JP3718623B2 - 歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー - Google Patents
歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、欠如歯部に歯の補綴物を製作して失われた口腔機能を回復するための歯科インプラント治療を行うに際し、欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入される歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、欠如歯部における歯科補綴法としては、ブリッジによる方法と床義歯による方法とが一般に行われてきた。
しかしながら、ブリッジによる方法は、欠如歯部の両側の健全な天然歯を切削して支台とし、この支台に係合固定される金属体間に欠如歯部に位置する歯科用補綴物を固設する方法であるので、支台を形成するために健全な天然歯を切削しなければならないばかりか、欠如歯部に位置する歯科用補綴物部分には咬合圧が直接には加わらないために当該部位で骨吸収を引き起こすという欠点があった。
また、床義歯による方法は、合成樹脂等で作成した義歯床に人工歯を固定したものを歯科用補綴物とする方法であるが、この方法では歯科用補綴物に作用する咬合力をその床義歯に隣接する残存天然歯及び/又は口腔粘膜によって負担させるものであるので、歯科用補綴物使用中に違和感があることや、口腔粘膜組織中に散在する味覚の受容器を義歯床が覆ってしまうことによる味覚の鈍麻が生じることがあり、更には長期間の使用によって顎堤の吸収を引き起こすという重大な欠点があった。
【0003】
そこでこれらの欠点を解消する治療方法として、チタン金属が骨と良好に結合することが発見されるに至り、この“骨結合”を前提として欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に歯科用補綴物の支台となるチタン金属製の歯科用インプラントフィクスチャーを埋入して天然歯における歯根の機能を代行せしめ、この歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に歯科用補綴物を連結固定する歯科インプラントの技術が開発され、実施されるようになってきている。
【0004】
このような歯科インプラントによる治療方法を実施すると、口腔粘膜を覆うことなく歯科用補綴物を固定することができるので、歯科用補綴物装着時の違和感や味覚の鈍麻が生じることがなく、天然歯に似た使用感が得られ、更に顎骨には適度な咬合力が付与されるため歯科用インプラントフィクスチャーが埋入されていない場合に想定される骨吸収を最小限に抑制できるという利点があるため、この歯科インプラントによる治療方法は急速な発展を遂げて単独歯欠損,2歯以上の局部欠損及び無歯顎(全歯欠損)に適用できるようになってきている。
【0005】
この歯科インプラントによる治療方法としては、顎骨に埋入され歯科用補綴物の支台となる歯科用インプラントフィクスチャーと歯科用補綴物との二つの要素で構成されるものと、更に歯肉の厚さに応じて歯科用補綴物の高さを調整できる歯肉接触要素であるアバットメントが加わった三つの要素で構成されるものとがあり、前者の構成では歯肉に接触する部分は歯科用インプラントフィクスチャー又は歯科用補綴物がその役目を負っている。
【0006】
かかる歯科インプラント治療を受ける歯を失った患者の多くは、高年齢層であることからその骨質が必ずしも良好とは限らず粗な骨を伴うことも多いが、このような骨に対しても歯科インプラント治療を行えるように歯科インプラントを構成する部材の材質・形態等、ハード面からの研究も進められている。
【0007】
このような歯科インプラント治療において、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入した歯科用インプラントフィクスチャーの骨結合の獲得には埋入手術後の歯科用インプラントフィクスチャーの安定状態が重要であり、歯科インプラントによる治療が成功する第一歩となる。つまり、手術後の創傷した骨組織は、安静状態の維持により正常な治癒過程が確保されて骨のリモデリングへと移行するが、歯科用インプラントフィクスチャーの生体不活性を有するチタン金属等の表面では、一層の糖蛋白を介して骨が結合する“骨結合”が達成される。このため歯科用インプラントフィクスチャー埋入手術後は、歯科用インプラントフィクスチャーに荷重がかからないよう歯肉を一旦戻して歯科用インプラントフィクスチャーを歯肉下に置き、緻密な骨が多い下顎では約4ヶ月、鬆粗な骨が多い上顎では約6ヶ月の安静治癒期間を与え、骨結合が獲得された後に歯肉を貫通するアバットメントを装着するための再手術を行う2回法がこれまで主流であった。一方、一回法と称され、前述の2つの部材を用いて埋入手術時に歯肉貫通までを行う方法は、一回の手術で済むことから患者及び術者の負担を軽減できるため臨床に多く応用されるようになってきている。しかしながらこの方法は、骨結合の達成以前に歯科用インプラントフィクスチャーに対して力が作用する危険性が大きくなるため、これを回避する注意が必要であった。
【0008】
骨結合を前提として歯科用インプラントフィクスチャーの欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分は通常概略歯根形状に形成されており、その表面形態はシリンダー型とスクリュー型とに大別される。シリンダー型の歯科用インプラントフィクスチャーの埋入は、歯科用インプラントフィクスチャーの欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分の直径と同じか又は小さく形成された直径の欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に圧入することにより固定が得られるのが一般的であるが、正確な埋入孔の形成の困難さや骨質に対応した圧入代調整の困難さ等により、埋入時の固定の確保はスクリュー型に比べて困難とされている。
【0009】
これに対しスクリュー型の歯科用インプラントフィクスチャーは、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に螺入させることにより歯科用インプラントフィクスチャーの欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分に形成されているオネジ部が欠如歯部の顎骨に螺合するため常に安定した固定が得られる利点がある。通常はタップにて歯科用インプラントフィクスチャーの欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分に形成されているオネジ部と螺合するメネジを設けた後にスクリュー型の歯科用インプラントフィクスチャーが螺入されて埋入されるが、予め歯科用インプラントフィクスチャーにタップの機能を設けたセルフタッピング式スクリュー型の歯科用インプラントフィクスチャーとし、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内にメネジを形成しながら埋入する方法も採られている。この方法はメネジ形成と埋入とが同時に行われるために埋入が正確となり、埋入後の固定性が向上すると共に作業の簡素化にもなるため近年多く取り入れられるようになった。更に、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分に形成されているオネジが歯根のように先端が先細りとなる形状であると更に固定性が良くなる等の利点があるので、この形状に加えてオネジの先端側に複数の切り刃部を設けた歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーも臨床使用されている。
【0010】
以上のような歯科用インプラントフィクスチャーとの骨結合が得られた後、歯科用補綴物を歯科用インプラントフィクスチャーに連結固定させて咀嚼機能を与えるのであるが、大きな咀嚼力又は予測しない大きな外力等を受ける場合は歯科用インプラントフィクスチャー周囲骨の吸収により骨結合の破壊が進むという生体反応が起こる危険性がある。そこで、埋入される歯科用インプラントフィクスチャーの数,咬合力の加わり方,複数の歯科用インプラントフィクスチャーへの歯科用補綴物の連結固定方法等の臨床的検討が要求される。また、ハード面では歯科用インプラントフィクスチャーの骨接触面積を大きくする方法が検討され、オネジ表面に粗面処理を施す方法も採られるようになってきている。
【0011】
歯科用インプラントフィクスチャーの骨接触面積を大きくするための粗面処理の方法としては、粉末をプラズマスプレーする方法,ブラスト処理する方法,酸処理(エッチング処理)する方法等が利用されているが、プラズマスプレーによる方法は溶射された材料が埋入時等に脱落する場合があると報告されており、より安定した溶射方法が求められている。これに対しブラスト法と酸処理法とは残留物の除去が充分行われれば粗面処理法として安定性の高い方法とされている。
【0012】
このように粗面処理された歯科用インプラントフィクスチャーは、骨接触面積が大きくなるため骨との結合性が向上するが、オネジが歯根のように先端が先細りとなる形状であり且つオネジの先端側に複数の切り刃部を設けた歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーの場合にオネジ表面に粗面処理を施すと、切り刃部にも粗面処理が施されてしまうために切り刃部における顎骨の切削能が低下してしまい、歯科用インプラントフィクスチャーを欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に良好に埋入できないばかりか、埋入時に切削能の低下に起因して発熱が生じて顎骨組織を破壊してしまう現象が発生するという欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したような重要な要因と位置付けられている初期固定性と骨接触面積の拡大とを図りながら、オネジの先端側に設けた複数の切り刃部における顎骨の切削能の低下がない歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入される外周面に先端が先細りのセルフタッピング式オネジ部と、該セルフタッピング式オネジ部の先端側外周面に顎骨を切削する2つ以上の切り刃部と、該切り刃部に続く溝部とが設けられている歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーにおいて、
各切り刃部の口腔内側端部から切り刃部の長さの50〜100%の部分のセルフタッピ ング式オネジ部の各切り刃部に続く外周面であって、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが、0.1mm以上で且つ各溝部間のセルフタッピング式オネジ部の長さの50%以下である部分が、
該部分及び該切り刃部を除いたセルフタッピング式オネジ部の外周面と溝部の外面とに形成されている十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理面よりも平滑で、且つインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における各部分の長さの和が3 mm 以下となっており、
更にインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から前記部分までの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いようにすれば良いことを究明して本発明を完成したのである。
【0015】
そして、粗面処理面がブラスト処理面であればピーニング効果による疲労強度の向上も望めるためより好ましいことも究明したのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーについて詳細に説明する。
図1は本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーの1実施例の右半分を断面で示す側面図、図2は図1におけるA−A線断面図、図3は図2におけるB部拡大説明図である。
【0017】
1は従来の歯科用インプラントフィクスチャーと同様に、生体不活性と強度とを備え且つ骨と良好に結合するチタン金属製であり、口腔内側端面に連結固定される歯科用補綴物(図示せず)との相互の回転を防止するための角筒状の凸部又は凹部1a(図示した実施例では角筒状の凸部)が、また軸方向にこの角筒状の凸部又は凹部1aを貫通して歯科用補綴物を連結固定するスクリュー(図示せず)が螺着されるメネジ部1bが設けられており、前記角筒状の凸部又は凹部1aに続く外周に、口腔内側端部から円筒カラー部1cと先端が先細りのセルフタッピング式オネジ部1dとこのセルフタッピング式オネジ部1dの先端側外周面に顎骨を切削する2つ以上の切り刃部1eとこの切り刃部1eに続く溝部1fとが設けられている本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーである。
【0018】
この本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー1の特徴とするところは、各切り刃部1eの口腔内側端部から切り刃部1eの長さの50〜100%の部分のセルフタッピング式オネジ部 1d の各切り刃部 1e に続く外周面であって、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが、0.1mm以上で且つ各溝部 1f間のセルフタッピング式オネジ部1dの長さの50%以下である部分1gが、この部分1g及び切り刃部 1eを除いたセルフタッピング式オネジ部1dの外周面と溝部 1fの外面とに形成されている十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理面よりも平滑で、且つインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における各部分 1g の長さの和が3 mm 以下となっており、更にインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から前記部分1gまでの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部 1d の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いことにある。
【0019】
このように平滑な部分1gをセルフタッピング式オネジ部1dの各切り刃部 1e に続く外周面に設ける理由は、各切り刃部1eに続く溝部1fとセルフタッピング式オネジ部1dの外面に粗面処理を施した場合に、切り刃部1eにも粗面処理が施こされてしまって切り刃部1eの顎骨を切削する切削能が低下してしまうことと、粗面処理が施こされた切り刃部1eによって顎骨を切削した場合にその粗面処理によって発熱することとを防止するためである。
【0020】
この際、平滑な部分1gを設ける部分が各切り刃部1eの口腔内側端部から切り刃部1eの長さの50〜100%の部分でなければならないのは、セルフタッピング式オネジ部1dが先端が先細りであるので最も太い口腔内側に位置する切り刃部1eは良好な切削能を有していなければならないが、口腔内側と反対側の先端部は先細りになっているため予め欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔の最奥部では顎骨を切削する必要がないため必ずしも口腔内側と反対側の先端部まで良好な切削能を有していなければならない必要が無いからであり、本発明者らの検討の結果少なくとも各切り刃部1eの口腔内側端部から切り刃部1eの長さの50%以上の部分が平滑な部分1gであれば良いことを究明したのである。
【0021】
そして、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが、0.1mm以上で且つ各溝部 1f間のセルフタッピング式オネジ部1dの長さの50%以下である部分1gが、この部分 1g及び切り刃部 1e を除いたセルフタッピング式オネジ部 1d の外周面と溝部 1f の外面とに形成されている十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理面よりも平滑で、且つインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における各部分 1g の長さの和が3 mm 以下となっていなければならないのは、この部分1g及び切り刃部 1e を残してその他の部分に粗面処理を施すには平滑な部分1g及び切り刃部 1eとなる部分に粗面処理が施されないようにマスキングする必要があるが、平滑な部分1gの幅が0.1mm未満では工業的に確実にマスキングを施すことが不可能であり、各溝部 1f間のセルフタッピング式オネジ部1dの長さの50%を超えるとセルフタッピング式オネジ部1dの大部分が粗面処理を施されていないことになって骨接触面積を大きくするために粗面処理を施す効果が低下するからであり、また切り刃部1eの数と各切り刃部1eに続く溝部1fの広さとにもよるがインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面におけるセルフタッピング式オネジ部1dの長さの和が例えば6mm以上ある場合にはインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における平滑な部分1gの各長さの和が3mm以下となる狭い範囲であることが骨接触面積を大きくするために粗面処理を施す効果が低下しなくて好ましいことも究明したのである。
【0022】
尚、この平滑な部分1g及び切り刃部 1eを除いたセルフタッピング式オネジ部1dの外周面と溝部 1fの外面とに施されている粗面処理は、従来から実施されている粗面処理と同様の十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理であれば良く、この粗面処理を施した場合にインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から前記部分1gまでの距離が、図3に示すようにインプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部 1d の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いことが必要である。
これは、各切り刃部1eで欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔の顎骨を切削する過程で、顎骨を切削した直後に平滑な部分1gに続くセルフタッピング式オネジ部1dの外周面に形成されている粗面処理面が顎骨と接触して発熱させる現象が生じないようにするためである。
【0023】
このような構成の本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー1は、セルフタッピング式オネジ部1dの各切り刃部 1e に続く外周面に平滑な部分1gが設けられているので、平滑な部分 1g 及び切り刃部 1e を除いたセルフタッピング式オネジ部1dの外周面と溝部 1fの外面とに粗面処理を施して骨接触面積を大きくしているにも拘らず、切り刃部1eの顎骨を切削する切削能が低下することがないので、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内にセルフタッピング式オネジ部1dをセルフタップしながら螺入する際の切削トルクが小さくて発熱することを防止できるのであり、その効果を以下に示す実施例と比較例とによって示す。
【0024】
【実施例】
純チタンで、セルフタッピング式オネジ部の最大直径が3.75mm,長さが8mm,切り刃部の数が4,切り刃部の口腔内側端部からの長さが3.5mm,切り刃部が設けられている部分のインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面におけるセルフタッピング式オネジ部の各長さが1.2mmである場合にはインプラントフィクスチャーにおいて、
【0025】
実施例1
切り刃部に続くセルフタッピング式オネジ部の外周の幅0.06mmの部分にワックスでマスキングをして、ガラスビーズでブラスト処理することによりセルフタッピング式オネジ部及び各切り刃部に続く溝部全体を十点平均粗さが5μmの粗面処理した後にワックスを除去したもの
【0026】
比較例1
実施例1においてワックスでマスキングを施さなかったもの
【0027】
比較例2
実施例1において溝部を除いてセルフタッピング式オネジ部全体を金属製マスクでマスキングを施したもの
を製作した。
【0028】
この各インプラントフィクスチャーを使用して。直径3mmの下穴を穿設したポリオキシ塩化メチレン樹脂にセルフタップしながら埋入した際の食い付きに必要な押し付け力と一定深さ埋入時での切削トルクを測定した結果は表1のようであった。
【0029】
【表1】
【0030】
この結果から、切り刃部に続くセルフタッピング式オネジ部の外周に所定幅の平滑な部分が設けられている本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーである実施例1は平滑な部分が設けられていない比較例1に比べて押し付け力も切削トルクも格段に小さくて食い付きが良く切削抵抗も小さいので安定した埋入が可能で、発熱もその結果少ないことが判る。
また、比較例2に比べると、押し付け力と切削トルクとは僅かに大きくなっているがその増大の程度は少なくそれよりも粗面処理部の割合が大きいため埋入されたオネジ部と顎骨との接触面積を大きくなって外力に対する安定性向上が図られる利点がある。
【0031】
そして、このように欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分に骨接触面積を大きくするためにその表面を粗面処理を施す方法としては、ブラスト処理や酸処理やブラスト処理後にブラスト処理による凹凸上に更に細かい粗面を設ける酸処理であると、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から粗面処理されていない平滑な部分までの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より必然的に僅かに長くなるのである。
【0032】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーは、従来の歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーと同様に欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入される外周面にセルフタッピング式オネジ部と、このセルフタッピング式オネジ部の先端側外周面に顎骨を切削する2つ以上の切り刃部と、この切り刃部に続く溝部とが設けられていて、セルフタッピング式オネジ部と各切り刃部に続く溝部とが粗面処理されているが、各切り刃部の口腔内側端部から切り刃部の長さの50〜100%の部分のセルフタッピング式オネジ部の各切り刃部に続く外周面であって、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが、0.1mm以上で且つ各溝部間のセルフタッピング式オネジ部の長さの50%以下である部分が、該部分及び該切り刃部を除いたセルフタッピング式オネジ部の外周面と溝部の外面とに形成されている十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理面よりも平滑で、且つインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における各部分の長さの和が3 mm 以下となっており、更にインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から前記部分までの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いことを特徴とするものであるから、以下に列挙するような効果を奏し、その歯科分野に貢献する価値の非常に大きなものである。
【0033】
( 1 )欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に埋入される部分にセルフタッピング式オネジ部が形成されているスクリュー型であるので、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に螺入させることによりオネジ部が欠如歯部の顎骨に螺合するため安定した固定が得られる。
( 2 )セルフタッピング式オネジ部の下端から口腔内側に向けて切り刃部が設けられているので、メネジ形成と埋入とが同時に行われるために埋入が正確でガタツキがなく、埋入後の固定性が向上する。
( 3 )セルフタッピング式オネジ部が先細りとなっているため、隣在歯の歯根や隣接して埋入された歯科用インプラントフィクスチャーとの接触が生じたり、埋入した歯科用スクリュー型インプラントフィクスチャーが骨面からの露出したりする等の危険性が回避される。
( 4 )平滑な部分がセルフタッピング式オネジ部の各切り刃部に続く外周面に設けられているので、その平滑な部分及び切り刃部を除いたセルフタッピング式オネジ部の外周面と溝部の外面とに粗面処理を施して骨接触面積を大きくしているにも拘らず、切り刃部の顎骨を切削する切削能が低下してしまうことがなく、押し付け力も切削トルクも格段に小さくて食い付きが良く切削抵抗も小さいので安定した埋入が可能で、発熱もその結果少ない。
( 5 )平滑な部分が各切り刃部の口腔内側端部から切り刃部の長さの50〜100%の部分であるので、セルフタッピング式オネジ部のセルフタップ機能を必要とする部分における切り刃部は必ず良好な切削能を有している。
( 6 )平滑な部分がインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが0.1mm以上存在しているため、工業的に平滑な部分を安定して設けることができる。
( 7 )平滑な部分が各溝部間のセルフタッピング式オネジ部の長さの50%以下で且つその部分の長さの和が3mm以下となるように設けられているため、骨接触面積を大きくするための粗面処理を施す面積が減少して骨接触面積を大きくする効果が大幅に低減することがない。
( 8 )インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から平滑な部分までの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いので、切り刃部で切削された顎骨に粗面処理面が接触することがないため発熱に対する心配がない。
( 9 )粗面処理面がブラスト処理面であると、広範囲の粗さを実現できるばかりでなく、ピーニング効果によるインプラントフィクスチャーの疲労強度の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーの1実施例の右半分を断面で示す側面図である。
【図2】 図1におけるA−A線断面図である。
【図3】 図2におけるB部拡大説明図である。
【符号の説明】
1 本発明に係る歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー
1a 角筒状の凸部又は凹部
1b メネジ部
1c 円筒カラー部
1d 先端が先細りのセルフタッピング式オネジ部
1e 切り刃部
1f 溝部
1g 平滑な部分
Claims (2)
- 欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入される外周面に先端が先細りのセルフタッピング式オネジ部(1d)と、該セルフタッピング式オネジ部(1d)の先端側外周面に顎骨を切削する2つ以上の切り刃部(1e)と、該切り刃部 (1e) に続く溝部 (1f) とが設けられている歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャーにおいて、
各切り刃部(1e)の口腔内側端部から切り刃部(1e)の長さの50〜100%の部分のセルフタッピング式オネジ部 (1d) の各切り刃部 (1e) に続く外周面であって、インプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における円周方向の長さが、0.1mm以上で且つ各溝部 (1f)間のセルフタッピング式オネジ部(1d)の長さの50%以下である部分(1g)が、
該部分(1g)及び該切り刃部 (1e)を除いたセルフタッピング式オネジ部(1d)の外周面と溝部 (1f)の外面とに形成されている十点平均粗さ2〜50μmの粗面処理面よりも平滑で、且つインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面における各部分 (1g) の長さの和が3 mm 以下となっており、
更にインプラントフィクスチャーの中心軸に直角な横断面において、インプラントフィクスチャーの中心軸から前記部分(1g)までの距離が、インプラントフィクスチャーの中心軸からセルフタッピング式オネジ部 (1d) の外周面に形成されている粗面処理面までの距離より僅かに長いことを特徴とする歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー(1)。 - 粗面処理面がブラスト処理面である請求項1に記載の歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー(1)。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000219204A JP3718623B2 (ja) | 2000-07-19 | 2000-07-19 | 歯科用セルフタッピング式スクリュー型インプラントフィクスチャー |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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