JP3722342B2 - 暖房システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱媒流体により、単一の熱源から複数の熱量消費部へ熱を搬送する暖房システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この様な暖房システムは、集合住宅等で採用されている。
図1において、全体を符号Mで示す集合住宅の屋上部分Rには、熱源器HG、貯湯槽1、ポンプ2が設備されており、そして集合住宅Mには、温水配管系PL−Sが設けられている。
【0003】
熱源器HGとしては、ボイラ、ガスエンジン、その他の公知の部材が用いられ、上水を加熱して温水とする。この温水は温水ラインPL−1を介して貯湯槽1に送られ、そこで貯蔵される。そして、温水ラインPL−2を介してポンプ2でヘッドが付加され、温水配管系PL−Sに送られる。
すなわち、図1で示す様な暖房システムでは、熱エネルギを温水顕熱の形態で貯蔵し、往復温水循環ループラインで搬送している。そして、熱源に近い消費先から順次遠方へ温水を循環・配給する方式であり、消費先では任意の時間に循環温水を直接或いは熱交換器を介して上水を加熱・利用している。
【0004】
この様な往復温水循環ループラインを構成する温水配管系PL−Sが、図14で示されている。図14において、温水配管系PL−Sの供給側(往路)PL−SGと戻り側(復路)PL−SRとの間で、集合住宅Mにおける熱消費先である各家庭が符号FHが示されている。
【0005】
しかし、この様な往復温水循環ループライン方式の暖房システムにおいては、熱発生源から離れる毎に(図14では右側の熱消費先家庭FHに行く毎に)、熱損失に伴って温度レベルが低下してしまうという問題がある。特に、末端消費先における温度レベルの低下は深刻である。
【0006】
また、温水を循環させるためにポンプ2(図1)を駆動しなければならず、そのために必要な電力消費が、暖房システムの運転コストを増加させてしまう。
【0007】
さらに、蓄熱設備である貯湯槽1が小さい場合には、熱利用負荷が急激に増加した場合における追従性能が限定されてしまう。これに対して、熱利用負荷が最大となる場合を想定して機器を準備すれば、追従性能の問題は回避される。しかしながら、暖房システムに要する設備が大型化してしまう、という問題が新たに発生する。
【0008】
そして、往復温水循環ループライン方式を採用する場合には、必然的に往路用のラインと復路用のラインの2本が必要となる。この様な2本のラインを並行して設けることは、単一のラインのみを(単線で)設備する場合に比較して、レイアウトが著しく制限される。それと共に、設置コストが高くなる。
【0009】
これに加えて、熱エネルギを温水顕熱の形態で貯蔵する方式では、その他の方式(例えば、潜熱の形態で貯蔵する方式)に比較して、貯蔵設備が大型化するという問題がある。
【0010】
その他の従来技術として、例えば特開昭60−186626号公報においては、飽和蒸気を放熱部へ搬送し、凝縮時の真空作用によって凝縮水を還流する技術が提案されている。
その様に、飽和蒸気によって熱消費先である各家庭FMに熱を搬送する暖房システムが、図15で示されている。図15で示すシステムの様に、蒸気で熱を搬送すれば、搬送ラインは1本のみで済むので好都合である。
【0011】
しかし、図15で示す様なシステムにおいては、コジェネレーション設備その他の熱源設備(熱源器HGに相当する設備)が少なくとも100℃以上でなければ成立しない。そのため、今後において特に普及が期待される固体高分子型燃料電池の排熱温度を利用するシステムでは、従来の蒸気による熱搬送を行う暖房システムを駆動することが不可能である。
【0012】
さらに別の従来技術としては、特開平9−264498号公報で示す様に、水素等の吸蔵・放出時における吸熱・発熱現象を利用した熱搬送技術も提案されている。
しかし、その様な技術を上述した様な既存の暖房スステムに適用するためには、水素供給設備を設ける必要があり、コストアップ等の問題を生じてしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、熱搬送設備にポンプ等の搬送機器を別途設ける必要が無く、単一の配管により熱を消費先に対して授受出来る様な暖房システムの提供を目的としている。
【0014】
【課題が解決しようとする手段】
本発明の暖房システムは、熱源と、該熱源から供給される熱により熱媒蒸気を発生する蒸気発生手段と、該蒸気発生手段から蓄熱槽とを熱的に接続する熱媒用配管とを有しており、前記蓄熱槽はその内部に充填された蓄熱材とその内部に挿入された熱交換器内部の熱媒蒸気との間で熱交換を行う様に構成されており、前記熱媒用配管は、その内部で熱媒蒸気が蓄熱槽に向かって流れると共に、液相熱媒が蒸気発生器に向かって流れる様に構成されている。
【0015】
かかる構成を具備する本発明によれば、飽和蒸気の圧力によって熱媒蒸気を蓄熱槽まで供給することが出来るので、ポンプ等の搬送設備が不要になる。また、熱源(蒸気発生源)と消費先(一般家庭等)との距離が空いても、熱媒蒸気は飽和蒸気の圧力によって供給されるので、当該距離の影響は極めて軽微である。
そして、ポンプ等の搬送設備が不要な本発明によれば、少なくとも熱搬送に限って言えば電力その他の原動力が不要であり、電力が節約出来ると共に、熱媒用ポンプの故障とは全く無縁である。
それと共に、本発明によれば、凝縮した熱媒は重力により回収されるので、配管を所謂「単線」で構成することが出来る。そのため、熱媒用配管のレイアウトが容易となり、設置コストが低減される。
【0016】
ここで前記蓄熱槽は、そこに供給される熱媒蒸気が保有する熱量により溶解する程度の融点を有する蓄熱材が充填されており、蓄熱材と冷媒蒸気とが潜熱・潜熱熱交換を行う様に構成されているのが好ましい。
【0017】
すなわち本発明によれば、蓄熱槽内において熱エネルギを潜熱(例えば融解熱)の形態で貯蔵することが可能であるので、温水循環タイプの従来技術で用いられる貯湯槽に比較して、蓄熱槽を遥かに小さくすることが出来る。
【0018】
或いは本発明において、前記蓄熱槽に水を供給する配管が接続され、供給された水は蓄熱材として前記蓄熱槽内に充填しても良い。
【0019】
また、前記熱媒用配管は、水平方向配管と、垂直方向配管、分岐配管とから構成されており、垂直方向配管は底部ヘッダを介して水平方向配管に接続しており、前記底部ヘッダは蒸気発生手段よりも上方に位置しており、前記水平方向配管には蒸気発生手段に向かって下降する様な傾斜が設けられているのが好ましい。
或いは、前記熱媒用配管は、水平方向配管と、垂直方向配管、分岐配管とから構成されており、垂直方向配管は底部ヘッダを介して水平方向配管に接続しており、前記底部ヘッダは蒸気発生手段よりも下方に位置しており、前記水平方向配管は、熱媒蒸気流過用の第1の配管と、液相熱媒流過用の第2の配管の2つに分けて構成されているのが好ましい。
【0020】
本発明において、熱源から蒸気発生手段に熱を搬送する配管を有し、該配管系は蒸気発生手段をバイパスするバイパス配管を設け、該バイパス配管には開閉弁が介装されており、該開閉弁は蒸気発生手段内の圧力に応答して開閉する様に構成されているのが好ましい。
この様にすれば、冷媒蒸気圧力を一定に維持することが出来る。
【0021】
さらに本発明において、蒸気発生手段は熱源と熱的に接続されていると共に、バックアップ用熱源とも熱的に接続されており、該バックアップ用熱源は、前記熱源の運転が停止すると作動する様に構成されているのが好ましい。
この様に構成すれば、例えば燃料電池コージェネレーション装置により構成される熱源に対するメンテナンス作業時においても、バックアップ用熱源により蒸気発生手段を運転し続けることが出来るからである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1−図12を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面において、同様な部材には同様な符号が付されている。
【0023】
図1は本発明の暖房システムを集合住宅について用いた実施形態を示す。全体を符号Mで示す集合住宅には、複数の消費先家庭が入居しており、該消費先家庭の各々は、そこに1個ずつ設けられている蓄熱槽Hによって表現されている。
【0024】
図1の実施形態において、個々の蓄熱槽Hに対して熱を搬送する熱媒(例えば、50℃−90℃の沸点を有するフロン系物質)による飽和蒸気は、燃料電池コージェネレーション装置10(熱源)で発生した熱により熱媒蒸気或いは気相熱媒を発生する蒸気発生装置12(蒸気発生手段)から供給される。すなわち、蒸気発生装置12で発生した熱媒蒸気(飽和蒸気)はその自圧により、換言すれば所謂「自圧供給」によって、水平方向配管L−H、垂直方向配管L−V、該配管L−Vから各々の蓄熱槽H…へ分岐する分岐配管L−Bを介して、各蓄熱槽Hに送られるのである。
なお熱媒としては、上述した50℃−90℃の沸点を有するフロン系物質のみならず、例えば、水(減圧して使用され、沸点が100℃よりも低温となっている水)、シクロペンタン(沸点が49℃)、ヘキサン(沸点が64℃)、メタノール(沸点が64℃)、エタノール(沸点が84℃)等も利用可能である。
【0025】
図2は、蒸気発生装置12、配管L−H、L−V、L−B、蓄熱槽H…における熱搬送媒体の移動状態を分かり易く表現するため、配管L−H、L−V、L−Bを包括的に表現した配管L(熱媒用配管)により、一つの蓄熱槽Hと、蒸気発生装置12のみの簡略化したモデルを示している。
ここで、「熱媒用配管」は、前記配管L、水平方向配管L−H、垂直方向配管L−V、分岐配管L−B、後述する配管20で構成される。
図2において、蒸気発生装置12から発生した気相熱媒或いは熱媒蒸気(矢印VH)は、圧力差或いは密度差によってポンプ等を別途設けること無く配管Lを上昇し、蒸気発生装置12よりも上方にある蓄熱槽Hに到達する。そして、蓄熱槽Hに充填された蓄熱材(例えば、融点が60℃近傍のアルコール類:詳細は後述)に対して保有する熱量を供給する事により、蒸気VHは気化熱を奪われて凝縮し、液相熱媒(例えば、液化したフロン)LLHとなる。
液相熱媒LLHは、気相熱媒VHに比較して比重が遥かに大きいので、重力により配管Lを下降し、蒸気発生装置12に戻される。ここで、凝縮した液相熱媒LLHが下降するのは重力の作用であり、別途設けたポンプによりヘッドを付加された訳ではない。換言すれば、この場合においても別途ポンプを設ける必要が無い。
【0026】
蒸気熱媒VHと液相熱媒LLHとは、配管Lにおいて、別途ポンプ等を設けなくても上昇し(自圧供給による)或いは下降する(重力による)ので、上昇する熱媒(蒸気熱媒VH)と下降する熱媒(液相熱媒LLH)とを別々の配管に流す必要が無く、同一の配管(図2では符号Lで包括的に示す配管)に流せば良いのである。
なお蓄熱材としては、融点60℃のパラフィン系物質のみならず、例えば、オクタデカン(融点47℃)、セチルアルコール(融点50℃)、ステアリルアルコール(融点59℃)等を利用することが出来る。
【0027】
ここで、蓄熱槽Hについては、図3以下で示されている。
図3において、蓄熱槽Hの内部には、例えば融点が60℃近傍であるアルコール類が、蓄熱材MHとして充填されている。そして、(図1で示す蒸気発生器12に連通している)分岐配管L−Bに接続された熱媒用配管20が蓄熱槽Hの内部に挿入されている。
一方、蓄熱槽Hを設けた消費先家庭に温水を供給するための配管22(蓄熱槽Hにより上水を温水とするための配管)も、蓄熱槽H内に挿入されている。なお、図3において符号24は、配管22を流れる上水にヘッドを付加するためのポンプを示している。
【0028】
熱媒用配管20は、符号20Eで示す領域が熱交換器様に図示されている。これは、配管20内を上昇する気相熱媒(蒸気熱媒)VHが保有する熱量が、蓄熱槽H内に充填された蓄熱材MHに供給されて蓄熱材MHを融解する(融解熱:潜熱の供給)と共に、気相熱媒VH自身は気化熱(潜熱)を奪われて凝縮し、液相熱媒LLHとなることによる。すなわち、符号20Eで示す領域は、潜熱・潜熱熱交換器として作用するのである。
一方、消費先家庭に温水を供給するための配管22の、符号22Eで示す領域も熱交換器様に図示されている。融解した蓄熱材MHの保有する熱量が配管22内を流れる上水に供給されて、上水の温度を上昇するからである。
【0029】
熱媒用配管20は、その上端部23が閉塞している。
上述した様に、配管L−Bを介して熱媒用配管20まで上昇してきた蒸気熱媒VHは、蓄熱材MHと潜熱・潜熱熱交換を行って凝縮し、液相冷媒として配管20、L−B内を降下する。
この蓄熱槽Hにより、消費先家庭の昼夜における消費熱量のピークを吸収するのである。
【0030】
図3で示す蓄熱槽Hでは、蒸気熱媒VHと蓄熱材MHとは潜熱・潜熱熱交換を行っている。それに対して、図4で示す蓄熱槽H1では、蒸気熱媒VHの気化熱(潜熱)により蓄熱材MH(図4では、例えば水)の温度(水温)が上昇する(顕熱)ので、潜熱・顕熱熱交換が行われている。
図4において、熱媒用配管20に関する構成は図3と同様である。しかし図4においては、消費先家庭に温水を供給するための配管22の構成が異なっている。図4において、配管22は、蓄熱槽Hよりも上水側の領域22Uと下流側の領域22Dとに分けて設けられている。
配管22の上水側領域22Uから蓄熱槽Hに供給された水は、蓄熱材MHとして蓄熱槽H内に充填される。そして、熱媒用配管20内の熱媒蒸気VHと潜熱・顕熱熱交換を行い、(水温が)昇温し、ポンプ24により、ストレーナ25を介して配管22の下流側領域22Dに吸入され、図示しない温水負荷に送られるのである。
【0031】
図3、図4は、温水機等の温水負荷へ供給される温水を製造するためにのみ蓄熱槽Hが用いられているが、温水式床暖房や風呂の追い焚き等については、配管22とは別系統の配管から温水を供給するのが一般的である。
図5、図6は、温水負荷へ温水を供給する配管が2系統設けられている実施形態における蓄熱槽を示している。
【0032】
図5で示す蓄熱槽H2は、図3で示す蓄熱槽Hと同様に、熱媒用配管20と蓄熱材MHとの間で潜熱・潜熱熱交換が行われるタイプである。蒸気発生器12(図1)から分岐配管L−Bを介して蓄熱槽H2内の熱媒用配管20まで上昇するのは、例えば50℃−90℃の沸点を有するフロン系物質の熱媒蒸気VHである。そして、蓄熱槽Hの内部には、例えば融点が60℃近傍のアルコール類が蓄熱材MHとして充填されており、熱媒蒸気VHと蓄熱材MHとが潜熱・潜熱熱交換をして、熱媒は凝縮して液相熱媒LLHとなって、配管22、L−B内を重力により降下する。
【0033】
蓄熱槽H2内には、消費先家庭に温水を供給するための配管22と、配管22とは別系統の配管26とが設けられており、該配管26は、温水式床暖房や風呂の追い焚き等に対して温水を供給するために設けられている。なお符号28は、配管26内を流れる水にヘッドを負荷するためのポンプである。
蓄熱槽H2において、配管22及び配管26は融解した蓄熱材MHが保有する熱量(潜熱)が供給されて水温が上昇し、ポンプ24、28により、それぞれの熱負荷に対して供給されるのである。
その他の構成及び作用効果については、図3と同様である。
【0034】
図6で示す蓄熱槽H3は、図4で示す蓄熱槽H2と同様に、蓄熱材MHとして水を使用し、熱媒用配管20を上昇する熱媒蒸気VHと蓄熱材MH(水)との間で潜熱・顕熱熱交換をする様に構成されたタイプである。
図6において、配管22の上水側領域22Uから蓄熱槽Hに供給された水は、蓄熱材MHとして蓄熱槽H内に充填され、配管20内の熱媒蒸気VHと潜熱・顕熱熱交換を行い、(水温が)昇温し、ポンプ24により、ストレーナ25を介して配管22の下流側領域22Dに吸入され、図示しない温水負荷に送られる。ここで蓄熱槽H2内には、温水式床暖房や風呂の追い焚き等に対して熱を供給するために設けられている配管26が存在し、配管26内の水は蓄熱槽H2内の蓄熱材MHである温水により加熱されるのである。
その他の構成及び作用効果については、図4と同様である。
【0035】
水平方向配管L−H、垂直方向配管L−V、分岐配管L−B、蓄熱槽Hにおける熱媒の移動については、図2において既に説明されているが、図7、図9では特に明確に示されている。蒸気発生器12(図1)で発生した熱媒蒸気VHは自圧供給により蓄熱槽H(H1、H2、H3)へ供給され、気化熱を奪われて凝縮し、液相冷媒LLHとして、分岐配管L−B及び垂直方向配管L−V内を重力により下降して、底部ヘッダ34に到達する。
【0036】
ここで、底部ヘッダ34の位置が、図7では示されていない蒸気発生器12 (図1参照)よりも上方の位置にある場合には、図7では明示されてはいないが、水平方向配管L−Hに勾配(底部ヘッダ34が上、蒸気発生器12が下となる勾配)を設け、底部ヘッダ34に存在する凝縮した熱媒LLHが、重力の作用により蒸気発生器12へ戻る様に構成される。それと共に、水平方向配管L−Hの口径を大きくして、該配管L−Hの上方の領域では蒸気熱媒VHが蓄熱槽H側に向かって流れ、配管L−Hの下方の領域では液相冷媒LLHが蒸気発生器12へ向かって流れる様に構成される。
換言すれば、底部ヘッダ34が蒸発器12(図1)よりも上方にある場合には、図8で示す様に、水平方向配管L−H1本のみを蒸気発生器12と接続させることにより、蒸気熱媒VH、液相熱媒LLHを循環させることが出来る。
【0037】
これに対して、底部ヘッダ34が蒸気発生器12(図1)よりも下方にある場合には、例えば図9で示す様に、水平方向配管L−H(図1)を2本に分けて、上方の配管L−H−1に熱媒蒸気VHを流し、下方の配管L−H−2に液相熱媒LLHを流し、以って液相熱媒LLHを蒸気発生器12に回収させれば良い。
すなわち、底部ヘッダ34が蒸気発生器12(図1)よりも下方にある場合、図10で示す様に、2本の配管L−H−1、L−H−2を蒸気発生器12に接続しなければならない。なお、図9、図10では示されていないが、液相熱媒LLHに対してヘッドを付加するため、配管L−H−2にはポンプ(図示せず)が介装されている。
【0038】
図11で示す実施形態では、蒸気発生装置12において適切な熱媒蒸気圧力を維持する様に構成されている。図11において、燃料電池コージェネレーション装置10で発生した熱は、ラインL10を流れる熱媒体を介して、蒸気発生装置12内に貯留されている液相熱媒LLHへ供給される。ラインL10を介して燃料電池コージェネレーション装置10から供給された熱量により、液相冷媒LLHは気化して熱媒蒸気が発生し、水平方向配管L−Hを介して各消費先家庭の蓄熱槽へ供給される。
【0039】
ここで、前記ラインL10には、蒸気発生器12をバイパスするバイパスラインL12(バイパス配管)が設けられており、該バイパスラインL12には開閉弁40が介装されている。この開閉弁40は、信号伝達ラインCL−1を介して圧力センサ42と電気的に接続されており、圧力センサ42は蒸気発生器12内の圧力を検出する。
ラインL10を介して蒸気発生器12内へ供給される熱量が過剰となり、熱媒蒸気VH発生量も過剰になると、蒸気発生器12内の圧力が上昇する。この圧力上昇が圧力センサ42により検知され、信号伝達ラインCL−1を介して開閉弁40に伝達され、開閉弁40を開放する。開閉弁40が開放されれば、燃料電池コージェネレーション装置10で発生した熱を搬送する熱媒体はバイパスラインL12を流れ、蒸気発生器12をバイパスする。その結果、蒸気発生器12に供給される熱量及び熱媒蒸気VHの発生量が減少し、蒸気発生器12内の圧力が適正な数値以下に保たれる。
【0040】
図1−図11の実施形態において、燃料電池コージェネレーション装置10で発生した熱を蒸気発生器12に供給することによって、熱媒蒸気は発生する。しかし、燃料電池コージェネレーション装置10が燃料電池のメンテナンス等の定期点検や、その他の作業により運転が停止されると、蒸気発生器12には熱が供給されなくなり、熱媒蒸気の発生も停止してしまう恐れがある。
図12は、その様な事態にも対処出来る様な実施形態を示している。
【0041】
図12において、蒸気発生機12はラインL10を介して燃料電池コージェネレーション装置10(熱源)と熱的に接続されていると共に、ラインL30を介してバックアップ用熱源器50(バックアップ用熱源)とも熱的に接続されている。
ここで、バックアップ用熱源器50については、公知市販のものをそのまま利用することが出来る。また、バックアップ用熱源器50は、常設であっても、仮設であっても、共に適用可能なタイプのものが選択されることが好ましい。
【0042】
燃料電池コージェネレーション装置10が燃料電池のメンテナンス等の定期点検や、その他の作業により運転が停止されると、バックアップ用熱源器50を作動し、蒸気発生機12にはバックアップ用熱源器50からラインL30を介して熱が投入される。その結果、蓄熱槽H(H1、H2、H3)に蒸気熱媒が供給されなくなる、という事態を回避することが出来る。
燃料電池コージェネレーション装置10が再開された際には、バックアップ用熱源器50を停止して、図1−図11で示すような通常の運転を行えば良い。
【0043】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記載ではない旨を付記する。例えば、図示の実施形態では熱源として燃料電池コージェネレーション装置を用いているが、ガスエンジン、タービン、その他の装置を用いることが出来る。また、本発明を適用するのは集合住宅に限定される訳ではなく、蓄熱槽を建築物上部に設けることが出来るのであれば、一般家屋に対しても適用可能である
【0044】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、飽和蒸気の圧力によって熱媒蒸気を蓄熱槽まで供給するので、ポンプ等の搬送設備が不要となり、例えば従来の温水循環方式で必要とされた搬送動力が不要になる。また、熱源(蒸気発生源)と消費先(一般家庭等)との距離による悪影響が、従来の温水循環タイプのものに比較して遥かに小さい。
ここで本発明によれば、非常に高温を発生する熱源器を設ける事無く、蒸気を用いて熱を搬送する暖房システムを提供することが可能となるのである。
そして、ポンプ等の搬送設備が不要な本発明によれば、少なくとも熱搬送に限って言えば電力その他の原動力が不要であり、停電時であっても熱利用が可能である。また、ポンプ等の搬送設備が不要であるため、熱媒用ポンプの故障とは全く無縁である。
また本発明によれば、熱の消費先(である一般家庭)近傍に蓄熱槽を設置するので、消費先の任意時間における熱利用に対して迅速に対応することが出来るので、負荷変動に対する追従性が大幅に改善される。それと共に、熱媒からの熱の受け入れを熱利用時にオンタイムで行う必要が無く、且つ、熱利用時間が集中してしまうことを回避することが出来る。或いは、熱利用時間が集中する消費先の熱利用パターンと、常時一定供給される熱源との時間差を、吸収することが出来る。これにより、熱供給の平滑化が可能となり、発生した熱の利用効率を改善・向上することが可能となるのである。
さらに本発明によれば、蓄熱槽内において熱エネルギを潜熱(例えば融解熱)の形態で貯蔵出来るので、温水循環タイプの従来技術で用いられる貯湯槽に比較して、蓄熱槽を遥かに小さくすることが出来る。
これに加えて本発明によれば、凝縮した熱媒は重力により回収されるので、配管を所謂「単線」で構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示すブロック図。
【図2】熱媒の移動を説明する図。
【図3】本発明で用いられる蓄熱槽の1例を示す図。
【図4】蓄熱槽の他の例を示す図。
【図5】蓄熱槽の別の例を示す図。
【図6】蓄熱槽の更に別の例を示す図。
【図7】蓄熱槽と水平方向配管との間における熱媒の移動を示す図。
【図8】図7の実施形態で用いられる水平方向配管と蒸気発生器との接続状態を示す図。
【図9】蓄熱槽と水平方向配管との間における熱媒の移動を示す図。
【図10】図9の実施形態で用いられる水平方向配管と蒸気発生器との接続状態を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態を示す図。
【図12】本発明の更に別の実施形態を示す図。
【図13】従来技術の1例を示す図。
【図14】温水により熱を搬送する従来技術の1例を示す図。
【図15】蒸気により熱を搬送する従来技術の1例を示す図。
【符号の説明】
1…貯湯槽
PL−S、PL−SG、PL−SR…温水配管系
2、24、28…ポンプ
H、H1、H2、H3…蓄熱槽
L−H…水平方向配管
L−V…垂直方向配管
L−B…分岐配管
10…燃料電池コージェネレーション装置
12…蒸気発生装置
VH…熱媒蒸気
LLH…液相熱媒
MH…蓄熱材
20…熱媒用配管
22…蓄熱槽を設けた消費先家庭に温水を供給するための配管
22U…配管(22)の上水側領域
22D…配管(22)の下流側領域
26…温水式床暖房や風呂の追い焚き等に対して温水を供給するための配管
34…底部ヘッダ
L10、L30…蒸気発生装置に熱を供給するライン
L12…バイパスライン
40…開閉弁
42…圧力センサ
50…バックアップ用熱源器

Claims (7)

  1. 熱源と、該熱源から供給される熱により熱媒蒸気を発生する蒸気発生手段と、該蒸気発生手段から蓄熱槽とを熱的に接続する熱媒用配管とを有しており、前記蓄熱槽はその内部に充填された蓄熱材とその内部に挿入された熱交換器内部の熱媒蒸気との間で熱交換を行う様に構成されており、前記熱媒用配管は、その内部で熱媒蒸気が蓄熱槽に向かって流れると共に、液相熱媒が蒸気発生器に向かって流れる様に構成されていることを特徴とする暖房システム。
  2. 前記蓄熱槽は、そこに供給される熱媒蒸気が保有する熱量により溶解する程度の融点を有する蓄熱材が充填されており、蓄熱材と冷媒蒸気とが潜熱・潜熱熱交換を行う様に構成されている請求項1の暖房システム。
  3. 前記蓄熱槽に水を供給する配管が接続され、供給された水は蓄熱材として前記蓄熱槽内に充填されている請求項1の暖房システム。
  4. 前記熱媒用配管は、水平方向配管と、垂直方向配管、分岐配管とから構成されており、垂直方向配管は底部ヘッダを介して水平方向配管に接続しており、前記底部ヘッダは蒸気発生手段よりも上方に位置しており、前記水平方向配管には蒸気発生手段に向かって下降する様な傾斜が設けられている請求項1−3のいずれか1項の暖房システム。
  5. 前記熱媒用配管は、水平方向配管と、垂直方向配管、分岐配管とから構成されており、垂直方向配管は底部ヘッダを介して水平方向配管に接続しており、前記底部ヘッダは蒸気発生手段よりも下方に位置しており、前記水平方向配管は、熱媒蒸気流過用の第1の配管と、液相熱媒流過用の第2の配管の2つに分けて構成されている請求項1−3のいずれか1項の暖房システム。
  6. 熱源から蒸気発生手段に熱を搬送する配管を有し、該配管系は蒸気発生手段をバイパスするバイパス配管を設け、該バイパス配管には開閉弁が介装されており、該開閉弁は蒸気発生手段内の圧力に応答して開閉する様に構成されている請求項1−5のいずれか1項の暖房システム。
  7. 蒸気発生手段は熱源と熱的に接続されていると共に、バックアップ用熱源とも熱的に接続されており、該バックアップ用熱源は、前記熱源の運転が停止すると作動する様に構成されている請求項1−6のいずれか1項の暖房システム。
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