JP3722252B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナーの炎口に送り込む燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナーの炎口に送り込む燃焼装置では、給排気経路のうちバーナーよりも上流側に入口部を有するとともにバーナーよりも下流側に出口部を備えたバイパス通路を設け、当該通路内にその入口部と出口部の間に生じる差圧を検知するセンサを配置し、検知された差圧が所定値になるように燃焼ファンの風量を調整することで、空燃比を制御していた。
【0003】
すなわち、バイパス通路を通る空気とバーナーに流れ込む空気との流量比を予め求めておき、当該流量比と検知された差圧から求めたバイパス通路を通る空気の流量とから、バーナー側に送り込まれている空気量を求める。そして、このようにして求めた空気量とガス量調整弁を通じて送り込んでいる燃焼ガスの供給量とから、空燃比を求め、この値が目標値になるように燃焼ファンの風量を制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バイパス通路を通る空気とバーナー側を通る空気の流量比は、バーナー炎口の目詰まりや、バーナー近傍を通る冷却空気等による外乱、さらにはバーナーの組入れ誤差などにより設計値からずれてしまうことがある。したがって、バイパス通路を流れる空気とバーナー側を通る空気の流量比が設計値の状態にあることを前提にする従来の技術では、空燃比を正確に制御することができないという問題があった。また、燃焼熱量の大小により炎口の加熱される度合いが違い(炎口の表面温度が異なる)、この加熱具合でバーナー側を通る空気の圧損が左右される為、バイパス側でバーナー側を通る空気比(分配比)を、その時の燃焼熱量によって補正しなければいけない等の制御も必要になってくるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、バーナーの目詰まり等の影響を受けることなく空燃比を的確に制御することのできる燃焼装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナー(20)の炎口(22)に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込むための混合気供給通路(21)と、前記混合気供給通路(21)内にその入口部(31)および出口部(32)の開口したバイパス通路(30)と、前記バイパス通路(30)の途中に配置された混合気量センサ(40)とを備え、前記バイパス通路(30)の出口部(32)は前記入口部(31)よりも前記バーナー(20)の炎口(22)寄りの下流側箇所に開口し、
前記混合気量センサ(40)は、前記混合気供給通路(21)に流れ込む混合気のうち前記バイパス通路(30)側に分流した混合気の流量を計測するものであることを特徴とする燃焼装置。
【0007】
[2]燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナー(20)の炎口(22)に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込むための混合気供給通路(21)と、前記混合気を生成するために供給する燃焼ガスの流量を調整するガス量調整弁(60)と、前記ガス量調整弁(60)を通じて供給される燃焼ガスの流量を検知するガス量センサ(52)と、前記混合気を生成するための空気を供給する燃焼ファン(13)と、前記混合気供給通路(21)内の所定箇所に開口した入口部(31)と前記混合気供給通路(21)内の前記入口部(31)よりも前記バーナー(20)の炎口(22)寄りの下流側箇所に開口した出口部(32)とを有するバイパス通路(30)と、前記バイパス通路(30)内を流れる混合気の流量を検知する混合気量センサ(40)と、前記ガス量調整弁(60)の開度および前記燃焼ファン(13)の風量を制御する制御部(70)とを備え、
前記制御部(70)は、前記混合気量センサ(40)によって検知された混合気の流量と前記ガス量センサ(52)によって検知された燃焼ガスの流量とを基にして前記バーナー(20)の炎口(22)に所定の空燃比の混合気が目標量送り込まれるように前記ガス量調整弁(60)の開度と前記燃焼ファン(13)の風量とを制御することを特徴とする燃焼装置。
【0008】
[3]燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナー(20)の炎口(22)に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込むための混合気供給通路(21)と、前記混合気を生成するために供給する燃焼ガスの流量を調整するガス量調整弁(60)であって入力された制御信号の値に応じた量の燃焼ガスをその入側におけるガス圧の影響を受けずに送り出すことのできるものと、前記混合気を生成するための空気を供給する燃焼ファン(13)と、前記混合気供給通路(21)内の所定箇所に開口した入口部(31)と前記混合気供給通路(21)内の前記入口部(31)よりも前記バーナー(20)の炎口(22)寄りの下流側箇所に開口した出口部(32)とを有するバイパス通路(30)と、前記バイパス通路(30)内を流れる混合気の流量を検知する混合気量センサ(40)と、前記ガス量調整弁(60)の開度および前記燃焼ファン(13)の風量を制御する制御部(70)とを備え、
前記制御部(70)は、前記制御信号の値と前記混合気量センサ(40)によって検知された混合気の流量とを基にして前記バーナー(20)の炎口(22)に所定の空燃比の混合気が目標量送り込まれるように前記ガス量調整弁(60)の開度と前記燃焼ファン(13)の風量とを制御することを特徴とする燃焼装置。
【0009】
[4]前記混合気供給通路(21)の途中に当該通路内を流れる混合気に圧損を与える抵抗体(26)を設け、前記バイパス通路(30)の入口部(31)と出口部(32)を前記抵抗体(26)の上流側と下流側とに分けて配置したことを特徴とする[1]、[2]または[3]記載の燃焼装置。
【0010】
[5]前記混合気供給通路(21)は、前記ガス量調整弁(60)を通じて供給される燃焼ガスの流入口(23)と前記燃焼ファン(13)によって供給される空気の流入口(23)とを備え、これら流入口(23)から流入する燃焼ガスと空気とをその通路内で混合して前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込むものであり、前記バイパス通路(30)の入口部(31)は前記燃焼ガスと前記空気とがほぼ均一に混合された後の箇所に配置されていることを特徴とする[1]、[2]、[3]または[4]記載の燃焼装置。
【0011】
[6]前記制御部(70)は、要求熱量を得るために必要な燃焼ガスの流量を求め、これと目標とする所定の空燃比とから前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込むべき目標混合気量を求め、前記求めた流量の燃焼ガスが供給されるように前記ガス量調整弁(60)の開度を調整し、前記バーナー(20)の炎口(22)に送り込まれる混合気量が前記目標混合気量になるように前記混合気量センサ(40)によって検知された流量を基にして前記燃焼ファン(13)の風量を制御することを特徴とする[2]、[3]、[4]または[5]記載の燃焼装置。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
バイパス通路(30)の入口部(31)と出口部(32)はともに、混合気をバーナー(20)の炎口(22)に送り込む混合気供給通路(21)内に開口しているので、バーナー(20)に送り込まれる混合気の総流量とバイパス通路(30)内を流れる混合気との流量比は、バーナー(20)の目詰まり等に影響されることなく常に一定になる。
【0013】
したがって、バイパス通路(30)内を通る混合気の流量を混合気量センサ(40)で検知することにより、バーナー(20)に送り込まれる混合気の総流量を正確に求めることができる。
【0014】
また、バーナー(20)に送り込まれる混合気の総流量をバイパス通路(30)に設けた混合気量センサ(40)によって求めるとともに、混合気を生成するために供給された燃焼ガスの流量をガス量センサ(52)によって検知する。
【0015】
制御部(70)は、混合気量センサ(40)によって検知されたバイパス通路(30)側の流量とガス量センサ(52)によって検知された燃焼ガスの供給量とを基にして、目標とする空燃比の混合気が目標量だけバーナー(20)の炎口(22)に送り込まれるようにガス量調整弁(60)の開度と燃焼ファン(13)の風量とを制御する。
【0016】
バーナー(20)への混合気の総流量と燃焼ガスの供給量とから空燃比を求めることができるので、これらの情報を基にして供給ガス量と燃焼ファン(13)の風量とを調整することで、バーナー(20)の炎口(22)に目標とする空燃比の混合気を目標量だけ送り込むことができる。
【0017】
また、入力される制御信号の値に応じた量の燃焼ガスを入側におけるガス圧の影響を受けずに送り出すことのできるガス量調整弁(60)を用い、当該制御信号の値と混合気量センサ(40)によって検知されたバイパス通路(30)側を通る混合気の流量とを基にしてガス量調整弁(60)の開度と燃焼ファン(13)の風量とを制御するようにしてもよい。
【0018】
供給されるガス圧の影響を受けないガス量調整弁を用いることにより、制御信号の値から供給されるガス量をほぼ的確に把握することができるので、ガス量センサ(52)を別途設ける必要がなくなり、構造の簡略化と装置価格の低減を図ることができる。
【0019】
さらに、混合気供給通路(21)の途中に当該通路内を流れる混合気に圧損を与える抵抗体(26)を配置し、バイパス通路(30)の入口部(31)と出口部(32)とをこの抵抗体(26)を挟んで配置する。これにより、バイパス通路(30)側を流れる混合気の比率が高まり、混合気の流量をより的確に検知することができる。また、高感度の混合気量センサ(40)を用いる必要がなくなり、装置価格をより一層低減することができる。
【0020】
さらにガス量調整弁(60)を通じて供給される燃焼ガスと燃焼ファン(13)によって供給される空気の流入口(23)を混合気供給通路(21)に設け、流入口(23)から流入する燃焼ガスと空気とを混合気供給通路(21)内で混合してバーナー(20)の炎口(22)に送り込む。このように混合気供給通路(21)内で燃焼ガスと空気とを混合するので、別途、予混合室等を設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。なお、バイパス通路(30)の入口部(31)を燃焼ガスと空気とが十分混合された後の箇所に設けるので、バーナー(20)に供給される混合気の総量を的確に計測することができる。
【0021】
制御部(70)は、要求熱量を得るために必要な燃焼ガスの流量を求めるとともに、当該求めた燃焼ガスの流量と目標とする所定の空燃比とからバーナー(20)の炎口(22)に送り込むべき目標混合気量を求める。そして、目標量の燃焼ガスが供給されるようにガス量調整弁(60)の開度を調整し、次に、混合気量センサ(40)の検知する流量を基にしてバーナー(20)の炎口(22)に送り込まれる混合気量が、目標混合気量になるように燃焼ファン(13)の風量を制御する。これによりバーナー(20)の炎口(22)に目標とする空燃比の混合気を目標量だけ送り込むことができる。
【0022】
なお、要求熱量を得るために必要な燃焼ガスの流量は、ガス種、設定温度情報、熱交換器への入水温度情報、出湯温度情報、水量センサからの流量情報等から算出される。また空燃比はガス種に応じて最適な値が選択される。ガス種は予め設定しておくか、もしくはガス量センサ(52)によって判別するようになっている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1から図4は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示すように、本実施の形態にかかる燃焼装置10は、燃焼室11を備えており、その下部側にバーナー20を、上部側に熱交換器12を有している。ここでは、燃焼装置10として、給水を熱交換器12で加熱し出湯する給湯器を例に説明する。
【0024】
燃焼室11の底部には、バーナー20に向けて空気を送り込むための燃焼ファン13が設けてある。燃焼ファン13から送り出される空気は、バーナー20およびバーナー20の周囲等に設けた冷却口14を通じて、燃焼室11の上部へと送られ、熱交換器12を経由した後、排気口15から排出されるようになっている。
【0025】
バーナー20は、燃焼ガスと空気とを混合する予混合室として機能するガス供給通路21と、ガス供給通路21の出口部に配置された炎口部22とを備えた燃焼器である。炎口部22は、図2に示すように多孔質のセラミックプレートから成る。ガス供給通路21は、燃焼ガスと空気の双方を流入するための流入口23と、流入口23から流入した燃焼ガスと空気とを均一に混合するために比較的狭い通路で形成された混合部24と、混合部24を経たのち炎口部22全体に混合気を均一に送り込むための整流部25とから成る。
【0026】
整流部25の途中には、図2に示すように小さい穴が多数空いたパンチングメタル板から成る抵抗体26が配置されている。またガス供給通路21の整流部25には、その入口部31が抵抗体26よりも混合部24寄りの上流側箇所に開口し、出口部32が抵抗体26よりも炎口部22寄りの下流側箇所に開口したバイパス通路30が取り付けられている。またバイパス通路30の途中には、当該バイパス通路30内を流れる混合気の流量を検知するための混合気量センサ40が設けてある。
【0027】
バーナー20の有する流入口23の近傍には、ガス供給管50の吐出口51が配置されている。吐出口51に連通するガス供給管50の途中には、供給するガス量を調整するためのガス量調整弁60が設けられ、さらにガス量調整弁60の下流側には、供給されるガス量を検知するためのガス量センサ52が配置されている。
【0028】
燃焼装置10は、バーナー20に供給される混合気の流量や空燃比の制御等を行う制御部70を備えており、制御部70には、燃焼ファン13、混合気量センサ40、ガス量センサ52、ガス量調整弁60等が電気的に接続されている。
【0029】
図3は、制御部70およびその周辺回路の構成を示している。制御部70は、混合気の流量および空燃費を統括制御する混合気制御部71を備えており、混合気制御部71には各種の回路部が接続されている。このうち演算部72は、必要なガス量や混合気量等を演算により求める回路部分である。メモリ部73はプログラムや各種固定的データを記憶するためのROM(リード・オンリ・メモリ)と、プログラムの実行中に一時的に必要になるデータを格納するためのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から構成されている。
【0030】
また、ガス量調整弁60および燃焼ファン13は、それぞれ、パワーアンプ74、アクチュエータ75を介して混合気制御部71に接続されている。なお、混合気制御部71、演算部72は、CPU(中央処理装置)を主要部とする回路で構成されている。
【0031】
次に作用を説明する。
バーナー20の有する流入口23から流入した燃焼ガスおよび空気は、混合部24を通過する際にほぼ均一に混合され混合気になる。混合部24を抜けて整流部25に出た混合気の一部は分流してバイパス通路30内を通る。残りの混合気は、多数設けられた穴を通じて抵抗体26を通過し整流された後、バイパス通路30を通って出口部32から出てきた混合気とともに、炎口部22に向かって流れる。
【0032】
ここで、バイパス通路30の入口部31および出口部32がともにバーナー20のガス供給通路21内に開口しているので、炎口部22に送り込まれる混合気のうちバイパス通路30側に分流するものと抵抗体26を通過するものとの比率は、炎口部22の目詰まり等の影響を受けず、常に一定になる。このため、混合気量センサ40によって検知される流量(バイパス通路を通る混合気の流量)に所定の比率を乗じることで、炎口部22に送り込まれる混合気全体の流量を的確に把握することができる。
【0033】
また、整流部25内に抵抗体26を配し、バイパス通路30の入口部31と出口部32とを抵抗体26を挟んで設けているので、整流部25側を流れる混合気の圧損が増え、バイパス通路30側へ分流する混合気の比率が高まる。その結果、混合気量センサ40の検知する流量に対して検知誤差の占める比率が少なくなり、混合気量を精度よく検知することができる。また、流量の絶対量が増すので混合気量センサ40として高感度のものを用いる必要がなくなり、装置価格を低減することができる。
【0034】
図4は、制御部70の行う動作の流れを示している。まず、制御部70は、必要なガス量を演算により求める(ステップS101)。すなわち、ガス種、出湯すべき湯温である設定温度、図示しない入水サーミスタや出湯サーミスタによって検知された給水温度と出湯温度、さらにこれまた図示しない水量センサによって検知された給水の流量とから、設定温度の湯を要求量だけ出湯するために必要な燃焼ガスの供給量を求める。なお、ガス種は、仕向地ごとに出荷時に予め設定しておくか、もしくはガス量センサ52を用いて自己判別するようになっている。
【0035】
次に、ガス種と必要なガス供給量とを基にして、理想の空燃比の混合気を得るための風量を求め(ステップS102)、当該風量になるであろう初期値で燃焼ファン13を駆動する(ステップS103)。その後、ガス量調整弁60を開き、ガス量センサ52で検知されるガス量が、先に求めたガス供給量と一致するようにガス量調整弁60の開度を設定する(ステップS104)。
【0036】
これにより、燃焼ガスと空気の混合した混合気がガス供給通路21を通じてバーナー20の炎口部22に送り込まれるとともに、混合気の一部がバイパス通路30に分流しその流量が混合気量センサ40によって検知される。制御部70の演算部72は、混合気量センサ40によって検知された混合気の流量と、ガス量センサ52によって検知されたガス流量とから、目標とする理想の空燃比が得られているか否かを判定する(ステップS105、S106)。そして目標とする空燃比が得られていない場合には、燃焼ファン13によって送り込む風量を、増減する(ステップS107)。
【0037】
すなわち、制御部70は、混合気量センサ40の検知する流量に一定の比率を乗じることで炎口部22に実際に送り込まれる混合気の総流量を求める。一方、ガス量センサ52の検知するガス供給量と目標の空燃比とから、当該目標の空燃比になった場合における混合気の総流量を演算で求める。そして、演算で求めた混合気の総流量と、炎口部22に実際に送り込まれる混合気の総流量とを比較し、これらが等しくなるように燃焼ファン13の風量を制御する。
【0038】
このように、炎口部22に送り込まれる混合気のうちバイパス通路30側に分流するものと抵抗体26を通過するものとの比率が炎口部22の目詰まり等の影響を受けず常に一定なので、混合気量センサ40の検知する流量とガス量センサ52の検知するガスの供給量とを基に燃焼ファン13の風量を制御することで、理想の空燃比の混合気を必要な量だけ的確に送り込むことができる。
【0039】
次に、燃焼ガスの供給量を、ガス量調整弁に与える制御信号の値から認識する場合について説明する。ガス供給管50を通じて供給される燃焼ガスのガス圧は、各種の要因によって変動する。したがって、制御信号の値を基に燃焼ガスの供給量を認識するには、設定された弁の開度がガス圧によって変動しない機能を備えたガス量調整弁を用いる必要がある。ここでは、このような機能を備えたものとして図5に示す比例弁200を用いる。
【0040】
比例弁200は、可動コイル201に比例弁電流を流すことで生じる力によって弁体202を移動させ、流路を開閉するようになっている。弁体202はダイヤフラム203によって支持されている。入側からのガス圧(矢印204)は、弁体202に対しては開度が大きくなる方向に作用するが、同じガス圧がダイヤフラム203に加わることによって、弁体202はその開度が小さくなる方向に引き戻される。したがって、弁体202に加わるガス圧とダイヤフラム203に加わるガス圧によって弁体202の移動量が相殺され、比例弁200の開度は、制御信号である比例弁電流のみに依存し、ガス圧に影響されない。
【0041】
比例弁電流の値によって燃焼ガスの供給量を認識する場合には、図1に示すガス量調整弁60に代えて比例弁200を用いるとともに、ガス量センサ52を取り去ることができる。
【0042】
なお、図6に示すように、遠心ファンである燃焼ファン210の中心部にガス供給管50の吐出口51を配置すれば、燃焼ガスと空気とを燃焼ファン210で攪拌し混合してバーナー20に送り出すことができるので、図1に示す混合部24を設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。
【0043】
以上説明した実施の形態では、バイパス通路30の入口部31と出口部32とを抵抗体26を挟んでその両側に配置したが、混合気の通る流路の断面積が比較的小さく、圧力差の生じやすい形状を成している場合には、抵抗体26を必ずしも設ける必要はない。また高感度の混合気量センサ40を用いる場合には、抵抗体26を設けなくても混合気の流量を的確に計測することができる。
【0044】
実施の形態では、炎口部22に供給する混合気全体を1つのガス供給通路21を通じて送り込む形式のバーナー20を示したが、炎口部22が複数に区分けされ、それぞれに個別の供給路を通じて混合気を送り込む形式のバーナーを用いる場合には、いずれか1つの供給路にバイパス通路30および混合気量センサ40を設けて空燃比等の制御を行うようにしてもよい。すなわち、複数のうちの1つあるいは2つの供給路において検知した混合気の流量を全体の代表値として用い、燃焼ファンの風量等を制御するようにしてもよい。
【0045】
また、実施の形態では、混合気量センサ40によって流量を直接検出するようにしたが、入口部31と出口部32との差圧を検知し、当該差圧とバイパス通路30の形状によって定まる所定の値とから混合気の流量を求めるようにしてもよい。
【0046】
なお、実施の形態では、燃焼装置として給湯器を例に説明したが、燃焼ガスと空気とを予め混合した混合気を炎口に送り込む燃焼器を備えたものであれば良く、給湯器に限るものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明にかかる燃焼装置によれば、混合気をバーナーの炎口に送り込む混合気供給通路内にバイパス通路の入口部と出口部の双方を開口させたので、バーナーに送り込まれる混合気の総流量とバイパス通路内を流れる混合気の流量比が常に一定になる。その結果、バーナーに送り込まれる混合気の総流量をバイパス流路内に設けた混合気量センサの検知する流量を基にして、バーナーの目詰まり等の影響を受けることなく的確に求めることができる。
【0048】
さらに、混合気量センサによって検知したバイパス通路側の流量とガス量センサによって検知した燃焼ガスの供給量とを基にしてガス量調整弁の開度と燃焼ファンの風量とを制御することにより、バーナーの炎口に目標とする空燃比の混合気を目標量だけ的確に送り込むことができる。
【0049】
また、制御信号の値に応じた量の燃焼ガスを供給されるガス圧の影響を受けずに送り出すことのできるガス量調整弁を用い、その制御信号の値によって供給されるガス量を認識するものでは、ガス量センサが不要になり、構造の簡略化と装置価格の低減を図ることができる。
【0050】
さらに、バイパス通路の入口部と出口部とを抵抗体の上流側と下流側に分けて配置したものでは、抵抗体の圧損によりバイパス通路側に分流する混合気の比率が高まり、より正確に混合気の流量を検知することができるとともに高感度の混合気量センサを用いる必要がなくなり、装置価格をより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の有する抵抗体等を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の有する制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の有する制御部が行う動作の流れを示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置の有する比例弁を示す断面図である。
【図6】燃焼装置の他の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…燃焼装置
11…燃焼室
13、210…燃焼ファン
20…バーナー
21…ガス供給通路部
22…炎口部
23…流入口
24…混合部
25…整流部
26…抵抗体
30…バイパス通路
31…入口部
32…出口部
40…混合気量センサー
50…ガス供給管
51…吐出口
52…ガス量センサ
60…ガス量調整弁
70…制御部
71…混合気制御部
72…演算部
73…メモリ部
200…比例弁
201…可動コイル
202…弁体
203…ダイヤフラム
Claims (6)
- 燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナーの炎口に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナーの炎口に送り込むための混合気供給通路と、前記混合気供給通路内にその入口部および出口部の開口したバイパス通路と、前記バイパス通路の途中に配置された混合気量センサとを備え、前記バイパス通路の出口部は前記入口部よりも前記バーナーの炎口寄りの下流側箇所に開口し、
前記混合気量センサは、前記混合気供給通路に流れ込む混合気のうち前記バイパス通路側に分流した混合気の流量を計測するものであることを特徴とする燃焼装置。 - 燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナーの炎口に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナーの炎口に送り込むための混合気供給通路と、前記混合気を生成するために供給する燃焼ガスの流量を調整するガス量調整弁と、前記ガス量調整弁を通じて供給される燃焼ガスの流量を検知するガス量センサと、前記混合気を生成するための空気を供給する燃焼ファンと、前記混合気供給通路内の所定箇所に開口した入口部と前記混合気供給通路内の前記入口部よりも前記バーナーの炎口寄りの下流側箇所に開口した出口部とを有するバイパス通路と、前記バイパス通路内を流れる混合気の流量を検知する混合気量センサと、前記ガス量調整弁の開度および前記燃焼ファンの風量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記混合気量センサによって検知された混合気の流量と前記ガス量センサによって検知された燃焼ガスの流量とを基にして前記バーナーの炎口に所定の空燃比の混合気が目標量送り込まれるように前記ガス量調整弁の開度と前記燃焼ファンの風量とを制御することを特徴とする燃焼装置。 - 燃焼ガスと空気とを予め混合してバーナーの炎口に送り込む燃焼装置において、
燃焼ガスと空気の混合された混合気を前記バーナーの炎口に送り込むための混合気供給通路と、前記混合気を生成するために供給する燃焼ガスの流量を調整するガス量調整弁であって入力された制御信号の値に応じた量の燃焼ガスをその入側におけるガス圧の影響を受けずに送り出すことのできるものと、前記混合気を生成するための空気を供給する燃焼ファンと、前記混合気供給通路内の所定箇所に開口した入口部と前記混合気供給通路内の前記入口部よりも前記バーナーの炎口寄りの下流側箇所に開口した出口部とを有するバイパス通路と、前記バイパス通路内を流れる混合気の流量を検知する混合気量センサと、前記ガス量調整弁の開度および前記燃焼ファンの風量を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記制御信号の値と前記混合気量センサによって検知された混合気の流量とを基にして前記バーナーの炎口に所定の空燃比の混合気が目標量送り込まれるように前記ガス量調整弁の開度と前記燃焼ファンの風量とを制御することを特徴とする燃焼装置。 - 前記混合気供給通路の途中に当該通路内を流れる混合気に圧損を与える抵抗体を設け、前記バイパス通路の入口部と出口部を前記抵抗体の上流側と下流側とに分けて配置したことを特徴とする請求項1、2または3記載の燃焼装置。
- 前記混合気供給通路は、前記ガス量調整弁を通じて供給される燃焼ガスの流入口と前記燃焼ファンによって供給される空気の流入口とを備え、これら流入口から流入する燃焼ガスと空気とをその通路内で混合して前記バーナーの炎口に送り込むものであり、前記バイパス通路の入口部は前記燃焼ガスと前記空気とがほぼ均一に混合された後の箇所に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の燃焼装置。
- 前記制御部は、要求熱量を得るために必要な燃焼ガスの流量を求め、これと目標とする所定の空燃比とから前記バーナーの炎口に送り込むべき目標混合気量を求め、前記求めた流量の燃焼ガスが供給されるように前記ガス量調整弁の開度を調整し、前記バーナーの炎口に送り込まれる混合気量が前記目標混合気量になるように前記混合気量センサによって検知された流量を基にして前記燃焼ファンの風量を制御することを特徴とする請求項2、3、4または5記載の燃焼装置。
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