JP3710894B2 - 戸先錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引き戸の先端に設けられ、引き戸を施錠,解錠する戸先錠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
引き戸の施錠装置には、閉められた2枚立ての引き戸の召合わせ部分の相互をロックする召合わせ錠と、閉められた引き戸の先端を框側の柱にロックする戸先錠があり、何れの施錠装置も、鎌錠と呼ばれる形式の施錠装置が一般に使用されている。
鎌錠形式の戸先錠の要点を説明すると、図8及び図9に示すように、ケース1の前端に、ケース1の前壁であるセカンドフロント2がケース1に上下方向に延びている。
【0003】
引き戸Dの先端面に設けた錠収容孔にケース1を挿入し、セカンドフロント2の表面にフロント3を重ね、フロント3及びセカンドフロント2を貫通するねじ(図示しない)を引き戸Dの先端面に螺合してケース1を固定する。
フロント3及びセカンドフロント2に鎌出没用孔4が設けられ、ケース1の内壁に固着される支軸5には、鎌6の頭部6aが枢着される(図9参照)。
【0004】
鎌6は、頭部6aから屈曲して延設される腕部6bの先端に係合爪6cが設けられ、全体の形状がほぼコの字形状に形成され、頭部6aには屈曲した案内用長孔7が設けられる。
ケース1に枢着された回動板8に、案内用長孔7に遊嵌する駆動ピン9が設けられ、ケース1の側壁内面に設けられた支持片10に、鎌6を実線で示す解錠角度と鎖線で示す施錠角度に付勢するスプリング11が取り付けられる(図9参照)。
図8,図9に示す符号17は、引き戸Dの室外側及び室内側の表面に設けられるエスカッションである。
【0005】
框側の柱に設けられたストライク12は、中央部が凹状に形成されたストライクボックス13の表面に、ストライクボックス13の前面を被覆するストライク板14がねじ15により固定される。
ストライク板14には、施錠角度に回動する鎌6の係合爪6cを受け入れる受け孔16が設けられ、鎌6が鎖線で示す施錠角度まで回動すると、係合爪6cが鎖線で示すようにストライク板14の裏面に係合するので、引き戸Dが施錠される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような鎌錠形式の戸先錠には、下記のような課題があった。
(1) ケース1内には、鎌6が施錠及び解錠角度に回動するための収容空間が必要であり、鎌6の上方及び下方にスプリング11,回動板8などが設けられるので、ケース1の形状は、上下方向に寸法の大きな矩形にするか、或いは、直径の大きな丸形にしなければならない。
ストライク12も、回動する係合爪6cとの干渉を避けるための空間が必要であり、上下方向に長いものになる。
【0007】
ケース1を上下に長い矩形とした場合、引き戸がアルミサッシ製で、先端部が筒状材であれば、引き戸の先端面に矩形状の錠収容孔を加工することはできるが、木製の場合には矩形状の錠収容孔を彫り込むことは手間のかかる大変な作業になる問題がある。
ケース1を円形にした場合には、直径の大きな錠収容孔を加工しなければならない不具合がある。
【0008】
(2) 又、鎌6が鎖線で示す施錠位置に回動するときに、ストライク板14との干渉を避けるために隙間cが必要であり、戸先錠を施錠した後も引き戸Dには少なくとも隙間cに相当するがたつきを生じる。
本発明はかかる課題を解決することを目的とし、引き戸の錠収容孔を直径の小さな円形孔にすることができ、施錠後の扉のがたつきが小さく、誤操作を行っても鎌を損傷しない戸先錠を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の戸先錠は、
前後方向に細長い収容室が形成され、該収容室の前端に鎌出没用孔を有するフロントが設けられ、上記収容室に交叉するカム挿入孔を有し、引き戸の先端面の錠収容孔に内設されるケースと、上記カム挿入孔に回動可能に挿入され、施錠角度に回動操作されたときに上記フロント方向に移動する駆動アーム及びフロント反対方向に移動する軸支持アームを有するカムと、該軸支持アームに設けたピンに摺接し、該カムを施錠角度及び解錠角度に付勢するカムスプリングと、後端を上記駆動アームに枢着され先端に押動片を有するジョイントプレートと、上記押動片が進退可能に遊嵌する案内長孔を有する一対のプレートを間隔を挟んで一体的に連結し、上記押動片に接触するジョイントスプリングを設け、上記収容室内を所定量だけ前進可能に設けられた摺動プレートと、上記押動片が係入する係合孔を有し、カム溝が設けられる一対のレトラクタと、上記摺動プレートに支承される支軸に中間部を枢着され、先端には相互に反対方向に突出する施錠爪を有し、後端部に設けられたロックピンが上記カム溝に係入する一対の鎌とによって構成され、
上記カム溝は、上記両鎌をストライクの受け孔内に挿入案内する解錠溝部と、該解錠溝部に連接し、上記カムの施錠角度において上記両鎌をそれぞれ上記施錠爪の突出方向に回動案内する施錠溝部とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
上記ケースの収容室の先端に、突出方向に回動した状態の上記施錠爪を収容する施錠爪収容凹部を形成し、該施錠爪収容凹部に上記施錠爪が収容されたとき上記カムスプリングによって上記カムが解錠角度に回動し上記レトラクタが移動して上記ロックピンが上記施錠溝部から上記解錠溝部へ移動するように構成することができる。
上記カムを回動操作する操作軸に、施錠角度と解錠角度とを色分け表示するカラープレートを固着し、上記引き戸の外側エスカッションに、上記カムの施錠及び解錠角度において上記カラープレートの施錠及び解錠の色分け表示領域を透視する点検窓を設けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は戸先錠の分解斜視図、図2は解錠状態の戸先錠の縦断面図、図3は図2の正面図、図4は図2のX−X断面図である。
戸先錠のケース20は、ケース本体21と、ケース本体21に形成された接合面22に重合されるカバー23により構成され、カバー23が重合したときにケース20の内部にはケース20の前面に開口するほぼ矩形断面の収容室24が形成される。
【0012】
ケース本体21の先端部にフランジ25が設けられ、フランジ25の上部及び下部に取り付け用孔26が設けられ、フランジ25の後方(図1において右側)のケース本体21は、外周面が円形の円形領域21aの後方に、円形部分よりも幅の狭くなった小判形状領域21bが接続し、円形領域21aの中間部から後方に、カバー23を重合するための接合面22が形成され、接合面22の前端部には、カバー23に設けられた2条の係合溝(図示しない)に嵌合する嵌合突起27が突設される(図1参照)。
【0013】
カバー23の接合面に、嵌合突起27と係合する嵌合凹部(図示しない)が設けられ、カバー23の外周面の形状は、ケース本体21と同様に、円形領域23aと小判形状領域23bが設けられ、小判形状領域23bに2つの挿入用孔28,28が設けられ、ケース本体21の接合面に突設された2つの円柱状のボス30をそれぞれ挿入用孔28,28に挿入して加締めることにより、カバー23がケース本体21と一体的に結合される(図1参照)。
【0014】
フランジ25の前面に取り付けられるフロント31には、収容室24に連通する鎌出没用孔32と、取り付け用孔26と相対する取り付け用孔33が設けられる。
鎌出没用孔32は、後述する一対の鎌68の施錠爪73が開いた状態で通過可能な形状に形成されている。
【0015】
ケース20が、引き戸Dの端面に設けられた錠収容孔34(図4参照)に挿入された後に、取り付け用孔26,33に挿通されるねじ(図示しない)が引き戸Dに螺合することにより、ケース20が引き戸Dに固着される。
ケース20には、収容室24を直角に交叉しケース20の両側面に貫通するカム挿入孔35が設けられる(図1,図3参照)。
【0016】
カム挿入孔35には、カム36の両面に設けられた軸部37が回動可能に挿入される。
カム36の外周面には、駆動アーム38と軸支持アーム39が相互に反対方向に突出し、駆動アーム38の先端部に孔40が設けられ、軸支持アーム39の先端部に設けられた孔41にピン42が固着される。
カム36の回動中心に設けられる偏平形状の孔43には、偏平形状の操作軸44の中央部が挿入される(図1参照)。
【0017】
駆動アーム38の先端部の孔40と、板状のジョイントプレート45の後端部に設けられた孔46にカムピン47が挿入される。
ジョイントプレート45の先端部には、ジョイントプレート45の両側面から突出する押動片48が設けられる(図1参照)。
【0018】
収容室24の内部には、収容室24の両内壁面に沿って前後方向に摺動可能な一対のレトラクタ49,50が挿入され、レトラクタ49,50にそれぞれ設けられた係合孔51に押動片48が係入する。
レトラクタ49に設けられるカム溝52は、レトラクタ49の移動方向に平行な解錠溝部52aの後端に下方に屈曲してつながり、レトラクタ49の移動方向に平行な施錠溝部52bが設けられる。
レトラクタ50に設けられるカム溝53は、カム溝52の解錠溝部52aと同様の解錠溝部53aの後端に上方に屈曲してつながり、レトラクタ49の移動方向に平行な施錠溝部53bが設けられる(図1参照)。
【0019】
レトラクタ49,50の内側に、一対のプレート55,56を間隔を挟んで一体的に連結した摺動プレート54が前後方向に摺動可能に挿入され、プレート55,56の先端に形成された段部57が収容室24の内面に突出するストッパ58(図2参照)に当たるまで前進可能である。
プレート55,56の先端部に設けられた孔59に、支軸60の両端部に設けられた小径部60aが挿入され、プレート55の後端から屈曲して突出する連結壁61の先端が、プレート56の後端部に設けられた長孔62に係入する(図1参照)。
【0020】
プレート55に縦長孔63と水平方向に長い案内長孔64が設けられ、プレート55に切り起こして形成されるばね支持壁65に、コイル状のジョイントスプリング66が装着され、ジョイントスプリング66の一端66aが、プレート55の下端から屈曲して突出するばね係止片67に圧接し、他端66bは、案内長孔64に挿入される押動片48の先端に圧接する(図1,図2参照)。
プレート55には、プレート55の縦長孔63と案内長孔64に相対する位置に同形状の縦長孔63と案内長孔64が設けられ、案内長孔64に押動片48が挿入される。
【0021】
2つの鎌68,68の中間部に孔69を設け、相互に重ねた鎌68,68の孔69に支軸60の中間部が挿入される。
鎌68,68の後部に設けられた孔70には、2個のロックピン71の一端がそれぞれ挿入され、両ロックピン71の中間に設けられた大径部72がそれぞれ一対のプレート55,56の縦長孔63に上下動可能に挿入され、両ロックピン71の他端はカム溝52,53に挿入される(図1,図2,図4参照)。
【0022】
鎌68,68の先端には、相互に反対方向に延びる施錠爪73が設けられ、施錠爪73の前面に小さな突起74が形成される。
この小さな突起74の位置は、2つの鎌68,68が閉じたときに一致するようになっている(図2参照)。
ケース20の先端には、開かれた施錠爪73を収容する施錠爪収容凹部75が設けられる(図7参照)。
【0023】
引き戸Dには、錠収容孔34に交叉する貫通孔76が設けられ、貫通孔76の室内側を閉塞する内側エスカッション77に孔78が設けられる。
孔78にサムターン79の軸部79aが回動可能に挿入され、軸部79aに周設された環状の溝80に止め輪81が嵌着され、サムターン79の内側端面に設けられた底付きの長孔82に、操作軸44の一端が挿入される(図1,図4参照)。
【0024】
貫通孔76の室外側を閉塞する外側エスカッション83に孔84が設けられ、孔84には、前面に操作用溝86が設けられたエマージェンシイプラグ85が回動可能に装着される。
エマージェンシイプラグ85の軸部85aの外周面に設けられた環状の溝87に、止め輪88が嵌着される(図1,図4参照)。
【0025】
エマージェンシイプラグ85の軸部85aの外周面は、円形の一部を切欠した非円形の形状であり、同じ非円形の孔90を有するカラープレート89が、外側エスカッション83の裏側から軸部85aに装着される。
カラープレート89は、外側エスカッション83に面する方の表面に、施錠角度と解錠角度とを色分け表示する塗装が施工され、外側エスカッション83にはこの色分け表示を透視する点検窓91が設けられる(図1,図4参照)。
【0026】
外側エスカッション83の内面に2本の軸92が立設され、軸92の端面に設けられたねじ孔(図示しない)には、内側エスカッション77に設けられた2個の孔93に挿入されるねじ(図示しない)が螺合する(図1参照)。
【0027】
引き戸の端面が当接する框側の柱に、前面が開口するボックス94が埋め込まれ、框側の柱に取り付けられる板95により固定される。
ボックス94の底面に設けられたねじ96に、前面に受け孔98を有するストライク97が位置調整可能に取り付けられる(図5参照)。
【0028】
ケース本体21の後端部に設けられた孔99に固着された軸100にコイル状のカムスプリング101が取り付けられ、カムスプリング101の一端101aがケース本体21の後端面に圧接し、他端101bはカム36のピン42に圧接する。カムスプリング101の弾性力はジョイントスプリング66の弾性力よりも強く、他端101bには、上方に屈曲する屈曲点101cの左側に、解錠角度にあるカム36のピン42が当たる凹形状部分101dを形成し、屈曲点101cの右側に、施錠角度にあるカム36のピン42が当たる凹形状部分101eを形成してカム36を施錠角度及び解錠角度に付勢するクリック機構を構成した図1,図2参照)。
【0029】
次に、以上のように構成された戸先錠の作用を、図2,図4〜図7を参照しながら解錠状態,施錠操作,施錠状態,引き戸を閉める前に施錠操作をした誤操作時の動作の順に説明する。
解錠状態の戸先錠は、図2に示すように、カム36が時計方向に回動して駆動アーム38がケース20の収容室24の後端面24aに当接する解錠角度にあり、カム36の駆動アーム38に枢着されたジョイントプレート45は後退し、レトラクタ49,50はジョイントプレート45の押動片48に係合孔51を押されて後退位置にある。
【0030】
摺動プレート54は、ジョイントプレート45の押動片48に案内長孔64の後端を押されて後退位置にある。
ロックピン71は解錠溝部52a,53aの中にあるので、2つの鎌68は相互に重なった閉鎖した状態でフロント31の鎌出没用孔32内に没入している。
カム36のピン42は、カムスプリング101の凹形状部分101dに圧接している(図2,図4参照)。
【0031】
閉鎖状態の一対の鎌68の突起74は、戸先錠の中心位置に重なっているので、この突起74が框側の柱に当たる位置がストライク97の取り付ける位置を示し、取り付け位置の心出し作業が容易になる利点がある。
カラープレート89はカム36と共に解錠角度にあるので、点検窓91よりカラープレート89の解錠の色彩が透視され、室外側の人には解錠状態であることを知ることができる。
【0032】
引き戸Dを閉めた状態で、室内側よりサムターン79を施錠方向に回動すると、操作軸44と共にカム36が反時計方向に回動するので、ジョイントプレート45が前進し、押動片48に係合するレトラクタ49,50がフロント31の方向に前進する。
押動片48は案内長孔64の中を前進するので、摺動プレート54は直接に押動片48に押されないが、緩衝材の役目を果たすジョイントスプリング66を介して前方に押動される。
【0033】
カム36が反時計方向に58度回動したときに、摺動プレート54の段部57がケース20の内部のストッパ58に当るので前進が停止する。
一対の鎌68の施錠爪73は、ロックピン71が解錠溝部52a,53aにあるので閉鎖状態にあり、摺動プレート54が前進を停止したときには、受け孔98を通過してストライク97の内部に進入した位置にある(図5参照)。
カム36が更に反時計方向に回動すると、摺動プレート54は停止したままなので、押動片48に押されたジョイントスプリング66が弾性変形する。
【0034】
カム36が反時計方向に58度回動した時点では、カム36のピン42がカムスプリング101の屈曲点101cを乗り越えた位置にあり、カム36は施錠角度に付勢される(図5参照)。
一方、レトラクタ49,50は押動片48に係合しており、前進を妨げるものがなく、カムスプリング101がジョイントスプリング66よりも弾性力が大きいので、カム36の回動角度が90度となる施錠角度になるまで前進を続ける。
【0035】
従って、カム36の回動角度が58度を過ぎると、摺動プレート54と共に前進を停止しているロックピン71が、解錠溝部52a,53aから施錠溝部52b,53bに移動し、90度回動した施錠角度になると、一対の鎌68の施錠爪73が開いてストライク97に係合し、引き戸Dが施錠される(図6参照)。
カム36が施錠角度になると、ピン42がカムスプリング101の凹形状部分101eに当接し、施錠角度に安定する。
カム36が施錠角度になると、室外側から点検窓91を通してカラープレート89の施錠の色彩が透視され、施錠中であることが知ることができる。
【0036】
次に、引き戸Dを閉める前にうっかり施錠操作をした誤操作における動作について説明する。
引き戸Dが未だ開かれているときに、サムターン79を回動操作してカム36を解錠角度に回動すると、一対の鎌68がフロント31から突出した後に施錠爪73が開くので、引き戸Dを閉めたときに施錠爪73がストライク97の前面に当たる。
【0037】
鎌68及び摺動プレート54がジョイントスプリング66を弾性圧縮したまま後退し、施錠爪73を開いた状態の鎌68は、フロント31の鎌出没用孔32を通過して施錠爪収容凹部75に収容される。
摺動プレート54の案内長孔64の左端に押されてジョイントプレート45が後退し、カム36が解錠方向に回動する(図7参照)。
【0038】
カム36が解錠方向に回動し、ピン42がカムスプリング101の屈曲点101cを乗り越えたときに(図7参照)、カムスプリング101により解錠方向に付勢されたカム36が解錠角度に復帰する。
ジョイントスプリング66は、一対の鎌68が完全に突出してから開くようにするためのものである。
カム36が解錠方向に回動すると、図2に示す解錠状態に戻る。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(1) 従来は一体型であった鎌を開閉可能な一対の鎌としたので、ケース及びストライクを小径に形成することができた。
従って、引き戸に設ける錠収容孔を小さくなる利点と、取り付けが容易になる利点が生じる。
(2) 従来は一体型であった鎌を開閉可能な一対の鎌とし、鎌が突出した後に引き寄せるように開く構成としたので、鎌とストライクとの間に生じる隙間を小さくすることができた。
【0040】
(3) 施錠操作した後に引き戸を閉める誤操作をしても、突出した鎌がスプリングの力に逆らってケース内に収納されるので戸先錠の破損が防止される。
従って、戸先錠は自動的に解錠状態に復帰するので、もう一度施錠操作を行えば正規の施錠ができる。
(4) カムと一体となって回動するカラープレートを施錠,解錠領域を色分けし、外側エスカッションに点検窓を設けると、施錠,解錠状態を容易に目視できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】戸先錠の分解斜視図である。
【図2】解錠状態の戸先錠の縦断面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2のX−X断面図である。
【図5】施錠操作の中途の状態を示す戸先錠の縦断面図である。
【図6】施錠状態の戸先錠の縦断面図である。
【図7】施錠操作した後の引き戸を閉めた瞬間の状態を示す戸先錠の縦断面図である。
【図8】従来の戸先錠を引き戸の端面から見た正面図である。
【図9】従来の戸先錠の要点を説明する説明図である。
【符号の説明】
D 引き戸
20 ケース
24 収容室
31 フロント
32 鎌出没用孔
35 カム挿入孔
36 カム
38 駆動アーム
44 操作軸
45 ジョイントプレート
48 押動片
49,50 レトラクタ
52,53 カム溝
52a,53a 解錠溝部
52b,53b 施錠溝部
54 摺動プレート
55,56 プレート
58 ストッパ
60 支軸
63 縦長孔
64 案内長孔
66 ジョイントスプリング
68 鎌
71 ロックピン
73 施錠爪
75 施錠爪収容凹部
77 内側エスカッション
79 サムターン
83 外側エスカッション
85 エマージェンシイプラグ
89 カラープレート
91 点検窓
97 ストライク
101 カムスプリング

Claims (3)

  1. 前後方向に細長い収容室が形成され、該収容室の前端に鎌出没用孔を有するフロントが設けられ、上記収容室に交叉するカム挿入孔を有し、引き戸の先端面の錠収容孔に内設されるケースと、上記カム挿入孔に回動可能に挿入され、施錠角度に回動操作されたときに上記フロント方向に移動する駆動アーム及びフロント反対方向に移動する軸支持アームを有するカムと、該軸支持アームに設けたピンに摺接し、該カムを施錠角度及び解錠角度に付勢するカムスプリングと、後端を上記駆動アームに枢着され先端に押動片を有するジョイントプレートと、上記押動片が進退可能に遊嵌する案内長孔を有する一対のプレートを間隔を挟んで一体的に連結し、上記押動片に接触するジョイントスプリングを設け、上記収容室内を所定量だけ前進可能に設けられた摺動プレートと、上記押動片が係入する係合孔を有し、カム溝が設けられる一対のレトラクタと、上記摺動プレートに支承される支軸に中間部を枢着され、先端には相互に反対方向に突出する施錠爪を有し、後端部に設けられたロックピンが上記カム溝に係入する一対の鎌とによって構成され、
    上記カム溝は、上記両鎌をストライクの受け孔内に挿入案内する解錠溝部と、該解錠溝部に連接し、上記カムの施錠角度において上記両鎌をそれぞれ上記施錠爪の突出方向に回動案内する施錠溝部とを備えていることを特徴とする戸先錠。
  2. 上記ケースの収容室の先端に、突出方向に回動した状態の上記施錠爪を収容する施錠爪収容凹部を形成し、該施錠爪収容凹部に上記施錠爪が収容されたとき上記カムスプリングによって上記カムが解錠角度に回動し上記レトラクタが移動して上記ロックピンが上記施錠溝部から上記解錠溝部へ移動することを特徴とする請求項1記載の戸先錠。
  3. 上記カムを回動操作する操作軸に、施錠角度と解錠角度とを色分け表示するカラープレートを固着し、上記引き戸の外側エスカッションに、上記カムの施錠及び解錠角度において上記カラープレートの施錠及び解錠の色分け表示領域を透視する点検窓を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の戸先錠。
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