JP3714170B2 - オンラインショッピング決済方法及びそのシステム並びにオンラインショッピング決済プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオンラインショッピングの決済システムに関し、特にユーザがWEBショップに支払うべき料金の徴収を通信事業者が代行するようにしたオンラインショッピング決済システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のインターネットの急速な普及により、各家庭に設置したパーソナルコンピュータ等からWEBショップをアクセスすることにより手軽にオンラインショッピングが行えるようになってきた。WEBショップで買物をした場合、その代金を支払う必要があるが、その決済方法としては専らクレジットカードが利用されている。この場合、ユーザが商品の購入時にクレジットカード番号をWEBショップに通知し、WEBショップがカード会社に料金を請求し、カード会社がユーザの銀行口座から引き落とす方式で行われている。
【0003】
しかし、クレジットカードによる決済方法は、クレジットカード情報が公衆ネットワーク上を流れるために悪意者によって盗聴される危険性がある。またWEBサイトに進入した悪意者によって個人のクレジットカード情報が不正に入手される等の問題があり、実際に社会問題にもなっている。更に、良く知らないWEBサイトに対して自己のクレジットカード番号を提供することに抵抗を感じるユーザも多い。この為、クレジットカードに代わる新たな決済方法の実現が望まれている。
【0004】
クレジットカードを用いない決済方法としては、従来より以下のようなものが提案されている。
【0005】
その1つは、特開平9−153964号公報に記載された方法で、サービス提供者よりインターネットを介してユーザに提供される情報やサービスに対する請求書の送付を、この請求書送付目的のためにサービス提供者と関連した900ナンバーに請求書送付電話呼をかけることにより手配するものである。以下、この方法を第1の従来技術と呼ぶ。
【0006】
他の方法は、特開平9−282367号公報に記載された方法で、会員がネットワークを通じて自己のID番号により加盟販売店に商品の購入を申し込むと、加盟販売店からその連絡を受けた購入斡旋業者がEメールにて会員に購入の意思を確認した後に加盟販売店にEメールにて販売承認を通知し、加盟販売店は会員に商品を提供し、金融機関は購入斡旋業者から立替え払いのデータを受信して加盟販売店の口座に立替え払いをすると共に購入斡旋業者からの引き落としデータに基づいて会員の口座から購入斡旋業者の口座へ購入代金を引き落とすものである。以下、この方法を第2の従来技術と呼ぶ。
【0007】
他方、ユーザ同士の決済を通信事業者が代行する決済方法として、特開平11−313058号公報に記載された技術が知られている。これは、或るユーザが送金先のID及びメールアドレスと送金金額と送金元のID及びメールアドレスとを記述した送金要求メールをネットワーク経由で通信事業者の料金徴収センタに送信すると、料金徴収センタが、通信料金の請求時、送金元のユーザに対しては送金金額を加算して請求し、送金先のユーザに対しては送金金額を減じて請求するものである。以下、この方法を第3の従来技術と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
クレジットカードを用いない決済方法が上述したように各種提案されているが、何れの方法も手続きが複雑化するという課題がある。例えば第1の従来技術では、請求書送付電話呼といった特別な手続きをユーザが行う必要があり、第2の従来技術では、事前に購入斡旋業者にユーザ登録しておく手間がかかると共に、個々の商品の購入時にユーザ及び加盟販売店のそれぞれは購入斡旋業者とEメールをやりとりしなければならない煩わしさがある。また、第3の従来技術をユーザとWEBショップとの間の決済に応用した場合、ユーザは各商品の購入毎にWEBショップを送金先とする送金要求メールを出す必要がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、クレジットカードを用いず且つ簡便な手続きでオンラインショッピングが楽しめる新規なオンラインショッピング決済方法及びそのシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のオンラインショッピング決済方法は、ユーザ端末からオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票の双方を、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供しその代償として通信料金を徴収している通信事業者で検出し、注文伝票と注文確認伝票のペアが揃っている取引に関し、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに支払うべき料金の徴収を前記通信事業者が代行する。
【0011】
より具体的には、本発明の第1のオンラインショッピング決済方法は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使って前記注文伝票及び前記注文確認伝票を前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済方法であって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備えた加入者認証手段が、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断するステップと、
注文伝票監視手段が、前記インターネットサービスプロバイダから前記インターネットに出ていくパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文伝票として検出し、前記インターネットから前記インターネットサービスプロバイダに入ってくるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文確認伝票として検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出するステップと、
注文伝票記録手段が、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録するステップと、
支払・請求手段が、前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算するステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明の第2のオンラインショッピング決済方法は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票を予め定められた中継点で中継して前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済方法であって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備えた加入者認証手段が、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断するステップと、
注文伝票監視手段が、前記中継点で中継される注文伝票及び注文確認伝票を検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出するステップと、
注文伝票記録手段が、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録するステップと、
支払・請求手段が、前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
また本発明の第3のオンラインショッピング決済方法は、第1または第2のオンラインショッピング決済方法において、前記加入者認証手段は、前記ユーザ端末が前記インターネットサービスプロバイダに接続されている間、前記ユーザ端末に対して前記インターネットサービスプロバイダから付与されたIPアドレスと前記加入者回線番号との対応をIP・加入者対応テーブルに記憶し、
前記注文伝票記録手段は、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票の内、発IPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文伝票、及び前記注文伝票監視手段で検出された注文確認伝票の内、送り先のユーザ端末のIPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文確認伝票は記録しないことを特徴とする。
【0014】
また本発明の第4のオンラインショッピング決済方法は、第3のオンラインショッピング決済方法において、前記注文伝票記録手段が注文伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文伝票を前記WEBサーバへ届けず、前記注文伝票記録手段が注文確認伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けないことを特徴とする。
【0015】
また本発明の第5のオンラインショッピング決済方法は、第3のオンラインショッピング決済方法において、前記注文伝票記録手段において注文伝票及び注文確認伝票を記録する、記録しないに関係なく、前記注文伝票監視手段は注文伝票を前記WEBサーバへ届け、注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けることを特徴とする。
【0023】
他方、本発明のオンラインショッピング決済システムは、ユーザ端末からオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を記録する注文伝票記録手段と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供しその代償として通信料金を徴収する通信事業者用の手段であって、前記注文伝票記録手段に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに支払うべき料金の徴収を代行する決済手段とを備えている。
【0024】
より具体的には、本発明の第1のオンラインショッピング決済システムは、ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使って前記注文伝票及び前記注文確認伝票を前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムであって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段と、
前記インターネットサービスプロバイダから前記インターネットに出ていくパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文伝票として検出し、前記インターネットから前記インターネットサービスプロバイダに入ってくるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文確認伝票として検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段と、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
また本発明の第2のオンラインショッピング決済システムは、ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票を予め定められた中継点で中継して前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムであって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段と、
前記中継点で中継される注文伝票及び注文確認伝票を検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段と、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
また本発明の第3のオンラインショッピング決済システムは、第1または第2のオンラインショッピング決済システムにおいて、前記加入者認証手段は、前記ユーザ端末が前記インターネットサービスプロバイダに接続されている間、前記ユーザ端末に対して前記インターネットサービスプロバイダから付与されたIPアドレスと前記加入者回線番号との対応を記憶するIP・加入者対応テーブルを備え、
前記注文伝票記録手段は、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票の内、発IPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文伝票、及び前記注文伝票監視手段で検出された注文確認伝票の内、送り先のユーザ端末のIPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文確認伝票は記録しない構成を備えることを特徴とする。
【0027】
また本発明の第4のオンラインショッピング決済システムは、第3のオンラインショッピング決済システムにおいて、前記注文伝票記録手段が注文伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文伝票を前記WEBサーバへ届けず、前記注文伝票記録手段が注文確認伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けない構成を備えることを特徴とする。
【0028】
また本発明の第5のオンラインショッピング決済システムは、第3のオンラインショッピング決済システムにおいて、前記注文伝票記録手段において注文伝票及び注文確認伝票を記録する、記録しないに関係なく、前記注文伝票監視手段は注文伝票を前記WEBサーバへ届け、注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届ける構成を備えることを特徴とする。
【0029】
また本発明の加入者認証装置は、ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断することを特徴とする。
【0036】
【作用】
本発明のオンラインショッピング決済方法及びそのシステムにあっては、オンラインショッピングを行うためにユーザ端末がWEBサーバに注文伝票を送り、またその受領確認のためにWEBサーバからユーザ端末に注文確認伝票を送ると、それらがユーザ端末に対して通信サービスを提供している通信事業者で検出される。このため通信事業者は、ユーザ端末とWEBサーバ間で行われるオンラインショッピング取引を、ユーザ及びWEBショップに注文伝票、注文確認伝票の授受以外の手続きを強いることなく把握できる。そして、注文伝票と注文確認伝票のペアが揃っている取引に関し、通信事業者がユーザ端末からWEBサーバに支払うべき料金の徴収を代行することにより、クレジットカードを用いず且つ簡便な手続きでオンラインショッピングが楽しめる。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1は本発明の概略構成図である。図1において、ユーザ端末1は、家庭等に設置されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、このユーザ端末1を使用してユーザはオンラインショッピングを行う。WEBサーバ2は、ユーザ端末1に対してオンラインショッピングサービスを提供するワークステーション等の情報処理装置である。これらユーザ端末1とWEBサーバ2とは、オンラインショッピング時、インターネットや電話網等のネットワーク3を介して相互に接続される。一般にユーザ端末1及びWEBサーバ2は複数存在するが、図1では説明の簡略化のためにそれぞれ1台だけ図示している。
【0039】
決済システム4は、ユーザ端末1が加入者として加入している通信事業者のシステムであり、当該通信事業者がユーザ端末1に対して提供した通信サービスにかかる通信料金の請求機能に加えて、ユーザ端末1がWEBサーバ2に支払うべきオンラインショッピング料金の徴収を代行する。つまり、オンラインショッピングにかかる料金をユーザ端末1のユーザから徴収し(図1の8)、WEBサーバ2に支払う(図1の7)。この代行のために決済システム4は、ユーザ端末1からWEBサーバ2に出される注文伝票5及びこの注文伝票5の受領確認のためにWEBサーバ2からユーザ端末1に出される注文確認伝票6の双方を検出している。そして、オンラインショッピング料金の徴収の代行は、注文伝票5と注文確認伝票6のペアが揃っている取引に関してのみ実施する。
【0040】
注文伝票5及び注文確認伝票6を決済システム4で検出する具体的な方法は幾つか考えられる。その一つは、ユーザ端末1からネットワーク3経由でWEBサーバ2に送られるパケット及びその逆にWEBサーバ2からネットワーク3経由でユーザ端末1に送られるパケットを、ユーザ端末1とWEBサーバ2との間の通信経路上の適切な箇所でモニタし、若し、注文伝票5及び注文確認伝票6にかかるパケットが現れたら、それを獲得する方法である。どのパケットが注文伝票5及び注文確認伝票6のパケットであるかは、例えば、注文伝票5及び注文確認伝票6のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使ってユーザ端末1とWEBサーバ2間で注文伝票5及び注文確認伝票6を送受信するように取り決めておけば、ユーザ端末1からWEBサーバ2方向へ流れるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを注文伝票5として検出でき、その逆方法に流れるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを注文確認伝票6として検出できる。パケットをモニタする場所は、一般にユーザ端末1はインターネットサービスプロバイダを通じてインターネット接続を行うので、インターネットサービスプロバイダとネットワーク3との間に設定するのが望ましい。また、パケットをモニタしている装置にファイアウォール的機能を持たせ、不正な注文伝票5や注文確認伝票6がWEBサーバ2やユーザ端末1に流れないようにしても良いし、そのようなファイアウォール的機能を持たせないようにしても良い。
【0041】
注文伝票5及び注文確認伝票6を決済システム4で検出する他の方法として、注文伝票5及び注文確認伝票6を中継する箇所を設定し、ユーザ端末1がWEBサーバ2に注文伝票5を送出する場合およびWEBサーバ2がユーザ端末1に注文確認伝票6を送出する場合、必ずその中継点を通すことである。ユーザ端末1及びWEBサーバ2が中継点の場所(ネットワーク上のアドレス)さえ知っていれば、中継点はネットワーク3上の任意の場所に設定できる。上述の方法と同様に、中継点にファイアウォール的機能を持たせ、不正な注文伝票5や注文確認伝票6をWEBサーバ2やユーザ端末1に中継しないようにしても良いし、そのようなファイアウォール的機能を持たせないようにしても良い。
【0042】
ユーザ端末1を使ってオンラインショッピングを行っているユーザが真正なユーザでない場合、そのユーザから出される注文伝票5に基づくオンラインショッピング取引は不正な取引なので、排除する必要がある。若し排除しなければ、真正なユーザから決済システム4が料金を徴収することになり、ユーザに多大な被害を与える。ユーザの認証方法として一般にパスワードが利用されているが、パスワードは一旦漏洩すると悪用される危険性がある。このため、パスワードによる認証に加えて他の認証方法も併用するのが望ましい。決済システム4では、ユーザ端末1の加入者回線の状態に基づくユーザ認証を併用することで、ユーザ認証の確度を高め、より安全なオンラインショッピングを実現している。
【0043】
以下、本発明の具体的な構成を幾つかの実施例を挙げて説明する。
【0044】
【第1の実施例】
図2は本発明を適用したオンラインショッピングシステムの一例を示すブロック図である。図2において、ユーザ端末11は、家庭等に設置されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、CPU、メモリ、キーボード、CRT、モデム等のハードウェア機器を備えると共にブラウザ22を含めて必要なソフトウェアがインストールされている。WEBサーバ15は、オンラインショッピングサービスを提供するワークステーション等の情報処理装置であり、CPU、メモリ、モデム等のハードウェア機器を備える共にサーバとして必要なソフトウェアがインストールされている。図2には、ユーザ端末及びWEBサーバはそれぞれ1台しか図示されていないが、一般には複数のユーザ端末及びWEBサーバが存在する。
【0045】
ユーザ端末11は、加入者回線17を通じて加入者交換機12に接続されている。この加入者回線17及び加入者交換機12は、ユーザ端末11を加入者とする通信事業者の所有にかかる通信網16の一部である。ユーザ端末11のユーザは、当該通信事業者に通信料金を支払い、その通信サービスを利用する。また、ユーザ端末11のユーザは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)13の加入者でもあり、インターネット網14経由でWEBサーバ15をアクセスする際には、ダイアルアップ接続によってISP13に接続し、ISP13の提供するインターネット接続サービスを利用する。
【0046】
決済システム20は、通信網16の通信事業者用の決済システムで、ユーザ端末11に対する通信料金の請求機能、ユーザ端末11がWEBサーバ15に支払うべきオンラインショッピング料金の徴収代行機能を有する。この決済システム20は、アカウント・加入者対応テーブル26及びIP・加入者対応テーブル27を有する加入者認証装置21、注文伝票監視装置23、WEBサーバIPテーブル28及び伝票記憶装置29を有する注文伝票記録装置24、伝票記憶装置29に接続された支払・請求装置25を主要部として備えている。このような決済システム20は、1台または複数台のワークステーション等のコンピュータとオンラインショッピング決済プログラムとで実現することができる。図2に示される記録媒体32は、CD−ROM、半導体メモリ、磁気ディスク等の機械読み取り可能な記録媒体であり、ここにオンラインショッピング決済プログラムが記録されている。記録媒体32に記録されたオンラインショッピング決済プログラムは、決済システム20を構成するコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に加入者認証装置21、注文伝票監視装置23、注文伝票記録装置24および支払・請求装置25を実現する。
【0047】
加入者認証装置21は、ISP13にダイヤルアップ接続してきたユーザ端末11が真正なユーザ端末か否かの認証を行う装置であり、本実施例の場合、ISP13からの依頼に基づきユーザ端末11の加入者回線17の状態に基づいてユーザ認証を行う。そのため、ISP13に接続されると共にユーザ端末11が直接収容されている加入者交換機12にも接続されている。また、アカウント・加入者対応テーブル26に、図3に示されるように、ISP13が各ユーザ端末11に割り当てたアカウント名と当該ユーザ端末の加入者回線番号との対応リストを事前に保持している。加入者認証装置21は、ISP13からユーザ端末11のアカウント名及びISP13の電話番号を受け取ると、アカウント・加入者対応テーブル26をアカウント名をキーに検索して該当する加入者回線番号を取得し、その加入者回線の状態を加入者交換機12に問い合わせ、その加入者回線がISP13の電話番号に電話中である場合に限って、真正なユーザ端末と認定し、その旨をISP13に通知する。その加入者回線がダイアルアップ中でないか、ダイアルアップ中であってもISP13以外の電話番号に電話をかけている場合には、真正なユーザ端末とは認定しない。ISP13は加入者認証装置21の認証結果も踏まえてユーザ認証を行う。
【0048】
ISP13においてユーザ認証が成功した場合、ISP13はユーザ端末11に対してIPアドレスを動的に割り当てるが、加入者認証装置21は割り当てられたIPアドレスをISP13から受け取り、図4に示されるように、ユーザ端末11のIPアドレスと加入者回線番号との対応をIP・加入者対応テーブル27に記録する。この記録は、ユーザ端末11がISP13に接続されている間中残され、接続が切断されると消去される。IP・加入者対応テーブル27に記録された真正なユーザ端末11のIPアドレスと加入者回線番号との対応は、その後のオンラインショッピング時における注文伝票、注文確認伝票の有効性判断に利用される。
【0049】
注文伝票監視装置23は、ISP13とインターネット網14との間に設けられており、オンラインショッピング時、ユーザ端末11からISP13経由でインターネット網14上のWEBサーバ15宛に出される注文伝票、及びその注文伝票の受領確認のためにWEBサーバ15からISP13経由でユーザ端末11に出される注文確認伝票を検出する機能を有する一種のパケットモニタ装置である。本実施例の場合、ユーザ端末11のブラウザ22が注文伝票をWEBサーバ15に送る場合、およびWEBサーバ15が注文確認伝票をユーザ端末11に送る場合、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング専用のポート番号に送信するよう事前に取り決められている。従って、注文伝票監視装置23は、ISP13とインターネット網14間を流れるパケットの中から前記の専用ポート番号を持つパケットを検出することで、注文伝票及び注文確認伝票の検出を行う。注文伝票監視装置23は、検出した注文伝票及び注文確認伝票を注文伝票記録装置24に伝達する。
【0050】
注文伝票記録装置24は、注文伝票監視装置23から伝達された注文伝票及び注文確認伝票の有効性を調べ、有効な注文伝票及び注文確認伝票だけを磁気ディスク装置等の伝票記憶装置29に記録する。注文伝票記録装置24は、注文伝票及び注文確認伝票の有効性を調べるために加入者認証装置21に問い合わせてIP・加入者対応テーブル27を利用したチェックを行う。具体的には、注文伝票の発IPアドレスに対応する加入者回線番号がIP・加入者対応テーブル27に登録されていない注文伝票、注文確認伝票の着IPアドレスに対応する加入者回線番号がIP・加入者対応テーブル27に登録されていない注文確認伝票は無効なものと判断する。また、WEBサーバIPテーブル28には、図5に示されるように、決済システム20が決済の代行を行うWEBサーバ15のIPアドレスのリストが事前に記憶されており、このWEBサーバIPテーブル28を使用したチェックも行う。具体的には、注文伝票の着IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されていない注文伝票、注文確認伝票の発IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されていない注文確認伝票は無効なものと判断する。
【0051】
支払・請求装置25は、伝票記憶装置29に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されているオンラインショッピング取引に関し、ユーザ端末11からオンラインショッピング料金を徴収し、WEBサーバ15へ料金を支払う。支払・請求装置25は、支払部30と請求部31とを含み、請求部31は、伝票記憶装置29に記録された注文伝票及び注文確認伝票に基づいてユーザ端末11から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金を計算し、ユーザ端末11に対する通信料金の請求時に併せて請求する。通信事業者は、通信料金の請求のためにユーザ端末11のユーザの氏名、住所、電話番号などを把握しているため、請求書はその把握している請求先に出される。ユーザからの料金の支払いは通信料金の支払いと同じ方法で、銀行口座引き落とし、最寄りの銀行やコンビニエンスストアからの支払い等の方法が利用される。また、支払部30は、伝票記憶装置29に記録された注文伝票及び注文確認伝票に基づいてWEBサーバ15に支払うべきオンラインショッピングにかかる料金を計算し、銀行振り込み等の方法で支払う。
【0052】
次に本実施例の動作を以下の順序で説明する。
(1)事前準備段階
(2)ユーザ端末11からISP13への接続段階
(3)ユーザ端末11とWEBサーバ15との間のオンラインショッピングの段階
(4)請求・支払い段階
【0053】
(1)事前準備段階
事前準備として、加入者認証装置21のアカウント・加入者対応テーブル26に、ユーザ端末11のユーザがISP13へのダイヤルアップ接続の際に使用するアカウント名とそのアカウント名が使用可能である加入者回線番号との組を図3に示したように登録しておく。この加入者回線番号は、一般にユーザ端末11が設置されたユーザの自宅の加入者回線番号となる。
【0054】
また、決済システム20による決済を利用するWEBサーバ15のIPアドレスを、図5に示したように注文伝票記録装置24のWEBサーバIPテーブル28に登録しておく。
【0055】
(2)ユーザ端末11からISP13への接続段階
この段階の処理フローを図6に示す。まず、加入者交換機12に収容される加入者回線17に接続されているユーザ端末11のモデムより、ISP13のアクセスサーバへのダイアルアップ接続を開始し(図6のステップS1)、ユーザ端末11をISP13に接続し(ステップS2)、その間にリンクを確立する(ステップS3)。リモートアクセスの手順としては、最も一般的なPPPによる接続を使用する。PPPの認証フェーズにて、ユーザ端末11からアカウント名及びパスワード(PAP方式の場合)を送信する(ステップS4)。通常、ISP13のアクセスサーバは認証サーバにユーザの認証要求を行ってパスワードによる認証を行うが(ステップS5)、本実施例ではパスワードによる認証が成功した場合、加入者認証装置21に対してユーザ端末11から入力されたアカウント名とISP13自身の電話番号を送信し(ステップS6)、以下のようにして加入者回線の状態によるユーザ認証も更に実施する。なお、加入者認証装置21にISP13の電話番号が事前に登録されている場合には、アカウント名だけをISP13から加入者認証装置21に送れば足りる。
【0056】
先ず、加入者認証装置21は、ISP13から受信したアカウント名でアカウント・加入者対応テーブル26を検索し、ダイアルアップ接続を許容する加入者回線番号を求める(ステップS7)。次に、加入者交換機12に対してその加入者回線の状態を問い合わせ(ステップS8)、その加入者回線の状態を受け取り(ステップS9)、回線状態に基づくユーザ認証を行う(ステップS10)。加入者交換機12は電子交換機であり、自機に収容された各加入者回線が発呼中か否か、発呼中であればどの電話番号に発呼しているかをメモリに保存しているので、そのメモリを参照して問い合わせに応じる。加入者認証装置21は、その加入者回線が未使用状態またはISP13以外と通話中であった場合は、認証失敗をISP13に返し、その加入者回線がISP13と通話中であれば認証成功をISP13に返す(ステップS11)。
【0057】
ISP13は、加入者認証装置21からの認証結果を踏まえて最終的なユーザ認証を行う(ステップS12)。つまり、パスワードによる認証が成功しても、加入者回線の状態に基づく認証が失敗していれば、ユーザ認証NGとし、双方の認証が成功した場合に限り、ユーザ認証OKと判断する。ユーザ認証NGと判断した場合、ISP13はユーザ端末11とのダイヤルアップ接続を切断する(ステップS13)。他方、ユーザ認証OKと判断した場合、ISP13はユーザ端末11にIPアドレスを動的にアサインし(ステップS14)、このアサインしたIPアドレスを加入者認証装置21へ通知する(ステップS15)。加入者認証装置21は、加入者回線番号とそれにアサインされたIPアドレスの対応をIP・加入者対応テーブル27に図4に示したように記憶する(ステップS16)。
【0058】
(3)ユーザ端末11とWEBサーバ15との間のオンラインショッピングの段階
この段階の処理フローを図7及び図8に示す。ユーザ端末11のユーザはブラウザ22を起動し(図7のステップS21)、WEBサーバ15にHTTPで接続してオンラインショッピングを開始する(ステップS22)。品物を注文する際、ユーザはブラウザ22から注文内容等を記述した注文伝票をTCPでWEBサーバ15宛に送信する(ステップS23)。この際、注文伝票のパケットの着IPアドレスはWEBサーバ15のIPアドレス、発IPアドレスはユーザ端末11のIPアドレスに設定し、宛先のポート番号は注文伝票及び注文確認伝票専用のポート番号(オンラインショッピング用ポート番号)に設定する。
【0059】
注文伝票監視装置23は、ISP13からインターネット網14へ出て行くパケットをモニタしており、オンラインショッピング用ポート番号のパケットを検出すると、そのパケットを注文伝票のパケットとして注文伝票記録装置24に伝達する(ステップS24)。また、本実施例では、注文伝票監視装置23にファイアウォール的機能を持たせているため、注文伝票監視装置23で注文伝票を一時的に記憶し(ステップS25)、注文伝票記録装置24から有効な注文伝票と判断された時点でWEBサーバ15に送り出すようにしている。なお、ISP13からインターネット網14へ出ていく注文伝票以外のパケットは、そのまま注文伝票監視装置23を通過する。
【0060】
注文伝票記録装置24は、注文伝票監視装置23から注文伝票を受け取ると次の2つのチェックを行う。先ず、受け取った注文伝票パケットの着IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されているか否かの着IPアドレスチェックを行う(ステップS26)。次に、そのパケットの発IPアドレスに対応して加入者回線番号がIP・加入者対応テーブル27に登録されているか否かの発IPアドレスチェックを行う(ステップS30)。このチェックのために注文伝票記録装置24は、発IPアドレスを加入者認証装置21に送り(ステップS27)、加入者認証装置21はその発IPアドレスでIP・加入者対応テーブル27を検索し(ステップS28)、その検索結果を注文伝票記録装置24に返す(ステップS29)。検索成功した場合、検索された加入者回線番号が返される。
【0061】
注文伝票記録装置24は、注文伝票パケットの発IPアドレスが加入者回線と対応を付けられる有効なものであり、且つ、着IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録された正規なIPアドレスであった場合、当該注文伝票は有効なものと決定し、それ以外の場合は異常な注文伝票と決定する(ステップS31)。異常な注文伝票の場合、注文伝票記録装置24は当該注文伝票を破棄し(ステップS32)、当該注文伝票を送信しないように注文伝票監視装置23に伝える。注文伝票監視装置23は一時的に記憶していた当該注文伝票のパケットを破棄する(ステップS33)。他方、有効な注文伝票の場合、注文伝票記録装置24は、当該注文伝票を伝票記憶装置29に記録し(ステップS34)、当該注文伝票を送信するように注文伝票監視装置23に伝える。注文伝票監視装置23は一時的に記憶していた当該注文伝票のパケットをWEBサーバ15に送信する(ステップS35)。WEBサーバ15はこの注文伝票を受信し、注文の受付を行う(ステップS36)。
【0062】
図9に注文伝票の例を示す。この例の注文伝票は、注文者の氏名と住所、注文日時、購入希望品目とその数量、その単価、および当該注文伝票を一意に識別するための注文伝票番号を含んでいる。
【0063】
図10に伝票記憶装置29の記録フォーマットの一例を示す。この例では、注文伝票及びそれに対応する注文確認伝票をペアにして記録するエントリ290が多数設けられ、各エントリ290は、注文伝票及び注文確認伝票を記録するエリア291、292に加えて、注文伝票番号、注文日時、発注元情報、発注先情報、管理情報を記録するエリア293〜297を有する。注文伝票番号のエリア293及び注文日時のエリア294には、注文伝票に記述された注文伝票番号及び注文日時を記録する。発注元情報のエリア295には、注文したユーザ端末11を特定する情報が記録され、例えば図7のステップS29により加入者認証装置21から通知された当該ユーザ端末11の加入者回線番号が記録される。発注先情報のエリア296には、注文先のWEBサーバ15を特定する情報が記録され、例えば注文伝票パケットの着IPアドレス(WEBサーバ15のIPアドレス)が記録される。管理情報のエリア297には、当該エントリ290に記録された注文伝票及び注文確認伝票にかかる取引に関し、ユーザに対して料金を請求済か否か、WEBサーバに対して料金を支払い済か否かを管理するフラグ等が記録される。
【0064】
次に、図8を参照して、WEBサーバ15が注文受付を行った後の動作について説明する。注文伝票を受け取ったWEBサーバ15は、注文伝票を確かに受け取ったことをユーザ端末11に通知するためにTCPで注文確認伝票をユーザ端末11に送信する(ステップS41)。この注文確認伝票は、受信した注文伝票のコピーを含み、付加的な情報としてWEBショップ名などの情報が含まれていても良い。注文確認伝票パケットの発IPアドレスはWEBサーバ15のIPアドレス、着IPアドレスはユーザ端末11のIPアドレスにそれぞれ設定し、宛先のポート番号はオンラインショッピング用ポート番号に設定する。
【0065】
注文伝票監視装置23は、インターネット網14からISP13へ入ってくるパケットもモニタしており、オンラインショッピング用ポート番号のパケットを検出すると、そのパケットを注文確認伝票のパケットとして注文伝票記録装置24に伝達する(ステップS42)。また、本実施例では、注文伝票監視装置23にファイアウォール的機能を持たせているため、注文伝票監視装置23で注文確認伝票を一時的に記憶し(ステップS43)、注文伝票記録装置24から有効な注文確認伝票と判断された時点でユーザ端末11に送り出すようにしている。なお、インターネット網14からISP13へ入ってくる注文確認伝票以外のパケットは、そのまま注文伝票監視装置23を通過する。
【0066】
注文伝票記録装置24は、注文伝票監視装置23から注文確認伝票を受け取ると次の3つのチェックを行う。先ず、受け取った注文確認伝票パケットの発IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されているか否かの発IPアドレスチェックを行う(ステップS44)。次に、そのパケットの着IPアドレスに対応して加入者回線番号がIP・加入者対応テーブル27に登録されているか否かの着IPアドレスチェックを行う(ステップS48)。このチェックのために注文伝票記録装置24は、着IPアドレスを加入者認証装置21に送り(ステップS45)、加入者認証装置21はその着IPアドレスでIP・加入者対応テーブル27を検索し(ステップS46)、その検索結果を注文伝票記録装置24に返す(ステップS47)。検索成功した場合、検索された加入者回線番号が返される。更に、注文伝票記録装置24は、当該注文確認伝票に対応する注文伝票が伝票記憶装置29に記録されているか否かの注文伝票存在チェックを行う(ステップS49)。これは、注文確認伝票に含まれる注文伝票のコピー中の注文伝票番号で図10に示したような記録フォーマットを持つ伝票記憶装置29を検索し、対応する注文伝票が記録されているエントリが存在するか否かを調べることにより行われる。
【0067】
注文伝票記録装置24は、注文確認伝票パケットの着IPアドレスが加入者回線と対応を付けられる有効なものであり、且つ、発IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録された正規なIPアドレスであり、且つ、対応する注文伝票が伝票記憶装置29に存在した場合、当該注文確認伝票は有効なものと決定し、それ以外の場合は異常な注文確認伝票と決定する(ステップS50)。異常な注文確認伝票の場合、注文伝票記録装置24は当該注文確認伝票を破棄し(ステップS51)、当該注文確認伝票を送信しないように注文伝票監視装置23に伝える。注文伝票監視装置23は一時的に記憶していた当該注文確認伝票のパケットを破棄する(ステップS52)。他方、有効な注文確認伝票の場合、注文伝票記録装置24は、当該注文確認伝票を伝票記憶装置29中の対応する注文伝票が記録されたエントリに記録し(ステップS53)、当該注文確認伝票を送信するように注文伝票監視装置23に伝える。注文伝票監視装置23は一時的に記憶していた当該注文確認伝票のパケットをユーザ端末11に送信する(ステップS54)。ユーザ端末11のブラウザ22はこの注文確認伝票を受信して表示する。これでユーザは注文が成立したことを確認できる。
【0068】
オンラインショッピングを終えたことにより、ユーザ端末11のユーザがダイアルアップ接続を切断すると(ステップS55)、ISP13は加入者認証装置21へ切断があったユーザのIPアドレスを通知する(ステップS56)。加入者認証装置21は、IP・加入者対応テーブル27から当該IPアドレスと加入者回線番号の対応を削除する(ステップS57)。
【0069】
(4)請求・支払い段階
通信事業者の支払・請求装置25の請求部31は、加入者に対して通信料金を請求する際、その加入者に対してオンラインショッピング料金も併せて請求する。1加入者当たりの処理例を図11に示す。
【0070】
先ず、当該加入者の加入者回線番号で伝票記憶装置29を検索し、図10のエリア295に同じ加入者回線番号が記録されており、且つ、エリア291とエリア292に注文伝票と注文確認伝票のペアが記録されており、且つ、エリア297の管理情報で未請求となっているエントリ290を全て抽出する(ステップS61)。次に、抽出したエントリ290毎に、そのエリア291に記録されている注文伝票中の単価と数量を掛け算して1取引当たりの請求額を求め、それを抽出したエントリ全てで合算して合計額を計算する(ステップS62)。そして当該加入者の通信料金と合算し(ステップS63)、請求書を作成する(ステップS64)。この請求書の作成時、今回請求したエントリ290のエリア297の管理情報を請求済に変更する。請求書には、合計請求額以外に、個々のオンラインショッピング取引の明細などが付記される。明細は記録された注文伝票に基づいて作成される。
【0071】
他方、支払・請求装置25の支払部30は、WEBサーバ15からオンラインショッピング料金の請求があったときに、伝票記憶装置29に記録された注文伝票及び注文確認伝票に基づいてWEBサーバ15に支払うべきオンラインショッピング料金を計算し、銀行振り込み等の方法でWEBサーバ15に支払う。取引単位で支払う場合を例に支払部30の処理例を図12に示す。
【0072】
WEBサーバ15から注文伝票番号を特定した請求が来ると、支払部30は、その注文伝票番号で伝票記憶装置29を検索し、図10のエリア293に同じ注文伝票番号を記録されているエントリ290を検索する(ステップS71)。次に、有効な請求か否かを判断する(ステップS72)。該当するエントリ290の検索が成功し、且つ、そのエントリ290のエリア296に記録された発注先情報のIPアドレスが当該請求元のWEBサーバ15のIPアドレスに一致し、且つ、エリア291とエリア292に注文伝票と注文確認伝票のペアが記録されており、且つ、エリア297の管理情報が未払いとなっていれば、当該請求は有効であり、それ以外は無効な請求と判断する。請求が有効な場合、該当するエントリ290のエリア291に記録されている注文伝票中の単価と数量を掛け算して支払い額を求め、その額をWEBサーバ15に支払い、エリア297の管理情報を支払い済に更新する(ステップS73)。勿論、一定の手数料を差し引いて請求するようにしても良い。他方、無効な請求の場合はその旨を請求元に通知する等のエラー処理を行う(ステップS74)。
【0073】
本実施例のオンラインショッピングシステムにおける品物と料金の流れを図13に示す。WEBショップはWEBサーバ15が受信した注文伝票に従って、品物をユーザに発送し、料金を通信事業者に請求する。通信事業者は、伝票記憶装置29に注文伝票と注文確認伝票の2枚が揃っているものについてWEBショップから請求されるとその料金を立て替え払いする。通信事業者は、電話料金の回収時に同時にWEBショッピングの料金も回収する。ユーザは、WEBショップから品物を受け取り、通信事業者にその料金を支払う。
【0074】
次に具体例を用いて本実施例の動作を説明する。
【0075】
ユーザ端末11のユーザに対してISP13から割り当てられたアカウント名を“masa”、ユーザ端末11の加入者回線番号を“001101260 ”とし、図3に示されるようにアカウント名“masa”と加入者回線番号“001101260 ”との対応が加入者認証装置21で認定され、アカウント・加入者対応テーブル26に登録されているものとする。また、WEBサーバ15のIPアドレスを“202.247.5.136 ”とし、図5に示されるように正規なIPアドレスとして注文伝票記録装置24のWEBサーバIPテーブル28に登録されているものとする。
【0076】
ユーザ端末11のユーザが、加入者交換機12に収容されている加入者回線17からISP13のアクセスサーバへのダイアルアップ接続を行うと、PPPの認証フェーズにてユーザ端末11からアカウント名“masa”とパスワードがISP13へ送信される。ISP13は加入者認証装置21にアカウント名“masa”を送信する。加入者認証装置21は、受信アカウント名から加入者回線番号“001101260 ”を図3のアカウント・加入者対応テーブル26から求め、その加入者回線の状態を交換機12へ問い合わせる。もし加入者回線“001101260 ”が未使用状態であったり、使用中であってもISP13のアクセスサーバ以外に接続していた場合は、イリーガルアクセスであると判断し、ISP13にそれを通知する。加入者回線“001101260 ”が使用中でISP13のアクセスサーバに接続したところであった場合、加入者認証装置21はISP13へ認証OKを返す。ISP13での認証がOKとなると、ISP13はユーザ端末11にIPアドレス“210.147.9.14”をアサインする。このIPアドレスをISP13は加入者認証装置21へ通知する。加入者認証装置21は、図4のIP・加入者対応テーブル27に“210.147.9.14”と“001101260”を対応付けて記憶する。
【0077】
ダイアルアップ接続後、ユーザ端末11にてブラウザ22が起動され、WEBサーバ15(IPアドレス“202.247.5.136 ”)に接続してオンラインショッピングが開始される。ユーザが「9800円の釣り竿1本」を購入する場合、ブラウザ22は、図9のような注文伝票をオンラインショッピング用ポート番号へ送信する。注文伝票監視装置23は、ISP13からインターネット網14へ出て行こうとするこの注文伝票を検出すると、発着IPアドレスを添えて注文伝票記録装置24へ送信する。注文伝票記録装置24は、このデータの発IPアドレス“210.147.9.14”が図4のIP・加入者対応テーブル27にあることと、着IPアドレス“202.247.5.136”が図5のWEBサーバIPテーブル28に登録されていることを確認して、この注文伝票を有効なものと判断し、伝票記憶装置29に記憶する。また注文伝票監視装置23は、この注文伝票をWEBサーバ15へ送信する。
【0078】
注文伝票を受け取ったWEBサーバ15は、注文確認伝票をユーザ端末11へオンラインショッピング用のポート番号で送信する。注文伝票監視装置23は、この注文確認伝票を検出すると、発着IPアドレスを添えて注文伝票記録装置24へ送信する。注文伝票記録装置24は、着IPアドレス“210.147.9.14”が図4のIP・加入者対応テーブル27にあることと、発IPアドレス“202.247.5.136 ”が図5のWEBサーバIPテーブル28に登録されていることと、対応する注文伝票が伝票記憶装置29に記録されていることを確認して、伝票記憶装置29にこの注文確認伝票を記憶する。また注文伝票監視装置23は、この注文確認伝票をユーザ端末11へ送信する。これを受信したユーザは注文が成立したと認識できる。
【0079】
ユーザ端末11のダイアルアップ接続が切断されると、ISP13は加入者認証装置21へIPアドレス“210.147.9.14”が切断したことを通知する。加入者認証装置21は、図4のIP・加入者対応テーブル27からIPアドレス“210 .147.9.14 ”と加入者回線番号“001101260 ”との対応を削除する。
【0080】
WEBショップは、注文のあった9800円の釣り竿を日電太郎に郵送し、通信事業者に9800円を請求する。通信事業者の決済システム20は該当する注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って伝票記憶装置29に記憶されていたことを確認して、WEBショップに料金を支払う。日電太郎は、電話料金と一緒に9800円を通信事業者に支払う。
【0081】
本実施例によれば、ダイアルアップ時のユーザ認証をパスワードの一致だけでなく、発信加入者回線もチェックするために高いセキュリティを確保することができる。その理由は、アカウントおよびパスワードは単なる文字列の情報であり、何らかの事情で他人に知られるかもしくは推測されると、容易にそのユーザになりすまされてしまうが、発信加入者回線までチェックすることで、なりすますためには加入者回線を物理的に差し替える等の行為が必要となり、これは一般に困難なため、他人によるなりすましを防ぐことができるからである。なお、携帯電話機などの移動体端末の場合には、加入者回線番号の代わりに端末識別番号を使用すれば良い。
【0082】
また、本実施例によれば、インターネット網にクレジットカード番号などを流さずに安全にWEBショッピングが行える。その理由を以下に述べる。通常、WEBショッピングを行う場合、ユーザは自分のクレジットカード番号を入力し、WEBショップ側はそれを使用してクレジットカード会社から料金を回収する。このクレジットカード番号も単なる文字列であり、他人に知られてしまえば、容易にそのユーザになりすまされてしまう。しかし、本実施例ではユーザはクレジットカード番号を使用せずにWEBショッピングが可能となる。また、WEBショップ側から見ても、クレジットカード会社ではなく通信事業者に料金請求先を変更するだけなのでインパクトを与えない。
【0083】
【第2の実施例】
この実施例は、第1の実施例からファイアウォール的機能を省いたもので、注文伝票監視装置23が注文伝票記録装置24における注文伝票及び注文確認伝票の有効、無効の判断に関係なく、それらをWEBサーバ15及びユーザ端末11に送信する点が第1の実施例と相違する。以下、第1の実施例との相違点を中心に、本実施例の構成と動作を説明する。
【0084】
図14及び図15に、ユーザ端末11とWEBサーバ15との間のオンラインショッピングの段階における本実施例のフローを示す。第1の実施例と同様に、ユーザが品物を注文した際、着IPアドレスをWEBサーバ15のIPアドレス、発IPアドレスをユーザ端末11のIPアドレス、宛先のポート番号をオンラインショッピング用ポート番号にそれぞれ設定した注文伝票がユーザ端末11からWEBサーバ15宛に送信されるが(ステップS23)、注文伝票監視装置23は、ISP13からインターネット網14へ出て行く、オンラインショッピング用ポート番号の設定されたパケットを検出すると、第1の実施例と同様にそのパケットを注文伝票パケットとして注文伝票記録装置24に送信すると共に(ステップS24)、本実施例では無条件にそのパケットをWEBサーバ15に送信する(ステップS81)。つまり、注文伝票を受けた注文伝票記録装置24では、第1の実施例と同様な方法で注文伝票の有効、無効が判断されるが、その判断結果にかかわらず、注文伝票監視装置23は注文伝票をWEBサーバ15に送る。従って、注文伝票記録装置24から注文伝票監視装置23に対する注文伝票の送信要、不要の指示は本実施例では省略される。
【0085】
また、第1の実施例と同様に、WEBサーバ15が注文伝票を受け取った場合、発IPアドレスをWEBサーバ15のIPアドレス、着IPアドレスをユーザ端末11のIPアドレス、宛先のポート番号をオンラインショッピング用ポート番号にそれぞれ設定された注文確認伝票がユーザ端末11宛に送信されるが、注文伝票監視装置23は、インターネット網14からISP13へ入ってくる、オンラインショッピング用ポート番号の設定されたパケットを検出すると、第1の実施例と同様にそのパケットを注文確認伝票パケットとして注文伝票記録装置24に送信すると共に(ステップS41)、本実施例では無条件にそのパケットをユーザ端末11に送信する(ステップS82)。つまり、注文確認伝票を受けた注文伝票記録装置24では、第1の実施例と同様な方法で注文確認伝票の有効、無効が判断されるが、その判断結果にかかわらず、注文伝票監視装置23は注文確認伝票をユーザ端末11に送る。従って、注文伝票記録装置24から注文伝票監視装置23に対する注文確認伝票の送信要、不要の指示は本実施例では省略される。
【0086】
その他の構成および動作は第1の実施例と同じである。
【0087】
本実施例では、WEBサーバIPテーブル28に登録されていない着IPアドレスを持つ注文伝票、及びIP・加入者対応テーブル27で加入者回線番号との対応が取れない発IPアドレスを持つ注文伝票といった注文伝票記録装置24で有効な注文伝票と判断されない注文伝票(従って、伝票記憶装置29に記憶されない)もユーザ端末11からWEBサーバ15に届けられ、また、WEBサーバIPテーブル28に登録されていない発IPアドレスを持つ注文確認伝票、IP・加入者対応テーブル27で加入者回線番号との対応が取れない着IPアドレスを持つ注文確認伝票および注文伝票との対応がとれない注文確認伝票といった注文伝票記録装置24で有効な注文確認伝票と判断されない注文確認伝票(従って、伝票記憶装置29に記憶されない)もWEBサーバ15からユーザ端末11に届けられる。従って、注文していないユーザ端末11に対してWEBサーバ15から一方的に注文確認伝票が送り付けられてくるといった迷惑伝票などは除去できないが、それらについては注文伝票と注文確認伝票のペアが記録されないため、真正なユーザ端末11のユーザに対して経済的な不利益を与えることはない。
【0088】
本実施例は、オンラインショッピング用ポート番号を当該決済システム20のためだけに専用に用いることができない環境において、決済システム20が決済を代行するオンラインショッピング取引のみを監視する場合に適する。
【0095】
【第3の実施例】
第1乃至第2の実施例においては、ユーザ端末11から送出する注文伝票の着IPアドレスをWEBサーバ15のIPアドレスに設定し、WEBサーバ15から送出する注文確認伝票の着IPアドレスをユーザ端末11に設定し、宛先のポート番号をオンラインショッピング専用ポート番号に設定することにより、ユーザ端末11とWEBサーバ15との間で授受される注文伝票及び注文確認伝票をISP13とインターネット網14との間に設けた注文伝票監視装置23で検出するようにしたが、本実施例では、ユーザ端末11から送出する注文伝票の着IPアドレスを決済システム20のIPアドレスに、WEBサーバ15から送出する注文確認伝票の着IPアドレスを決済システム20のIPアドレスにそれぞれ設定し、決済システム20を中継点として、ユーザ端末11とWEBサーバ15との間で注文伝票及び注文確認伝票の授受を行う。
【0096】
このため本実施例では、注文伝票内に発注先のWEBサーバ15のIPアドレスを記述しておき、決済システム20はこのIPアドレスを識別して当該注文伝票をWEBサーバ15に中継する。同様に注文確認伝票内に発注元のユーザ端末11のIPアドレスを記述しておき、決済システム20はこのIPアドレスを識別して当該確認伝票をユーザ端末11に中継する。本実施例を適用したオンラインショッピングシステムの一例を図16に示す。
【0097】
図16において、注文伝票監視装置23Aが中継点であり、第1乃至第2の実施例と異なり、注文伝票監視装置23AはISP13とインターネット網14との間ではなく、1つのサーバとしてインターネット網14に接続されている。このため、ISP13はインターネット網14に直接に接続されている。
【0098】
本実施例におけるユーザ端末11とWEBサーバ15との間のオンラインショッピングの段階におけるフローを図17及び図18に示す。
【0099】
ユーザ端末11のユーザは、品物を注文する際、ブラウザ22から注文内容等を記述したWEBサーバ15宛の注文伝票をTCPで注文伝票監視装置23Aに送信する(ステップS23A)。この際の注文伝票パケットの着IPアドレスは注文伝票監視装置23AのIPアドレス、発IPアドレスはユーザ端末11のIPアドレスであり、WEBサーバ15のIPアドレスは注文伝票自体に記述されている。
【0100】
注文伝票監視装置23Aは、ユーザ端末11から注文伝票を受信すると、その注文伝票を注文伝票記録装置24に伝達し(ステップS24)、また、本実施例では、注文伝票監視装置23にファイアウォール的機能を持たせているため、注文伝票監視装置23Aで注文伝票を一時的に記憶する(ステップS25)。注文伝票記録装置24は、注文伝票監視装置23Aから注文伝票を受け取ると次の2つのチェックを行う。先ず、受け取った注文伝票中に記述されたWEBサーバ15のIPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されているか否かのWEBサーバIPアドレスチェックを行う(ステップS26A)。次に、第1の実施例と同様な発IPアドレスチェックを行う(ステップS30)。
【0101】
そして、注文伝票記録装置24は、注文伝票パケットの発IPアドレスが加入者回線と対応を付けられる有効なものであり、且つ、注文伝票中のWEBサーバのIPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録された正規なIPアドレスであった場合、当該注文伝票は有効なものと決定し、それ以外の場合は異常な注文伝票と決定する(ステップS31)。異常な注文伝票の場合、注文伝票記録装置24は当該注文伝票を破棄し(ステップS32)、当該注文伝票を送信しないように注文伝票監視装置23Aに伝える。注文伝票監視装置23Aは一時的に記憶していた当該注文伝票のパケットを破棄する(ステップS33)。他方、有効な注文伝票の場合、注文伝票記録装置24は、当該注文伝票を伝票記憶装置29に記録し(ステップS34)、当該注文伝票を送信するように注文伝票監視装置23Aに伝える。その際、注文伝票中に記述されていたWEBサーバ15のIPアドレスを併せて通知する。注文伝票監視装置23Aは一時的に記憶していた当該注文伝票のパケットを、その着IPアドレスを通知されたWEBサーバ15のIPアドレスに書き換えてWEBサーバ15に送信する(ステップS35)。WEBサーバ15はこの注文伝票を受信し、注文の受付を行う(ステップS36)。
【0102】
次に、図18を参照して、WEBサーバ15が注文受付を行った後の動作について説明する。注文伝票を受け取ったWEBサーバ15は、注文伝票を確かに受け取ったことをユーザ端末11に通知するためにTCPで注文確認伝票を送信する(ステップS41)。この注文確認伝票中には、ユーザ端末11のIPアドレスが記述されている。また、注文確認伝票の発IPアドレスはWEBサーバ15のIPアドレス、着IPアドレスは注文伝票監視装置23AのIPアドレスに設定される。
【0103】
注文伝票監視装置23Aは、WEBサーバ15から注文確認伝票を受信すると、その注文確認伝票を注文伝票記録装置24に伝達し(ステップS42)、また本実施例では、注文伝票監視装置23Aにファイアウォール的機能を持たせているため、注文伝票監視装置23Aで注文確認伝票を一時的に記憶し(ステップS43)、注文伝票記録装置24から有効な注文確認伝票と判断された時点でユーザ端末11に送り出す。
【0104】
注文伝票記録装置24は、注文伝票監視装置23Aから注文確認伝票を受け取ると次の3つのチェックを行う。先ず、受け取った注文確認伝票パケットの発IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録されているか否かの発IPアドレスチェックを行う(ステップS44)。次に、その注文確認伝票中に記述されているユーザ端末11のIPアドレスに対応して加入者回線番号がIP・加入者対応テーブル27に登録されているか否かのユーザ端末IPアドレスチェックを行う(ステップS48)。このチェックのために注文伝票記録装置24は、ユーザ端末11のIPアドレスを加入者認証装置21に送り(ステップS45)、加入者認証装置21はそのIPアドレスでIP・加入者対応テーブル27を検索し(ステップS46)、その検索結果を注文伝票記録装置24に返す(ステップS47)。検索成功した場合、検索された加入者回線番号が返される。更に、注文伝票記録装置24は、当該注文確認伝票に対応する注文伝票が伝票記憶装置29に記録されているか否かの注文伝票存在チェックを行う(ステップS49)。これは、注文確認伝票に含まれる注文伝票のコピー中の注文伝票番号で図10に示したような記録フォーマットを持つ伝票記憶装置29を検索し、対応する注文伝票が記録されているエントリが存在するか否かを調べることにより行われる。
【0105】
注文伝票記録装置24は、注文確認伝票中に記述されたユーザ端末11のIPアドレスが加入者回線番号と対応を付けられる有効なものであり、且つ、発IPアドレスがWEBサーバIPテーブル28に登録された正規なIPアドレスであり、且つ、対応する注文伝票が伝票記憶装置29に存在した場合、当該注文確認伝票は有効なものと決定し、それ以外の場合は異常な注文確認伝票と決定する(ステップS50)。異常な注文確認伝票の場合、注文伝票記録装置24は当該注文確認伝票を破棄し(ステップS51)、当該注文確認伝票を送信しないように注文伝票監視装置23Aに伝える。注文伝票監視装置23Aは一時的に記憶していた当該注文確認伝票のパケットを破棄する(ステップS52)。他方、有効な注文確認伝票の場合、注文伝票記録装置24は、当該注文確認伝票を伝票記憶装置29中の対応する注文伝票が記録されたエントリに記録し(ステップS53)、当該注文確認伝票を送信するように注文伝票監視装置23Aに伝える。この際、注文確認伝票中に記述されているユーザ端末11のIPアドレスを併せて通知する。注文伝票監視装置23Aは一時的に記憶していた当該注文確認伝票のパケットをその着アドレスを通知されたユーザ端末11のIPアドレスに置き換えてユーザ端末11に送信する(ステップS54)。ユーザ端末11のブラウザ22はこの注文確認伝票を受信して表示する。
【0106】
その他の構成と動作は第1の実施例とほぼ同じである。なお、以上の例は第1の実施例を変形したものであるが、第2の実施例を同様に変形した実施例も当然に本発明に含まれる。
【0107】
このように本実施例では、ユーザ端末11からWEBサーバ15に送るべき注文伝票及びその逆にWEBサーバ15からユーザ端末11に送るべき注文確認伝票を、決済システム20の注文伝票監視装置23Aに一旦送ってそこから中継するようにしたものであり、ユーザ端末11及びWEBサーバ15が中継点の場所(ネットワーク上のアドレス)さえ知っていれば、中継点はインターネット網14上の任意の場所に設定することができる。
【0108】
【その他の実施例】
以上、本発明を幾つかの実施例を挙げて説明したが、本発明は以上の実施例にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、以下のような実施例も本発明に含まれる。
【0109】
○注文伝票の暗号化
先の実施例の説明では、注文伝票及び注文確認伝票は暗号化されずにインターネット網14上を流れていた。この場合、他人にデータを盗聴されることでプライバシーが侵害される恐れがある。そこで、注文伝票及び注文確認伝票を暗号化することが考えられる。これは、ブラウザ22およびWEBサーバ15が暗号化/復号化機能を持ち、注文伝票及び注文確認伝票を送受信する際に暗号化もしくは復号化することで実現できる。同様に、決済システム20に復号化機能を持たせることにより、注文伝票及び注文確認伝票の内容を把握することができる。
【0110】
○料金立て替え限度額設定
決済システム20は、クレジットカードと同様に、料金を立て替えて後日回収するというシステムであるため、ユーザの支払い能力を超えて品物を購入されると通信事業者にとって望ましくないことになる。そこで料金立て替え限度額をユーザ毎に設定し、それを超える注文伝票は受け付けない機構を導入することができる。これは、注文伝票記録装置24にユーザ毎に限度額と今月の累積使用額をデータとして持ち、注文伝票が注文伝票監視装置23、23Aから送信されてきた際に、累積使用額が限度額を超えてしまう場合はその注文伝票を破棄し、ユーザにその旨を通知することで実現できる。
【0111】
○料金立て替えを電子メールで通知
WEBショッピングを行う場合、ユーザの端末やISPのネットワークに障害が発生した場合、注文が正しく処理されたのか途中で破棄されているのかが不明となってしまうことがある。注文が正しく処理されると通信事業者からユーザに電子メールが送付されるようにすることで、ユーザを安心させることができる。これは、注文伝票記録装置24にて注文伝票が正しく受け付けられた時に予めユーザ毎に登録しておいたアドレスに電子メールを送付することで実現できる。
【0112】
○複数ISP対応
先の実施例では、加入者認証装置21一つに対して一つのISP13のみが対応していた。複数ISPに対して一つの加入者認証装置で処理を行うこともできる。これは、アカウント名と加入者回線番号との対応リストのレコードにISP名を追加し、ダイアルアップ接続時にISPからアカウント名に加えてISP名を通知してもらい、アカウント名と加入者回線番号との対応リスト検索時にアカウント名とISP名が一致するレコードを発見することで実現できる。なお、加入者回線の状態に基づくユーザ認証では、加入者交換機に問い合わせた際の加入者回線の接続先がそのISPであることを確認することになる。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下のような効果が得られる。
【0114】
ユーザは、クレジットカード番号をネットワーク上に流す危険を犯すことなくオンラインショッピングが楽しめる。その理由は、ユーザ端末からWEBサーバに支払うべきオンラインショッピングにかかる代金の徴収を、そのユーザ端末を加入者とする通信事業者が代行するためである。従って、クレジットカードを持っていないユーザもオンラインショッピングが行える効果も得られる。
【0115】
ユーザは、オンラインショッピングを手軽に楽しむことができる。その理由は、WEBサーバ宛に注文伝票を出せば良く、第1の従来技術のように請求書送付電話呼といった特別な手続きを行う必要がなく、第2の従来技術のように購入斡旋業者とEメールをやりとりする必要がなく、第3の従来技術のように送金要求メールを出す必要がなく、結果として手続きが簡便になるからである。
【0116】
WEBショップは、クレジットカード利用時に比べて決済にかかる負担を増大させずに顧客を拡大することができる。その理由は、クレジットカード会社でなく通信事業者を請求先に変更するだけで済み、クレジットカードを有しないユーザも顧客となり得るからである。
【0117】
通信事業者は、WEBショップからの不正な請求を防止することができる。その理由は、注文伝票と注文確認伝票のペアが揃っている取引に関して代金の徴収を代行するため、WEBショップからの架空の取引による不正な請求を防止できるからである。特に、注文伝票の発IPアドレスとユーザ認証されたユーザの加入者回線番号との対応がとれるか否か、注文伝票の送り先のWEBサーバが正規に登録されたWEBサーバか否かの注文伝票に関するチェック、注文確認伝票の発IPアドレスが正規に登録されたWEBサーバのものか否か、注文確認伝票の送り先のユーザ端末のIPアドレスがユーザ認証されたユーザの加入者回線番号と対応がとれるか否か等の注文確認伝票に関するチェックを行い、有効な注文伝票及び注文確認伝票だけを記録する構成によれば、不正な取引を有効に防止することができ、更に無効な注文伝票及び注文確認伝票を送り先に届けないようにすることで、決済システムにファイアウォール的機能を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概略構成図である。
【図2】 本発明を適用したオンラインショッピングシステムの一実施例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例におけるアカウント・加入者対応テーブルの内容例を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例におけるIP・加入者対応テーブルの内容例を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例におけるWEBサーバIPテーブルの内容例を示す図である。
【図6】 本発明の一実施例におけるユーザ端末からISPへの接続段階の処理例を示すフローである。
【図7】 本発明の一実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付までの処理例を示すフローである。
【図8】 本発明の一実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付以後の処理例を示すフローである。
【図9】 本発明の一実施例における注文伝票の内容例を示す図である。
【図10】 本発明の一実施例における伝票記憶装置の記録フォーマット例を示す図である。
【図11】 本発明の一実施例における支払・請求装置の請求部の処理例を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の一実施例における支払・請求装置の支払部の処理例を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の一実施例のオンラインショッピングシステムにおける品物と料金の流れの一例を示す図である。
【図14】 本発明の別の実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付までの処理例を示すフローである。
【図15】 本発明の別の実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付以後の処理例を示すフローである。
【図16】 本発明の更に別の実施例にかかるオンラインショッピングシステムのブロック図である。
【図17】 本発明の更に別の実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付まで処理例を示すフローである。
【図18】 本発明の更に別の実施例におけるユーザ端末とWEBサーバとの間のオンラインショッピングの段階のうち、WEBサーバでの注文受付以後の処理例を示すフローである。
【符号の説明】
1…ユーザ端末
2…WEBサーバ
3…ネットワーク
4…決済システム
5…注文伝票
6…注文確認伝票
7…料金の支払い
8…料金の徴収
Claims (16)
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使って前記注文伝票及び前記注文確認伝票を前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済方法であって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備えた加入者認証手段が、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断するステップと、
注文伝票監視手段が、前記インターネットサービスプロバイダから前記インターネットに出ていくパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文伝票として検出し、前記インターネットから前記インターネットサービスプロバイダに入ってくるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文確認伝票として検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出するステップと、
注文伝票記録手段が、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録するステップと、
支払・請求手段が、前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算するステップとを含むことを特徴とするオンラインショッピング決済方法。 - ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票を予め定められた中継点で中継して前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済方法であって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備えた加入者認証手段が、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断するステップと、
注文伝票監視手段が、前記中継点で中継される注文伝票及び注文確認伝票を検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出するステップと、
注文伝票記録手段が、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録するステップと、
支払・請求手段が、前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算するステップとを含むことを特徴とするオンラインショッピング決済方法。 - 前記加入者認証手段は、前記ユーザ端末が前記インターネットサービスプロバイダに接続されている間、前記ユーザ端末に対して前記インターネットサービスプロバイダから付与されたIPアドレスと前記加入者回線番号との対応をIP・加入者対応テーブルに記憶し、
前記注文伝票記録手段は、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票の内、発IPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文伝票、及び前記注文伝票監視手段で検出された注文確認伝票の内、送り先のユーザ端末のIPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文確認伝票は記録しないことを特徴とする請求項1または2記載のオンラインショッピング決済方法。 - 前記注文伝票記録手段が注文伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文伝票を前記WEBサーバへ届けず、前記注文伝票記録手段が注文確認伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けないことを特徴とする請求項3記載のオンラインショッピング決済方法。
- 前記注文伝票記録手段において注文伝票及び注文確認伝票を記録する、記録しないに関係なく、前記注文伝票監視手段は注文伝票を前記WEBサーバへ届け、注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けることを特徴とする請求項3記載のオンラインショッピング決済方法。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使って前記注文伝票及び前記注文確認伝票を前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムであって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段と、
前記インターネットサービスプロバイダから前記インターネットに出ていくパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文伝票として検出し、前記インターネットから前記インターネットサービスプロバイダに入ってくるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文確認伝票として検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段と、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段とを備えたことを特徴とするオンラインショッピング決済システム。 - ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票を予め定められた中継点で中継して前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムであって、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段と、
前記中継点で中継される注文伝票及び注文確認伝票を検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段と、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段とを備えたことを特徴とするオンラインショッピング決済システム。 - 前記加入者認証手段は、前記ユーザ端末が前記インターネットサービスプロバイダに接続されている間、前記ユーザ端末に対して前記インターネットサービスプロバイダから付与されたIPアドレスと前記加入者回線番号との対応を記憶するIP・加入者対応テーブルを備え、
前記注文伝票記録手段は、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票の内、発IPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文伝票、及び前記注文伝票監視手段で検出された注文確認伝票の内、送り先のユーザ端末のIPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文確認伝票は記録しない構成を備えることを特徴とする請求項6または7記載のオンラインショッピング決済システム。 - 前記注文伝票記録手段が注文伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文伝票を前記WEBサーバへ届けず、前記注文伝票記録手段が注文確認伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けない構成を備えることを特徴とする請求項8記載のオンラインショッピング決済システム。
- 前記注文伝票記録手段において注文伝票及び注文確認伝票を記録する、記録しないに関係なく、前記注文伝票監視手段は注文伝票を前記WEBサーバへ届け、注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届ける構成を備えることを特徴とする請求項8記載のオンラインショッピング決済システム。
- ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票のために専用に設定されたオンラインショッピング用ポート番号を使って前記注文伝票及び前記注文確認伝票を前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムを構成するコンピュータを、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段、
前記インターネットサービスプロバイダから前記インターネットに出ていくパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文伝票として検出し、前記インターネットから前記インターネットサービスプロバイダに入ってくるパケットの内、オンラインショッピング用ポート番号を持つパケットを前記注文確認伝票として検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段、
として機能させるためのオンラインショッピング決済プログラム。 - ユーザ端末と、前記ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダと、前記インターネットサービスプロバイダとインターネットを介して接続され前記ユーザ端末に対してオンラインショッピングサービスを提供するWEBサーバとを含み、注文伝票及び注文確認伝票を予め定められた中継点で中継して前記ユーザ端末及び前記WEBサーバ間で送受信する構成を有するオンラインショッピングシステムの決済システムを構成するコンピュータを、
前記インターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている前記加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断する加入者認証手段、
前記中継点で中継される注文伝票及び注文確認伝票を検出することにより、前記ユーザ端末から前記WEBサーバに送られる注文伝票及び該注文伝票の受領確認のために前記WEBサーバから前記ユーザ端末に送られる注文確認伝票を検出する注文伝票監視手段と、
前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票及び注文確認伝票を伝票記憶装置に記録する注文伝票記録手段、
前記伝票記憶装置に注文伝票と注文確認伝票のペアが揃って記録されている取引に関し、前記ユーザ端末から徴収すべきオンラインショッピングにかかる料金および前記WEBサーバに支払うべき料金を計算する支払・請求手段、
として機能させるためのオンラインショッピング決済プログラム。 - 前記加入者認証手段は、前記ユーザ端末が前記インターネットサービスプロバイダに接続されている間、前記ユーザ端末に対して前記インターネットサービスプロバイダから付与されたIPアドレスと前記加入者回線番号との対応をIP・加入者対応テーブルに記憶し、
前記注文伝票記録手段は、前記注文伝票監視手段で検出された注文伝票の内、発IPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文伝票、及び前記注文伝票監視手段で検出された注文確認伝票の内、送り先のユーザ端末のIPアドレスに対応する加入者回線番号が前記IP・加入者対応テーブルに登録されていない注文確認伝票は記録しないことを特徴とする請求項11または12記載のオンラインショッピング決済プログラム。 - 前記注文伝票記録手段が注文伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文伝票を前記WEBサーバへ届けず、前記注文伝票記録手段が注文確認伝票を記録しなかった場合、前記注文伝票監視手段は当該注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けないことを特徴とする請求項13記載のオンラインショッピング決済プログラム。
- 前記注文伝票記録手段において注文伝票及び注文確認伝票を記録する、記録しないに関係なく、前記注文伝票監視手段は注文伝票を前記WEBサーバへ届け、注文確認伝票を前記ユーザ端末へ届けることを特徴とする請求項13記載のオンラインショッピング決済プログラム。
- ユーザ端末に対して通信サービスを提供する通信事業者の通信網を介して前記ユーザ端末とダイアルアップ接続されるインターネットサービスプロバイダにおいて前記ユーザ端末に割り当てられたアカウント名と前記ユーザ端末を前記通信網の加入者交換機に接続する加入者回線の番号である加入者回線番号との対応リストを保持するアカウント・加入者対応テーブルを備え、前記インターネットサービスプロバイダに接続してきた前記ユーザ端末のアカウント名を前記インターネットサービスプロバイダから受け取り、前記アカウント・加入者対応テーブルを検索して該当する加入者回線番号を取得し、前記ユーザ端末が収容されている加入者交換機に前記取得した加入者回線番号の加入者回線の状態を問い合わせ、当該加入者回線が前記インターネットサービスプロバイダの電話番号に電話中である場合に限って真正なユーザ端末であると判断することを特徴とする加入者認証装置。
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