JP3713870B2 - 含フッ素ニトリルおよびその重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、含フッ素ニトリルおよびその重合体に関し、更に詳しくは、ビニル基、エーテル基およびシアン基を有する含フッ素有機化合物およびその重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
官能基(例えばビニル基、シアン基など)を有するモノマーを重合することによりポリマー中に官能基を導入し、架橋サイトなどの反応活性点として利用することは知られている。例えば米国特許第3546186号、同第3933767号、同第4281092号などでは、シアン基含有パーフルオロビニルエーテルを共重合させてパーフルオロポリマーとし、シアン基を介して三量化させてパーフロロエラストマー架橋物を得ている。また、米国特許第3852326号、同第4031124号などには、この種のモノマーの合成方法が記されている。
【0003】
しかし、上記先行特許に記載されたパーフルオロ化合物は、合成方法が複雑であり、また収率も低く、結果として高価な物となっている。また、パーフルオロビニルエーテルは酸素に対する安定性が低く、また重合反応性は高くない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、比較的収率良く得られ、かつ保存安定性も良く、重合活性も高い新規な含フッ素ニトリルを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を課題するための手段】
本発明は、一般式:
CH2=CFCF2O-(CF2O)x-(CF2CF2O)y-(CX1 2CF2CF2O)z-(CFX2CF2O)w-CFX3-CN (I)
(式中、X1は、水素原子、フッ素原子または塩素原子、X2は水素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基、X3は水素原子、フッ素原子、塩素原子またはトリフルオロメチル基を表す。x、y、zおよびwはそれぞれ独立に0〜20の数を表す。ただし、x、y、zおよびwの和は20を越えない。)
で示される含フッ素ニトリル、分子量が1,000〜1,000,000である該含フッ素ニトリルの重合体、および分子量が1,000〜1,000,000であり含フッ素ニトリルの含有量が0.1〜99モル%である該含フッ素ニトリルと他の共重合可能な単量体との共重合体を提供する。
含フッ素ニトリル(I)の好ましい例は、
CH2=CFCF2O−CF(CF3)−CN、
CH2=CFCF2O−CF(CF3)CF20−CF(CF3)−CNおよび
CH2=CFCF2O−[CF(CF3)CF20]2−CF(CF3)−CN
である。
なお、各一般式を簡略に示すために、以下の説明では-(CF2O)x-(CF2CF2O)y-(CX1 2CF2CF2O)z-(CFX2CF2O)w-CFX3-をRfで表す。
【0006】
本発明の含フッ素ニトリル(I)は、一般式:
ICH2CF2CF2ORfCN (II)
(式中、Rfは前記で定義した通りである。)
で示される末端ヨウ素ニトリルを、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)中、触媒(例えば、亜鉛、銅など)の存在下に、脱FIすることにより容易に合成することができる。
反応温度は、−20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃である。
【0007】
出発物質である末端ヨウ素ニトリル(II)は、一般式:
ICH2CF2CF2ORfA (III)
(式中、Rfは前記で定義した通りである。Aは、COF、COOHまたはCOOR(ここで、Rは炭素数1〜10の有機基である。)を表す。)
で示される化合物等から公知の方法(例えば、米国特許4,138,426号の記載参照)で誘導できる。
【0008】
一例としてICH2CF2CF2ORfCNの合成ルートを以下に示す。
【化2】
1.ICH2CF2CF2ORfCOF + CH3OH → ICH2CF2CF2ORfCOOCH3
2.ICH2CF2CF2ORfCOOCH3 + NH3 → ICH2CF2CF2ORfCONH2
3.ICH2CF2CF2ORfCONH2 → ICH2CF2CF2ORfCN
【0009】
本発明の含フッ素ニトリル(I)は、三量化すると、一般式:
【化3】
(式中、Rfは前記で定義した通りである。)
で示される含フッ素多官能トリアジン化合物が得られる。
このトリアジン化合物(IV)は、活性が高く、重合体の架橋剤として有用である。
【0010】
含フッ素ニトリル(I)の三量化は、例えばJ.Org Chem.32、231(1967)に記載されている方法で合成できる。
まず該ニトリルの二分子を、NH3の存在下に反応させてCH2=CFCF2ORfC(NH2)=N−C(=NH)−RfOCF2CF=CH2を得る。
反応温度は特に限定されないが、−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜50℃であり、反応圧力は特に限定されないが減圧から加圧まで適用できる。
反応は温度が高いほど早いが、NH3ガスのため大気圧下で濃度を保つには温度を低くする必要がある。耐圧容器を使用すれば、例えば室温ですばやく反応さ,せることも可能である。
反応溶媒は非プロトン性のもので、ニトリルと混合できるものであれば特に問題なく使用できる。たとえばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトンなどである。使用にあたっては水分を含まないよう、予め脱水するなどしておくと良い。
【0011】
得られたCH2=CFCF2ORfC(NH2)=N−C(=NH)−RfOCF2CF=CH2に、2倍モルのCH2=CFCF2ORfCOZ(ここで、Zはハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子である。)を反応させることにより、目的とするトリアジン化合物が得られる。
反応温度は特に限定されないが−50℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃であり、反応圧力は特に限定されないが使用する化合物の沸点に応じて決められるべきで、大気圧下で問題なく実行できる。反応溶媒は特に限定されないが、非プロトン性溶媒で水分を含まないものが用いられる。たとえばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトンなどである。反応にあたって受酸剤としてトリエチルアミンなどを加えると、反応が容易に進行する。
【0012】
この反応はまた、初めに該ニトリルに過剰量のNH3を反応させ、まずCH2=CFCF2ORfC(NH2)=NHを得てから、これに等モルのCH2=CFCF2ORfCNを反応させることにより、定量的にCH2=CFCF2ORfC(NH2)=N−C(=NH)−RfOCF2CF=CH2を得、さらにこれに2倍モルのCH2=CFCF2ORfCOZを反応させることによっても実施することができる。CH2=CFCF2ORfC(NH2)=NHを得る反応条件は、NH3を過剰に使用する以外は上記の反応と同様である。
【0013】
CH2=CFCF2ORfC(NH2)=NHとCH2=CFCF2ORfCNの反応条件は、特に限定されず、反応温度は、−50℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。圧力についても制限はない。溶媒は特に限定されないが、非プロトン性溶媒で水分を含まないものが用いられる。たとえばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトンなどである。
CH2=CFCF2ORfC(NH2)=N−C(=NH)−RfOCF2CF=CH2とCH2=CFCF2ORfCOBの反応は、Rf中のx、y、zおよびwの異なる組み合わせについても同様に行うことができる。この方法により、ニトリルの任意の組み合わせでトリアジン環を得ることができる。
【0014】
本発明の含フッ素ニトリル(I)は、その1種を単独重合することも、またはその2種以上を共重合することもでき、さらには、他の共重合可能な単量体と共重合することもできる。
他の共重合可能な単量体としては、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロメチルビニルエーテルやパーフルオロプロピルビニルエーテルなどのパーフルオロアルキルビニルエーテル、ヘキサフルオロイソブテン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アルキルビニルエーテルなどが例示できる。
【0015】
本発明の含フッ素ニトリル(I)の重合は、一般的な重合方法により、一般的な重合条件で行うことができる。好ましくは、ラジカル開始源を用いたラジカル重合(塊状重合、溶液重合、乳化重合等)が採用される。ラジカル重合における反応条件は、特に制限されないが、0〜100℃の温度、大気圧、76cmHg程度までの減圧または100Kg/cm2G程度までの加圧から選ばれる圧力を含む。
【0016】
本発明の含フッ素ニトリルは、単独重合用または共重合用のモノマーとして用いてフッ素およびシアン基を重合体に導入することができる。また、シアン基を利用してトリアジン架橋、カルボン酸等への誘導等により、ポリマーへ官能基を有利に導入することができる。シアン基のトリアジン架橋は、高性能、耐熱性のフッ素ゴムの架橋として利用でき、一方単独重合体あるいは共重合体のシアン基をカルボン酸とすることにより、重合体を高分子電解質とし、電池用電解質などとして利用することも可能である。また、イオン架橋も可能である。主鎖の脱HF反応を利用してシアン基を側鎖に持つ架橋ポリマー(ゴム)を得ることもできる。さらにシアン基をカルボン酸とした重合体は、イオン交換樹脂、高吸水高分子等として利用することも可能である。
また、シアン基を利用した三量化により得られる三官能不飽和化合物は、架橋剤などとして使用できる。
【0017】
【実施例】
実施例1
ICH2CF2CF2CF(CF3)CN25g、亜鉛粉末15gおよびジメチルホルムアミド(DMF)10mlを、フラスコに入れ、これを160℃の油浴上で加熱した。しばらくして(約40分後)突発的な反応が起こった。その後、混合物を71℃で還流させて反応を1時間続けた。
反応終了後、反応混合物を、常圧で単蒸留して生成物2.43g(純度99.4%)を得た。沸点71℃。
生成物の構造を、IR、GCMSおよびNMR(H,F)で確認したところ、CH2=CFCF2CF(CF3)CNであった。IRチャートを図1に示す。
【0018】
実施例2
ICH2CF2[CF2OCF(CF3)]2CN50g、亜鉛粉末20gおよびDMF10mlを、フラスコに入れ、これを160℃の油浴上で加熱した。しばらくして(約60分後)突発的な反応が起こった。
反応終了後、反応混合物を、常圧で留出させて7.77gの留分を得た(純度74%、未反応物11%、DMF13%)。これを単蒸留で精製して純度98.6%の生成物を得た。沸点108〜112℃。生成物の構造を、IR、GCMS、およびNMR(H,F)で確認したところ、CH2=CF[CF2OCF(CF3)]2CNであった。IRチャートを図2に示す。
【0019】
実施例3
CH2=CF[CF2OCF(CF3)]2CN(以下、「ACN2」と略称する)5g、[H(CF2CF2)3COO]2/C2F3Cl3(8重量%)0.5gをガラス容器中で混合し、容器内雰囲気を窒素置換し、室温で撹拌したところ、混合物の粘度が上昇した。反応混合物から低沸点物を減圧留去して、無色透明粘稠なポリマー2.82gを得た。IR、1H−NMR及び19F−NMRの結果から、生成ポリマーは不飽和結合を含むポリマーであることが確認された。構造は、
【化4】
であった。
収量およびNMRの結果から計算したところ、数平均分子量は、約35000〜約48000であった。
【0020】
実施例4〜6
実施例3と同様にして、ACN2とCH2=CF2、CF2=CF2またはCF2=CF2/CF3CF2CF2O[CF(CF3)CF2O]2CF=CF2(φVE)との共重合を行った。結果を、表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例7
内容積3Lのオートクレーブに、純水1225g、CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4122.5g、 NaCl4g、Na2SO3 2.155gおよびCF3CF2CF2O[CF(CF3)CF2O]2CF=CF2367.5gを仕込み、オートクレーブ内雰囲気をまず窒素で、次いでCF2=CF2で置換し、15℃でCF2=CF2で内圧を2.5Kg/cm2Gとし、その後、過硫酸アンモニウム24.5mgを純水10mlに溶解した溶液を仕込んだ。
重合の進行につれて圧力が2.5Kg/cm2Gに低下したところでICF2CF2CF2CF2211.57gを仕込んだ。さらに圧力が1.5Kg/cm2GになったところでCF2=CF2で圧力を2.5Kg/cm2Gに戻した。
【0023】
同様にして、重合圧力が1.5kg/cm2Gまで低下したところで再度CF2=CF2をボンベから仕込み、圧力を2.5kg/cm2Gに戻した。この時、ボンベの重量減少を仕込んだCF2=CF2の重量とする。この手順を繰り返し、さらに重合が進んでCF2=CF2を合計50g仕込んだところでACN2を2.79g仕込んだ。ACN2を仕込むと重合速度が極端に遅くなったが、しばらくする内に重合速度が回復した。さらに重合を進めて、CF2=CF2を合計100g仕込んだところでもう一度ACN2を2.79g仕込んだ。前回と同様に重合速度の低下が認められたが同じように回復した。合計140gのCF2=CF2を追加したところで重合を停止した。残存ガスモノマーをブローして1892.2gの分散体を得た。固形分含量は20.87重量%であった。重合時間は合計154分であった。得られた分散体に塩酸を加えて凝析し、アセトンで洗浄し、120℃で真空乾燥して白色のゴム状ポリマーを得た。このポリマーの組成はCF2=CF2/φVE/ACN2=76.4/22.8/0.8(モル比)であった。また、ムーニー粘度はML1+10(100℃)=41.5であった。
【0024】
実施例8
ACN2の追加をさらにCF2=CF2の合計仕込量が25gおよび75gの時にも行った以外は実施例7と同様にして、ゴム状ポリマーを得た。
実施例7および8で得たポリマーを薄膜にしてIRを測定したところ、どちらも−CNに基づく2250cm-1付近の吸収が認められた。このポリマーの組成はCF2=CF2/φVE/ACN2=76.1/22.7/1.2(モル比)であった。また、ムーニー粘度はML1+10(100℃)=40であった。
【0025】
実施例9
実施例8で得たポリマー100重量部に3重量部のテトラフェニルスズを3インチゴムロールで混練りし、230℃で1時間プレス加硫したところ、無色透明の薄膜加硫ゴムが得られた。この薄膜のIRでは−CNに基づく吸収は消え、トリアジン環に基づく1550cm-1の吸収が認められた。
【0026】
実施例10
CH2=CFCF2OCF(CF3)CN51.5gに−30℃でNH315gを仕込み、徐々に室温まで昇温させ過剰のNH3を大気圧で開放し、さらに一夜反応させ、減圧蒸留によってCH2=CFCF2OCF(CF3)C(NH)=NHを得た。(構造は、IR及びNMRにより確認した。)
得られたCH2=CFCF2OCF(CF3)C(NH)=NH25.4gに等モルのCH2=CFCF2OCF(CF3)CN23.7gを反応させ、
CH2=CFCF2OCF(CF3)C(=NH)−N−C(NH2)CF(CF3)OCF2CF=CH2を得た。(構造は、IR及びNMRにより確認した。)
このCH2=CFCF2OCF(CF3)C(=NH)−N−C(NH2)CF(CF3)OCF2CF=CH24.91gに2倍モルのCH2=CFCF2OCF(CF3)COF5.16gを添加したところ、穏やかな発熱を認めた。そして白色固体が析出したが、しばらくすると、無色透明となった。この時点での反応混合物のIRからトリアジンの生成が認められたが、未反応原料が残存していることも確認された。これにトリエチルアミン3.03gを加えると発熱的に反応し、液は黄褐色に着色し、IR(図3)からは、原料は完全に反応して下記式のトリアジンが生成したことが認められた。
【0027】
【化5】
【0028】
実施例11
実施例10と同様にして、CH2=CFCF2OCF(CF3)C(NH)=NHに等モルのACN2を反応させ、CH2=CFCF2OCF(CF3)C(=NH)−N−C(NH2)[CF(CF3)OCF2]2CF=CH2を得た。
これに2倍モルのCH2=CFCF2OCF(CF3)COFおよびトリエチルアミンを添加して下記化合物を得た。
【0029】
【化6】
実施例12
実施例10と同様にして得たCH2=CFCF2OCF(CF3)C(=NH)−N−C(NH2)CF(CF3)OCF2CF=CH2に2倍モルのCH2=CFCOFとトリエチルアミンを添加して、下記化合物を得た。
【0030】
【化7】
【0031】
実施例13
実施例10で得たトリアジン[CH2=CFCF2OCF(CF3)CN]31.0gに有機パーオキサイド(パーヘキサ−2,5−B。日本油脂株式会社製)0.1gを加え、油浴上で160℃に加熱したところ、急激に反応して硬い樹脂状物が得られた。
【0032】
実施例14
実施例13と同様にして、実施例10で得たトリアジン0.5gとトリアリルイソシアネート(TAIC)0.5gとを混合し、これにパーヘキサ−2,5−B0.1gを加え、油浴上で160℃に加熱したところ、急激に反応し硬い樹脂状物が得られた。
【0033】
実施例15および比較例1
両末端にヨウ素を有するテトラフルオロエチレンとCF3CF2CF2O[CF(CF3)CF2O]2CF=CF2の共重合体ゴム(テトラフルオロエチレン含有量77モル%。共重合体のムーニー粘度ML(1+100)(100℃)=26)100重量部にSRF(カーボンフィラー)7重量部、MTC(カーボンフィラー)8重量部、実施例1で得たトリアジンCH2=CFCF2OCF(CF3)CN8.5重量部およびパーヘキサ−2,5−B2部を3インチゴムロールで混練りし、JSR CURELASTOMETER IIFを用い、160℃で加硫曲線を測定した。
比較としてCH2=CFCF2OCF(CF3)CNのかわりにTAIC3重量部配合する以外は上記と同様に成分を混練りした。
【0034】
混練物をそれぞれ、160℃で10分間プレス加硫し、厚さ2mmのシートを得、200℃で4時間二次加硫した。加硫シートの常態物性(破断時強度および伸び)を、ORIENTEC TENSILONを用い、JIS K 6301に準じて測定した。
同様に製造した加硫シートを250℃のオーブンで70時間熱老化させた後、老化物性を測定した。
結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得た生成物のIRチャート。
【図2】 実施例2で得た生成物のIRチャート。
【図3】 実施例10で得た生成物のIRチャート。
Claims (5)
- 一般式:
CH2=CFCF2O-(CF2O)x-(CF2CF2O)y-(CX1 2CF2CF2O)z-(CFX2CF2O)w-CFX3-CN
(式中、X1は、水素原子、フッ素原子または塩素原子、X2は水素原子、塩素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基、X3は水素原子、フッ素原子、塩素原子またはトリフルオロメチル基を表す。x、y、zおよびwはそれぞれ独立に0〜20の数を表す。ただし、x、y、zおよびwの和は20を越えない。)
で示される含フッ素ニトリル。 - CH2=CFCF2O−CF(CF3)−CN、
CH2=CFCF2O−CF(CF3)CF2O−CF(CF3)−CNまたは
CH2=CFCF2O−[CF(CF3)CF2O]2−CF(CF3)−CN
である請求項1に記載の含フッ素ニトリル。 - 分子量が1,000〜1,000,000である、請求項1または2に記載の含フッ素ニトリルの重合体。
- 分子量が1,000〜1,000,000であり、含フッ素ニトリルの含有量が0.1〜99モル%である、請求項1または2に記載の含フッ素ニトリルと他の共重合可能な単量体との共重合体。
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