JP3710961B2 - 分散検索装置および分散検索プログラム記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散配置された複数の分散検索装置で検索範囲を分担して情報検索を行う分散検索システムを構成する分散検索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日のように、ネットワークが発達し、ネットワークに接続されているコンピュータの数が膨大になり、その膨大な数のコンピュータによってさまざまな情報やサービスが提供されるようになるにつれ、どのような情報やサービスが提供されるのかを知ることや、ネットワーク上のどこで提供が受けられるのかを知ることが非常に困難になってきた。そこで、膨大な情報やサービスのなかから、ネットワークの利用者が必要とする情報やサービスを検索する枠組みが必要となってきた。以下では、コンピュータによって提供される情報やサービスのことを、情報産業の元になる無形の物資という意味で「情報資源」と総称する。
【0003】
情報資源を検索する枠組みとして、Yahoo(http://www.yahoo.com/)やAltaVista(http://altavista.digital.com)等に代表されるサーチエンジンが提供されている。このサーチエンジンは、情報資源が提供される場所などを表す資源情報を、資源情報の提供者からの登録や、あるいはWebロボットと呼ばれる探索プログラムによる探索で収集し、資源情報のデータベースを構築し、その資源情報に基づいて情報資源の検索を行うものである。しかし、多くの場合、資源情報を集中管理するために検索の応答が悪くなりがちであるという問題や、Webロボットによる情報通信量が多大であるという問題や、収集された資源情報が、情報資源のサービス停止や情報資源の場所の移動や情報資源の内容変更等によって、情報資源の現状を反映しなくなるいわゆる資源情報の陳腐化を招き易いという問題などが生じている。
【0004】
これらの問題を解決するために、資源情報を相互にやりとりする多数のエージェント(分散検索装置)からなる分散検索ネットワークを構築し、各エージェントが資源情報の管理や検索サービスを行う方式が考えられる。
【0005】
図1は、分散検索ネットワークを表す概念図であり、分散検索ネットワーク1は、資源情報をやりとりする相手が決められた多数のエージェント2によって構成されている。各エージェントが資源情報をやりとりする相手は、図の線分3で表されており、あるエージェントに対して他のエージェントが相手として決められていることを、「近隣関係にある」と称する。
【0006】
資源情報提供者4は分散検索ネットワーク1に資源情報を提供し、分散検索ネットワーク1は後述するように資源情報を保持し、資源情報検索者5は、分散検索ネットワーク1に資源情報の検索を要求することによって分散検索ネットワーク1に実質的に情報資源の検索を行わせる。
【0007】
図2は、資源情報が提供される様子を示す図である。
【0008】
提供者4は自分が知っている情報資源に関する資源情報6を広告という形式で最寄りのエージェント2aに伝え、その広告を受けたエージェント2aは、その広告に記載されている資源情報を保持し、さらにその広告を近隣関係にあるエージェント2b,2cに伝えていく。このようにして資源情報がエージェントに次々と伝えられ、資源情報を獲得するエージェントが増えて行くが、資源情報の伝達範囲は、資源情報を伝達するためのコストや獲得した資源情報を保持するためのコストなどを総合的に勘案したコストに基づいて制限される。この総合的に勘案したコストのことを以下では単に「コスト」と称する。
【0009】
図3は、資源情報の検索要求を受けた様子を示す図である。
【0010】
検索者5は資源情報の検索要求7を最寄りのエージェント2dに出し、検索要求を受け取ったエージェント2dは、自分が保持している資源情報を検索するとともに、その検索要求を、広告の場合と同様に、近隣のエージェント2e,2fへと伝達していく。ここで、検索要求が伝達される範囲もコストに基づいて制限される。そして、検索要求に見合う資源情報を持つエージェント2gまで検索要求が到達すると、そのエージェント2gが検索結果を返送する。
【0011】
図4は、検索結果が返送される様子を示す図である。
【0012】
検索結果8は、検索要求が伝達されてきた経路を逆に辿りながら検索者5へと返送される。その経路上のエージェント2d,2e,2hは、中継する検索結果の内容を基に、自分が保持している資源情報を更新し、常に新しい資源情報を持つように努める。
【0013】
このような分散検索ネットワークでは、エージェントがどのように配置され、どのような近隣関係を結んでいるかが、検索結果の善し悪しやコストパフォーマンスを左右する。このため、エージェントの管理者は、分散検索ネットワーク全体の検索効率等をあげるために、分散検索ネットワークをどのように構築するか、すなわちエージェントの近隣関係をどのように形成するかをよく検討する必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の分散検索方式においては、エージェントの近隣関係は、エージェントの立ち上げ時に、エージェントの管理者があらかじめ決定しておく必要があった。しかし、一旦近隣関係を結んでも、通信ネットワーク自体の更新などによって近隣関係が不適切になる可能性があり、管理者は、そのように不適切になった近隣関係を結び直すことが困難であるという問題がある。
【0015】
また、システム内のエージェントの数が増えると、すべてのエージェントやその近隣関係を把捉することはほぼ不可能であり、管理者は、新たにエージェントを追加する場合に、新たなエージェントとどのエージェントとの間に近隣関係を結べばよいのかを知ることが非常に困難であるという問題もある。この近隣関係が不適切であると、資源情報の広告や検索要求の配信に要するコストが大きくなって、広告や検索要求が伝わる範囲が狭くなったり、あるいは広告や検索要求の配信に費やされるコストばかりが増えて、エージェント内における肝腎の資源情報の検索に利用できるコストが減るために、十分な検索を行うことが困難になる。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑み、近隣関係を容易に形成することができる分散検索装置、およびコンピュータシステムをそのような分散検索装置として動作させる分散検索プログラムが記憶されてなる分散検索プログラム記憶媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の分散検索装置は、分散配置されるとともにネットワークを形成した、情報の検索範囲を分担する複数の分散検索装置のうちの1つの分散検索装置であって、
情報の検索を求める検索依頼を受け付ける第1の受付手段と、
第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼によって検索が求められている情報を、自分が担当する検索範囲内で検索する情報検索手段と、
第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を、上記ネットワーク上の他の分散検索装置に依頼する第1の検索依頼手段と、
第1の検索依頼手段が検索を依頼する他の分散検索装置を特定する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、
装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新する更新手段とを備え、
上記第1の検索依頼手段が、他の分散検索装置に検索を依頼するに当たり、装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される他の分散検索装置に検索を依頼するものであることを特徴とする。
【0018】
本発明の分散検索装置によれば、更新手段によって装置情報が更新されることにより、分散検索装置の近隣関係が容易に形成されあるいは容易に結び直される。
【0019】
本発明の分散検索装置は、上記装置情報の更新を求める更新依頼を受け付ける第2の受付手段を備え、
上記更新手段が、上記第2の受付手段によって受け付けられた更新依頼に基づいて、上記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新するものであってもよく、このような分散検索装置によれば、分散検索装置の管理者は、分散検索装置の近隣関係を更新依頼によって容易に形成しあるいは容易に結び直すことができる。
【0020】
また、本発明の分散検索装置は、分散検索装置の検索を求める検索依頼を受け付ける第3の受付手段と、
第3の受付手段によって受け付けられた検索依頼が検索を求めている分散検索装置を、上記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される1つ以上の分散検索装置を検索範囲として検索する装置検索手段とを備えることが望ましく、さらには、
上記第3の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を他の分散検索装置に依頼する第2の検索依頼手段を備えることが望ましい。
【0021】
このような装置検索手段を備えた分散検索装置によれば、分散検索装置が検索されるので、検索効率やコストパフォーマンスがよい近隣関係を結ぶための情報を得ることができる。
【0022】
さらに、本発明の分散検索装置は、上記ネットワークが、そのネットワーク上に存在する分散検索装置自体の検索を行う装置検索システムとしての機能を有するものであって、
上記ネットワークに、分散検索装置自体の検索を依頼する第3の検索依頼手段と、
ネットワークによる検索結果を取得する取得手段とを備え、
上記更新手段が、上記取得手段によって取得された検索結果に基づいて上記装置情報を更新するものであることが好適である。
【0023】
このような取得手段を備えた分散検索装置によれば、取得された検索結果に基づいて、検索効率やコストパフォーマンスがよい近隣関係を容易に結ぶことができる。
【0024】
さらにまた、本発明の分散検索装置は、上記ネットワークが、検索範囲を分担するとともに、アクセス先が指定されたアクセス依頼を受けてそのアクセス先にアクセスを行う分散検索装置を含むものであり、かつ、上記ネットワークが、検索範囲を分担するとともに、アクセス依頼を受けて、依頼されたアクセスを他の分散検索装置に依頼する分散検索装置も含むものであって、
自分へのアクセスをネットワーク上のいずれかの分散検索装置に依頼するアクセス依頼手段を備え、
上記更新手段が、アクセス依頼手段によるアクセス依頼に起因するアクセスをネットワーク上のいずれかの分散検索装置から受けた場合に、アクセスしてきた分散検索装置を特定する情報を上記装置情報に追加するものであることが好適である。
【0025】
このようなアクセス依頼手段と更新手段とを備えた分散検索装置によれば、自分の存在をネットワーク上に広告し返事をもらうことにより、近隣関係を自動的に形成しあるいは自動的に結び直すことができる。
【0026】
上記目体を達成する本発明の分散検索プログラム記憶媒体は、分散配置されるとともにネットワークを形成した、情報の検索範囲を分担する複数の分散検索装置のうちの1つの分散検索装置としてコンピュータシステムを動作させる分散検索プログラムが記憶されてなる分散検索プログラム記憶媒体であって、
情報の検索を求める検索依頼を受け付ける第1の受付手段と、
第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼によって検索が求められている情報を、自分が担当する検索範囲内で検索する情報検索手段と、
第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を、上記ネットワーク上の他の分散検索装置に依頼する第1の検索依頼手段と、
第1の検索依頼手段が検索を依頼する他の分散検索装置を特定する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、
装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新する更新手段とを備え、
上記第1の検索依頼手段が、他の分散検索装置に検索を依頼するに当たり、装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される他の分散検索装置に検索を依頼するものである分散検索プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0027】
なお、本発明にいう分散検索プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう分散検索プログラムには、上記の基本形態の分散検索プログラムのみではなく、前述した分散検索装置の各形態に対応する各種の形態の分散検索プログラムが含まれる。
【0028】
また、上記本発明の分散検索装置と、上記分散検索プログラムとでは、それらを構成する構成要素名として、第1の受付手段や更新手段といった互いに同一の名称を付しているが、分散検索装置の場合は、そのような作用をなすソフトウェアとハードウェアとの結合を指し、分散検索プログラムの場合は、そのような作用をなすソフトウェアの部分のみを指している。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図5は、本発明の分散検索装置の一実施形態によって構成される分散検索ネットワークの一部分を示す図である。
【0031】
ここには、それぞれがコンピュータシステムで構成された2台の分散検索装置100,200および3台のクライアントマシン300,400,500が例示的に示されており、分散検索装置100,200およびクライアントマシン300,400,500は通信ネットワーク600を介して互いに接続されている。2台の分散検索装置100,200を構成するコンピュータシステムは、一般にワークステーションと称されるような高速かつ大容量のコンピュータシステムである。また、2台の分散検索装置100,200は、図1に示すネットワーク構造と同一の構造の分散検索ネットワークの一部分を構成するエージェントとして機能しており、資源情報検索者および資源情報提供者は、クライアントマシン300,400,500を介して分散検索ネットワークにアクセスすることができる。
【0032】
各分散検索装置100,200および各クライアントマシン300,400,500は、CPU、主記憶装置、ハードディスク、通信用ボード等が内蔵された本体部101,201,301,401,501、本体部101,201,301,401,501からの指示により表示画面102a,202a,302a,402a,502a上に画像や文字列を表示する表示部102,202,302,402,502、分散検索装置100,200およびクライアントマシン300,400,500に資源情報検索者や管理者の指示を入力するためのキーボード103,203,303,403,503、表示画面102a,202a,302a,402a,502a上の任意の位置を指定することにより、その指定時にその位置に表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウス104,204,304,404,504を備えている。
【0033】
本体部101,201は、さらに外観上、フロッピィディスク(図示せず)、MO700が装填されるFD装填口101a,201a;MO装填口101b,201bを有しており、それらの内部には、それらの装填口101a,201a;101b,201bから装填されたフロッピィディスクやMO700をドライブしてアクセスする、フロッピィディスクドライバ、MOドライバも内蔵されている。
【0034】
同様に、本体部301,401,501は、外観上、フロッピィディスク(図示せず)、CDROM800が装填されるFD装填口301a,401a,501a;CDROM装填口301b,401b,501bを有しており、それらの内部には、それらの装填口301a,401a,501a;301b,401b,501bから装填されたフロッピィディスクやCDROM800をドライブしてアクセスする、フロッピィディスクドライバ、CDROMドライバも内蔵されている。
【0035】
以下の説明では、2台の分散検索装置100,200のうち分散検索装置100を代表させて説明する。
【0036】
図6は、図5に示す外観を有する分散検索装置(コンピュータシステム)のハードウェア構成図である。
【0037】
このハードウェア構成図には、中央演算処理装置(CPU)111、RAM112、ハードディスクコントローラ113、フロッピィディスクドライバ114、MOドライバ115、マウスコントローラ116、キーボードコントローラ117、ディスプレイコントローラ118、および通信用ボード119が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0038】
フロッピィディスクドライバ114、MOドライバ115は、図1を参照して説明したように、それぞれフロッピィディスク710、MO700が装填され、装填されたフロッピィディスク710、MO700をアクセスするものである。
【0039】
通信用ボード119は通信ネットワーク600に接続される。
【0040】
また、図2には、ハードディスクコントローラ113によりアクセスされるハードディスク120、マウスコントローラ116により制御されるマウス104、キーボードコントローラ117により制御されるキーボード103、およびディスプレイコントローラ118により制御されるCRTディスプレイ102も示されている。
【0041】
ここで、MO700には本発明にいう分散検索プログラムの一例であるエージェントプログラムが記憶されており、MOドライバ115によりそのMO700からエージェントプログラムが読み込まれ、バス110を経由し、ハードディスクコントローラ113によりハードディスク120内に格納される。実際の実行にあたっては、そのハードディスク120内のエージェントプログラムはRAM112上にロードされ、CPU111により実行される。この結果、図5に示す外観を有するコンピュータシステム100,200は、本発明の分散検索装置の一実施形態であるエージェントとして動作する。
【0042】
エージェントプログラムが記憶されたMO700は本発明の分散検索プログラム記憶媒体の一実施形態である。また、エージェントプログラムが格納されたハードディスク120も発明の分散検索プログラム記憶媒体の一実施形態である。さらに、エージェントプログラムがフロッピィディスク710等にダウンロードされた場合には、そのエージェントプログラムがダウンロードされたフロッピィディスク710等も発明の分散検索プログラム記憶媒体の一実施形態である。
【0043】
本発明の分散検索装置の後述する各実施形態は、いずれも、図5および図6に示す外観およびハード構成を有している。
【0044】
本発明の分散検索装置では、近隣関係にある分散検索装置(エージェント)を特定する情報を各分散検索装置(エージェント)が記憶することによって分散検索ネットワークの構造が決まっている。
【0045】
図7は、近隣関係にあるエージェントを特定するための情報の一例を示す図である。
【0046】
ここでは、分散検索ネットワーク内のエージェントを一意的に表現するエージェントID601、近隣関係の有無602、過去にアクセスした際に計測した到達コストの平均603と計測回数604の組からなるエージェント情報605の集合によって、近隣関係にあるエージェントが特定される。つまり、エージェント情報の集合が本発明にいう装置情報の一例に相当し、エージェント情報中の近隣関係の有無に応じて、分散検索ネットワークの構造が定義される。
【0047】
図7(A)に示す一覧表は、図7(B)に示されている4つのエージェント100b,100c,100h,100xのうちの中央のエージェント100xに記憶されているエージェント情報の集合を表しており、図7(B)には、そのエージェント情報の集合によって定義される近隣関係が示されている。即ち、図7(A)の一覧表では、平均到達コストが相対的に小さい3つのエージェント情報605b,605c,605hについて近隣関係が「true」に設定されており、その結果、「B@fulng.jo6u.ac.jp」、「C@qua.a4ch.ac.jp」、「H@ana.iqu.ac.jp」というエージェントIDで表現される3つのエージェント100b,100c,100hに対して近隣関係が結ばれる。
【0048】
各エージェントは、このようなエージェント情報の集合によって定義される近隣関係に従って、資源情報や検索要求を近隣関係のあるエージェントヘと配信する。そして、このエージェント情報605の集合を適宜更新することで、ネットワーク構造の調整を行い、情報の配送経路を変更することができる。つまり、図7(A)に示す「近隣関係」602が「true」であるエージェント情報を一覧表に登録することで、近隣関係が成立し、「近隣関係」602が「true」であるエージェント情報を一覧表から削除するか、「近隣関係」602を「false」に設定することで、近隣関係を解消することができる。なお、この例では平均到達コストを記録しているが、このほかにも、レスポンス時間や、ホップカウントなどを記録し、それらを利用して、近隣関係にふさわしいエージェントを選択してもよい。
【0049】
本発明の分散検索装置の以下説明する各実施形態では、各エージェント(分散検索装置)は、資源情報の検索を行うとともにエージェント情報の検索も行い、分散検索ネットワーク上では資源情報と同様にエージェント情報も伝達される。上述したように、資源情報が検索され伝達されることによって実質的に情報資源の検索が行われる。同様に、エージェント情報が検索され伝達されることによって実質的にエージェントの検索が行われる。
【0050】
図8は、本発明の分散検索装置の第1実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【0051】
このエージェント130は、本発明にいう第2の受付手段の一例である広告処理部131と、本発明にいう第1の受付手段および第3の受付手段を兼ねた問い合わせ処理部132と、本発明にいう第1の検索依頼手段、第2の検索依頼手段、第3の検索依頼手段および取得手段を兼ねたエージェントインターフェース133と、資源情報データベース134と、本発明にいう情報検索手段の一例である資源情報制御部135と、本発明にいう装置情報記憶手段の一例であるエージェント情報データベース136と、本発明にいう更新手段および装置検索手段を兼ねたエージェント情報管理部137と、クロック138を備えている。
【0052】
広告処理部131は、図5に示すクライアントマシン300などによって実現されるプロデューサインターフェース310を介して、資源情報提供者(プロデューサ)320からの資源情報を広告依頼という形式で受け付け、また、エージェント管理者330からのエージェント情報も広告依頼という形式で受け付ける。また、必要に応じて資源情報提供者320およびエージェント管理者330に通知を行う。
【0053】
問い合わせ処理部132は、図5に示すクライアントマシン300などによって実現されるサーチャインターフェース340を介して、資源情報検索者350からの資源情報の検索依頼やエージェント管理者からのエージェント情報の検索依頼を受け付け、検索結果を資源情報検索者350等に返送する。
【0054】
エージェントインターフェース133は、分散検索ネットワーク上の他のエージェント230と、広告や検索を依頼し合い検索結果をやり取りする。
【0055】
資源情報データベース134は、広告処理部131やエージェントインターフェース133を介して受け取った資源情報を保持し、エージェント情報データベース136は、広告処理部131やエージェントインターフェース133を介して受け取った、図7に示すようなエージェント情報を保持する。
【0056】
エージェント情報管理部137は、エージェント情報データベースの情報を管理し、エージェント情報の検索依頼や、本発明にいう更新依頼の一例であるエージェント情報の広告依頼に応じる。
【0057】
資源情報制御部135は、広告処理部131やエージェントインターフェース133から受け取った資源情報を資源情報データベース134に保管するとともに、利用可能なコストがある場合にはその資源情報をエージェントインターフェース133を通じて他のエージェントに広告依頼という形式で伝達する。また、資源情報制御部135は、資源情報の検索依頼に応じて資源情報データベース134内での資源情報検索も行う。さらに、資源情報制御部135は、広告処理部131やエージェントインターフェース133からエージェント情報を受け取った場合には、そのエージェント情報をエージェント情報管理部137に渡してエージェント情報データベース136内のエージェント情報集合を更新させるとともに、コストが許す限りにおいてそのエージェント情報を他のエージェント230に伝達する。また、資源情報制御部135は、エージェント情報の検索依頼に応じてエージェント情報管理部137にエージェント情報データベース136内でのエージェント情報検索も行わせる。さらにまた、資源情報制御部135は、エージェント130内での検索の結果や近隣のエージェントから集まった検索結果をまとめて、検索依頼元に、問い合わせ処理部132やエージェントインターフェース133を介して送り返す。
【0058】
クロック138は、他のエージェント230との通信のレスポンスなどを測定する。
【0059】
このエージェント130の基本動作は、検索依頼に対する動作と、検索結果に対する動作と、広告依頼に対する動作に分かれる。以下、各動作についてフローチャートを参照しながら説明する。なお、広告や検索は所定のフォーマットに則った依頼文によって依頼されるが、以下の説明では、依頼文と依頼することとを区別せずにいずれも「広告依頼」などと称する場合がある。
【0060】
図9は、検索依頼に対する動作のフローチャートである。
【0061】
検索依頼が、図8に示す問い合せ処理部132やエージェントインターフェース133によって受け取られると(ステップS101)、不正なデータが含まれていないか、検索要求のフォーマットが正しいかどうかのチェックが行われ、問題なければ資源情報制御部135に検索依頼が渡される。資源情報制御部135は、検索依頼がエージェント情報に関するものであるか否かを判定し(ステップS102)、資源情報に関するものであると判定されると資源情報の検索処理を行って(ステップS103)動作を終了する。
【0062】
ステップS102で、検索依頼がエージェント情報に関するものであると判定された場合には、検索依頼の内容が解析される(ステップS104)。検索条件としては、あるエージェントの近隣にあるエージェントのID、ネットワーク的に近い関係にあるもの、ある分野についての資源情報を沢山持っているものなどが考えられる。そして、解析された検索依頼が図8に示すエージェント情報管理部137へと渡され、その検索依頼にみあうエージェント情報がエージェント情報管理部137によってエージェント情報データベース136内で検索される(ステップS105)。
【0063】
また、検索依頼を他のエージェントに転送するべきか否かが、コストとの兼ね合いで判定され(ステップS106)、転送するべきであると判定されると、図8に示すエージェント情報データベース136に記憶されているエージェント情報の集合によって定義される近隣のエージェントヘエージェントインターフェース133を通じて検索を依頼し(ステップS107)、検索依頼を送付したエージェントすべてから結果が返送されるか、クロック138を参照して、タイムアウトになるまで待ち続け(ステップS108〜ステップS110)、その後、返送用バッファの中身を検索依頼元に返送する(ステップS111)。ここでは、検索依頼を転送したエージェントからの検索結果がすべて揃うまで、ある一定時間待ち続ける例を示したが、いくつか結果が出揃った時点で返送を行ってもよい。また、返送されてきた検索結果を返送用バッファに入れる動作については後述する。
【0064】
上述したステップS106において、検索依頼を他のエージェントに転送するべきでないと判定された場合には、ステップS111に進み、ステップS105における検索の結果のみを検索依頼元に返送する。
【0065】
図10は、検索結果に対する動作のフローチャートである。
【0066】
検索結果が、図8に示すエージェントインターフェース133から受け取られると(ステップS201)、資源情報制御部135へと送られ、その検索結果がエージェント情報の検索依頼に対する応答であるか否かが判定される(ステップS202)。検索結果が資源情報の検索依頼に対する応答であると判定されると資源情報の検索結果に対する処理が行われて(ステップS203)、動作が終了する。
【0067】
ステップS202において、検索結果がエージェント情報の検索依頼に対する応答であると判定された場合は、その検索結果がエージェント情報管理部137へ送られて内容が解析され(ステップS204)、その検索結果に対応する検索依頼について検索結果の返送をまだ行っていない場合には(ステップS205)、依頼元に返送するために検索結果を蓄えている返送用バッファに検索結果が追加される(ステップS206)。その後、検索結果が返送済みであるか否かに関わらず検索結果がエージェント情報データベース136に登録されて(ステップS207)動作が終了する。ここで、エージェント情報データベース136に検索結果が登録される場合に、図7に示す「近隣関係」602は、検索結果が示すエージェントが、近隣関係を結ぶのに適したエージェントであれば「true」に設定され、適していなければ「false」に設定される。
【0068】
図11は、広告依頼に対する動作のフローチャートである。
【0069】
図8に示す広告処理部131やエージェントインターフェース133から広告依頼が受け取られると(ステップS301)、不正なデータや不足しているデータがないかがチェックされて資源情報制御部135に渡される。資源情報制御部135によって、広告依頼がエージェント情報に関するものであるか否かが判定され(ステップS302)、資源情報に関するものであると判定されると、資源情報の広告処理が行われて(ステップS303)動作が終了する。
【0070】
ステップS302において、広告依頼がエージェント情報に関するものであると判定された場合には、広告依頼の内容が解析される(ステップS304)。広告が依頼されるエージェント情報には、図7に示す情報のみでなく、エージェントの管理者、エージェントの稼働時間帯、エージェントがおもに扱う資源情報の種類など、エージェントに関する様々な情報が含まれていても構わない。
【0071】
広告が依頼されたエージェント情報は、エージェント情報管理部137によって、エージェント情報データベース136に蓄えられる(ステップS305)。但し、必ずしも全てのエージェント情報が蓄えられる必要はなく、ここでは、エージェント情報管理部137によって不要な情報であると判定されたエージェント情報は蓄えられない。
【0072】
その後、広告依頼を他のエージェントに転送するべきか否かが、コストに基づいて判定され(ステップS306)、転送するべきと判定された場合には、近隣のエージェントに広告依頼が転送される(ステップS307)。その後、広告依頼が受理されたことが広告依頼元に通知されて(ステップS308)動作が終了する。
【0073】
上述したような基本動作を行うエージェントによって構成されている既存の分散検索ネットワークに新たなエージェントが追加される場合には、エージェントの管理者は、先ず、分散検索ネットワークを構成しているいずれかのエージェントにエージェント情報の検索を依頼し、検索結果を受け取る。この検索結果は、エージェントの管理者が検索を依頼したエージェントを起点として分散検索ネットワーク上に検索依頼が伝達されたことに応じて集まってきた検索結果である。エージェントの管理者は、この検索結果に含まれる通信コストなどという情報に基づいて、新たに追加されるエージェントが近隣関係を結ぶべきエージェントを決定し、近隣関係を結ぶべきエージェントおよび新たに追加されるエージェント双方に対して、新たな近隣関係を定義するエージェント情報を広告依頼という形式で与える。このとき、伝達に許されるコストを非常に小さく指定した上で広告を依頼することにより、目的とするエージェント以外のエージェントにエージェント情報が伝達されることが回避される。
【0074】
このように、本実施形態の分散検索装置(エージェント)では、近隣エージェントを定義するエージェント情報がエージェント情報データベースによって管理されることにより、近隣関係の変更および検索が可能である。また、資源情報と同様に、他の近隣エージェントにも広告依頼や検索依頼が伝達される。従って、新たにエージェントを付加する場合、エージェントの管理者は、現在分散検索ネットワーク上に存在しているあらゆるエージェントの情報を知っている必要はなく、どれかひとつでもエージェントの位置情報を知っていれば、そのエージェントにエージェント情報の検索を依頼することにより、どのエージェントに近隣関係を設けるべきかを検討するための情報を取得することができる。そして、その情報に基づいて適切な近隣関係を結ぶことができる。
【0075】
以上で本発明の第1実施形態についての説明を終了し、以下、本発明の第2実施形態について説明する。上述したように、この第2実施形態の外観およびハード構成は、図5および図6に示す外観およびハード構成と同一である。
【0076】
図12は、本発明の分散検索装置の第2実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【0077】
この機能ブロック図に示す機能ブロック等のうち、図8に示す機能ブロック等と同様な機能ブロック等については同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
この図12に示すエージェント140には、コマンド処理部141が備えられており、このコマンド処理部141には、図5に示すコンピュータ100によって実現されるマネージャインターフェース150を介してエージェント管理者330から、近隣関係を自動的に形成しあるいは自動的に結び直すことを指示する接続命令が入力される。
【0079】
この図12に示すエージェント140の基本動作としては、第1実施形態の基本動作に加えて、接続命令に対する動作が用意されており、この動作によって、アクセスの容易なエージェントが自動的に検索され近隣関係が自動的に構築される。
【0080】
図13は、接続命令に対する動作のフローチャートである。
【0081】
エージェント管理者から接続命令を受け取ると(ステップS401)、既に稼働しているエージェントに、現在稼働中のエージェントに関するエージェント情報の検索を依頼する(ステップS402)。この時、接続命令を受けたエージェントは、依頼先のエージェントの位置情報をあらかじめ知っているものとする。例えば、エージェントプログラム内に位置情報をデータとして保持していてもよく、あるいは、おもなエージェントのリストを定期的に作成しておき、エージェントを立ち上げようとするエージェント管理者がそれを見て予め適当なエージェントを選択しておいてもよい。
【0082】
図14は、接続命令を受けたエージェントから検索が依頼された様子を示す図である。
【0083】
接続命令を受けたエージェント140aは、例えば、1つのエージェント140bに検索を依頼し、検索依頼を受けたエージェント140bは、上述したように、コストによって限定される範囲に検索依頼を伝達し、その範囲内のエージェント140c,140d,140e,140f,140gは、自分が知っているエージェント情報を検索結果として返送する。この際、検索依頼を受けた各エージェント140c,140d,140e,140f,140gは、知っているすべてのエージェントの情報を返送しなくてもよく、依頼元のエージェント140aのドメイン名などから、比較的ネットワーク的に近いと思われるエージェントをいくつか選んで、それらの情報だけを返送しても構わない。
【0084】
検索依頼元のエージェントは、検索を依頼した全てのエージェントから検索結果が返答されるまで、あるいはタイムアウトするまで検索結果の返答を待機し(図13のステップS403〜ステップS405)、その後、検索結果に示されるエージェントのそれぞれに対して、応答時間を計測し(図13のステップS406)、応答の早いエージェントに対して、近隣関係を結ぶことを求める接続要求を出す(図13のステップS407)。
【0085】
図15は、接続要求が発せられた様子を示す図である。
【0086】
この接続要求を受けたエージェント140b,140c,140f,140g,140hは、自分の現状での近隣関係や管理ポリシーなどを考慮し、近隣関係を結ぶかどうかを決定し、要求元140aに返答する。そして、近隣関係を結ぶことを許可する場合には、自分のエージェント情報データベースの内容を更新する。
【0087】
接続要求元のエージェント140aは、接続要求を受けたエージェントから接続許可が得られると(図13のステップS408)、図12に示すエージェント情報データベース136内のエージェント情報の集合を更新して(図13のステップS409)新たな近隣関係を構築する。そして、十分に近隣関係が構築できるか(図13のステップS410)、あるいは検索結果が示す前エージェントに対して接続の可否が調べ尽くされる(図13のステップS411)まで図13のステップS407〜ステップS411が繰り返される。
【0088】
図16は、新たな近隣関係が構築された様子を示す図であり、3つの近隣関係610,620,630が構築されている。
【0089】
このように、第2実施形態では、接続命令によって自動的に近隣関係が構築される。また、この接続命令は、分散検索ネットワークを構成している既存のエージェントに対しても時々与えられ、上述した手順で近隣関係が現状に合わせて結び直されることが望ましい。ネットワーク環境は、時間とともに変化していくので、以前に最適だった近隣関係が、将来に亘って最適であり続ける保証はなく、時々必要に応じて近隣関係を見直すことが望ましいからである。
【0090】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、接続命令に対する動作が第2実施形態とは異なる点を除き、第2実施形態とほぼ同様である。
【0091】
また、この第3実施形態は、既存の分散検索ネットワークを構成しているエージェントとして、本発明にいうアクセス依頼の一例であるエージェント情報の広告依頼を受けて、そのエージェント情報が示すエージェントに対して接続要求を出すエージェントを前提としている。そして、この第3実施形態では、上述したエージェントインターフェースが、本発明にいうアクセス依頼手段も兼ねている。
【0092】
以下、第3実施形態の動作と、既存の分散検索ネットワークを構成しているエージェントの動作を、図17および図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0093】
第3実施形態であるエージェントは、エージェント管理者から接続命令を受け取り(図17のステップS501)、自分に関するエージェント情報を稼働中のエージェントに伝え(図17のステップS502)、分散検索ネットワーク内の稼働中のエージェントからの接続要求を待つ。ここで、最初に広告を依頼するエージェントは、上記第2実施形態の場合と同様に、あらかじめエージェントに組み込んでおいたり、定期的に作成するエージェントリストから適当に選択してもよい。
【0094】
図19は、第3実施形態であるエージェントから広告が依頼された様子を示す図である。
【0095】
接続命令を受けたエージェント160aは、稼働中のエージェント160bに広告を依頼し、広告依頼は、上記第1実施形態の説明同様に他のエージェント160c,160d,160e,160f,160g,160hに伝達される。
【0096】
稼働中のエージェント160c,160d,160e,160f,160g,160hは、近隣のエージェントから広告依頼を受け取ると(図18のステップS601)、広告依頼に示されるエージェントと近隣関係を結ぶべきか否かを、自分の現状での近隣関係や管理ポリシーなどを考慮して判定し(図18のステップS602)、近隣関係を結ぶべきであると判定されると広告依頼元のエージェント160aに接続要求を送付する(図18のステップS603)。
【0097】
図20は、稼働中のエージェントから接続要求が出された様子を示す図である。
【0098】
広告依頼元のエージェント160aは、稼働中の既存エージェント160b,160c,160f,160g,160hからの接続要求を受けると(図17のステップS503)、それらのエージェント160b,160c,160f,160g,160hヘの応答時間を計測し(図17のステップS504)、その時間に応じて、実際に近隣関係を結ぶべきかどうかを判定し(図17のステップS505)、近隣関係を結ぶべきであると判定された場合にはエージェント情報データベースの内容を更新する(図17のステップS506)。また、相手先のエージェント160b,160c,160f,160g,160hには接続の可否を通知する。そして、十分な近隣関係が確立するまで(図17のステップS507)、あるいはタイムアウトするまで(図17のステップS508)図17のステップS503〜ステップS508を繰り返す。
【0099】
広告依頼元のエージェント160aから接続の可否を通知されたエージェント160b,160c,160f,160g,160hは、接続が許可されていれば(図18のステップS604)、広告依頼元のエージェント160aに関するエージェント情報をエージェント情報データベースに登録する(図18のステップS605)。その後、広告依頼をコストに応じてさらに伝達する(図18のステップS606、ステップS607)。
【0100】
図21は、新たに形成された近隣関係を示す図であり、図16と全く同様に、3つの近隣関係640,650,660が形成されている。
【0101】
なお、エージェント情報の登録は、接続要求に対する結果が出揃ってから行っても構わないし、接続要求があり次第順次行っても構わない。ただし、前者の場合は、広告範囲を制限するために広告依頼時に指定したコストに対して、どれぐらいのエージェントからの応答があるか見積もれないことが想定されるので、一定時間ごとにバッチ式に登録を行うか、あるいは、ある程度の時間で打ち切ってしまうことも考えられる。後者の場合、応答のあったエージェントから順にデータベースに登録を行い、ある程度の相手先が見つかったならば、登録を打ち切るか、それ以降のエージェントに対しては、既に登録したエージェントより、応答時間のよいエージェントが見つかる度に、データベース中の応答の遅いエージェントの情報を書き換えてもよい。
【0102】
次に本発明の第4実施形態について説明する。
【0103】
図22は、本発明の第4実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【0104】
このエージェント170は、図12に示すコマンド処理部141に替えてエージェントモニタ171が備えられている点を除き、上記第2実施形態および第3実施形態と全く同様のエージェントである。エージェントモニタ171は、エージェント管理者に替わってエージェント170の状態を観察し、負荷が高いとか、近隣のエージェントに対するレスポンスが遅いという状況に陥ったならば、近隣関係を結ぶのに最適なエージェントの検索や自分自身の広告を上記第2実施形態および第3実施形態と全く同様に行い、近隣関係を設定しなおす。近隣関係の再設定は、クロック138の指示により一定期間おきにも行われる。
【0105】
以上説明したように、本発明の分散検索装置は、エージェント情報も資源情報と同様に広告および検索の対象とすることで、ネットワーク環境の変化に柔軟に対処することができる。すなわち、刻一刻と変化するネットワーク環境においては、固定されたエージェントネットワークは、管理者が構築した時点では最適であっても、しばらくすると最適ではなくなってしまうが、本発明の分散検索装置によれば、エージェント情報を利用し、その時その時での最適なエージェントネットワークを構築・調整することが可能となり、省トラフィックおよび効率的な情報配信や情報検索に寄与するところが大きい。
【0106】
最後に、分散検索ネットワークにアクセスするクライアントプログラムについて説明する。
【0107】
図23は、クライアントプログラムの機能ブロック図である。
【0108】
このクライアントプログラム360は、図5に示すクライアントマシン300等で起動される。このクライアントプログラム360は、上述したプロデューサインターフェース310と、サーチャインターフェース340を備え、さらに、エージェントアクセス制御部361と、ユーザインターフェース362と、エージェント情報管理部363と、エージェント情報記憶部364を備えている。
【0109】
まず、エージェント情報記憶部364には、一番最初にエージェント情報の検索を依頼するエージェントの情報が記憶されている。そして、利用者320,350がクライアントプログラム360を起動させると、エージェント情報管理部363は、エージェント情報記憶部364に記憶されているエージェント情報が示すエージェントに、サーチャインターフエース340を通して、稼働中のエージェントのエージェント情報の検索を依頼し、その検索結果をエージェント情報記憶部364に蓄える。そして、蓄えられたエージェント情報が示すエージェントの中から、アクセスしやすいエージェントを選択し、選択されたエージェントの情報をエージェントアクセス制御部361に伝える。その後、資源情報提供者あるいは資源情報検索者から、ユーザインターフェース362を通じて、広告依頼や検索依頼などが入力されると、それらの依頼は、エージェントアクセス制御部361に送られ、前もってエージェント情報管理部363から教えられた適当なエージェントへ、プロデューサインターフェース310およびサーチヤインターフエース340を通してアクセスする。
【0110】
このようなクライアントプログラムによれば、利用者が実際に分散検索ネットワークを利用する時点での最寄りのエージェントを知ることが困難であるために最良の検索結果を得られないという問題を解決することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分散検索装置、および本発明の分散検索プログラム記憶媒体に記憶された分散検索プログラムによれば、近隣関係を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分散検索ネットワークを表す概念図である。
【図2】資源情報が提供される様子を示す図である。
【図3】資源情報の検索要求を受けた様子を示す図である。
【図4】検索結果が返送される様子を示す図である。
【図5】本発明の分散検索装置の一実施形態によって構成される分散検索ネットワークの一部分を示す図である。
【図6】分散検索装置(コンピュータシステム)のハードウェア構成図である。
【図7】近隣関係にあるエージェントを特定するための情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の分散検索装置の第1実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【図9】検索依頼に対する動作のフローチャートである。
【図10】検索結果に対する動作のフローチャートである。
【図11】広告依頼に対する動作のフローチャートである。
【図12】本発明の分散検索装置の第2実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【図13】接続命令に対する動作のフローチャートである。
【図14】接続命令を受けたエージェントから検索が依頼された様子を示す図である。
【図15】接続要求が発せられた様子を示す図である。
【図16】新たな近隣関係が構築された様子を示す図である。
【図17】第3実施形態の動作を表すフローチャートである。
【図18】既存の分散検索ネットワークを構成しているエージェントの動作を表すフローチャートである。
【図19】第3実施形態であるエージェントから広告が依頼された様子を示す図である。
【図20】稼働中のエージェントから接続要求が出された様子を示す図である。
【図21】新たに形成された近隣関係を示す図である。
【図22】本発明の第4実施形態であるエージェントの機能ブロック図である。
【図23】クライアントプログラムの機能ブロック図である。
【符号の説明】
100,200 分散検索装置(エージェント)
120 ハードディスク(プログラム記憶媒体)
130,140,140a,160a,170,230 エージェント
131 広告処理部
132 問い合わせ処理部
133 エージェントインターフェース
134 資源情報データベース
135 資源情報制御部
136 エージェント情報データベース
137 エージェント情報管理部
138 クロック
141 コマンド処理部
171 エージェントモニタ
310 プロデューサインターフェース
320 資源情報提供者(プロデューサ)
330 エージェント管理者
340 サーチャインターフェース
350 資源情報検索者(サーチャ)
600 通信ネットワーク
700 MO(プログラム記憶媒体)
710 フロッピィディスク(プログラム記憶媒体)
Claims (7)
- 分散配置されるとともにネットワークを形成した、情報の検索範囲を分担する複数の分散検索装置のうちの1つの分散検索装置であって、
情報の検索を求める検索依頼を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼によって検索が求められている情報を、自分が担当する検索範囲内で検索する情報検索手段と、
前記第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を、前記ネットワーク上の他の分散検索装置に依頼する第1の検索依頼手段と、
前記第1の検索依頼手段が検索を依頼する他の分散検索装置を特定する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、
前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新する更新手段とを備え、
前記第1の検索依頼手段が、他の分散検索装置に検索を依頼するに当たり、前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される他の分散検索装置に検索を依頼するものであることを特徴とする分散検索装置。 - 前記装置情報の更新を求める更新依頼を受け付ける第2の受付手段を備え、
前記更新手段が、前記第2の受付手段によって受け付けられた更新依頼に基づいて、前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新するものであることを特徴とする請求項1記載の分散検索装置。 - 分散検索装置の検索を求める検索依頼を受け付ける第3の受付手段と、
前記第3の受付手段によって受け付けられた検索依頼が検索を求めている分散検索装置を、前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される1つ以上の分散検索装置を検索範囲として検索する装置検索手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の分散検索装置。 - 前記第3の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を他の分散検索装置に依頼する第2の検索依頼手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の分散検索装置。
- 前記ネットワークが、該ネットワーク上に存在する分散検索装置自体の検索を行う装置検索システムとしての機能を有するものであって、
前記ネットワークに、分散検索装置自体の検索を依頼する第3の検索依頼手段と、
前記ネットワークによる検索結果を取得する取得手段とを備え、
前記更新手段が、前記取得手段によって取得された検索結果に基づいて前記装置情報を更新するものであることを特徴とする請求項1記載の分散検索装置。 - 前記ネットワークが、検索範囲を分担するとともに、アクセス先が指定されたアクセス依頼を受けてそのアクセス先にアクセスを行う分散検索装置を含むものであり、かつ、前記ネットワークが、検索範囲を分担するとともに、前記アクセス依頼を受けて、依頼されたアクセスを他の分散検索装置に依頼する分散検索装置も含むものであって、
自分へのアクセスを前記ネットワーク上のいずれかの分散検索装置に依頼するアクセス依頼手段を備え、
前記更新手段が、前記アクセス依頼手段によるアクセス依頼に起因するアクセスを前記ネットワーク上のいずれかの分散検索装置から受けた場合に、アクセスしてきた分散検索装置を特定する情報を前記装置情報に追加するものであることを特徴とする請求項1記載の分散検索装置。 - 分散配置されるとともにネットワークを形成した、情報の検索範囲を分担する複数の分散検索装置のうちの1つの分散検索装置としてコンピュータシステムを動作させる分散検索プログラムが記憶されてなる分散検索プログラム記憶媒体であって、
情報の検索を求める検索依頼を受け付ける第1の受付手段と、
前記第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼によって検索が求められている情報を、自分が担当する検索範囲内で検索する情報検索手段と、
前記第1の受付手段によって受け付けられた検索依頼が求めている検索を、前記ネットワーク上の他の分散検索装置に依頼する第1の検索依頼手段と、
前記第1の検索依頼手段が検索を依頼する他の分散検索装置を特定する装置情報を記憶する装置情報記憶手段と、
前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報を更新する更新手段とを備え、
前記第1の検索依頼手段が、他の分散検索装置に検索を依頼するに当たり、前記装置情報記憶手段に記憶されている装置情報によって特定される他の分散検索装置に検索を依頼するものである分散検索プログラムが記憶されてなることを特徴とする分散検索プログラム記憶媒体。
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