JP3711391B2 - 液体試料を分析する試験具 - Google Patents
液体試料を分析する試験具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3711391B2 JP3711391B2 JP28800597A JP28800597A JP3711391B2 JP 3711391 B2 JP3711391 B2 JP 3711391B2 JP 28800597 A JP28800597 A JP 28800597A JP 28800597 A JP28800597 A JP 28800597A JP 3711391 B2 JP3711391 B2 JP 3711391B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrophilic region
- reagent
- test
- region
- hydrophilic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体試料、特に血液や尿といった水溶液に含まれる成分を分析するための試験具に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体試料を試薬との反応により分析する簡易試験具において、一般に、試験具の試薬との反応部位までの試料の導入又は移動に毛細管現象が利用される。この種の試験具として、毛細管内に塗布された試薬が試料中に溶けだすタイプと、毛細管内に設けられた試薬層に試料が浸透するタイプとが有る。
【0003】
前者の例として、特開昭63−274839号公報に、柄を兼ねる下部伸張部材及びこれとスペーサーを介して毛細管を形成するとともに試薬を含有する上部部材からなる試験具が記載されている。後者の例として、特開平4−188065号公報に、支持体と、支持体上に固着した試薬層と、試薬層を覆いつつ支持体と毛細管室を形成するように固定され、試料供給口及び排気口を有するカバーとからなる分析用具が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭63−274839号公報に記載の試験具のように、試薬が試料中に溶け出すタイプのものは、反応液の濃度を正確に規定しなければならないので、供給する試料を予めピペット等の容積既知の容器に分注する必要がある。また、特開平4−188065号公報に記載の試験具のように、試薬層に試料が浸透するタイプのものは、試薬層の体積を維持するために、毛細管とは別体の紙やフィルムに試薬を含有させ、これを毛細管内に固定する必要がある。
【0005】
それ故、本発明の目的は、試料を別の容器に分注したり、試薬層を別途に作製して固定したりしなくても簡易に試料を一定量計量し、同時に分析することのできる試験具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するために、本件第一発明の試験具は、
試験液導入口と排気口を有する毛細管内の所定位置に試薬を保持し、導入口より試験液を導入して試薬と反応させることにより、試験液中の特定成分を試薬で分析するための試験具であって、前記毛細管は、
試験液を試験液導入口から試薬に向かって移動させる第一親水性領域と、
試薬を保持する一定面積の第二親水性領域と、
第一親水性領域と第二親水性領域とを分離するとともに第一親水性領域及び第二親水性領域を経由せずに排気口に連通する疎水性領域と
を備えることを特徴とする。
【0007】
この試験具によれば、試験液導入口より導入された試験液が毛細管現象により第一親水性領域を通って試薬に向かう。それに伴って、毛細管内の空気が押し出されて排気口より出ていく。試験液は疎水性領域に到達したところで疎水性領域により一旦移動が止められる。そこで、試験具に外力を加えると、試験液は疎水性領域を通過して第二親水性領域に移動する。
【0008】
第二親水性領域の面積は一定であるから、保持される試験液の量はその面積と毛細管の内径で定まる。疎水性領域を通過して第二親水性領域に移動する際、疎水性領域上に残った試験液又は第二親水性領域に保持しきれなかった分は、疎水性領域にはじかれて排除される。保持された一定量の試験液と試薬との反応により、試験液中の特定成分を高精度に分析することができる。
【0009】
試験液に疎水性領域を通過させるために加える外力は、例えば試験具を作業者の手で振ることによる瞬間的な振動、遠心力、排気口から吸引することによる吸引力である。
【0010】
前記排気口は、好ましくは毛細管と交差する方向に設けられた貫通孔である。貫通孔をこうして設けることにより、貫通孔を除いて毛細管を試験液導入口のみ開口した袋管状に形成することができ、第二親水性領域に保持される試験液のオーバーフローを防止することができる。この貫通孔と毛細管の第一親水性領域側との交差角度は、鋭角が好ましい。こうすることで、試験液を外力で第二親水性領域に移動させる際に、試験液が貫通孔から飛び出てバイオハザードとなるのを防止することができる。
【0011】
前記本件第一発明と関連する第二発明においては疎水性領域として、前記と異なり第一親水性領域と第二親水性領域とを分離する第一疎水性領域と、第一疎水性領域と相まって第二親水性領域を挟む第二疎水性領域とを備える。この場合、この第二疎水性領域を第一親水性領域及び第二親水性領域を経由せずに排気口と連通させることができる。こうすることで、毛細管内の空気の排除が容易となり、試験液の移動速度を速めることができる。第二疎水性領域の延長上に排気口を設けると特に好ましい。毛細管の両端を解放することができ、空気の排除が一層容易となるからである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第一実施形態の試験具を、図1に斜視図、図2に平面図、図3に断面図として示す。
試験具1は、直方体状の本体2を備える。本体2は、透明の3枚の板からなり、中板が枠状に加工されていて、その枠と上下の板で囲まれる長寸方向に細長い空洞3が毛細管として機能する。本体2の上板には、その空洞3の一端に通じる導入口4が開けられている。空洞3の内面は、導入口4に続く親水性に改質された第一親水性領域31、それに続く疎水性領域32及びそれに続く第二親水性領域33からなり、空洞3は第二親水性領域33の奥で閉塞する。本体2には、両親水性領域31,33を経ることなく疎水性領域32を外部と連通させる貫通孔5が、空洞3と交差し第一親水性領域と鋭角をなす方向に設けられている。第二親水性領域33には試薬(図示省略)が塗布されている。
【0013】
試験具1の製法は、例えば次のようである。ABS製の3枚の長方形の板を準備する。ABSは本質的に疎水性である。第一の板の領域の親水性領域31,33を形成すべき部分に低圧水銀ランプを光源とする紫外線を照射する。これによって、照射部分が親水性に改質される。第二の板を枠状に加工するとともに貫通孔5を開ける。第三の板に導入口4を設けるとともに、第一の板と同様に所定部分を親水性に改質する。第二親水性領域33に試薬(図示省略)を塗布した後、3枚の板を積層して固着する。これで完成である。また、ABS製の板に代えて元々親水性の材質の板を用いても良い。この場合は、例えばガラス板のような親水性の板の所定部分のみにアルコキシシランのような疎水化コーティング剤を塗布することによって同様に試験具1を製造することができる。いずれにしても従来と異なり、試薬を別途成形する必要はない。
【0014】
試験具1で液体試料を分析する手順は次の通りである。採取したままの血液、または血球分離処理を施した血液を、至適量よりも少し多い量を導入口4に押しつける。血液は第一親水性領域31を濡らしながら、毛細管現象によって第二親水性領域33に向かって移動するが、途中の疎水性領域32で阻止される。採取したままの血液を試料とする場合は、第一親水性領域31の途中に血球分離膜等の前処理手段を備えても良い。そこで、本体2の端面(図面の右側面)を軽くたたく。第一親水性領域31に満たされた血液は、その外力で疎水性領域32を通過して第二親水性領域33に移動する。同時に、第二親水性領域33によって囲まれる空間にあった空気は貫通孔5から排除される。血液は試薬と反応を開始する。疎水性領域32には血液が濡れないので、毛細管の内壁と疎水性領域32とで画定される第二親水性領域に満たされる血液量は常に一定である。従って、高精度に定量分析することができる。しかも本体2が透明であるから、光学的手段で迅速に分析することができる。
【0015】
次に、第二実施形態の試験具を、図4に平面図、図5に断面図として示す。この試験具6は、貫通孔5が設けられていないこと、空洞7が導入口8と反対側でも開口しており、その開口部9が貫通孔5に代わって排気機能を有すること、空洞7内の疎水性領域72,74が第二親水性領域73を挟むように2箇所に分離していることにおいて第一実施形態と相違する以外は、第一実施形態と同一構造である。
【0016】
この試験具6によって分析する場合、毛細管現象による試験液の進行とともに空洞7内の空気は開口9から排除される。疎水性領域72,74には液体が濡れないので、毛細管の内壁と疎水性領域72,74とで画定される第二親水性領域73に満たされる血液量は常に一定である。第二親水性領域73の延長上にある開口9から空気が排除されるので、試験液の進行が速い。
【0017】
【発明の効果】
本発明は上記の特徴を備えるので、試薬を所定の位置に塗布しておくだけで試薬を固定することができるので、試験具を少ない工数で製造することができる。また、試験液を計量器具で秤採ることなく適当量を点着して分析することができるので、迅速にしかも簡易に分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の実施形態の試験具を示す斜視図である。
【図2】 第一の実施形態の試験具を示す平面図である。
【図3】 第一の実施形態の試験具を示す断面図である。
【図4】 第二の実施形態の試験具を示す平面図である。
【図5】 第二の実施形態の試験具を示す断面図である。
【符号の説明】
1,6 試験具
2 本体
3,7 空洞
4,8 導入口
5 貫通孔
9 開口
31,71 第一親水性領域
32,72 第一疎水性領域
33,73 第二親水性領域
Claims (5)
- 試験液導入口と排気口を有する毛細管内の所定位置に試薬を保持し、導入口より試験液を導入して試薬と反応させることにより、試験液中の特定成分を試薬で分析するための試験具であって、前記毛細管は、
試験液を試験液導入口から試薬に向かって移動させる第一親水性領域と、
試薬を保持する一定面積の第二親水性領域と、
第一親水性領域と第二親水性領域とを分離するとともに第一親水性領域及び第二親水性領域を経由せずに排気口に連通する疎水性領域と
を備えることを特徴とする試験具。 - 前記排気口は、毛細管と交差する方向に設けられた貫通孔である請求項1に記載の試験具。
- 貫通孔と毛細管の第一親水性領域側との交差角度が、鋭角である請求項2に記載の試験具。
- 試験液導入口と排気口を有する毛細管内の所定位置に試薬を保持し、導入口より試験液を導入して試薬と反応させることにより、試験液中の特定成分を試薬で分析するための試験具であって、前記毛細管は、
試験液を試験液導入口から試薬に向かって移動させる第一親水性領域と、
試薬を保持する一定面積の第二親水性領域と、
第一親水性領域と第二親水性領域とを分離する第一疎水性領域と、第一疎水性領域と相まって第二親水性領域を挟み第一親水性領域及び第二親水性領域を経由せずに排気口に連通する第二疎水性領域と
を備えることを特徴とする試験具。 - 前記排気口は、第二疎水性領域の延長上にある請求項4に記載の試験具。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28800597A JP3711391B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-10-03 | 液体試料を分析する試験具 |
US09/380,838 US6540962B1 (en) | 1997-03-03 | 1998-03-11 | Testing instrument for analyzing liquid sample |
PCT/JP1998/001010 WO1998040735A1 (fr) | 1997-03-12 | 1998-03-11 | Instrument d'analyse d'echantillon liquide |
DE69840997T DE69840997D1 (ja) | 1997-03-12 | 1998-03-11 | |
CNB988032694A CN1188702C (zh) | 1997-03-12 | 1998-03-11 | 分析样液的测试装置 |
EP98907168A EP0977032B1 (en) | 1997-03-12 | 1998-03-11 | Testing instrument for analyzing liquid sample |
US10/208,816 US7393502B2 (en) | 1997-03-12 | 2002-08-01 | Test device for analysis of a liquid sample |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-78852 | 1997-03-03 | ||
JP7885297 | 1997-03-12 | ||
JP28800597A JP3711391B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-10-03 | 液体試料を分析する試験具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10311827A JPH10311827A (ja) | 1998-11-24 |
JP3711391B2 true JP3711391B2 (ja) | 2005-11-02 |
Family
ID=26419909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28800597A Expired - Fee Related JP3711391B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-10-03 | 液体試料を分析する試験具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3711391B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004009012A1 (de) * | 2004-02-25 | 2005-09-15 | Roche Diagnostics Gmbh | Testelement mit einer Kapillare zum Transport einer flüssigen Probe |
DE102004063438A1 (de) * | 2004-12-23 | 2006-07-06 | Oktavia Backes | Neuartige mikrofluidische Probenträger |
JP2008089381A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Fujifilm Corp | 血漿回収方法及び血漿回収器具 |
BRPI0622137A2 (pt) * | 2006-11-21 | 2014-07-29 | Medimate Holding B V | Método e aparelho para medição de uma concentração de uma espécie carregada em uma amostra e método para produção de um aparelho |
EA200901553A1 (ru) | 2007-05-18 | 2010-04-30 | Медимейт Холдинг Б.В. | Измерительный микрочип с вилкой для измерения концентрации аналита в жидкости, корпус для измерительного микрочипа и розетка для вилки |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP28800597A patent/JP3711391B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10311827A (ja) | 1998-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6001307A (en) | Device for analyzing a sample | |
WO1998040735A1 (fr) | Instrument d'analyse d'echantillon liquide | |
CA2012291C (en) | Assay element | |
JP3739537B2 (ja) | 光学的分析装置用測定チップ | |
US4857274A (en) | Device for analyzing a liquid sample | |
JP2775680B2 (ja) | 生物検査用専用装置 | |
KR100968524B1 (ko) | 생체 시료 분석용 마이크로-나노 플루이딕 바이오칩 | |
US20060018790A1 (en) | Device and method for analyizing a sample | |
JP4811267B2 (ja) | マイクロチップ及びそれを用いた分析デバイス | |
JPH04232855A (ja) | 自己計測式流体分析器具 | |
GB2042721A (en) | Whole blood analyses | |
US7318359B2 (en) | Sampling means and system for testing a sample liquid | |
JPH09508197A (ja) | 液流制御用液体移動装置 | |
KR20170074189A (ko) | 모세관 구조물을 가진 채혈 장치 | |
JP3711391B2 (ja) | 液体試料を分析する試験具 | |
JP3460141B2 (ja) | 幅の一様でない毛細管により液体試料を分析する試験具 | |
JP3460140B2 (ja) | 溝を有する毛細管により液体試料を分析する試験具 | |
JP3460142B2 (ja) | 余剰液溜めを有する毛細管により液体試料を分析する試験具 | |
JP3711392B2 (ja) | 角度を有する毛細管により液体試料を分析する試験具 | |
JP3527980B2 (ja) | 複数の排気口を有する毛細管により液体試料を分析する試験具 | |
JP4411752B2 (ja) | ウェルプレート | |
JP5507991B2 (ja) | アプリケータ | |
JP3460143B2 (ja) | 試験液を吸引する引圧発生手段を備えた試験具 | |
JP3525200B2 (ja) | 液体試料分析具 | |
TW202317986A (zh) | 生物晶片檢測裝置及其檢測方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040707 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050715 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050722 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080826 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090826 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100826 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110826 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120826 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130826 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |