JP3720775B2 - 金属材料の衝撃捩り試験機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の衝撃捩り試験機に係わり、特に、自動車等のドライブ・シャフト用鉄鋼材料の衝撃捩れ性を評価するに有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料は、その用途に応じて予め該材料の種々の特性(強度、ねじれ、伸び等)を把握しておく必要がある。そのため、従来より引張試験、圧縮試験、捩り試験、衝撃試験等の各種試験方法が定められ、それを実施するための試験機も多々開発され、実用化されている。
【0003】
ところで、自動車等の車両は、いずれも、その車輪を回転、駆動させるために、鉄鋼材料からなるドライブ・シャフトを備えている。従って、該ドライブ・シャフトの優劣は、それら車両の性能評価において重要なポイントになっている。それは、車両にとって最も重要な部品の一つだからである。従来、このドライブ・シャフトの製作に使用される鉄鋼材料は、既存の材料試験機でその特性を測定し、その測定値が基準に合格した材料だけが使用される。また、近年、自動車等の燃費低減の観点から、ドライブ・シャフトを中空にすることが指向されている。
【0004】
しかしながら、自動車等が急発進すると、ドライブ・シャフトには大きな衝撃捩れが加えられるが、現在の材料試験機には、ねじれ及び衝撃を個別に測定するものはあっても、衝撃と捩れが同時に作用する場合を評価するものは存在しない。また、一般に材料試験は、試験片が実物よりかなり小さく、その測定結果から推定される実物の特性と実際の特性が一致しない場合も起こり得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、金属材料に同時に作用する衝撃及び捩れに対する抵抗力を評価できるだけでなく、実物のスケールで試験が行なえる金属材料の衝撃捩れ試験方法及び衝撃捩れ試験機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、従来の各種試験機を参考に鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、試験片の一端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた駆動軸と、前記駆動軸に取付けられ、その回転エネルギーを貯えるフライ・ホイールと、該駆動軸を回転させる駆動手段と、前記試験片の他端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた回転軸と、前記回転軸に取付けられた回転アームと、該回転アームに瞬間的に衝撃を加えてその回転を停止させるストッパとを備えたことを特徴とする金属材料の衝撃捩り試験機である。
【0008】
この場合、前記フライ・ホイールが、重量可変式であったり、あるいは前記駆動軸に回転計を設けると共に、前記駆動軸及び前記回転軸には歪計を取り付けるのが好ましい。また、上記した回転アーム及びストッパに代え、前記回転軸にディスク・ブレーキを設けても良い。さらに、本試験機は、鉄鋼材料に適用するのが好ましい。
【0009】
本発明によれば、金属材料の衝撃ねじれ性が、その用途に応じた実物大の試験片で測定できるようになる。その結果、本発明は、車両等の中空ドライブ・シャフトの開発に大いに貢献すると期待できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
発明者は、試験片を衝撃で捩る手段を検討し、試験片の一端を固定し、他端を瞬間的に回転させるか、あるいは試験片を回転させておき、その一端の回転を瞬間的に停止させるかの2通りあると結論した。そして、いずれの手段も具体化させる価値があるが、ここでは、後者の手段を採用することにして、図1に示すような試験機を開発した。
【0012】
それは、図1に示したように、試験片1を境にして左右2分した各種手段の組合せで構成される。まず、図1において、試験片1の右側には、軸を水平にしてスプライン付カップリング2を取り付けるようにした。ここで、スプライン付カップリング2とは、円筒体の内面に、その円周に沿って長手方向に延びる凹状の溝を多数刻設した部材である。従って、試験片1の断面を円形にして、該試験片1の一端の表面に、該凹条溝に嵌るよう長手方向に延びる凸状の突起を多数設けると、突起を凹溝にただ差し込むだけで試験片1を支えることが可能となる。
【0013】
このスプライン付カップリング2は、駆動軸3の一端に取り付けられており、他端側には、該駆動軸3を回転させる駆動手段4を設けるようにした。これにより、試験片1が所定の回転速度で回転できるようになる。この駆動手段4としては、図1に示したように、プーリ5、モータ6等を利用したもので良い。また、この駆動軸3には、その回転エネルギーを貯えるためのフライ・ホイール7を取付けてある。このフライ・ホイール7は、ホイールの数を変更することで、その重量を変化させるできる。これは、試験片1の大きさによって、貯えるネネルギーを変更する必要があるからである。
【0014】
次ぎに、試験片1の左側にある手段について説明すると、そこにも試験片1の一端(この場合、他端)を嵌め込むスプライン付カップリング2を備えた回転軸8が設けられる。そして、該回転軸8には、軸に直交する方向に長い回転アーム9が取付けられている。従って、上記した左右のスプライン付カップリング2に試験片1を嵌め込み、前記駆動手段4により駆動軸3を回転させると、何らかの停止力が働かない限り、試験片1はその軸を中心にして回転を続けることになる。
【0015】
ところで、本発明は、前記したように、試験片1を回転させておき、その一端の回転を瞬間的に停止させるものであるから、その停止手段が必要である。そのために、前記回転アーム9を有効に利用するようにしたのである。つまり、本発明では、該回転アーム9に瞬間的に衝撃を加えてその回転を停止させるストッパ10を設けるようにした。該ストッパ10を瞬間的に回転アーム9の位置に押し込むことで、回転アーム9は停止するからである。なお、ストッパ10の押し込みは、例えば油圧シリンダを利用すれば良い。その結果、試験片1の一端に繋がる回転軸8は回転を停止し、他端に繋がる駆動軸3は回転しているので、試験片1の軸を中心にして衝撃的捩りが起き、試験片1は破断される。
【0016】
なお、本発明の試験対象である金属材料は、必ずしも鉄鋼材料に限る必要はない。アルミニウム、銅、その他各種の合金材料でも、鉄鋼材料の場合と同様に試験できるからである。また、本発明では、実物大の大きな試験片1での測定も可能にするように、試験片1を境にして左右の各手段を水平方向に移動自在にしてある。2つのスプライン付カップリング2の間の距離を変更できるようにすれば、試験片1の大きさを可変にできるからである。さらに、前記した回転軸8の停止手段としては、回転アーム9及びストッパ10に代え、図2に示すようなディスク・ブレーキ11を用いても良い。その方が安全性の面では優れているからである。
【0017】
次に、かかる衝撃捩り試験機を用いて、実際に試験片の衝撃捩り性を測定する方法について説明する。
【0018】
まず、図1に示したように、駆動軸3及び回転軸8にテレメータ12を取付け、歪ゲージを貼った試験片1を2つのスプライン付カップリング2の間にセットする。前記テレメータ12に歪ゲージを接続し、発信状況を確認する。そして、順次ゼロ点調整等のキャリブレーションを行なう。試験片1の大きさに対応させてフライ・ホイール7の重量を決め、枚数を設定する。次に、回転アーム9を停止させる前記ストッパ10及びエアー・クラッチ16の作動をテストで確認する。その後、漸く駆動手段4のモータ6等を起動し、設定回転数まで上げてフライ・ホイール軸の回転数が安定することを確認する。回転軸が設定回転数に達したら、モータ6のクラッチを切り、フライホイール7をフリーにする。その後、速やかにストッパ10を操作して、回転アーム9の回転を瞬時に停止する。その後、前記エアー・クラッチ16を入れ、モータ6の回転数を「0」にする。試験片の歪ゲージ用リード線をテレメータ12から取り外し、破断した試験片1をスプライン付カップリング2から除く。
【0019】
この試験を行なう間に、回転計13でフライ・ホイール7の回転速度がリアルタイムとして、また、駆動軸3の歪計で測った歪−時間線図からの換算で、フライ・ホイール軸の捩りトルクが測定される。さらに、試験片1の歪−時間線図及び衝撃荷重が測定される。なお、衝撃荷重の測定は、図1に示したように、前記ストッパ10にロード・セル14を取り付ければ良い。これらの測定値は、後に整理し、所謂衝撃靭性を試験片が吸収した吸収エネルギー(トルク×歪の面積)で評価するのに使用される。
【0020】
【実施例】
引張り強度が1470MPaで、焼鈍ずみのCを0.3〜0.45質量%含有してなる鋼管(外径35.0mmφ×肉厚8mm)及び円柱状鋼材(外径35.0mm)から、長さ150mmの試験片4を採取した。そして、両端の表面に、前記スプライン・カップリングに嵌るように、凸状突起を加工し、本発明に係る衝撃捩り試験に供した。使用した試験機は、図1に示したと同様なものである。なお、フライ・ホイール7としては、重量が980〜9800N,回転トルクが9800N・m以上のものを用い、その回転数は94〜940rpmであった。
【0021】
得られた歪、トルク等のデータ(図3参照)を整理したところ、図4に示す曲線になった。図4より、これらの曲線と横軸とが囲む面積、つまり試験片に衝撃捩りを負荷した際の吸収エネルギーが容易に求められることが明らかである。また、外径が同一の場合、ねじれ性は鋼材の中心部より表層部の方が影響が大きいと従来より言われているので、図4の結果は、本発明に係る衝撃捩れ試験機が妥当なものであることを証明している。
【0022】
このように、本発明によれば、今までは不可能であった金属材料の衝撃捩り性が容易に評価できるようになる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、金属材料に同時に作用する衝撃及び捩れに対する抵抗力が評価できるばかりでなく、実物のスケールで衝撃捩じれ試験が行なえるようになる。その結果、本発明は、車両等の中空ドライブ・シャフトの開発に大いに貢献するものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属材料の衝撃捩り試験機の全体を示す横断面図である。
【図2】図1の回転アーム及びストッパに代えて、回転軸を停止させるのに利用可能なディスク・ブレーキを示す図である。
【図3】本発明の実施で得たデータの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施で得た試験片の吸収エネルギーを評価する関係を示す図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 スプライン付カップリング
3 駆動軸
4 駆動手段
5 プーリ
6 モータ
7 フライ・ホイール
8 回転軸
9 回転アーム
10 ストッパ
11 ディスク・ブレーキ
12 テレメータ
13 回転計
14 ロード・セル
15 軸受け
16 エアー・クラッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の衝撃捩り試験機に係わり、特に、自動車等のドライブ・シャフト用鉄鋼材料の衝撃捩れ性を評価するに有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料は、その用途に応じて予め該材料の種々の特性(強度、ねじれ、伸び等)を把握しておく必要がある。そのため、従来より引張試験、圧縮試験、捩り試験、衝撃試験等の各種試験方法が定められ、それを実施するための試験機も多々開発され、実用化されている。
【0003】
ところで、自動車等の車両は、いずれも、その車輪を回転、駆動させるために、鉄鋼材料からなるドライブ・シャフトを備えている。従って、該ドライブ・シャフトの優劣は、それら車両の性能評価において重要なポイントになっている。それは、車両にとって最も重要な部品の一つだからである。従来、このドライブ・シャフトの製作に使用される鉄鋼材料は、既存の材料試験機でその特性を測定し、その測定値が基準に合格した材料だけが使用される。また、近年、自動車等の燃費低減の観点から、ドライブ・シャフトを中空にすることが指向されている。
【0004】
しかしながら、自動車等が急発進すると、ドライブ・シャフトには大きな衝撃捩れが加えられるが、現在の材料試験機には、ねじれ及び衝撃を個別に測定するものはあっても、衝撃と捩れが同時に作用する場合を評価するものは存在しない。また、一般に材料試験は、試験片が実物よりかなり小さく、その測定結果から推定される実物の特性と実際の特性が一致しない場合も起こり得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、金属材料に同時に作用する衝撃及び捩れに対する抵抗力を評価できるだけでなく、実物のスケールで試験が行なえる金属材料の衝撃捩れ試験方法及び衝撃捩れ試験機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、従来の各種試験機を参考に鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、試験片の一端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた駆動軸と、前記駆動軸に取付けられ、その回転エネルギーを貯えるフライ・ホイールと、該駆動軸を回転させる駆動手段と、前記試験片の他端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた回転軸と、前記回転軸に取付けられた回転アームと、該回転アームに瞬間的に衝撃を加えてその回転を停止させるストッパとを備えたことを特徴とする金属材料の衝撃捩り試験機である。
【0008】
この場合、前記フライ・ホイールが、重量可変式であったり、あるいは前記駆動軸に回転計を設けると共に、前記駆動軸及び前記回転軸には歪計を取り付けるのが好ましい。また、上記した回転アーム及びストッパに代え、前記回転軸にディスク・ブレーキを設けても良い。さらに、本試験機は、鉄鋼材料に適用するのが好ましい。
【0009】
本発明によれば、金属材料の衝撃ねじれ性が、その用途に応じた実物大の試験片で測定できるようになる。その結果、本発明は、車両等の中空ドライブ・シャフトの開発に大いに貢献すると期待できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
発明者は、試験片を衝撃で捩る手段を検討し、試験片の一端を固定し、他端を瞬間的に回転させるか、あるいは試験片を回転させておき、その一端の回転を瞬間的に停止させるかの2通りあると結論した。そして、いずれの手段も具体化させる価値があるが、ここでは、後者の手段を採用することにして、図1に示すような試験機を開発した。
【0012】
それは、図1に示したように、試験片1を境にして左右2分した各種手段の組合せで構成される。まず、図1において、試験片1の右側には、軸を水平にしてスプライン付カップリング2を取り付けるようにした。ここで、スプライン付カップリング2とは、円筒体の内面に、その円周に沿って長手方向に延びる凹状の溝を多数刻設した部材である。従って、試験片1の断面を円形にして、該試験片1の一端の表面に、該凹条溝に嵌るよう長手方向に延びる凸状の突起を多数設けると、突起を凹溝にただ差し込むだけで試験片1を支えることが可能となる。
【0013】
このスプライン付カップリング2は、駆動軸3の一端に取り付けられており、他端側には、該駆動軸3を回転させる駆動手段4を設けるようにした。これにより、試験片1が所定の回転速度で回転できるようになる。この駆動手段4としては、図1に示したように、プーリ5、モータ6等を利用したもので良い。また、この駆動軸3には、その回転エネルギーを貯えるためのフライ・ホイール7を取付けてある。このフライ・ホイール7は、ホイールの数を変更することで、その重量を変化させるできる。これは、試験片1の大きさによって、貯えるネネルギーを変更する必要があるからである。
【0014】
次ぎに、試験片1の左側にある手段について説明すると、そこにも試験片1の一端(この場合、他端)を嵌め込むスプライン付カップリング2を備えた回転軸8が設けられる。そして、該回転軸8には、軸に直交する方向に長い回転アーム9が取付けられている。従って、上記した左右のスプライン付カップリング2に試験片1を嵌め込み、前記駆動手段4により駆動軸3を回転させると、何らかの停止力が働かない限り、試験片1はその軸を中心にして回転を続けることになる。
【0015】
ところで、本発明は、前記したように、試験片1を回転させておき、その一端の回転を瞬間的に停止させるものであるから、その停止手段が必要である。そのために、前記回転アーム9を有効に利用するようにしたのである。つまり、本発明では、該回転アーム9に瞬間的に衝撃を加えてその回転を停止させるストッパ10を設けるようにした。該ストッパ10を瞬間的に回転アーム9の位置に押し込むことで、回転アーム9は停止するからである。なお、ストッパ10の押し込みは、例えば油圧シリンダを利用すれば良い。その結果、試験片1の一端に繋がる回転軸8は回転を停止し、他端に繋がる駆動軸3は回転しているので、試験片1の軸を中心にして衝撃的捩りが起き、試験片1は破断される。
【0016】
なお、本発明の試験対象である金属材料は、必ずしも鉄鋼材料に限る必要はない。アルミニウム、銅、その他各種の合金材料でも、鉄鋼材料の場合と同様に試験できるからである。また、本発明では、実物大の大きな試験片1での測定も可能にするように、試験片1を境にして左右の各手段を水平方向に移動自在にしてある。2つのスプライン付カップリング2の間の距離を変更できるようにすれば、試験片1の大きさを可変にできるからである。さらに、前記した回転軸8の停止手段としては、回転アーム9及びストッパ10に代え、図2に示すようなディスク・ブレーキ11を用いても良い。その方が安全性の面では優れているからである。
【0017】
次に、かかる衝撃捩り試験機を用いて、実際に試験片の衝撃捩り性を測定する方法について説明する。
【0018】
まず、図1に示したように、駆動軸3及び回転軸8にテレメータ12を取付け、歪ゲージを貼った試験片1を2つのスプライン付カップリング2の間にセットする。前記テレメータ12に歪ゲージを接続し、発信状況を確認する。そして、順次ゼロ点調整等のキャリブレーションを行なう。試験片1の大きさに対応させてフライ・ホイール7の重量を決め、枚数を設定する。次に、回転アーム9を停止させる前記ストッパ10及びエアー・クラッチ16の作動をテストで確認する。その後、漸く駆動手段4のモータ6等を起動し、設定回転数まで上げてフライ・ホイール軸の回転数が安定することを確認する。回転軸が設定回転数に達したら、モータ6のクラッチを切り、フライホイール7をフリーにする。その後、速やかにストッパ10を操作して、回転アーム9の回転を瞬時に停止する。その後、前記エアー・クラッチ16を入れ、モータ6の回転数を「0」にする。試験片の歪ゲージ用リード線をテレメータ12から取り外し、破断した試験片1をスプライン付カップリング2から除く。
【0019】
この試験を行なう間に、回転計13でフライ・ホイール7の回転速度がリアルタイムとして、また、駆動軸3の歪計で測った歪−時間線図からの換算で、フライ・ホイール軸の捩りトルクが測定される。さらに、試験片1の歪−時間線図及び衝撃荷重が測定される。なお、衝撃荷重の測定は、図1に示したように、前記ストッパ10にロード・セル14を取り付ければ良い。これらの測定値は、後に整理し、所謂衝撃靭性を試験片が吸収した吸収エネルギー(トルク×歪の面積)で評価するのに使用される。
【0020】
【実施例】
引張り強度が1470MPaで、焼鈍ずみのCを0.3〜0.45質量%含有してなる鋼管(外径35.0mmφ×肉厚8mm)及び円柱状鋼材(外径35.0mm)から、長さ150mmの試験片4を採取した。そして、両端の表面に、前記スプライン・カップリングに嵌るように、凸状突起を加工し、本発明に係る衝撃捩り試験に供した。使用した試験機は、図1に示したと同様なものである。なお、フライ・ホイール7としては、重量が980〜9800N,回転トルクが9800N・m以上のものを用い、その回転数は94〜940rpmであった。
【0021】
得られた歪、トルク等のデータ(図3参照)を整理したところ、図4に示す曲線になった。図4より、これらの曲線と横軸とが囲む面積、つまり試験片に衝撃捩りを負荷した際の吸収エネルギーが容易に求められることが明らかである。また、外径が同一の場合、ねじれ性は鋼材の中心部より表層部の方が影響が大きいと従来より言われているので、図4の結果は、本発明に係る衝撃捩れ試験機が妥当なものであることを証明している。
【0022】
このように、本発明によれば、今までは不可能であった金属材料の衝撃捩り性が容易に評価できるようになる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、金属材料に同時に作用する衝撃及び捩れに対する抵抗力が評価できるばかりでなく、実物のスケールで衝撃捩じれ試験が行なえるようになる。その結果、本発明は、車両等の中空ドライブ・シャフトの開発に大いに貢献するものと期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属材料の衝撃捩り試験機の全体を示す横断面図である。
【図2】図1の回転アーム及びストッパに代えて、回転軸を停止させるのに利用可能なディスク・ブレーキを示す図である。
【図3】本発明の実施で得たデータの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施で得た試験片の吸収エネルギーを評価する関係を示す図である。
【符号の説明】
1 試験片
2 スプライン付カップリング
3 駆動軸
4 駆動手段
5 プーリ
6 モータ
7 フライ・ホイール
8 回転軸
9 回転アーム
10 ストッパ
11 ディスク・ブレーキ
12 テレメータ
13 回転計
14 ロード・セル
15 軸受け
16 エアー・クラッチ
Claims (4)
- 試験片の一端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた駆動軸と、前記駆動軸に取付けられ、その回転エネルギーを貯えるフライ・ホイールと、該駆動軸を回転させる駆動手段と、前記試験片の他端を嵌め込むスプライン付カップリングを備えた回転軸と、前記回転軸に取付けられた回転アームと、該回転アームに瞬間的に衝撃を加えてその回転を停止させるストッパとを備えたことを特徴とする金属材料の衝撃捩り試験機。
- 前記フライ・ホイールが、重量可変式であることを特徴とする請求項1記載の金属材料の衝撃捩り試験機。
- 前記駆動軸に回転計を設けると共に、前記駆動軸及び前記回転軸には歪計を取り付けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の金属材料の衝撃捩り試験機。
- 請求項1記載の回転アーム及びストッパに代え、前記回転軸にディスク・ブレーキを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属材料の衝撃捩り試験機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002039897A JP3720775B2 (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 金属材料の衝撃捩り試験機 |
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JP2002039897A JP3720775B2 (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 金属材料の衝撃捩り試験機 |
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JP3720775B2 true JP3720775B2 (ja) | 2005-11-30 |
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Family Applications (1)
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JP2002039897A Expired - Fee Related JP3720775B2 (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 金属材料の衝撃捩り試験機 |
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Cited By (2)
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CN105758740B (zh) * | 2016-04-06 | 2018-04-17 | 吉林大学 | 可控磁场强度的小型扭转疲劳材料力学性能原位测试仪 |
CN106768929B (zh) * | 2016-11-30 | 2019-03-26 | 江苏大学镇江流体工程装备技术研究院 | 一种汽车用飞轮耐久性和可靠性试验台 |
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CN112595503B (zh) * | 2020-11-26 | 2023-07-14 | 浙江晟克科技有限公司 | 扭转疲劳试验驱动机构、试验机、测试方法和存储介质 |
-
2002
- 2002-02-18 JP JP2002039897A patent/JP3720775B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
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JP2003240692A (ja) | 2003-08-27 |
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