JPS61286688A - 耐焼付性に優れた油井管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ピンの先端及びボックスの奥部に円錐形状の
メタル対メタルのシール部を有する油井管継手に関する
ものである。

〔発明の背景〕

原油を産出する井戸の深さは、数１０００ｍに及び近年
その深さは更に増大して１００００　ｍにも達する傾向
にある。このような井戸に竪て込まれる油井管は実大な
数にのぼるが、これらは総て管継手によって一連に接続
される。かかる管継手に対しては、各種の苛酷な力が作
用する。まず第１に管や管継手自体の重量が集積された
軸方向の引張力、第２に土庄による外周面への圧縮力、
第３に内部流体による内周面への押圧力その他である。

これらの力は、井戸の深化に伴って一層苛酷なものとな
ることはいうまでもない、このように次第に増大する苛
酷な条件下で使用し得る管継手にあっては、強大な引張
加重に耐え得ること及び確実な気密的シール性を保持で
きることが非常に重要である。それで、従来からこれら
の要求に応ずべ（多　　−くの提案がなされてきた。

〔従来の技術及びその欠点〕

以下は、従来の提案技術について検討する。強大な引張
加重に耐え得る技術は、継手部分のねじ部の形状、ピッ
チ等を改良することで満足する結果が得られている。ま
た気密的シール性については、ねじ部でのシールの偽に
テーパ状のリップ部を形成してメタル対メタルのシール
部を設けることで、ある程度のシール性を確保するよう
にしている。

ところが、メタル対メタルのシール部にあっては、締付
時のゴーリング（焼付）の問題がある。

通常、油井管と継手のシール部には、１００〜１５０ｋ
ｇ　／　ｔｓ　２の高面圧が加えられておＤ、締結時に
シール部の潤滑が不足するとゴーリングが発生し易い。

このゴーリングが発生するとシール不良の原因となＤ、
管継手全体としての気密的シール性に対する信頼性が失
われ、原油若しくはガス漏れ等の事故に至ることがあっ
た。このようなゴーリングの多くは、第５図に示す如く
、パワータイト締付開始時に、ビン１の先端２面１８部
とボックス２のテーパ始端側に形成された２面２８部と
が端面接触することで発生する。その発生メカニズムは
、ビン１のテーパ部１ｂの外径をボックス２のテーパ部
２ｂの内径よりも大きくして所定の締め代Ｘを設定する
ことで、メタル対メタルシール部の高面圧を得るように
しているからであＤ、その場合の端面接触が局部的なも
のとなＤ、接触面圧が局部的に過大となるからである。

なお、メタル対メタルのシールは、上記ビン１とボック
ス２の各テーパ部１ｂ、　２ｂによる部分がメインシー
ルであＤ、ビン１の先端面１ｃとボックス２の奥部端面
２Ｃとによる部分がサブシールである。

また第６図に示す如く、テフロンリング３をボックス２
の雌螺子部４の途中に設置する管継手にあっては、テフ
ロンリング３が締結時に螺合状態のビン１の雄螺子部５
とボックス２の雌螺子部４との間に流動し、ビン１が偏
心して前記８面１８部と２ａ部との端面接触の機会が多
くなるという欠点があった。これは、ボックス２のリン
グ溝６とテフロンリング３との摩擦係数よりも、ビン１
とテフロンリング３との摩擦係数の方が太き（なＤ、テ
フロンリング３がビン１に引っ張られるという形で雌雄
螺子４．５間へ流動することに起因するものである。

本発明は従来の上記欠点に鑑みてこれを改良除去したも
のであって、パワータイト締付開始時にピン先端とボッ
クスとが端面接触することのない耐焼付性に優れた油井
管継手を提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、ビンの先端及びボックスの奥部にテーパ状の
メタル対メタルシール部を有する油井管継手において、
前記シール部の長さについてビンはその先端側ヘボソク
スはその奥部へ夫々所定のテーパを保持したまま寸法り
だけ延長することとし、ビンの最小外径をＤ、ボックス
のテーパ部最大内径をｄ、テーパに基づく傾斜角をαと
するとき、Ｌ≧（Ｄ−ｄ）　／ｔａｎ　ｔｘの関係を満
足し、パワータイトの締付開始時ｌニビン先端とボック
スとが端面接触しないようにしている。

〔作　用〕

本発明の作用は、第１図及び第２図の実施例で明らかな
如く、ビン１１の長さはその先端側へ寸法りだけ延長さ
れておＤ、またボックス１２の長さはその奥部へ同寸法
りだけ延長されている。このため、パワータイト締付開
始時にあって、と７１１の先端Ｒ面１１ａは、ボックス
１２のテーパ始端部と接触するようになＤ、両者が端面
接触することはない。従って、局部的に接触面圧が過大
となることがなく、パワータイト締付開始時のゴーリン
グ発生を防止することが可能である。

以下に本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて説明
すると次の通りである。

Ｃ実施例〕 第１図は、本発明を通用してなる管継手の一部を示すパ
ワータイト締付開始時の半縦断面図、第２図はその締付
完了時を示す半縦断面図である。

第１図に示す如く、ビン１１はパワータイト締付開始時
にあって、その先端Ｒ面１１ａ部がボックス１２のテー
パ部１２ｂと接触するようになされている。

これは、第１図及び第４図に示すように、ビン１１の長
さをその先端方向へ所定寸法したけ延長することによっ
て達成される。そして、この延長寸法Ｌの分だけ、ボッ
クス１２の長さをその奥部へ延長している。これは、ピ
ン１１のテーパ部１１ｂと、ボックス１２のテーパ部１
２ｂとによるメインシール部の高面圧状態での接合及び
接合面のを動領域Ａを確保しなければならないからであ
る。延長方向は、それぞれ上述の場合だけに限定され、
それ以外の方向への延長の組合せでは、メインシール部
の高面圧状態での接合が得られないか若しくはピン１１
とボックス１２の雌雄螺子部の有効長さを確保すること
ができない。そのため、シール性が失われると共に、管
口体の荷重等に耐え得なくなＤ、油井管としての使用は
事実上不可能である。

ピン１１とボックス１２の長さを寸法りだけ延長した理
由は、次の通りである。すなわち、このような油井管継
手では、テーパ部１１ｂとテーパ部１２ｂとのメインシ
ール部において、高面圧を得るために第３図に示す如く
、ピン１１とボックス１２との間に所定の締め代（公差
を含む）Ｘを確保している。

尚、第３図の鎖線で示すピンは、締め代Ｘを表すために
、単にボックス１２へ重ねた場合のものである。これは
前述したように、従来から行われている油井管継手の常
套技術である。然しなから、該締め代Ｘを確保し、前記
メインシール部の高面圧状態での接合領域Ａを得る関係
では、寸法りだけ延長する前の状態（第４図の鎖線及び
第３図はこの状態であＤ、従来技術に相当する）では、
ピン１１の最小外径りがボックス１２のテーパ部最大内
径ｄよりも大きくなる。このような管継手のパワータイ
ト締付開始時にあって、ピン１１の先端８面１１ａとボ
ックス１２のテーパ部１２ｂの始端側に形成された２面
１２ａとが端面接触し、ゴーリングを発生することもま
た前述した通りである。

そこで本実施例では、ピン１１とボックス１２の端面接
触を避けるためにピン１１の長さを、ＡＰＩ規格等に定
める所定のテーパ角を保持したまま所定寸法りだけその
先端側に延長すると共に、ボックス１２の長さを同寸法
りだけその奥部へ延長し、延長後のピン１１の最小外径
ＤＩをボックス１２のテーパ部最大内径ｄｉ以下として
いる。前記延長寸法りは、次式により求めることが可能
である。

Ｌ≧　（Ｄ−ｄ）／　　ｔａｎα　　・−−・・（１）
但し、Ｄ：ピンの延長前の最小外径 ｄ：ボックスの延長前のテーパ部最 大内径 α：テーパに基づく傾斜角 前記（１）式の根拠は、第４図の△ａｂｃに着目すれば
一目瞭然である。この場合、角度ａｃｂはテーパに基づ
く傾斜角であＤ、辺ａｂは締め代ＸであＤ、辺ｂｅは延
長すべき寸法りである。従って、ｔａｎα−Ｘ／Ｌの式
が成立し、これを展開すると前記（１）式となる。

上述のようにして延長されたピン１１とボックス１２と
にあっては（第４図の実線参照）、ピン１１の先端８面
１１ａがボックス１２のテーパ部１２ｂの始端側に接触
し、端面接触を避けることが可能である。

このため、パワータイト締付開始時にあって、ピン１１
の先端８面１１ａは円滑な面接触となＤ、局部的に接触
面圧が過大となってゴーリングが発生することはない、
すなわち、メタル対メタルのシール性を長期間にわたっ
て維持することが可能であＤ、油井管継手の繰り返し使
用頻度を増大させることができる。

次に示す第１表は、本発明に係る油井管継手と従来技術
の油井管継手（まるつき数字の番号）とのパワータイト
試験結果を示すものである。尚、本発明品及び従来品共
に、ピンとボックスにそれぞれ燐酸Ｍｎ処理を施し、ス
レッドコンパウンドをその都度塗布して行った。パワー
タイトの回転速度は５ｒｐｍ、締付トルクはＮｏ、１〜
３の場合が５００Ｋｇｆ／鶴２、Ｎｏ、４〜６の場合が
９００Ｋｇｆ／ｍ２、Ｎｏ、７〜９の場合が１２００Ｋ
ｇｆ　／　ｔｍ　２である。

（以下余白、次頁へ続く） この第１表によれば、従来品の管継手ではいずれの場合
も２〜３回でゴーリン４゛が発生しているのに対し、本
発明品の管継手ではいずれの場合も２０回以上となって
いる。なお、２０回以上とは２０回以降の試験を行わな
かったことを意味する。この実験結果からも本発明の技
術が如何に優れているかが明らかである。

ところで、本発明は上述の実施例に限定されるものでは
なく、広範囲の使用が可能である０例えば、テフロンリ
ングをボックス１２の雌雄螺子部へ装着して該螺子部間
のシール性をも向上させた管継手への通用も可能である
。この場合にはテフロンリングが前記雌雄螺子部間へ流
動することがあっても、前述の要領でピン１１とボック
ス１２の端面接触を回避し、ゴーリングの発生を防止す
ると共に、ピン１１とボックス１２の端面接触の機会を
少なくすることが可能である。更に、本発明の技術がイ
ンテグラル式管継手及びカンブリング式管継手であって
も通用可能であることはいうまでもないことである。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明にあっては、油井管継手のパ
ワータイト締付開始時のゴーリング発生を防止すること
ができ、気密的シール性が損なわれることはない、また
ゴーリングの発生がないので、繰り返し使用頻度の増大
が得られ、油井管の準備及び輸送１作業性、経済性等に
おいて非常に有意義である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明に係るものであＤ、第１図は
管継手の一部を示すパワータイト締付開始時の半縦断面
図、第２図はその締付完了時を示す半縦断面図、第３図
は延長理由を説明するための従来技術に相当する管継手
の一部を示すパワータイト締付開始時の半縦断面図、第
４図は第３図の部分拡大図、第５図及び第６図は従来技
術に関するものであＤ、第５図は管継手の一部を示すパ
ワータイト締付開始時の半縦断面図、第６図はテフロン
リングを用いるタイプの管継手の一部を示す軍縮断面分
解図である。 １１・・・ピン　　　　　　１２・・・ボックス１１ｂ
・・・ピンのテーパ部 １２ｂ・・・ボックスのテーパ部 特許出願人　　　住友金属工業株式会社代　理　人　　
　弁理士　内田敏彦 第１図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、ピンの先端及びボックスの奥部にテーパ状のメタル
   対メタルシール部を有する油井管継手において、前記シ
   ール部の長さについてピンはその先端側へボックスはそ
   の奥部へ夫々所定のテーパを保持したまま寸法Ｌだけ延
   長することとし、ピンの最小外径をＤ、ボックスのテー
   パ部最大内径をｄ、テーパに基づく傾斜角をαとすると
   き、Ｌ≧（Ｄ−ｄ）／ｔａｎαの関係を満足し、パワー
   タイトの締付開始時にピン先端とボックスとが端面接触
   しないようにしたことを特徴とする耐焼付性に優れた油
   井管継手。