JP3712593B2 - 低s/n比環境で可変長コード化データの送信を可能にするための方法および装置 - Google Patents

低s/n比環境で可変長コード化データの送信を可能にするための方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、低S/N比環境でのデータの送信に関し、特に、データの無線送信に関する。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】
現在、低S/N比環境または媒体によるデータの送信は、固定フレーム長または固定フレーム周期に基づいて行われている。固定フレーム周期は、音声データを伝送するのに適している。何故なら、フレーム間隔内に固定長データ・サンプル(または、サンプル長の小さなセット)を発生するように、音声エンコーダおよび音声デコーダを設定することができるからである。しかし、データ・トラヒックの場合には、可能なパケット長の範囲が広く、パケット長とフレーム長との間の不整合をなんらかの方法で補正してやらなければならない。通常、データを強制的に固定フレームのサイズに適合させるためには、パケット・セグメンテーションおよびフレーム・パッディングが使用される。従って、可変長データ・フレームを送信できることが望ましい。
【0003】
可変長情報パケットが、現在使用されている一つの環境は、コンピュータ・ネットワーク環境である。図1に示すような、従来技術の通常のネットワーク・パケット構造は、(同期のための)前文3、宛先アドレス5、パケット・サイズ・インジケータ7、データ9、および誤り検出フィールド11を含む。有線コンピュータ・ネットワーク・アプリケーションの場合には、通常、受信機は、各パケットの始まりと終わりを容易に検出することができるという前提にたっている。何故なら、送信の有線チャネルのS/N比が高いからである。
【0004】
短い前文は、受信機にパケットの始まりを発見する時間を供給し、時間的な同期を行い、パケット・サイズを読み取る。パケット・サイズ・インジケータ7は、データ・フィールド9のサイズを示し、システムは、前もってパケットの終わりを判断することができる。誤り検出フィールド11は、パケット・サイズ・インジケータ7を含むパケット内の情報を保護するために使用される。誤り検出フィールド11が含まれていない場合には、パケットは放棄される。
【0005】
無線ネットワーク、および他の低S/N比環境の場合には、サイズ・インジケータ7、および誤り検出フィールド11のようなフォーマットのパケット・ヘッダは信頼できない場合があり(エラーを含んでいる場合があり)、情報の多くのパケットを放棄しなければならないことになる。従って、図1に示すような、従来技術のパケット構造は、無線ネットワーク環境、およびその他の低S/N比環境では実際には使用できない。
【0006】
より詳細に説明すると、低S/N比環境は、高度の誤り訂正符号を必要とする。コード化された記号は、通常、非常に低S/N比で受信されるので、パケットの始まりおよび終わりを検出するのが困難になる。さらに、パケット・ヘッダのパケット・サイズ情報はコード化され、パケット境界が検出されるまで読み取ることができない。パケット境界の検出が信頼できない場合には、データ通信を進行させることはできない。そのため、現在まで、低S/N比環境での可変長パケット送信は使用されていない。
【0007】
上記無線ネットワーク・システムの場合には、情報は、通常、冗長性を持たせてコード化されるので、誤りビットが導入された場合には、エラーを起こさないで情報を再構成することができる。通常の符号分割多元接続(CDMA)アプリケーションの場合には、元のメッセージが「N」ビットを含む場合、コード化されたメッセージは、「2N」または「3N」ビットを含む。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の装置および方法を使用すれば、可変長コード化データを低S/N比環境で送信することができる。本発明の装置および方法を使用する場合には、コード化したデータの始まりを示すために、特定のデータ・パターンが、コード化されたデータの始めの部分に加えられ、コード化されたデータの終わりを示すために、コード化されたデータの終わりの部分に、同じまたは他のデータ・パターンが加えられる。さらに、コード化されたデータそれ自身は、開始データ・パターン、または終了データ・パターン、またはその変形したものを含むことができるし、また、それ故、コード化されたデータの始まりまたは終わりが間違って表示される場合があるので、コード化されたデータの上記パターンが、最初にチェックされる。それため、(低S/N比環境では、間違えられる恐れがある)上記パターンまたは類似のパターンが、コード化されたデータで発見された場合には、新しいパターンが代わりに使用される。そのため、可変長コード化データを、低S/N比環境を通して送信することができ、その後で、上記データを容易に解読することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照しながら以下の説明を読めば、本発明の特徴、態様および利点をよりよく理解することができるだろう。なお、図面中、類似の要素には類似の番号がつけてある。
【0010】
本発明は、低S/N比環境を通して送信するとき、特定のデータ・パターンを使用して、コード化されたデータの始まりを示すために、データ・パケットの始まりのところに、上記の特定のデータ・パターンを追加する。また、低S/N比環境を通して送信するときに、コード化されたデータの終わりを示すために、コード化されたデータの終わりの部分に、同じまたは別のデータ・パターンを追加する。最後に、コード化されたデータ自身が、決して開始データ・パターンまたは終了データ・パターンを含まないようにするために、またコード化されたデータの始めの部分または終わりの部分が、決して誤って表示されないようにするために、コード化されたデータの開始インジケータおよび終了インジケータとして使用したデータ・パターンまたは類似のデータ・パターンが、最初にチェックされる。上記または類似のパターンが検出された場合には、コード化されたデータの始めの部分または終りの部分が誤って検出されるのを防止するために、他のパターンが代わりに使用される。
【0011】
コード化されたデータの始めの部分および終りの部分を示すために、既知のまたは予め定めたデータ・パターンを使用することにより、長さが変化するデータを上記データ・パケットにより送信することができる。さらに、他のデータ・パターン、またはそれに最も類似性の高いデータ・パターンを使用することにより、それらがコード化されたデータで自然発生する場合に、送信されたデータの始めの部分および終りの部分が不正確に表示されるのを防止することができる。従って、上記スキームを使用することにより、無線ネットワークのような低S/N比環境を通して可変長コード化データを送信することができる。
【0012】
図2Aは、本発明の代表的なデータ・パケット20である。データ・パケット20は、例えば、「X」で示す第一の前文データ・パターン22と;例えば、「S」で示す同期パターン23と;データ・パケットの終わりの部分に追加される、「Z」で示すポストアンブル・データ・パターン26とを含む。「X」および「Z」は、それぞれ、コード化されたデータの始めの部分および終りの部分を示し、いかなる意味でも制限的なものと見なすべきでない、第一の前文データ・パターンおよび第二のポストアンブル・データ・パターンをそれぞれ示すために通常選択されたものであることに留意されたい。同様に、「S」は、通常、前文データ・パターン「X」の後で検出される同期データ・パターンを表わす。データ・パターン「S」の終わりは、コード化されたデータのシーケンスの始まりを示す。
【0013】
簡単な形のある好適な実施形態の場合には、前文データ・パターン「X」は、ポストアンブル・データ・パターン「Z」と同じものになるように選択することができる。しかし、より好適なのは、ポストアンブル・データ・パターン「Z」を前文データ・パターン「X」のサブパターンにすることである。それ故、図2に示すような、データの連続送信の場合には、タイミング・エラーが発生して、データ・パターン「X」が認識できない場合でも、好適なことに、そのサブパターン「Z」を認識することができる。それ故、連続データ・シーケンスでパケットの終わりが認識された場合には、データ・パターン「S」を発見すれば、その後に、コード化されたデータが存在することになる。
【0014】
無線通信の際に発生する多重ユーザ干渉、または低信号電力のような、低S/N比環境の代表的な問題を克服するために、データ・パケット20の始めの部分に追加された第一のデータ・パターン22(「X」)は、好適には、約8またはそれ以上の記号またはビットであることが好ましい。実験により、(データ・パターン「S」および「X」用として)16ビットを使用すると、無線チャネルを通しての通信の場合、信頼性の高い検出および同期を行うことができることが分かった。しかし、両方の対応する送信機/エンコーダおよび受信機/デコーダが、選択したデータ・パターンを知っている限りは、状況により任意の数のビットまたは記号を使用することができる。
【0015】
従って、予め定めた長さlXの、予め定めたパターン「X」が選択され、各データ・パケット20の最初の部分のところの物理層に挿入され、その後に、同期パターン「S」が挿入される。好適には、データ・パターン「Z」は、図2Aに示すように、データ・パケット26の終りの部分を区切るために使用するのが好ましい。また、好適には、データ・パターン「Z」は、データ・パターン「X」の少なくとも一つのサブセットまたはサブパターン(すなわち、X=01000000およびZ=0000)であることが好ましい。さらに、データ・パターン「Z」は、通常、シーケンス・タイミングに偶発的に記号エラーおよびビット・シフトが受信された場合でも、容易に認識することができるように選択される。そのようなデータ・パターン「Z」の一例としては、全部1または全部0などがある。
【0016】
同期データ・パターン「S」は、通常、前文データ・パターン「X」の後にくるが、コード化されたデータの始めの部分を示す第一のデータ・パターンの第二の部分と見なすことができる。データ・パターン「S」は、コード化されたデータの始めの部分とよく同期するように選択される。このようなデータ・パターン「S」の例としては、周知のバーカー・シーケンスがある。同期パターン「S」は、通常、偶発的に記号エラーを受信した場合でも、容易に認識できるように選択される。前文データ・パターン「X」は、受信機に、データ・パターン「S」を探すように示し、そして、データ・パターン「S」は、このデータ・パターン「S」を受信した後で、コード化したデータをスタートするように受信機を同期させる。もちろん、アドレス情報またはフィールドを含む他のリンク・レベル情報を、データ・パターン「S」と、(そのことを送信機と受信機の両方に知らせなければならないことを示す)データの始めの部分との間に挿入することができる。
【0017】
本発明の一実施形態の場合には、データ・パターン「X」は、すべて1のシーケンスのように、高い自動訂正(低い解像度)を持つように選択される。データ・パターン「S」は、上記バーカー・シーケンスまたは乱数シーケンスのような低い自動訂正(高い解像度)を持つように選択される。
【0018】
図2Bは、データ・パケット20の後で、ある長さの周期を送信した他のデータ・パケット30である。データ・パケット20と同様に、データ・パケット30は、コード化されたデータの始めの部分32のところのデータ・パターン「X」と;同期パターン「S」と;データ・パケット20のデータ部分24より短いか、または長さの異なるデータ部分34と;データ・パケット30の終りの部分36に追加されたデータ・パターン「Z」とを含む。図2Aおよび図2Bに示すように、パケットが断続的に送信される場合であって、その間に、「デッド・エア」が挿入されているエア・インターフェースにより送信される場合には、各パケットは、それぞれ各パケットの始めの部分および終りの部分を示す、別々のマーカ「X」および」Z」を含む。
【0019】
図2Cは、連続的に送信されたデータ・パケット40を含む状態を示す。データ・パターン「X」は、データ46aを含む第一のデータ・パケットの始めの部分42に挿入される。この場合、データ・パターン「S」は、その後の43のところに挿入され、データ・シーケンスの始めの部分を示す。他のデータ・パターン「Z」は、データ46cを含む、連続的に送信されたデータ・パケットの最後の終りの部分44のところに挿入される。このような連続的なデータ送信の場合には、48a、49aおよび48b、49bで示すデータ・パターン「X」およびデータ・パターン「S」は、データの一つのグループの一つの部分の終りの部分、およびもう一つのグループの始めの部分を示す働きをする。例えば、48aおよび49aで示すデータ・パターン「X」、「S」は、コード化されたデータ46aの終りの部分を示し、またコード化されたデータ46bの始めの部分を示す。同様に、48bおよび49bで示すデータ・パターン「X」、「S」は、コード化されたデータ46bの終りの部分を示し、またコード化されたデータ46cの始めの部分を示す。それ故、本質的に冗長なデータ・パターン「X」、「S」は、上記のデータの連続送信の場合、省略することができる。
【0020】
従って、図2A−図2Cに示すように、データ部分は可変長であってもよい。データ・パケットのデータ部分は、当然長さが変化するので、上記データ部分を強制的に固定サイズのフレームに入れる必要はない。例えば、短いデータ・パケットを送信する場合には、ほとんどの部分が空である、固定サイズのデータ・フレームを送信する必要はない。その代わりに、データ・パケットの終りの部分は、既知のデータ・パケット「X」を再度検出することにより、容易に発見することができる。
【0021】
空気のような低S/N比環境を通して、図2A−図2Cに示すような、データ・パケットを送信する場合には、残りのデータ・パケットと比較した場合、データ・パターン「X」および「Z」に対して、異なる変調スキームを使用することができる。例を挙げて説明すると、データ・パケットの始めの部分と、終りの部分とを区切るために使用するデータ・パターンは、BPSK(2進位相シフト方式)変調を使用し、一方、データ部分は、例えば、ユーザの位置および無線環境により、8PSK(位相シフト方式)または16QAM(直交振幅変調)により送信される。特定のデータ・パケットに対して使用する変調スキームが何であろうとも、データ・パケットの始めの部分および終りの部分を示すデータ・パケット「X」および「Z」に対して使用する変調は、通常、データ・パターンを検出するための、受信端部のユニットを簡単にするために固定される。
【0022】
本発明のもう一つの態様は、データ・パターン「Z」が、図2A−図2Cのデータ部分24、34および46a−cのようなデータ部分でランダムに発生するかもしれないという事実を解決する。(このことは、「Z」が置換された場合、コード化されたデータの「X」はすべて除去されてしまうので、「Z」が置換された場合、「X」を個々に置換する必要がないように、データ・パターン「Z」が、パターン「X」のサブパターンの形をしているという仮定に基づいている。しかし、「Z」が「X」のサブパターンでない場合には、「X」は、「Z」について以下に説明するのと同じ方法で置換することができる。)本発明の場合には、この起こる可能性のある問題を、コード化されたデータがデータ・パターン「Z」を含んでいるという判断をした場合に、コード化されたデータのデータ・パターン「Z」の代わりに、第二のデータ・パターンを使用することによって解決している。この点については、例えば、図3のところで説明する。
【0023】
図3は、「Y」で示す第一のデータ・パターン102、および「Z」で示す第二のデータ・パターン104を含む、コード化されたデータである。それ故、データ・パケットの終りの部分を示す既知のデータ・パターンとして選択されたデータ・パターン「Z」が、コード化されたデータ自身内に存在する。データ・パターン「Z」が、データ・パケット終了インジケータであると誤って判断されるのを防止するために、データの送信が行われる前に、新しいデータ・パターンによる置換が行われる。
【0024】
より詳細に説明すると、データ・パターン「Z」の長さはlzである。このデータ・パターン「Z」が、コード化されたデータで検出された場合には、予め定めた長さlEの第一の部分「E]を含む第二のデータ・パターンが、その代わりに使用される。第一のデータ・パターン「Z」と同様に、その第一部分「E]を含む第二のデータ・パターンは、システムの対応するエンコーダ/送信機および受信機/デコーダが知らなければならないものであるが、ある周知のパターンおよび長さのものであればよい。図3の要素130で示す第二のデータ・パターンの第一の部分「E」は、元のコード化されたデータの置換がすでに行われていることを示す。
【0025】
すでに説明したように、データ・パターン「Z」を置換するための第二のデータ・パターンは、第一の部分「E」を含み、さらに、置換により除去されるデータのタイプを識別する第二の部分「I」を含む。データ・パターンのこの第二の部分は、長さlIのインジケータ・フィールドであり、図3の要素132としてのI1により示す。第二の各部分「I」は、インジケータ・フィールドであるが、好適には、元のコード化されたデータ内で置換されたデータ・パターンを示すことが好ましく、この第二の部分「I」は、対応するエンコーダ/送信機および受信機/デコーダが知っているものであり、周知のパターンおよび/または長さのものであればよい。
【0026】
従って、図3に示すように、コード化されたデータ・パケットの終りの部分を示すために使用される、予め定めたデータ・パターン「Z」が、元のコード化されたデータ内に存在する場合には、第一の部分「E」および第二の部分「I」を含む第二のデータ・パターンにより置換される。(図3の要素132である)「I1」のような特定の第二の部分「I」は、「Z」が、元のコード化されたデータ内で置換されたデータ・パターンであったことを示す。それ故、図3の要素104で示すように、元のコード化されたデータ内に存在する元のデータ・パターン「Z」は、要素130が示す第一の部分「E」、および図3の要素132が示す第二の部分「I1」により置換される。送信のためにデータを作成している間に、データ・パターン「X」および「S」は、要素120および121で示すように、(上記置換を行った後で)コード化されたデータの始めの部分に追加され、データ・パターン「Z」は、要素122で示すように、コード化されたデータの終りの部分に追加される。その後で、この可変長コード化データ・パターンが送信される。
【0027】
好適には、実際のデータ送信の場合、データ・パターン「X」および「S」が、置換後に、コード化されたデータに効果的に追加され、最初に、コード化されたデータから別々に送信されることが好ましい。その後で、データ部分「Y」、「E」および「I1」が送信される。最後に、データ・パケットの終りを示すデータ・パターン「Z」が、効果的に追加され、送信される。
【0028】
さらに、別の好適な実施形態の場合には、送信機および受信機にとって、発生したデータ・パターン「Z」すべてを置換しないですむならその方が有利である。それ故、本発明は、コード化されたデータが、長さlzのブロックに分割されるシーケンス同期モードで動作することができることを理解されたい。その後で、各ブロックは、長さlzのすべてのシフトをチェックするのではなく、データ・パターン「Z」を含んでいるかどうかについてチェックされ、その後送信される。
【0029】
図3に示すように、受信対象は、(部分「X」、「S」、「Y」等として受信されることが好ましい)データ・パターンである。このデータ・パターンは、送信されたものと同じであり、要素122で示すようなコード化されたデータ「Y」、および要素130および132で示すような、データ・パターン「Z」の置換用の第二のデータ・パターンの第一の部分(「E」)および第二の部分(「I1」)と一緒に、要素120で示すような、データ・パケットの始めの部分を示すデータ・パターン「X」、同期パターン「S」(121)、および要素122で示すようなデータ・パケットの終りの部分を示す最後のデータ・パターン「Z」を含む。コード化されたデータを解読するとき、図3の130で示すように、要素「E」で表わされる第二のデータ・パターンの第一の部分は、すでに置換済みであることを示す。インジケータ・フィールドI1は、要素132で示すように、すでに置換済みの特定のデータ・パターン、すなわち、この場合にはデータ・パターン「Z」を示す。従って、この情報を使用して、第二のデータ・パターンの第一および第二の部分は、正しくコード化されたデータを回収することができるように、図3の要素150で示すように、データ・パターン「Z」により置換される。
【0030】
データ・パターン「Z」がコード化されたデータ内で発生する時に、起こるおそれがある問題と同様に、コード化されたデータ・パケットの終りの部分のインジケータとして使用することにより、(また、好適には、コード化されたデータ・パケットの始めの部分を示すデータ・パケット「X」の一部として、「Z」が「X」のサブパターンまたはサブセットであると仮定することにより)、データ・パターン「E」が元のコード化されたデータ内に発生した場合には、同様に、一つの問題が発生する恐れがある。より詳細に説明すると、データ・パターン「E」は、置換済みであることを示すために使用されるので、このデータ・パターン「E」が元のコード化されたデータ内に存在する場合には、置換済みの表示は誤りである。この発生する可能性がある問題を解決するために、データ・パターン「E」が元のデータ・パターン内に存在する場合には、同様に、好適には、第二のデータ・パターンで置換することが好ましい。この第二のデータ・パターンは、置換済みを示す同じ部分「E」、および異なる第二の部分「I」を含む。この第二の部分「I」は、データ・パターン「E」が元のコード化されたデータ内に存在することを示し、それ故、データ・パターン「Z」を示すために使用する第二の部分「I1」とは異なる。従って、図3には示していないが、第二のデータ・パターンの異なる第二の部分I2は、元のコード化されたデータ内にデータ・パターン「E」が存在することを示すために使用される。好適には、コード化されたデータ内に、もともと存在するデータのタイプを示す第二のデータ・パターンの第二の部分「I」は、(データ・パターン「Z」を示すフィールド「I」、およびデータ・パターン「E」を表わすフィールド「I2」に対するものとは異なるデータ・パターンを含む)データ・パターンにより識別される。図4は、データをコード化し、可変長コード化データを、低S/N比環境を通して、送信できるようにするための装置200を示す。図4の装置200については後で説明する。低S/N比環境として、無線信号送信用の多くの例を示しているが、本発明は、特定の低S/N比環境に制限されるものではないことに留意されたい。さらに、上記多くの例は、CDMAアプリケーションを含むが、本発明の可変長パケット形成スキーム・アプリケーションは、同様に、例えば、時分割多重アクセス(TDMA)のような他のアプリケーションにも同様に適用することができる。
【0031】
好適には、最初に、データ202をデータ・バッファ203に入力することが好ましい。信号表示バッファの内容は、コントローラ208に送られる。バッファ203が満杯である場合には、データ202はエンコーダ204に移送される。もちろん、バッファ内への上記データの記憶は、コントローラ208により制御することもできるし、および/またはエンコーダ204で制御することができ、そのため、個々のデータ・バッファ203を必要としないことに留意されたい。
【0032】
低S/N比環境が、空気のような無線環境である場合には、エンコーダ204は、好適には、例えば、順方向エラー訂正エンコーダであることが好ましい。例えば、無線CDMA環境のような低S/N比環境の場合には、順方向エラー訂正エンコーダは、低S/N比環境に由来するエラーの自然発生的な問題に対処するために、データを冗長性を持たせてコード化するために使用される。従って、データ・パターンが「N」個のビットからなる場合には、FECエンコーダは、2Nまたは3Nビットのデータを出力する。
【0033】
エンコーダ204の後には、好適には、インターリーバ206を接続することが好ましい。インターリーバ206は、行の複数のエラーの影響を軽減することによりFECエンコーダの性能を改善するために、CDMAシステムのような無線システムで動作する。効果的に、コード化されたデータは組み換えられるか、および/またはインターリーバ206により、ビットがシフトされる。無線通信の場合には、インターリーバ206は、普通に使用されるものであるのでこれ以上の説明は省略する。
【0034】
エンコーダ204およびインターリーバ206は、コントローラ208により制御され、コントローラ208は、入力バッファが満杯になった場合にその制御を開始し、エンコーダ204をデータ202のパケット境界と同期させる。
【0035】
マルチプレクサ210は、インターリーバ206に接続している。マルチプレクサ210は、例えば、10ビット毎のように、Nビット毎に電力制御ビットを、インターリーバ206からのデータ出力に多重化する。これら電力制御ビットは、周知の方法で、他のビット上に重ね書きすることにより挿入することができ、PCビットは、他の送信機に電力の制御方法を知らせる。
【0036】
コントローラ208は、インターリーバ206からのコード化されたデータ出力に電力制御ビットを挿入させ、さらに、予め定めたデータ・パターン「X」、「S」および「Z」を多重化して、コード化されたデータの始めの部分および終りの部分に多重化するようにマルチプレクサ210を制御する。これについては後で説明する。
【0037】
コンバータ220が、マルチプレクサ210に接続している。これについては、システムの動作に関連して詳細に説明する。要するに、コンバータ220は、データ・パターン「Z」が、コード化されたデータ内に存在するかどうかを判断するために、データ自身を検査し、(例えば、第一の部分「E」および第二の部分「I」を含む)第二のパターンで置換する。このコンバータ220は、データ・パターン「Z」に関する情報を含む、例えば、メモリを備えることができるので、データ・パターン「Z」の存在の有無を判断するために、既知のデータ・パターン「Z」をコード化されたデータと比較することができる。さらに、好適には、上記メモリは、追加のデータ・パターン「E」を記憶していることが好ましい。何故なら、好適には、パターンEの存在を知るために、コード化されたデータもチェックすることが好ましいからである。その上、メモリは、さらに、第一の部分Eおよび種々の第二の部分IZ、IE等を含むすべての置換データ・パターンを含む。コンバータ220は、コード化されたデータ内に存在するデータ・パターンをチェックするばかりでなく、必要な場合には、発見したデータ・パターンを新しいデータ・パターンと交換または置換する。
【0038】
マルチプレクサ230は、コンバータ220に接続している。マルチプレクサ230は、その内部で行ったすべての置換を含む、コンバータ220からのコード化されたデータ出力の始めの部分に、予め定めたデータ・パターン「X」、および同期パターン「S」を追加するように、またその端部に予め定めたデータ・パターン「Z」を追加するように、コントローラ208により制御される。データ・パターン「X」は、データ・パターン「S」と一緒に、コード化されたデータの始めの部分を示すために、コード化されたデータの始めの部分に挿入され;データ・パターン「Z」は、コード化されたデータの終りの部分を示すために、コード化されたデータの終りの部分に追加される。図4は、同様に、周知の方法で、マルチプレクサ230からの信号出力を拡張するためのスプレッダ240を示す。他の図示していない周知の構成部品としては、好適には、スプレッダ240およびアンテナ250の間に位置することが好ましいデータ変調装置および電力アンプ等がある。
【0039】
最後に、スプレッダ240からの信号出力は、アンテナ250から出力され、伝播信号260として、空気のような低S/N比環境へ送信される。図4のスプレッダ240およびアンテナ250は、装置200に内蔵させることができる。しかし、スプレッダおよび/またはアンテナを装置200の外部に設置して、信号を送信するのに使用することもできる。
【0040】
空気のような低S/N比媒体内で実行された伝播信号260は、伝播信号の始めの部分を示すデータ・パターン「X」を含む開始セグメントと、データ・パターン「S」と、伝播信号の終りの部分を示すデータ・パターン「Z」を含む終了セグメントとを含む。さらに、コード化されたデータ・セグメントをその内部に収容することができる。コード化されたデータが、最初からデータ・パターン「Z」を含んでいた場合には、信号を伝播する前に、このデータ・パターン「Z」は、他のデータ・パターンにより置換される。ある好適な実施形態の場合には、例えば、伝播信号260は、空気中を伝播するキャリヤ波で実行される。
【0041】
図5は、解読装置300である。装置200の場合のように、解読装置300の説明中には、多くの無線信号の送信についての記述があるが、本発明はそれらに限定されない。
【0042】
図5に示すように、伝播信号260は、アンテナ310により受信される。ここでもまた、上記アンテナ(およびスプレッダ340)を解読装置300に内蔵させる必要はない。外部装置として使用することもできる。アンテナには検出装置330が接続している。この検出装置は、好適には、無線システムの相関装置であることが好ましい。好適には、サブチップ・サンプリングを含むことが好ましい相関装置は、データ・パターン「X」に整合している。それ故、検出装置330または相関装置は、例えば、データ・パターン「X」を検出することにより、受信した可変長コード化データ信号の始めの部分を検出することができる。このデータ・パターンが検出されると、データ・パターン「S」を発見するための探索が行われ、その後で、コード化されたデータの一部が識別される。図示していない他の周知の構成部品としては、フロント・エンド受信機、および(検出装置330の一部とすることができる)タイミング回路、および検出装置330とデスプレッダ340との間に位置するデータ復調装置等がある。
【0043】
その後で、検出装置330からの信号出力は、周知の方法で信号をデスプレッドするために、デスプレッダ340に入力される。デスプレッダ340には、コンバータ350が接続しているが、このコンバータは、検出した受信可変長コード化データ信号の一部が、データ・パターン「X」および「S」の後に第一の部分「E」を含む第二のデータ・パターンを含んでいるかどうかを判断することができる。第二のデータ・パターンのこの第一の部分「E」は、コード化されたデータ信号で行われた任意の置換を識別するために使用される。受信した可変長コード化データ信号が、このような第二のデータ・パターンを含んでいる場合には、新しいデータ・パターンによる置換が行われる。コンバータ220のように、コンバータ350は、好適には、その第一および第二の部分を含む、予め定めたデータ・パターンのすべてを記憶しているメモリを含むことが好ましい。
【0044】
システムの動作のところで詳細に説明するように、受信した可変長コード化データ信号で置換が行われたことを示すデータ・パターン「E」が発見されると、どのパターン「I」がその後発生するのかを判断するために、上記可変長コード化データ信号の後続の部分がチェックされる。パターン「I」により、第一の部分「E」および第二の部分「I」を含む第二のデータ・パターンの代わりに、複数のデータ・パターンの中の一つが使用される。例えば、データ・パターン「Z」(104)が、コード化されたデータ内に最初から存在していている場合には、第一の部分「E」(130)および第二の部分「I」(132)を含む第二のパターンが、受信したデータ信号内に存在し、コンバータ350により、データ・パターン「Z」(150)の置換が行われる。
【0045】
デマルチプレクサ360は、コンバータ350に接続しているが、このデマルチプレクサ360は、コード化されたデータから電力接続ビットを分離する。これら制御ビットPCは、コード化されないで送信されるし、またコード化されたデータ内で一定の間隔で発生するので、容易に分離することができる。デインターリーバ370が、デマルチプレクサ360に接続している。最後に、デコーダ380がデインターリーバ370に接続していて、コンバータ350により修正されたコード化されたデータ信号を解読する。この解読は、例えば、認識されたデータ・パターン「X」および「S」の後で行われる。デコーダ380は、好適には、FECデコーダであることが好ましい。上記デコーダは周知のものであるので、FECデコーダの詳細な説明は省略する。
【0046】
コントローラ390は、解読装置300に内蔵されていて、デマルチプレクサ360、検出装置330、コンバータ350、デインターリーバ370、およびデコーダ380を制御する。デコーダ380からは、データ392が出力されるが、このデータは、図4の入力データ202のそれと同じものである。
【0047】
さらに、解読装置300は、アンテナ310および検出装置330に接続しているスリープ/ウェーク回路320を含む。長期間、データを受信しない場合には、解読装置300は、バッテリーの電力を節約するための、「スリープ」モードになることができる。その後で、スリープ/ウェーク回路320は、例えば、アンテナ310が受信したページング信号、または、例えば、トラヒック・チャネル上で受信したエネルギーに応じて、解読装置300を始動させる。
【0048】
図6および図7は、低S/N比環境において、可変長コード化データの送受信を可能にするための方法全体の略図である。図6は、データ送信を可能にする方法であり、図7は、データの受信および解読を可能にする方法である。
【0049】
最初に、図6に示すように、入力データが、ステップS2において、(例えば、CDMAでのFECコード化により)パッドされ、解読される。その後で、ステップS4において、そのデータが組み替えまたはインターリーブされる。ステップS6においては、データ部分は別々に送信されたものと仮定して、(同期データ・パターン「S」と一緒に)、データ・パターン「X」が、デマルチプレクサ230により追加され、データ・パターン「X」および「S」が送信される。図2Cに示すように、データ・パケットの一部を送信するための好適な方法については、図6のところで説明するので、それを読まれたい。これにより、PCビットを頻繁に挿入したり、割り当てたり、送信することができる。しかし、本発明はそれらに限定されるものではなく、図2Cに示すように、送信する前に全データ・パケットのパケット化、および開始データ・パターン「X」および終了データ・パターン「Z」を含む、完全なデータ・パケットの送信を含むことができる。
【0050】
その後で、ステップS8においては、すべてのコード化されたデータが送信されたかどうかの判断が行われる。すべてのコード化されたデータが送信されていない場合には、ステップS10において、コード化されたデータの一部がチェックされる。このチェックは、コード化されたデータ信号が、例えば、データ・バッファ203を使用して、割り当てまたは分割済みであるとの仮定に基づいて行われるので、予め定めたパターンの存在をチェックするのに、コード化されたデータ信号の一部だけをチェックするだけですむ。必要な場合には、ステップS12においてPCが挿入される。
【0051】
次に、ステップS14において、コード化された信号が、例えば、予め定めたパターン「Z」のような、特定のデータ・パターンを含んでいるかどうかの判断が行われる。コード化された信号が、上記特定のデータ・パターンを含んでいる場合には、ステップS16において、上記データ・パターン「Z」は、他のデータ・パターンにより置換される。例えば、データ・パターン「Z」が、コード化されたデータ内に存在する場合には、そのデータ・パターン「Z」は、例えば、第一の部分「E」および第二の部分「I」を含むデータ・パターンにより置換される。ステップS14への応答が「いいえ」である場合には、処理はステップS18に進む。同様に、ステップS6において、特定のデータ・パターンが、他のデータ・パターンですでに置換されている場合には、システムは、同様に、S18に進む。ステップS18においては、(ステップS14からの)特定のデータ・パターンを含んでいない場合には、コード化されたデータ部分が送信され、コード化された信号が、初めから(ステップS16からの)特定のデータ・パターンを含んでいた場合には、置換されたデータ・パターンを含むコード化されたデータ部分が送信される。それ故、例えば、ステップS18において送信されたコード化されたデータ部分は、図3の要素130が示す第一の部分「E」、および図3の要素132が示す、第二の部分「I1」を含む置換データ・パターンを含むことができる。
【0052】
最後に、ステップS18においてデータ送信が終了してから、システムは、ステップS8に戻り、コード化されたデータの終りの部分が到着したかどうかをチェックする。追加のコード化されたデータ部分が存在する場合には、処理はステップS10に進む。ステップS8において、コード化されたデータの終りの部分が到着していない場合には、システムはステップS20に進む。ステップS20においては、コード化されたデータ信号の終りを示すために、予め定めたポストアンブル・パターン「Z」が送信される。ここでもまた、本発明は、図2Aに示すように、送信前にコード化されたデータ・パターンに追加された、前文データ部分「X」およびポストアンブル・データ部分「Z」(および同期パターン「S」)を含む、完全なデータ・パケットの組立および送信を含むことを述べておかなければならない。
【0053】
図7は、可変長コード化データの受信および解読方法の略図である。ステップS50においては、信号が受信される。その後で、ステップS52においては、特定のデータ・パターン「X」が検出されたかどうかを判断するために、上記信号がチェックされる。上記データ・パターン「X」が検出されていない場合には、システムは、ステップS50に戻り、他の信号の受信待ちになる。しかし、ステップS52において、特定のデータ・パターン「X」が検出された場合には、上記データ・パターン「S」が存在するかどうか判断するために、受信信号がチェックされる。データ・パターン「S」が存在する場合には、解読装置300を同期するために使用したデータ・パターン「S」の後の信号は、コード化された信号であることを意味し、上記信号はステップS54においてさらにチェックされる。
【0054】
ステップS56においては、他の特定のデータ・パターンが、検出されたかどうかの判断が行われる。検出された場合には、特定のデータ・パターンが、データ・パケットの終りを意味する「Z」パターンであるかどうかを判断するために、処理はステップ58に進む。
【0055】
ステップS58において、特定のデータ・パターンが「Z」パターンでない場合には、処理はステップS62に進む。ステップS56において、第一の部分「E」を含むデータ・パターンのような他のデータ・パターンが検出された場合には、第一の部分「E」および第二の部分「I」を含む全データ・パターンが、ステップS62において、他のデータ・パターンにより置き換えられる。この置換は、検出された特定の第二の部分「I」により異なる。例えば、図3に示すように、要素130で示すデータ・パターン「E」、および要素132で示すデータ・パターン「I1」が示すデータ・パターン「Z」が検出された場合には、要素150が示すデータ・パターン「Z」が置換される。その後で、処理はステップS64へ進む。同様に、ステップS56において、特定のデータ・パターンが検出されなかった場合には、処理はステップS64に進む。
【0056】
ステップS64においては、可能である場合には、PCビットが抽出され、処理はステップS54に戻り、そこで入力信号がチェックされる。ステップS56およびS58において、コード化されたデータ信号の終りを示すデータ・パターン「Z」が検出されたと判断されるまで、反復して処理が行われる。その後で、ステップS66においては、デインターリーブが行われる。コード化されたデータ信号の解読は、ステップS68の後で行われる。その場合、処理はステップS60で終了する。
【0057】
従って、本発明の装置および方法を使用すれば、装置200および解読装置300が知っているデータ・パターンが決定される。このデータ・パターン「X」は、その後で、入力可変長コード化データ信号を示すために、また(データ・パターン「S」を含む)可変長コード化データ信号の始めの部分を検出することができるようにするために、タイミングの同期を行う目的で使用される。同じか、またはデータ・パターン「X」のサブセットと同じであってもよい、他のデータ・パターン「Z」は、可変長コード化データの終りを判断するために使用される。既知のデータ・パターン「X」および「Z」は、通常、無線通信の際に使用される空気の低S/N比環境のような、低S/N比環境で可変長コード化データを送信することができるようにするために、有線アプリケーションで通常使用されるものよりも長いものでなければならない。このことは、低S/N比環境、通常、無線チャネルで発生するフェージング等を克服するために必要である。さらに、好適には、無線通信で使用することが好ましいが、本発明は、有線アプリケーション、特に、低S/N比での通信で使用することができる。
【0058】
本発明のさらに好適な実施形態の場合、データ・パターン「E」およびデータ・パターン「Z」類似の追加のデータ・パターンが、コード化されたデータ内で発生した場合には、好適には、これらデータ・パターンを置換することが好ましい。図8は、データの置換を示す、可変長コード化データの終わりおよびデータ・パターン「E」を示すために使用されるデータ・パターン「Z」だけではなく、データ・パターン「Z」類似のデータ・パターン「Z」も置換する必要があるある実施形態を示す。
【0059】
図8の実施形態の場合には、コード化されたデータは、要素102で示す第一の部分「Y」と;要素104で示す第二の部分「Z」と;要素106で示す第三の部分「Z’」と;要素108で示す第四の部分「Y」とを含む。送信用のデータを準備している際に、予め定めたデータ・パターン「X」(120)および「S」(121)は、コード化されたデータの始めの部分に追加され、データ・パターン「Z」(122)は、コード化されたデータの終りの部分に追加される。要素104が示すデータ・パターン「Z」に対する置換が行われるが、その場合、要素130で示すデータ・パターン「E」および要素132で示す第二の部分「I1」を含むデータ・パターンにより置換が行われる。しかし、図8の実施形態の場合には、要素106で示すように、パターン「Z」に対する置換は行われない。
【0060】
コード化されたデータ信号を受信した場合には、要素120が示すパターン「X」が、同期パターン「S」(121)の場合のように、最初認識される。その後で、要素102が示すパターン「Y」、要素130で示す第一の部分「E」および要素132で示す第二の部分「I1」を含むデータ・パターンを挿入するために、コード化されたデータ信号が読み取られる。部分「E」および「I1」から、パターン「Y」は、要素102で示すように解読され、要素150で示すようにパターン「Z」が解読される。しかし、信号の送信中、「Z’」はデータ・パターン「Z」によく似ているので、受信信号を受信した場合、エラーが発生する恐れがある。それ故、要素106が示すように、パターン「Z’」が受信されたことを認識する代わりに、受信したパターンを、要素140が示すように、間違って、他のパターン「Z]として識別し、エラーが発生する恐れがある。
【0061】
従って、図8の場合には、要素122が示す他のパターン「Z」が認識されるまで、106で示すパターン「Z」を解読し、その後で、要素108が示すパターン「Y」を解読する代わりに、パケットの終わりの通知が行われる。何故なら、要素140で示す他の要素「Z」が、偶然識別されることがあるからである。それ故、信号がデータ・パターン「Y」、「Z」、「Z’」および「Y」を含んでいるという正しい解読が行われる代わりに、その信号は、図8の要素102および150により示すデータ・パターン「Y、Z」として解読される。その場合、第二のデータ・パターンは、図8の要素108で示すデータ・パターン「Y」として解読される。このようなことが起こるのは、受信データ信号が、データ・パターンの始りを示す、要素120が示す第一のパターン「X」を含んでいると認識される恐れがあるからであり、第一のコード化されたデータ信号の終りを示す、要素140が示す第二のデータ・パターン「Z」を含んでいると認識される恐れがあるからであり、そして、第二のデータ・パターンの終わりを示す、要素122が示すもう一つのデータ・パターン「Z」を含んでいると認識される恐れがあるからである。ここでもまた、このようなことが起こるのは、最初にコード化されたデータ・パターン106が、データ・パターン「Z」に類似または非常に似ているパターンを含むからである。
【0062】
図9は、本発明の他の好適な実施形態であるが、この場合には、データ・パターン「Z」が、コード化されたデータ内で自然に発生した場合に、そのデータ・パターン「Z」が置換されるばかりでなく、要素106が示すデータ・パターン「Z’」も置換される。この場合には、データを送信する前に、データ・パターン「X」および「S」(120、121)が、コード化されたデータの始めの部分に追加され、データ・パターン「Z」が、コード化されたデータの終りの部分に追加され、要素104が示すデータ・パターン「Z」が、コード化されたデータで検出され、要素130で示す第一の部分「E」を含むパターン、および要素132で示す第二の部分「I1」が代わりに使用される。
【0063】
さらに、コード化されたデータにおいて、要素106が示すデータ・パターン「Z’」も存在することが認識される。従って、要素106が示すデータ・パターン「Z’」も置換されるが、この場合、要素101が示す第一の部分「E」を含むデータ・パターンが、要素133が示す第二の部分I2と一緒に変換される。この要素I2は、好適には、解読した場合、要素「Z’」が、図9の要素151が示すように置換されるように、要素「I1」とは異なるパターンであることが好ましい。従って、本発明のそのような他の好適な実施形態の場合には、データ・パターン「Y」、「Z」、「Z’」および「Y」を含むコード化されたデータ信号は、正しく解読され、変換され、それにより図8に示す問題を回避することができる。
【0064】
さらに他の好適な実施形態の場合には、コード化されたデータ信号内で自然発生した場合に、好適には、このデータ・パターン「Z」、「Z’」および「E」を置換するのが好ましいばかりでなく、好適には、(データ・パターンE類似の)データ・パターン「E’」も置換することが好ましい。それ故、各四つの既知のデータ・パターンの代わりに、第一の部分「E」を含むデータ・パターンが使用され、第二の部分「I1」、「I2」、「I3」または「I4」の中の一つが使用される。「I1」−「I4」それぞれは、置換されたデータのタイプ示す。好適には、「I1」−「I4」それぞれは、パターンによって置換中のデータのタイプを識別することが好ましい。それ故、「I1」−「I4」それぞれは、好適には、異なるパターンであることが好ましい。
【0065】
より詳細に説明すると、この別の好適な実施形態の場合には、本発明の装置および方法は、偽の信号を解読するのを防止するために、好適には、データ・パターン「Z」および「E」の変化、または「最も類似している」シーケンスに、フラッグをつけることが好ましい。Zの一つ以上の変化を含むことができる類似のセットを、j位置のZとは異なる一組のデータ・パターンとしての、Zjとして設定することができる。同様に、Ejは、j位置のEとは異なる一組のデータ・パターンを表わすことができる。それ故、各「E’」および「Z’」は、置換される複数のパターンと等しくすることができる。
【0066】
説明を簡単にするために、Z=0101であり、j=1と仮定した場合、四つの類似のデータ・パターン(1101;0001;0111;および0100)が存在する。それ故、上記四つのデータ・パターンの中のどれかが検出された場合、上記データ・パターンは、第一の部分「E」および四つの第二の部分「I」を含むデータ・パターンにより置換される。四つの類似のデータ・パターンは、好適には、Ejに関して置換されることが好ましい。各データ・パターンは、各パターンを一意に識別する第二の部分「I」が後に続く第一の部分「E」を含むデータ・パターンにより置換される。コード化された信号でチェックされる各データ・パターンは、好適には、置換されるパターンと一緒に、メモリに記憶することが好ましい。同様に、上記パターンも、好適には、解読用のメモリに記憶するのが好ましい。
【0067】
さらに、本発明の別の好適な実施形態は、同様に、データ・パターン「E」をデータ・パターン「E’」として判断することができる状況を処理することができる。そのような状況の場合、エスケープ・シーケンスを検出することができず、コード化された信号を正しく解読することができない。最後に、データ・パターン「E」を特別のエスケープ・シーケンス置換に導く、データ・シーケンスEとして判断することができる。
【0068】
発生の恐れがあるこのような状況は、シーケンス・パターン「IZ」、「IE」および「II」を含む、jの関数としての一組のエスケープ・パターン(「C」、「E」、「Zj」および「Ej」)を正しく選択することにより緩和することができる。精度を向上させる一方で、もっと多くのシーケンスを追加した場合には、データの送受信の際に、データ・パターンを置換するためのコストが増大し、処理時間が長くなる恐れがある。それ故、このようなすべての態様は、本発明の範囲内に含まれるが、時間とコストと、精度との間のバランスをとる場合には、特殊性も考慮に入れる必要がある。
【0069】
好適には、例えば、二つのシーケンス「I1」と「I2」との間の距離を遠くするために、フィールド「I」もコード化することが好ましい。正しくない動作を検出し、排除するのに使用することができる、長さフィールドまたはCRCチェックを含む高いレベルのプロトコル・データ・パケットを送信すれば、誤り訂正を改善することができる。
【0070】
従って、コード化されたデータ信号の、始めの部分および終りの部分を正しく判断することができれば、無線通信環境のような低S/N比環境で、可変長コード化データ信号を送信することができる。さらに、コード化されたデータのいくつかのパターンを置換することによって、可変長コード化データ信号の不正確な表示を回避することができる。
【0071】
今まで本発明を説明してきたが、本発明を種々に変更することができることは明らかである。そのような変更も本発明の範囲内に含まれるし、当業者であればすぐに思いつくそのようなすべての修正も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高S/N比環境を通して送信される、従来技術のデータ・パケットを示す図である。
【図2A】本発明のサンプル・データ・パケットを示す図である。
【図2B】本発明のサンプル・データ・パケットを示す図である。
【図2C】本発明のサンプル・データ・パケットを示す図である。
【図3】本発明のデータ・パターンの置換を示す図である。
【図4】送信用の可変長コード化データを形成するための装置を示す図である。
【図5】送信された可変長コード化データを解読するための装置を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態による可変長コード化データを送信することができるようにするための方法を示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態による受信した可変長コード化データを解読することができるようにするための方法を示す図である。
【図8】可能性のあるデータ・パターン置換問題を示す図である。
【図9】本発明のもう一つの好適な実施形態のデータ・パターン置換を示す図である。

Claims (8)

  1. データをコード化する方法であって、
    コード化されたデータが、第一のデータ・パターンを含んでいるかどうかを判断するステップと、
    該コード化されたデータが、該第一のデータ・パターンを含んでいると判断した場合に、該コード化されたデータ内で該第一のデータ・パターンの代わりに、第二のデータ・パターンを使用するステップと、
    該第一のデータ・パターンを該コード化されたデータの終わりの部分に追加して、該コード化されたデータの終わりの部分を特定するステップとを含み、
    該判断するステップが、該コード化されたデータが該第一のデータ・パターンの変化を含んでいるかどうかを判断するステップを含み、コード化されたデータ内に存在し、変化を含んでいると判断された第1のデータ・パターンの代わりに該第二のデータ・パターンを使用し、該第二のデータ・パターンが、該置換を示す第一の部分と、置換されたデータ・パターンを示す第二の部分とを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、該判断ステップが、該コード化されたデータが、該第一のデータ部分と、該第二のデータ・パターンの第一の部分のいずれかを含むかどうかを判断するステップを含む方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、該第二のデータ・パターンを置換する該ステップが、置換されたデータを示す第一の部分と、置換により除去中の該データ・パターンを示す第二の部分を変換するステップを含む方法。
  4. 請求項に記載の方法において、該判断ステップが、該コード化されたデータが、該第一のデータ・パターンと該第二のデータ・パターンの中のいずれかを含んでいるかどうかを判断するステップを含む方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、さらに、
    該コード化されたデータの始めの部分を示すために、該コード化されたデータの始めの部分に第三のデータ・パターンを追加するステップを含む方法。
  6. コード化されたデータ信号を解読するための方法であって、
    第一のデータ・パターンを検出することにより、受信したコード化されたデータ信号の始めの部分を検出するステップと、
    受信したコード化されたデータ信号の第一のデータ・パターンを検出した場合に、該受信したコード化されたデータ信号の以降の部分が、第二のデータ・パターンを含んでいるかどうかを判断するステップと、
    該第二のデータ・パターンが含まれていると判断した場合に、該受信したコード化されたデータ信号内の該第二のデータ・パターンの代わりに、新しいデータ・パターンを使用するステップと、
    該受信したコード化されたデータ信号内の第三のデータ・パターンを検出することにより、該受信したコード化されたデータ信号の終わりの部分を決定するステップと、
    任意の置換した新しいデータ・パターンを含む該受信したコード化されたデータ信号を解読するステップとを含む方法。
  7. 請求項に記載の方法において、さらに、
    第二のデータ・パターンが含まれていると判断した場合に、第四または第五のデータ・パターンが、該受信したコード化されたデータ信号内の該第二のデータ・パターンの後に続いているかどうかを判断するステップと、
    該第四のデータ・パター存在すると判断した場合に、該第二および第四のデータ・パターンの代わりに、第一の新しいデータ・パターンを使用し、該第五のデータ・パターンが存在すると判断した場合に、該第二および第五のデータ・パターンの代わりに、第二の新しいデータ・パターンを使用するステップとを含む方法。
  8. 請求項に記載の方法において、さらに、
    第二のデータ・パターンが含まれていると判断した場合に、複数のデータ・パターンの中のどれが、該受信したコード化されたデータ信号内の該第二のデータ・パターンの後に続いているかを判断するステップと、
    複数のデータ・パターンの中のどれが、該第二のデータ・パターンの後に続いているかの判断に従って、複数の新しいデータ・パターンの中の一つを、該第二のデータ・パターン、および該受信したコード化されたデータ信号内の決定した後続データ・パターンの代わりに使用するステップとを含む方法。
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