンプピストン18の直線的な前後進動作を駆動源である超磁歪素子31から直接得ることができるとともに、ポンプ動作に必要な液供給路24や吐出路28の開閉制御が複雑な機構を介さずに簡単な構成で達成することができるので、ポンプ全体をコンパクトにまとめることができる。
【0034】
また、上記電動式ポンプ11では、ポンプピストン18を前後進させる周期を変更したり、さらには、ポンプピストン18の前後進のストロークを変更することで、圧送する液体の量(吐出量)や液圧を任意値に調整することができる。
そして、ポンプピストン18を前後進させる周期の変更は、超磁歪素子31に加える磁界の周期を変更する、即ち、超磁歪素子31に磁界を加える電磁コイル33への入力電流の周期を変更することで簡単に実現できる。
また、ポンプピストン18の前後進のストロークの変更は、超磁歪素子31に加える磁界の強度を変更すること、即ち、超磁歪素子31に磁界を加える電磁コイル33への入力電流の大きさを変更することで簡単に実現できる。
【0035】
即ち、上記構成の電動式ポンプ11では、電磁コイル33への入力電流の周期の変更や入力電流の大きさの変更といった電気的な制御のみで、圧送する液体の量や液圧を任意に調整することができる。
【0036】
そして、電動式ポンプ11に使用する第1及び第2の電磁弁26,29は、針状をなした弁体26a,29aを磁界の印加によって移動させることで液通路を開閉する、所謂、針弁タイプの構造であるため、ポンプ全体としてのコンパクト化を促進することが可能になる。
【0037】
そして、本実施形態のブレーキ装置1は、簡単に言えば、パッド3をブレーキディスク2に押し付けるブレーキピストン4のアクチュエータとして、上述した電動式ポンプ11を組み込んだものである。具体的には、パッド3を押圧するブレーキピストン4を摺動可能に保持した本体シリンダ7内の圧力室5に電動式ポンプ11が液体を圧送すると、その液圧によってブレーキピストン4がパッド3をブレーキディスク2に押し付ける構成とされている。
このような構成のブレーキ装置の発生する制動力は、パッド3をブレーキディスク2に押し付けるブレーキピストン4の押圧力に比例する。そして、このパッド3に対するブレーキピストン4の押圧力は、電動式ポンプ11から本体シリンダ7の圧力室5内に圧送される液体の量及び液圧によって制御されることなる。ただし、前述した電動式ポンプ11が吐出する液量や液圧は電気的に制御することができる。従って、当該ブレーキ装置において、パッド3に対するブレーキピストン4の押圧力は、電気的に制御することができる。よって、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクションコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジェント化が図り易い。
【0038】
しかも、前記電動式ポンプ11がコンパクト化に適しているため、ブレーキ装置の小型化を実現することもできる。
また、この電動式ポンプ11は駆動源として超磁歪素子31を利用したもので、従来の圧電セラミックスを駆動源として利用した場合と比較すると、消費電力の低減を実現することもできる。
【0039】
なお、前述した電動式ポンプ11は、ブレーキ装置以外にも、使用可能である。また、上記実施形態では、本発明の電動式ポンプをディスクブレーキ装置に組み込んだ実施形態例を示したが、ドラムブレーキ装置等にも適用することが可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に使用する電動式ポンプにおいては、磁歪によって伸長する超磁歪素子が、液体を押し出すポンプピストンの駆動源に使用されたもので、液体を押し出すためのポンプピストンの直線的な前後進動作を直接超磁歪素子から得ることができ、回転−直線変換機構や減速機構等を使用せずに済む。
また、液供給路や吐出路を開閉する第1及び第2の電磁弁は、超磁歪素子に加えられる磁界によって弁体の開閉動作が行なわれるもので、複雑な機構を介在させずに、液供給路や吐出路の開閉動作をポンプピストンの前後進動作に連動させることができる。従って、ポンプ動作に必要な液供給路や吐出路の開閉制御は、ポンプピストンの前後進動作に連動させるための特別な機構を必要とせずに、簡単な構成で達成することができる。
そして、このようなポンプピストンの直線的な前後進動作を駆動源である超磁歪素子から直接得ることができるとともに、ポンプ動作に必要な液供給路や吐出路の開閉制御が複雑な機構を介さずに簡単な構成で達成することができることで、ポンプ全体のコンパクト化を図ることができる。
【0041】
また、本発明に使用する電動式ポンプでは、ポンプピストンを前後進させる周期を変更したり、ポンプピストンの前後進のストロークを変更することで、圧送する液体の量(吐出量)や液圧を任意値に調整することができる。
そして、ポンプピストンを前後進させる周期の変更は、超磁歪素子に加える磁界の周期を変更する、即ち、超磁歪素子に磁界を加える電磁コイルへの入力電流の周期を変更することで簡単に変更させることができる。
また、ポンプピストンの前後進のストロークの変更は、超磁歪素子に加える磁界の強度を変更する、即ち、超磁歪素子に磁界を加える電磁コイルへの入力電流の大きさを変更することで簡単に変更させることができる。
即ち、本発明に使用する電動式ポンプでは、電磁コイルへの入力電流の周期の変更や、入力電流の大きさの変更といった電気的な制御のみで、圧送する液体の量や液圧を任意に調整することができる。
そして、電動式ポンプに使用する第1及び第2の電磁弁は、弁体を磁界の印加によって移動させることで液体通路を開閉する、所謂、針弁タイプの構造とすることで、ポンプ全体としてのコンパクト化を促進することができる。
【0042】
発明のブレーキ装置は、摩擦材を回転体に押し付けるブレーキピストンのアクチュエータとして、上述した電動式ポンプを組み込んだものである。具体的には、摩擦材を押圧するブレーキピストンを摺動可能に保持した本体シリンダ内の圧力室に電動式ポンプが液体を圧送すると、その液圧によってブレーキピストンが摩擦材を回転体に押し付ける構成とされている。
このような本発明のブレーキ装置の発生する制動力は、摩擦材を回転体に押し付けるブレーキピストンの押圧力に比例する。そして、この摩擦材に対するブレーキピストンの押圧力は、電動式ポンプから本体シリンダの圧力室内に圧送される液量及び液圧によって制御される。
従って、電動式ポンプが吐出する液量や液圧は電気的に制御することができるので、当該ブレーキ装置は、摩擦材に対するブレーキピストンの押圧力を電気的に制御することができる。よって、アンチロックブレーキシステムの装備やトラクションコントロールシステムの装備などのブレーキ機能のインテリジェント化を図り易くすることができる。しかも、組み込んだ電動式ポンプがコンパクト化に適しているため、ブレーキ装置の小型化を実現することができる。
また、組み込んだ電動式ポンプは駆動源として超磁歪素子を利用したもので、従来の圧電セラミックスを駆動源として利用する場合と比較すると、消費電力の低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式ポンプを組み込んだブレーキ装置の一実施形態の要部断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキ装置
2 ブレーキディスク(制動用の回転体)
3 パッド(摩擦材)
4 ブレーキピストン
5 圧力室
7 本体シリンダ
9 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
11 電動式ポンプ
13 液圧解除手段(電磁コイル)
14 ブレーキキャリパ
14a キャリパ爪部
14b ヨーク部
14c シリンダ部
16 ポンプシリンダ
17 液室
18 ポンプピストン
20 電動式アクチュエータ
21 コントロール・ユニット
23 リザーバタンク
24 液供給路
26 第1の電磁弁
28 吐出路
29 第2の電磁弁
31 超磁歪素子
33 電磁コイル
35 第2のヨーク
37 固定ブロック
38 ダイヤフラム
39 ばね
41 センサ
43 第3のヨーク

Claims (2)

  1. 摩擦材を回転体に押し付けて制動力を発生させるために、前記摩擦材を前記回転体側に押圧するためのブレーキピストンと、該ブレーキピストンを摺動可能に保持すると共に該ブレーキピストンに液圧をかける圧力室を有して該圧力室に供給される液圧により前記摩擦材を押圧する方向に前記ブレーキピストンを移動可能に収容する本体シリンダと、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記本体シリンダの前記圧力室に液体を圧送する電動式ポンプとを備えたブレーキ装置であって、
    前記電動式ポンプは、ポンプシリンダ内に前後進可能に装備されて前進動作時に該ポンプシリンダ内の液室内の液体を加圧するポンプピストンと、該ポンプピストンを前後進動作させる電動式アクチュエータと、該電動式アクチュエータの動作を制御するコントロール・ユニットと、前記ポンプピストンの前進動作時にはリザーバタンクと前記ポンプシリンダ内の前記液室とを連通させている液供給路を閉じる常開型の第1の電磁弁と、前記ポンプピストンの前進動作時には前記ポンプシリンダ内の前記液室と前記本体シリンダの前記圧力室とを連通させている吐出路を開く常閉型の第2の電磁弁とを備えて、前記ポンプピストンの後進動作で前記リザーバタンクから前記ポンプシリンダ内の前記液室に吸い上げた液体を前記ポンプピストンの前進動作で前記本体シリンダの前記圧力室に圧送する構成を成し、
    前記電動式アクチュエータは、磁界が加えられると磁歪によって長さが変化する超磁歪素子と、入力電流に応じた磁界を前記超磁歪素子に加える電磁コイルとを備えて、前記超磁歪素子の磁歪による伸縮動作によって前記ポンプピストンを前後進させる構成を成し、
    前記コントロール・ユニットは、前記超磁歪素子に加えられる磁界が周期的に変化して該超磁歪素子が伸縮動作を繰り返すように、ブレーキ操作部の操作状態に応じて前記電磁コイルの入力電流を制御する構成を成し、
    前記第1及び第2の電磁弁は、いずれも前記電動式アクチュエータにおける前記電磁コイルの発生する磁界によって弁体の開閉動作を行なう構成としたことを特徴とするブレーキ装置。
  2. 前記ブレーキ操作部の操作状態が制動力を低減または解除する時には、前記第2の電磁弁が開いて前記本体シリンダ内の前記圧力室の液体が前記リザーバタンクに戻るように、前記コントロール・ユニットからの入力電流によって前記第2の電磁弁に所定の電界を加える電磁コイルを設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
JP23211396A 1996-09-02 1996-09-02 電動式ポンプ及びブレーキ装置 Expired - Fee Related JP3723293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23211396A JP3723293B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 電動式ポンプ及びブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23211396A JP3723293B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 電動式ポンプ及びブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1077961A JPH1077961A (ja) 1998-03-24
JP3723293B2 true JP3723293B2 (ja) 2005-12-07

Family

ID=16934218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23211396A Expired - Fee Related JP3723293B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 電動式ポンプ及びブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3723293B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102155379B (zh) * 2011-03-23 2012-09-05 哈尔滨工业大学 带有螺线管的磁性流体行波泵
CN107327388B (zh) * 2017-06-12 2019-01-15 南京航空航天大学 多智能材料单元驱动的循环配油式柱塞泵及其工作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1077961A (ja) 1998-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5826683A (en) Magnetostrictive brake
US4602702A (en) Brake apparatus
US7434669B2 (en) Hydraulic vehicle brake
KR101058614B1 (ko) 회생 제동 액추에이터 장치
US7922264B2 (en) Hydraulic vehicle brake system
JPS59100045A (ja) 乗り物のブレ−キ装置のためのマスタブレ−キシリンダ
KR20000048563A (ko) 유압 서보 브레이크를 구비한 유압 브레이크 시스템
KR101138510B1 (ko) 차량의 제동 시스템
US20170045105A1 (en) Electric Brake Caliper
KR102155831B1 (ko) 유압장치를 병용하는 emb의 주차제동 시스템 및 제어방법
JP2007522398A (ja) 車両用油圧ブレーキ
JP3723293B2 (ja) 電動式ポンプ及びブレーキ装置
US5015044A (en) Braking pressure regulating device
JPH10196519A (ja) 電動式ポンプ及びブレーキ装置
JP4059534B2 (ja) 磁歪ブレーキ
JPH09303450A (ja) ブレーキ装置
JP2001193771A (ja) 超磁歪素子を利用した車両用ディスクブレーキ装置
JP4000430B2 (ja) アキュムレータ
JPH0352377B2 (ja)
JPH01233146A (ja) 油圧ブレーキ装置
JP4674431B2 (ja) ブレーキ装置
JPH039332B2 (ja)
KR100349540B1 (ko) 디스크 브레이크
JP4198856B2 (ja) 電動式流体圧発生装置
KR100401875B1 (ko) 차량의 비상 브레이크 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees