JP3715750B2 - 二軸傾斜計 - Google Patents

二軸傾斜計 Download PDF

Info

Publication number
JP3715750B2
JP3715750B2 JP19417097A JP19417097A JP3715750B2 JP 3715750 B2 JP3715750 B2 JP 3715750B2 JP 19417097 A JP19417097 A JP 19417097A JP 19417097 A JP19417097 A JP 19417097A JP 3715750 B2 JP3715750 B2 JP 3715750B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strain
plate
weight
base
plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19417097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1137755A (ja
Inventor
卓郎 小澤
Original Assignee
株式会社東京測器研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社東京測器研究所 filed Critical 株式会社東京測器研究所
Priority to JP19417097A priority Critical patent/JP3715750B2/ja
Publication of JPH1137755A publication Critical patent/JPH1137755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3715750B2 publication Critical patent/JP3715750B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物等の測定対象物の傾斜角を測定するための傾斜計に関し、特に二軸方向の傾斜角を測定するための傾斜計に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば土木、建築産業等の分野では、建造物等の測定対象物の設置状態等を確認するために、該測定対象物の傾斜角を、前後及び左右方向というような二軸方向で測定することが必要となる場合が多々ある。
【0003】
そして、このように測定対象物の二軸方向での傾斜角を測定するための二軸傾斜計としては、従来、例えば図6に示すような構造のものが知られている。
【0004】
この二軸傾斜計では、建造物等の測定対象物に取付けられる基体aの下方に該基体aと間隔を存して錘体bが配置され、これらの基体a及び錘体bとの間で、一対の起歪板c,dが上下に縦列し且つ互いに直交する姿勢で配置されると共に、上側の起歪板cの下端部と下側の起歪板dの上端部とがこれらの起歪板c,dの間に介在させた起歪板取付部材eに取付けられている。さらに、上側の起歪板cの上端部が、基体aに取付けられると共に、下側の起歪板dの下端部が、錘体bに取付けられ、これにより、錘体bが、起歪板c、起歪板取付部材e及び起歪板dを介して連結されている。また、起歪板c,dには、その変形量を検出するために、例えばひずみゲージf,gがそれぞれ貼着されている。
【0005】
このような構造の二軸傾斜計では、例えば基体aの下方に錘体bが吊り下がるようにして、該基体aが測定対象物に取付けられ、このとき該測定対象物が、図6のX軸方向(起歪板cの法線方向)に傾斜すると、該起歪板cが湾曲変形しつつ前記錘体bが基体aに対して測定対象物の傾斜方向に移動し、このとき、起歪板cの変形量が、X軸方向での測定対象物の傾斜角を示すものとなる。同様に、測定対象物が、図6のY軸方向(起歪板dの法線方向)に傾斜すると、該起歪板dが湾曲変形しつつ錘体bが基体aに対して測定対象物の傾斜方向に移動し、このとき、起歪板dの変形量が、Y軸方向での測定対象物の傾斜角を示すものとなる。
【0006】
従って、各起歪板c,dの変形量をそれぞれ前記ひずみゲージf,gにより検出することで、測定対象物の二軸方向(X軸方向及びY軸方向)の傾斜角を測定することができることとなる。
【0007】
しかしながら、かかる構造の従来の二軸傾斜計では、起歪板c,dを上下方向(鉛直方向)に縦列配置しているため、傾斜計が上下方向に長いものとなり、該傾斜計が大型化してしまうものとなっていた。
【0008】
また、測定対象物が図6のX軸及びY軸方向に同じ量だけ傾斜した場合に、各起歪板c,dに作用するモーメントは、下側の起歪板dよりも上側の起歪板cの方が大きく、従って、下側の起歪板dよりも上側の起歪板cの方がその変形量が大きなものとなる。このため、測定対象物の傾斜角の測定感度は、二つの軸方向で互いに異なるものとなり、両軸方向の傾斜角を同等の精度で測定することが困難なものとなっていた。
【0009】
尚、測定対象物の二軸方向の傾斜角を検出する場合、一軸方向のみの傾斜角を測定する一軸傾斜計を二つ用意し、それらの一軸傾斜計を互いに異なる方向に向けて測定対象物に取り付けることで、二つの軸方向の傾斜角を各別の一軸傾斜計により測定する場合もある。しかしながら、このような測定手法では、二つの傾斜計を測定対象物に取付けなければならないため、その設置スペース上の制約を受けやすい。また、このような測定手法では、測定対象物に二つの一軸傾斜計を近接させて取り付けたとしても、それらの一軸傾斜計の取付部位は完全に同じ部位にはならないため、測定対象物の一つの特定部位での二軸方向の傾斜角を測定することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、コンパクトな構成で、しかも、二つの軸方向の測定対象物の傾斜角を同等の感度で測定することができる二軸傾斜計を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の二軸傾斜計はかかる目的を達成するために、傾斜角を測定すべき測定対象物に取り付けられる基体と、該基体と鉛直方向に間隔を存して配置された錘体と、該基体及び錘体の間に鉛直方向に起立した姿勢で配置され、その前記錘体側の一端部が該錘体に取り付けられた第1の起歪板と、該基体及び錘体の間に前記第1の起歪板と直交し且つ鉛直方向に起立した姿勢で前記第1の起歪板と略同じ高さに配置され、その前記基体側の一端部が該基体に取付けられた第2の起歪板と、該基体及び錘体の間に配置され、前記第1の起歪板の前記基体側の他端部及び第2の起歪板の前記錘体側の他端部を取付けた起歪板取付部材と、前記第1の起歪板の法線方向での前記測定対象物の傾斜に伴う前記基体に対する前記錘体の移動による該第1の起歪板の変形量を該第1の起歪板の法線方向での該測定対象物の傾斜角を示す量として検出すると共に、前記第2の起歪板の法線方向での前記測定対象物の傾斜に伴う前記基体に対する前記錘体の移動による該第2の起歪板の変形量を該第2の起歪板の法線方向での該測定対象物の傾斜角を示す量として検出する起歪板変形検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記第1の起歪板の錘体側の一端部及び基体側の他端部がそれぞれ前記錘体及び起歪板取付部材に取付けられ、また、前記第2の起歪板の基体側の一端部及び錘体側の他端部がそれぞれ前記基体及び起歪板取付部材に取付けられているので、錘体が、基体に第1の起歪板、起歪板取付部材及び第2の起歪板を介して支持される。そして、このとき、第1及び第2の起歪板は略同じ高さに配置されているため、基体と錘体との鉛直方向(上下方向)の間隔は、第1もしくは第2の起歪板の鉛直方向の長さ程度の間隔で済み、従来の二軸傾斜計に比して傾斜計の鉛直方向の長さが短くて済む。
【0013】
また、第1及び第2の起歪板は、基体及び錘体の間で、互いに直交した姿勢で、鉛直方向に起立して配置されているので、前記基体を取付けた測定対象物が、第1の起歪板の法線方向に傾斜したとき、該第1の起歪板が湾曲変形しつつ錘体が基体に対して測定対象物の傾斜方向に移動し、このとき、該第1の起歪板の変形量が第1の起歪板の法線方向への傾斜角に応じたものとなる。同様に、測定対象物が、第2の起歪板の法線方向に傾斜したとき、該第2の起歪板が湾曲変形しつつ錘体が基体に対して測定対象物の傾斜方向に移動し、このとき、該第2の起歪板の変形量が第2の起歪板の法線方向への傾斜角に応じたものとなる。
【0014】
従って、前記起歪板変形検出手段によって、前記第1及び第2の各起歪板の変形量を検出することで、第1の起歪板の法線方向と第2の起歪板の法線方向との二軸方向での測定対象物の傾斜角が測定されることとなる。
【0015】
このとき、第1及び第2の起歪板は略同じ高さに配置されているため、測定対象物が、第1の起歪板の法線方向と第2の起歪板の法線方向とに同じ量だけ傾斜したときに第1の起歪板と第2の起歪板とに作用するモーメントはほぼ同等なものとなり、両起歪板の変形量もほぼ同等なものとなる。従って、第1の起歪板の法線方向への測定対象物の傾斜角の測定感度と、第2の起歪板の法線方向への測定対象物の傾斜角の測定感度とをほぼ同等のものとすることが可能となる。
【0016】
よって、本発明の二軸傾斜計によれば、コンパクトな構成で、しかも、二つの軸方向の測定対象物の傾斜角を同等の感度で測定することができる。
【0017】
かかる本発明の二軸傾斜計では、好ましくは、前記第1の起歪板と第2の起歪板とはそれぞれ一対づつ備えられると共に、前記起歪板取付部材は前記基体及び錘体の間の略中心部に配置され、前記一対の第1の起歪板は、前記起歪板取付部材の外周箇所に周方向に略180度の間隔を存して配置され、前記一対の第2の起歪板は、前記各第1の起歪板と前記起歪板取付部材の周方向に略90度の位相をずらした位置で、該起歪板取付部材の周方向に略180度の間隔を存して配置されている。
【0018】
このような構成によれば、第1の起歪板と、これに直交する姿勢の第2の起歪板とは、前記基体及び錘体の間の略中心部に配置された起歪板取付部材の周囲に略90度の間隔を存して交互に配置されることとなって、起歪板取付部材と第1及び第2の起歪板とら成る構成部分を平面視的に見て対称的な構造とすることができ、その構成部分の重量バランスを容易に確保することができる。また、各々一対づつの第1及び第2の起歪板を起歪板取付部材の周囲に配置することで、それらの起歪板を容易に同じ高さ位置に配置することができると共に、それらの起歪板の起歪板取付部材の取付を容易に行うことができる。
【0019】
この場合、さらに、前記基体、錘体及び起歪板取付部材の中心部に鉛直方向に延在する貫通孔を穿設することが好ましい。このようにすることで、二軸傾斜計の軽量化が図られると共に、該貫通孔を、例えば前記起歪板変形検出手段に係わるケーブルを通して配線するための穴等として活用することができる。
【0020】
尚、前記起歪板変形検出手段は、前記第1の起歪板及び第2の起歪板のそれぞれに貼着されたひずみゲージにより構成することが好適である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本実施形態の二軸傾斜計の分解斜視図、図2は本実施形態の二軸傾斜計をその組付け状態で図1のX軸方向で見た側面図、図3は本実施形態の二軸傾斜計をその組付け状態で図1のY軸方向で見た側面図、図4及び図5は本実施形態の二軸傾斜計の作動説明図である。
【0022】
図1乃至図3を参照して、1は建設物等の図示しない測定対象物に取付けられる基体、2は基体1の下方に該基体1と鉛直方向に間隔を存して配置された錘体、3は基体1と錘体2との間に配置された起歪板取付部材である。尚、本実施形態では、基体1及び錘体2は円柱形状に形成されている。
【0023】
起歪板取付部材3は、本実施形態では、その本体部分3aが鉛直方向(上下方向)に延在する四角柱形状に形成されており、基体1と錘体2との間の中心部にこれらと同心に配置されている。そして、この起歪板取付部材3の本体部分3aの外周面(側面)の周囲には、四枚の略長方形状の起歪板4,5,6,7がいずれも同じ高さ位置で且つ鉛直方向(上下方向)に起立した姿勢で本体部分3aの側面沿いに配置されている。
【0024】
これらの起歪板4,5,6,7は、それぞれ起歪板取付部材3の本体部分3aの四つの各側面に臨んで、該本体部分3aの周方向に90度の間隔を存して配置されている。この場合、これらの起歪板4,5,6,7のうち、本体部分3aの周方向に180度の間隔を存する二つの起歪板4,5は、本発明の構成に対応させると、一対の第1の起歪板に相当するものであり、該第1の起歪板4,5は、図1のX軸に平行(図1のY軸に垂直)な姿勢で同一面上に配置されている。
【0025】
また、残りの二つの起歪板6,7(これらは本体部分3aの周方向に180度の間隔を存し、且つ、第1の起歪板4,5と90度の間隔を存する)は、一対の第2の起歪板に相当するものであり、該第2の起歪板6,7は、図1のY軸に平行(図1のX軸に垂直)な姿勢、従って第1の起歪板4,5と直交する姿勢で同一面上に配置されている。
【0026】
そして、第1の起歪板4,5は、その上端部(基体1側の端部)がそれぞれ、起歪板取付部材3の側面の上端部に突設された取付座部8,9にネジ10,11を介して取付けられ、また、第1の起歪板4,5の下端部(錘体2側の端部)がそれぞれ、前記錘体2の上面部に突設された取付座部12,13にネジ14,15を介して取付けられている。
【0027】
一方、第2の起歪板6,7は、その下端部(錘体2側の端部)がそれぞれ、起歪板取付部材3の側面の下端部に突設された取付座部16,17にネジ18,19を介して取付けられ、また、第2の起歪板6,7の上端部(基体1側の端部)がそれぞれ、前記基体1の下面部に突設された取付座部20,21にネジ22,23を介して取付けられている。
【0028】
以上のような基体1、錘体2、起歪板取付部材3及び起歪板4〜7の組み付け構造により、錘体2は、基体1に第1の起歪板4,5、起歪板取付部材3及び第2の起歪板6,7を介して連結されている。
【0029】
また、各起歪板4〜7には、それぞれ起歪板変形検出手段を構成するひずみゲージ24〜27が貼着されている。これらのひずみゲージ24〜27のうち、第1の起歪板4,5にそれぞれ貼着されたひずみゲージ24,25は、前記基体1を取り付ける測定対象物が第1の起歪板4,5の法線方向(図1のY軸方向)で傾斜したときの各第1の起歪板4,5の変形量(曲げ歪み量)に応じた出力信号を生成する。また、第2の起歪板6,7にそれぞれ貼着されたひずみゲージ26,27は、測定対象物が第2の起歪板6,7の法線方向(図1のX軸方向)で傾斜したときの各第2の起歪板6,7の変形量(曲げ歪み量)に応じた出力信号を生成する。
【0030】
そして、各ひずみゲージ24〜27は、それから導出された信号線24a〜27bが、各ひずみゲージ24〜27に電源電力を供給したり、各ひずみゲージ24〜27の出力信号を処理する図示しない測定処理装置にケーブル28(図2及び図3参照)を介して接続されている。この場合、本実施形態では、測定対象物の複数箇所に図1乃至図3に示すような二軸傾斜計を取付けて測定対象物の多点測定を行うようにしており、上記ケーブル28は、それらの各二軸傾斜計のひずみゲージ24〜27を測定処理装置に接続するものである。そして、本実施形態の二軸傾斜計では、前記基体1、錘体2及び起歪板取付部材3のそれぞれの軸心部に貫通孔1x,2x,3xが穿設されており、上記ケーブル28は図2及び図3に示すようにこれらの貫通孔1x,2x,3xを通して配線されている。
【0031】
次に本実施形態の二軸傾斜計の作動を図4及び図5を参照して説明する。尚、図4及び図5では、説明の便宜上、前記ケーブル28や信号線24a〜27bは省略している。
【0032】
本実施形態の二軸傾斜計により図示しない測定対象物の傾斜角を測定する際には、例えば基体1がその下方に錘体2を吊り下げるようにして測定対象物に取付けられる。尚、この場合、実際上は、基体1は、該基体1、錘体2、起歪板取付部材3、及び起歪板4〜7を収容する図示しないハウジングを介して測定対象物に取付けられる。
【0033】
このように基体1を測定対象物に取付けて固定した状態で、基体1が測定対象物と共に、例えば第1の起歪板4,5の法線方向(図1のY軸方向)で傾斜すると、錘体2は、これに作用する重力によって、図4に示すように第1の起歪板4,5(図4では起歪板4のみが示されている)を湾曲させつつ基体1に対して傾動し、このとき、第1の起歪板4,5の湾曲の変形量(曲げ歪み量)は、測定対象物のY軸方向での傾斜角θyに応じたものとなる。
【0034】
このような第1の起歪板4,5の変形量がそれぞれに貼着されたひずみゲージ24,25により検出され、その検出出力が前記ケーブル28を介して前記測定処理装置(図示しない)に与えられる。そして、該測定処理装置では、ひずみゲージ24,25の出力データを処理することで、測定対象物のY軸方向での傾斜角θyを把握し、それを表示したり、記録したりする。
【0035】
また、基体1が測定対象物と共に、例えば第2の起歪板6,7の法線方向(図1のX軸方向)で傾斜すると、錘体2は、図5に示すように第2の起歪板6,7(図5では起歪板6のみが示されている)を湾曲させつつ基体1に対して傾動し、このとき、第2の起歪板6,7の湾曲の変形量(曲げ歪み量)が測定対象物のX軸方向での傾斜角θxに応じたものとなる。
【0036】
このような第2の起歪板6,7の変形量がそれぞれに貼着されたひずみゲージ26,27により検出され、その検出出力がケーブル28を介して前記測定処理装置(図示しない)に与えられる。そして、該測定処理装置では、図4の場合と同様、ひずみゲージ26,27の出力データを処理することで、測定対象物のX軸方向での傾斜角θxを把握し、それを表示したり、記録したりする。
【0037】
以上のようにして、本実施形態の二軸傾斜計では、X軸方向(第2の起歪板6,7の法線方向)とY軸方向(第1の起歪板4,5の法線方向)との二方向での測定対象物の傾斜角が測定されることとなる。
【0038】
この場合、本実施形態の二軸傾斜計では、第1の起歪板4,5と第2の起歪板6,7とは、基体1と錘体2との間で同じ高さ位置に配置されているため、基体1と錘体2との間の間隔は、各起歪板4〜7の長さ程度の間隔で済み、従って、二軸傾斜計をコンパクトに構成することができる。
【0039】
また、第1の起歪板4,5と第2の起歪板6,7とは、基体1と錘体2との間で同じ高さ位置に配置されているため、基体1を取付けた測定対象物がX軸方向及びY軸方向に同じ量だけ傾斜したときに第1の起歪板4,5と第2の起歪板6,7とにそれぞれ作用するモーメントは同程度のものとなり、従って、この場合の第1の起歪板4,5と第2の起歪板6,7との変形量も同程度のものとなる。このため、測定対象物の傾斜角をX軸方向及びY軸方向の二方向で同じような感度で測定することができると同時に、それらの二方向の傾斜角の測定精度も同等のものとすることができる。
【0040】
さらに、一対の第1の起歪板4,5と一対の第2の起歪板6,7との四枚の起歪板4〜7は、起歪板取付部材3の本体部分3aの周囲に90度づつの間隔を存して配置しているため、それらの起歪板4〜7の起歪板取付部材3や基体1、錘体2への前述のような取付を簡単な構成で容易に行うことができると同時に、起歪板取付部材3と起歪板4〜7とを組み付けたものを平面視的に見たとき、その構造が対称的な構造となり、良好な重量バランスを確保することができる。
【0041】
また、本実施形態では、基体1、錘体2及び起歪板取付部材3のそれぞれの軸心部に貫通孔1x,2x,3xが穿設されているため、二軸傾斜計を全体的に軽量なものとすることができると共に、複数の二軸傾斜計を用いて測定対象物の傾斜角の多点測定を行う場合に、それらの各二軸傾斜計と前記測定処理装置とを接続するケーブル28を前述したように貫通孔1x,2x,3xを通して配線することができ、その配線を円滑に行うことができる。
【0042】
尚、本実施形態では、起歪板4,5の上端部及び下端部をそれぞれ起歪板取付部材3及び錘体2に取付けると共に、起歪板6,7の上端部及び下端部をそれぞれ基体1及び起歪板取付部材3に取付けるようにしたが、これと逆に、起歪板4,5の上端部及び下端部をそれぞれ基体1及び起歪板取付部材3に取付け、起歪板6,7の上端部及び下端部をそれぞれ起歪板取付部材3及び錘体2に取付けるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、起歪板取付部材3の本体部分3aを四角柱形状に形成したが、円柱形状等の他の形状に形成してもよく、起歪板4〜7を本実施形態と同様の配置関係で取り付けることができるものであればよい。
【0044】
さらに本実施形態では互いに直交する姿勢の第1の起歪板と第2の起歪板とを一対づつ備えたものを示したが、第1の起歪板と第2の起歪板との個数を1枚づつとしたり、3枚以上の個数とするようにすることも可能であり、あるいは、第1の起歪板と第2の起歪板との個数を互いに異なるものとする(例えば第1の起歪板を1枚、第2の起歪板を2枚とする)ようにすることも可能である。いずれにせよ、第1の起歪板と第2の起歪板とが互いに直交する起立姿勢で且つほぼ同じ高さ位置で基体と錘体との間に配置されるような構造であればよい。
【0045】
また、本実施形態では、各対の起歪板4,5及び6,7のそれぞれに一つずつひずみゲージ24,25及び26,27を貼着し、前記Y軸方向での測定対象物の傾斜角に相当する起歪板4,5の対の変形量と前記X軸方向での測定対象物の傾斜角に相当する起歪板6,7の対の変形量とを、それぞれ2個一組のひずみゲージ24,25及び26,27を用いた所謂2ゲージ法で検出するものを示したが、例えば各起歪板4〜7の表裏面に2つのひずみゲージを貼着し、各軸方向の測定対象物の傾斜角に相当する各対の起歪板4,5及び6,7の変形量を所謂4ージ法で検出するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、傾斜角の測定に際して、基体1の下方に錘体2を吊り下げるようにして基体1を測定対象物に取り付けるものを示したが、例えば基体1と錘体2との上下の位置関係を逆にし、基体1の上方に錘体2が位置するようにして基体1を測定対象物に取付けて、2軸方向の傾斜角の測定を行うようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の二軸傾斜計の分解斜視図。
【図2】図1の二軸傾斜計をその組付け状態で図1のX軸方向で見た側面図。
【図3】図1は二軸傾斜計をその組付け状態で図1のY軸方向で見た側面図。
【図4】図1乃至図3の二軸傾斜計の作動説明図。
【図5】図1乃至図3の二軸傾斜計の作動説明図。
【図6】従来の二軸傾斜計の斜視図。
【符号の説明】
1…基体、2…錘体、3…起歪板取付部材、4,5…第1の起歪板、6,7…第2の起歪板、24〜27…ひずみゲージ(起歪板変形検出手段)、1x,2x,3x…貫通孔。

Claims (4)

  1. 傾斜角を測定すべき測定対象物に取り付けられる基体と、該基体と鉛直方向に間隔を存して配置された錘体と、該基体及び錘体の間に鉛直方向に起立した姿勢で配置され、その前記錘体側の一端部が該錘体に取り付けられた第1の起歪板と、該基体及び錘体の間に前記第1の起歪板と直交し且つ鉛直方向に起立した姿勢で前記第1の起歪板と略同じ高さに配置され、その前記基体側の一端部が該基体に取付けられた第2の起歪板と、該基体及び錘体の間に配置され、前記第1の起歪板の前記基体側の他端部及び第2の起歪板の前記錘体側の他端部を取付けた起歪板取付部材と、前記第1の起歪板の法線方向での前記測定対象物の傾斜に伴う前記基体に対する前記錘体の移動による該第1の起歪板の変形量を該第1の起歪板の法線方向での該測定対象物の傾斜角を示す量として検出すると共に、前記第2の起歪板の法線方向での前記測定対象物の傾斜に伴う前記基体に対する前記錘体の移動による該第2の起歪板の変形量を該第2の起歪板の法線方向での該測定対象物の傾斜角を示す量として検出する起歪板変形検出手段とを備えたことを特徴とする二軸傾斜計。
  2. 前記第1の起歪板と第2の起歪板とはそれぞれ一対づつ備えられると共に、前記起歪板取付部材は前記基体及び錘体の間の略中心部に配置され、前記一対の第1の起歪板は、前記起歪板取付部材の外周箇所に周方向に略180度の間隔を存して配置され、前記一対の第2の起歪板は、前記各第1の起歪板と前記起歪板取付部材の周方向に略90度の位相をずらした位置で、該起歪板取付部材の周方向に略180度の間隔を存して配置されていることを特徴とする請求項1記載の二軸傾斜計。
  3. 前記基体、錘体及び起歪板取付部材の中心部に鉛直方向に延在する貫通孔を穿設したことを特徴とする請求項2記載の二軸傾斜計。
  4. 前記起歪板変形検出手段は、前記第1の起歪板及び第2の起歪板のそれぞれに貼着されたひずみゲージにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二軸傾斜計。
JP19417097A 1997-07-18 1997-07-18 二軸傾斜計 Expired - Fee Related JP3715750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19417097A JP3715750B2 (ja) 1997-07-18 1997-07-18 二軸傾斜計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19417097A JP3715750B2 (ja) 1997-07-18 1997-07-18 二軸傾斜計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1137755A JPH1137755A (ja) 1999-02-12
JP3715750B2 true JP3715750B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=16320100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19417097A Expired - Fee Related JP3715750B2 (ja) 1997-07-18 1997-07-18 二軸傾斜計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3715750B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100659277B1 (ko) 2006-01-16 2006-12-20 학교법인 포항공과대학교 경사각 측정 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1137755A (ja) 1999-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6082487B2 (ja) 荷重検出器及び荷重検出システム
JP3792274B2 (ja) 複数のせん断ひずみゲージを用いた六軸力センサ
US4616511A (en) Tactile sensor
US7805851B2 (en) Articulated arm coordinate measuring machine
US20080034601A1 (en) Measurement Probe For Use In Coordinate Measuring Machines
US4483203A (en) Multi-axis force transducer
US5574221A (en) Angular acceleration sensor
JP2004264053A (ja) 加速度センサ及び傾斜検出方法
CN108780002B (zh) 负载检测器以及负载检测系统
JP3715750B2 (ja) 二軸傾斜計
WO2017183680A1 (ja) 荷重検出器及び荷重検出システム
US20050217127A1 (en) Measurement device and method for determining the three-dimensional orientation of a body relative to two horizontal reference directions
KR20180013341A (ko) 다축 방향의 변위측정이 동시에 이루어질 수 있는 측정자를 구비한 받침장치
JPH067053B2 (ja) 姿勢センサ
JPS5892833A (ja) 重心位置測定装置
KR101241380B1 (ko) 가속도 센서 오차 측정 장치
WO2018034303A1 (ja) 荷重検出器及び荷重検出システム
US6450045B1 (en) Torque sensing calibration unit
JP2500107Y2 (ja) 計測用ジグ
JP2002048536A (ja) 電子式水準器およびそれを用いた水平ステージ
KR100235683B1 (ko) 힘/모멘트 센서
JP5280890B2 (ja) センサホルダ及びセンサ支持装置
JP6189997B1 (ja) 荷重検出ユニット、ベッド及び荷重検出システム
JPH10267652A (ja) 配管傾斜測定器
JP6453396B2 (ja) 荷重検出器及び荷重検出システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080902

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees