JP3709690B2 - 光偏向器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置に搭載される光偏向器に関し、レーザプリンタ等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等に用いられる光走査装置の光学系では、レーザ光を被走査体上に等速で走査させて線像を形成するために、光偏向器により回転される回転多面鏡が一般的に使用されている。従って、レーザプリンタの内部には、光走査装置が備えられ、光走査装置の内部に光偏向器が備えられている。
【0003】
この光偏向器の回転体は動圧流体軸により回転自在とされるものがあるが、高速回転される為に動圧流体軸受にかじりや焼き付きが生じることがあった。
【0004】
従って、動圧流体軸受であるラジアル軸受及びスラスト軸受により回転自在にされた回転体を有する構造であって、軸受のかじりや焼き付きの防止をするものとして、図17で示す特開平7−259849号公報のようなものがあった。つまり、この図に示すように、スラスト軸受の隙間B、Cがラジアル軸受の隙間Aよりも大きくされ、傾斜して設置されたときや外部からの振動、衝撃に対し、周速が高いスラスト軸受の接触を回避する構造となっている。
【0005】
一方、外部からの粉塵の混入を防止する構造としては、図18で示す特開平8−200353号公報のようなものがある。つまり、この図に示すように、スラスト軸受の空気取り入れ口112の軸とスリーブとの間の隙間Lを動圧発生溝110の深さMよりも小さくして、粉塵の浸入を空気取り入れ口で阻止し、また、微細な粉塵が浸入しても動圧発生溝110に留まるようにしている。更に、動圧発生溝110の一部に図示しないポケットを設け、微細な粉塵を集積するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−259849号公報に示された構造では、ラジアル軸受が接触することで発生する磨耗粉がラジアル方向の隙間に介在されたままとなる。
【0007】
すなわち、動圧流体軸受は、動圧発生溝に流体が流れ込み、その流体の圧力で支持する構造なので、ラジアル軸受の周囲に介在する磨耗粉は流体の流れとともに動圧発生溝内に浸入することになる。そして、浸入した磨耗粉が動圧発生溝に蓄積すると、目的とする圧力は得られなくなる。
【0008】
さらに、これは軸剛性の低下と等しいので、回転体の振動が増加すると共に、回転体の振れ回りが発生するばかりか、外部からの振動及び衝撃に対しても弱くなってしまう。
【0009】
また、特に起動直後及び停止直前は動圧発生力(軸剛性)が低いので、回転体のアンバランスにより回転体は傾き、例えば起動直後には回転体を支持できる十分な動圧発生力が得られるまでの間、ラジアル軸受が接触しながら回動し、定常回転へ移行する。そして、停止時はこれと逆の動作をする。
【0010】
従って、これら一連の動作を繰り返すことでラジアル軸受は更に磨耗し、磨耗粉が動圧発生溝に浸入、蓄積し、この悪循環の後、この光偏向器に取り付けられた電機子コイルと駆動マグネットで発生する起動トルクを上回り起動不良となる。そしてこの結果として、起動不良を原因として装置全体の寿命は短くなる。
【0011】
一方、特開平8−200353号公報に示された構造では、大きな粉塵は空気取り入れ口の隙間で阻止できるが、この隙間よりも小さな粉塵が、動圧発生溝に浸入、蓄積してしまう。
【0012】
また、動圧発生溝の一部にポケットを設けてあるので、ポケットに蓄積した粉塵が動圧発生溝に回り込む可能性が非常に大きくなり、動圧発生溝への粉塵の浸入、蓄積により、特開平7−259849号公報と同様の不具合を生じる。
【0013】
本発明は、かかる従来技術の有する不都合に鑑みてなされたもので、動圧発生溝への粉塵の浸入、蓄積を防止して装置全体の寿命を延ばした光偏向器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1による光偏向器は、回転多面鏡を備える回転体に設けられた回転軸と、
前記回転軸の外周に設けられ且つ下端が封止されて前記回転軸との間に潤滑油が満たされている円筒状のスリーブと、
前記回転軸の外周部またはスリーブの内周部の少なくとも一方に配置された動圧発生溝で前記回転軸のラジアル方向を支持するラジアル軸受部と、
前記回転軸の端部またはスリーブの端部の少なくとも一方に配置され、前記回転軸の軸方向を支持するスラスト軸受部と、を備えた光偏向器であって、
前記回転軸が傾いたとき、前記スリーブの開口上端部と前記回転軸が機械的に接触する部分より前記スリーブの下端側の前記スリーブの内周部に、前記回転軸の回転によって前記スリーブの開口上端部の周囲に位置する潤滑油が前記ラジアル軸受部へ侵入することを阻止する動圧発生溝を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項2による光偏向器は、前記スリーブの開口上端部を、ラジアル軸受部の前記スリーブの内径より大きい大径部とし、この大径部と対向する回転軸の間の隙間が、ラジアル軸受部と対向する回転軸の間の隙間より小さくなるように回転軸を形成することを特徴とする。
【0016】
請求項3による光偏向器は、前記大径部の周囲に環状の溜まり部を形成したことを特徴とする。
【0017】
請求項4による光偏向器は、前記大径部には、回転軸の中心から前記溜まり部へ潤滑油が留まるように働く動圧発生溝が設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項1に係る光偏向器の作用を以下に説明する。
回転多面鏡を備える回転体に設けられた回転軸の外周に、円筒状で下端が封止されたスリーブが設けられ、このスリーブと回転軸との間に潤滑油が満たされている。また、動圧発生溝で回転軸のラジアル方向を支持するラジアル軸受部と、回転軸の軸方向を支持するスラスト軸受部とを有し、動圧発生溝が回転軸の回動によって、ラジアル軸受部の周囲に位置する潤滑油とラジアル軸受部の上部となるスリーブの開口上端部の周囲に位置する潤滑油とを、分離させる。
【0019】
また、回転軸が傾いたとき、前記スリーブの開口上端部と回転軸が機械的に接触する部分より動圧発生溝がスリーブの下端側に設けられているため、スリーブの開口上端部で発生する磨耗粉、外部から浸入する粉塵及び、経時的に劣化した潤滑油を、スリーブの開口上端部の周囲に留めることができ、ラジアル軸受部の動圧発生溝への粉塵の浸入、蓄積を防止して装置全体の寿命を延ばすことができる。
【0020】
さらに、動圧発生溝で確実に、スリーブの開口上端部で発生する磨耗粉、外部から浸入する粉塵及び、経時的に劣化した潤滑油を、スリーブの開口上端部の周囲に留めることができる。
【0021】
請求項2に係る光偏向器の作用を以下に説明する。
本請求項も請求項1と同様の構成を有しており、重複した説明を省略する。但し、本請求項では、スリーブの開口上端部に形成された大径部の内径は、ラジアル軸受部のスリーブの内径より大きく、また、この大径部と対向する回転軸の間の隙間が、ラジアル軸受部と対向する回転軸の間の隙間より小さくなるように回転軸を形成されている。
【0022】
従って、劣化した潤滑油を大径部の周囲に留めることができる。さらに、粉塵浸入口、磨耗粉発生箇所がラジアル軸受部の隙間よりも外周側に存在することになるので、回転体が静止した状態においても劣化した潤滑油を大径部の周囲に留めることができる。
【0023】
請求項3に係る光偏向器の作用を以下に説明する。
本請求項も請求項2と同様の構成を有しており、重複した説明を省略する。但し、本請求項では大径部の周囲に環状の溜まり部が形成されている。従って、回転体の回転時及び静止時において劣化した潤滑油を大径部の周囲だけでなく、溜まり部に留めることができる。
【0024】
請求項4に係る光偏向器の作用を以下に説明する。
本請求項も請求項3と同様の構成を有しており、重複した説明を省略する。但し、本請求項では回転軸の回動により溜まり部内の潤滑油が留まるように働く動圧発生溝が、大径部に形成されている。
【0025】
従って、回転体の回転時においても積極的に劣化した潤滑油を溜まり部に溜めるように働き、大径部の周囲に劣化した潤滑油を留めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき、詳細に説明する。
【0027】
本実施の形態が適用される一般的なレーザプリンタの概略図を表す図1に示すように、レーザプリンタ10の内部には、反射ミラー20及び感光体22の他に、光走査装置12が備えられている。
【0028】
図2には、本実施の形態を適用した光走査装置12の概略構成が示されている。この図に示すように、レーザ光Lを射出する半導体レーザであるレーザ光源14、駆動回転される回転多面鏡32を備えた光偏向器30、レーザ光源14から射出されたレーザ光Lを回転多面鏡32に導くコリメータレンズ16、回転多面鏡32により偏向されたレーザ光Lが入射される走査レンズ18が、それぞれ光走査装置12内に収容されている。
【0029】
つまり、これらレーザ光源14、コリメータレンズ16、光偏向器30及び走査レンズ18により、光走査装置12が構成され、光偏向器30の回転多面鏡32により偏向されたレーザ光Lを、さらに反射ミラー20が反射して感光体22上へ導くことになる。
【0030】
次に、本発明の請求項1に対応する第1の実施の形態を図3から図8に基づき、詳細に説明する。
【0031】
図3は本実施の形態に係る光偏向器30を示す断面図であり、図4は本実施の形態に係る光偏向器30の組立てを示す断面図である。これらの図に示すように、複数の反射面を有した回転多面鏡32、N極、S極を交互に多極着磁した駆動マグネット34Aを取り付けたヨーク部材36及び、軸状に形成された回転軸38が、回転体本体部40にそれぞれ連結されて、回転体42が構成されている。この回転軸38の外周側には、下端を封止した筒状のスリーブ44が、ハウジング機能を兼ねる鉄製のプリント基板46に立設されて、配置されている。
【0032】
これらスリーブ44と回転軸38との間の隙間量は数μm〜数十μm程度であり、この隙間に潤滑油が満たされている。図5に示すように、スリーブ44の内周部にはヘリングボーン状の動圧発生溝48が設けられていて、この動圧発生溝48が回転軸38のラジアル方向を支持するラジアル軸受部50を形成している。また、回転体42の軸方向は、回転軸38の下端部の凸部38Aとスリーブ44の下端部に設けた摺動材(例えば熱可塑型の工業用樹脂剤)56とで形成されたピポット軸受であるスラスト軸受部52により、支持されている。
【0033】
ここで回転軸38のラジアル方向を支持する動圧発生溝48は回転軸38側にあってもよい。また、回転軸38の軸方向を支持する機構としては、磁気軸受、回転軸38の端部に動圧発生溝48を設けた動圧流体軸受でもよい。
【0034】
他方、図3に示すように、前記駆動マグネット34Aに対して径方向に対向する位置には、駆動マグネット34Aとでモータ34を構成する電機子コイル群34Bが配設され、駆動マグネット34Aと軸方向に対向する位置にはマグネット位置検出器62(例えばホール素子等)が配設されている。
【0035】
電機子コイル群34Bには、図6の起動及び停止命令信号70及びマグネット位置検出器62からの信号を基にモータ駆動回路72より励磁電流が流れ、駆動用マグネット34Aとの誘導磁力で高速に回動する。
【0036】
さらに、制御回路60のブロック図を表す図6に示すように、速度検出器64により得られる回転体42の速度情報信号を定速制御回路66(PLL制御)にフィードバックし、目的の回転数に相当する基準信号68と比較し、その誤差分を補うようモータ駆動回路72を制御し、回転体42を定速回転している。
【0037】
次に、画像記録装置であるレーザプリンタ10と光偏向器30の動作について述べる。
【0038】
画像記録開始とともに、光偏向器30は約10000〜30000rpmまで数秒間で起動し、画像記録中は前記回転数で定速回転する。そして、画像記録終了後は停止状態へ移行する。この際、光偏向器30としては起動及び停止の動作を繰り返しており、この繰り返し回数はレーザプリンタ10であれば約400000回に達することになる。
【0039】
次に、光偏向器30の起動及び停止動作中の回転軸38とスリーブ44と潤滑油の関係について述べる。
【0040】
回転軸38のラジアル方向の支持は、ヘリングボーン状の動圧発生溝48で行っているので、動圧発生力(軸剛性)は回転軸38とスリーブ44の相対速度差に比例して大きくなる。従って、起動直後及び停止寸前の動圧発生力は小さく、この時に回転体42が持つアンバランスにより、図7に二点鎖線で示すように回転軸38は傾くことになる。
【0041】
そして、回転軸38が傾くことで、スリーブ44の開口上端部の潤滑油の潤滑膜に作用する粘性せん断応力は局所的に大きくなり、流体潤滑状態が乱れるとともに発熱する。
【0042】
ここで潤滑油の劣化要因について述べるが、潤滑油の劣化要因としては、熱によるもの、不純物混入によるもの、基油の経時的酸化によるものがある。
【0043】
具体的にいうと、熱的劣化要因とは、環境温度の上昇、光偏向器30の制御回路60及び電機子コイル群34Bの発熱等の影響で、潤滑油に含まれる基油(例えばポリαオレフィン)、添加材(例えばステアリン酸)が熱分解され、スラッジ、カーボンが生成されることを意味する。不純物混入要因とは、熱的劣化で生成されるスラッジ、カーボンの他に、スリーブ44と回転軸38の機械的接触による磨耗粉、外部から浸入する粉塵等が潤滑油に混入することを意味する。基油の経時的酸化要因とは、酸化防止剤の消耗等により基油が経時的に酸化し、スラッジが生成されること意味する。
【0044】
次に、劣化した潤滑油の油膜形成について述べる。
劣化した潤滑油の油膜形成能力は低下するとともに、スラッジ、カーボン、粉塵が油膜に介在するので、油膜形成面は減少する。さらに、起動及び停止の繰り返し動作による流体潤滑状態の乱れが加わることで、鉄系の合金で形成された回転軸38と銅系の合金で形成されたスリーブ44とが機械接触を起こす。
【0045】
そして、機械接触による局所的な発熱は、潤滑油の粘度を低下させ油膜形成能力を低下させ、潤滑油の熱的劣化要因となる。また、機械接触で発生した磨耗粉は油膜形成面を減少させ、スリーブ44及び回転軸38を傷付けて不純物混入の要因となり、更に油膜形成能力を低下させる。
【0046】
また、外部から振動及び衝撃が加えられると、潤滑膜に作用する粘性せん断応力は局所的に増大するが、高速回転中においては、潤滑油が劣化する大きな要因の1つとなる。
【0047】
以上の結果として、油膜形成能力が低下すると共に潤滑油が劣化して、スリーブ44と回転軸38はかじり、焼き付きが発生する。そして、以上の劣化要因に加え、スラッジ、カーボン、磨耗粉、粉塵等が含まれた潤滑油が動圧発生溝48(溝深さ数μm)に蓄積することも、スリーブ44と回転軸38のかじり、焼き付きまでの時間が短縮される要因となる。
【0048】
また、スラッジ、カーボン、磨耗粉、粉塵等が含まれた潤滑油が蓄積することで、動圧発生溝48が目詰まりを起こすと、目的とする動圧力は得られず、軸剛性が低下、回転体42の振動が増加する。さらに、構成によっては、ハーフホワール振動も発生し、外部からの振動及び衝撃に対しても弱くなる。
【0049】
すなわち、上記の問題に対して本実施の形態としては、図3及び図8に示すように、回転軸38の回動にてスリーブ44の開口上端部の周囲の劣化しやすい潤滑油とラジアル軸受部50の周囲の潤滑油を分離させる分離機構である動圧発生溝54がスリーブ44の内周面に設けた構造とされており、これにより劣化した潤滑油が動圧発生溝48に浸入、蓄積することを防止するものである。
【0050】
この結果、スリーブ44の開口上端部の周囲に位置する潤滑油とラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油とが混ざり難くなり、スラッジ、カーボン、磨耗粉が含まれた潤滑油が動圧発生溝48に蓄積するのを防止でき、目詰まりによる潤滑油の劣化要因は軽減される。
【0051】
次に、本発明の請求項2に対応する第2の実施の形態を図9に基づき、詳細に説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0052】
本実施の形態では、図9に示すように、回転軸38及びスリーブ44の上部を一段大きく形成した分離機構である大径部80が設けてあり、スリーブ44の開口上端部とそれに対向する回転軸38との間の隙間Bと、ラジアル軸受部50とそれに対向する回転軸38との間の隙間Aとが同一の大きさで、スリーブ44の開口上端部の内径aがラジアル軸受部50の内径bよりも大きくされている。
【0053】
但し、分離機構が配置されるスリーブ44の開口上端部とそれに対向する回転軸38の部分との間の隙間が、ラジアル軸受部50とそれに対向する回転軸38の部分との間の隙間以下の大きさとしても良い。
【0054】
さらに、この光偏向器30に係るスリーブ44の開口上端部の内径aは、ラジアル軸受部50の内径bよりも大きくされているので、回転体42が回動している場合において、回転軸38が広くなっている大径部80周辺の潤滑油が、回転軸38中心から外周方向へ流れようとする。この為、スリーブ44の開口上端部の周囲の潤滑油とラジアル軸受部50の周囲の潤滑油が混ざり難くなる。
【0055】
この結果として、第1の実施の形態の光偏向器30と同様に、スリーブ44の開口上端部の周囲の潤滑油が劣化してきた場合でも、スラッジ、カーボン、磨耗粉が含まれた潤滑油が動圧発生溝48に蓄積するのを防止できる。
【0056】
また、回転体42の停止状態においても、スリーブ44の開口上端部の大径部80とラジアル軸受部50とが軸方向に直線となっていない為、スリーブ44の開口上端部の周囲の劣化した潤滑油が沈殿しても、ラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油に容易に浸入しない。従って、動圧発生溝48の目詰まりによる潤滑油の劣化は軽減される。
【0057】
次に、本発明の請求項3に対応する第3の実施の形態を図10から図11に基づき、詳細に説明する。尚、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0058】
本実施の形態は、図10に示すように、第2の実施の形態の光偏向器30のスリーブ44の開口上端部とラジアル軸受部50との間に、環状の凹部である溜まり部82を設けた構成とした。
【0059】
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様の構成を有しているので、第2の実施の形態の光偏向器30と同様に、回転体42の回転中においては、スリーブ44の開口上端部の周囲に位置する潤滑油とラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油とは分離される。この為、劣化した潤滑油は、スリーブ44の開口上端部とラジアル軸受部50の間に設けられた環状の溜まり部82にも留められる。
【0060】
従って、回転体42が静止している状態で劣化した潤滑油が沈殿しても、大部分が環状の溜まり部82に溜まるので、回動の有無に関係なくラジアル軸受部50の潤滑油と更に混ざり難くすることができる。
【0061】
更に、溜まり部82を有することで、動圧発生溝48の目詰まりによる潤滑油の劣化は軽減されるとともに、スリーブ44の開口上端部の周囲の潤滑油容量が環状の溜まり部82の体積分だけ増えるので、潤滑油の劣化速度は遅くなる。
【0062】
一方、本実施の形態の変形例として図11に示すように、環状の溜まり部82の一部を傾斜させる構造が考えられる。
【0063】
次に、本発明の請求項4に対応する第4の実施の形態を図12から図16に基づき、詳細に説明する。尚、第1の実施の形態から第3の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0064】
本実施の形態は、図12から図14に示すように、第2の実施の形態の光偏向器30のラジアル軸受部50の隙間よりも外周側にある大径部80とラジアル軸受部50との間に、回転軸38の回動により溜まり部82の潤滑油が止まるように働く動圧発生溝86が設けられている。つまり、スリーブ44が径方向に広くなっている部分に、図13に示すように、スパイラル状の動圧発生溝86を設けた。
【0065】
この為、本実施の形態によれば、第2の実施の形態の光偏向器30と同様な動作をし、回転体42の回動で発生する潤滑油の流れは、回転軸38中心から外周方向へ流れようとする。
【0066】
従って、スリーブ44の開口上端部の周囲に位置する潤滑油とラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油とが混ざり難くなり、更に、スリーブ44の開口上端部の周囲に位置する劣化した潤滑油がラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油と混合するのが一層防止される。
【0067】
一方、本実施の形態の変形例として、図15及び図16に示すように、第3の実施の形態の光偏向器30の溜まり部82とラジアル軸受部50との間に、回転軸38の回動により溜まり部82内に潤滑油が止まるように働く動圧発生溝86が設けられている。つまり、ラジアル軸受部50と溜まり部の間に、図13と同様のスパイラル状の動圧発生溝86を設けた。
【0068】
この為、本変形例によれば、第3の実施の形態の光偏向器30と同様な動作をするとともに、回転体42の回動で発生する潤滑油の流れは、回転軸38中心から外周方向へ流れようとするので、劣化した潤滑油は環状の溜まり部に留まる。
【0069】
この結果、スリーブ44の開口上端部の周囲に位置する潤滑油とラジアル軸受部50の周囲に位置する潤滑油とが混ざり難くなり、溜まり部に沈殿した潤滑油も留まりやすくなる。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の光偏向器によれば、回転軸の回動にてスリーブの開口上端部の周囲の潤滑油とラジアル軸受部の周囲の潤滑油を分離させる動圧発生溝が設けてある。
【0071】
この為、スリーブの開口上端部で劣化した潤滑油がラジアル軸受部の動圧発生溝に浸入し、不純物が動圧発生溝に蓄積するのを防止でき、長期間安定して回転体を支持することができ、結果として、光偏向器の寿命を長くすることができる。
【0072】
請求項2の光偏向器によれば、回転体の回動によって潤滑油を分離するだけでなく、回転体の停止状態で大径部の周囲の劣化した潤滑油が沈殿してもラジアル軸受部の周囲の潤滑油には容易に浸入しないので、更に長期間安定して回転体を支痔することができ、結果として、光偏向器の寿命を更に長くすることができる。
【0073】
請求項3の光偏向器によれば、大径部の周囲の劣化した潤滑油は、溜まり部に沈殿するので、回転体の回転時及び静止時において劣化した潤滑油を大径部の周囲及び溜まり部に留めることができ、更に長期間安定して回転体を支持することができる。
【0074】
この結果として、光偏向器の寿命を更に長くすることができる。そして、潤滑油の劣化が進行する部の潤滑油容量が溜まり部の体積分だけ増えるので、更に長寿命を達成できる。
【0075】
請求項4の光偏向器によれば、劣化した潤滑油を溜まり部に溜めることができるので、更に長期間安定して回転体を支持することができ、結果として、光偏向器の寿命を更に長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される一般的なレーザープリンタの概略図である。
【図2】本実施の形態を適用した光学装置の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光偏向器を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光偏向器の組立てを示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のスリーブに形成された動圧発生溝に流れる潤滑油の方向を示す拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る光偏向器の制御回路を示すブロック図である。
【図7】起動直後及び停止直前の回転軸とスリーブの動作を示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る回転軸及びスリーブと動圧の圧力分布との関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る回転軸及びスリーブと動圧の圧力分布との関係を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る回転軸及びスリーブと動圧の圧力分布との関係を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の変形例に係る回転軸及びスリーブと動圧の圧力分布との関係を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る回転軸及びスリーブを示す断面図である。
【図13】図12の13−13矢視線図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る動圧発生溝の説明図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る回転軸及びスリーブを示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の変形例に係る動圧発生溝の説明図である。
【図17】従来の光偏向器のかじり、焼き付きの防止構造を示す断面図である。
【図18】従来の光偏向器の粉塵混入の防止構造を示す断面図である。
【符号の説明】
30 光偏向器
32 回転多面鏡
38 回転軸
42 回転体
44 スリーブ
48 動圧発生溝
50 ラジアル軸受部
52 スラスト軸受部
54 動圧発生溝

Claims (4)

  1. 回転多面鏡を備える回転体に設けられた回転軸と、
    前記回転軸の外周に設けられ且つ下端が封止されて前記回転軸との間に潤滑油が満たされている円筒状のスリーブと、
    前記回転軸の外周部またはスリーブの内周部の少なくとも一方に配置された動圧発生溝で前記回転軸のラジアル方向を支持するラジアル軸受部と、
    前記回転軸の端部またはスリーブの端部の少なくとも一方に配置され、前記回転軸の軸方向を支持するスラスト軸受部と、を備えた光偏向器であって、
    前記回転軸が傾いたとき、前記スリーブの開口上端部と前記回転軸が機械的に接触する部分より前記スリーブの下端側の前記スリーブの内周部に、前記回転軸の回転によって前記スリーブの開口上端部の周囲に位置する潤滑油が前記ラジアル軸受部へ侵入することを阻止する動圧発生溝を設けたことを特徴とする光偏向器。
  2. 前記スリーブの開口上端部を、ラジアル軸受部の前記スリーブの内径より大きい大径部とし、この大径部と対向する回転軸の間の隙間が、ラジアル軸受部と対向する回転軸の間の隙間より小さくなるように回転軸を形成することを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
  3. 前記大径部の周囲に環状の溜まり部を形成したことを特徴とする請求項2記載の光偏向器。
  4. 前記大径部には、回転軸の中心から前記溜まり部へ潤滑油が留まるように働く動圧発生溝が設けられたことを特徴とする請求項3記載の光偏向器。
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