JP3716157B2

JP3716157B2 - Wiper pivot

Info

Publication number: JP3716157B2
Application number: JP2000114460A
Authority: JP
Inventors: 敏行柴田; 貴士長谷川; 衛香川
Original assignee: Honda Motor Co Ltd; Asmo Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd; Asmo Co Ltd
Priority date: 2000-04-14
Filing date: 2000-04-14
Publication date: 2005-11-16
Anticipated expiration: 2020-04-14
Also published as: JP2001294127A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のウィンドシールドガラス等を払拭するワイパ装置のワイパピボットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、自動車のウィンドシールドガラスを払拭するワイパ装置は、先端にワイパアームが固定されるピボット軸を備えている。このピボット軸は、車体に固定されたピボットホルダに回転可能に支持されており、車体の外側へ突出している。また、ピボット軸の後端にはピボットレバーの一端が固定され、そのピボットレバーの他端にはワイパモータの回転運動を揺動運動に変換するリンクロッドが連結されている。このリンクロッドの揺動運動がピボットレバーによってピボット軸を中心とする回転運動に戻され、ピボット軸の回転によりワイパアーム＆ワイパブレードが所定の範囲で往復回動することで、ウィンドシールドガラス面の雨滴や泥などを払拭する構成となっている。
【０００３】
しかしながら、上記のワイパ装置では、ピボット軸の先端にワイパアームを固定するためピボット軸は車体の表面から外側に突出しており、外部からの衝撃荷重を受けやすい。
この衝撃荷重をまともに受けるとワイパ装置自体やワイパ装置周辺を破損させてしまう可能性がある。
【０００４】
これを防止するため、従来、特開平１１−１３９２５６号公報に開示されるようなワイパピボット構造が知られている。
すなわち、上記公報に示されたワイパピボット構造は、車体に固定されたピボットホルダに回転自在に支持されたピボット軸を、車両外方から軸方向に加わる荷重によって車体内方に移動させて衝撃荷重を吸収している。
【０００５】
更に詳しくは、通常の使用状態においては、ピボットホルダに対するピボット軸の軸方向の移動を規制するために、ピボット軸の長手方向中間部にくびれ部分を形成して、そのくびれ部分にＣリングをはめ込んでピボットホルダの先端側端面とＣリングとによって上記ピボットホルダに対するピボット軸の軸方向の移動を規制している。
一方、車両外方から軸方向に荷重が加わったときは、ピボット軸のくびれ部先端側に形成された徐々に拡径となるテーパー面によってＣリングが拡開して、ピボット軸のくびれ部からＣリングが脱出してピボット軸の軸方向移動規制が解除され、ピボット軸は車体内方に移動されて衝撃荷重を吸収する。
【０００６】
しかしながら、このピボット軸は、軸方向移動規制が行われた通常の使用状態においては、Ｃリングによって保持されているすなわち、Ｃリングがピボット軸のくびれ部から脱出しないように締め付けている。しかし、このＣリングは、もともと切れ目があるために、通常の使用状態でワイパアームに負荷がかかったりするとピボット軸が軸方向に振動やガタツキが発生し、この繰り返しによってピボット軸に形成されたテーパー面によってＣリングが拡開されてしまい、ワイパ装置の通常使用におけるピボット軸の軸方向移動規制の耐久性に問題があった。
さらには、上記Ｃリングの切れ目がワイパ装置の通常の使用状態でピボット軸のテーパー面で拡開されてしまうと、初期に設定されている軸方向移動規制解除のための設定荷重が変化してしまうといた問題もある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するもので、車両外方から軸方向に荷重が加わるとピボット軸の軸方向移動規制が解除されてピボット軸を車体内方へ移動さることにより衝撃荷重を吸収するワイパ装置の通常の使用状態において、軸方向移動規制解除のための設定荷重の変化を防止した耐久性および信頼性に優れたワイパピボットを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため以下の技術的手段を採用する。ただし、下記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、これに限定されるものではない。
【０００９】
請求項１に係わる発明のワイパピボット（１）は、先端にワイパアーム（２）が固定されるピボット軸（３）が、車体（１０）に固定されるピボットホルダ（４）の筒状軸受部（４１）を貫通し、前記ピボット軸（３）の外周に締着された歯付ワッシャ（５）によって前記筒状軸受部（４１）に対する軸方向移動が規制された状態で回転自在に軸支され、前記ピボット軸先端側から所定以上の軸方向荷重が作用したとき前記歯付ワッシャ（５）による前記軸方向移動の規制が解除されて前記ピボット軸（３）が前記筒状軸受部（４１）内に移動されるワイパピボット（１）において、
前記歯付ワッシャ（５）は、前記筒状軸受部（４１）の先端側端面（４２）に直接または間接的に当接する座部（５１）と、該座部（５１）から前記ピボット軸（３）先端側に起立して形成されると共に前記ピボット軸（３）が挿通される挿通孔（５４）の内周縁に複数の溝を形成することにより複数の係止片（５５）が形成され前記ピボット軸（３）の外周面（３０）に所定の締着力で締着する歯部（５２）とを備え、かつ、前記歯部（５２）の挿通孔の内周縁および前記座部（５１）の外周縁の少なくとも一方から形成されて前記複数の係止片（５５）の間の溝よりも深く切り込まれた切込部（５７）が形成され、前記所定以上の軸方向荷重が作用したとき前記切込部（５７）が切損分離する連結部（５６）により連結された切れ目のないリング状に形成されている、ことを特徴としている。
【００１０】
請求項１記載のワイパピボットによれば、通常の使用状態においては、ピボット軸の外周面に歯付ワッシャの歯部が所定の締め付け力で締着し、座部が筒状軸受部の先端側端面に当接して筒状軸受部に対するピボット軸の軸方向移動が規制される。そして、ピボットホルダにピボット軸の先端部が突出した状態で回転自在に軸支される。このとき、この歯付ワッシャは、局部的に狭小とされてはいるものの切れ目のないリング状をなしているので、ワイパ装置の通常使用でワイパアームに負荷がかかりピボット軸に軸方向の振動やガタツキが繰り返し発生しても、歯付ワッシャの挿通孔の径は拡径されてしまうことがないので、ピボット軸の軸方向移動規制の耐久性に優れている。しかも、初期に設定されている軸方向移動規制解除のための設定荷重が変化してしまうことが防止でき信頼性に対しても優れている。
【００１１】
一方、、歯付ワッシャは、歯部が座部からピボット軸先端側に起立して形成されているので、ピボット軸先端側から所定以上の軸方向荷重がピボット軸に作用したときには、ピボット軸が後端側へ移動（筒状軸受部内への移動）されるに伴って歯部が引き込まれ、起立姿勢から倒れようとするので歯付ワッシャの外形が拡大しようとする。すると、歯付ワッシャは連結部によってリング状を成していたが、一部が局部的に狭小とされているためにこの連結部が切損し歯付ワッシャの挿通孔が開放される。そして、ピボット軸外周面への締め付け力は急激に低下すると共に歯付ワッシャによるピボット軸の軸方向移動規制が解除されてピボット軸がスムースに筒状軸受部内に移動される。
【００１３】
また、歯付ワッシャの連結部は、歯部の挿通孔の内周縁および座部の外周縁の少なくとも一方から深い切込部を形成することによって一部を残してリング状に連結されているので、この切込部の切れ込み深さを調整することによってピボット軸の軸方向移動規制解除のための設定荷重を調整できる。
また、連結部形成のために特別に狭小部材を用いて接続するといった作業や追加加工は不要であり、歯付ワッシャを形成するプレス加工などで同時に形成できるので、簡単でしかも安価に構成することができる。
【００１４】
請求項２に係わる発明のワイパピボット（１）は、請求項１に記載のワイパピボット（１）において、前記切込部（５７）が、Ｖ字状に切込まれていることを特徴としている。
【００１５】
請求項２記載のワイパピボットでは、切込部がＶ字状に切込まれているので、ピボット軸先端側から所定以上の軸方向荷重がピボット軸に作用してピボット軸の後端側へ移動するとき、歯付ワッシャの外形が拡大しようとするが、このときに、この切込部先端に応力が集中して連結部が容易に切損される。したがって、ピボット軸の軸方向移動規制解除のための設定荷重を小さく設定する場合に好適である。
【００１６】
請求項３に係わる発明のワイパピボット（１）は、請求項１または請求項２に記載のワイパピボット（１）において、前記連結部（５６）が、前記挿通孔（５４）の中心（Ｏ）に対して点対称位置に形成されていることを特徴としている。
【００１７】
請求項３記載のワイパピボットでは、連結部が、歯付ワッシャの挿通孔の中心に対して点対称位置に形成されているので、一方の連結部が切損した場合にその反対側の点対称位置に形成された連結部がヒンジの機能を果たして、ピボット軸の軸方向移動規制解除時の歯付ワッシャの締着力の開放を容易かつスムースに行うことができる。
【００１８】
請求項４に係わる発明のワイパピボット（１）は、請求項１乃至請求項３の何れか１項に記載のワイパピボット（１）において、前記ピボット軸（３）は、前記歯付ワッシャ（５）の前記歯部（５２）が締着される締着個所の先端部側が大径となる段部（３２）が形成され、前記歯付ワッシャ（５）の挿通孔（５４）の内周縁が前記段部（３２）に当接されることを特徴としている。
【００１９】
請求項４に記載のワイパピボットでは、歯付ワッシャの歯部が締着されるピボット軸の締着個所において、その先端部側が大径となる段部となっているため、所定以上の軸方向荷重がピボット軸に作用してピボット軸が後端側へ移動するとき、歯付ワッシャの挿通孔の内周縁がこの段部に当接してストッパとなる。
これにより、ピボット軸の外周面と歯付ワッシャの挿通孔の内周縁との間の摩擦を超えて歯付ワッシャとピボット軸とが相対的に滑ることなく、ピボット軸の後端側への移動に伴って歯部が確実に引き込まれ、起立姿勢の歯部が倒れて歯付ワッシャの外形が拡大される。
したがって、ピボット軸の軸方向移動規制解除のための設定荷重をより確実に設定でき、より高い信頼性を得ることができる。
【００２０】
請求項５に係わる発明のワイパピボット（１）は、請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載のワイパピボット（１）において、前記歯部（５２）は、前記座部（５１）から前記ピボット軸（３）先端側に向けて先細となる円錐台形状に起立されていることを特徴としている。
【００２１】
請求項５記載のワイパピボットによれば、歯付ワッシャの歯部が、座部からピボット軸の先端側に向けて先細となる円錐台形状に起立されているので、所定以上の軸方向荷重がピボット軸に作用してピボット軸が後端側へ移動するとき、ピボット軸から受ける軸方向の力を歯部によって歯付ワッシャの外形が拡大される方向へ効果的に分力として作用させることができる。
【００２２】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の第１の実施形態に係わるワイパピボット１が車両に適用され、そのワイパピボット１が軸方向移動を規制された状態の全体構成を断面図にて示している。
【００２３】
図示しない車両のフロントガラスの前方下縁部にはワイパピボット１が配置され、ワイパピボット１のピボット軸３に固定されたワイパアーム２＆ワイパブレード（図示せず）によってガラス面が払拭される。
ワイパピボット１は、ピボットホルダ４を備えている。ピボットホルダ４は、例えばアルミニウム合金をダイカスト成形することにより略円筒形に形成され、車両幅方向に一対配置されたワイパピボット１が一体に設けられたワイパフレーム８の一部として形成されている。また、このピボットホルダ４は、ピボット軸３を回転自在に軸支する筒状軸受部４１とその軸線方向中間部に周縁に張り出して形成されたフランジ部４３とが一体に形成されている。このフランジ部４３には取付孔４４が設けられており、この取付孔４４に挿通された取付ボルト４５とナット４６によってピボットホルダ４が車体パネル１０に固定される。
【００２４】
ピボットホルダ４の内孔４８には、ピボット軸３が挿通されており、上下一対の軸受４９を介して回転自在に支持されている。このピボット軸３はピボットホルダ４の先端部より突出し、ピボット軸３の先端にはワイパアーム２の基端部がナットなどにより締結固定されている。
ピボットホルダ後端側から突出したピボット軸３には、ピボットレバー９の一端がカシメによって固定されており、その他端は図８に示すように、リンクロッド７０、７１を介してワイパモータ８０の出力軸に固定されたクランクアーム９０に連結されている。
【００２５】
また、炭素鋼材からなるピボット軸３は、ピボットホルダ４の筒状軸受部４１に後端部側から挿通されて、ピボットレバー８が筒状軸受部４１の後端面で阻止されるまでピボット軸３をピボットホルダ４の内孔４６に挿通し、その先端が突出した状態でピボット軸３の先端側から歯付ワッシャ５を挿通させて筒状軸受部４１の先端部端面４２に平ワッシャ６０を介して当接するまで嵌入して固定する。このとき、歯付ワッシャ５は、ピボット軸３の外周面３０に所定の締め付け力で締着固定されている。
こうして、歯付ワッシャ５とピボットレバー９との間にピボットホルダ４の筒状軸受部４１が挟持された状態となり、ピボット軸３の軸方向移動が規制された状態でピボットホルダ４に回転自在に軸支される。
【００２６】
歯付ワッシャ５は、ステンレス材からなり、図２に示すように、円板状の平座面からなる座部５１からピボット軸３が挿通される挿通孔５４に向けて内周側に歯部５２が形成されている。更に詳しくは、歯部５２が座部５１からピボット軸先端側に向けて先細となる円錐台形状に起立形成されている。さらにその挿通孔５４の内周縁には弾性変形可能な複数の係止片５５が形成されている。また、この歯付ワッシャ５の歯部５２にはＶ字状に深く切り込まれた切込部５７が形成され、この切込部５７の形成によって歯部５３および座部５１が局部的に狭小となった連結部５６となり、歯付ワッシャ５はこの連結部５６を介してリング状に形成されている。なお、挿通孔５４は自然状態での直径寸法を１１．８ｍｍ、上記ピボット軸３の直径寸法は１２ｍｍとしており、当然のことながら挿通孔５４の自然状態での直径寸法はピボット軸３の直径寸法よりも小さな径寸法としており、これによって歯付ワッシャ５はピボット軸３の外周面へ締着力を作用させている。
【００２７】
ここで、歯付ワッシャ５は、ピボット軸３の先端側に作用する荷重Ｐによって軸方向に約２４００Ｎの荷重が働くまではピボット軸３の軸方向移動を規制可能である。すなわち、歯付ワッシャ５の連結部５６が切損分離する荷重をピボット軸の軸方向移動を解除する設定荷重としており、歯付きワッシャ５とピボット軸３との最大静止摩擦力を超えるまでにこの連結部５６が切損分離されるよう締着力（または摩擦力）および連結部５６の強度（幅寸法や長さなど）が設定されている。そして、この連結部５６が切損分離されると、ピボットホルダ４に対するピボット軸３の軸方向移動規制を解除されるように構成されている。
【００２８】
歯付ワッシャ５は、ワイパ装置の通常使用状態において、ピボット軸３の外周面３０に固定され、ピボット軸３の回転と共に歯付ワッシャ５も回転するため、筒状軸受部４１の先端側端面４２と歯付ワッシャ５の座部５１との間に平ワッシャ６０を介在している。更に、ピボット軸３の外周面３０と筒状軸受部４１の内孔４６との間にＯリング７を設けて防水を図り、上記リングワッシャ６０によってＯリング７の抜け止めを行っている。
【００２９】
次に本第１の実施形態についての作用を説明する。
上記構成のワイパピボット１は、通常の使用状態においては、ピボットホルダ４に回転可能に支持されたピボット軸３の回転により、ワイパアーム２（ワイパアーム＆ブレード）が所定範囲で往復回動して、ウインドシールドガラス面の雨滴等を払拭する。
このとき、ピボット軸３は、歯付ワッシャ５とピボットレバー９との間でピボットホルダ４の筒状軸受部４１を挟持しているので、歯付ワッシャ５の所定の設定荷重の範囲内では軸方向移動が規制された状態でピボットホルダ４に回転自在である。
【００３０】
このような、通常の使用状態においては、歯付ワッシャ５は、局部的に狭小とされてはいるものの連結部５６によって切れ目のないリング状をなしているので、ワイパ装置の通常使用でワイパアーム２に負荷がかかりピボット軸３に軸方向の振動やガタツキが繰り返し発生しても、歯付ワッシャ５の挿通孔５４の径は拡径されてしまうことがないので所定の締着力を長期にわたり維持でき、ピボット軸３の軸方向移動規制の耐久性に優れている。しかも、初期に設定されている軸方向移動規制解除のための設定荷重が変化してしまうことが防止でき信頼性に対しても優れている。
【００３１】
一方、図３に示すように、ピボット軸３の先端部側に荷重Ｐが作用すると、ピボット軸３の軸方向に荷重（少なくとも軸方向の分力）が加わり、歯付ワッシャ５の軸方向移動規制を解除するよう設定された設定荷重を越えると、歯付ワッシャ５は歯部５２が座部５１からピボット軸３の先端側に向けて先細となる円錐台形状に起立形成されているの（図４の破線の状態）で、ピボット軸３が後端側へ移動（筒状軸受部内への移動）されるに伴って図４の実線で示すように歯部５２が引き込まれ、起立姿勢から倒れようとし歯付ワッシャ５の外形が拡大しようとする。特に、歯部５２が座部５１からピボット軸３の先端側に向けて先細となる円錐台形状に起立されているので、ピボット軸３から受ける軸方向の力の分力を歯部５２によって歯付ワッシャ５の外形を拡大させる方向へ効果的に作用している。
【００３２】
このとき、歯付ワッシャ５は連結部５６によってリング状を成していたが、一部が局部的に狭小とされているためにこの連結部５６が図３に示すように切損分離して歯付ワッシャ５の挿通孔５４が開放される。すると、ピボット軸３の外周面への締め付け力は急激に低下し、歯付ワッシャ５によるピボット軸３の軸方向移動規制が解除されてピボット軸３がスムースに筒状軸受部４１の内孔４８内に移動される。
このように、ピボット軸３がワイパアーム２と共に車体内側に移動することによってワイパピボット１に作用する衝撃力が吸収される。
【００３３】
また、歯付ワッシャ５の歯部５２に形成された切込部５７の切れ込み深さを調整することによって、連結部５６の狭小度合い（強度）を調整することができる。
さらに、この切込部５７の形状をＶ字状とすることによって、この切込部５７の先端に応力を集中させて連結部５６を容易に切損分離させることができる。したがって、ピボット軸３の軸方向移動規制解除のための設定荷重を小さく設定する場合には好適である。また、この切込部５７の形状を変更することでも応力集中を調整できるので連結部５６の強度設定に活用することができる。
【００３４】
以上の説明より明らかなように、本発明の第１の実施形態に係わるワイパピボット１によれば、通常の使用状態においては、ピボット軸３の外周に歯付ワッシャ５が所定の締め付け力で締着されて筒状軸受部４１に対するピボット軸３の軸方向移動が規制された状態で回転自在に軸支されている。このとき、歯付ワッシャ５は、局部的に狭小とされてはいるものの切れ目のないリング状をなしているので、ピボット軸３の振動やガタツキが繰り返し発生しても、歯付ワッシャ５の挿通孔５４の径は拡径されてしまうことがなく、ピボット軸３の軸方向移動規制の耐久性および信頼性に対して極めて優れている。
一方、車両外側からの所定以上の軸方向荷重Ｐがピボット軸３に作用したときは、歯付ワッシャ５によるピボット軸３の軸方向移動規制が解除されてピボット軸３が筒状軸受部４１内に移動される。このとき、ピボット軸３の外周面３０に所定の締着力で締着固定されていた歯付ワッシャ５は、ピボット軸３が後端側（筒状軸受部４１内側）に移動し始めると、歯部５２が引き込まれて歯付ワッシャ５の外形が拡大しようとするので連結部５６が切損分離し、上記締着力が急激に低下してピボット軸３はスムースに筒状軸受部４１内に移動することができる。
【００３５】
なお、上記第１の実施形態では、歯付きワッシャ５の連結部５６は、挿通孔５４の内周縁からＶ字状に深い切込部５７を形成したが、座部５１の外周縁から第２の切込部５９を形成してもよい。
すなわち、連結部５６の連結強度（設定荷重）を比較的小さく設定したいときに歯部５２側だけの切込部５７では十分な設定ができない場合や、座部５１が比較的幅広なものであるために連結部５６の連結強度が高くなりすぎてしまう場合などに好適である。
また、座部５１側に第２の切込部５９だけを形成して、歯部５２側の切込部５７は形成しないようにしてもよい。
【００３６】
また、上記第１の実施形態では、歯付きワッシャ５の連結部５６は、１箇所だけに形成したが複数箇所に形成してもよい。
特に、図６に示すように、連結部５６が、歯付ワッシャ５の挿通孔５４の中心Ｏに対して点対称位置に形成されているので、一方の連結部５６が切損分離した場合にその反対側の点対称位置に形成された連結部５６がヒンジの機能を果たして、ピボット軸３の軸方向移動規制解除時の歯付ワッシャ５の締着力の開放を容易かつスムースに行うことができる。
【００３７】
次に、本発明の第２の実施形態を図７に基いて説明する。なお、基本的構成については上記第１の実施形態と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【００３８】
すなわち、上記第１の実施形態では、ピボット軸３の歯付ワッシャ５が締着している個所から先端側は同一径もしくはそれより小さな径であるため、軸移動の際には歯付ワッシャ５とピボット軸３の外周面３０との間には妨げがなく、歯付ワッシャ５のピボット軸３の外周面３０への締着力（または摩擦力）を超えると歯付ワッシャ５とピボット軸３とは相対移動してしまう。この相対移動が、連結部５６の切損分離の前に発生すると歯付ワッシャ５の締着力開放がなされず、不安定な負荷を受けつつ軸移動がなされてしまう。
上記不具合を防止するためには、歯付ワッシャ５のピボット軸３の外周面３０への締着力（または摩擦力）を考慮して連結部５６の強度を設定しなければならない。
【００３９】
しかしながら、図７に示すように第２の実施形態では、歯付ワッシャ５の歯部５２が締着されるピボット軸３の締着個所において、その先端部側が大径となる段部３２となっているため、所定以上の軸方向荷重がピボット軸３に作用してピボット軸３が後端側へ移動するときには、歯付ワッシャ５の挿通孔５４の内周縁がこの段部３２に当接してストッパとなる。
これにより、ピボット軸３の外周面３０と歯付ワッシャ５の挿通孔５４の内周縁との間の摩擦を超えて歯付ワッシャ５とピボット軸３とが相対的に滑ることなく、ピボット軸３の後端側への移動に伴って歯部５２が確実に引き込まれ、起立姿勢の歯部５２が倒れて歯付ワッシャ５の外形が拡大される。
【００４０】
よって、ピボット軸３の軸方向移動規制解除のための設定荷重をより確実に設定でき、より高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態に係わるワイパピボットの全体構成を示す断面図である。
【図２】（ａ）は、本発明の第１の実施形態に係わるワイパピボットのピボット軸が軸方向移動する前の状態の要部を示す一部断面図であり、（ｂ）はそのときの歯付ワッシャの斜視図である。
【図３】（ａ）は、本発明の第１の実施形態に係わるワイパピボットのピボット軸が軸方向移動した後の状態を示す一部断面図であり、（ｂ）はそのときの歯付ワッシャの斜視図である。
【図４】上記図３における要部を示す拡大断面図である。
【図５】本発明の各実施形態に係わるワイパピボットに使用される歯付きワッシャの変形例を示す斜視図である。
【図６】本発明の各実施形態に係わるワイパピボットに使用される歯付きワッシャの他の変形例を示す平面図である。
【図７】本発明の第２の実施形態に係わるワイパピボットの要部を示す拡大断面図である。。
【図８】本発明の各実施形態に係わるワイパピボットが適用されるワイパ装置の説明図である。
【符号の説明】
１…ワイパピボット、２…ワイパアーム、３…ピボット軸、４…ピボットホルダ、
５…歯付ワッシャ、９…ピボットレバー、１０…車体、３２…段部、４１…筒状軸受部、
５１…座部、５２…歯部、５４…挿通孔、５５…係止片、５６…連結部、５７…切込部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wiper pivot of a wiper device for wiping a windshield glass or the like of a vehicle.
[0002]
[Prior art]
Generally, a wiper device that wipes windshield glass of an automobile includes a pivot shaft to which a wiper arm is fixed at the tip. The pivot shaft is rotatably supported by a pivot holder fixed to the vehicle body, and protrudes to the outside of the vehicle body. One end of a pivot lever is fixed to the rear end of the pivot shaft, and a link rod for converting the rotational movement of the wiper motor into a swinging movement is connected to the other end of the pivot lever. The swinging motion of the link rod is returned to the rotational motion around the pivot axis by the pivot lever, and the wiper arm and wiper blade reciprocate within a predetermined range by the pivot shaft rotation. It is configured to wipe off dirt and mud.
[0003]
However, in the above-described wiper device, the pivot shaft protrudes outward from the surface of the vehicle body in order to fix the wiper arm at the tip of the pivot shaft, and is susceptible to an impact load from the outside.
If this impact load is properly received, the wiper device itself and the periphery of the wiper device may be damaged.
[0004]
In order to prevent this, a wiper pivot structure as disclosed in JP-A-11-139256 is conventionally known.
That is, the wiper pivot structure disclosed in the above publication is configured such that the pivot shaft rotatably supported by the pivot holder fixed to the vehicle body is moved inward of the vehicle body by the load applied in the axial direction from the outside of the vehicle, and the impact load Is absorbed.
[0005]
More specifically, in a normal use state, in order to restrict the movement of the pivot shaft in the axial direction with respect to the pivot holder, a constricted portion is formed in the middle portion in the longitudinal direction of the pivot shaft, and a C-ring is fitted into the constricted portion. The movement of the pivot shaft in the axial direction with respect to the pivot holder is restricted by the end surface on the tip side of the pivot holder and the C ring.
On the other hand, when a load is applied in the axial direction from the outside of the vehicle, the C-ring is expanded by the tapered surface gradually increasing in diameter formed at the tip end side of the pivot shaft, and from the neck portion of the pivot shaft. The C-ring escapes and the axial movement restriction of the pivot shaft is released, and the pivot shaft is moved inward of the vehicle body to absorb the impact load.
[0006]
However, the pivot shaft is held by the C-ring in a normal use state in which the axial movement restriction is performed, that is, tightened so that the C-ring does not escape from the constricted portion of the pivot shaft. However, since this C-ring is originally cut, if the wiper arm is loaded under normal use conditions, the pivot shaft will vibrate or rattle in the axial direction, and this taper surface is formed on the pivot shaft by this repetition. As a result, the C-ring is expanded, and there is a problem in durability of the axial movement restriction of the pivot shaft in normal use of the wiper device.
Furthermore, if the cut of the C ring is expanded on the taper surface of the pivot shaft in the normal use state of the wiper device, the set load for releasing the axial movement restriction set in the initial state changes. There are some problems.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves such a problem. When a load is applied in the axial direction from the outside of the vehicle, the axial movement restriction of the pivot shaft is released, and the impact load is applied by moving the pivot shaft inward of the vehicle body. An object of the present invention is to provide a wiper pivot excellent in durability and reliability in which a change in set load for canceling the axial movement restriction is prevented in a normal use state of the absorbing wiper device.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following technical means to achieve the above object. However, the reference numerals in parentheses of the following means indicate the correspondence with the specific means described in the embodiments described later, and are not limited thereto.
[0009]
In the wiper pivot (1) according to the first aspect of the present invention, the pivot shaft (3) to which the wiper arm (2) is fixed at the tip is a cylindrical bearing portion (4) of the pivot holder (4) to which the vehicle body (10) is fixed. 41) and is rotatably supported in a state where axial movement with respect to the cylindrical bearing portion (41) is restricted by a toothed washer (5) fastened to the outer periphery of the pivot shaft (3). When a predetermined axial load or more is applied from the pivot shaft front end side, the restriction of the axial movement by the toothed washer (5) is released, and the pivot shaft (3) becomes the cylindrical bearing portion (41). In the wiper pivot (1) moved in
The toothed washer (5) includes a seat portion (51) that directly or indirectly abuts on the end surface (42) of the cylindrical bearing portion (41), and the pivot shaft (51) from the seat portion (51). 3) A plurality of locking pieces (55) are formed by forming a plurality of grooves on the inner peripheral edge of the insertion hole (54) through which the pivot shaft (3) is inserted while being erected on the tip side. A tooth part (52) fastened to the outer peripheral surface (30) of the pivot shaft (3) with a predetermined fastening force, and an inner peripheral edge of the insertion hole of the tooth part (52) and the seat part (51) ) Is formed from at least one of the outer peripheral edges and is cut deeper than the groove between the plurality of locking pieces (55), and the axial load greater than or equal to the predetermined value is applied. it said notches when (57) is cut which are connected by a connecting portion (56) to Setsuson separation It is formed in a ring shape, and characterized in that.
[0010]
According to the wiper pivot of the first aspect, in a normal use state, the tooth portion of the toothed washer is fastened to the outer peripheral surface of the pivot shaft with a predetermined tightening force, and the seat portion is on the tip side of the cylindrical bearing portion. The axial movement of the pivot shaft with respect to the cylindrical bearing portion is restricted by contacting the end surface. Then, the pivot holder is rotatably supported by the pivot holder with the tip end portion of the pivot shaft protruding. At this time, the toothed washer has a ring shape that is locally narrowed but is not cut. Therefore, a load is applied to the wiper arm during normal use of the wiper device, and axial vibration or rattling is applied to the pivot shaft. Even if this occurs repeatedly, the diameter of the insertion hole of the toothed washer is not increased, so that the axial movement restriction of the pivot shaft is excellent. Moreover, it is possible to prevent the set load for releasing the axial movement restriction set in the initial stage from being changed, and the reliability is also excellent.
[0011]
On the other hand, the toothed washer is formed with the tooth portion standing upright from the seat portion toward the tip end of the pivot shaft. Therefore, when a predetermined axial load or more acts on the pivot shaft from the tip end of the pivot shaft, the pivot shaft is As the tooth part is pulled in as it moves to the rear end side (moving into the cylindrical bearing part) and tends to fall from the standing posture, the outer shape of the toothed washer tends to expand. Then, although the toothed washer was formed in a ring shape by the connecting portion, a part of the toothed washer was locally narrowed, so that the connecting portion was broken and the insertion hole of the toothed washer was opened. Then, the tightening force on the outer peripheral surface of the pivot shaft is abruptly reduced and the axial movement restriction of the pivot shaft by the toothed washer is released, and the pivot shaft is smoothly moved into the cylindrical bearing portion.
[0013]
The connecting portions of the toothed washer, is connected to leave a portion by forming a deep notch from at least one of the outer periphery of the inner peripheral edge and seat of the insertion hole of the toothed portion in a ring shape Therefore, the set load for releasing the axial movement restriction of the pivot shaft can be adjusted by adjusting the cut depth of the cut portion.
In addition, there is no need for work or additional processing such as connecting with a special narrow member for forming the connecting part, and it can be formed simultaneously by pressing to form a toothed washer, etc., so that it is simple and inexpensive. Can do.
[0014]
The wiper pivot of the invention according to claim 2 (1), in the wiper pivot (1) according to claim 1, wherein the notches are (57) is characterized by being cut in a V-shape .
[0015]
In the wiper pivot according to claim 2 , since the cut portion is cut in a V shape, a predetermined axial load or more acts on the pivot shaft from the pivot shaft front end side and moves to the rear end side of the pivot shaft. When this is done, the outer shape of the toothed washer tends to expand. At this time, stress concentrates on the tip of the notch and the connecting part is easily broken. Therefore, it is suitable for setting a small set load for releasing the axial movement restriction of the pivot shaft.
[0016]
The wiper pivot (1) of the invention according to claim 3 is the wiper pivot (1) according to claim 1 or 2, wherein the connecting portion (56) is the center (O) of the insertion hole (54). It is characterized by being formed in a point-symmetrical position.
[0017]
In the wiper pivot according to claim 3 , since the connecting portion is formed in a point-symmetrical position with respect to the center of the insertion hole of the toothed washer, when one of the connecting portions is broken, the opposite point-symmetrical The connecting portion formed at the position serves as a hinge, and the fastening force of the toothed washer can be easily and smoothly released when the axial movement restriction of the pivot shaft is released.
[0018]
The wiper pivot (1) of the invention according to claim 4 is the wiper pivot (1) according to any one of claims 1 to 3 , wherein the pivot shaft (3) is the toothed washer (5). ) Of the fastening part to which the tooth part (52) is fastened is formed with a step part (32) having a large diameter, and the inner peripheral edge of the insertion hole (54) of the toothed washer (5) is The step (32) is in contact with the step portion (32).
[0019]
In the wiper pivot according to claim 4 , since the tip end side is a stepped portion having a large diameter at the fastening portion of the pivot shaft to which the tooth portion of the toothed washer is fastened, the axial direction of a predetermined amount or more When the load acts on the pivot shaft and the pivot shaft moves to the rear end side, the inner peripheral edge of the insertion hole of the toothed washer abuts on this stepped portion and becomes a stopper.
As a result, the toothed washer and the pivot shaft move toward the rear end side of the pivot shaft without sliding relatively beyond the friction between the outer peripheral surface of the pivot shaft and the inner peripheral edge of the insertion hole of the toothed washer. As a result, the tooth portion is reliably pulled in, the tooth portion in the standing posture falls down, and the outer shape of the toothed washer is enlarged.
Therefore, the set load for releasing the axial movement restriction of the pivot shaft can be set more reliably, and higher reliability can be obtained.
[0020]
The wiper pivot (1) of the invention according to claim 5 is the wiper pivot (1) according to any one of claims 1 to 4 , wherein the tooth portion (52) is the seat portion (51). To the pivot shaft (3), and is raised in a truncated cone shape that tapers toward the tip side .
[0021]
According to the wiper pivot of the fifth aspect, since the tooth portion of the toothed washer stands up in a truncated cone shape that tapers from the seat portion toward the distal end side of the pivot shaft, an axial load exceeding a predetermined value is applied. When the pivot shaft moves to the rear end side by acting on the pivot shaft, the axial force received from the pivot shaft can be effectively acted as a component force in the direction in which the outer shape of the toothed washer is enlarged by the tooth portion. it can.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a cross-sectional view showing the overall configuration of a state in which a wiper pivot 1 according to a first embodiment of the present invention is applied to a vehicle and the wiper pivot 1 is restricted from moving in an axial direction.
[0023]
A wiper pivot 1 is disposed at the front lower edge of the windshield (not shown) of the vehicle, and the glass surface is wiped by a wiper arm 2 and a wiper blade (not shown) fixed to the pivot shaft 3 of the wiper pivot 1.
The wiper pivot 1 includes a pivot holder 4. The pivot holder 4 is formed in a substantially cylindrical shape by die-casting an aluminum alloy, for example, and is formed as a part of a wiper frame 8 integrally provided with a pair of wiper pivots 1 arranged in the vehicle width direction. In addition, the pivot holder 4 is integrally formed with a cylindrical bearing portion 41 that pivotally supports the pivot shaft 3 and a flange portion 43 that is formed so as to project to the periphery at an intermediate portion in the axial direction. The flange portion 43 is provided with a mounting hole 44, and the pivot holder 4 is fixed to the vehicle body panel 10 by mounting bolts 45 and nuts 46 inserted through the mounting hole 44.
[0024]
The pivot shaft 3 is inserted into the inner hole 48 of the pivot holder 4 and is rotatably supported via a pair of upper and lower bearings 49. The pivot shaft 3 protrudes from the distal end portion of the pivot holder 4, and the base end portion of the wiper arm 2 is fastened and fixed to the distal end of the pivot shaft 3 by a nut or the like.
One end of the pivot lever 9 is fixed by caulking to the pivot shaft 3 protruding from the rear end side of the pivot holder, and the other end is connected to the output shaft of the wiper motor 80 via link rods 70 and 71 as shown in FIG. It is connected to a crank arm 90 fixed to.
[0025]
The pivot shaft 3 made of carbon steel is inserted into the cylindrical bearing portion 41 of the pivot holder 4 from the rear end side until the pivot lever 8 is blocked by the rear end surface of the cylindrical bearing portion 41. Is inserted into the inner hole 46 of the pivot holder 4, and the toothed washer 5 is inserted from the distal end side of the pivot shaft 3 with its distal end protruding, and the distal end face 42 of the cylindrical bearing portion 41 is inserted through the flat washer 60. Until it touches. At this time, the toothed washer 5 is fastened and fixed to the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 with a predetermined tightening force.
In this way, the cylindrical bearing portion 41 of the pivot holder 4 is sandwiched between the toothed washer 5 and the pivot lever 9, and the pivot holder 4 can rotate freely with the axial movement of the pivot shaft 3 restricted. It is pivotally supported.
[0026]
The toothed washer 5 is made of a stainless material, and, as shown in FIG. 2, a tooth portion is formed on the inner peripheral side from a seat portion 51 formed of a disk-shaped flat seat surface toward an insertion hole 54 through which the pivot shaft 3 is inserted. 52 is formed. More specifically, the tooth portion 52 is formed upright in a truncated cone shape that tapers from the seat portion 51 toward the tip end of the pivot shaft. Further, a plurality of locking pieces 55 that can be elastically deformed are formed on the inner peripheral edge of the insertion hole 54. Further, the tooth portion 52 of the toothed washer 5 is formed with a cut portion 57 that is deeply cut into a V shape, and the formation of the cut portion 57 makes the tooth portion 53 and the seat portion 51 narrow locally. Thus, the toothed washer 5 is formed in a ring shape via the connecting portion 56. The natural diameter of the insertion hole 54 is 11.8 mm, and the diameter of the pivot shaft 3 is 12 mm. Of course, the natural diameter of the insertion hole 54 is the diameter of the pivot shaft 3. Therefore, the toothed washer 5 exerts a fastening force on the outer peripheral surface of the pivot shaft 3.
[0027]
Here, the toothed washer 5 can restrict the axial movement of the pivot shaft 3 until a load of about 2400 N is applied in the axial direction by the load P acting on the distal end side of the pivot shaft 3. In other words, the load at which the connecting portion 56 of the toothed washer 5 is cut and separated is set as the setting load for releasing the axial movement of the pivot shaft, and this load is exceeded until the maximum static frictional force between the toothed washer 5 and the pivot shaft 3 is exceeded. The fastening force (or frictional force) and the strength (width dimension, length, etc.) of the connecting portion 56 are set so that the connecting portion 56 is cut and separated. When the connecting portion 56 is cut and separated, the axial movement restriction of the pivot shaft 3 with respect to the pivot holder 4 is released.
[0028]
The toothed washer 5 is fixed to the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 in the normal use state of the wiper device, and the toothed washer 5 also rotates with the rotation of the pivot shaft 3, so that the end face 42 on the distal end side of the cylindrical bearing portion 41. And a flat washer 60 is interposed between the seat portion 51 of the toothed washer 5. Further, an O-ring 7 is provided between the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 and the inner hole 46 of the cylindrical bearing portion 41 for waterproofing, and the O-ring 7 is prevented from coming off by the ring washer 60.
[0029]
Next, the operation of the first embodiment will be described.
In the normal use state, the wiper pivot 1 having the above-described configuration causes the wiper arm 2 (wiper arm & blade) to reciprocate within a predetermined range by the rotation of the pivot shaft 3 rotatably supported by the pivot holder 4. Wipe off any raindrops on the shield glass surface.
At this time, since the pivot shaft 3 holds the cylindrical bearing portion 41 of the pivot holder 4 between the toothed washer 5 and the pivot lever 9, the shaft is within the range of the predetermined set load of the toothed washer 5. The pivot holder 4 is rotatable in a state in which the direction movement is restricted.
[0030]
In such a normal use state, the toothed washer 5 is formed in a ring shape without a cut by the connecting portion 56 although it is locally narrowed. Therefore, the wiper arm 2 is normally used by the wiper device. Even if a load is applied to the pivot shaft 3 and axial vibration and rattling occur repeatedly, the diameter of the insertion hole 54 of the toothed washer 5 will not be expanded, so that a predetermined fastening force can be maintained for a long time. The durability of the axial movement restriction of the pivot shaft 3 is excellent. Moreover, it is possible to prevent the set load for releasing the axial movement restriction set in the initial stage from being changed, and the reliability is also excellent.
[0031]
On the other hand, as shown in FIG. 3, when a load P acts on the tip end side of the pivot shaft 3, a load (at least an axial component) is applied in the axial direction of the pivot shaft 3, and the toothed washer 5 moves in the axial direction. When the set load set to cancel the restriction is exceeded, the toothed washer 5 is formed upright in a truncated cone shape in which the tooth portion 52 tapers from the seat portion 51 toward the distal end side of the pivot shaft 3 ( In the state of the broken line in FIG. 4, as the pivot shaft 3 is moved to the rear end side (moving into the cylindrical bearing portion), the tooth portion 52 is drawn as shown by the solid line in FIG. The outer shape of the toothed washer 5 is about to expand. In particular, since the tooth portion 52 is erected in a truncated cone shape that tapers from the seat portion 51 toward the tip end side of the pivot shaft 3, the component of the axial force received from the pivot shaft 3 is generated by the tooth portion 52. It effectively acts in the direction of enlarging the outer shape of the attached washer 5.
[0032]
At this time, the toothed washer 5 was formed in a ring shape by the connecting portion 56. However, since a part of the toothed washer 5 is locally narrowed, the connecting portion 56 is cut and separated as shown in FIG. The insertion hole 54 of the toothed washer 5 is opened. Then, the tightening force on the outer peripheral surface of the pivot shaft 3 rapidly decreases, the axial movement restriction of the pivot shaft 3 by the toothed washer 5 is released, and the pivot shaft 3 smoothly moves the inner hole 48 of the cylindrical bearing portion 41. Moved into.
Thus, the impact force acting on the wiper pivot 1 is absorbed by the pivot shaft 3 moving along with the wiper arm 2 toward the inside of the vehicle body.
[0033]
Moreover, the narrowness degree (strength) of the connection part 56 can be adjusted by adjusting the cut depth of the cut part 57 formed in the tooth part 52 of the toothed washer 5.
Furthermore, by making the shape of the cut portion 57 V-shaped, stress can be concentrated on the tip of the cut portion 57 and the connecting portion 56 can be easily cut and separated. Therefore, it is suitable for setting a small set load for releasing the axial movement restriction of the pivot shaft 3. Further, since the stress concentration can be adjusted by changing the shape of the cut portion 57, it can be used for setting the strength of the connecting portion 56.
[0034]
As is clear from the above description, according to the wiper pivot 1 according to the first embodiment of the present invention, the toothed washer 5 is tightened to the outer periphery of the pivot shaft 3 with a predetermined tightening force in a normal use state. The pivot shaft 3 is rotatably supported in a state in which the pivot shaft 3 is restricted from moving in the axial direction relative to the cylindrical bearing portion 41. At this time, since the toothed washer 5 has a ring shape that is locally narrow but is not cut, the toothed washer 5 can be inserted even if vibrations and rattling of the pivot shaft 3 occur repeatedly. The diameter of the hole 54 is not increased, and is extremely excellent in durability and reliability of the axial movement restriction of the pivot shaft 3.
On the other hand, when a predetermined axial load P or more from the outside of the vehicle acts on the pivot shaft 3, the axial movement restriction of the pivot shaft 3 by the toothed washer 5 is released, and the pivot shaft 3 is moved into the cylindrical bearing portion 41. Moved to. At this time, if the toothed washer 5 that has been fastened and fixed to the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 with a predetermined fastening force, when the pivot shaft 3 starts to move to the rear end side (inside the cylindrical bearing portion 41), the toothed washer 5 Since the portion 52 is pulled in and the outer shape of the toothed washer 5 is expanded, the connecting portion 56 is broken and separated, and the fastening force is rapidly reduced, so that the pivot shaft 3 moves smoothly into the cylindrical bearing portion 41. can do.
[0035]
In the first embodiment, the connecting portion 56 of the toothed washer 5 has a V-shaped deep cut portion 57 from the inner peripheral edge of the insertion hole 54. The cut portion 59 may be formed.
That is, when it is desired to set the connection strength (set load) of the connecting portion 56 to be relatively small, it is not possible to sufficiently set the cut portion 57 only on the tooth portion 52 side, or the seat portion 51 is relatively wide. Therefore, it is suitable when the connection strength of the connection portion 56 becomes too high.
Alternatively, only the second cut portion 59 may be formed on the seat portion 51 side, and the cut portion 57 on the tooth portion 52 side may not be formed.
[0036]
Moreover, in the said 1st Embodiment, although the connection part 56 of the toothed washer 5 was formed only in one place, you may form in multiple places.
In particular, as shown in FIG. 6, the connecting portion 56 is formed at a point-symmetrical position with respect to the center O of the insertion hole 54 of the toothed washer 5. The connecting portion 56 formed at a point-symmetrical position on the opposite side functions as a hinge, so that the fastening force of the toothed washer 5 can be easily and smoothly released when the axial movement restriction of the pivot shaft 3 is released. .
[0037]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Since the basic configuration is the same as that of the first embodiment, detailed description thereof is omitted.
[0038]
That is, in the first embodiment, since the tip end side has the same diameter or smaller diameter from the portion where the toothed washer 5 of the pivot shaft 3 is fastened, the toothed washer 5 is moved when the shaft is moved. And the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 is not obstructed. If the fastening force (or frictional force) of the toothed washer 5 to the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 is exceeded, the toothed washer 5 and the pivot shaft 3 Will move relative. If this relative movement occurs before the breakage separation of the connecting portion 56, the fastening force of the toothed washer 5 is not released, and the shaft is moved while receiving an unstable load.
In order to prevent the above problem, the strength of the connecting portion 56 must be set in consideration of the fastening force (or frictional force) of the toothed washer 5 to the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3.
[0039]
However, as shown in FIG. 7, in the second embodiment, at the fastening portion of the pivot shaft 3 to which the tooth portion 52 of the toothed washer 5 is fastened, a step portion 32 having a large diameter at the tip side is formed. Therefore, when an axial load exceeding a predetermined value acts on the pivot shaft 3 and the pivot shaft 3 moves to the rear end side, the inner peripheral edge of the insertion hole 54 of the toothed washer 5 abuts on the step portion 32. It becomes a stopper.
Accordingly, the toothed washer 5 and the pivot shaft 3 do not slide relative to each other without exceeding the friction between the outer peripheral surface 30 of the pivot shaft 3 and the inner peripheral edge of the insertion hole 54 of the toothed washer 5. With the movement toward the rear end side, the tooth portion 52 is reliably pulled in, the tooth portion 52 in the standing posture is tilted, and the outer shape of the toothed washer 5 is enlarged.
[0040]
Therefore, the set load for canceling the axial movement restriction of the pivot shaft 3 can be set more reliably, and higher reliability can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an overall configuration of a wiper pivot according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2A is a partial cross-sectional view showing the main part of the wiper pivot before the axial movement of the wiper pivot according to the first embodiment of the present invention, and FIG. It is a perspective view of a toothed washer.
3A is a partial cross-sectional view showing a state after the pivot shaft of the wiper pivot according to the first embodiment of the present invention has moved in the axial direction, and FIG. 3B is a toothed view at that time; It is a perspective view of a washer.
4 is an enlarged cross-sectional view showing a main part in FIG. 3; FIG.
FIG. 5 is a perspective view showing a modification of the toothed washer used for the wiper pivot according to each embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a plan view showing another modification of the toothed washer used for the wiper pivot according to each embodiment of the present invention.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional view showing a main part of a wiper pivot according to a second embodiment of the present invention. .
FIG. 8 is an explanatory diagram of a wiper device to which a wiper pivot according to each embodiment of the present invention is applied.
[Explanation of symbols]
1 ... wiper pivot, 2 ... wiper arm, 3 ... pivot shaft, 4 ... pivot holder,
5 ... toothed washer, 9 ... pivot lever, 10 ... vehicle body, 32 ... stepped portion, 41 ... cylindrical bearing portion,
51 ... Seat part, 52 ... Tooth part, 54 ... Insertion hole, 55 ... Locking piece, 56 ... Connection part, 57 ... Cutting part.

Claims

A pivot shaft with a wiper arm fixed to the tip passes through a cylindrical bearing portion of a pivot holder fixed to the vehicle body, and an axial movement relative to the cylindrical bearing portion is performed by a toothed washer fastened to the outer periphery of the pivot shaft. When the axial load more than a predetermined value is applied from the pivot shaft front end side, the restriction of the axial movement by the toothed washer is released, and the pivot shaft is moved to the cylinder. In the wiper pivot moved into the cylindrical bearing,
The toothed washer is formed with a seat portion that directly or indirectly abuts on the end surface on the front end side of the cylindrical bearing portion, and is erected from the seat portion toward the front end side of the pivot shaft, and the pivot shaft is inserted therethrough. A plurality of locking pieces (55) are formed by forming a plurality of grooves on the inner peripheral edge of the insertion hole, and a tooth portion that is fastened to the outer peripheral surface of the pivot shaft with a predetermined fastening force; and A notch part (57) formed from at least one of the inner peripheral edge of the insertion hole of the tooth part and the outer peripheral edge of the seat part and cut deeper than the groove between the plurality of locking pieces (55) is formed. is, larger than the predetermined axial load is the notches when acting is formed in a ring shape unbroken connected by connecting portion for Setsuson separation,
Wiper pivot characterized by that.

The notches may wiper pivot according to claim 1, characterized that you have been cut in a V-shape.

The wiper pivot according to claim 1 or 2, wherein the connecting portion is formed at a point-symmetrical position with respect to a center of the insertion hole .

The pivot shaft is formed with a stepped portion having a large diameter at a distal end side of a fastening portion where the toothed portion of the toothed washer is fastened, and an inner peripheral edge of the insertion hole of the toothed washer is formed on the stepped portion. abutted wiper pivot according to any one of claims 1 to 3, characterized in Rukoto.

The teeth, a wiper pivot according to any one of claims 1 to 4, characterized that you have been erected frustoconical tapers toward the pivot shaft distally from said seat .