JP3710215B2 - Thermoplastic resin film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムに関し、詳しくは、ヒンダードアミン系光安定剤を含有してなる熱可塑性樹脂フィルムの片面あるいは両面に、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂を含有する水系樹脂組成物により形成された塗膜を有している、耐候性、防曇性などの改良された農業用フィルムに特に好適に用いることのできる熱可塑性樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂は、機械的強度、耐薬品性、耐候性等の物性に優れ、かつ比較的安価であるため、種々の用途に用いられている。例えば、これらの熱可塑性樹脂は、トンネル栽培、ハウス栽培等に使用される農業用フィルムなどに使用されている。
【0003】
熱可塑性樹脂フィルムの耐候劣化は樹脂自体の劣化もあるが、それ以前に主として可塑剤などの添加剤がブリードして物性を低下したり、汚れを生じることなどによる悪影響も大きい。また、表面に傷が生じるなどの劣化も生じる。これらの表面の汚れや傷は、太陽光の透過を妨げ、作物の発育にも悪影響を与えるおそれがあるため、解決しなければならない問題である。
【0004】
樹脂の耐候性を改善する方法として、例えば、特開昭57−168933号公報には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を配合してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されており、特開昭58−142928号公報には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を含有し、特定の光線透過率を有する農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されるなど、添加剤による方法があげられるが、上記のような表面の汚れや傷の問題を解決するためにはこれだけでは全く不十分なものである。
【0005】
また、壁紙として使用した場合においてもブリードを原因とした汚れの防止、傷の発生の抑制の問題とともに光による着色あるいは退色などの問題があり、これを解消することは必須である。
【0006】
これらの問題を解決する方法としては、例えば、特開昭50−84678号公報には、紫外線吸収剤を含有するアクリル系樹脂を被覆してなる塩化ビニル系樹脂成型品が提案されており、特開昭57−168934号公報には、ヒンダードアミン系光安定剤を含有し、アクリル酸エステル系樹脂により被覆されてなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されており、特開昭58−187121号公報には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を含有し、アクリル樹脂被覆されてなるナス栽培用被覆材が提案されており、特開昭60−238350号公報には、紫外線吸収剤、有機リン酸エステルおよびヒンダードアミン系光安定剤を含有し、アクリル樹脂被覆されてなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案されており、特開昭60−232951号公報には、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤を含有し、紫外線硬化性ウレタンアクリレート被覆してなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムが提案さているが、これら方法によっても未だ十分な性能のものが得られていなかった。
【0007】
また、熱可塑性樹脂フィルムを農業用フィルムとして、展張使用する際に内面に水滴が付着することによる曇りが生じて農作物の発育に悪影響を与えるという欠点を有しており、これを防止するために内壁に防滴剤を塗布あるいは練り混んだりする等の方法が取られているが、防滴剤が流れ出して通常1年程度で効果が低下し、再度塗布する必要が生じ、極めて非効率である。
【0008】
これらの持続性を改善する方法として、例えば、特開昭49−116180号公報などには、フィルムの表面に親水性樹脂を塗布して塗膜を形成する方法が提案されている。しかし、これまではその防滴効果は全く不十分なものであり、この問題に関しても合わせて解決しなければならない問題であった。
【0009】
従って、本発明の目的は、農業用のフィルムとして好適に使用することのできるような耐光性、耐汚染性、耐傷性、防曇性などの改良された熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討を重ねた結果、特定の光安定剤を含有する熱可塑性樹脂フィルムの片面あるいは両面に、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂からなる水系樹脂組成物により形成された塗膜を有している熱可塑性樹脂フィルムが、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0011】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、片面または両面に、塗膜形成用水系樹脂組成物により形成された塗膜を有している熱可塑性樹脂フィルムにおいて、該熱可塑性樹脂フィルム中にヒンダードアミン系光安定剤を含有し、かつ、該塗膜形成用水系樹脂組成物が、ポリウレタン樹脂1〜85重量%およびアクリル樹脂1〜85重量%を含有し、かつ、両者を合計した樹脂固形分2〜90重量%を含有する水系樹脂組成物であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性樹脂フィルムについて詳述する。
【0013】
本発明に使用される塗膜形成前の熱可塑性樹脂フィルムを形成することのできる熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などがあげられる。ここで、上記塩化ビニル系樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などその重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリテン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体などの塩化ビニル系樹脂、およびそれら相互のブレンド品あるいは他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステルなどとのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体などがあげられ、また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等のα−オレフィンの単重合体または共重合体、これらのα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、また、上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルポリエステルなどがあげられる。
【0014】
また、上記フィルムは、単層構造フィルムでも多層構造フィルムでもよい。
【0015】
本発明に使用されるヒンダードアミン系光安定剤は、上記フィルム中に含有されたもので、該フィルム成形時に、熱可塑性樹脂に添加されるものである。該ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられ、特に、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の式(I)で表されるピペリジン環構造を分子中に少なくとも4個以上有し、かつ、分子量が500以上のものを用いることで、より耐候性に優れたフィルムを得ることができる。
【0016】
【化2】

Figure 0003710215
【0017】
上記ヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部である。該使用量が0.01未満の添加では十分な効果が得られず、10重量部よりも多くも効果の向上がみられないばかりか、フィルムの物性を低下させるなどの悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。
【0018】
上記熱可塑性樹脂からフィルムを形成する方法としては、通常の熱可塑性樹脂の加工方法が用いられ、例えば、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
【0019】
上記フィルムの膜厚は、好ましくは0.001〜1mm、更に好ましくは0.01〜0.5mmである。
【0020】
また、上記フィルムを形成する際には、通常の熱可塑性樹脂に用いられる添加剤、例えば、可塑剤、有機カルボン酸、フェノール類および有機リン酸類の金属塩、有機錫化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、リン系、フェノール系または硫黄系などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ハイドロタルサイト化合物、ゼオライト化合物、過塩素酸塩類、その他の無機金属化合物、架橋剤、充填剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、顔料、加工助剤、防曇剤、防霧剤を使用することができる。
【0021】
本発明に使用されるポリウレタン樹脂は周知の方法で製造でき、例えば、ポリイソシアネート、ポリオールおよびカルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリオールあるいは分子中に塩基性基を有するポリオールを、反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒中でウレタン化反応させてプレポリマーとし、次いで、プレポリマーを、中和剤で中和し、鎖延長剤により鎖延長し、水を加えて水性ウレタンとすることによって製造される。
【0022】
上記水性ウレタンを製造するために使用される上記ポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式および芳香族ポリイソシアネートがあげられ、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等があげられる。
【0023】
上記ポリイソシアネートは、後述するポリオール、カルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリオールおよび鎖延長剤の活性水素の合計に対し、好ましくは0.8〜3倍当量、より好ましくは1〜2倍当量となるように使用される。該イソシアネートの使用量が0.8倍当量未満の場合には過剰のポリオール等が残存することとなり、また、3倍当量より多い場合には水を加えたときに尿素結合を多量に生成することとなり、いずれの場合もその特性を低下させるおそれがある。
【0024】
また、上記水性ウレタンを製造するために使用される上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物等の低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン/プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、前記低分子量ポリオールとコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸あるいは炭酸との縮合物であるポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリカプロラクトン等があげられる。
【0025】
また、上記水性ウレタンを製造するために使用されるカルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等があげられ、また、分子中に塩基性基を有するポリオールとしては、例えば、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがあげられ、特に、カルボキシル基を有するポリオールを用いた場合には分散性に優れる水性ウレタンが得られるので好ましい。
【0026】
上記のカルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリオールの使用量は、用いるポリオールおよびポリイソシアネートの種類にもよるが、通常は、水性ウレタンを構成する全ての反応成分に対して、0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%が用いられる。該使用量が0.5重量%未満では保存安定性が劣り、また、50重量%を超えると特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0027】
また、上記水性ウレタンを製造するために使用される反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等をあげることができる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製造するために用いられる上記原料の合計量に対して、10〜100重量%が用いられる。
【0028】
また、上記水性ウレタンを製造するために使用される中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基があげられ、これらはカルボキシル基またはスルホン酸基を中和するに十分な量が用いられる。
【0029】
また、上記水性ウレタンを製造するために使用される鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、メラミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のアミン類および水等があげられる。これらの鎖延長剤の使用量は、目的とするポリウレタン樹脂の分子量にもよるが、通常は、プレポリマーに対して0.5〜10重量%が用いられる。
【0030】
前述のように、これらの原料から水性ウレタンを製造することは周知であり、これらの原料の仕込み順序を適宜変更したり、あるいは分割して仕込むことも可能である。
【0031】
このようにして得られた水性ウレタンは、通常、樹脂固形分が1〜90重量%、より好ましくは5〜80重量%となるように調整される。
【0032】
また、市販されている水性ウレタンをそのまま使用することも勿論可能であり、例えば、旭電化工業(株)製の「アデカボンタイター」シリーズ、三井東圧化学(株)製の「オレスター」シリーズ、大日本インキ化学工業(株)製の「ボンディック」シリーズ、「ハイドラン」シリーズ、バイエル製の「インプラニール」シリーズ、日本ソフラン(株)製の「ソフラネート」シリーズ、花王(株)製の「ポイズ」シリーズ、三洋化成工業(株)製の「サンプレン」シリーズ、保土谷化学工業(株)製の「アイゼラックス」シリーズ、第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス」シリーズ、ゼネカ(株)製の「ネオレッツ」シリーズ等を用いることができる。
【0033】
本発明に使用されるアクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルを含有するアクリル系不飽和単量体混合物を、乳化剤の存在下に、水性溶媒中に乳化または分散させ、重合開始剤を用いて重合することによって得られるものである。ここで、上記アクリル酸またはメタクリル酸エステルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、グリシジルなどのエステルがあげられる。
【0034】
また、上記アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルとともに他の不飽和単量体を共重合させることもできる。これらの他の不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の脂肪族不飽和炭化水素およびハロゲン化脂肪族不飽和炭化水素、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和炭化水素、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の他の不飽和カルボン酸のエステル(エステルを構成するアルコール成分としては上記のアクリル酸およびメタクリル酸のエステルを構成するアルコール成分が例示される)、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有ビニルモノマー等があげられる。
【0035】
上記アクリル酸またはメタクリル酸のエステルの含有量は任意に設定できるが、通常は、全単量体中の30重量%以上、好ましくは、50重量%以上であり、30重量%未満ではアクリル酸またはメタクリル酸エステルを用いたことによる効果が発現しがたくなる。特に、これらのアクリル酸またはメタクリル酸エステルとして、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを全単量体中の0.1〜50重量%、より好ましくは1〜30重量%となるように含有することが好ましく、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを含有する不飽和単量体を用いることにより、皮膜の耐水性、耐薬品性等が著しく改善される。
【0036】
また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の他の不飽和カルボン酸を不飽和単量体成分として使用し、かつ中和剤を使用することでアクリル系樹脂自体に水溶性を付与することもでき、これら中和剤としては、例えば、前記水性ウレタンにおいて使用されたものなどがあげられる。
【0037】
これらの不飽和単量体は、反応当初に一括して仕込むことも、また、分割あるいは連続的に仕込むことも可能であり、さらに、必要に応じてメルカプタン類などの連鎖移動剤を添加することもできる。
【0038】
また、上記アクリル樹脂を製造するために使用される上記重合開始剤は特に制限を受けず、通常のエマルジョン重合に用いられる水溶性開始剤ばかりでなく、油溶性開始剤も使用することができる。これらの重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル、第三ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル等があげられ、また、これらの重合開始剤と亜硫酸塩、スルホキシレートとの組み合わせよりなるいわゆるレドックス系触媒を使用することもできる。
【0039】
上記重合開始剤の使用量は、単量体の種類、濃度、反応温度等によっても変化するが、通常は全単量体に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0040】
また、上記重合開始剤は、全量を一括して添加することも、あるいは、分割または連続的に添加することもできる。
【0041】
上記アクリル樹脂を製造する際の反応温度は、使用する単量体および重合開始剤の種類および量に応じて変化するが、通常は0℃〜100℃である。
【0042】
また、上記アクリル樹脂を製造する際に使用することができる乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤または反応性界面活性剤など全ての界面活性剤を使用することができる。
【0043】
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩などのアルキルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トリエタノールアミンアビエテートなどの脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェートなどのアルキルアリールスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩などがあげられる。
【0044】
また、上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;トリメチロールプロパン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドの脂肪酸アミン、アミドまたは酸との縮合生成物などがあげられる。
【0045】
また、上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、第1〜3級アミン塩;ピリジニウム塩;第4級アンモニウム塩などがあげられる。
【0046】
また、上記高分子界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;またこれらの重合体構成単位である重合性単量体の2種以上の共重合体または他の単量体との共重合体などがあげられる。また、クラウンエーテル類などの相関移動触媒と称されるものも界面活性を示すものとして有用である。
【0047】
また、上記反応性界面活性剤としては、分子内に上記不飽和単量体と共重合しえる不飽和結合を有するものであれば、ノニオン系、アニオン系あるいはカチオン系を問わず使用することができる。
【0048】
上記反応性界面活性剤は、分子内に、疎水性基、親水性基および反応性基を各々少なくとも1個有する化合物であり、該疎水性基は脂肪族または芳香族炭化水素基からなり、該親水性基はポリオキシアルキレンエーテル基に代表されるノニオン性基、スルホン酸塩、カルボン酸塩、燐酸塩に代表されるアニオン性基および第4級アンモニウム塩に代表されるカチオン性基を含有し、該反応性基はビニルエーテル基、アリルエーテル基、ビニルフェニル基、アリルフェニル基、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミド基、マレイン酸等の不飽和二塩基酸のエステルまたはアミド基を含有するものである。
【0049】
また、上記反応性界面活性剤としては、例えば、特開昭62−22803号公報、同62−104802号公報、同62−104803号公報、同62−221431号公報、同62−221432号公報、同62−225237号公報、同62−244430号公報、同62−286528号公報、同62−289228号公報、同62−289229号公報、同63−12334号公報、同63−54930号公報、同63−77530号公報、同63−77531号公報、同63−77532号公報、同63−84624号公報、同63−84625号公報、同63−126535号公報、同63−126536号公報、同63−147530号公報、同63−319035号公報、特開平1−11630号公報、同1−22338号公報、同1−22627号公報、同1−22628号公報、同1−30632号公報、同1−34430号公報、同1−34431号公報、同1−34432号公報、同1−99638号公報、同1−99639号公報、同4−50204号公報、同4−53802号公報、同4−55401号公報に記載されたものがあげられる。
【0050】
更に、上記反応性界面活性剤の具体例としては、例えば、1−(メタ)アリロキシまたは(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アリロキシカルボニルメチル−3−アルコキシ(ポリオキシアルキレノキシ)またはアルキルフェノキシ(ポリオキシアルキレノキシ)またはアシロキシ(ポリオキシアルキレノキシ)−2−ヒドロキシプロパンまたはそのアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸または燐酸エステルアルカリまたはアンモニウム塩、ビスフェノール化合物またはグリコール化合物のアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸または燐酸エステルアルカリまたはアンモニウム塩、ビニルまたはアリルフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸または燐酸エステルアルカリまたはアンモニウム塩、スルホコハク酸のモノアリル−モノアルキルエステルアルカリまたはアンモニウム塩、スルホコハク酸のモノ(3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−モノアルキルエステルアルカリまたはアンモニウム塩などがあげられる。
【0051】
上記乳化剤の使用量は、全不飽和単量体に対して、好ましくは0.1〜20重量%である。該使用量が0.1重量%未満の場合には乳化安定性が不十分であり、また、20重量%を超えると、得られる水系樹脂から形成される被膜の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0052】
本発明に用いられる塗膜形成用水系樹脂組成物は、前記のポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂を含有するものであるが、その調整方法には特に制限を受けず、別途に製造した水性ウレタンとアクリルエマルジョンを混合する方法あるいは水性ウレタンにアクリル系不飽和単量体混合物および反応性乳化剤を加えて重合させる方法のいずれでも採用することができる。
【0053】
別途に製造した水性ウレタンとアクリルエマルジョンを混合する方法においては、混合の順序、温度等の条件については特に制限を受けず、例えば、アクリルエマルジョン中に水性ウレタンを少量ずつ添加混合する方法、水性ウレタン中にアクリルエマルジョンを少量ずつ添加混合する方法、両者を一度に混合する方法のいずれでも良く、また、両者を冷却した後混合しても、一方あるいは両方が高温のときあるいは加熱下に混合しても良い。
【0054】
特に、グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを含有する不飽和単量体混合物から得られたアクリルエマルジョンを用いる場合には、50〜100℃で水性ウレタンと混合するか、あるいは水性ウレタン中で50〜100℃でアクリル系不飽和単量体混合物を重合させることによって得られる上記水系樹脂組成物を用いることにより、形成された皮膜の特性が改善される傾向が認められる。このような高温下で製造した水系樹脂組成物を用いることによって形成される皮膜の特性が改善される理由は明らかではないが、ポリウレタン樹脂に含有されるカルボキシル基またはスルホン酸基とアクリル樹脂に含有されるグリシジル基が反応して両者の間に部分的な化学的な結合が生じ、両樹脂の均一性が改善されるためであると推定される。
【0055】
また、上記塗膜形成用水系樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂1〜85重量%およびアクリル樹脂1〜85重量%を含有し、両者を合計した樹脂固形分が2〜90重量%、好ましくは5〜80重量%となるように調整される。該樹脂固形分が2重量%未満の場合は乾燥に長時間を要することとなり、また、樹脂固形分が90重量%を超えると、粘度が高く取扱に不便であるばかりでなく、保存安定性が低下する。
【0056】
また、上記塗膜形成用水系樹脂組成物における、ポリウレタン樹脂とアクリル樹脂との比率(重量比)は特に制限を受けないが、通常は1:10〜10:1である。該比率が上記範囲を外れる場合は、ポリウレタン樹脂またはアクリル樹脂の量が少なくなりすぎ、所望の特性が得られないことが多い。
【0057】
また、上記塗膜形成用水系樹脂組成物には、目的に応じて、フッ素系またはシロキサン系などの帯電防止剤、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナなどの無機質コロイドゾル、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、ワックス類、防曇剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、溶剤、造膜助剤、分散剤、増粘剤、香料等の慣用の添加物を加えることもできる。
【0058】
上記フィルム上に上記水系樹脂組成物の塗膜を形成する方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースロールコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ドクターブレードコート法、カーテンロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法などのコーティング法を用いて、塩化ビニル系樹脂フィルムの片面あるいは両面に塗布して乾燥し、乾燥膜厚が好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.2〜5μmの塗膜を形成する方法等が挙げられる。
【0059】
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの用途は特に限定されるものではないが、ハウス、トンネル、マルチ等の農業用フィルム(いわゆる農ビ、農ポリ、農サクビ、農PO、硬質フィルム等)に特に好適に使用することができる。
【0060】
【実施例】
以下、製造例および実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。尚、製造例および実施例における部は特にことわりのないかぎり重量部を表す。
【0061】
製造例1(水性ウレタンの製造例)
平均分子量1000のポリプロピレングリコール(PPG1000)49部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)176部、ジメチロールプロピオン酸70部およびN−メチルピロリドン196部を反応容器にとり、80〜100℃に保ちながら反応させて、プレポリマーを製造した。
【0062】
次いで、トリエチルアミン48部を加えて中和した後、ヘキサメチレンジアミン5部を加え、水を添加しながら35℃以下で架橋反応を行い、反応終了までに456部の水を加えて樹脂固形分35重量%の水性ウレタン(水性ウレタンA)を製造した。
【0063】
製造例2(水性ウレタンの製造例)
平均分子量790のビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(BPAPO)140部、キシリレンジイソシアネート151部およびN−メチルピロリドン120部を反応容器にとり、80〜85℃でNCO含有率が10.3重量%となるまで反応させ、プレポリマーを製造した。
【0064】
次いで、ジメチロールプロピオン酸14部および1,4−ブチレングリコール25部を加え、同温度で架橋反応を行い、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収が消失するまで反応させた後、トリエチルアミン12部および水538部を加えて中和し、さらに1時間熟成させて樹脂固形分34重量%の水性ウレタン(水性ウレタンB)を製造した。
【0065】
製造例3(水性ウレタンの製造例)
二塩基酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸(重量比1:1)を用い、グリコール成分としてエチレングリコールおよびジエチレングリコール(重量比2:3)を用いた分子量1000のポリエステルポリオール(ポリエステルポリオール1)100部、イソホロンジイソシアネート107部およびメチルエチルケトン90部を反応容器にとり、75℃で十分に混合した後、ジメチロールプロピオン酸20部を加え、70℃で12時間反応させた。5%アンモニア水60部を加え中和した後、減圧下にメチルエチルケトンを留去し、水を加えて樹脂固形分23重量%の水性ウレタン(水性ウレタンC)を製造した。
【0066】
上記製造例1と同様な操作により、下記〔表1〕に示す成分を用いて水性ポリウレタン樹脂(水性ウレタンD〜G)を製造した。
【0067】
【表1】
Figure 0003710215
【0068】
製造例4(アクリル樹脂の製造)
イオン交換水100部およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(乳化剤A)2部をとり、70℃に昇温してから過硫酸アンモニウム0.6部を加えた。ここに、メチルメタクリレート45部、n−ブチルアクリレート45部、グリシジルメタクリレート10部、乳化剤A1部およびイオン交換水30部からなる混合乳化液を3時間を要して滴下し、滴下終了後、さらに同温度で1時間反応させた。その後、アンモニア水でpHを8〜9に調整し、樹脂固形分44重量%のアクリル樹脂エマルジョン(アクリル樹脂エマルジョンA)を製造した。
【0069】
上記製造例4と同様な操作により、下記〔表2〕に示す成分を用いてアクリルエマルジョン(B〜D)を製造した。
【0070】
【表2】
Figure 0003710215
【0071】
(水性ウレタンとアクリルエマルジョンの混合による水系樹脂組成物の製造)
下記〔表3〕に示す配合により水性ウレタンおよびアクリルエマルジョンを30℃で2時間混合して水系樹脂組成物No.1〜No.4を調整した。また、No.5およびNo.6はそのまま使用した。
【0072】
実施例1
(塩化ビニル樹脂フィルムの作成)
下記配合により180℃カレンダー加工法により0.1mm厚のフィルムFa〜Feを作成した。
【0073】
〔配合〕 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
ジオクチルフタレート 50
トリクレジルホスフェート 5
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 2
ソルビタンモノパルミテート 1.5
メチレンビスステアリン酸アミド 0.5
DHT−4A*2 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ステアリルリン酸バリウム 0.5
オクタデシル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4− 0.1
ヒドロキシフェニル)プロピオネート
試験添加剤(下記〔表3〕参照) 〔表3〕
*2:協和化学工業(株)製合成ハイドロタルサイト
【0074】
(積層フィルムの作成)
次に、この塩化ビニル樹脂フィルムの片面に、前記合成例で得られた水系樹脂組成物を、130メッシュグラビアレコーダーにより塗布し、厚さ2μmの塗膜を形成した。
【0075】
ここで得られたフィルムを塗布面を表にして屋外(埼玉県浦和市)暴露して、6か月後、12か月後および18か月後のサンプルについて表面状態を観察した。評価は目視により着色、汚れあるいは傷の発生状況を総合して10段階で評価(耐候性)し、1が暴露前をほとんど差のない状態を表し、数値が大きくなるに従って劣化が進行している状態 表す。またこれに加え、オリジナルと12か月後のフィルムについてJIS K 7105に従い光線透過率を測定した。
【0076】
また、未暴露のフィルムを使用して防曇性の試験を行った。試験方法は、四方を木板で囲んだ霧観察用のフレームの天井傾斜面に試験フィルムを張り、塗布面を上にして予め用意した水温約40℃の水槽上に乗せ、25℃の室温で48時間放置する。次いで、水浴を40℃に保持したまま室温を5℃に下げ、1時間後にフィルム内表面(水槽に面した側の表面)の曇の発生状態を目視により確認した。×、△および○の三段階で評価した。
【0077】
それらの結果を下記〔表3〕に示す。
【0078】
【表3】
Figure 0003710215
【0079】
実施例2
(塩化ビニル樹脂フィルムの作成)
下記配合により180℃カレンダー加工法により0.1mm厚のフィルムFgおよびFhを作成した。
【0080】
〔配 合〕 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
ジオクチルフタレート 50
トリクレジルホスフェート 5
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 2
ソルビタンモノパルミテート 1.5
メチレンビスステアリン酸アミド 0.5
DHT−4A 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ステアリルリン酸バリウム 0.5
オクタデシル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4− 0.1
ヒドロキシフェニル)プロピオネート
テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4− 〔表4〕
ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート(HALS−5)
【0081】
(積層フィルムの作成)
次にこの塩化ビニル樹脂フィルムの両面に、前記合成例で得られた水系樹脂組成物を、130メッシュグラビアレコーダーにより塗布し、厚さ2μmの塗膜を形成した。ただし、片面(これを面−1、反対を面−2とする)に塗布する水系樹脂組成物として樹脂成分に対して0.1重量%のサーフロンS−145(旭硝子製パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物)を予め配合したものを使用した。
【0082】
得られた被覆シートを用いて実施例1と同様の試験を行なった。耐候性試験においては、面−2を表に向けて試験を行ない、防曇性試験においては面−1を下にして試験を行なった。それらの結果を下記〔表4〕に示す。
【0083】
【表4】
Figure 0003710215
【0084】
実施例3
(ポリエチレンフィルムの作成)
下記配合によりインフレーション加工法により0.1mm厚のフィルムFa2、Fb2およびFc3を作成した。
【0085】
〔配合〕 重量部
低密度ポリエチレン(密度0.923g/cm2 ,mMFR=2.0 ) 100
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト 0.2
メチレンビスアマイド 0.2
DHT−4A 0.2
試験化合物(下記〔表5〕参照) 〔表5〕
【0086】
(積層フィルムの作成)
次にこのポリエチレンフィルムの片面に、前記合成例で得られた水系樹脂組成物を、130メッシュグラビアレコーダーにより塗布し、厚さ2μmの塗膜を形成した。
【0087】
ここで得られたフィルムを用いて実施例1と同様の試験を行なった。ただし、耐候性試験は6か月後、12か月後、劣化後の光線透過率は6か月のものを測定した。それらの結果を下記〔表5〕に示す。
【0088】
【表5】
Figure 0003710215
【0089】
実施例5
(ポリエステルフィルムの作成)
下記配合により溶融押出法により0.1mm厚のフィルムFa3〜Fe3を作成した。
【0090】
〔配合〕 重量部
ポリエチレンテレフタレート 100
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト 0.2
試験化合物(下記〔表6〕) 〔表6〕
【0091】
(積層フィルムの作成)
次に、このポリエステルフィルムの片面に、前記合成例で得られた水系樹脂組成物を、130メッシュグラビアレコーダーにより塗布し、厚さ2μmの塗膜を形成した。
【0092】
ここで得られたフィルムを用いて実施例1と同様の試験を行なった。それらの結果を下記〔表6〕に示す。
【0093】
【表6】
Figure 0003710215
【0094】
実施例から明らかなように、コーティングを施していない熱可塑性樹脂フィルムは、汚れや傷が生じやすく、また光線透過率の低下も著しい。これを改善するために水性ウレタンあるいはアクリルエマルジョンをそれぞれ単独で使用したコーティングを施した場合には幾らかの改善は見られるもののその効果は未だ不十分なものである。
【0095】
また、水性ウレタンおよびアクリルエマルジョンからなる水系樹脂を塗布した場合においてもヒンダードアミン系光安定剤を使用しない場合においては満足できる性能のものは得られない。
【0096】
これに対し、本発明に係るヒンダードアミン系光安定剤を含有し、水系ウレタンとアクリルエマルジョンからなる水系樹脂組成物を用いてコーティングすることで、汚れや傷の発生も少なく、光線透過率も維持することができる。
【0097】
【発明の効果】
ヒンダードアミン系光安定剤を含有してなる熱可塑性樹脂フィルムをポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂を含有する水系樹脂組成物を用いてコーティングした本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐候性、耐傷性が著しく改善され、特に農業用フィルムなどの用途に適したものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermoplastic resin film, and more specifically, a coating formed of a water-based resin composition containing a polyurethane resin and an acrylic resin on one or both sides of a thermoplastic resin film containing a hindered amine light stabilizer. The present invention relates to a thermoplastic resin film that can be used particularly suitably for an agricultural film having a film and improved weather resistance, antifogging properties, and the like.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
Thermoplastic resins such as vinyl chloride resin, polyolefin resin, and polyester resin are excellent in physical properties such as mechanical strength, chemical resistance, and weather resistance, and are relatively inexpensive. Therefore, they are used in various applications. Yes. For example, these thermoplastic resins are used for agricultural films used for tunnel cultivation, house cultivation, and the like.
[0003]
The deterioration of weather resistance of the thermoplastic resin film may also be due to deterioration of the resin itself, but before that, there is a great adverse effect due to the fact that additives such as plasticizers bleed to lower the physical properties and cause stains. In addition, deterioration such as scratches on the surface also occurs. These dirt and scratches on the surface are problems that must be solved because they can interfere with sunlight transmission and adversely affect crop growth.
[0004]
As a method for improving the weather resistance of a resin, for example, JP-A-57-168933 proposes an agricultural vinyl chloride resin film comprising an ultraviolet absorber and a hindered amine light stabilizer, Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-142928 proposes a method using an additive such as an agricultural vinyl chloride resin film containing a UV absorber and a hindered amine light stabilizer and having a specific light transmittance. However, this is not enough to solve the problem of surface contamination and scratches as described above.
[0005]
Further, even when used as wallpaper, there are problems such as coloring or fading due to light as well as problems of preventing dirt due to bleeding and suppressing the occurrence of scratches, and it is essential to eliminate them.
[0006]
As a method for solving these problems, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 50-84678 proposes a vinyl chloride resin molded article coated with an acrylic resin containing an ultraviolet absorber. Japanese Utility Model Laid-Open No. 57-168934 proposes an agricultural vinyl chloride resin film containing a hindered amine light stabilizer and coated with an acrylic ester resin. Has proposed a coating material for eggplant cultivation containing an ultraviolet absorber and a hindered amine light stabilizer and coated with an acrylic resin. JP-A-60-238350 discloses an ultraviolet absorber, an organic phosphorus An agricultural vinyl chloride resin film containing an acid ester and a hindered amine light stabilizer and coated with an acrylic resin has been proposed. Japanese Utility Model Laid-Open No. 60-232951 discloses an agricultural vinyl chloride resin film containing an ultraviolet absorber and a hindered amine light stabilizer and coated with an ultraviolet curable urethane acrylate. Those with sufficient performance were not obtained.
[0007]
In addition, when the thermoplastic resin film is used as an agricultural film, it has the disadvantage of causing clouding due to water droplets adhering to the inner surface when it is used for spreading, and adversely affecting the growth of crops. A method such as applying or kneading a drip-proofing agent to the inner wall is taken, but the drip-proofing agent flows out and the effect is usually reduced in about one year, and it is necessary to apply it again, which is extremely inefficient. .
[0008]
As a method for improving these sustainability, for example, JP-A-49-116180 proposes a method of forming a coating film by applying a hydrophilic resin on the surface of a film. However, until now, its drip-proof effect is quite insufficient, and this problem has to be solved together.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an improved thermoplastic resin film having improved light resistance, stain resistance, scratch resistance, antifogging property, etc., which can be suitably used as an agricultural film. .
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies, the present inventors have a coating film formed of a water-based resin composition comprising a polyurethane resin and an acrylic resin on one side or both sides of a thermoplastic resin film containing a specific light stabilizer. It has been found that the thermoplastic resin film can achieve the above object.
[0011]
The present invention has been made based on the above knowledge, and in a thermoplastic resin film having a coating film formed with a water-based resin composition for coating film formation on one side or both sides, the thermoplastic resin film includes Resin solid content which contains a hindered amine light stabilizer and the aqueous resin composition for forming a coating film contains 1 to 85% by weight of a polyurethane resin and 1 to 85% by weight of an acrylic resin, and the total of both. The present invention provides a thermoplastic resin film characterized by being a water-based resin composition containing 2 to 90% by weight.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the thermoplastic resin film of the present invention will be described in detail.
[0013]
Examples of the thermoplastic resin that can form the thermoplastic resin film before forming a coating film used in the present invention include a vinyl chloride resin, a polyolefin resin, and a polyester resin. Here, the vinyl chloride resin is not particularly limited to the polymerization method such as bulk polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, and emulsion polymerization. For example, polyvinyl chloride, chlorinated polyvinyl chloride, polyvinyl chloride, Chlorinated polyethylene, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, vinyl chloride-ethylene copolymer, vinyl chloride-propylene copolymer, vinyl chloride-styrene copolymer, vinyl chloride-isobutylene copolymer, vinyl chloride-vinylidene chloride Copolymer, Vinyl chloride-styrene-maleic anhydride terpolymer, vinyl chloride-styrene-acrylonitrile solution copolymer, vinyl chloride-butadiene copolymer, vinyl chloride-isoprene copolymer, vinyl chloride-chlorine Propylene copolymer, vinyl chloride-vinylidene chloride-vinyl acetate terpolymer, vinyl chloride-maleic acid Contains vinyl chloride resins such as steal copolymers, vinyl chloride-methacrylic acid ester copolymers, vinyl chloride-acrylonitrile copolymers, vinyl chloride-various vinyl ether copolymers, and their blends or other chlorine. Synthetic resins such as acrylonitrile-styrene copolymer, acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-ethyl (meth) acrylate copolymer, blends with polyester, block copolymer, etc. Examples of the polyolefin resin include high density, low density or linear low density polyethylene, polypropylene, polybutene-1, poly-3-methylpentene, and ethylene. -Α-olefin such as propylene copolymer And the like, copolymers of these α-olefins with polyunsaturated compounds such as conjugated dienes or non-conjugated dienes, acrylic acid, methacrylic acid, vinyl acetate, etc. Examples of the polyester resin include polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, and polyether polyester.
[0014]
The film may be a single layer structure film or a multilayer structure film.
[0015]
The hindered amine light stabilizer used in the present invention is contained in the film and is added to the thermoplastic resin at the time of forming the film. Examples of the hindered amine light stabilizer include 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl stearate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl stearate, 2,2, 6,6-tetramethyl-4-piperidylbenzoate, N- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) dodecyl succinimide, 1-[(3,5-ditert-butyl-4- Hydroxyphenyl) propionyloxyethyl] -2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl- (3,5-ditert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, bis (2,2,6,6- Tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4) Piperidyl) -2-butyl-2- (3,5-ditert-butyl-4-hydroxybenzyl) malonate, N, N′-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylene Diamine, tetra (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) butanetetracarboxylate, tetra (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) butanetetracarboxylate, bis (2 , 2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) .di (tridecyl) butanetetracarboxylate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) .di (tridecyl) butanetetracarboxylate 3,9-bis [1,1-dimethyl-2- {tris (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyloxycarbonyloxy) Tylcarbonyloxy} ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3,9-bis [1,1-dimethyl-2- {tris (1,2,2,6, 6-pentamethyl-4-piperidyloxycarbonyloxy) butylcarbonyloxy} ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 1,5,8,12-tetrakis [4,6- Bis {N- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) butylamino} -1,3,5-triazin-2-yl] -1,5,8,12-tetraazadodecane, 1 -(2-hydroxyethyl) -2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinol / dimethyl succinate condensate, 2-tert-octylamino-4,6-dichloro-s-triazine / N, N ' -Screw (2 2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine condensate, N, N′-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine / dibromoethane condensate, etc. In particular, it has at least 4 piperidine ring structures represented by the following formula (I) of the following [Chemical Formula 2] (same as the above [Chemical Formula 1]) in the molecule, and has a molecular weight of 500 or more. By using a film, a film having more excellent weather resistance can be obtained.
[0016]
[Chemical formula 2]
Figure 0003710215
[0017]
The amount of the hindered amine light stabilizer used is preferably 0.01 to 10 parts by weight, more preferably 0.05 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the thermoplastic resin. If the amount used is less than 0.01, a sufficient effect cannot be obtained, and the effect is not improved by more than 10 parts by weight, and there is a possibility that the physical properties of the film are deteriorated. It is not preferable.
[0018]
As a method of forming a film from the thermoplastic resin, a normal thermoplastic resin processing method is used. For example, calendering, roll processing, extrusion molding, blow molding, inflation molding, melt casting, pressurization Methods such as molding, paste processing, and powder molding can be suitably used.
[0019]
The film thickness of the film is preferably 0.001 to 1 mm, more preferably 0.01 to 0.5 mm.
[0020]
In forming the film, additives used for ordinary thermoplastic resins, such as plasticizers, organic carboxylic acids, metal salts of phenols and organic phosphoric acids, organic tin compounds, epoxy compounds, β- Diketone compounds, polyhydric alcohols, phosphorus-based, phenol-based or sulfur-based antioxidants, ultraviolet absorbers, light stabilizers, hydrotalcite compounds, zeolite compounds, perchlorates, other inorganic metal compounds, crosslinking agents , Filler, Antistatic agent, Plate-out prevention agent, Surface treatment agent, Lubricant, Flame retardant, Fluorescent agent, Antifungal agent, Bactericidal agent, Metal deactivator, Pigment, Processing aid, Antifogging agent, Antifoggant Can be used.
[0021]
The polyurethane resin used in the present invention can be produced by a well-known method. For example, a polyisocyanate, a polyol and a polyol having a carboxyl group or a sulfonic acid group or a polyol having a basic group in the molecule are inert to the reaction and water. By making a urethanation reaction in a solvent having a high affinity with a prepolymer, then neutralizing the prepolymer with a neutralizing agent, extending the chain with a chain extender, and adding water to make an aqueous urethane. Manufactured.
[0022]
Examples of the polyisocyanate used for producing the aqueous urethane include aliphatic, alicyclic, and aromatic polyisocyanates. Specifically, 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-triisocyanate, and the like. Diisocyanate, 4,4-diphenylmethane diisocyanate, phenylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, tetramethylxylylene diisocyanate, tetramethylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate ester, 1,4-cyclohexylene diisocyanate, 4,4'-dicyclohexylmethane Diisocyanate, 3,3′-dimethoxy-4,4′-biphenylene diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, 1,5-tetrahydronaphthalene diiso Aneto, isophorone diisocyanate and the like.
[0023]
The polyisocyanate is preferably 0.8 to 3 times equivalent, more preferably 1 to 2 times equivalent to the total of the polyol, carboxyl group or sulfonic acid group-containing polyol described later, and the active hydrogen of the chain extender. As used. If the amount of isocyanate used is less than 0.8 equivalents, excess polyol or the like will remain, and if it is more than 3 equivalents, a large amount of urea bonds will be formed when water is added. In either case, the characteristics may be deteriorated.
[0024]
Examples of the polyol used for producing the aqueous urethane include, for example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,2-butylene glycol, Low molecular weight polyols such as 1,3-butylene glycol, 1,4-butylene glycol, hexamethylene glycol, hydrogenated bisphenol A, ethylene oxide and / or propylene oxide adducts of bisphenol A, polyethylene glycol, polypropylene glycol, polyethylene / propylene glycol Polyether polyols such as polytetramethylene glycol, low molecular weight polyols and succinic acid, glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid , Terephthalic acid, tetrahydrophthalic acid, endomethylene tetrahydrophthalic acid, polyester polyol which is a condensate of a polybasic acid or carbonate such as hexahydrophthalic acid, polycarbonate polyols and polycaprolactone and the like.
[0025]
Examples of the polyol having a carboxyl group or a sulfonic acid group used for producing the aqueous urethane include 2,2-dimethylolpropionic acid, 2,2-dimethylolbutyric acid, and 2,2-dimethylolvaleric acid. 1,4-butanediol-2-sulfonic acid and the like, and examples of the polyol having a basic group in the molecule include methyldiethanolamine, butyldiethanolamine, triethanolamine, and triisopropanolamine. In particular, when a polyol having a carboxyl group is used, an aqueous urethane excellent in dispersibility is obtained, which is preferable.
[0026]
The amount of the above-mentioned polyol having a carboxyl group or a sulfonic acid group is usually 0.5 to 50% by weight with respect to all the reaction components constituting the aqueous urethane, although it depends on the kind of polyol and polyisocyanate used. %, Preferably 1 to 30% by weight. If the amount used is less than 0.5% by weight, the storage stability is poor, and if it exceeds 50% by weight, the properties may be adversely affected.
[0027]
Examples of solvents that are inert to the reaction used to produce the aqueous urethane and have a high affinity for water include acetone, methyl ethyl ketone, dioxane, tetrahydrofuran, N-methyl-2-pyrrolidone, and the like. Can do. These solvents are usually used in an amount of 10 to 100% by weight based on the total amount of the raw materials used for producing the prepolymer.
[0028]
Examples of the neutralizing agent used to produce the aqueous urethane include organic amines such as trimethylamine, triethylamine, tripropylamine, tributylamine, N-methyldiethanolamine, triethanolamine, sodium hydroxide, water Examples thereof include inorganic bases such as potassium oxide and ammonia, and these are used in an amount sufficient to neutralize carboxyl groups or sulfonic acid groups.
[0029]
Examples of the chain extender used for producing the aqueous urethane include polyols such as ethylene glycol and propylene glycol, ethylenediamine, propylenediamine, hexamethylenediamine, tolylenediamine, xylylenediamine, and diaminodiphenylmethane. And amines such as diaminocyclohexylmethane, piperazine, 2-methylpiperazine, isophoronediamine, melamine, succinic dihydrazide, adipic dihydrazide, phthalic dihydrazide, and water. The amount of these chain extenders is usually 0.5 to 10% by weight based on the prepolymer, although it depends on the molecular weight of the target polyurethane resin.
[0030]
As described above, it is well known to produce aqueous urethane from these raw materials, and the order of charging these raw materials can be changed as appropriate, or can be charged separately.
[0031]
The aqueous urethane thus obtained is usually adjusted so that the resin solid content is 1 to 90% by weight, more preferably 5 to 80% by weight.
[0032]
It is also possible to use commercially available water-based urethane as it is, for example, "Adekabon titer" series manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., "Olestar" series manufactured by Mitsui Toatsu Chemicals Co., Ltd. , "Bondic" series, "Hydran" series manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Ltd., "Imprunil" series manufactured by Bayer, "Sofuranate" series manufactured by Soflan Japan, ""Poise" series, "Samprene" series manufactured by Sanyo Chemical Industries, Ltd., "Izelux" series manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd., "Superflex" series manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. ) “Neolets” series, etc., can be used.
[0033]
The acrylic resin used in the present invention is obtained by emulsifying or dispersing an acrylic unsaturated monomer mixture containing an ester of acrylic acid or methacrylic acid in an aqueous solvent in the presence of an emulsifier, and using a polymerization initiator. It is obtained by polymerization. Here, as the acrylic acid or methacrylic acid ester, methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, sec-butyl, tert-butyl, amyl, hexyl, cyclohexyl, octyl, isooctyl, 2-ethylhexyl, nonyl, decyl , Dodecyl, octadecyl, 2-hydroxyethyl, glycidyl and the like.
[0034]
Also, other unsaturated monomers can be copolymerized with the acrylic ester and / or methacrylic ester. Examples of these other unsaturated monomers include aliphatic unsaturated hydrocarbons such as ethylene, propylene, butene, isobutene, butadiene, vinyl chloride, vinylidene chloride, and halogenated aliphatic unsaturated hydrocarbons, styrene, α -Aromatic unsaturated hydrocarbons such as methylstyrene and vinyltoluene, esters of other unsaturated carboxylic acids such as crotonic acid, itaconic acid, fumaric acid, maleic acid (the above-mentioned acrylic acid and Examples include alcohol components constituting esters of methacrylic acid), vinyl esters such as vinyl benzoate and vinyl acetate, nitrogen-containing vinyl monomers such as acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-methylolmethacrylamide, and acrylonitrile. Is given.
[0035]
The content of the ester of acrylic acid or methacrylic acid can be arbitrarily set, but is usually 30% by weight or more, preferably 50% by weight or more based on the total monomers, and if it is less than 30% by weight, acrylic acid or The effect of using a methacrylic acid ester is difficult to express. In particular, as these acrylic acid or methacrylic acid esters, it is preferable to contain glycidyl methacrylate or glycidyl acrylate in an amount of 0.1 to 50% by weight, more preferably 1 to 30% by weight in the total monomers, By using an unsaturated monomer containing glycidyl methacrylate or glycidyl acrylate, the water resistance, chemical resistance and the like of the film are remarkably improved.
[0036]
In addition, acrylic resins can be obtained by using other unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, itaconic acid, fumaric acid and maleic acid as unsaturated monomer components and using a neutralizing agent. Water-solubility can be imparted to itself, and examples of these neutralizing agents include those used in the aqueous urethane.
[0037]
These unsaturated monomers can be charged all at the beginning of the reaction, or divided or continuously, and a chain transfer agent such as mercaptans can be added as necessary. You can also.
[0038]
Moreover, the said polymerization initiator used in order to manufacture the said acrylic resin does not receive a restriction | limiting in particular, Not only the water-soluble initiator used for normal emulsion polymerization but an oil-soluble initiator can also be used. Examples of these polymerization initiators include potassium persulfate, ammonium persulfate, azobiscyanovaleric acid, azobisisobutyronitrile, tert-butyl hydroperoxide, dicumyl peroxide, benzoyl peroxide, and the like. A so-called redox catalyst comprising a combination of these polymerization initiators, sulfite and sulfoxylate can also be used.
[0039]
The amount of the polymerization initiator used varies depending on the type, concentration, reaction temperature, and the like of the monomer, but is usually 0.01 to 10% by weight, more preferably 0.1 to 10% by weight based on the total monomers. 5% by weight.
[0040]
Further, the polymerization initiator can be added all at once, or can be added dividedly or continuously.
[0041]
Although the reaction temperature at the time of manufacturing the acrylic resin varies depending on the type and amount of the monomer and polymerization initiator to be used, it is usually 0 ° C to 100 ° C.
[0042]
Moreover, as an emulsifier which can be used when manufacturing the said acrylic resin, an anionic surfactant, a nonionic surfactant, a cationic surfactant, an amphoteric surfactant, a polymeric surfactant, or reactivity All surfactants such as surfactants can be used.
[0043]
Examples of the anionic surfactant include alkyl sulfates such as sodium dodecyl sulfate, potassium dodecyl sulfate, ammonium dodecyl sulfate; sodium dodecyl polyglycol ether sulfate; sodium sulforicinone; alkali metal salt of sulfonated paraffin, sulfonated paraffin Alkyl sulfonates such as ammonium salts; fatty acid salts such as sodium laurate, triethanolamine oleate, triethanolamine abiates; alkyl aryl sulfonates such as sodium benzene sulfonate and alkali metal sulfates of alkali phenol hydroxyethylene; Salt; naphthalenesulfonic acid formalin condensate; dialkyl sulfone Haq salt; polyoxyethylene alkyl sulfate salts, polyoxyethylene alkylaryl sulfate salts and the like.
[0044]
Examples of the nonionic surfactant include polyoxyethylene alkyl ether; polyoxyethylene alkyl aryl ether; sorbitan fatty acid ester; polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester; fatty acid monoglyceride; trimethylolpropane fatty acid ester; Propylene copolymers; condensation products of ethylene oxide with fatty acid amines, amides or acids.
[0045]
Examples of the cationic surfactant include primary to tertiary amine salts; pyridinium salts; quaternary ammonium salts.
[0046]
Examples of the polymer surfactant include polyvinyl alcohol; sodium poly (meth) acrylate, potassium poly (meth) acrylate, ammonium poly (meth) acrylate, polyhydroxyethyl (meth) acrylate; polyhydroxy Examples thereof include propyl (meth) acrylate; copolymers of two or more kinds of polymerizable monomers which are these polymer constituent units, and copolymers with other monomers. Moreover, what are called phase transfer catalysts, such as crown ethers, are also useful as those showing surface activity.
[0047]
The reactive surfactant may be used regardless of nonionic, anionic or cationic as long as it has an unsaturated bond capable of copolymerizing with the unsaturated monomer in the molecule. it can.
[0048]
The reactive surfactant is a compound having at least one each of a hydrophobic group, a hydrophilic group and a reactive group in the molecule, and the hydrophobic group comprises an aliphatic or aromatic hydrocarbon group, The hydrophilic group contains a nonionic group typified by a polyoxyalkylene ether group, an anionic group typified by a sulfonate, carboxylate and phosphate, and a cationic group typified by a quaternary ammonium salt. The reactive group contains vinyl ether group, allyl ether group, vinyl phenyl group, allyl phenyl group, ester or amide group of acrylic acid or methacrylic acid, ester or amide group of unsaturated dibasic acid such as maleic acid It is.
[0049]
Examples of the reactive surfactant include, for example, JP-A Nos. 62-22803, 62-104802, 62-104803, 62-221431, 62-221432, 62-225237, 62-244430, 62-286528, 62-289228, 62-289229, 63-12334, 63-54930, 63-77530, 63-77531, 63-77532, 63-84624, 63-84625, 63-126535, 63-126536, 63 JP-A-147530, JP-A-63-139035, JP-A-1-11630, JP-A-1-22338. No. 1-2627, No. 1-2628, No. 1-330632, No. 1-343430, No. 1-33441, No. 1-34342, No. 1-199638 1-99639, 4-50204, 4-53802, 4-55001, and the like.
[0050]
Further, specific examples of the reactive surfactant include, for example, 1- (meth) allyloxy or (meth) acryloyloxy or (meth) allyloxycarbonylmethyl-3-alkoxy (polyoxyalkylenoxy) or alkylphenoxy. (Polyoxyalkylenoxy) or acyloxy (polyoxyalkylenoxy) -2-hydroxypropane or an alkylene oxide adduct thereof, or an alkali oxide or ammonium salt thereof, an alkylene oxide adduct of a bisphenol compound or a glycol compound, or Alkali oxide adducts of these sulfuric acid or phosphate ester alkali or ammonium salts, vinyl or allylphenol compounds, or their sulfuric acid or phosphate ester alkali or ammonia Umushio, monoallyl of sulfosuccinic acid - monoalkyl esters alkali or ammonium salts, mono (3-allyloxy-2-hydroxypropyl) sulfosuccinate - such as monoalkyl esters alkali or ammonium salts.
[0051]
The amount of the emulsifier used is preferably 0.1 to 20% by weight based on the total unsaturated monomers. If the amount used is less than 0.1% by weight, the emulsion stability is insufficient, and if it exceeds 20% by weight, the properties of the film formed from the resulting aqueous resin may be adversely affected. .
[0052]
The aqueous resin composition for forming a coating film used in the present invention contains the above-mentioned polyurethane resin and acrylic resin, but is not particularly limited in its adjustment method, and separately prepared aqueous urethane and acrylic emulsion Either a method of mixing an acrylic unsaturated monomer mixture and a reactive emulsifier with water-based urethane, and a polymerization method can be employed.
[0053]
In the method of mixing separately prepared aqueous urethane and acrylic emulsion, the order of mixing, temperature and other conditions are not particularly limited. For example, the method of adding and mixing aqueous urethane little by little in acrylic emulsion, aqueous urethane Either a method of adding and mixing the acrylic emulsion little by little, or a method of mixing both at the same time, or even after both are cooled and mixed, either one or both are mixed at high temperature or under heating. Also good.
[0054]
In particular, when an acrylic emulsion obtained from an unsaturated monomer mixture containing glycidyl methacrylate or glycidyl acrylate is used, it is mixed with aqueous urethane at 50-100 ° C or in aqueous urethane at 50-100 ° C. By using the aqueous resin composition obtained by polymerizing the acrylic unsaturated monomer mixture, a tendency to improve the properties of the formed film is recognized. The reason why the properties of the film formed by using the aqueous resin composition produced at such a high temperature is improved is not clear, but it is contained in the acrylic resin and the carboxyl group or sulfonic acid group contained in the polyurethane resin. This is presumably because the resulting glycidyl group reacts to produce a partial chemical bond between the two, improving the uniformity of both resins.
[0055]
The aqueous resin composition for forming a coating film contains 1 to 85% by weight of polyurethane resin and 1 to 85% by weight of acrylic resin, and the total resin solid content is 2 to 90% by weight, preferably 5 to 5%. It is adjusted to 80% by weight. When the resin solid content is less than 2% by weight, drying takes a long time. When the resin solid content exceeds 90% by weight, not only is the viscosity high and the handling is inconvenient, but also storage stability is improved. descend.
[0056]
Moreover, the ratio (weight ratio) of the polyurethane resin and the acrylic resin in the aqueous resin composition for forming a coating film is not particularly limited, but is usually 1:10 to 10: 1. When the ratio is out of the above range, the amount of polyurethane resin or acrylic resin becomes too small, and desired characteristics are often not obtained.
[0057]
In addition, according to the purpose, the above-mentioned aqueous resin composition for forming a coating film includes an antistatic agent such as fluorine or siloxane, an inorganic colloidal sol such as colloidal silica or colloidal alumina, an antioxidant, an ultraviolet absorber, and a light stabilizer. Conventional additives such as agents, colorants, waxes, antifogging agents, antiseptics, antifoaming agents, plasticizers, solvents, film-forming aids, dispersants, thickeners, and fragrances can be added.
[0058]
Examples of the method for forming a coating film of the aqueous resin composition on the film include a gravure coating method, a reverse roll coating method, an air knife coating method, a bar coating method, a doctor blade coating method, a curtain roll coating method, and a dip coating. Using a coating method such as a spray coating method, a spray coating method, or a rod coating method, it is applied to one or both sides of a vinyl chloride resin film and dried, and the dry film thickness is preferably 0.1 to 10 μm, more preferably 0. Examples thereof include a method of forming a 2 to 5 μm coating film.
[0059]
Although the use of the thermoplastic resin film of the present invention is not particularly limited, it is particularly suitable for agricultural films such as house, tunnel, mulch (so-called agricultural bi, agricultural poly, agricultural sacbi, agricultural PO, hard film, etc.). Can be used for
[0060]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to production examples and examples, but the present invention is not limited by the following examples. In addition, the part in a manufacture example and an Example represents a weight part unless there is particular notice.
[0061]
Production Example 1 (Production example of aqueous urethane)
49 parts of polypropylene glycol (PPG1000) having an average molecular weight of 1000, 176 parts of dicyclohexylmethane diisocyanate (hydrogenated MDI), 70 parts of dimethylolpropionic acid and 196 parts of N-methylpyrrolidone are placed in a reaction vessel and allowed to react while maintaining at 80 to 100 ° C. Thus, a prepolymer was produced.
[0062]
Next, 48 parts of triethylamine was added for neutralization, 5 parts of hexamethylenediamine was added, and a crosslinking reaction was carried out at 35 ° C. or lower while adding water. A weight percent aqueous urethane (aqueous urethane A) was produced.
[0063]
Production Example 2 (Production example of aqueous urethane)
140 parts of propylene oxide adduct (BPAPO) of bisphenol A having an average molecular weight of 790, 151 parts of xylylene diisocyanate and 120 parts of N-methylpyrrolidone are placed in a reaction vessel, and the NCO content becomes 10.3% by weight at 80 to 85 ° C. To prepare a prepolymer.
[0064]
Next, 14 parts of dimethylolpropionic acid and 25 parts of 1,4-butylene glycol were added, a crosslinking reaction was performed at the same temperature, and the reaction was continued until the absorption of the isocyanate group disappeared in the infrared absorption spectrum, and then 12 parts of triethylamine and The reaction mixture was neutralized by adding 538 parts of water, and further aged for 1 hour to produce an aqueous urethane (aqueous urethane B) having a resin solid content of 34% by weight.
[0065]
Production Example 3 (Production Example of Aqueous Urethane)
100 parts of a polyester polyol (polyester polyol 1) having a molecular weight of 1000 using terephthalic acid and isophthalic acid (weight ratio 1: 1) as the dibasic acid component and ethylene glycol and diethylene glycol (weight ratio 2: 3) as the glycol component, 107 parts of isophorone diisocyanate and 90 parts of methyl ethyl ketone were placed in a reaction vessel and mixed well at 75 ° C., and then 20 parts of dimethylolpropionic acid was added and reacted at 70 ° C. for 12 hours. After neutralizing by adding 60 parts of 5% aqueous ammonia, methyl ethyl ketone was distilled off under reduced pressure, and water was added to produce an aqueous urethane (aqueous urethane C) having a resin solid content of 23% by weight.
[0066]
An aqueous polyurethane resin (aqueous urethanes D to G) was produced by the same operation as in Production Example 1 using the components shown in [Table 1] below.
[0067]
[Table 1]
Figure 0003710215
[0068]
Production Example 4 (Production of acrylic resin)
100 parts of ion-exchanged water and 2 parts of polyoxyethylene nonylphenyl ether sulfate ammonium salt (emulsifier A) were taken, heated to 70 ° C., and 0.6 part of ammonium persulfate was added. A mixed emulsion consisting of 45 parts of methyl methacrylate, 45 parts of n-butyl acrylate, 10 parts of glycidyl methacrylate, 1 part of emulsifier A and 30 parts of ion-exchanged water was added dropwise over 3 hours. The reaction was carried out at temperature for 1 hour. Thereafter, the pH was adjusted to 8-9 with aqueous ammonia to produce an acrylic resin emulsion (acrylic resin emulsion A) having a resin solid content of 44% by weight.
[0069]
Acrylic emulsions (BD) were produced by the same operations as in Production Example 4 using the components shown in [Table 2] below.
[0070]
[Table 2]
Figure 0003710215
[0071]
(Production of water-based resin composition by mixing water-based urethane and acrylic emulsion)
Aqueous resin compositions No. 1 to No. 4 were prepared by mixing aqueous urethane and acrylic emulsion at 30 ° C. for 2 hours according to the formulation shown in Table 3 below. No. 5 and No. 6 were used as they were.
[0072]
Example 1
(Create vinyl chloride resin film)
Films Fa to Fe having a thickness of 0.1 mm were prepared by the 180 ° C. calendar processing method with the following composition.
[0073]
[Composition] Part by weight Vinyl chloride resin (degree of polymerization 1300) 100
Dioctyl phthalate 50
Tricresyl phosphate 5
Bisphenol A type epoxy resin 2
Sorbitan monopalmitate 1.5
Methylenebisstearic acid amide 0.5
DHT-4A * 2 0.5
Zinc stearate 0.5
Stearyl barium phosphate 0.5
Octadecyl-3- (3,5-ditert-butyl-4-0.1
Hydroxyphenyl) propionate test additive (see [Table 3] below) [Table 3]
* 2: Synthetic hydrotalcite manufactured by Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. [0074]
(Creation of laminated film)
Next, the aqueous resin composition obtained in the above synthesis example was applied to one side of the vinyl chloride resin film with a 130 mesh gravure recorder to form a coating film having a thickness of 2 μm.
[0075]
The film obtained here was exposed outdoors (Urawa City, Saitama Prefecture) with the coated surface as the front, and the surface condition of the samples after 6 months, 12 months and 18 months was observed. The evaluation is carried out by visualizing the state of occurrence of coloring, dirt or scratches in 10 stages (weather resistance). 1 indicates a state with little difference before exposure, and the deterioration progresses as the numerical value increases. Represents the state. In addition to this, the light transmittance was measured according to JIS K 7105 for the original film and the film after 12 months.
[0076]
Moreover, the anti-fogging property test was done using the unexposed film. The test method consists of placing a test film on the slanted ceiling of a fog observation frame surrounded by wooden boards on all sides, placing it on a pre-prepared water tank with a water surface of about 40 ° C., and 48 at room temperature of 25 ° C. Leave for hours. Subsequently, the room temperature was lowered to 5 ° C. while keeping the water bath at 40 ° C., and after 1 hour, the occurrence of fogging on the inner surface of the film (surface on the side facing the water tank) was visually confirmed. The evaluation was made in three stages, ×, Δ and ○.
[0077]
The results are shown in [Table 3] below.
[0078]
[Table 3]
Figure 0003710215
[0079]
Example 2
(Create vinyl chloride resin film)
Films Fg and Fh having a thickness of 0.1 mm were prepared by the 180 ° C. calendering method with the following composition.
[0080]
[Coordination] parts by weight of vinyl chloride resin (degree of polymerization 1300) 100
Dioctyl phthalate 50
Tricresyl phosphate 5
Bisphenol A type epoxy resin 2
Sorbitan monopalmitate 1.5
Methylenebisstearic acid amide 0.5
DHT-4A 0.5
Zinc stearate 0.5
Stearyl barium phosphate 0.5
Octadecyl-3- (3,5-ditert-butyl-4-0.1
Hydroxyphenyl) propionate tetra (1,2,2,6,6-pentamethyl-4- Table 4
Piperidyl) butanetetracarboxylate (HALS-5)
[0081]
(Creation of laminated film)
Next, the aqueous resin composition obtained in the above synthesis example was applied to both surfaces of the vinyl chloride resin film by a 130 mesh gravure recorder to form a coating film having a thickness of 2 μm. However, 0.1% by weight of Surflon S-145 (perfluoroalkylethylene oxide adduct made by Asahi Glass Co., Ltd.) as a water-based resin composition applied to one side (this is side-1 and the other side is side-2) ) Was used in advance.
[0082]
The same test as Example 1 was done using the obtained covering sheet. In the weather resistance test, the test was performed with the surface-2 facing the front, and in the anti-fogging test, the test was performed with the surface-1 facing down. The results are shown in [Table 4] below.
[0083]
[Table 4]
Figure 0003710215
[0084]
Example 3
(Creation of polyethylene film)
Films Fa 2 , Fb 2 and Fc 3 having a thickness of 0.1 mm were prepared by the inflation processing method according to the following composition.
[0085]
[Composition] Weight parts low density polyethylene (density 0.923 g / cm 2 , m MFR = 2.0) 100
Tris (2,4-ditert-butylphenyl) phosphite 0.2
Methylenebisamide 0.2
DHT-4A 0.2
Test compound (see [Table 5] below) [Table 5]
[0086]
(Creation of laminated film)
Next, the aqueous resin composition obtained in the above synthesis example was applied to one side of the polyethylene film with a 130 mesh gravure recorder to form a coating film having a thickness of 2 μm.
[0087]
The same test as in Example 1 was performed using the film obtained here. However, the weather resistance test was 6 months, 12 months later, and the light transmittance after degradation was 6 months. The results are shown in [Table 5] below.
[0088]
[Table 5]
Figure 0003710215
[0089]
Example 5
(Creation of polyester film)
Films Fa 3 to Fe 3 having a thickness of 0.1 mm were prepared by the melt extrusion method with the following composition.
[0090]
[Composition] Part by weight Polyethylene terephthalate 100
Tris (2,4-ditert-butylphenyl) phosphite 0.2
Test compound (Table 6 below) Table 6
[0091]
(Creation of laminated film)
Next, the aqueous resin composition obtained in the above synthesis example was applied to one side of the polyester film with a 130 mesh gravure recorder to form a coating film having a thickness of 2 μm.
[0092]
The same test as in Example 1 was performed using the film obtained here. The results are shown in [Table 6] below.
[0093]
[Table 6]
Figure 0003710215
[0094]
As is clear from the examples, the thermoplastic resin film that has not been coated is likely to be soiled and scratched, and the light transmittance is significantly reduced. In order to improve this, when a coating using an aqueous urethane or acrylic emulsion alone is applied, some improvement can be seen, but the effect is still insufficient.
[0095]
In addition, even when a water-based resin composed of an aqueous urethane and an acrylic emulsion is applied, satisfactory performance cannot be obtained when a hindered amine light stabilizer is not used.
[0096]
On the other hand, it contains the hindered amine light stabilizer according to the present invention and is coated with an aqueous resin composition comprising an aqueous urethane and an acrylic emulsion, so that the occurrence of dirt and scratches is reduced and the light transmittance is maintained. be able to.
[0097]
【The invention's effect】
The thermoplastic resin film of the present invention obtained by coating a thermoplastic resin film containing a hindered amine light stabilizer with a water-based resin composition containing a polyurethane resin and an acrylic resin has significantly improved weather resistance and scratch resistance. Particularly suitable for applications such as agricultural films.

Claims (3)

片面または両面に、塗膜形成用水系樹脂組成物により形成された塗膜を有している熱可塑性樹脂フィルムにおいて、該熱可塑性樹脂フィルム中にヒンダードアミン系光安定剤を含有し、かつ、該塗膜形成用水系樹脂組成物が、ポリウレタン樹脂1〜85重量%およびアクリル樹脂1〜85重量%を含有し、かつ、両者を合計した樹脂固形分2〜90重量%を含有する水系樹脂組成物であることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。A thermoplastic resin film having a coating film formed from a water-based resin composition for coating film formation on one side or both sides, the hindered amine light stabilizer being contained in the thermoplastic resin film, and the coating The aqueous resin composition for film formation contains 1 to 85% by weight of a polyurethane resin and 1 to 85% by weight of an acrylic resin, and an aqueous resin composition containing 2 to 90% by weight of the total resin solid content. A thermoplastic resin film characterized by being. 農業用フィルムとして使用することを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。The thermoplastic resin film according to claim 1, wherein the thermoplastic resin film is used as an agricultural film. 上記ヒンダードアミン系光安定剤が、分子中に下記〔化1〕の式(I)で表されるピペリジン環構造を少なくとも4個以上有し、かつ分子量が500以上である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂フィルム。
Figure 0003710215
The said hindered amine light stabilizer has at least 4 or more piperidine ring structures represented by the formula (I) of the following [Chemical Formula 1] in the molecule and has a molecular weight of 500 or more. Thermoplastic resin film.
Figure 0003710215
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