JP3710176B2 - 拡大シールド掘削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は拡大シールド掘削装置に係わり、特に馬蹄形断面などの非円形断面を有する既設のトンネルのライニングを破砕して、新たに大径のトンネルを形成するのに好適な拡大シールド掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、既設トンネルを拡大して大径のトンネルを掘削するには、セグメントやヒューム管から構成されるライニングを破砕してから新たに大径のトンネルを掘削し、次いでこの大径の拡大トンネルの内壁に改めて大径のライニングを施さなければならない。
【0003】
近年は、このライニングの破砕と拡大トンネルの掘削という二つの作業を同時に進行できるような装置が種々開発されており、例えば特開平6−288175号公報に記載されているものは、筒状の本体を回転させつつ地中を進行し、形成されたトンネル壁面をセグメントにて補強するものである。そして、破砕すべき既設の円形のトンネルのライニングをシールド本体内部の中心に位置させて、このライニングを内側と外側から挟持するように設けられたローラカッタによってライニングを破砕するようにしている。さらに破砕された廃棄物はコンベアで後方に移送される。かかる構成を採用することにより、既設トンネルのライニングの破砕と拡大内径を有する新設トンネルの構築とを同時進行させることができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来のものでは、破砕用カッタが既設トンネルの内側と外側とに2組固定されているために、予め設定された内径と外径を有する特定のライニング以外のものに対応させることが困難である。しかも、トンネルの断面形状が馬蹄形などの非円形断面である場合には使用が困難であり、汎用性に乏しいという問題がある。
【0005】
また上記のようにライニングの内外からローラカッタを挟持するために、構造が複雑になりシールドが高価になると共に破砕が確実になされる保証はない。
本発明は、かかる従来の方法及び装置の課題に鑑みてなされたもので、破砕すべきライニングの断面形状や寸法に拘らず広範に適用可能な拡大シールド掘削装置を提供することを第1の課題とする。
【0006】
また前記ライニングの破砕と、拡大したトンネルの確実な掘削とが可能な拡大シールド掘削装置を提供することを第2の課題とする。
そして、構成を簡素化にすることにより、安価な拡大シールド掘削装置を提供することを第3の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る拡大シールド掘削装置は、前記課題を解決するため以下の手段を採用した。
(発明の要旨)すなわち、掘削用カッタ(19)を回転させながら地中を掘進し既設トンネルのライニングを破砕すると共に大径のトンネルを掘削する拡大シールド掘削装置において、既設トンネル(22)の掘進方向に延伸可能で既設トンネル(22)のライニング(17)の端面に対向する掘削用カッタ(19)が配設された正面掘削用カッタ台(6)と、この正面掘削用カッタ台(6)から掘削すべきトンネル坑の内面(32)に向けて延伸可能の外周掘削用カッタ台(7)とを有し、前記正面掘削用カッタ台(6)と外周掘削用カッタ台(7)は共に旋回台(8)に取り付けられ、前記旋回台(8)は駆動手段(11)、(23)、(24)を介して回転可能であり、また前記外周掘削用カッタ台(7)には、トンネル坑の内面(32)に対向する外周掘削カッタ(21)を備え、この外周掘削カッタ(21)は外周掘削方向に直交する方向に連続する凹凸を有するものであり、かつ前記凹凸の少なくとも一ピッチ以上の長さにわたって、外周掘削カッタ(21)により掘削された前記トンネル坑の内面(32)に対し、外周掘削方向に直交する方向(X)に移動可能である。
【0008】
前記外周掘削カッタ(21)はロールカッタとすることができる。
〔正面掘削用カッタ台〕
本発明で、前記正面掘削カッタ台は回転自在であり、多数のカッタを先端に取り付け、ライニングの端面に向けて伸縮自在としたものである。このカッタ台を伸縮するには、例えばジャッキを用いるのが好ましい。ジャッキには油圧ジャッキ、空圧ジャッキ、ネジジャッキ、ラック駆動ジャッキなどの種々のものがあるが、この中では油圧ジャッキが大きな力を得ることができるので好ましい。
【0009】
〔外周掘削用カッタ台〕
本発明で、外周掘削用カッタ台は前記正面掘削カッタ台に固定して、両者が同時に回転可能とすることができる。この外周掘削用カッタ台をトンネルの内周面に向けて伸縮自在とするには、例えばジャッキを用いるのが好ましい。ジャッキには油圧ジャッキ、空圧ジャッキ、ネジジャッキ、ラック駆動ジャッキなどの種々のジャッキが使用可能であるが、この中では油圧ジャッキが大きな力を得ることができるので好ましい。
【0010】
〔カッタ〕
本発明で、カッタは地山の地盤の土質やライニングの材質などにより、最も適した形状や材質のものを選択して使用することができる。そのうち、プレート式、ティース式、ローラビット式等のものを選択することができるが、軟弱地盤にはプレート式とティース式を用い、硬い岩盤には回転ローラ式のものを用いるのが好ましい。また、カッタ形状も種々の形状のものを選択することができる。また、カッタの材質には、高速度鋼、超硬材料、セラミックス、あるいはこれらに窒化硼素、あるいはダイヤモンドをコーティングしたものなど地山の条件により適当な材料を選択することができる。
【0011】
〔外周掘削カッタ〕
これは外周掘削用カッタ台の先端に設けたカッタホルダーにより支持される。これはトンネル坑の外面に対向し、トンネルの掘進方向に沿ってジャッキ等の作動によって、外周掘削方向に直交する方向に連続する所定のピッチの凹凸を有するものであり、かつ前記凹凸のピッチの一ピッチ以上の長さにわたって往復動するように設置される。
【0012】
〔駆動手段〕
旋回台は前記正面掘削用カッタ台と外周掘削用カッタ台とを一緒に駆動するべく、前記各掘削用カッタ台と連関しているものである。そして、本発明で旋回台を駆動する駆動手段は、旋回台に取付けられた内歯車を設け、この内歯車にかみ合う外歯車からなる歯車列を原動機を介して減速回転することが可能である。その他の歯車列としては旋回台に平歯車を一体に設け、この平歯車に原動機の出力軸に取り付けた他の歯車を噛み合わせて旋回駆動させることができる。このうち、内歯車を用いて旋回台を回転すると、必要とするトルクに応じて原動機の数を増減させることが可能になるので好ましい。
【0013】
さらに、原動機には電動機や油圧モータが使用可能であるが、強力な出力が得られる点から油圧モータが適している。その他、旋回台には大きなスラスト荷重がかかるため、歯車列と旋回台との間に旋回台用軸受を組み込んでスラスト荷重を受けさせることが好ましい。
【0014】
〔既設トンネル〕
本発明において、既設トンネルは、その断面形状には特に限定はないが、本発明によれば例えば馬蹄形、矩形、楕円形などの非円形の既設トンネルの拡大掘削に実施すると好適である。このことは以下に述べる発明においても同様である。
【0015】
〔ライニング〕
本発明において、前記ライニングとはトンネルの壁面を補強する覆工部であり、例えばヒューム管あるいは多数の円弧状の部材を組み合わせて構成されるセグメントからなる1次覆工およびトンネルの防水、セグメントの防食などのために行われる2次覆工を含む。これは以下の発明においても同様である。
(発明の作用)
上記装置は、正面掘削用カッタ台6とこの正面掘削用カッタ台6に取付けられた外周掘削用カッタ台7とを同時に回転させる。次いで、カッタブロック20a、20bを既設トンネル22のライニング17の端面18と切羽40に向けて押圧しながらこの部分を掘削する。
【0016】
次いで、外周掘削用カッタ台7a、7bを移動させて外周掘削カッタ21を回転させて掘削すべきトンネル坑の内面32を掘削しトンネル坑を拡大する。この外周掘削カッタ21が掘進して所定の位置に達したら、この外周掘削カッタ21を前記のピッチの少なくとも一ピッチの長さにわたって、外周掘削方向に直交する方向に移動させる。このときトンネル坑の内面32は平坦に掘削される。
【0017】
以後、同様にして正面掘削を行ってから外周掘削を行い既設トンネル坑の拡大を行う。
また掘削すべき土質が比較的軟弱な場合は、正面掘削用カッタ台6とこの正面掘削用カッタ台6に取付けられた外周掘削用カッタ台7とを同時に回転させる。
次いで、カッタブロック20a、20bを既設トンネル22のライニング17の端面18と切羽40に向けて押圧しながらこの部分を掘削すると同時に、外周掘削用カッタ台7a、7bを移動させて外周掘削カッタ21でトンネル坑の内面32掘削しトンネル坑を拡大する。外周掘削カッタ21の先端が所定の位置に達したら、この外周掘削カッタ21を前記のピッチの少なくとも一ピッチの長さにわたって、外周掘削方向に直交する方向に移動させる。以後、シールド本体を所定距離移動させてから、同様にして正面掘削と外周掘削を同時に行い既設トンネル坑の拡大を行う。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
(発明の実施の形態1)
この発明の実施の形態1を図面を参照して説明する。
【0019】
ここでは、既設トンネル22のライニング17の端面18に対向する正面掘削用カッタ台6を既設トンネル22の掘削方向に向けて油圧駆動の前面ブームスラストジャッキ16で延伸させ、この正面掘削用カッタ台6からトンネル坑の内面13に向けて油圧駆動のブームスラストジャッキ30により延伸可能の外周掘削用カッタ台7とを備える。さらに、正面掘削用カッタ台6と外周掘削用カッタ台7を回転駆動する旋回台8はシールド本体1に取付けられた4個の油圧モータ24により駆動される。
【0020】
〔シールド本体の説明〕
シールド本体1は無底の円筒形をなし、その外径が拡大トンネル坑の内径よりも僅かに小さく構成されている。さらに、シールド本体1は、下面に敷設された円弧状のレール台2の上に位置しており、このレール台2に設けられたレール3a、3bに沿って車輪4によって前後進移動可能となっている。シールド本体1の移動は、レール台2との間に設けられた油圧駆動の移動ジャッキ5により行われる。
【0021】
さらに、シールド本体1の前後の周囲に油圧駆動の複数のグリッパジャッキ12が円周上に配置されている。掘削時にこのグリッパジャッキ12を作動させてこれらグリッパジャッキ12の油圧ピストン15を突出させ、その先端面14を拡大トンネルの壁面13に押圧することによりシールド本体1の固定を行う。その他、シールド本体1内には図示しないスクリューコンベアやベルトコンベアを設置して排土作業をする。
【0022】
〔旋回台の説明〕
前記シールド本体1には、さらに旋回台8が内蔵されており、この旋回台8の前面8aには正面掘削用カッタ台6が接続されている。また旋回台8の後面8bには旋回台8の外径よりも小径の軸筒10が配置され、さらにこの軸筒10には内歯車11が取り付けられる。
【0023】
〔旋回台駆動用原動機の説明〕
前記旋回台8を回転駆動する駆動用原動機は、前記内歯車11に噛み合う外歯車23を出力軸に取り付けた油圧モータ24であって、この油圧モータ24の回転が前記内歯車11から旋回台8に伝えられる。このために旋回台8は減速されて回転軸37を中心に回転する。前記油圧モータ24はシールド本体1の内側に伸びる鍔部材25に取り付けられている。なお、本実施の形態では駆動原動機は4個の油圧モータ24から構成されている。
【0024】
前記鍔部材25には前記内歯車11をスラスト方向から回転自在に支持する旋回台用軸受26が取り付けられる。さらに、前記鍔部材25には筒軸10を回転自在に支持するラジアル軸受27を組み込んだハウジング28が設けられている。
【0025】
〔正面掘削用カッタ台の説明〕
正面掘削用カッタ台6には、図3に示すように、それぞれ4本の油圧駆動の前面ブームスラストジャッキ16によって、既設トンネルのライニング17の端面18に向けて延伸可能となっている。また、各前面ブームスラストジャッキ16は、断面が方形の入れ子状のスライド容器29に収容される。このため、各前面ブームスラストジャッキ16の延伸時には、このシリンダロッドの突出にともなって、内側の容器が外側の容器の内面を摺動移動する。また、スライド容器29は相互に平行に配置され、その間には外周掘削用カッタ台7を延伸させるブームスラストジャッキ30を収容する断面が方形のスライド容器31a、31bが固定される。
【0026】
各正面掘削用カッタ台6にはそれぞれ複数の算盤玉形状のカッタ19を配置した複数のカッタブロック20を有し、各ブロックはそれぞれ他のブロックと掘削領域を異ならせて分担掘削するべく相互の位置をずらして配置されている。
【0027】
正面掘削用カッタ台6の両端のカッタブロック20の外周側の算盤玉形状のカッタ19は、約30度程度の角度が付けられている。この角度を付することにより、カッタブロック20のケーシングが地山に接触し切削不良になることを防止している。
【0028】
正面掘削用カッタ台6のそれぞれのカッタブロック20内には、カッタ19が設けられる。前記カッタブロック20は中央部にも設けられ、既設トンネルの拡大以外の新規トンネル掘削も可能な構成となっている。
【0029】
〔外周掘削用カッタ台の説明〕
外周掘削用カッタ台7a、7bは、スライド容器31a,31bに接続するようにV字形に形成した支持アーム37a、37bによって支持される。これらは図4に示すように、相互に円周上180度ずれた位置にあり、前記正面掘削用カッタ台6に対しては90度ずれた位置にある一対構成である。各外周掘削用カッタ台7a、7bは、正面掘削用カッタ台6のスライド容器29に取り付けられ、かつこのスライド容器29の軸線に対して直交して円周方向に伸びる2本のブームスラストジャッキ30a、30bの先端に取り付けられる。
【0030】
さらに、これらのブームスラストジャッキ30a、30bは、正面掘削用カッタ台6と同様に断面方形の入れ子状のスライド容器31a、31bに収容されている。そしてブームスラストジャッキ30a、30bが作動してピストンロッドが突出することによって、掘削すべきトンネル坑の内面32に向けて、図1において矢印aで示す方向に延伸する。これらスライド容器31a、31bの構造、作用は正面掘削用カッタ台6の場合と同様である。また外周掘削用カッタ台7a、
7bには算盤玉形状の外周掘削カッタ21が取り付けられ、そのうちトンネルの掘進方向先端に位置するカッタ21aは、トンネル中心方向に約30度の傾きをもって設けられる。この角度を付することにより、カッタブロック20のケーシングが地山に接触し切削不良になることを防止している。
【0031】
さらにまた、外周掘削用カッタ台7a、7bの先端に設けたカッタホルダー33内に装填したジャッキ35の作動により、外周掘削カッタ21を軸支している枠体34がシールド機本体1の後方、すなわち矢印b方向に移動するようになっている。この移動可能な距離は、ロールカッタである外周掘削カッタ21の外周面の凹凸の一ピッチ分であり、凸部36がその一つ分、すなわち図面において右方向にL1の距離を移動する。この作動によって、外周掘削カッタ21の回転掘削によってトンネル坑の内面32に形成された凹凸が均され、この内面32は平坦となる。
【0032】
〔発明の実施の形態1の作用・効果〕
掘削を開始するに当たり、油圧駆動のグリッパジャッキ12を作動して、発進用立て抗または掘削済みの拡大トンネルの壁面13に押しつけてシールド本体1を固定する。次いで油圧モータ24を駆動して外歯車23を回転する。すると、この外歯車に噛み合っている内歯車が減速して回転すると共に、軸筒10を介して正面掘削用カッタ台6とこの正面掘削用カッタ台6に取付けられた外周掘削用カッタ台7とを同時に回転させる。
【0033】
次いで、油圧駆動の前面ブームスラストジャッキ16a、16bを駆動してカッタブロック20を、既設トンネル22のライニング17の端面18と切羽40に向けて押圧しながら、この部分を図1に実線で示すような状態に掘削する。このとき、カッタブロック20は、図1に想像線で示す位置まで突き出されるが、再度、前面ブームスラストジャッキ16を駆動して、図示の状態までカッタブロック20を戻す。
【0034】
正面掘削の際には、各正面掘削用カッタ台6に設けた4個のカッタブロック20に組み込まれたカッタ19は、それぞれの掘削領域を掘削する。掘削の際には隣接するカッタブロック20の掘削領域は相互に少しずつラップさせる。図1に示す状態は正面掘削が終了した段階を示す。なお、カッタブロック20は装置正面の全体にわたって配置され、既設トンネルの有無にかかわらずトンネルの掘進が可能である。
【0035】
次いで、移動ジャッキ5を作動してそのピストンを突出させると、レール台2上をレール3a、3bに沿って車輪4が回転し、シールド本体1は図1において左側に移動させる。その状態からブームスラストジャッキ30a、30bを駆動してスライド容器31a、31bを延伸させながら、油圧モータ24を駆動して外周掘削用カッタ台7a、7bを回転させてトンネル坑の内面32を掘削しトンネル坑を拡大する。このとき外周掘削用カッタ台7a、7bは、先ず、図5に示すように、掘削開始時は矢印a方向に伸張して外周掘削カッタ21によりトンネル坑の内面32を掘削し、所定の位置まで掘削したら今度は矢印b方向にL1の距離を移動して掘削面を平坦にする。このような掘削が終了したら外周掘削用カッタ台7a、7bは矢印c方向に戻り、さらに矢印d方向に移動して原位置に復帰する。
【0036】
以後、同様にして正面掘削を行ってから外周掘削を行い、トンネル坑の拡大を行う。
この発明によれば、既設トンネルのライニング側から掘削するので、破砕すべきライニングの断面形状や寸法に拘らず広範に拡大掘削が可能になる。さらに、シールド掘削装置も、正面掘削用カッタ台と外周掘削用カッタ台とを同時に回転可能とし、しかもそれぞれが相互に独立に延伸可能であるから、前記ライニングの破砕と拡大トンネルの掘削が同時掘削の場合に比して弱い力でも強固な岩盤を確実に拡大掘削ができる。なお、正面掘削用カッタ台6及び外周掘削用カッタ台7に散水ノズルを取付け、地山に散水しながら掘削すると防塵効果がある。
【0037】
そして、本シールド本体は簡単な構成であるから、既設トンネルの拡大工事を安価に行うことができ、工事費の低廉化に寄与することが大である。
さらに、トンネル坑の内面32に対して外周掘削カッタ21が一方向から接触して掘削し、そのまま後退すると掘削面には外周掘削カッタ21の外周にある凹凸に対応した凹凸が形成される。これはトンネル覆工をしない場合にはトンネル完成後もそのまま残る。しかしこのトンネルを水路として使用するときは、これが水の流れに対して大きな抵抗となりスムースな流れを阻害するといった問題がある。本発明の装置によれば、外周掘削カッタ21が外周掘削方向に直交する方向に移動して掘削するので、掘削面が均されて平坦となり、かかる問題を生じない。
(発明の実施の形態2)
掘削すべき地山が軟弱である場合には、既設トンネルの拡大掘削にあたり発明の実施の形態1で用いた拡大シールド掘削装置を用いて、前面ブームスラストジャッキ16と、ブームスラストジャッキ30を同時に駆動して、正面掘削用カッタ台6と外周掘削用カッタ台7を延伸させることにより既設トンネ22のライニング17と切羽端面18、及び正面掘削用カッタ台6でトンネル坑の拡大掘削を行う。
【0038】
このために、構造が簡単で軽量なシールド本体1によって、既設のトンネル22から断面が円形の拡大トンネルを迅速かつ能率的に形成することができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明のシールド掘削装置によれば、
1)シールド掘削装置の構造が従来の装置に比してきわめて簡単であり、安価となる。
【0040】
2)上記のように構造簡単であるから、装置自体が軽量であり比較的小さな駆動力で工事を行うことができて、工事費の低廉化に寄与するところが大である。
【0041】
3)正面掘削用カッタ台と外周掘削用カッタ台を同時に作動させたり、あるいは最初に正面掘削用カッタ台を駆動し、その後で外周掘削用カッタ台を駆動させるなど、地山の地盤の硬さなどの状況に応じて、前記のカッタ台の作動を時間的に前後させることができる。さらに掘削すべき既設トンネルの端面側からの掘削可能なので、既設トンネルの断面形状の如何に拘らず拡大工事ができ、種々の条件に合致した汎用性のある装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡大掘削装置の内部構造を部分切断して示す側面図である。
【図2】本発明の拡大掘削装置の正面図である。
【図3】本発明の拡大掘削装置の内部構造を部分切断して示す平面図である。
【図4】(a)外周掘削カッタの側面図である。
(b)外周駆動カッタの正面図である。
【符号の説明】
1 シールド本体
6 正面掘削用カッタ台
7a、b 外周掘削用カッタ台
8 旋回台
11 内歯車(駆動手段)
17 既設トンネルのライニング
18 既設トンネルのライニングの端面
19 掘削用カッタ
21 外周掘削カッタ
22 既設トンネル
23 外歯車(駆動手段)
24 油圧モータ(駆動手段)
32 トンネル坑の内面
Claims (2)
- 掘削用カッタ(19)を回転させながら地中を掘進し既設トンネルのライニングを破砕すると共に大径のトンネルを掘削する拡大シールド掘削装置において、既設トンネル(22)の掘進方向に延伸可能で既設トンネル(22)のライニング(17)の端面に対向する掘削用カッタ(19)が配設された正面掘削用カッタ台(6)と、この正面掘削用カッタ台(6)から掘削すべきトンネル坑の内面(32)に向けて延伸可能の外周掘削用カッタ台(7)とを有し、前記正面掘削用カッタ台(6)と外周掘削用カッタ台(7)は共に旋回台(8)に取り付けられ、前記旋回台(8)は駆動手段(11)、(23)、(24)を介して回転可能であり、また前記外周掘削用カッタ台(7)には、トンネル坑の内面(32)に対向する外周掘削カッタ(21)を備え、この外周掘削カッタ(21)は外周掘削方向に直交する方向に連続する凹凸を有するものであり、かつ前記凹凸の少なくとも一ピッチ以上の長さにわたって、外周掘削カッタ(21)により掘削された前記トンネル坑の内面(32)に対し、外周掘削方向に直交する方向(X)に移動可能であることを特徴とする拡大シールド掘削装置。
- 前記外周掘削カッタ(21)はロールカッタである請求項1記載の拡大シールド掘削装置。
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