JP3722964B2 - 油圧試験機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧振動台などで代表される油圧試験機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図6に示すような油圧試験機が知られている。これは油圧源1からの油圧をサーボ弁2により制御しつつ油圧シリンダ3に供給し、これに連動する振動台4を所定の周波数で加振するもので、この制御方式としては、例えば特開平8−249067号公報にも開示されているように、一般的には次の2つの制御方式がある。
【0003】
図7に示す制御方式は2自由度制御系を構成しており、目標値追従性と外乱抑制性を独立に設定することができる。
【0004】
入力指令rをもとに規範モデル11から出力ynが出力され、この出力ynと制御対象13の出力yとの偏差が、フィードバック制御器12に入力される。また規範モデル11と制御対象13の逆伝達関数からなるフィードフォワード制御器14にも入力指令rが入力する。そして、これらフィードバック指令とフィードフォワード指令とが制御対象13に入力される。
【0005】
このようにして、規範モデル11から出力される出力ynに対して、制御対象13の出力yがずれると、フィードバック制御器13による補正が行われ、制御対象13を目標値に対して追従させ、制御外乱を抑制する。
【0006】
しかし、この構成では制御対象の大きなパラメータ変動まで十分に制御することは難しい。
【0007】
そこで、図8に示すような、スライディングモード制御器15を追加すると、出力yを規範モデル11の出力ynに応答よく追従させることができる。
【0008】
ここで、スライディングモード制御器は、一般的には、図9のように構成され、偏差eと、その偏差eの微分値edの情報をもとに切換変数Sを計算し、このSの正負によってKまたは−Kを出力する。
【0009】
図10はスライディングモードの位相平面での評価を行ったもので、出力yが規範モデル出力ynに収束していく様子を示しており、この場合、S=0の切換線が、図9の制御入力(Kまたは−K)の切換ポイントとなっている。
【0010】
フィードフォワード指令と、フィードバック指令にスライディングモードの制御入力を加算することにより、図11にも示すように、出力yを規範モデル出力ynに追従させられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように一般的には制御対象の出力yは、さまざまな理由により応答性が悪化することがある。このため例えば、図8の制御系において、スライディングモードのゲインKをゼロにして、油圧振動台4の正弦波加振を行うと、図12の(a)に示すように、規範モデル出力ynに対して、その出力yはゲイン(振幅)が低下し、さらに位相も遅れる。
【0012】
いま、スライディングモード制御(SMC)の位相平面での動きを見ると、図12の(b)のようになる。偏差eとその微分値edの状態が切換線S=0の上にあるか下にあるかで制御入力(Kまたは−K)が決定され、Kの絶対値を大きくすることにより、eとedは速やかにゼロに近き、yはynに近づくことになる。しかし、後述するように、Kの絶対値を大きくすると、それだけスライディングモード制御特有のチャタリングの問題が大きくなる。
【0013】
油圧試験機で正弦波加振を行う場合、図のようにゲインが低下するのは問題だが、位相遅れについては、加振は所定の周波数で繰り返されるため、実質的にほとんど問題とはならない。したがって、ゲイン、位相ともにynに追従させるために、Kの絶対値を大きくとることは、必ずしも賢明な方策ではない。
【0014】
油圧試験機での正弦波加振試験でとくに問題となるのは、油の圧縮性がバネ要素となり、加振波形が図13の(a)で示すように、振動的に変化する、いわゆる波形歪を生じることである。
【0015】
実際には変位波形、速度波形、加速度波形の順で振動的になり、この図13(a)のynとyの偏差eと、その微分値edを位相平面上の動きとして示したのが、(b)であり、図12の(b)のときと同じように、楕円の動きとなる。
【0016】
しかし、この場合には、楕円を一周する時間は、図13(a)の振動成分の1周期に等しいため、図12(b)よりもその時間は短い。振動成分が1周期毎に切換線S=0をよぎっているため、スライディングモード制御により、効率よく振動成分を低減することが可能である。
【0017】
ところが、実際の加振試験での出力yは、規範モデル出力ynに対して、図14の(a)で示すように、上記したゲイン、位相のずれ分が加わる。したがって、これらの偏差eと、その微分値edとの位相平面の動きを求めると、図12と図13の(b)を重ね合わせたものとなり、この場合には、振動成分が1周期毎に切換線をよぎっているわけではないので、効率よく振動成分を低減することはできない。
【0018】
このため、振動成分を低減するには、スライディングモード制御入力のゲインであるKの絶対値を大きく設定しなければならないが、こうすると、前記のように制御入力の切換による振動であるチャタリングが大きくなったり、ノイズ成分が増幅されたりして、必ずしも問題解決にはつながらない。
【0019】
上記したとおり、この正弦波加振試験のように、加振波形が繰り返し的に連続する場合には、ゲインの低下は問題だが、位相遅れの実害はない。また、ゲインが低下するのは、例えば図8において、入力指令(目標値)rの振幅を予め大きくすることで簡単に解決する。
【0020】
本発明はこのような点に着目してなされたもので、加振波形の位相遅れ分を含めてスライディングモード制御により出力yを規範モデル出力ynに追従させるのではなく、ゲインと位相ずれについては、予め規範モデルの出力ynをyと一致するように調整しておき、振動成分のみをスライディングモード制御により低減させることで、スライディングモード制御の特徴を活かして効率のよい収束性を実現することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力指令に応じて出力する規範モデルと、規範モデルの出力と制御対象の出力の偏差が入力されるスライディングモード制御器とを備え、少なくとも規範モデルの出力と制御対象の出力との偏差に基づいて制御対象に対する入力が制御され、スライディングモード制御器の出力が前記制御対象に対する1つの入力となり、所定の周波数の正弦波加振を行う油圧試験機の制御装置において、規範モデルの出力の位相、ゲインのうち少なくとも一方について制御対象出力とのずれ分を少なくなるよう調整する位相・ゲイン調整手段を備える。
【0028】
【発明の作用・効果】
本発明では、規範モデルの出力ynが実際の出力yに等しくなるように、予め位相・ゲイン調整器により調整しておき、主として加振波形の振動成分(波形歪み)の除去についてのみ、例えばスライディングモード制御を適用することにより、効率よく振動成分を低減することが可能となる。
【0029】
【実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の最良の実施の形態を説明する。
【0030】
本実施形態は、図6に示すような油圧試験機(加振機)に適用した例を示すものであって、図1において、11は出力ynを出力する規範モデル、12は出力ynと制御対象13の出力yとの偏差eが入力されるフィードバック制御器、14は規範モデル11と制御対象13の逆伝達関数からなるフィードフォワード制御器、15はスライディングモード制御器であって、フィードバック制御器12の出力と、フィードフォワード制御器14の出力と、スライディングモード制御器15の出力を加算して制御対象13を制御する。
【0031】
そして本発明では、入力指令rに対する制御対象13の出力yの位相とゲイン(振幅)のずれ分を予め調整するための位相・ゲイン調整器10が設けられ、この位相・ゲイン調整された出力が規範モデル11に入力するように構成されている。制御対象出力yとのずれ分については、実験等により求め、位相遅れ分だけ位相を遅らせ、またゲインの低下分はそれだけ振幅を大きくする。
【0032】
このような構成において、例えば所定の周波数で加振するための入力指令rは位相・ゲイン調整器10を介して調整されるため、図13(a)にもあるとおり、規範モデル11の出力ynは、制御対象13の出力yとの位相、ゲインについてずれの少ないものとなる。
【0033】
したがって規範モデル11と制御対象13の出力の偏差eは、主として油圧加振機の油の圧縮性に起因する加振波形の振動成分(歪み分)となり、スライディングモード制御器15では、この振動成分のみを除去するだけのため、制御入力のゲインであるKの値を小さくすることができる。この結果、スライディングモード制御特有のチャタリングなどの問題を起こすことなく、効率よく入力指令に対して制御対象出力を収束させることができる。
【0034】
次に図2により別の実施の形態を説明する。これは、図1に比較して、位相・ゲイン調整器10を規範モデル11の出力側に挿入したことでのみ異なり、規範モデル11の出力の位相、ゲイン調整を行うことにより、制御対象13の出力yは入力指令(目標値)対してずれの無いものとなる。
【0035】
したがってこの場合でも、スライディングモード制御器15においては、主として加振波形の振動成分のみを低減することになり、効率のよい制御が行える。
【0036】
さらに図3に示す実施の形態は、規範モデル11が位相、ゲインの調整機能を備えた構成にしたもので、位相とゲインを自由に調整することができる。
【0037】
したがってこの場合には、位相・ゲイン調整器が不要となり、規範モデル11の出力ynは予め位相、ゲインのずれ分が調整されたものとなる。
【0038】
以上の各実施の形態は変位の制御しか行っていないが、一般的には状態量のすべてを制御することが多い。この場合にはスライディングモード制御器15の構成は、図4のような構成となる。
【0039】
スライディングモード制御器15には、各状態量の偏差Xe(Xe1,Xe2,Xe3…)が入力し、これらに基づいて切換変数Sが計算され、この切換変数Sによって制御入力であるKが決まる。この場合、状態量が2つのときは、S=0が切換線、状態量が3つのときはS=0が切換面、状態量が4つのときはS=0が切換超平面となる。
【0040】
状態量のすべてを制御する場合には、図1に対応した構成としては、図5のようになる。
【0041】
規範モデル11の状態量はXn(Xn1,Xn2,Xn3…)となり、制御対象13の実際の状態量はX(X1,X2,X3…)で、これらの偏差Xe(Xe1,Xe2,Xe3…)となる。
【0042】
スライディングモード制御器15にはこれら偏差Xeが入力し、これに基づいて制御入力Kが決定される。
【0043】
なお、図2、図3に対応する実施の形態についても、同じよう構成されることは容易に理解できるので、その説明は省くことにする。
【0044】
このようにして本発明では、規範モデルの出力については、予め制御対象の出力との位相、ゲインのずれ分がないように調整しておくことにより、スライディングモード制御でチャタリングなどの問題を起こすことなく、応答波形の歪み分を大幅に低減することが可能となった。
【0045】
なお、上記説明では2自由度制御系に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるわけではなく、他の制御系についても応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す基本構成ブロック図である。
【図2】他の実施形態の基本構成ブロック図である。
【図3】さらに他の実施形態の基本構成ブロック図である。
【図4】スライディングモード制御器の詳細を示すブロック図である。
【図5】さらに他の実施形態を示す基本構成ブロック図である。
【図6】油圧試験機の構成図である。
【図7】従来の2自由度制御系の基本構成ブロック図である。
【図8】スライディングモード制御を併用した構成のブロック図である。
【図9】スライディングモード制御器の詳細とその出力を示すブロック図である。
【図10】スライディングモードの位相平面での評価を示す説明図である。
【図11】指令入力と規範モデルと制御対象の出力の関係を示す説明図である。
【図12】規範モデルと制御対象の出力の関係(a)と、スライディングモードの位相平面での動き(b)を示す説明図である(出力応答性が悪化した場合を示す)。
【図13】規範モデルと制御対象の出力の関係(a)と、スライディングモードの位相平面での動き(b)を示す説明図である(振動成分が重畳した場合を示す)。
【図14】規範モデルと制御対象の出力の関係(a)と、スライディングモードの位相平面での動き(b)を示す説明図である(応答性の悪化と振動成分の重畳がある場合を示す)。
【符号の説明】
10 位相・ゲイン調整器
11 規範モデル
12 フィードバック制御器
13 制御対象
14 フィードフォワード制御器
15 スライディングモード制御器

Claims (1)

  1. 入力指令に応じて出力する規範モデルと、該規範モデルの出力と制御対象の出力の偏差が入力されるスライディングモード制御器とを備え、少なくとも前記規範モデルの出力と制御対象の出力との偏差に基づいて制御対象に対する入力が制御され、前記スライディングモード制御器の出力が前記制御対象に対する1つの入力となり、所定の周波数の正弦波加振を行う油圧試験機の制御装置において、規範モデルの出力の位相、ゲインのうち少なくとも一方について制御対象出力とのずれ分を少なくなるよう調整する位相・ゲイン調整手段を備えることを特徴とする油圧試験機の制御装置。
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