JP3714199B2 - テーパねじ継手 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L15/00Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints
    • F16L15/06Screw-threaded joints; Forms of screw-threads for such joints characterised by the shape of the screw-thread

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油井管同士を接続するテーパねじ継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
テーパねじを締め付ける場合、雄ねじと雌ねじとが噛み合う。その際、荷重面(ロードフランク面)の接触に加えて、通常、雄ねじ頂部と雌ねじ底部、或いは、雄ねじ底部と雌ねじ頂部、及び、荷重面の反対(裏)側の挿入面(スタブフランク面)のうち、どれかが接すると、ねじ込みの進行が阻止され噛み合いの半径方向の相互移動も阻止される。通常は雄ねじの頂面側か底面側のどちらかが接することによりねじ込みは阻止され、雄ねじおよび雌ねじの更なる噛み合いは停止される。
【0003】
そして、上記した状態より更に締め付け力(トルク)を増やせば、雄ねじ及び雌ねじはそれぞれ縮径変形或いは拡径変形し、互いに締め付け力を生ずることになる。この両者の変形の和をねじの干渉量という。この干渉量の程度を適当に制限すべく締め付け力が制限されているのが普通のテーパねじである。通常は、ねじの締め付け力をわずかに大きくしてねじの緩み止めとし、かつ、引張力に十分耐えられれば良い。従来のテーパねじは大部分この構造であるといえる。
【0004】
主に管状物の締結に採用されるテーパねじ継手は、上記したねじの干渉量に関係する軸方向反力でねじの荷重面に負荷を生じさせ、この負荷とねじ干渉量による雄ねじ(又は雌ねじ)底面の反力とで、軸方向にも径方向にもガタのないしっかりした締結が得られるようになっている。
【0005】
ところで、一旦締結されたテーパねじは、軸方向に引張荷重が加わっても、その締結の初期より荷重面で接触していることから、雄ねじと雌ねじとの間に引張方向での相対移動は生じ得ず、この状態は引張荷重がねじ部の強度を超えるまで保たれる。
【0006】
しかしながら、通常、ねじの挿入面には隙間が設けられていることが多いため、軸方向圧縮力に対するのは、ねじ部での支えはテーパ面である雄ねじまたは雌ねじのねじ底部による抵抗およびねじ部に与えられた干渉量により生ずるテーパ面の接触力により生ずる摩擦抵抗力のみである。従って、テーパの大きさにも多少は左右されるものの、ねじの軸方向引張力の場合に比べてその軸方向圧縮力に対する抵抗力ははるかに小さい。つまり、通常のテーパねじは比較的小さい圧縮力にも抗しきれず、雄ねじと雌ねじ間で通常挿入面側に存在する軸方向の隙間に相当する量の軸方向相対移動が生じてしまう。
【0007】
ねじ部の近くにねじ込み制限用のストッパーを設けている場合には、このストッパーが前記した軸方向圧縮力に対して抵抗するものの、構造上の制約によりこのストッパの衝接部面積は管体断面積より小さくせざるを得ず、ねじの耐引張抵抗力がほぼ管体強度に匹敵するまで大きく出来るのに対して、耐圧縮抵抗力は管体強度よりはるかに小さい。従って、その限度を超える軸方向圧縮力に対しては抵抗しきれず、ストッパー部に変形を生じて軸方向への相対移動が生じ、前記のねじ挿入面側の隙間の量だけ移動することとなる。
【0008】
また、特にねじ締結部のシール性を確保するために、多くの油井管のようにメタルシール部が設けられている場合には、上記した軸方向移動によってシール性に大きな影響を及ぼす場合が多く、シール性を保てなくなる場合も多々発生する。
【0009】
この軸方向圧縮力に対して十分に抵抗するためには、ねじ挿入面の隙間をなくし、少なくともねじ締結時には荷重面と同様に挿入面をも接触させておく必要があり、既にこのような荷重面、挿入面ともに隙間をなくして接触させる機構のねじが考えられている(例えば特開平9−119564号公報参照)。
【0010】
しかしながら、実際に製作する上での加工公差を考慮すると、その公差内のいかなる加工結果においても、常にねじの荷重面と挿入面の両面を接触させておくことは難しい。従って、荷重面および挿入面の両面の接触が必要な場合に個々の寸法条件をそれぞれ加減して適当な寸法関係を単独に選択しているのが実情であり、結果として、挿入面側に隙間を生じることもあって、効果的な耐圧縮力が得られない場合が多い。
【0011】
なお、特開平9−119564号公報では、締結時、荷重面と挿入面が共に接触するように構成した油井管用ねじ継手が提案されているが、どのような構成を採用することで、締結時、荷重面と挿入面が共に接触するようになるのかについての具体的な記載は全くなく、単にねじの荷重面と挿入面の両面接触という状態を述べているに過ぎない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記した問題点を解消すべく、軸方向圧縮力に対して十分な抵抗力を発揮するため、ねじの荷重面と挿入面の両方の隙間をなくして必ず両面接触が可能なねじ形状を有するテーパねじ継手を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明によれば、テーパねじ継手に、テーパ雄ねじのねじ頂面とテーパ雌ねじのねじ底面との隙間L1 若しくはテーパ雄ねじのねじ底面とテーパ雌ねじのねじ頂面との隙間L2 の何れか小さいほうの隙間の値L (以後「ねじの上下隙間L」と称する) と、荷重面角度α及び挿入面角度βと、互いに噛み合うテーパ雄ねじの山幅とテーパ雌ねじの谷幅またはテーパ雌ねじの山幅とテーパ雄ねじの谷幅の差、すなわち、ねじ幅方向に生じ得る軸方向隙間の最大値δとの間に、δ≦L・(tanα+tanβ)の関係を有することとしている。
【0014】
そして、このようにすることで、いかなる場合においても常に荷重面と挿入面の両面を接触した状態に保持することができるテーパねじ継手の製造が可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
テーパねじ継手において雄ねじおよび雌ねじを締結したときに、常に荷重面と挿入面の両面を接触した状態に保持するためには、ねじの噛み合い状態で、テーパ雄ねじの頂面側又は底面側がテーパ雌ねじの底面側又は頂面側に接する前に荷重面ばかりでなく挿入面も接して、ねじの半径方向の負荷(ねじの干渉量などによって生じる)をも荷重面と挿入面とで支える必要がある。
【0016】
それには、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじが噛み合う際の、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじの半径方向の相対的な移動時に、テーパ雄ねじの頂面側及び底面側とテーパ雌ねじの底面側及び頂面側とで形成される隙間の大きさ(半径方向の移動可能量)が、ねじの山幅と谷幅間のピッチライン上における軸方向隙間(通常は、荷重面が接しているから、ねじの締め込み初期には挿入面側に生じる隙間に相当する)をねじ締め込みの過程で0(ゼロ)にしてしまうほどのものでないといけない。
【0017】
つまり、ねじの山と谷との間の軸方向隙間は、ねじが台形ねじであれば、ねじの締め込みの過程でねじ山が谷へ入り込むことから、順次減少して狭くなってゆき、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじの半径方向の相対移動が止まればその減少は止まる。従って、この噛み合いによるピッチライン上における軸方向隙間の減少量が元々の挿入面での軸方向隙間よりも大きければよいことになる。
【0018】
このピッチライン上における軸方向隙間の減少量の最大値は、ねじ荷重面の角度αとねじ挿入面の角度βおよび「ねじの上下隙間L」に関係し、L・(tanα+tanβ)で表され、この値が元々の挿入面のピッチライン上における軸方向隙間δよりも大きければよいことになる。
【0019】
この関係はねじの山幅(ねじの谷幅)が一定であることが必ずしも必要ではなく、一定割合で増加又は減少する場合や、また、ねじ山高さ(ねじ谷深さ)が一定割合で増加又は減少する場合にも適用可能である。また、荷重面と挿入面の形状が雄ねじと雌ねじ間で異なっていても、前記軸方向隙間δを挿入面間の隙間の最小値にとれば同じ関係が成立する。
【0020】
また、テーパねじの締結には、前述のねじ干渉量を必要とすることが一般的であり、かつ、このねじ干渉量の与え方も雄ねじおよび雌ねじの各ピッチラインが一致した時点を干渉の開始点とすることが一般的であることから、このような場合には、上記雄ねじおよび雌ねじ間の半径方向の移動可能量L'(=「ねじの上下隙間L」) はこのねじ干渉量を減少させる作用を持つ。従って、実質ねじ干渉量(H')は(H−2L')となる。つまり、このような場合、干渉量Hと半径方向移動可能隙間L' との間にはH>2L' の関係が必要である。
【0021】
ねじ干渉量を大きく取りすぎると雌ねじ側に過大な周方向の引張応力が生じることになり、それを避けるため通常ねじ込みトルクを制限するか、ねじ込み位置を制限する(ストッパーも具体例の一つ)方法がとられている。いずれにせよ、本発明において干渉量の制限は(H−2L' )にて検討・設定すればよい。この場合、Lとδとの関係はねじ干渉量の設定値Hで制限を受けることになる。
【0022】
それらの関係は次式により表わされる。
H>2L
本発明のテーパねじ継手は、このような考え方によって構成されたものであり、互いに螺合するテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ山形状が、完全ねじ部全長にわたって一定の断面を有するもので、「ねじの上下隙間L」(mm)と、荷重面角度α(°)及び挿入面角度β(°)と、互いに噛み合うテーパ雄ねじの山幅とテーパ雌ねじの谷幅の差すなわちねじ幅方向にわたって生じ得る軸方向隙間δ(mm)との間に、
δ≦L・(tanα+tanβ)
の関係を有するものである。なお、上記した関係式において、ねじ荷重面角度α(°)と、ねじ挿入面角度β(°)は、ねじ山の中心向き、つまり、互いに向き合う方向を正とする。また、δは加工公差をも含めたとり得る値を示す。
【0023】
なお、これらの関係は、ねじ山高さは一定で、ねじの山幅、つまり、ねじ山幅が両者共通の一定割合で漸増又は漸減する可変ねじ山幅であるか、或いは、ねじ山高さのみ両者共通の一定割合で漸増又は漸減する可変ねじ山高さであるテーパ雄ねじとテーパ雌ねじにも適用可能である。
【0024】
以下、本発明のテーパねじ継手が採用する関係を図1を用いて説明する。
図1(a)はテーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2のピッチ線1a,2aが一致した状態を示している。この状態を、ねじ締結の初期状態として、テーパ雄ねじ1のねじ頂面1bとテーパ雌ねじ2のねじ底面2bとの隙間L1 (mm)、テーパ雄ねじ1のねじ底面1cとテーパ雌ねじ2のねじ頂面2cとの隙間L2 (mm)、これらの隙間L1 、L2 の内の何れか小さいほうの隙間の値(以下、「上下隙間」という。)L(mm)、荷重面1d,2dの角度α(°)、挿入面1e,2eの角度β(°)、テーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2の互いに噛み合う山幅と谷幅の差、すなわち、ねじ幅方向にわたって生じ得る軸方向隙間δ(mm)はそれぞれ初期値であり、図面寸法上にて加工公差も含めて算出される値である。
【0025】
図1(a)の状態から更にテーパ雌ねじ2に対するテーパ雄ねじ1の締め込みが続くと、荷重面1d,2dでテーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2はせり合っている故にテーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2は荷重面ですべりつつ相対的に半径方向に移動し、ねじ頂部と底部間の各々の隙間L1 、L2 が減少する。また、軸方向隙間δも減少することになる。
【0026】
そして、更にテーパ雌ねじ2に対するテーパ雄ねじ1の締め込みが進んで、上下隙間Lが先になくなれば、ねじ幅方向における軸方向隙間δが残ったままテーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2の径方向の相対移動(荷重面1d,2dでのせり上げ)は不可能になり、以後の締め込みには、テーパ雄ねじ1、テーパ雌ねじ2共に径方向に変形を生じつつ、それに相当する高い締め付けトルクが必要になる。そして、予め設定されたトルクまで、または、相対位置まで締め込んだところで、締結の終了となる。
【0027】
しかしながら、この場合には、ねじ幅方向においてはわずかでも軸方向隙間δが存在することになり、荷重面と挿入面の両面が接触する締結条件にはならない。これに対し、上下隙間Lが先に0(ゼロ)になるのではなく、軸方向隙間δが同時もしくは先に0(ゼロ)になれば、図1(b)に示したように、その時点で荷重面1d,2dと挿入面1e,2eの両面が接触する状態が得られる。
【0028】
ねじのピッチをP、ねじのテーパを1/Tとすると、テーパ雌ねじ2に対するテーパ雄ねじ1の相対的な1回転の締め込みにより、上下隙間Lと軸方向隙間δの変化量ΔLとΔδはそれぞれ、ΔL=P/2T、Δδ=(P/2T)・(tanα+tanβ)となる。
【0029】
そして、軸方向隙間δが上下隙間Lと同時もしくは先に0(ゼロ)になるには、(L/ΔL)≧(δ/Δδ)の関係が成立すればよい。従って、この関係にΔL=P/2T、Δδ=(P/2T)(tanα+tanβ)を代入すれば、δ≦L・(tanα+tanβ)が得られることになる。
【0030】
従って、上下隙間Lと、荷重面角度α及び挿入面角度βと、軸方向隙間δとの間に、δ≦L・(tanα+tanβ)の関係をもたせること及びねじ干渉量Hを設定する場合にはこのHと上下隙間Lとの間にH>2Lの関係をもたせることにより、いかなる場合にも、必ず荷重面と挿入面の両方が接触するねじ締結条件を得ることができる。
【0031】
図2は、この関係を表しており、、直線δ=L・(tanα+tanβ)より紙面右下(δが大きい)の条件であれば、ねじ締結後も挿入面に軸方向隙間δが残り、直線から離れるに従って、軸方向隙間δは大きくなる。一方、直線δ=L・(tanα+tanβ)も含めて、この関係式より紙面左上(δが小さい)の領域の条件、すなわち、下記の▲1▼式
δ≦L・(tanα+tan β) ・・・▲1▼
は、挿入面が接することを示し、直線から離れるに従って、その接触がねじ込みの早期に始まり、ねじ頂部に隙間を残しつつ (H−2L')のねじ干渉量をともなって固い接触となることを示し、耐圧縮性が大きくなる。
【0032】
なお、ねじ締結後の実質ねじ干渉量を与えるためには、
Figure 0003714199
であることが必要である。
【0033】
したがって、▲1▼式および▲2▼式より、
Figure 0003714199
であることが必要条件となる。
【0034】
また、継手の寸法のねじ上下間隔L、荷重面角度α、挿入面角度β、雄ねじの山幅と雌ねじの谷幅との軸方向隙間δとが、図2において、δ>L・(tanα+tan β) となる領域にあっても、雄ねじと雌ねじを十分な締結トルクで締結した場合に、存在すべき軸方向隙間δがなくなり、実質的に十分な耐圧縮性能を示す場合がある。
【0035】
例えば、トルクショルダー部を有するねじ継手の場合、締結条件がトルクショルダー部の軸方向の弾性変形の範囲内であれば、ピンリップ部の弾性変形にともなう歪に基づき、ねじの谷幅からねじの山幅を差し引いた値、すなわち軸方向隙間δが減少し、実質的に0となる場合があり得る。
【0036】
さらに、雄ねじと雌ねじを締結したときのねじの径方向の干渉量に基づき、軸方向隙間δが減少する場合がある。
これは、雄ねじと雌ねじとを締結したときのねじ干渉量により雄ねじが縮径変形し、雌ねじが拡径変形することにより、ポアソンの法則により、雄ねじは軸方向に伸び、雌ねじは軸方向に縮むからである。すなわち、雄ねじが軸方向に伸び、雌ねじが軸方向に縮むといった相対的変形により、雄ねじのねじの山幅と雌ねじの谷幅との隙間が減少することから、前記のδ=L・(tanα+tan β) により表される境界線の近傍においては、実質的に軸方向隙間δの値が0(ゼロ)となり得るからである。
【0037】
この場合の雄ねじの伸長量と雌ねじの短縮量との和は、継手を構成する管およびボックスの外径および肉厚などの寸法条件、材料の機械的性質ならびに締結時の実質ねじ干渉量の大きさにより影響される値であり、この和の量だけ、図2における適正範囲を示す境界線δ=L・(tanα+tan β) は、横軸(δ軸)方向に移動し、本発明における適正範囲は拡大する。
【0038】
【実施例】
本発明のテーパねじ継手の効果を、従来例や比較例の場合と比較して実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
荷重面と挿入面の両面接触ねじを製造するためには、例えば図3に示したように、現に噛み合っている状態においてピッチ径を合わせる等によって両面接触している状況を作図し、その後、各部の寸法を決めてもよい。その際、テーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2のねじ山形状を同一とすれば、更に寸法決定が容易となる。
【0039】
また、図4(a)、(b)や図5(a)、(b)に示したように、テーパ雄ねじ1とテーパ雌ねじ2を別々に設計・作図する場合には、同一基本形状寸法を定めた後、各部の寸法を決定してもよい。
【0040】
しかしながら、実際に製造するに際しては、加工上の寸法公差は必要不可欠であることから、基本寸法の決定に際し、加工公差を盛り込ませなければならない。
【0041】
ここに本発明の好適態様では、テーパねじ継手を構成するには、図3〜図5のいずれの場合においても、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ幅の相対的関係が同一であることから、例えば、上下隙間L(mm)、荷重面の角度α(°)、挿入面の角度β(°)を下記表1に示したような値とした場合、それぞれ軸方向隙間δの限界値(許容最大値)は、下記表2に示したような値となる。
【0042】
したがって、公差を含めたδの最大値をこの限界値以下に設定すればよい。
【0043】
【表1】
Figure 0003714199
【0044】
【表2】
Figure 0003714199
【0045】
これにより、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじの山幅、谷幅の公差を組合わせた値、すなわち、ねじ幅方向にわたって生じ得る軸方向隙間の最大値δが得られたことになる。また、逆に加工公差の限界より軸方向隙間の最大値δが例えば0.1mm必要であるとした場合、ねじ山の頂面と底面の隙間、すなわち「ねじの上下隙間L」の最小値は、本発明の関係式より、表3のような値となる。
【0046】
つまり、本発明の関係式を採用すれば、上下隙間Lから基準の軸方向隙間δの限界値、或いは、軸方向隙間の最大値δから基準の上下隙間Lの限界値を簡単に求めることができるようになる。
【0047】
【表3】
Figure 0003714199
【0048】
(実施例2)
本発明の関係式を満足する場合(サンプルNo.1)と満足しない範囲を含む場合(サンプルNo.2)を示す。サンプルNo.1とサンプルNo.2の場合における式に関係する各部の寸法及びL・(tanα+tanβ)は下記表4のとおりである。
【0049】
【表4】
Figure 0003714199
【0050】
表4に示した各部寸法を有するサンプルNo.1及びサンプルNo.2について、図2と同様の図面に表したものが、図6(a)、(b)である。
図6の斜線部分は公差を考慮した実現範囲であり、軸方向隙間δの最大値を0.06mm、最小値を0mmとし、また、ねじ上下隙間Lの最大値を0.15mm、最小値を0.1mmとした場合のものである。(L=0.10mm+0.05mm/−0.0mm、δ=0.03mm±0.03mm)。
【0051】
このサンプルNo.1を表わす図6(a)では、L・(tanα+tanβ)の値は0.0648〜0.0972mmの範囲であり、δの値は0.0〜0.06mmの範囲となる。またねじ干渉量が存在するためのL・(tanα+tanβ)の限界値は設定ねじ干渉量0.40mmに基づき、H・(tanα+tanβ)/2の値から0.1296mmとなる。
【0052】
従って、本発明の関係式を満足するサンプルNo.1の場合には、加工公差の全ての範囲にて、δ、L、α、βの関係が直線δ=L・(tanα+tanβ)より紙面左上側(δが小さい範囲)に存在し、常に荷重面と挿入面の両面接触となる。
【0053】
一方、本発明の関係式を満足しない範囲を含むサンプルNo.2を表わす図6(b)では、L・(tanα+tanβ)の値は0.0216〜0.0323mmの範囲であり、δの値はNo.1の場合と同様に0.0〜0.06mmの範囲となる。また、ねじ干渉量が存在するためのL・(tanα+tanβ)の限界値は、設定ねじ干渉量0.40mmに基づき、H(tanα+tanβ)/2により算出すると0.0431mmとなる。この値よりもL・(tanα+tanβ)の値が大きくなると、ねじ干渉量が実質的になくなる。
【0054】
従って、L、δの実際の値によっては、δ、L、α、βの関係が直線δ=L・(tanα+tanβ)より紙面左上側(δが小さい範囲)に存在して荷重面と挿入面の両方とも接する場合もありえるが、一部は紙面右下側(δが大きい範囲)に存在するのでこの場合には挿入面側に隙間を生じる。
【0055】
また、現実のねじでは軸方向隙間の値δに−(マイナス)側を含めて設定することも可能であり、その場合でも直線δ=L(tanα+tanβ)より左上側の領域(δが小さい領域)になる条件であれば常に荷重面と挿入面の両面接触となる。逆に右下側の領域(δが大きい領域)になる条件であれば挿入面側に隙間を生じるという状況は同じである。
【0056】
ただしδをマイナス側に設定することは実質ねじ干渉量H’がH−2δ/(tanα+tanβ)で表わされることからも判るように過大になる傾向が大きい。従って、予め設定値Hを小さくしておく必要があり、それはδのとり得る値の範囲により変わる。
【0057】
図2において、δ>L・(tanα+tan β) となる領域にあっても、雄ねじと雌ねじを十分な締結トルクで締結した場合に、存在すべき軸方向隙間δがなくなり、実質的に十分な耐圧縮性能を示す場合があることは既に述べたとおりである。ここで、δ≦L・(tanα+tan β) により表される関係で規定されるδの範囲に比べて、δのとり得る値の範囲の増加の程度を下記の計算により評価した。
(a) トルクショルダー部を有するねじ継手の場合:
ピンリップ部の先端がトルクショルダー部を構成し、ピンリップ部の長さが10mmである継手の場合、弾性変形内の歪が0.1〜0.2%であることを考慮すれば、図2において、δ≦L・(tanα+tan β) なる範囲よりも、δの値で0.01〜0.02mm大きい範囲まで、適正範囲が拡大すると期待される。
【0058】
すなわち、Dδ1 =0.01〜0.02mmとなる。
(b) 雄ねじ部と雌ねじ部の径方向の干渉に基づく幅方向の変形の場合:
雄ねじおよび雌ねじの干渉量をH、それぞれのねじのピッチ径(直径)をPD 、ねじの干渉によるピン部の縮径量をhp、ボックス部の拡径量をhb、ピン部およびボックス部の材質を同一とし、そのポアソン比を(1/m)とすると、軸方向の雄ねじおよび雌ねじの歪みεpおよびεbは、概略以下のように表わされる。
【0059】
εp=(hp/PD)・(1/m) ・・・(伸び)、
εb=(hb/PD)・(1/m) ・・・(縮み)
ここで、軸方向の全歪みはε=εp+εbであり、また、H=hp+hbであることから、軸方向の全歪みは下記式のように表される。
【0060】
ε=(H/PD)・(1/m)
したがって、ねじ1山当たりの軸方向の雄ねじの山幅と雌ねじの谷幅の減少量Dδ2 は、ねじピッチをPとすれば、次式のようになる。
【0061】
Dδ2 =(H/PD)・(1/m)・P
ここで、H=0.3mm、PD=176.5mm、P=5.08mm、1/m=0.3とすれば、
Dδ2 =0.0026mmとなる。
【0062】
なお、この値がねじ干渉量に比例することは言うまでもない。
(実施例3)
公称外径7インチ、公称肉厚0.408インチのAPI規格の鋼管及びボックス用素管(試験材材質;API5CT規格 N−80、降伏強度 601.72×106 Pa、抗折強度 725.2×106 Pa)を用いて、上記した実施例2におけるサンプルNo.1、No.2のねじ形状を備え、かつ同一テーパの特殊ねじ継手を製作した。メタルシール部およびトルクストッパー用ショルダー部の形状は全て同一とした。このようにして製作されたテーパねじ継手の性能を比較した。試験に供したねじの各条件は下記表5の通りである。
【0063】
【表5】
Figure 0003714199
【0064】
上記した各条件のねじを備えたテーパねじ継手を、それぞれテーパ雄ねじとテーパ雌ねじをトルク制限ストッパーに衝接後一定トルクを加える方法で締結した。ドープはAPI Modified規格の標準品を使用した。メイクアップ後、複合試験を施し、その後解体して検査した。
【0065】
複合試験は、図7に示すように、次の順序にて行った。
(1) 管体強度の95%まで引張荷重を負荷し(荷重点1)、この荷重を保持しつつ、内圧を負荷してVon Mises Ellipse(応力楕円)(VME)95%の条件に設定する(荷重点2)。
(2) VME95%の条件を保持すべく内圧を調整し、引張荷重を80%(荷重点3)、60%(荷重点4)、0%(荷重点5)と変化させる。更に、VME95%の条件を保持しつつ、圧縮荷重を50%(荷重点6)、90%(荷重点7)、100%(荷重点8)と負荷し、圧力0の単純圧縮条件にする。
(3) 軸力も一度零状態に戻す(荷重点9)。
(4) 管体強度の95%まで圧縮荷重を負荷し(荷重点10)、この95%負荷点よりVME95%の荷重条件を負荷しつつ、圧縮荷重を95%から90%(荷重点11)、50%(荷重点12)、0%(荷重点13)と減少させる。
(5) 同じくVME95%の荷重条件を負荷しつつ、引張荷重を60%(荷重点14)、80%(荷重点15)、95%(荷重点16)と負荷する。
(6) 内圧を下げ、単純軸力を95%(荷重点17)とし、次に軸力も下げて全負荷を除去する(荷重点18)。
(7) 上記した1〜6を再度繰り返す。
(8) なお、各荷重点での保持時間は原則として1箇所各15分であるが、荷重点1,8,9,10,17については1分である。
【0066】
試験結果を下記表6に示すが、本発明の関係式を満足するサンプルA,Bでは、何れも何ら問題なく良好にテストを終了できた。
【0067】
【表6】
Figure 0003714199
【0068】
一方、本発明の関係式を満足しないサンプルC,Dでは、圧縮負荷を受けた後の引張かつ内圧負荷条件下にてリークが発生した。これは、高い圧縮力に対し、ねじ継手が耐えられずにメタルシール部に近いショルダー部に変形が生じ、それが原因で引張荷重条件下ではリークにつながったものと考えられる。
【0069】
また、サンプルEはねじ要素はサンプルA,Bと同じであるものの、ねじ幅隙間のみ大きいので、サンプルC,Dと同じくリークにつながった。
またサンプルF、Gは、軸方向隙間δが−(マイナス)であるが、ねじ締結後の実質ねじ干渉量がサンプルA、Bと同レベルの値であり、複合テストも問題無く、良好な結果であったばかりでなく、焼付も生じなかった。つまり、軸方向隙間の値δが−(マイナス)であっても実質ねじ干渉量の値を調整することにより本発明の効果を得ることができる。
【0070】
本発明のテーパねじ継手は、上記した実施例の如く、ねじ近傍に雄ねじと雌ねじの噛み合い(ねじ込み)量を制限する目的のストッパーや、ねじ締結部でのシール性を確保するためのメタルシール部などを備えたものに限られることはなく、ねじのみの継手やねじにトルクストッパーのみ付いたもの、あるいはねじにメタルシール部のみ付いたもの等にも適用可能であることはいうまでもない。
【0071】
【発明の効果】
本発明のテーパねじ継手によれば、ねじの荷重面と挿入面とが常に接している構造のねじを簡便に製造することができる。そして、このことにより、引張力のみならず圧縮力にも十分な抵抗力を備えたねじを、その加工公差も踏まえて確実に提供することができる。従って、特にメタルシール部を備えた油井管用特殊ねじ継手においては大きな圧縮力を繰り返して経験しても、それがためにシール性を損なうことがない信頼性の高い継手を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテーパねじ継手が採用するねじ部を模式的に説明するもので、図1(a)はテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのピッチラインが一致した初期状態を示し、そして図1(b)は荷重面と挿入面が接した締め込み時の状態を示す模式的説明図である。
【図2】荷重面と挿入面の両方が接触するねじ締結条件を表したグラフである。
【図3】荷重面と挿入面の両面接触ねじを製造するために、現に噛み合っている状態においてピッチ径を合わせる等によって両面接触している状況を示した模式図である。
【図4】荷重面と挿入面の両面接触ねじを製造するために、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじを別々に設計・作図する場合を示し、図4(a)はテーパ雌ねじを示し、図4(b)はテーパ雄ねじを示す模式的説明図である。
【図5】荷重面と挿入面の両面接触ねじを製造するために、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじを別々に設計・作図する場合を示し、図5(a)はテーパ雌ねじを示し、図5(b)はテーパ雄ねじを示す模式的説明図である。
【図6】荷重面と挿入面の両方が接触するねじ締結条件を表わし、図6(a)は本発明の条件を満足する場合を示し、図6(b)は本発明の条件を満足しない範囲を含む場合を示す模式的説明図である。
【図7】複合試験において試験材に作用する荷重の説明図である。

Claims (10)

  1. 互いに螺合するテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ山形状が、完全ねじ部全長にわたって一定の断面を有するテーパねじ継手であって、下記式の関係を有することを特徴とするテーパねじ継手。
    δ≦L・(tanα+tanβ)
    ここに、
    L(mm): テーパ雄ねじのねじ頂面とテーパ雌ねじのねじ底面との隙間L1 (mm)若しくはテーパ雄ねじのねじ底面とテーパ雌ねじのねじ頂面との隙間L2 (mm)の何れか小さいほうの隙間の値、
    α(°) : 荷重面角度、
    β(°) : 挿入面角度、
    δ(mm): 互いに噛み合うテーパ雄ねじの山幅とテーパ雌ねじの谷幅の差またはテーパ雌ねじの山幅とテーパ雄ねじの谷幅の差の最大値。
  2. 前記のねじ底面とねじ頂面との隙間の値L(mm)および、前記ねじの山幅と谷幅の差δ(mm)が、それぞれ加工公差を考慮した最小値以上で最大値以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載のテーパねじ継手。
  3. 前記のねじの谷幅から山幅を差引いた値の公差を含めた値δ(mm)が負の値を有し、実質ねじ干渉量H’(mm)が、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじのいずれの部分においてもねじを構成する材料を降伏応力に達せしめない範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のテーパねじ継手。
  4. 互いに螺合するテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ山形状が、完全ねじ部全長にわたって一定の断面を有し、ねじ山底部から頂部にかけてねじの山幅が一様に減少するテーパねじ継手であって、下記式の関係を有することを特徴とするテーパねじ継手。
    δ≦L・(tanα+tanβ)
    L(mm): テーパ雄ねじのねじ頂面とテーパ雌ねじのねじ底面との隙間L1 (mm)若しくはテーパ雄ねじのねじ底面とテーパ雌ねじのねじ頂面との隙間L2 (mm)の何れか小さいほうの隙間の値、
    α(°) : 荷重面角度、
    β(°) : 挿入面角度、
    δ(mm): 互いに噛み合うテーパ雌ねじの谷幅からテーパ雄ねじの山幅を差引いた値またはテーパ雄ねじの谷幅からテーパ雌ねじの山幅を差引いた値。
  5. 前記のねじ底面とねじ頂面との隙間の値L(mm)および、前記ねじの谷幅から山幅を差引いた値δ(mm)が、それぞれ加工公差を考慮した最小値以上で最大値以下の範囲であることを特徴とする請求項4記載のテーパねじ継手。
  6. 前記のねじの谷幅から山幅を差引いた値δ(mm)が負の値を有し、実質ねじ干渉量H’(mm)が、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじのいずれの部分においてもねじを構成する材料を降伏応力に達せしめない範囲であることを特徴とする請求項4に記載のテーパねじ継手。
  7. 前記のねじの谷幅から山幅を差引いた値のδ(mm)が負の値を有し、実質ねじ干渉量H’(mm)が、テーパ雄ねじとテーパ雌ねじのいずれの部分においてもねじを構成する材料を降伏応力に達せしめない範囲であることを特徴とする請求項5に記載のテーパねじ継手。
  8. テーパ雄ねじとテーパ雌ねじとがメタルシール部を有するテーパねじ継手において、前記の実質ねじ干渉量H’(mm)が、メタルシール部の干渉量以下であることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のテーパねじ継手。
  9. 互いに螺合するテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ山形状が、完全ねじ部全長にわたって一定の断面を有し、ねじ山底部から頂部にかけてねじの山幅が一様に減少するテーパねじ継手であって、下記の式で表される関係を満足することを特徴とするテーパねじ継手。
    δ≦L・(tanα+tanβ)+Dδ1
    ここで、Dδ1 は、δの減少時を正の値とする。
    L(mm): テーパ雄ねじのねじ頂面とテーパ雌ねじのねじ底面との隙間L1 (mm)もしくはテーパ雄ねじのねじ底面とテーパ雌ねじのねじ頂面との隙間L2 (mm)のいずれか小さいほうの隙間の値の加工公差を含めた値、
    α(°) : 荷重面角度、
    β(°) : 挿入面角度、
    δ(mm) : 互いに噛み合うテーパ雌ねじの谷幅とテーパ雄ねじの山幅を差引いた値またはテーパ雄ねじの谷幅からテーパ雌ねじの山幅を差引いた値の加工公差を含めた値、
    Dδ1 (mm): ねじの締め込みにより生ずるトルクショルダー部の衝接に起因するねじリップ部の軸方向の弾性変形に基づくδの減少量。
  10. 互いに螺合するテーパ雄ねじとテーパ雌ねじのねじ山形状が、完全ねじ部全長にわたって一定の断面を有し、ねじ山底部から頂部にかけてねじの山幅が一様に減少するテーパねじ継手であって、下記の式で表される関係を満足することを特徴とするテーパねじ継手。
    δ≦L・(tanα+tanβ)+Dδ2
    ここで、Dδ2 は、δの減少時を正の値とする。
    L(mm) : テーパ雄ねじのねじ頂面とテーパ雌ねじのねじ底面との隙間L1 (mm)若しくはテーパ雄ねじのねじ底面とテーパ雌ねじのねじ頂面との隙間L2 (mm)の何れか小さいほうの隙間の値の加工公差を含めた値、
    α(°) : 荷重面角度、
    β(°) : 挿入面角度、
    δ(mm) : 互いに噛み合うテーパ雌ねじの谷幅からテーパ雄ねじの山幅を差引いた値またはテーパ雄ねじの谷幅からテーパ雌ねじの山幅を差引いた値の加工公差を含めた値、
    Dδ2 (mm): ねじの締め込みに伴うねじの直径方向の弾性変形により生ずるねじの軸方向の弾性変形に基づくδの減少量。
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