JP3712798B2 - 景品獲得ゲーム機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、景品獲得ゲーム機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ルーレットゲーム機と呼ばれるものの中には、円板の外周に沿って多数の発光体を配列し、これらの発光体の発光状態を移動させるとともに、その移動速度を次第に低下させて、移動が止まった箇所に応じて「当たり」と「外れ」とを決定するものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したような従来のルーレットゲーム機は、「当たり」となった場合に配当のチップもしくはせいぜい1種類の景品が機外に出てくるに過ぎず、所謂クレーンゲーム機のようにゲーム機の外部から見える状態に配置された多数の景品の中から選択した所望の景品を獲得するようなゲームではないため、遊戯者に対して興味を覚えさせることが困難であった。
【0004】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、娯楽性に富んだ新規な構成の景品獲得ゲーム機を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る景品獲得ゲーム機は、駆動手段により略水平軸心回りに回転駆動される回転板と、この回転板の前面側に周方向に所定間隔で配され開口が上を向いた姿勢を保つようにそれぞれが回転板に回動自在に支持された景品収容用の複数のバケットと、所定の景品落下位置でバケットを回動させてそのバケットに収容されている景品を落下させるバケット回動手段と、前記景品落下位置でバケットから落下させられた景品を取り出すための景品取り出し口とを備え、前記駆動手段は操作スイッチからの回転板停止信号を受けた場合にいずれか一つのバケットが前記景品落下位置に配される状態に回転板を停止させるように構成されているものである。
【0006】
また、前記構成において、「当たり」と「外れ」とがほぼ一定の比率で現れるゲーム手段を備え、このゲーム手段のゲーム結果が「当たり」であった場合に操作スイッチからの回転板停止信号によって回転板を停止することが可能となるように構成されているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る景品獲得ゲーム機を図面に基づき説明する。景品獲得ゲーム機のゲーム機本体1は縦長の箱状に形成され、その前面上部に遊戯面2が形成されるとともに、遊戯面2の前方,側方,及び上方は透明な合成樹脂からなる保護カバー3で覆われている。
【0008】
遊戯面2には環状の回転板4が設けられている。図2〜図4に示すように、回転板4は、その裏面側に設けられた3個の支持ローラ5a,5b,5cによって水平軸心回りに回転自在に支持されている。また、図4に示すように支持ローラ5cの回転軸6の後端にはタイミングプーリ7が固着されるとともに、このタイミングプーリ7はタイミングベルト8及びタイミングプーリ9を介して回転板駆動用モータ(駆動手段)10と連結され、これにより回転板4が所定方向(例えば遊戯面2の前方から見て時計回り)に回転駆動されるように構成されている。
【0009】
回転板4の前面側には合計8個のバケット11が周方向に所定間隔で配設されている。各バケット11は透明な合成樹脂を用いて略半球形断面の碗状に形成されるとともに、図3に示すように、その開口端近傍の一箇所で、回転板4を前後方向に貫通し且つ回転板4に対して回動自在に設けられた支持軸12の前端に固着されている。したがって、各バケット11の重心と支持軸12の軸心との位置関係から、回転板4の回転に関わらず全てのバケット11はその開口が上を向いた姿勢を保つようになっている。なお、図中、符号Kは各バケット11に収容される景品を示している。この実施形態では景品Kとして人形,おもちゃなどの多種類の景品本体(不図示)を所定の大きさの透明合成樹脂製の球形カプセルに入れたものが用いられている。
【0010】
各支持軸12の後端にはゴム製の伝動ローラ13がそれぞれ固着されている。また、回転板4の下端近傍の背面側にはバケット回動用モータ(バケット回動手段)14が設けられていて、このバケット回動用モータ14によって、回転板4の回転軸心直下の位置(以下「景品落下位置」という)にあるバケット11が回動させられるようになっている。すなわち、図3及び図5に示すように、バケット回動用モータ14の出力軸14aには略扇形の伝動板15が固着されており、出力軸14aが矢印イ方向に一回転すると、その回転中に扇形の円弧部分にあたる伝動板15の外周面が図5に一転鎖線aで示す軌跡を描いて回転して前記景品落下位置にあるバケット11の伝動ローラ13と転がり接触し、その摩擦力により支持軸12が矢印ロ方向に約90°回転して、バケット11内の景品Kを落下させる。景品Kを落下させた後は伝動板15が伝動ローラ13から離れ、バケット11は重力により矢印ロと反対方向に回転して元の姿勢に復帰する。
【0011】
前記景品落下位置の下方には上端が開口した景品落下筒16が設けられ、この景品落下筒16の下端は、ゲーム機本体1の前面下部に形成された景品取り出し口17とつながっている。景品取り出し口17の上方にはコイン投入口18及び操作スイッチ19が設けられている。
【0012】
また、回転板4の内側には円形の固定板20が、左右一対の支持杆21を介してゲーム機本体1に固定された状態に設けられ、固定板20の中央にはビンゴゲーム部(ゲーム手段)22が設けられている。ビンゴゲーム部22は縦横に3列ずつ並んだ合計9個の表示窓を有するとともに、その内部には、各表示窓ごとに赤,黄,青の3色の着色電球(不図示)を備えており、前記着色電球を選択的に発光させることにより、前記3色のうちのいずれかの色を表示窓ごとに表示するようになっている。
【0013】
また、ゲーム機本体1の内部には多数の景品Kを収容する景品ストック箱23と、この景品ストック箱23内の景品Kを取り出してバケット11に補充するためのコンベア装置24とが設けられている。コンベア装置24は、上下一対のスプロケット25,26と、これらスプロケット25,26間に掛け渡されたチェーン27と、このチェーン27に適宜の間隔で取り付けられた景品支持体28とを備えている。上側のスプロケット25は、図3に示すようにコンベア駆動用モータ29とタイミングプーリ30,31及びタイミングベルト32を介して連結されており、これによりチェーン27が矢印ハの方向に回転駆動されるようになっている。
【0014】
景品支持体28は、図6〜図8に示すように、チェーン27のピンリンクプレート27aに固定された平面視略L字状の板部材28aと、この板部材28aの前面に先端がやや高くなるように傾けて突設された左右一対のアーム部材28bとから構成されている。また、景品ストック箱23の後壁から底壁にかけて、内部の景品Kが落下しない程度の幅の溝33が形成されており、チェーン27の矢印ハの方向への回転に伴い、左右のアーム部材28bが前記溝33から景品ストック箱23の内部へ突き出した状態で景品支持体28が上昇するようになっている。
【0015】
固定板20と上側のスプロケット25との間には有底の景品補充筒34が、前記支持杆21に固定して設けられている。図3に示すように、景品補充筒34の前面壁の下端には景品Kが通過できる程度の大きさの開口34aが形成されるとともに、この開口34aと重なる位置の固定板20を略半円形に切り欠いて景品補充口35が形成されている。景品補充口35は前記景品落下位置の斜め上方に位置している。
【0016】
また、図2に示すように、固定板20の後方には、回転板4を、いずれかの一つのバケット11が前記景品落下位置にある状態で停止させるための近接スイッチ36が設けられ、この近接スイッチ36と対になる近接板37が、回転板4の背面の、各伝動ローラ13の中間位置にそれぞれ設けられている。さらに、景品補充筒34には、景品Kの通過を検出するためのマイクロスイッチ38が設けられている。さらにまた、図示を省略するが、前記各モータ類,各スイッチ類,及びビンゴゲーム部22と接続されて各部に所定の動作を行なわせる、電気部品及びマイクロコンピュータ等からなる制御装置が備えられている。
【0017】
次いで、動作を説明する。ゲーム開始前の初期状態では、各バケット11にそれぞれ景品が入った状態で、回転板4がゆっくりと回転している。
この初期状態から、遊戯者が所定金額のコインをコイン投入口18に投入するとゲームが開始される。すなわち、先ずビンゴゲーム部22の各表示窓の色が、各表示窓ごとに赤,黄,青にランダムに切り替わる。
【0018】
そして、遊戯者が操作スイッチ19を押すと、操作スイッチ19からビンゴ停止信号が発せられ、これを受けたビンゴゲーム部22の表示色切り替え動作が停止し、各表示窓は操作スイッチ19が押された時点の色に固定される。ここで、縦横3列ずつの表示窓に、縦,横,斜めのいずれにも色の揃った列ができていなければ「外れ」ということになってゲームは終了となり、景品獲得ゲーム機は前記初期状態に戻る。
【0019】
縦,横,斜めのいずれかに、赤,黄,青のいずれかの色に揃った列ができていれば「当たり」ということになって回転板4が速く回り始める。そして、遊戯者が再び操作スイッチ19を押すと、この操作スイッチ19から回転板停止信号が発せられ、これを受けた回転板駆動用モータ10の回転が遅くなって回転板4の回転速度も次第に低下してゆき、ある程度の速度まで低下した後に近接スイッチ36が近接板37の接近を検出すると、回転板駆動用モータ10が完全に停止して回転板4も停止する。これにより、回転板4はいずれか一つのバケット11が前記景品落下位置に配される状態で停止することになる。
【0020】
次いで、バケット回動用モータ14の出力軸14aが一回転して、前記したように景品落下位置にあるバケット11が回動し、このバケット11に収容されていた景品Kが景品落下筒16の上端開口から内部に落下し、景品取り出し口17に達する。これにより、遊戯者は景品取り出し口17から景品Kを取り出すことができる。
【0021】
以上でゲームは終了したことになるが、引き続き、景品Kを落下させて空になったバケット11に景品を補充するために、回転板4が停止したままでコンベア駆動用モータ29が起動する。これにより、コンベア装置24のチェーン27が回転し、左右のアーム部材28bが前記溝33から景品ストック箱23の内部へ突き出した状態で景品支持体28が上昇する。そして、この際図6及び図7に示したように左右のアーム部材28bの間に景品ストック箱23内の景品Kが1個だけ乗り、この景品Kを支持した状態で景品支持体28がさらに上昇して景品ストック箱23から上に出る。
【0022】
そして、景品支持体28が上側のスプロケット25に差し掛かると、図8に示したように景品支持体28はスプロケット25の外周に沿って次第に斜めに傾いてゆき、これにより景品支持体28に支持されていた景品Kは景品補充筒34内に落下する。落下した景品Kは景品補充筒34の開口34a及び固定板20の景品補充口35を通過して、この時点で既に開口が上を向いた姿勢に戻っているバケット11内に落下する。
【0023】
また、前記のように景品Kが景品補充筒34を通過したことをマイクロスイッチ38が検出すると、先ず、コンベア駆動用モータ29が停止してコンベア装置24が止まり、次いで停止していた回転板駆動用モータ10が起動して、回転板20がゆっくりと回転する初期状態に戻る。
【0024】
前記したように、従来のルーレットゲーム機はクレーンゲーム機のようにゲーム機の外部から見える状態に配置された多数の景品の中から所望の景品を獲得するものではないため、遊戯者に対して興味を覚えさせることが困難であった。一方、クレーンゲーム機では、遊戯者のゲーム機を操作するゲームテクニックの巧拙によって景品獲得の可能性が大幅に左右されるので、初心者には景品獲得が困難に過ぎるという問題があった。
【0025】
これに対し、本実施形態の景品獲得ゲーム機では、遊戯者は各バケット11に収容された多種類の景品の中から所望の景品を選定する楽しみと、その景品を収容したバケット11が所定の景品落下位置に来たところで回転板4が停止するようにタイミングを見計らって操作スイッチ19を押すことの楽しみと、操作スイッチ19を押してから回転板4が停止するまでの間に果たして所望の位置で回転板4が停止するか否かといったスリルとを味わうことができ、極めて興味深くゲームを行なうことができる。
【0026】
また、どのバケット11が景品落下位置に来たところで回転板4が停止するのかということには、操作スイッチ19を押すタイミングを計るゲームテクニックの他に運・不運といった要素も関わってくるので、初心者でも景品獲得の期待感を強く抱いて興味深くゲームをすることができる。
【0027】
さらに、遊戯者は先ずビンゴゲーム部22によるゲームを行ない、その結果が「当たり」であった場合にのみ景品獲得ゲームを行なえるようになっているので、遊戯者は1回の遊戯で2種類のゲームを楽しむことができる。
【0028】
また、景品獲得ゲームのみを行なう場合は全ての遊戯者がいずれかの景品を獲得できることになるが、前記のようにビンゴゲーム部22を設けた場合には、そこで「当たり」を得た遊戯者のみが景品獲得の資格を得るので、遊戯者に獲得される景品の数が少なくて済み、そのぶん景品の品質を向上させることができる。
【0029】
さらにまた、例えば回転板が水平回転するようにし、この回転板の上面に多数の景品を載置するような構成では、所定位置の景品を取り出したり、その後に景品を補充したりするための構成が複雑になるとともに、遊戯面が水平となるためにゲーム機本体の床面積が大きくなって、狭いスペースに設置できない等の問題も生じるが、本発明では回転板が垂直回転しているので、景品の取り出し及び補充は重力を利用して容易にでき、しかも、ゲーム機本体の床面積が小さくなるので狭いスペースに設置できるという利点も生じる。
【0030】
なお、本発明の景品獲得ゲーム機が以上に説明したものに限定されないことはいうまでもない。例えば本発明にいうゲーム手段は「当たり」と「外れ」とがほぼ一定の比率で現れるものであれば前記したビンゴゲーム以外のものでもよく、例えば外周面に複数の数字又は絵が表示された複数の回転ドラムを備え、全ての回転ドラムの数字又は絵が揃った場合には「当たり」となり、揃わなかった場合には「外れ」となる所謂スロットマシンのようなものを採用することも考えられる。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る景品獲得ゲーム機によれば、遊戯者は各バケットに収容された景品の中から所望の景品を選定する楽しみと、その景品を収容したバケットが所定の景品落下位置に来たところで回転板が停止するようにタイミングを見計らって操作スイッチを操作する楽しみと、操作スイッチを操作してから回転板が停止するまでの間に果たして所望の景品が獲得できるか否かといったスリルとを味わうことができ、極めて興味深くゲームを行なうことができる。
【0032】
また、「当たり」と「外れ」とがほぼ一定の比率で現れるゲーム手段を備え、このゲーム手段のゲーム結果が「当たり」であった場合に操作スイッチからの回転板停止信号によって回転板を停止することが可能となるように構成されたものでは、遊戯者は1回の遊戯で2種類のゲームを楽しむことができるとともに、ゲーム手段で「当たり」の結果を得た遊戯者のみが景品獲得の資格を得ることになるので、遊戯者に獲得される景品の数が少なくて済み、そのぶん景品の品質を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る景品獲得ゲーム機の斜視図である。
【図2】景品獲得ゲーム機の背面図である。
【図3】景品獲得ゲーム機の要部を拡大して示した側断面図である。
【図4】回転板駆動用モータを主として示す要部拡大側断面図である。
【図5】伝動板を主として示す要部拡大背面図である。
【図6】景品ストック箱及びコンベア装置の一部を示す要部拡大側断面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】図3のB−B線断面図である。
【符号の説明】
4 回転板
10 回転板駆動用モータ(駆動手段)
11 バケット
14 バケット回動用モータ(バケット回動手段)
17 景品取り出し口
19 操作スイッチ
22 ビンゴゲーム部(ゲーム手段)
K 景品

Claims (2)

  1. 駆動手段により略水平軸心回りに回転駆動される回転板と、この回転板の前面側に周方向に所定間隔で配され開口が上を向いた姿勢を保つようにそれぞれが回転板に回動自在に支持された景品収容用の複数のバケットと、所定の景品落下位置でバケットを回動させてそのバケットに収容されている景品を落下させるバケット回動手段と、前記景品落下位置でバケットから落下させられた景品を取り出すための景品取り出し口とを備え、
    前記駆動手段は、「当たり」になると回転板を速く回し始め、操作スイッチから回転板停止信号が発せられると、回転板の回転速度を次第に低下させたあとに回転板を停止させていずれか一つのバケットを景品落下位置に停止させ、
    前記バケット回動手段は、前記駆動手段によって景品落下位置に停止されたバケットを回動し、このバケットに収容されていた景品を景品落下位置で落下させるように構成されていることを特徴とする景品獲得ゲーム機。
  2. 「当たり」と「外れ」とがほぼ一定の比率で現れるゲーム手段を備え、このゲーム手段のゲーム結果が「当たり」であった場合に操作スイッチからの回転板停止信号によって回転板を停止することが可能となるように構成された請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
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