JP3723123B2 - 汚泥処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水処理等で発生する汚泥の処理システムであって、汚泥の嫌気性消化、脱水処理等を行うことにより、汚泥の減量化や安定した処理を可能にする汚泥処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水処理等で発生する汚泥の処理システムには様々なものがあり、各方法で処理が施され、汚泥の減量化が図られている。例えば、嫌気性消化処理を施すことにより原汚泥を減量化・安定化し、更にベルトプレス、遠心脱水等の脱水機で脱水して分離液と脱水ケーキとに固液分離する汚泥処理システムが知られている。近年は汚泥濃縮性が悪化してきていることが知られており、嫌気性消化処理を行う前に、機械濃縮機を用いて原汚泥を強制的に高濃度にする場合が多くなってきている。
【0003】
図6は従来の汚泥処理システム10の一例を示すフローシートである。図において、11は機械濃縮工程であり、原汚泥の濃度が低い場合(3%以下)、原汚泥に濃縮処理を施して高濃度にするために用いられる。11aは機械濃縮機である。11bは濃縮貯留タンクであり、機械濃縮機11aにより濃縮された汚泥が貯留される。12は嫌気性消化工程であり、原汚泥、または機械濃縮処理済み汚泥を導入して、嫌気性消化処理を施すものである。12aは消化槽であり、ここで嫌気性消化処理が行われる。12bは消化汚泥タンクであり、消化処理が施された汚泥が貯留される。13は汚泥脱水工程であり、消化汚泥に脱水処理を施すものである。13aは遠心脱水機であり、消化汚泥を分離液と脱水ケーキとに固液分離する。Pはポンプであり、濃縮貯留タンク11bおよび消化汚泥タンク12bに接続されている。
【0004】
次に、動作について説明する。
原汚泥が低濃度(3%以下)の場合、機械濃縮工程11、嫌気性消化工程12、汚泥脱水工程13の順に処理が行われる。
まず、原汚泥を機械濃縮機11aに投入する。原汚泥は機械濃縮処理され、濃縮貯留タンク11bに貯留される。また、このとき生じる分離液は機械濃縮機11aから排出される。次に、機械濃縮処理された汚泥は、濃縮貯留タンク11bから消化槽12aにポンプ(P)により導入され、嫌気性消化処理を行うことにより、1.5〜2.0%程度の濃度となる。その後、消化処理済みの汚泥は消化汚泥タンク12bに貯留される。そして、消化処理済みの汚泥が消化汚泥タンク12bから遠心脱水機13aにポンプ(P)により導入され、脱水処理が施される。この結果、汚泥は分離液と脱水ケーキとに固液分離される。
【0005】
次に、原汚泥が高濃度(3〜4%)の場合について説明する。この場合、嫌気性消化工程12、汚泥脱水工程13の順に処理が行われる。
まず、原汚泥を消化槽12aに直接投入し、嫌気性消化処理を行うことにより、1.5〜2.0%程度の濃度となる。その後、消化処理済みの汚泥は消化汚泥タンク12bに貯留される。そして、消化処理済みの汚泥が消化汚泥タンク12bから遠心脱水機13aにポンプ(P)により導入され、脱水処理が施される。この結果、汚泥は分離液と脱水ケーキとに固液分離される。
【0006】
一般的に、嫌気性消化処理は30日間行われる。このとき、消化ガスの発生量は消化槽に投入された汚泥の量の10倍程度である。また、その後の脱水処理により生じる脱水ケーキの含水率は81〜85%程度である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の汚泥処理システムは以上のように構成されているので、汚泥処理プロセスの簡素化、ランニングコストの低減化、敷地面積や建設コストの観点等から原汚泥を嫌気性消化槽に直接投入して嫌気性消化を行うのが一般的であった。
しかし、濃度の希薄な原汚泥を大量に嫌気性消化させると、消化時間が短くなり、処理効率も悪い。このため、嫌気性消化槽へ投入する汚泥を高濃度にする必要があった。そこで、原汚泥を機械濃縮機で濃縮してから消化槽へ投入し、嫌気性消化処理を行う等の対応を行っていたが、これには以下に示す課題があった。
【0008】
1.近年、主に有機物含有率の増加により、原汚泥性状の変化が見られるようになった。有機物の含有率が高くなった汚泥をそのまま嫌気性消化槽へ投入すると有機物負荷が増大し、効率よい安定した消化処理を行うことができない。
嫌気性消化槽で十分な処理が行えないと、嫌気性消化槽から排出される消化汚泥の有機物含有率が高くなる。すなわち消化汚泥の性状が悪化するので、後段の汚泥脱水工程で十分に脱水処理できなくなってしまう。
消化汚泥が十分に脱水処理できないと脱水ケーキの含水率が上昇してしまうため、処分しなければならない脱水ケーキ量が増加し、処分汚泥の減量化が図れず処分費用や環境負荷を増大させる結果となる。
【0009】
2.脱水ケーキ量増大を防止するためには、性状悪化した多量の消化汚泥を十分に処理しなければならないので、相応の脱水設備(遠心脱水機等)を設置する必要がある。
しかし、嫌気性処理槽での処理が良好に行われ、有機物が十分に分解された低濃度の消化汚泥が得られた場合、上述した相応の脱水設備、特に遠心脱水機では、低濃度の消化汚泥を安定して効率よく処理することが難しくなる。具体的には、低濃度の消化汚泥を、脱水ケーキの含水率を低く、SS(固形物)回収率を高く保持し、薬品使用量や運転経費を抑え、省エネルギー化する等、効率よく処理することが難しくなる。
さらに、相応の脱水設備は設置するコストや敷地面積の増大を招き、設備維持のための作業、コスト等の負担が増大する。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、原汚泥の性状にかかわらず、嫌気性消化槽での原汚泥の消化処理を悪化させることなく、有機物が十分に分解された消化汚泥を安定して脱水処理することにより、低含水率の脱水ケーキを得て汚泥の減量化を図ることが可能な汚泥処理システムを得ることを目的とする。
すなわち、低濃度の消化汚泥であっても安定して効率よく脱水処理することが可能な汚泥処理システムを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る汚泥処理システムは、原汚泥に超音波を照射する超音波処理工程と、超音波処理工程で超音波処理した処理汚泥を嫌気性消化する嫌気性消化工程と、嫌気性処理工程で嫌気性消化した消化汚泥を脱水処理する汚泥脱水工程と、消化汚泥を超音波処理工程に返送する返送工程とを備え、汚泥脱水工程は、それぞれが回動可能な外胴ボウルおよび内胴スクリュウを有し、外胴ボウルと内胴スクリュウとの回転速度差が5回転/分以下に調整可能な遠心脱水機を備えているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による汚泥処理システム1のフローシートであり、図2はこの発明の実施の形態1による遠心脱水機4aの概略的な断面図である。図において、11は機械濃縮工程であり、原汚泥の濃度が低い場合(3%以下)、原汚泥に濃縮処理を施して高濃度にするため、後述する超音波処理工程の前処理として任意に用いられる。11aは機械濃縮機である。11bは濃縮貯留タンクであり、機械濃縮機11aにより濃縮された汚泥が貯留される。
【0014】
2は超音波処理工程であり、原汚泥、または機械濃縮処理済み汚泥に超音波を照射して汚泥に含まれる微生物に由来する細胞を破壊したり、汚泥中に含まれる有機物を低分子化したりして、原汚泥の可溶化を図るものである。2aは超音波反応槽であり、2bは超音波処理のための棒状の振動子である。振動子2bに電圧を印加することにより発生する超音波を原汚泥、または機械濃縮処理済み汚泥に照射する。振動子2bは、周波数10〜100kHz程度の超音波を発生するように構成されている。2cは超音波処理済み汚泥タンクであり、超音波処理を施した汚泥(以下、処理汚泥ともいう。)を貯留する。
【0015】
3は嫌気性消化工程であり、原汚泥、または機械濃縮処理済み汚泥を導入して、嫌気性消化処理を施すものである。3aは消化槽であり、ここで嫌気性消化を行う。3bは消化汚泥タンクであり、消化処理を施した汚泥(以下、消化汚泥ともいう。)が貯留される。
【0016】
4は消化汚泥を導入して脱水処理を施す汚泥脱水工程である。4aは汚泥脱水工程4を構成する遠心脱水機であり、消化汚泥を分離液と脱水ケーキとに固液分離するものである。4bは遠心脱水機4aを構成する外胴ボウル、4cは内胴スクリュウである。外胴ボウル4bおよび内胴スクリュウ4cはそれぞれが回転可能であり、速度を調整することができる。また、このため、それぞれの回転速度の差(以下、差速ともいう。)を調整することもできる。4dは内胴スクリュウ4cの回転数の微調整を可能とするギヤボックスであり、4eは分離液排出口、4fは脱水ケーキ排出口である。その他、外胴ボウル4bおよび内胴スクリュウ4cを稼動する図示しないモーター等を備えている。遠心脱水機4aの差速は5回転/分(5rpm)以下、望ましくは2rpm以下に微調整することが可能である。ここでは1rpm程度まで差速を調整可能な遠心脱水機を用いるものとする。
【0017】
Pはポンプであり、濃縮貯留タンク11b、超音波処理済み汚泥タンク2c、消化汚泥タンク3bに接続されている。
【0018】
次に、動作について説明する。
原汚泥が低濃度(3%以下)の場合、機械濃縮工程11、超音波処理工程2、嫌気性消化工程3、汚泥脱水工程4の順に処理が行われる。
まず、原汚泥を機械濃縮機11aに投入する。原汚泥は機械濃縮処理され、濃縮貯留タンク11bに貯留される。また、このとき生じる分離液は機械濃縮機11aから排出される。次に、機械濃縮処理された汚泥は、濃縮貯留タンク11bから超音波反応槽2aにポンプ(P)により導入される。そして、機械濃縮処理された汚泥は超音波処理を施され、処理汚泥として超音波処理済み汚泥タンク2cに貯留される。処理汚泥は、超音波処理済み汚泥タンク2cから消化槽3aにポンプ(P)により導入され、嫌気性消化処理を行うことにより、通常は1.5〜2.0%程度の濃度となる。消化汚泥は消化汚泥タンク3bに貯留される。そして、消化汚泥が消化汚泥タンク3bから遠心脱水機4aの外胴ボウル4bにポンプ(P)により導入され、遠心力により汚泥と水とに分離される。分離液はその後分離液排出口4eより排水される。外胴ボウル4b内の汚泥は、外胴ボウル4bと内胴スクリュウ4cの差速により、分離液とは逆方向に脱水されながら移動し、脱水ケーキ排出口4fから排出される。このようにして汚泥は分離液と脱水ケーキとに固液分離される。
【0019】
次に、原汚泥が高濃度(3〜4%)の場合の動作について説明する。この場合、超音波処理工程2、嫌気性消化工程3、汚泥脱水工程4の順に処理が行われる。
まず、原汚泥を超音波反応槽2aに直接投入する。そして、原汚泥は超音波処理を施され、処理汚泥として超音波処理済み汚泥タンク2cに貯留される。処理汚泥は、超音波処理済み汚泥タンク2cから消化槽3aにポンプ(P)により導入される。ここで嫌気性消化処理を行うことにより、通常2.0%程度の濃度となる。その後、消化汚泥は消化汚泥タンク3bに貯留される。そして、消化汚泥が消化汚泥タンク3bから遠心脱水機4aの外胴ボウル4bにポンプ(P)により導入され、遠心力により汚泥と水とに分離される。分離液はその後分離液排出口4eより排水される。外胴ボウル4b内の汚泥は、外胴ボウル4bと内胴スクリュウ4cの差速により、分離液とは逆方向に脱水されながら移動し、脱水ケーキ排出口4fから排出される。このようにして汚泥は分離液と脱水ケーキとに固液分離される。
【0020】
次に、実施の形態1の具体例について説明をする。
超音波反応槽2aとして1kwの超音波反応槽(20リットル)、消化槽3aとして6m3の嫌気性消化槽、遠心脱水機4aとして1.0m3/hの遠心脱水機をそれぞれ使用して汚泥処理システムを構成し、下水混合汚泥を原汚泥として処理を行った。汚泥処理量は200リットル/日とした。また、超音波反応槽および遠心脱水機は間欠運転をすることにより処理を行った。表1はその結果を示すものである。条件を変えて4つの処理を行い、消化槽投入汚泥(消化槽に投入した時点での汚泥)および消化汚泥(消化処理後の汚泥)のTS(全蒸発残留物)濃度、SS(固形物)濃度、VTS(有機物含有率)を比較して示した。また、消化処理における消化ガスの発生量、その後の脱水処理における脱水ケーキ含水率および脱水ケーキ量についても比較して示した。
【0021】
処理1は比較のため、超音波処理工程を除いて消化処理および脱水処理のみを行った結果を示したものである。使用した遠心脱水機の差速は4rpmとした。処理2は超音波処理時間を10分とし、遠心脱水機の差速は1.5rpmとした。処理3は超音波処理時間を30分とし、遠心脱水機の差速は1rpmとした。処理4は超音波処理時間を30分とし、遠心脱水機の差速は4rpmとした。
なお、脱水ケーキ量の欄の[ ]内の数字は、処理1の脱水ケーキ量を100としたときの、各処理における脱水ケーキ量の割合を示したものである。
【0022】
【表1】
【0023】
表1からも明らかなように、処理1の消化汚泥ではTS濃度、SS濃度、VTSがそれぞれ1.8%、1.5%、75%であるのに対し、処理2では1.5%、1.2%、70%となっている。さらに、処理3および処理4の消化汚泥はTS、SS、VTSがそれぞれ1.0%、0.5%、55%となっている。すなわち、超音波処理工程を用いた場合と用いなかった場合の差異が明らかである。したがって実施の形態1のように超音波処理工程を用いて汚泥処理システムを構成することにより、その後の嫌気性消化工程から排出される消化汚泥は十分に消化され、しかも固形物の少ない低濃度の消化汚泥となることがわかる。
【0024】
また、嫌気性消化処理で発生するガスの量が処理1では2.4m3/日であるのに対し、処理2では3.0m3/日であり、また、処理3及び4では4.0m3/日と増えている。このことにより、超音波処理工程を十分に用いるほど嫌気性消化も十分に行われ、発生する消化ガスを多量に得られることがわかる。よく知られているように発生する消化ガスには可燃性のメタンガスが含まれているため、消化ガスを多量に得ることにより、エネルギー回収率、および有効利用性も向上させることが可能である。
【0025】
また、脱水処理手段により生じる脱水ケーキの量が処理1では20kg/日であるのに対し、処理2では16.6kg/日、処理4では14kg/日、処理3では11kg/日となった。このことにより、消化汚泥のVTSが減少するほど脱水ケーキの量が大幅に減少することがわかる。特に超音波処理時間を長く取った方(処理3および処理4)が効果が際立っており、この結果からも実施の形態1の汚泥処理システムの有効性が理解できる。
【0026】
また、処理1(遠心脱水機の差速4rpm)での脱水ケーキ量を100としたとき、処理2(差速1.5rpm)では83、処理4(差速4rpm)では72、処理3(1rpm)では55となっている。このことにより、超音波処理を十分に行った上、差速を1rpmと小さくした場合が最も脱水ケーキの減量化が実現されている。したがって、差速を微細な段階まで調整可能な遠心脱水機を用いると効果的であることがわかる。
【0027】
次に、差速の調整が可能な遠心脱水機4aを用いる効果について説明する。
図3は、消化汚泥の濃度と、その後の汚泥脱水工程により得られる脱水ケーキの含水率とを、差速の調整が可能な遠心脱水機4aを用いた場合と、一般的に使用されている遠心脱水機を用いた場合とにおいて同条件下でそれぞれ実験し、結果を比較して示した図である。縦軸に脱水ケーキ含水率(%)、横軸に消化汚泥濃度(TS;%)をとり、一般的に使用されている遠心脱水機による結果の値を白点で、実施の形態1で用いた差速の微調整が可能な遠心脱水機4aによる結果の値を黒点でプロットして示してある。また、点の横にΔNで示される単位rpmの数値は遠心脱水機の差速である。
図3からも明らかなように、一般的に使用されている遠心脱水機を用いた場合、消化汚泥の濃度が低くなるにつれて得られる脱水ケーキの含水率は高くなる。このため、通常得られる消化汚泥の濃度1.5〜2.0%程度よりも低い濃度の消化汚泥に対しては、安定した脱水処理を行うことが難しい。
一方、遠心脱水機4aを用いた場合は、消化汚泥濃度が高いとき(2.0%以上)は差速(ΔN)を4〜5rpmとすることで低含水率の脱水ケーキを得ることができ、0.5%程度の低濃度のときには差速(ΔN)を1rpmとすることで、高濃度の場合と変わらず安定して80%程度の低含水率の脱水ケーキを得ることができる。したがって、消化汚泥の濃度によらず安定した脱水処理を行うことができる。
【0028】
以上のように、この実施の形態1によれば、超音波処理工程と、嫌気性消化工程と、汚泥脱水工程とを備えて汚泥処理システムを構成している。超音波処理工程により原汚泥は低分子化・可溶化され、その後の嫌気性消化工程が良好な状態で効率よく、しかも十分に行われる。この結果、消化汚泥のTS濃度、SS濃度、VTSを減少させることができ、すなわち十分に消化され、しかも固形物の少ない低濃度の消化汚泥を得ることができる。またメタンガスを含む消化ガスを多量に得ることができ、エネルギー回収率、有効利用性も向上させることができる。また、固形物の少ない低濃度の消化汚泥が得られるため、その後の脱水処理で生じる脱水ケーキの大幅な減量化を実現することができる。この結果、原汚泥に一般的に投入される凝集剤等の薬品使用料など、ランニングコストを低減させることができると共に、脱水ケーキの搬出処分費の削減も実現することができる。
【0029】
また、この実施の形態1によれば、汚泥脱水工程を、それぞれが回転可能な外胴ボウルと内胴スクリュウとを有し、これら外胴ボウルと内胴スクリュウとの回転速度差が調整可能な遠心脱水機として構成したものとした。ここでは、差速を1rpmまで微調整が可能な遠心脱水機を用いた。このため、低濃度の消化汚泥を効率よく安定して脱水処理することが可能であり、脱水ケーキの更なる減量化を実現することができる。
【0030】
次に、実施の形態1の変形例について説明する。
図4および図5は実施の形態1の変形例による汚泥処理システム21および31のフローシートである。
図4は消化汚泥の一部を超音波処理工程2へ返送し、原汚泥と共に超音波処理を行う汚泥処理システム21であり、機械濃縮工程11および汚泥脱水工程4を省いた形で示してある。
汚泥処理システム21は、超音波処理工程2、嫌気性消化工程3を経て消化汚泥タンク3bに貯留されている消化汚泥の一部をポンプ(P)により超音波反応槽2aに導入し、原汚泥または機械濃縮処理済み汚泥に消化汚泥を混入させた後に、超音波処理工程2からの処理を順次施し、これを繰り返すものである。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られる上に、より一層の消化効率の向上を可能にすることができる。その他の部分については実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0031】
図5は消化汚泥の一部を取り出して原汚泥と混合させた混合槽5からの混合汚泥を用いてその後の処理を行う汚泥処理システム31であり、汚泥処理システム21同様機械濃縮工程11および汚泥脱水工程4を省いた形で示してある。図において、5は消化汚泥の一部と、原汚泥または機械濃縮処理済み汚泥とを混合させて貯留する混合槽である。
汚泥処理システム31は、原汚泥または機械濃縮処理済み汚泥を、嫌気性消化工程3を経て消化汚泥タンク3bに貯留されている消化汚泥の一部と混合させて貯留する混合槽5からの混合汚泥に対し超音波処理工程2からの処理を順次施し、これを繰り返すものである。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られる上に、より一層の消化効率の向上を可能にすることができる。その他の部分については実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0032】
なお、ここでは下水混合汚泥を原汚泥とした例を示したが、余剰汚泥、屎尿等の各種汚泥に適応可能である。
また、実施の形態1では棒状の振動子2bにより構成される超音波反応槽2aを用いたが、超音波反応槽2a内の原汚泥に確実に超音波を照射できるものであれば、振動子の形状はホーン状や振動板状等、いずれの形状のものであってもよい。
また、超音波処理は、バッチ式、連続式等、いずれの方式で行ってもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、超音波処理工程と、嫌気性消化工程と、汚泥脱水工程とを備えるように汚泥処理システムを構成したので、以下に示すような汚泥処理システムを得られる効果がある。
1.超音波処理工程において、原汚泥に超音波を照射することにより、有機物含有率が高いなど、濃縮性が悪く分解されにくい原汚泥も低分子化・可溶化される。
2.嫌気性消化工程において、低分子化・可溶化された処理汚泥を嫌気性消化槽で処理するため、有機物負荷を軽減でき、安定して効率よく嫌気性消化することができる。この結果、消化汚泥のTS濃度、SS濃度、VTSが十分に低減した固形分の少ない低濃度の消化汚泥を得ることができる。
また、十分に嫌気性消化が行われるため、発生する可燃性のメタンガスを含む消化ガスを多量に得ることができるため、エネルギー回収、また有効利用にも役立つ。
3.汚泥脱水処理工程において、固形分の少ない低濃度の処理をするため、脱水ケーキ量を大幅に低減することができ、これにより消化汚泥へ添加される凝集剤等の薬品使用量や遠心脱水機の稼働時間を低減できるため、ランニングコストを大幅に軽減させることができ、省エネルギー化にも有効である。
さらに、脱水ケーキ量が少ないため、搬出処分費も削減できると共に、環境への負荷を低減させることができる。
【0034】
また、この発明によれば、汚泥脱水工程が、それぞれが回転可能な外胴ボウルおよび内胴スクリュウを有し、外胴ボウルと内胴スクリュウとの回転速度差が調整可能な遠心脱水機を備えるように汚泥処理システムを構成したので、以下に示すような汚泥処理システムを得られる効果がある。
1.低濃度の消化汚泥を効率よく安定して脱水処理することができる。
2.嫌気性消化が不十分で高濃度の消化汚泥を処理しなければならない場合でも、外胴ボウルと内胴スクリュウとの回転速度差を調整するという簡便な操作で、高濃度の消化汚泥を十分に脱水処理することができる。
3.低濃度から高濃度の消化汚泥を安定して効率よく処理することができるため、高濃度で固液分離性の悪い消化汚泥を想定した相応の脱水設備が不要である。
したがって、脱水設備を設置するコスト、敷地面積、設備維持のための作業やコスト等の負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による汚泥処理システムのフローシートである。
【図2】この発明の実施の形態1による遠心脱水機の概略的な断面図である。
【図3】差速の微調整が可能な遠心脱水機を用いることによる効果を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1の変形例による汚泥処理システムのフローシートである。
【図5】この発明の実施の形態1の変形例による汚泥処理システムのフローシートである。
【図6】従来の汚泥処理システムのフローシートである。
【符号の説明】
1,21,31 汚泥処理システム
2 超音波処理工程
2a 超音波反応槽
2b 振動子
2c 超音波処理済み汚泥タンク
3 嫌気性消化工程
3a 消化汚泥タンク
3b 消化汚泥タンク
4 汚泥脱水工程
4a 遠心脱水機
4b 外胴ボウル
4c 内胴スクリュウ
4d ギヤボックス
4e 分離液排水口
4f 脱水ケーキ排水口
5 混合槽
11 機械濃縮工程
11a 機械濃縮機
11b 濃縮貯留タンク
Claims (1)
- 原汚泥に超音波を照射する超音波処理工程と、該超音波処理工程で超音波処理した処理汚泥を嫌気性消化する嫌気性消化工程と、該嫌気性処理工程で嫌気性消化した消化汚泥を脱水処理する汚泥脱水工程とを備えた汚泥処理システムにおいて、
消化汚泥を超音波処理工程へ返送する返送工程を有し、かつ
汚泥脱水工程は、それぞれが回動可能な外胴ボウルおよび内胴スクリュウを有し、該外胴ボウルと内胴スクリュウとの回転速度差が5回転/分以下に調整可能な遠心脱水機を備えている
ことを特徴とする汚泥処理システム。
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