JP3709950B2 - 球体表面検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼球等の被検査球体の表面性状を光学的に検査する球体表面検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の球体表面検査装置としては、図17に示すように、1組の投光素子51と受光素子52とを等角度毎に半円周状に複数個配設してなる半円周アレイ53を被検査球体である鋼球54の周方向に設けると共に、支軸55を中心にして前記鋼球54を矢印Y方向に回転させ、受光素子52から出力される電気信号レベルに基づいて鋼球54の表面性状を判定するようにしたものが知られている(以下、「第1の従来例」という)。
【0003】
上記第1の従来例においては、図18に示すように、投光素子51から出射された光が鋼球54の表面で反射され、この反射された光は、投光素子51に対して一定角度αを成して配設されている受光素子52に受光される。受光素子52は、その受光した光をフォトダイオード等の光電変換素子(図示せず)により電気信号に変換し、増幅器及びゲイン調整回路等(図示せず)を経て出力する。受光素子52から出力された信号のレベルは所定基準値と比較され、その比較結果に基づき鋼球54の表面性状が判断される、すなわち、鋼球54に傷等の欠陥が無いか否かが検査される。
【0004】
また、球面表面検査装置の他の従来例としては、図19に示すように、矢印Z方向に回転している鋼球54の表面に照明光56(照明器等から射出される)を入射させると共に、該鋼球54の表面から反射した反射光を凸レンズ57を使用して集光させ、その像をCCD(電荷結合素子)等の光電変換素子58に結像させたものが知られている(例えば、特開昭56−58643号公報、特開昭56−58644号公報;以下、「第2の従来例」という)。
【0005】
上記第2の従来例においては、光電変換素子58により光量を電気信号に変換し、該電気信号のレベルに基づいて球面の表面性状を判断する、すなわち、光電変換素子58からの出力信号のレベルに基づき鋼球54の欠陥の有無を検査する。また、上記第2の従来例では、鋼球54に対し所定角度のスキュー回転を行うことにより、受光領域の小さな光電変換素子58でも鋼球54の全表面について表面性状を検査することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来例においては、鋼球54の直径寸法(以下、「鋼球サイズ」という)に対して相対的に略同一感度でもって鋼球54の表面性状を検査する必要があるため、鋼球サイズが変わる毎に鋼球54の欠陥検出に対する感度調整を行わなければならないという問題点があった。すなわち、鋼球の欠陥に対してその許容可能な大きさは鋼球サイズに応じて異なり、鋼球サイズの小さな鋼球54に対しては傷等の許容欠陥サイズを小さく設定する必要がある一方、鋼球サイズの大きな鋼球54に対してはその許容欠陥サイズは鋼球サイズに応じて大きく設定してもよい。
【0007】
そこで、従来においては歩留りの低下等を防止するため、鋼球サイズに応じた許容欠陥サイズを設定すべく鋼球サイズに応じた感度調整を行っていた。したがって、上記第1の従来例においては、光電変換素子の受光量を電気信号に変換する感度のバラツキの平衡化調整やその点検を鋼球サイズ毎に行う必要があり、装置のセッティングに非常に手間が掛るという問題点があった。
【0008】
また、表面性状における欠陥の検出分解能を高めるためには、個々の受光素子52の視野が狭くなるように該受光素子52をできるだけ鋼球54の表面に近付ける必要があるため、上記第1の従来例において鋼球サイズに適合した複数の円周アレイ53を予め用意しておく必要があるという問題点があった。すなわち、円周アレイ53を鋼球54の表面にできるだけ近付けて該鋼球54の表面性状を高精度に検査するためには、鋼球サイズに応じてピッチ円直径の異なる複数種の円周アレイ53を製作し、該鋼球サイズに応じた所望の円周アレイ53を選択して装置のセッティング等を行わなければならず、測定準備に手間と時間が掛るという問題点があった。
【0009】
これに対し、第2の従来例においては、撮像光学系によって検査すべき鋼球の面間距離(鋼球54とレンズ57との第1の面間距離a及び凸レンズ57と光電変換素子58との第2の面間距離b)及び像の倍率(b/a)が決定されるので、鋼球サイズの異なる鋼球54に対し第1の面間距離a及び第2の面間距離bとの相対距離が常に同一となるように調整することは比較的容易ではあるが、鋼球54の表面を一様に照明して均一な明るさの像を得ることは困難である。すなわち、鋼球54の表面に照明光が照射されても照明光の中心部とその周縁部とでは鋼球54の表面に入射した後に該表面から反射する角度が大きく異なるため、周縁部の反射光がレンズ57に入光し難くなり均一な明るさの像を得ることはできない。このため、図18の二点鎖線bに示すように、照明光の光路上に拡散ガラス59を設けて多方向から鋼球54の表面を照射し、その反射光をあらゆる方向に散乱させて光電変換素子58に結像させることが考えられる。
【0010】
しかしながら、上記拡散ガラス59を設けた場合は照明光が鋼球表面の広い範囲に亙って拡散されるため、凸レンズ57の集光性が悪く、実質上広い範囲での鋼球表面を検査することは困難であるという問題点があった。
【0011】
また、表面性状における欠陥の検出分解能を鋼球サイズに対応して変えることは、鋼球サイズに応じた凸レンズ57を使用して光学系の倍率を変えることにより可能であるが、鋼球をスキュー回転させるためには、例えば、特公昭42−17608号公報に開示されているように、鋼球サイズやスキューの大きさに応じて製造された制御ローラを使用するか、或いは上記特開昭56−58643号公報に開示されているようなスキュー機構を設けなければならず、したがって鋼球サイズの変更に応じて一々部品の交換をしなければならず、上記第1の従来例と同様、装置のセッティング等に時間と手間が掛るという問題点があった。更に、これら部品と鋼球54との接触により部品の磨耗や破損が生じてスキュー回転の不整を招来する虞があるため、鋼球54の全表面積の検査結果に対して充分な保証をするためには人為的な注意深い管理が必要となる。さらに、例えば、直径1mm程度の小径の鋼球54をスキュー回転させることができる制御ローラやスキュー機構は、実際的には生産技術上製造することが極めて困難である。すなわち、上記第2の従来例においては、回転制御機構の交換や保守、更には製造面の点で上述のような様々な問題点があった。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、被検査球体である鋼球の鋼球サイズに応じて光学系を変更することなく、被検査球体における全表面の性状を簡易且つ高精度に検査することができる球体表面検査装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1記載の発明は、被検査球体の表面性状を光学的に検査する球体表面検査装置において、前記被検査球体を所定位置に保持しながら該被検査球体の中心を通る所定軸線の周りに回転させる被検査球体駆動手段と、前記被検査球体の中心を通り、前記所定軸線と直交する直線上に射出点が配置されかつ制限された立体角の範囲内で前方に光を射出する光源と、前記光源の射出点と前記被検査球体の中心とを結ぶ直線を中心とする180度以上に亘る円弧状の断面形状の内周面を有する反射手段を含み、前記光源から発せられて前記反射手段で反射された180度以上の帯状領域に亘る光を前記被検査球体の中心に向けて照射する光照射手段と、前記被検査球体の表面における検査領域部分で反射されて再度前記反射手段で反射された反射光を所定光路に沿って導き、該導いた反射光の光量を検出する光量検出手段と、前記検出された反射光の光量に基づき前記被検査球体の表面における検査領域部分の性状を判定する表面性状判定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の球体表面検査装置では、被検査球体を所定位置に保持しながら該被検査球体の中心を通る所定軸線の周りに回転させ、光源から発せられて反射手段で反射された180度以上の帯状領域に亘る光を被検査球体の中心に向けて照射し、被検査球体の表面における検査領域部分で反射されて再度反射手段で反射された反射光を所定光路に沿って導き、該導いた反射光の光量を検出し、検出された反射光の光量に基づき被検査球体の表面における検査領域部分の性状を判定するので、被検査球体への入射光の立体角は一定となり、被検査球体の鋼球サイズの変化に応じて部品交換等により光学系を変更して被検査球体への入射光の立体角を調整する必要がなくなり、測定準備に手間が掛からなくなるとともに、入射光の光軸を安定に保持した状態で被検査球体の検査を行うことができる。
【0015】
また、被検査球体を所定位置に保持しながら所定軸の周りに回転させることによって被検査球体の全表面を光が走査するので、被検査球体をスキュー回転させる必要がなくなり、したがって従来のような制御ローラを使用する必要もなく、また回転数の不整が生じる虞のあるスキュー機構を使用する必要もなくなりかつ被検査球体を1回転で検査可能になり、小径の球体の検査を高速にかつ精度良く行うことができ、運転、保守共容易で安価な球体表面検査装置を得ることができる。
また、請求項2記載の球体表面検査装置では、さらに、光量検出手段が、検出する反射光を帯状領域の幅方向に対応する方向に関して規制を行うようにすることにより、傷等による明るさの低下の影響を相対的に上げることができ、検査精度をさらに向上させることができる。
また、請求項3記載の球体表面検査装置では、さらに、光源がレーザダイオードとし、レーザダイオードの光軸が、光の射出点と被検査球体の中心とを結ぶ直線に対して傾きを持たせ、光量検出手段により検出される光の照度むらを低減してなることにより、照度むらに起因する誤判定をより確実になくすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の第1形態)
図1は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第1形態を模式的に示す全体構成図、図2は図1の球体表面検査装置の表面性状判定手段における入出力信号を示すタイミングチャート、図3は図1の球体表面検査装置の反射手段を形成する楕円鏡の内面所定領域を説明するための斜視図、図4は図1の球体表面検査装置における球体検査部の詳細構成図、図8は図1の球体表面検査装置におけるスリットと光検出素子の配置関係を示す図である。
【0018】
球体表面検査装置は、図1に示すように、例えば780nmの単波長を有するレーザ光を発するレーザダイオード(光の射出点の大きさが数μm程度の点光源)1と、レーザダイオード1に駆動信号を発する光源駆動手段2とを備える。レーザダイオード1は、その光の射出点が第1の焦点Aと第2の焦点Bとを有する楕円10の第1の焦点A上に位置するようにかつ出射光束の光軸(中心軸)が楕円10の長軸11に一致するように配置されている。
【0019】
レーザダイオード1からビームスプリッタ4を介して射出された出射光束は、反射手段7によって所定位置にある鋼球の被検査球体6上に導かれ、被検査球体6からの反射光束は反射手段7によってビームスプリッタ4及びスリット5を介して光検出素子3に導かれる。
【0020】
反射手段7は、具体的には、第1の焦点Aと第2の焦点Bとを有する楕円10の長軸11を回転して得られる曲面の一部、すなわち内面所定領域12を鏡面とする楕円面鏡からなる。この内面所定領域12は、具体的には図3に示すように、最終的に後述のスリット5を透過して光検出素子3に到達する光に対応する幅領域lより大きな幅領域Lを有する。すなわち、内面所定領域12は、反射手段7から反射した放射光束が被検査球体6の上面側表面を走査するように図中の角度θが少なくとも180°、好ましくは200°を有する鏡面領域に形成されている。
【0021】
ビームスプリッタ4は、レーザダイオード1から射出された出射光束を透過させると共に、反射手段7から逆進する反射光束を反射させてスリット5を介して光検出素子3に供給するハーフミラーからなる。スリット5は半円環状の窓部を有し、光検出素子3の前方に配設されている。ビームスプリッタ4とスリット5との間には、所定の波長を有する反射光束を選択的に透過するフィルター15が挿入されている。
【0022】
ここで、楕円面鏡の形状、大きさを決める方法について詳述する。
【0023】
一般によく知られているように、通常のレーザダイオード1においてその射出光束の中心軸に垂直な断面上での光の強度分布は、光束の中心で光強度が最大になり、該中心から周辺に向けて離れるに従い光強度が弱くなる二次のガウス分布に従うような分布となり、また、光軸に垂直な面において光強度が等しい点の分布は楕円曲線に沿った分布となる。従って、特定の光強度に対応する楕円の長軸が水平方向になるようにレーザダイオード1を配置した場合には、焦点Aから上記内面所定領域12を見込む角度より前記光強度の楕円の短軸方向の広がり角θv(図1(b)に示す)の方が大きくなるように構成する。また、この構成の場合は、前記光強度の楕円の長軸方向の広がり角θh(図1(a)に示す)が上記見込み角度より十分に大きくなり、上記内面所定領域12は射出光束の領域中に包含される。換言すれば、焦点Bを含み、楕円10の長軸11に垂直な面と所定内面領域12との交線である円弧の半径をrとし、焦点A,B間の距離をFとして、次の(1)式が成り立つように楕円10を選定する。
【0024】
r/F<tanθv …(1)
また、楕円を次の(2)式で表すとすると、上記半径rおよび距離Fは次の(3),(4)式で表される。
【0025】
【数1】
ここでKはパラメータであり、K=b/aで表される。
【0026】
よって、上記(1),(3),(4)式より次の(5)式の関係が得られ、この(5)式に短軸方向の広がり角θvを与えることによって求められたパラメータKを満足するように楕円10を選定することも可能である。
【0027】
【数2】
実用上は、まず、上記の光の強度分布に対しどの程度までの強度低下を許容するかを決定し、この許容の程度に応じて短軸方向の広がり角θvを決定する。次いで、この決定した広がり角θvに基づき各寸法を定める。例えば、本実施の形態の場合では、光束中心における強度(最大強度)に対しその60%の強度まで許容可能であることが確認され、これに対応する広がり角θvが9°となったので、上記パラメータKの値は0.52より小さい値になる。ここで、K=0.5とし、要求される半径rを100mmとすると、上記の式により、b=r/K=200mm、a=b/K=400mmとなる。なお、上記の例では、前記光強度の楕円の長軸が水平方向となるようにレーザダイオード1を配置した場合について説明したが、レーザダイオード1はその軸A−Bの周りに任意の角度で設置することが可能である。
【0028】
光検出素子3は上述した光路を経て得られる光量を検出し、検出した光量を光電変換によって対応するレベルの電気信号に変換するフォトダイオード等からなる。具体的には、図8に示すように、ビームスプリッタ4からの反射光束の内、スリット5の半円環状の窓部を通過した光(図中、斜線部で示す)のみが光検出素子3に入光して光検出素子3で光電変換される。光検出素子3からは検出した光量を示すPD信号S12が出力される。
【0029】
光検出素子3から出力されたPD信号S12は表面性状判定手段8に与えられ、表面性状判定手段8は、光検出素子3のPD信号S12のレベルに基づき被検査球体6の表面性状を判定する。この表面性状判定手段8は、具体的には、PD信号S12のレベルと基準信号Tのレベルとを比較し、その比較結果を示す欠陥検出信号S14を出力する比較器82を有し、この比較器82からの欠陥検出信号S14は判定回路83に与えられる。判定回路83は欠陥検出信号S14に基づき被検査球体6の表面に傷などの欠陥があるか否かを判定し、その判定結果を示す判定信号S15を制御装置(図示せず)に出力する。判定回路83の判定処理動作はタイミング発生回路81から出力されるリセットパルスS13によって制御され、タイミング発生回路81は制御装置から供給される指令信号S11に基づきリセットパルスS13を生成し、出力する。
【0030】
この表面性状判定手段8においては、図2に示すように、まず、制御装置から判定開始を指示する“H”レベルの指令信号S11がタイミング発生回路81に供給される。タイミング発生回路81は、“H”レベルの指示信号S11を受けると、判定回路83に保持されている判定信号S15をクリアするためのリセットパルスS13を出力する。
【0031】
判定回路83はリセットパルスS13に基づき判定信号S15を“L”レベルにクリアし、比較器82からの欠陥検出信号S14を監視する。
【0032】
一方、比較器82では、光検出素子3のPD信号S12のレベルと基準信号Tのレベルとを比較し、その比較結果を示す欠陥検出信号S14を判定回路83に出力する。例えば、図中のK時点において、被検査球体6の表面に欠陥があると、光検出素子3のPD信号S12のレベルが基準信号Tのレベルより小さくなり、そのことを示す欠陥検出信号S14が出力される。この欠陥検出信号S14によって、判定回路83からは、レベルを“H”に保持した判定信号S15が出力され、この判定信号S15のレベルは次のリセットパルスS13が入力されるまで保持される。
【0033】
被検査球体6の上記所定位置への供給は、図1に示すように、球体検査部9によって行われる。球体検査部9は、被検査球体6の球心が楕円10の第2の焦点B上となるように被検査球体6を所定位置に供給して被検査球体6を回転させると共に被検査球体6の表面性状に応じて被検査球体6を選別処理する。
【0034】
具体的には、球体検査部9は、図4に示すように、矢印D方向に可動して被検査球体6を適宜衝止するストッパ23と、被検査球体6を駆動ローラ24(矢印F方向に回転する)に案内するガイド部材25と、被検査球体6を駆動ローラ24に保持して該被検査球体6を自転させる球体駆動手段26と、表面性状判定手段8の判定信号S15が示す判定結果に基づきヒンジ27を矢印E方向に回動させて良品と不良品とを選別する選別手段28とを有する。すなわち、球体検査部9においては、ストッパ23の上方への可動により被検査球体6はガイド部材25を経て駆動ローラ24上に搬送され、球体駆動手段26により被検査球体6が自転してその全表面の表面性状が表面性状判定手段8により判定される。そして、表面性状判定手段8の判定結果に基づきヒンジ27は矢印E方向に適宜可動し、検査が終了した球体は良品収納部29或いは不良品収納部30のいずれか一方に収納される。
【0035】
次に、上述の球体駆動手段26の詳細構成について図5ないし図7を参照しながら説明する。図5は球体駆動手段の詳細を示す正面図、図6は球体駆動手段の詳細を示す平面図、図7は球体駆動手段の斜視図である。
【0036】
球体駆動手段26は、図5ないし図7に示すように、被検査球体6を遊嵌保持するV溝31が形成され且つ不図示の駆動モータを介して矢印F方向に回転する上述の駆動ローラ24と、両端が左右一対の軸受部32a、32bにより回転可能に軸支された丸棒形状の支持ローラ33と、軸受部32a、32bを収納するアーム部34と、アーム部34の基端側に設けられたピボット35とを有する。球体駆動手段26においては、被検査球体6の検査時、駆動ローラ24が矢印F方向に回転すると被検査球体6が駆動ローラ24との摩擦力により矢印G方向に回転し、支持ローラ33は矢印H方向に回転しながら被検査球体6を支持する。これにより、被検査球体6がその球心を第2の焦点B上に位置しながら自転するので、反射手段7からの全ての光が検査球体6に対して垂直に入射して被検査球体6の全表面積を走査し、被検査球体6の表面性状が検査される。そして、被検査球体6における表面性状の検査が終了するとピボット35は矢印K方向に揺動し、被検査球体6は駆動ローラ24から離脱して選択手段28に送られる。尚、駆動ローラ24は、被検査球体6の球心が保持されるべき位置(第2の焦点B)と駆動ローラ24の回転中心を結ぶ直線上(矢印L方向)を移動可能とされ、鋼球サイズの異なる種々の被検査球体6に対して表面性状の検査が可能とされている。また、球体駆動手段26においては、ピボット35により被検査球体6の駆動ローラ24への保持・離脱をサポートしているが、ピボット35に代えて、移動ステージやその他の手法により被検査球体6の駆動ローラ24への保持・離脱をサポートしてもよいのはいうまでもない。
【0037】
このように構成された球体表面検査装置においては、図1に示すように、光源駆動手段2により発光量が制御されたレーザダイオード1から射出された出射光束は、ビームスプリッタ4を透過して反射手段7に向かい、さらに反射手段7で反射されて第2の焦点B上に保持された被検査球体6の表面における少なくとも自転軸との各交点を含む検査領域部分(略半円周にわたる帯状領域)に対し、すべての光が同時に被検査球体6の中心に向けて垂直に入射する。
【0038】
このようにすべての光が同時に被検査球体6の中心に向けて入射するようになされているため、被検査球体6からの反射光から以下に述べる良品、不良品の選別を行うのに信頼性が高まる。しかも、入射光は、点光源と楕円鏡との組合せとし、可動部により走査をさせる等の手段を用いないため、より安定した入射光となる。
【0039】
このようにして被検査球体6に垂直に入射した光束は、被検査球体6で反射され、表面にキズや汚れ等がない部分については入光経路を逆進し、再び反射手段7を経てビームスプリッタ4に戻り、その戻ってきた反射光束はビームスプリッタ4により直角方向に曲げられる。ビームスプリッタ4で直角方向に曲げられた反射光束はスリット5で選別され、スリット5の窓部を通過した光のみが光検出素子3に入光する。光検出素子3は受光した光を光電変換によりPD信号S12に変換し、そのPD信号S12を表面性状判定手段8に出力する。表面性状判定手段8では、PD信号S12に基づき被検査球体6の欠陥の有無を判定し、その判定結果を示す判定信号S15に基づき球体検査部9の選別手段28によって被検査球体6の良品・不良品の選別が行われる。
【0040】
すなわち、図8に示すように、ビームスプリッタ4からの反射光束の内、スリット5の半円環状の窓部を通過した光(図中、斜線部で示す)のみが光検出素子3に入光して該光検出素子3で光電変換される。被検査球体6の表面にキズや汚れ等の欠陥が存在する場合には、それらの部分からの反射光は散乱されてしまい、スリット5の窓部の面上にはこれら欠陥に対応する明暗パターンが形成されるため、スリット5を通過する光量は変化する。これらの光量の変化は光検出素子3によって検出され、その検出結果に基づき表面性状判定手段8により被検査球体6の表面性状の異常が判定される。
【0041】
また、被検査球体6の鋼球サイズが変わる場合は、該鋼球サイズの大きさに応じて検出すべき欠陥の大きさの下限も比例して変更するのが望ましいが、本実施の形態では、被検査球体6をその球心が楕円10の第2の焦点Bに一致するように保持するので、入射光束が被検査球体6の球心に向けて集光し、被検査球体6の鋼球サイズにかかわらず常に立体角が一定となり、種々の鋼球サイズを有する被検査球体6に対して部品交換等の煩わしさを極力回避することができるとともに、入射光束の光軸を安定に保持した状態で被検査球体6の検査を行うことができる。
【0042】
さらに、被検査球体6を楕円10の第2の焦点Bに保持しながら所定軸の周りに回転させることによって被検査球体6の全表面を光が走査するので、被検査球体6をスキュー回転させる必要がなくなり、したがって従来のような制御ローラを使用する必要もなく、また回転数の不整が生じる虞のあるスキュー機構を使用する必要もなくなり、小径の球体の検査を精度良く行うことができる。
【0043】
さらに、ビームスプリッタ4からの反射光束の内、スリット5の半円環状の窓部を通過した光のみが光検出素子3に入光することにより、光検出素子3に入光する光はスリット5の窓部の半径方向幅に規制された光となるので、傷等による明るさの低下の影響を相対的に上げることができ、換言すれば傷等の検出感度を上げることができ、検査精度をさらに向上させることができる。なお、光検出素子3を数個組み合わせることにより、多少感度が上げられる。
【0044】
(実施の第2形態)
次に、本発明の実施の第2形態について図9ないし図11を参照しながら説明する。図9は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第2形態を模式的に示した全体構成図、図10は図9の球体表面検査装置の表面性状判定手段における入出力信号を示すタイミングチャート、図11は図10の各主要信号におけるそれぞれのレベル変化を示す信号波形図である。
【0045】
本実施の形態は、上述の実施の第1形態におけるスリット5と光検出素子3とを円形フォトダイオードアレイ素子(circular photodiode array ;以下、CPAという)に置き換えたものであり、本実施の形態では、上述の実施の第1形態と異なる構成部分について説明し、同じ構成部分についての説明は省略する。
【0046】
本実施の形態は、図9(a)に示すように、ビームスプリッタ4で直角方向に曲げられた被検査球体6からの反射光量を検出するCPA30を備える。CPA30は、図9(b)に示すように、基板の一方の面に同一円周上に等角度間隔で配列されている複数のフォトダイオード30aを有する。各フォトダイオード30aが規定する受光領域は円環状の領域からなり、その領域の半径方向は各フォトダイオード30aの受光幅によって規定される。よって、各フォトダイオード30aが規定する受光領域の半径方向幅は上述の実施の第1形態のスリット5の窓部の半径方向幅に相当することになる。すなわち、半径方向幅の規制による検査精度の向上に加え、各フォトダイオード30aが各位置における光量を検出するため、上述の実施の第1形態よりさらに検査精度を向上させることができる。
【0047】
各フォトダイオード30aは、受光した光量を検出し、その検出した光量を光電変換によって対応するレベルのCPA信号S22に変換し、各フォトダイオード30aからのCPA信号S22は時系列的に順次出力される。各フォトダイオード30aが規定する受光領域は円環状の領域からなるので、CPA信号S22は、実施の第1形態のスリット5の窓部の領域に相当するほぼ半円環状の領域(所定の角度範囲)に位置するフォトダイオード30aから出力された有効な信号と、他の領域部分に位置するフォトダイオード30aのそれぞれから出力された無効な信号すなわち雑音信号とからなる。
【0048】
CPA30から出力されたCPA信号S22は表面性状判定手段80に与えられ、表面性状判定手段80は、CPA信号S22のレベルに基づき被検査球体6の表面性状を判定する。この表面性状判定手段80は、具体的には、CPA信号S22に含まれる有効な信号を取り出すためのゲート回路84を有し、ゲート回路84はタイミング発生回路81からのゲート信号S23に基づき所定角度範囲にあるフォトダイオード30aから出力された有効な信号を通過させ、無効な信号の通過を遮断する。ゲート回路84を通過した有効なCPA信号S22のレベルは比較器82で基準信号TのレベルTと比較され、その比較結果は欠陥検出信号S25として出力される。欠陥検出信号S25は判定回路83に与えられ、判定回路83は欠陥検出信号S25に基づき被検査球体6の表面に傷などの欠陥があるか否かを判定し、その判定結果を示す判定信号S26を制御装置(図示せず)に出力する。判定回路83の判定処理動作はタイミング発生回路81から出力されるリセットパルスS24によって制御され、タイミング発生回路81は制御装置から供給される指令信号S21に基づきゲート信号S23及びリセットパルスS24を生成し、出力する。
【0049】
この表面性状判定手段80においては、図10に示すように、まず、制御装置から判定開始を指示する“H”レベルの指令信号S21がタイミング発生回路81に供給される。タイミング発生回路81は、“H”レベルの指示信号S11を受けると、判定回路83に保持されている判定信号S15をクリアするためのリセットパルスS24を出力するとともに、PD信号S22に含まれる有効な信号を取り出すためのパルス幅を有するゲート信号S23を出力する。
【0050】
判定回路83はリセットパルスS24に基づき判定信号S26を“L”レベルにクリアし、比較器82からの欠陥検出信号S25を監視する。
【0051】
一方、ゲート回路84では、図10及び図11に示すように、ゲート信号S23のパルス幅に相当する期間CPA信号S22を通過させ、即ち有効な信号を通過させる。ゲート回路84を通過した有効なCPA信号S22のレベルは、図11(c)に示すように、比較器82で基準信号Tのレベルと比較され、その比較結果が欠陥検出信号S25として判定回路83に出力される。例えば、図10及び図11中のK時点において、被検査球体6の表面に欠陥があると、CPA30のCPA信号S22のレベル(図中のK点)が基準信号TのレベルTより小さくなり、図10及び図11(d)に示す欠陥検出信号S25が出力される。この欠陥検出信号S25によって、判定回路83からは、図10に示すように、レベルを“H”に保持した判定信号S26が出力され、この判定信号S26のレベルは次のリセットパルスS24が入力されるまで保持される。
【0052】
(実施の第3形態)
次に、本発明の実施の第3形態について図12を参照しながら説明する。図12は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第3形態における主要部を模式的に示す図である。
【0053】
本実施の形態は、上述の各実施の形態における点光源を構成するレーザダイオードを、レーザ光源を用いた点光源に置き換えたものである。
【0054】
具体的には、図12に示すように、レーザ光源1aと、レーザ光源1aから発するレーザ光を集光するための集光レンズ1bと、該集光レンズ1bにより集光される焦点位置に配置され、集光レンズ1bで集光されたレーザ光束を点光源としてみなし得る大きさ(数μm)に規制して通過させるためのピンホールが設けられている部材1cとから構成される点光源を用いている。このように構成された点光源を上述の各実施の形態で用いられているレーザダイオードに置き換えて使用することが可能である。この構成においては、部材1cはそのピンホールの中心位置が楕円の焦点位置(実施の第1形態における焦点位置A)に一致するように配置されている。
【0055】
(実施の第4形態)
次に、本発明の実施の第4形態について図13および図14を参照しながら説明する。図13は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第4形態における被検査球体表面からの反射光束のスリット位置での特性を示す図、図14は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第4形態におけるレーザダイオードのチルト機構の構成を示す図であり、同図(a)はレーザダイオードのチルト機構の構成を示す平面図、同図(b)はレーザダイオードのチルト機構の構成を示す側面図である。
【0056】
本実施の形態は、上述の実施の第1または第2形態に対し、点光源を構成するレーザダイオードをその出射光束の光軸が反射手段の楕円の長軸に対し所定の角度で傾斜するように配置している。
【0057】
具体的には、図13(a)に示すように、レーザダイオードの射出光束は、楕円の断面形状を有し、その光強度は2次のガウス分布を示す。このようなレーザダイオードの射出光束に対し、図13(b)に示すような、その射出光束の断面と同心の半円環状に形成されたスリットを配置したときに透過する光量分布は、図13(c)に示すように、0°から180°の角度範囲で90°付近で低下し、被検査球体の検査領域部分において角度によって異なる強度でレーザ光が照射されることになる。
【0058】
そこで、本実施の形態では、図13(d)に示すように、被検査球体の検査領域部分にレーザ光を均一な強度で照射するために、その射出光束の光軸中心がその断面の短軸方向に半円環状に形成されたスリットに到達する位置においてスリットから偏心して配置するように構成している。このように構成することによって、図13(e)に示すように、そのスリットを透過したときに得られる光量分布は、0°から180°の角度範囲で略均一になる。上記の第1及び第2の実施形態においては、レーザダイオード出射光軸を楕円の長軸11に一致させたが、出射光軸を上記偏心量に対応する所定の角度だけ傾けることによって図13(d)の状態を作ることができ、従って、被検査球体の検査領域部分にレーザ光を略均一な強度で照射することが可能になり、照度むらに起因する誤判定をより確実になくすことができる。また、同じ強度差を許容するとして上記第1及び第2の実施の形態の構成と比較すると、楕円面鏡を規定する楕円の長径及び短径(すなわち焦点AとBの距離)を上記第1及び第2の実施の形態の構成に比して小さく設定することができ、装置の小型化、高精度化を図ることができる。
【0059】
以上を考慮すれば、前述の(1)式または(5)式は、上述した出射光軸の傾き角に対応する光量検出手段の位置での光軸中心の偏心量を考慮し補正したものとなる。
【0060】
次に、レーザダイオードの出射光軸を上記偏心量に対応する所定の角度だけ傾けるためのチルト機構の構成について図14を参照しながら説明する。
【0061】
このチルト機構は、図14に示すように、レーザダイオード1を保持するためのスタンド101を有する。スタンド101は、支持面に置かれる底板101aと、底板101aから垂直に立ち上がる前板101bと、底板101aから垂直に立ち上がり、前板101bと共働して水平方向断面のコ字状の空間を形成する一対の側板101cとから構成されている。
【0062】
側板101cの一方と他方とは互いに対向するように配置され、それぞれの間には回転板102が挿入されている。回転板102には、レーザダイオード1を保持し、レーザダイオード1からの出射光を通す開口部102aが形成されているとともに、レーザダイオード1の射出点Oを通り底板101aに平行に伸びる軸線と同軸の1対の枢軸102bが設けられている。各枢軸102bは対応する側板101cに向けてそれぞれ突出し、対応する側板101cにその軸線の周りに回転可能に支持されている。回転板102は各枢軸102bの周りに回転し、その回転角度は前板101bに取り付けられた送りねじ103の送り量に応じて調整される。送りねじ103は前板101bから回転板102に向けて突出し、その先端部分は回転板102に固定されたストッパ104の先端部104aに各ばね105のばね力で突き当てられている。各ばね105の一端は前板101aに、その他端は回転板102にそれぞれ固定されている。
【0063】
このような構成を有するチルト機構は、初期時には、ダイオードレーザ1の射出点Oが反射手段の楕円の焦点(実施の第1形態では焦点A)に一致するようにかつその出射光束の光軸が反射手段の楕円の長軸に対し所定の初期角度をなすように所定の支持面に設置される。次いで、被検査球体の検査領域部分にレーザ光をできるだけ均一な強度で照射するために、上記偏心量に対応する所定の角度だけ傾ける調整作業が行われる。この調整作業では、送りねじ103を回転板102に向けて送る。この送りねじ103の送りに伴い送りねじ103が各ばね105のばね力に抗しながらストッパ104の先端部104aを押すことにより、回転板102は枢軸102bを中心に送りねじ103の送り量に応じた角度分回転される。このように送りねじ103の送り量に応じて回転板102が回転され、この回転板102の回転に伴いレーザダイオードの出射光束の光軸が反射手段の楕円の長軸に対し傾斜される。送りねじ103が所定量送られる毎にすなわちこの送り量に応じてその出射光束の光軸が傾斜される毎に光検出素子の位置(実施の第1形態の光検出素子3の位置)で照度測定を行い、この照度測定の結果により被検査球体の検査領域部分にレーザ光を均一な強度で照射することが確認されると、出射光束の光軸が上記偏心量に対応する角度で傾斜されたことになり、調整作業が完了する。
【0064】
なお、点光源として、上述の実施の第3形態のものや、レーザダイオードとマイクロレンズや補正用光学系との組合せにより光軸に垂直な平面での光強度の等しい部分の分布が円形とされたもの(市販されている)を採用した場合は、本実施の形態のように光軸を傾ける必要がなくなることはいうまでもない。
【0065】
(実施の第5形態)
次に、本発明の実施の第5形態について図15を参照しながら説明する。図15は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第5形態における光量検出手段の構成を模式的に示す図である。
【0066】
本実施の形態は、上述の実施の第2形態におけるCPAを、光ファイバーと、CPAに比べ安価なリニアイメージセンサとの組合せを用いた光量検出手段に置き換えたものである。
【0067】
本実施の形態に用いられている光量検出手段は、図15(a)に示すように、複数の光ファイバーが束ねられているファイバー束40を有し、ファイバー束40の一端側は各光ファイバーが半円環状に配列するように束ねられ、その他端側が各光ファイバーが直線状に配列するように束ねられている。このように構成されたファイバー束40では、一端で捕らえた半円環状の像(被検査球体からの反射光)を他端側で細長い帯状の像に変換して出力する。
【0068】
ファイバー束40の他端側から出力された像は、光学レンズ42でリニアイメージセンサ41の撮像面に結像され、リニアイメージセンサ41はファイバー束41の他端側から出力された像を光電変換によって電気信号に変換して出力する。すなわち、被検査球体からの反射光量が電気信号として出力されることになり、その電気信号の出力はCPAと同様に行われる。
【0069】
なお、多少のボケを許容するならば、光学レンズ42を用いずに、ファイバー束40の他端近傍にリニアイメージセンサ41を配置し、ファイバー束40の他端から出力された像をリニアイメージセンサ41で直接撮像することも可能である。
【0070】
また、上述の光量検出手段に代わる他の検出手段として、図15(b)に示すように、複数の光ファイバーが束ねられているファイバー束44を有し、ファイバー束44はスピンドルの回転軸43内に挿通されている。ファイバー束44の一端は回転軸43の軸線に対し偏心した位置から回転軸43の一端側に露出され、その他端は回転軸43の軸線上の位置から回転軸43の他端側に露出されている。
【0071】
このようにスピンドルの回転軸43内に挿入されたファイバー束40では、一端で被検査球体からの反射光を受光し、他端側から受光した光をスピンドルの回転軸43の軸線方向に射出する。ファイバー束44の他端側から射出された光量は、光検出素子3で検出される。被検査球体の検査時、スピンドルの回転軸43は回転され、その回転軸43の回転に伴いファイバー束44の一端は、回転軸43の軸線を中心として半径dの円周上を移動する。このファイバー束44の一端の移動によって被検査球体の表面に対する走査が行われることになり、光検出素子3からはファイバー束44の走査によって得られた光量に対応する検出信号が出力される。
【0072】
(実施の第6形態)
次に、本発明の実施の第6形態について図16を参照しながら説明する。図16は本発明に係る球体表面検査装置の実施の第6形態を模式的に示す全体構成図であり、同図(a)は本実施の形態における球体表面検査装置の構成を示す平面図、同図(b)はその球体表面検査装置の構成を示す側面図である。
【0073】
本実施の形態は、上述の実施の第1または第2形態における楕円鏡からなる反射手段7を、コリメートレンズ44と放物面鏡45とに置き換えたものである。具体的には、図16に示すように、コリメートレンズ4の焦点位置Aにあるレーザダイオード1から、ビームスプリッタ4を介して射出された出射光束は、コリメートレンズ44で平行光束に変換された後に放物面鏡45に導かれる。コリメートレンズ44と放物面鏡45との距離は自由に設定することができる。
【0074】
放物面鏡45は、放物線46を軸11の周りに回転させることによって得られる放物面の内面所定領域47を鏡面として有し、その焦点位置Bには球心を一致させた被検査球体6が球体検査部9によって保持される。
【0075】
コリメートレンズ44から射出された平行光束は放物面鏡45で反射され、その反射光束は、焦点B上に保持された被検査球体6の表面における少なくとも自転軸との各交点を含む検査領域部分に対し、被検査球体6の中心に向けて垂直に入射する。
【0076】
このようにして被検査球体6に垂直に入射した光束は、被検査球体6で反射され、表面にキズや汚れ等がない部分については入光経路を逆進し、再び放物面鏡45およびコリメートレンズ44を経てビームスプリッタ4に戻り、その戻ってきた反射光束はビームスプリッタ4により直角方向に曲げられる。ビームスプリッタ4で直角方向に曲げられた反射光束はスリット5で選別され、スリット5の窓部を通過した光のみが光検出素子3に入光する。以下、実施の第1形態と同様な処理が行われ、光検出素子3の検出結果に基づき球体検査部9によって被検査球体6の良品・不良品の選別が行われる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の球体表面検査装置によれば、被検査球体への入射光の立体角は一定となり、被検査球体の鋼球サイズの変化に応じて部品交換等により光学系を変更して被検査球体への入射光の立体角を調整する必要がなくなり、測定準備に手間が掛からなくなるとともに、入射光の光軸を安定に保持した状態で被検査球体の検査を行うことができる。
【0078】
また、被検査球体を所定位置に保持しながら所定軸の周りに回転させることによって被検査球体の全表面を光が走査するので、被検査球体をスキュー回転させる必要がなくなり、したがって従来のような制御ローラを使用する必要もなく、また回転数の不整が生じる虞のあるスキュー機構を使用する必要もなくなり、小径の球体の検査を精度良く行うことができ、運転、保守共容易で安価な球体表面検査装置を得ることができる。
請求項2記載の球体表面検査装置によれば、光量検出手段が、検出する反射光を帯状領域の幅方向に対応する方向に関して規制を行うようにすることにより、傷等による明るさの低下の影響を相対的に上げることができ、検査精度をさらに向上させることができる。
請求項3記載の球体表面検査装置によれば、光源がレーザダイオードとし、レーザダイオードの光軸が、光の射出点と被検査球体の中心とを結ぶ直線に対して傾きを持たせ、光量検出手段により検出される光の照度むらを低減してなることにより、照度むらに起因する誤判定をより確実になくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第1形態を模式的に示す全体構成図である。
【図2】図1の球体表面検査装置の表面性状判定手段における入出力信号を示すタイミングチャートである。
【図3】 図1の球体表面検査装置の反射手段を形成する楕円鏡の内面所定領域を説明するための斜視図である。
【図4】図1の球体表面検査装置における球体検査部の詳細構成図である。
【図5】球体駆動手段の詳細を示す正面図である。
【図6】球体駆動手段の詳細を示す平面図である。
【図7】球体駆動手段の斜視図である。
【図8】図1の球体表面検査装置におけるスリットと光検出素子の配置関係を示す図である。
【図9】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第2形態を模式的に示した全体構成図である。
【図10】図9の球体表面検査装置の表面性状判定手段における入出力信号を示すタイミングチャートである。
【図11】図10の各主要信号におけるそれぞれのレベル変化を示す信号波形図である。
【図12】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第3形態における主要部を模式的に示す図である。
【図13】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第4形態における被検査球体表面からの反射光束のスリット位置での特性を示す図である。
【図14】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第4形態におけるレーザダイオードのチルト機構の構成を示す図である。
【図15】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第5形態における光量検出手段の構成を模式的に示す図である。
【図16】本発明に係る球体表面検査装置の実施の第6形態を模式的に示す全体構成図である。
【図17】球体表面検査装置の第1の従来例を模式的に示す要部概念図である。
【図18】図17のX矢視図である。
【図19】球体表面検査装置の第2の従来例を模式的に示す要部概念図である。
【符号の説明】
1 レーザダイオード(光源)
3 光検出素子(光量検出手段)
5 スリット
6 被検査球体
7 反射手段
8,80 表面性状判定手段
9 球体検査部
12 内面所定領域
26 球体駆動手段
40,44 ファイバー束
41 リニアイメージセンサ
42 対物レンズ
44 コリメートレンズ
45 放物面鏡
Claims (3)
- 被検査球体の表面性状を光学的に検査する球体表面検査装置において、
前記被検査球体を所定位置に保持しながら該被検査球体の中心を通る所定軸線の周りに回転させる被検査球体駆動手段と、
前記被検査球体の中心を通り、前記所定軸線と直交する直線上に射出点が配置されかつ制限された立体角の範囲内で前方に光を射出する光源と、
前記光源の射出点と前記被検査球体の中心とを結ぶ直線を中心とする180度以上に亘る円弧状の断面形状の内周面を有する反射手段を含み、前記光源から発せられて前記反射手段で反射された180度以上の帯状領域に亘る光を前記被検査球体の中心に向けて照射する光照射手段と、
前記被検査球体の表面における検査領域部分で反射されて再度前記反射手段で反射された反射光を所定光路に沿って導き、該導いた反射光の光量を検出する光量検出手段と、
前記検出された反射光の光量に基づき前記被検査球体の表面における検査領域部分の性状を判定する表面性状判定手段と
を備えることを特徴とする球体表面検査装置。 - 前記光量検出手段は、検出する反射光を前記帯状領域の幅方向に対応する方向に関して規制を行うことを特徴とする請求項1記載の球体表面検査装置。
- 前記光源は、レーザダイオードであり、該レーザダイオードの光軸は、光の射出点と前記被検査球体の中心とを結ぶ直線に対して傾きを持たせ、前記光量検出手段により検出される光の照度むらを低減してなる請求項1または2記載の球体表面検査装置。
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