JP3720241B2 - 消失性模型を用いる減圧鋳造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として精密鋳造の分野において用いられる消失性模型を用いる減圧鋳造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
消失性模型を用いて寸法精度に優れた鋳造品を得ることができる鋳造方法としては、ロストワックス法は古くから知られているが、この方法では周知のようにワックスを消失させるために鋳型を炉内に装入して長時間加熱しなければならず、手数がかかるうえに高価な塗型剤を使用しなければならない欠点がある。
【0003】
そこで、本発明者らは特開昭63−281757号公報に開示されているように、発泡ウレタン、発泡スチロール等の発泡性樹脂からなる消失性模型の表面に注湯時に通気性と適度な強度を有する塗型剤を層着し、これを減圧可能な枠内の鋳物砂やショットボール等の内部に埋設し、枠内を減圧しながら湯口カップおよび押湯カップの上部から熱風や薬品を注入して消失性模型を分解、消失させたうえ、枠内に形成された中空部に減圧状態のままで溶湯を注湯することを特徴とする減圧鋳造法を先に発明した。
しかしながら、この方法では消失性模型の大きさ、形状によっては消失性模型が完全に消失しない場合があり、注湯時にすすとなって残留しこれが鋳造品の表面に付着して鋳肌を損なったり、鋳物の中に混入して鋳造欠陥を発生する等の問題や、低炭素鋳鋼やステンレス鋳鋼等の場合には加炭現象が生じて表面が劣化する等の問題を発生させる恐れのあることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、消失性模型を極短時間で完全に消失させることができて、すすや加炭現象を発生させる恐れが全くなく、広範囲の大きさ、形状の鋳物の鋳造を行うことのできる消失性模型を用いる減圧鋳造方法を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法は、消失性模型の表面に通気性と適度の強度を持つ塗型剤を層着し、これを減圧可能な枠内の粒子層の内部に埋入して、消失性模型を熱風により加熱し分解消失させて中空部を形成したうえ、枠内を減圧しながら前記中空部に溶湯を注湯する消失性模型を用いる減圧鋳造方法において、熱風を枠の一方の側面から他方の側面まで粒子層内を通過させて、粒子層を消失性模型の融点以上に加熱して消失性模型を溶融させた後、枠内を減圧して溶融状態の消失性模型を分解、気化して消失させたうえ、枠内に形成された中空部に減圧状態のままで溶湯を注湯することを特徴とするものである。
【0006】
本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法は、表面に塗型剤を層着した消失性模型を減圧可能な枠内の粒子層の内部に埋入し、この粒子層を消失性模型の融点以上に加熱して、消失性模型を溶融させたのち枠内を減圧して消失性模型を分解、気化して完全に消失させることにより、すすや加炭現象を発生させることなく広範囲の大きさ、形状の鋳物の鋳造を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に図を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明を実施するに当たって用いたルーツ型真空ポンプのロータの消失型模型の断面図であるが、先ず発泡ポリウレタンや発泡スチロール等の熱によって溶融し、分解、消失させることのできる材料を用いて、消失性模型1を作る。図1において1aは中心軸となる部分、1bはルーツ型の羽根部分、1cは中空部である。次に、この消失性模型1の表面に塗型剤2を層着する。塗型剤2は注湯時に通気性と適度の強度を持つものであることが必要であり、例えば、酢酸ビニール樹脂1〜3%(質量%、以下同じ)、木節粘土20〜30%。珪砂67〜79%を加えたうえ水を添加してスラリー状としたものを用いることができるが、更にグラスファイバー等を少量混入して強度の向上を図るのが望ましい。
【0008】
次に消失性模型1を、図2に示すように、枠3内の砂やショットボール等の粒子層4の内部に埋入するとともに、消失性模型からなる湯口管5、陶管製湯口管6、鉄製蓋7等をセットする。なお、枠3内には減圧用金網パイプ8が設けられているとともに、枠3の一方の側面には熱風導入管9および導入された熱風を粒子層4内に導出するための小径の熱風噴出口10からなる加熱装置が設けられ、枠3の他方の側面の上部には粒子層4内を通過してきた熱風の排気管11が設けられている。また、熱風噴出口10にはその口から砂などの粒子が加熱装置内に混入しないように枠3の内側を金網で覆ってあり、熱風導入管9および排気管11には開閉弁12、13がそれぞれ取り付けられている。
【0009】
以上のようにセットを完了したのち、排気管11の開閉弁13を開き、熱風導入管9から消失性模型1の融点以上の高温の熱風を導入し熱風噴出口10から熱風を噴出させて粒子層4を加熱する。そして、排気管11に設けた温度計14が所定の温度に達して消失性模型1が溶融した後、熱風導入管9および排気管11の開閉弁12、13を閉じて減圧用金網パイプ8により枠3内を減圧する。以上の工程により消失性模型1は分解、気化し減圧用金網パイプ8から吸引されて完全に外部に排出されるので、粒子層4内には塗型剤2のみが残り、消失性模型1の存在した部分は、図3に示すように、中空部15となる。
【0010】
消失性模型1の存在した部分を中空部15となした後、減圧を中止して鉄製蓋7を取り除き、図3に示すように、減圧シール用のフィルム16を被せ陶管製湯口管6の上部開口部に湯口カップ17をセットし、湯口にはストレーナー18を設ける。次に、減圧シール用のフィルム16の上にフィルム保護用乾燥砂19を乗せ、再び枠3内を減圧し、湯口カップ17から溶湯20を注湯すると、中空部15どおりの形状の鋳造品を製造することができる。
【0011】
本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法は、枠3内の粒子層4を消失性模型1の融点以上に加熱したのち枠3内を減圧することにより、消失性模型1の分解、消失を完全に行うことができ、消失性模型1の存在した部分に形成された中空部15に注湯を行うことにより、従来のロストワックス法のように鋳型を加熱炉に装入する必要がなく、鋳造工程全体を短時間に能率良く進行させることができる。
さらに、枠3内を減圧しながら注湯することにより溶湯の凝固過程において生ずる引け巣を防止するための押湯、揚がり等を小型化または省略することができる。
また、本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法は、従来法と異なり消失性模型1の分解、消失を確実に行うことができ、消失性模型1の存在した部分を完全な中空部15とすることができるので、すすが鋳造品の表面に残って低炭素鋳鋼やステンレス鋳鋼等に加炭現象を生じさせたり、溶湯の温度変化による形状不良を生じさせたりする心配がない。
【0012】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法は、確実に消失性模型を分解、消失させることができて、広い範囲の大きさ、形状の鋳物の製造に適用できるうえに、短時間で精密な鋳造を行うことができる。
また、低炭素鋳鋼やステンレス鋳鋼等に用いてもに加炭現象を生ずることがない。さらには引け巣を防止するための押湯、揚がり等を小型化または省略することができて無駄湯を生ずることなく欠陥のない鋳物を製造することができる。
なお、大量生産のために消失性模型からなる湯口管へ消失性模型からなる堰を多数接続して同時に多数の製品を鋳込むことができる。
従って、本発明の消失性模型を用いる減圧鋳造方法によれば、仕上げ工数の減少、機械加工面の取り代の低減、すすの介在による欠陥の防止、チル化傾向の減少、薄肉鋳物の安定した生産、計画的なばらし時間による安定した硬度の付与等の多くの利点を得ることができる。
よって、本発明は従来の問題点を一掃した消失性模型を用いる減圧鋳造方法として、工業的価値大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に当たって用いた消失性模型の断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 消失性模型
1a 中心軸
1b ルーツ型の羽根部分
1c 中空部
2 塗型剤
3 枠
4 粒子層
5 湯口管
6 陶管製湯口管
7 鉄製蓋
8 減圧用金網パイプ
9 熱風導入管
10 熱風噴出口
11 排気管
12、13 開閉弁
14 温度計
15 中空部
16 減圧シール
17 湯口カップ
18 ストレーナー
19 乾燥砂
20 溶湯
Claims (1)
- 消失性模型の表面に通気性と適度の強度を持つ塗型剤を層着し、これを減圧可能な枠内の粒子層の内部に埋入して、消失性模型を熱風により加熱し分解消失させて中空部を形成したうえ、枠内を減圧しながら前記中空部に溶湯を注湯する消失性模型を用いる減圧鋳造方法において、熱風を枠の一方の側面から他方の側面まで粒子層内を通過させて、粒子層を消失性模型の融点以上に加熱して消失性模型を溶融させた後、枠内を減圧して溶融状態の消失性模型を分解、気化して消失させたうえ、枠内に形成された中空部に減圧状態のままで溶湯を注湯することを特徴とする消失性模型を用いる減圧鋳造方法。
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