JP3719240B2 - ボルトの軸力測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルトの軸力を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品を実際に組み立てる際のボルトの軸力は、各ボルト又は製品にセンサを設けることが実際上不可能であるため、直接測定できない。他方、ボルトの締付トルクや締付角度等は、締付装置側にセンサを設けることで測定できる。よって、ボルトの回転に関わる特性(締付トルク、締付角度等)とボルト軸力との関係を予め求めておけば、それら締付トルクや締付角度等に基づいて、ボルトの軸力を推定することができる。そして、ボルトの軸力を測定する装置として、図7及び図8に示すものが知られている。
【0003】
図7に示す装置Xは、被試験ボルトaに加わる軸力を油圧圧力に変換して検出するものである。すなわち、この装置xは、有底筒体状のシリンダbと、その内部にスライド自在に装着されたピストンcと、ピストンcとシリンダbとの相対回転を止めるピンdと、ピストンcとシリンダbとで区画された圧力室e内に充填されたオイルと、圧力室eに接続された圧力計fとを備え、被試験ボルトaをピストンc及びシリンダbの穴を貫通させ、ボルト頭部a1をピストンcの上面に着座させ、ボルト軸部a2に螺合させたナットgをシリンダbの下面に着座させ、被試験ボルトaを締め付けたときのボルト軸力が圧力室eに加わるようにしたものである。このボルト軸力は、圧力室e内の受圧面積Aに圧力計fの検出圧力Pを乗じて、算出される。
【0004】
図8(a)に示す装置Yは、被試験ボルトaに加わる軸力によって円筒部材hに歪みを生じさせ、その歪量を歪ゲージiで検出し、ボルト軸力を算出するものである。すなわち、この装置Yは、上下が蓋された円筒部材hと、円筒部材hの側面に貼付された歪ゲージiとを備え、被試験ボルトaを上下の蓋h1、h2の穴を貫通させ、ボルト頭部a1を上蓋h1の上面に着座させ、ボルト軸部a2に螺合させたナットgを下蓋h2の下面に着座させ、ボルト軸力によって円筒部材hの側面に歪みを生じさせるようにしたものである。このボルト軸力は、歪ゲージiで検出された歪量に実負荷に基づいて求めた定数(K)を乗じて、算出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの装置X、Yでは、次のような問題が生じていた。
【0006】
図7のタイプの装置Xでは、油圧作動油を使用するため、▲1▼油漏れに対する配慮が必要となる。▲2▼製造時に油圧系統へ作動油を封入し、エア抜き作業が必要となる。▲3▼油圧シールkに比較的大きな摺動抵抗が発生するため、油圧への変換精度の低下が避けられない。▲4▼油圧のダンピングによって軸力応答速度が低くなるため、ボルト締付過程における過渡的軸力の検出は困難である。
【0007】
また、図8(a)のタイプの装置Yでは、歪ゲージiが貼付される円筒部材hの側面には、図8(b)に示すように、検出すべき軸方向の歪みmのみならず、ボルト頭部a1の座面およびナットgの座面によるネジリ歪みnが同時に発生する。このため、歪ゲージiの貼付方向および接続回路を工夫し、ネジリ歪nの圧縮成分n1と引張成分n2とをキャンセルし、軸方向の歪み成分mのみを検出している。しかし、かかる対策では、円筒部材hの不均一さや歪ゲージiの貼付角度誤差に影響を受けやすく、精度向上に限界がある。
【0008】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、高精度で再現性が良く応答性が高いボルトの軸力測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために発明は、所定間隔を隔てて配置された一対の挟持部材と、これら挟持部材の間に介在された圧縮型ロードセルとを備え、各挟持部材の挿通穴に挿通した被試験ボルトを締め付けて、そのボルト軸力を上記圧縮型ロードセルで測定するボルトの軸力測定装置であって、ボルト締付時における挟持部材同士の相対回動を防止すべく、いずれか一方の挟持部材に複数の廻止ピンを設けると共に、他方の挟持部材に各廻止ピンを夫々スライド自在に挿通する複数の廻止穴を設け、且つ、上記一対の挟持部材のうちの少なくとも一方と上記圧縮型ロードセルとの間に、スラスト方向の摩擦力を低減する低摩擦部材を介設したものである。
【0010】
本発明によれば、被試験ボルトを締め付けたとき、挟持部材同士の相対回動が廻止ピンおよび廻止穴によって押さえられるので、挟持部材間に挟まれた圧縮型ロードセルのネジリ歪みが防止される。よって、圧縮型ロードセルには軸方向の歪みのみが生じ、ボルトの軸力を高精度で再現性良く測定できる。また、この装置は、ボルトの締め付けに対して剛性が高い構成となっているため、時定数の小さい即ち応答性が高い軸力測定ができ、ボルトの締付途中における軸力のリアルタイム測定が可能となる。
【0011】
また、上記一対の挟持部材のうちの少なくとも一方と上記圧縮型ロードセルとの間に、スラスト方向の摩擦力を低減する低摩擦部材を介設することで、ボルトの締付時に、廻止ピンと廻止穴との隙間の範囲で各挟持部材が回動することで生じるスラスト力は、低摩擦部材によって逃がされるため、圧縮型ロードセルにネジリ歪みが生じることはなく、高精度となる。
【0012】
また、上記複数の廻止ピンのうち一の廻止ピン以外の他の廻止ピンには、一の廻止ピンを中心とした仮想的な回動方向と直交方向にて、廻止穴との間に所定の隙間を生成する切欠部を設けてもよい。こうすれば、他の廻止ピンに設けられる切欠部は、一の廻止ピンを中心とした仮想的な回動方向と直交方向に位置されるので回動ガタとはならず、且つ各廻止ピンと各廻止穴との挿通を容易にする。
【0013】
また、上記各挟持部材は、被試験ボルトの挿通穴を有する穴ブロックとそれ以外の本体ブロックとからなり、穴ブロックが本体ブロックに着脱可能に取り付けられていてもよい。こうすれば、穴ブロックの材質を実際にボルトが締結されるワークと同じ材質にすることにより、実製品に近いボルト締付の評価(締付トルクと軸力との関係等)ができる。
【0014】
また、上記被試験ボルトの中間に引張型ロードセルを介設し、該引張型ロードセルの出力値に基づいて上記圧縮型ロードセルの出力値を較正するための演算部を設けてもよい。
【0015】
こうすれば、被試験ボルトを締め付けると、直列に配置された圧縮型ロードセルと引張型ロードセルとには等しい軸力(圧縮軸力、引張軸力)が加わる。そして、一般に圧縮型ロードセルよりも引張型ロードセルの方が測定精度が高い。従って、演算部によって引張型ロードセルの出力値に基づいて圧縮型ロードセルの出力値を較正し、以降、その較正データを用いることで、圧縮型ロードセルを用いたボルト軸力の測定精度を、引張型ロードセルを用いたものと同程度に高めることができ、測定精度が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0017】
図1は本実施形態に係るボルトの軸力測定装置の側断面図(図2のI-I線断面図)を示し、図2は上記装置の平面図を示し、図3は図1のIII-III線断面図を示す。
【0018】
図1に示すように、このボルトの軸力測定装置1は、所定間隔を隔てて上下平行に配置された一対の挟持部材2、3と、これら挟持部材2、3の間に介在された圧縮型ロードセル4とを備え、上下の挟持部材2、3を被試験ボルト5で締め付けたときのボルト軸力を、圧縮型ロードセル4で測定するものである。
【0019】
この装置1の特徴は、下側挟持部材3に2本の廻止ピン6a、6bを設けると共に、上側挟持部材2に各廻止ピン6a、6bを夫々スライド自在に挿通する2個の廻止穴7a、7bを設け、ボルト締付時における挟持部材2、3同士の相対回動を防止することで、圧縮型ロードセル4に生じ得るネジリ歪みを押さえるようにした点にある。
【0020】
先ず、上側挟持部材2について説明する。上側挟持部材2は、図2にも示すように、被試験ボルト5の挿通穴8を有する穴ブロック9と、それ以外の部分を構成する本体ブロック10とを備える。本体ブロック10は、長方形状の第1プレート11と、その中央部に開けられた穴に装着されてボルト12で締結された円形状の第2プレート13とを有する。第1プレート11には、廻止穴7a、7bが設けられている。
【0021】
これら廻止穴7a、7bは、図例では、穴ブロック9の被試験ボルト用の挿通穴8を挟んで左右対称に配置されているが、この穴配置・穴数に限られることはない。すなわち、廻止穴7a、7bは、そこに挿入される廻止ピン6a、6bと協働して、下側挟持部材3に対する上側挟持部材2の相対回動を押さえることを目的としているため、2個以上であればその穴配置は限定されない。
【0022】
上記第2プレート13の下面には、中央部に穴を有する中間プレート14がボルト15で締結されている。中間プレート14の下面には、低摩擦部材としてのオイレスメタル16がボルト17で締結されている。オイレスメタル16は、中央部に穴が開けられた円板からなり、その下面に固体潤滑剤(カーボン粉等)が充填された複数の凹部を有する。オイレスメタル16の下面は、圧縮型ロードセル4の上面に接する。
【0023】
また、第2プレート13には、穴ブロック9を装着するための円穴18が、形成されている。円穴18の内周面には、円柱状の廻止部材19が係合される凹部20が円弧状に形成されている。穴ブロック9は、円板(円柱)からなり、その側面に廻止部材19が係合される凹部21が円弧状に形成され、中央部に被試験ボルト5の挿通穴8が形成されている。
【0024】
穴ブロック9は、実際にボルトが締結されるワークと同じ材質および表面処理(表面粗さ)が施されており、被試験ボルト5の頭部5aが着座したときに、同じ締付状態が模擬されるようになっている。この穴ブロック9は、本体ブロック10の円穴18に相互の凹部20、21の位置を合わせて装着され、凹部20、21に嵌め込んだ廻止部材19をボルト22で中間プレート14に締結することで、本体ブロック10に対する回転が防止される。
【0025】
次に、下側挟持部材3について説明する。下側挟持部材3は、図1及び図3に示すように、被試験ボルト5の軸部5bが螺合されるネジ穴23を有する穴ブロック24(以下タップブロック24という)と、それ以外の部分を構成する本体ブロック25とからなる。本体ブロック25は、長方形状の第1プレート26と、その中央部に開けられた穴に装着されてボルト27で締結された円形状の第2プレート28とを有する。
【0026】
第1プレート26には、廻止ピン6a、6bが設けられている。各廻止ピン6a、6bの先端部は、上側挟持部材2に設けた廻止穴7a、7bに、スライド自在に挿通される。各廻止ピン6a、6bは、図例では、タップブロック24に形成された被試験ボルト5のネジ穴23を挟んで左右対称に配置されているが、上記廻止穴7a、7bと同様の理由によりこのピン配置・ピン数に限られることはない。
【0027】
図1及び図2にて、左側の廻止ピン6aの先端部と廻止穴7aとは、円形ピンと円形穴とからなり、相互に軸方向にスライド可能な狭い隙間Aが設定されている。他方、右側の廻止ピン6bの先端部と廻止穴7bとには、左側の廻止ピン6aを中心とした仮想的な回動方向(a方向)には上記隙間Aと同じ隙間Aが設定され、その回動方向と直交方向には上記隙間Aよりも広い所定の隙間Bが設定されている。
【0028】
すなわち、右側の廻止ピン6bの先端部は、上記回動方向には廻止穴7bとの間に隙間Aを生成するための円弧部29を有すると共に、それと直交方向には廻止穴7bとの間に隙間Bを生成するための切欠部30を有し、断面ダイヤ型のピンとなっている。また、右側の廻止穴7bは、左側と同様に円形穴からなる。
【0029】
第1プレート26の上面には、中央部に穴を有する中間プレート31がボルト32で締結されている。中間プレート31の上面には、圧縮型ロードセル4がボルト33で締結されている。圧縮型ロードセル4は、中央に被試験ボルト4の挿通穴34を有し、その下面外周部が中間プレート31に接し、上面内周部がオイレスメタル16に接し、圧縮により生じた歪みを電気信号に変換するものである。
【0030】
第2プレート28には、タップブロック24を装着するための円穴35が、形成されている。円穴35の内周面には、円柱状の廻止部材36が係合される凹部37が円弧状に形成されている。タップブロック24は、円板(円柱)からなり、その側面に廻止部材36が係合される凹部38が円弧状に形成され、中央部に被試験ボルト5のネジ穴23が形成されている。
【0031】
タップブロック24は、実際にボルトが締結されるワークと同じ材質からなり、ネジ穴23に被試験ボルト5の軸部5bがねじ込まれたとき同じ締付状態が模擬されるようになっている。このタップブロック24は、本体ブロック25の円穴35に相互の凹部37、38の位置を合わせて装着され、凹部37、38に嵌め込んだ廻止部材36をボルト39で中間プレート31に締結することで、本体ブロック25に対する回転が防止される。
【0032】
第2プレート28には、タップブロック24の落下を押さえる金具40が、ボルト41によって締結されている。また、第1プレート26は、支柱42を介して基盤43に固定されている。また、上側挟持部材2の第1プレート11の左右には、ハンドル44が設けられている。作業員は、このハンドル44を掴んで、上側挟持部材2の廻止穴7a、7bを下側挟持部材3の廻止ピン6a、6bに挿通することになる。
【0033】
本実施形態の作用を述べる。
【0034】
本装置1を用いてボルト軸力を測定するときには、先ず、被試験ボルト5を上側挟持部材2の穴ブロック9の挿通穴8に挿通させて、ボルト軸部5bを下側挟持部材3のタップブロック24のネジ穴23にねじ込み、ボルト頭部5aを上側挟持部材2の穴ブロック9の上面に着座させる。そして、ボルト頭部5aを公知のナットランナー等によって回転角度・トルク等を検出しつつ回転させて軸部5bをねじ込んでいき、圧縮型ロードセル4に圧縮応力を加えていく。
【0035】
このとき、上側挟持部材2の本体ブロック10には、ボルト頭部5a、穴ブロック9および廻止部材19を介して締付けの際のトルクが加わり、下側挟持部材3の本体ブロック25には、ボルト軸部5b、タップブロック24および廻止部材36を介して締付けの際のトルクが加わるため、上下の挟持部材2、3が相対回動しようとするが、かかる相対回動は各廻止ピン6a、6bおよび廻止穴7a、7bによって押さえられる。
【0036】
すなわち、上側挟持部材2及び下側挟持部材3の各本体ブロック10、25に加わったトルクは、各廻止ピン6a、6bおよび廻止穴7a、7bによって吸収されるため、これら挟持部材2、3間に挟まれた圧縮型ロードセル4に伝達されない。よって、圧縮型ロードセル4には、ネジリ歪みが生じることはなく、軸方向の歪みのみが生じる。従って、ネジリ歪みの影響を受けることなく、ボルト5の軸力を高精度で、再現性良く測定できる。
【0037】
ここで、厳密には、ボルト5の締付時に、廻止ピン6a、6bと廻止穴7a、7bとの隙間Aの範囲で上側挟持部材2が下側挟持部材3に対して回動するため、これに伴って上側挟持部材2とロードセル4との間には極く小さなスラスト力が生じることになるが、このスラスト力はオイレスメタル16がロードセル4の上面を滑ることにより、逃がされる(低減される)。よって、ロードセル4に隙間Aに基づくネジリ歪みが生じることはなく、高精度が確保される。
【0038】
また、図1及び図2に示すように、右側の廻止ピン6bの先端部には、左側の廻止ピン6aを中心とした仮想的な回動方向に隙間Aを生成するための円弧部29が形成され、それと直交方向に隙間B(B>A)を生成するための切欠部30が設けられているので、双方の廻止ピン6a、6bを中心とした相対的な回動ガタを隙間A(上下方向のスライドに必要な最小限の隙間)に抑えつつ、隙間Bによって各廻止ピン6a、6bと各廻止穴7a、7bとの挿通作業(作業員がハンドル44を掴んで行う)を容易にできる。
【0039】
また、被試験ボルト5のボルト頭部5aが着座される穴ブロック9と、ボルト軸部5bがねじ込まれるタップブロック24とは、実際にボルト5が締結されるワークと同じ材質・穴径となっているので、実製品に近いボルト締付の評価(締付トルクと軸力との関係等)が可能となる。また、各種ボルトのサイズやワークに対する締結箇所に応じて、材質・穴径違いの穴ブロック9及びタップブロック24に適宜交換することで、装置1の汎用性が高まる。
【0040】
また、図1に示すタップブロック24を上側挟持部材2に用いた穴ブロック9(ネジ穴23の代わりにボルト挿通穴8が形成されたブロック)と同様のものに代え、その穴ブロック9のボルト挿通穴8を貫通した被試験ボルト5の軸部5bに図示しないナットを螺合させ、着座させてもよい。これにより、ボルト5をネジ締めするときの軸力を測定できるのみならず、ボルト5をナット締めするときの軸力も測定できる。
【0041】
変形例を図4に示す。
【0042】
図4(a)は、図1乃至図3に示す装置1の穴ブロック9とタップブロック24とを取り外し、代わりに比較的小径で且つ全長の短いボルト50の軸力を測定するためのアタッチメントを装着したものの部分断面図を示し、図4(b)は図4(a)の底面図を示す。
【0043】
図1と図4とを比較すれば明らかなように、図1に示す上側挟持部材2の円穴18から穴ブロック9が取り外され、代わりに図4に示すように薄い穴ブロック9xが装着されている。薄型穴ブロック9xは、図1のタイプと同様に、廻止部材19をボルト22で固定することで、回転不能に固定されている。
【0044】
また、図1に示す下側挟持部材3の円穴35からタップブロック24が取り外され、代わりに図4に示すように薄いタップブロック24xが装着されている。薄型タップブロック24xは、円穴35に挿入される円板部45と、円板部45にボルト46で固定されたタップ部47とからなる。円板部45は、図1のタップブロック24と同様に、廻止部材36をボルト39で締結することで、回転不能に固定されている。
【0045】
タップ部47は、円板部45に形成された溝48に係合する凸部49を有し、円板部45に対して回転不能となっている。タップ部47の頂部には、被試験ボルト50が螺合されるネジ穴51が形成されている。被試験ボルト50は、薄型穴ブロック9xのボルト挿通穴80に挿通され、そのボルト頭部が薄型穴ブロック9xの上面に着座され、ボルト軸部が薄型タップブロック24xのタップ部47のネジ穴51に螺合される。
【0046】
タップ部47の頂面と薄型穴ブロック9xの下面との間には、被試験ボルト50の締込代となる所定の隙間が設定されている。この構成によれば、被試験ボルト50を公知のナットランナー等でねじ込むことで、上記隙間の範囲で、上側挟持部材2が下側挟持部材3に近接し、それらの間に挟まれた圧縮型ロードセル4に圧縮歪みが生じる。よって、被試験ボルト50の軸力を測定できる。
【0047】
この際、上側挟持部材2の下側挟持部材3に対する相対回動が廻止ピン6a、6b及び廻止穴7a、7b(図1参照)によって押さえられるため、圧縮型ロードセル4のネジリ歪みが抑えられ、ネジリ歪みに基づくボルト軸力の測定誤差を小さくできる点は、前実施形態と同様である。また、その他の作用効果も、前実施形態と同様となる。
【0048】
ところで、図1乃至図4に示す装置1に用いる圧縮型ロードセル4は、定期的に荷重−出力の関係をチェックし、信頼性を確保する必要がある。しかし、ボルト5の軸力値は、数トンに及ぶため、錘を載せる等のチェック方法は困難である。そこで、本発明者は、比較的経時変化が少なく精度が高い引張型ロードセルを直列に接合し、圧縮型ロードセル4の出力値を簡易に較正できる装置を創案した。
【0049】
すなわち、本発明者は、一般に引張型ロードセルの方が圧縮型ロードセル4よりも測定誤差が小さいことに着目し、図1乃至図4に示す装置1に別のアタッチメントを取り付けることにより、圧縮型ロードセル4に引張型ロードセル60を直列に配置して双方のロードセル4、60に等しい軸力が掛かるようにし、圧縮型ロードセル4の出力値を引張型ロードセル60の出力値に基づいて較正する装置1aを創案した。
【0050】
かかる装置1aの概要を図5及び図6に示す。図中、図1乃至図4に示す部品と同一の部品については、同じ符合を付して説明を省略する。図5に示すように、上側挟持部材2の円穴18には、穴ブロック9が取り外されて、代わりに下部プレート61が装着されている。下部プレート61の中央には、穴が形成されている。下部プレート61には、柱部材62を介して上部プレート63が取り付けられている。上部プレート63の中央には、穴が形成されている。
【0051】
また、図5に示す下側挟持部材3の円穴35には、図1に示すタップブロック24が取り外されて、代わりに穴ブロック9が装着されている。この穴ブロック9は、図1に示す上側挟持部材2の穴ブロック9と同様のものが用いられ、ボルトの挿通穴8を有する。
【0052】
これらの穴には、被試験ボルトとして、テンションロッド体64がスライド自在に挿通される。テンションロッド体64は、上部プレート63と下部プレート61との間に配置された引張型ロードセル60と、引張型ロードセル60の上部のネジ穴にねじ込まれてナット65で固定された上部タイロッド66と、引張型ロードセル60の下部のネジ穴にねじ込まれてナット67で固定された下部タイロッド68とからなる。上部タイロッド66と下部タイロッド68とは、一直線上に配置されている。
【0053】
上部タイロッド66の上部に形成されたネジ部には、ナット69が螺合されている。ナット69と上部プレート63の上面との間には、球面座金70が介設されている。球面座金70は、上部タイロッド66が引っ張られたとき、各部品のアライメントの誤差に基づいて上部タイロッド66に曲げが生じないように、上部タイロッド66の首振りを許容するものである。
【0054】
下部タイロッド68の下部に形成されたネジ部には、ナット71が螺合されている。ナット71と下側挟持部材3の下面との間には、球面座金72が介設されている。球面座金72は、下部タイロッド68が引っ張られたとき、各部品のアライメントの誤差に基づいて下部タイロッド68に曲げが生じないように、下部タイロッド68の首振りを許容するものである。
【0055】
引張型ロードセル60の上部には、ナット69を締め付けたときの引張型ロードセル60の回転を押さえるため、ガイドブロック73が取り付けられている。ガイドブロック73は、引張型ロードセル60の上部に回転不能に被嵌されたキャップ部74と、キャップ部74の上部に設けられ図6に示すように上部プレート63の両縁を挟むように延出された回転止部75とを有する。なお、キャップ部74の内面と引張型ロードセル60の上部の外面とは、回転不能となるように断面多角形状に形成されている。
【0056】
引張型ロードセル60と圧縮型ロードセル4とには、引張型ロードセル60の出力値に基づいて圧縮型ロードセル4の出力値を較正してそのデータを記憶・表示等する演算部76(コンピュータ等)が接続されている。なお、圧縮型ロードセル4の出力値は、廻止ピン6a、6b及び廻止穴7a、7bやオイレスメタル16の作用により、ネジリ歪みの影響が排除される点は、図1乃至図3で説明した通りである。
【0057】
以上の装置によれば、テンションロッド体64の上部のナット69を公知のナットランナー等で締め付けると、一直線上に直列に配置された圧縮型ロードセル4と引張型ロードセル60とには等しい軸力(圧縮軸力、引張軸力)が加わる。
【0058】
すなわち、引張型ロードセル60には、テンションロッド体64が上部プレート63と下側挟持部材3とで引っ張られるため、引張軸力が加わる。他方、圧縮型ロードセル4には、上側挟持部材2が上部プレート63と柱部材62と下部プレート61とを介して下方に押され、下側挟持部材3との間に挟まれることで、圧縮軸力が加わる。そして、圧縮型ロードセル4と引張型ロードセル60とは、一直線上に配置されているので、等しい軸力が加わる。
【0059】
そして、圧縮型ロードセル4よりも引張型ロードセル60の方が一般的に測定精度が高い。よって、演算部76によって引張型ロードセル60の出力値に基づいて圧縮型ロードセル4の出力値を較正し、以降、図1乃至図4に示す装置1を使用する際に、その較正データを用いることで、圧縮型ロードセル4を用いたボルト軸力の測定精度を、引張型ロードセル60を用いたものと同程度に高めることができ、測定精度が向上する。
【0060】
この較正データは、図5及び図6に示すような簡易な装置1aによって取得できるので、低コストで測定精度の向上が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るボルトの軸力測定装置によれば、高精度で再現性が良く応答性が高いボルトの軸力測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るボルトの軸力測定装置の側断面図(図2のI-I線断面図)である。
【図2】上記装置の平面図である。
【図3】図1のIII-III線断面図である。
【図4】図4(a)は図1の装置の変形例を示す部分側断面図であり、図4(b)は図4(a)の底面図である。
【図5】図1の装置に圧縮型ロードセルの出力値を簡易に較正できるアタッチメントを装着したものの側断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
【図8】別の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボルトの軸力測定装置
2 上側挟持部材
3 下側挟持部材
4 圧縮型ロードセル
5 被試験ボルト
6a 廻止ピン
6b 廻止ピン
7a 廻止穴
7b 廻止穴
8 挿通穴
9 穴ブロック
10 本体ブロック
16 低摩擦部材としてのオイレスメタル
23 挿通穴
24 穴ブロックとしてのタップブロック
25 本体ブロック
30 切欠部
34 挿通穴
60 引張型ロードセル
76 演算部

Claims (4)

  1. 所定間隔を隔てて配置された一対の挟持部材と、これら挟持部材の間に介在された圧縮型ロードセルとを備え、各挟持部材の挿通穴に挿通した被試験ボルトを締め付けて、そのボルト軸力を上記圧縮型ロードセルで測定するボルトの軸力測定装置であって、ボルト締付時における挟持部材同士の相対回動を防止すべく、いずれか一方の挟持部材に複数の廻止ピンを設けると共に、他方の挟持部材に各廻止ピンを夫々スライド自在に挿通する複数の廻止穴を設け、且つ、上記一対の挟持部材のうちの少なくとも一方と上記圧縮型ロードセルとの間に、スラスト方向の摩擦力を低減する低摩擦部材を介設したことを特徴とするボルトの軸力測定装置。
  2. 上記複数の廻止ピンのうち一の廻止ピン以外の他の廻止ピンには、一の廻止ピンを中心とした仮想的な回動方向と直交方向にて、廻止穴との間に所定の隙間を生成する切欠部を設けた請求項1記載のボルトの軸力測定装置。
  3. 上記各挟持部材は、被試験ボルトの挿通穴を有する穴ブロックとそれ以外の本体ブロックとからなり、穴ブロックが本体ブロックに着脱可能に取り付けられている請求項1又は2記載のボルトの軸力測定装置。
  4. 記被試験ボルトの中間に引張型ロードセルを介設し、該引張型ロードセルの出力値に基づいて上記圧縮型ロードセルの出力値を較正するための演算部を設けた請求項1から3いずれかに記載のボルトの軸力測定装置。
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